JP3613131B2 - 放電ランプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等の放電ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶プロジェクタに代表される投射型ディスプレイ装置では、光源に対しリフレクターを配設して平行光を形成し、数十のレンズ界面を通過してスクリーンに投影像を投射結像させる方式が採られる。このため光源には高輝度性能が求められ、これまで水銀と金属ハロゲン化物を封入したメタルハライドランプが用いられると共に、ショートギャップ化等、スクリーン照度の向上が図られてきた。
【0003】
このような背景のもと、近年メタルハライドランプに代わって、特開平6−52830号に開示されているような、極めて水銀蒸気圧の高い高圧水銀ランプが提案されている。高圧水銀ランプは、高い水銀蒸気圧とともにショートギャップでアークの広がりを抑制できる小型で高輝度の性能を有する。このランプは、図8に示すモリブデン箔を利用した高圧水銀ランプであって、放電容器1aによって形成される放電スペース2a内に、一対のタングステン電極3aが対向配置され、このタングステン電極はモリブデン箔4aに連接されて導通を取り、外部リード線5aに連接されて外部との電気的連接をなしている。更に、モリブデン箔4a部は、外周に位置する放電容器の一部である石英管を熱によって溶かして溶着し、放電スペース2aを形成し、放電スペース2a内には封入物質として、水銀、希ガス、ハロゲンなどが封入され、アークによって励起された水銀原子が発光することでランプとしてこれまでにない高輝度化を達成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの高圧水銀ランプは、その水銀蒸気圧と管壁負荷の高さ故、ランプ構造体へ求められる耐久性能はきわめて高いレベルにあり、放電容器形状の微妙な違いや封入する水銀量のわずかなずれでランプに破裂をきたしたり、放電容器に局温上昇を発生させ、石英管の変形や白濁による光束性能低下を招く結果となり、ランプとしての品質安定性を得る事ができなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、ランプの初期破損防止、ランプの黒化破損防止、ランプ寿命の長期化など種々の好適な特性を持つ放電ランプを提供することを目的とし、その要旨を非電導性材料からなる放電容器の端部に閉塞体を設け、この閉塞体に形成した孔にタングステン電極を挿入してなる放電ランプにおいて、前記放電容器内の放電スペースを発光が行なわれる主要放電スペースと前記閉塞体の孔の内周面とタングステン電極の外周面との間に形成され且つ前記主要スペースに開口する空間とから構成し、この空間をタングステンとシリカの混成体からなるポーラス状とすることで、封入物質であるハロゲンをハロゲン化金属として貯留するとともに前記主要放電スペースに遊離ハロゲンを放出するハロゲン調整帯とし、前記放電スペースの全長A ( mm ) を10L≦A≦50L(Lは、タングステン電極間のアーク長)とした。
【0006】
従って、本発明では、放電スペースとしての閉鎖系の一部にハロゲン調整帯を配設することで、ランプ点灯時の昇圧レベルに応じて、ハロゲン調整帯には一定量の封入物(ハロゲン化金属)が介在するようになり、ハロゲン化金属(発光物質)量がランプ系に対して過剰である場合ほど、ハロゲン調整帯内に移動保留されるハロゲン化金属(発光物質)の量は増え、放電スペースにおける遊離ハロゲンの経時的濃度低下に対し、ハロゲン調整帯にて制御保留されたハロゲン化金属が、遊離ハロゲンを補う可逆的動作をすることが可能になり、また、結果的に発光に寄与するガス量を調整する機構を形成する。これにより、ランプ仕様から上限側に外したランプ、すなわち、ハロゲン化金属が過剰に封入されたランプであっても初期破裂を効果的に防止でき、タングステン輸送力の低下によるランプの黒化を防止しできる。また、電極間のアーク長をL ( mm ) とした時に、放電スペースの全長A ( mm ) を10L≦A≦50Lとすることで、最冷部特性がランプ全体の発光特性を著しく低下せしめる事なく、ランプの破裂や放電容器の変形を効果的に防止することができる。更に、ハロゲン調整帯をポーラスとしているので、ハロゲン化金属の移動保留がスムーズに行える。
【0007】
好適な実施態様として、タングステン電極を、放電容器を気密封止する閉塞体に固定することで、対向する電極との偏芯を極力防止できるものとなる。
【0008】
また、閉塞体を導電材料と絶縁材料が軸方向に傾斜した材料とすることで、Mo箔で内部電極と外部電極をつなぐ場合に比べ、耐圧、シールの確実性等に優れた構造を提供でき、同時にハロゲン調整帯を設けること事でハロゲン調整帯の設計・製造が容易に行える。
【0009】
【0010】
また、ハロゲン調整帯はタングステンとシリカの混成体により構成され、ハロゲン調整帯の組成はシリカの重量パーセント濃度で評して20%以下(0を含まず)とすることで、ハロゲン調整帯であるタングステンとシリカの混成体は、その製造工程において完全に焼結することなくポーラスなハロゲン調整帯として生成され、一定の耐熱強度を保持した緩衝材として作用させる事ができる。
【0011】
上記混成体におけるタングステンの粒径は0.5μm以上とすることで、ハロゲン調整帯に用いられたタングステン粉は、シリカによって未焼結状態でバインドされたのみの状態でかつ、緩衝機能を充分に発揮せしめるポーラス状態となり、ランプの破裂や放電容器の変形を効果的に防止することができる。
【0012】
また、本発明の放電ランプにおいては、閉塞体もしくはランプ最冷部温度部近傍にあたるハロゲン調整帯の少なくとも一部分に、放電容器中に存在する不純物を吸着できるゲッタ作用を有する成分を有していることを特徴とする。これにより、ハロゲン調整帯に移動保留される物質の内、ランプ特性に悪影響を及ぼすH2やNa、K、石英発光管表面より発生するSiOガスを選択的にトラップできることとなり、ランプ特性を低下させることのない高寿命放電ランプを提供できる。
【0013】
また、ハロゲン調整帯の少なくとも一部がランプの最冷部温度以上とし、その温度を320℃以上とすることで、緩衝制御温度が低くなりすぎることを320℃以上という形で規定することでランプ最冷部温度の下限値を制限し、ランプ系全体の性能低下につながることなく、確実にハロゲン調整帯でのハロゲン制御ができるランプ構造を提供できる。
【0014】
また、上記ハロゲン調整帯の長さL’(mm)を、10≦L’≦30とすることで、大小さまざまな緩衝特性であっても、上記条件の中で自在に制御提供することができる。
【0015】
また、ハロゲン調整帯の厚み、例えば、本実施例では、タングステン電極と閉塞体との隙間を300μmと規定したことで、アークの高温によって破砕した緩衝材片がアーク近傍まで侵入することなく、ガス調整性能を発揮することができるよう構成している。
【0016】
【0017】
また、前記封入物質として水銀と希ガスとハロゲン化金属を封入し、水銀量を0.12mg/mm以上、管壁負荷を0.5W/mm以上とした放電ランプ、更には、前記ハロゲン封入量を1.1×10-4〜2.0×10-2μmol/mm3の範囲とした放電ランプとすることで、高濃度で封入したハロゲン化金属は、ランプ点灯によってハロゲン調整帯へ移動し、主要放電スペースにおけるハロゲン濃度を高レベルの腐食性が発生しない状態にまで低下せしめ、結果的に、高温高圧状態である前記主要放電スペースにおけるタングステン電極等の腐食を抑制することができる。これにより、ハロゲンによるスペクトル吸収のレベルが抑制され、ランプの高輝度化が達成できる。尚、ハロゲンを金属化合物にて導入することで、比較的高濃度のハロゲンを容易に導入することができる。
【0018】
また、前記ハロゲン調整帯に保留されたハロゲン化金属をバッファーとして、前記主要放電スペース内における遊離ハロゲンの経時的低下を防止する機構として利用することで、前記主要放電スペースにおける遊離ハロゲンの経時的濃度低下に対し、ハロゲン調整帯にて制御保留されたハロゲン化金属が、それを補う可逆的動作をすることが可能になり、タングステン輸送力の低下によるランプの黒化を防止し、性能の長期維持が可能になる上、長寿命化されたランプを提供することができる。
【0019】
また、前記発光物質としての水銀量を0.3mg/mm3〜0.9mg/mm3とし、点灯時の水銀蒸気圧を150気圧以上とした放電ランプのような非常に高輝度を有するランプを提供できる一方、放電容器には過酷な環境下のランプであっても、ハロゲン調整帯の上記のような効果により破裂等の特性劣化を低減した放電ランプを提供できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以上、説明した本発明の構成・作用をより一層明らかにするために、好適な実施例について説明する。
【0021】
図1は放電ランプとして高圧水銀ランプを適用した第一の実施例を示す構成図である。まず、石英ガラス製の放電容器11は球状や楕円球状をしており、その内部にはタングステンからなる電極12が対向配置されている。また、放電容器内に形成される閉鎖系たる放電スペース13内には、放電用ガスとしてアルゴンガスが所定圧力で封入されていると共に、発光金属として、実質的に水銀、及び臭化水銀が封入されている。尚、放電用ガスとしての不活性ガスとして、アルゴンのほかヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、ラドンなどの不活性ガスを1つまたは複数選択できる。ここで、放電容器11の両端には閉塞体14が配設されているが、これは、放電容器と同等成分からモリブデンやタングステンなどの導通金属へ機能傾斜した、いわゆる傾斜機能材料である。ここで使用する傾斜機能材料は、放電容器と同じ材質であるシリカと導電性金属のモリブデンを焼結したものであり、その混合比率を連続的もしくは段階的に変化させしめ、結果として放電スペース13側を非電導性、他方を電導性としたものである。この傾斜機能材料からなる閉塞体14のシリカ側は、放電容器11に少なくとも2mm以上全周にわたって溶着され、これにより完全なシール体と閉鎖系を形成している。
【0022】
図2は、本発明のハロゲン調整帯部の詳細図である。タングステン電極12の電極棒12bは、閉塞体14に形成された孔15に挿入される。この孔15は閉塞体14に設けられた座ぐり孔であり、この孔15と電極棒12bによって形成される空間に、タングステンとシリカの混成体によってなるハロゲン調整帯16が配設されることになる。ハロゲン調整帯の厚みは300μm以下であり、アークによって発生する熱による劣化を効果的に防止している。また、タングステンとシリカの混成体であるハロゲン調整帯16は、閉塞体14となる傾斜機能材料を仮焼後、タングステン電極12と共に、孔15に注挿入され、再度焼成することによって生成され、タングステン電極12を固定する。ハロゲン調整帯16の組成は、シリカの重量パーセント濃度で評して20%以下であり、また、タングステン粉末の粒径は0.5μm以上が望ましい。
【0023】
図3は本発明の高圧水銀ランプにおける放電スペース13の全長とアーク長に関する実験結果を示す表である。放電スペース13の全長をA(mm)、アーク長さをL(mm)としている。封入した水銀量は、実際の仕様値よりも15%多めとし、ハロゲン調整帯16の厚みは200μmとしている。図によれば放電スペース13におけるハロゲン調整帯の長さがアーク長に対して相対的に小さくA/Lの値が8であった場合、ランプ電圧の過度の上昇によりランプは結果的に破裂している。一方でA/Lの値を10から50へと変化させた場合、本高圧水銀ランプに破裂は発生せず安定した点灯性能を示した。さらに、A/Lの値を50以上の値にした場合、本高圧水銀ランプは、黒化をきたし最終的には不点灯の状態に至っている。
【0024】
図4は本発明の高圧水銀ランプにおけるハロゲン調整帯16の組成とハロゲン調整効果を表すグラフである。図4によれば、ハロゲン調整帯16の厚みtが300μmより大きい場合、ランプはいずれも黒化をきたしている。ランプ黒化の要因に関しては、封入するハロゲン量や放電容器内の不純物制御など複数の要因が通常絡むものであり、本実験の黒化に関しての機構や要因は必ずしも明らかではないが、発明者らが試行錯誤した結果では、おそらくタングステンとシリカの混成体であるハロゲン調整帯の一部がアークの高温によって破砕し、アーク近傍まで侵入することで発生したものと考えられる。また、タングステン粒径が0.5μm以下の場合、ハロゲン調整帯の構成が密になりすぎ、結果として、狙ったハロゲン調整機能が得られない構成になっていたのではないかと考えられる。タングステン粒径が0.5μm以上である場合、同様の条件においてもランプは安定した点灯特性を示し、安定したハロゲン調整機能を作用させることに成功している。
【0025】
次のハロゲン量に関する影響について、他の実施例にて詳述する。
【0026】
上記実施例と異なる点として、図5に示すようにタングステン電極として、陽極と陰極を有するDCランプとして評価した以外は、同様である。
【0027】
図5において、石英ガラス製の放電容器11は球状や楕円球状をしており、その内部にはタングステンからなる電極12が対向配置されている。また、放電容器内に形成される閉鎖系たる放電スペース13内には、放電用ガスとしてアルゴンガスが所定圧力で封入されていると共に、発光金属として、実質的に水銀、及び臭化水銀が封入されている。ここで、放電容器11の両端には閉塞体14が配設されているが、これは、放電容器と同等成分からモリブデンやタングステンなどの導通金属へ機能傾斜した、いわゆる傾斜機能材料である。ここで使用する傾斜機能材料は、放電容器と同じ材質であるシリカと導電性金属のモリブデンを焼結したものであり、その混合比率を連続的もしくは段階的に変化させしめ、結果として放電スペース12側を非電導性、他方を電導性としたものである。この傾斜機能材料からなる閉塞体14のシリカ側は、放電容器11に少なくとも2mm以上全周にわたって溶着され、これにより完全なシール体と閉鎖系を形成し、同じく閉塞体14に連接された外部リード線17によって点灯動作のための電力が供給されることとなる。
【0028】
さらに、本発明の放電ランプには、シリカとタングステンの混成体よりなるハロゲン調整帯16が配設される。本放電ランプにおける最冷部温度は、ハロゲン調整帯帯最冷部温度と一致し、温度はハロゲン調整帯の長さL’(18)によって自立制御されることとなる。
【0029】
図6より、8.2×10−5μmol/mmのハロゲンを封入した場合(No.01)、実験後100時間でランプ放電容器に黒化が生じ、2000時間の照度測定をまたずにランプは破裂に至った。また、ハロゲンの封入量を9.4×10−5μmol/mmとした場合(No.02)の2000時間後のスクリーン照度は、初期値の39%と著しく低下し、黒化と影響による照度低下が確認された。ハロゲン封入量の下限値を1.1×10−4μmol/mmとすることで(No.03)、非常にクリアーな高圧水銀ランプを得ることができる。さらに、ハロゲンの封入量を2.6×10−2μmol/mmとした場合は(No.10)、タングステン電極の摩耗によるギャップ長の拡大が激しく、さらに、高濃度ハロゲンによる高い腐食作用が原因と見られる白濁の成長が見られ、著しい照度低下を招く結果となった。
【0030】
図7は、試験No.01、No.09、No.11のランプ12時間点灯後におけるランプの発光スペクトル分布である。本実験で封入したハロゲンは臭化水銀である。従って、遊離ハロゲンとして放電容器内には臭素が存在する。臭素の吸収スペクトルは、416nmの短波長可視光成分を極大値として333nmから588nmまで分布しているため、高濃度ハロゲンによるスペクトル吸収が顕在化すれば、高圧水銀ランプの場合、550nm近傍の水銀のスペクトルより、低波長側の水銀スペクトルの強度が相対的に低下する。No.01の発光スペクトル分布を見ると、もともとハロゲン量不足の状態であるため、短波長側の水銀スペクトルの吸収は傾向的に見て取れず、550nmの水銀スペクトルよりもむしろ低波長側の方が強く測定されている。この傾向はNo.09まで同様である。No.11の状態にまでハロゲン量を増やすと、水銀ランプの発光スペクトル分布に、短波長側の吸収が顕在化する。No.11のランプは、ハロゲンの吸収スペクトルが発生した影響で、光束性能が約10%低下する結果となった。No.11のようなハロゲン過多のランプに関しては、高い腐食作用による結晶化・白濁の発生があり、ハロゲン量の上限値を2.0×10−2μmol/mmと規定することで、ハロゲンによる吸収スペクトルを最大限抑制して、高輝度化した高圧水銀ランプを構成することができる。このように、本ランプの傾向は、図8の従来構造の放電ランプを用いた従来の設計条件と全く異なる傾向を示すランプとなった。
【0031】
また、前記実施例における閉塞体もしくはハロゲン調整帯の一部には、H2やNa、K、石英発光管表面より発生するSiOガスを選択的にトラップする物質を付与構成する。例えば、ハロゲン調整帯における構成では、ゲッタリング物質をSiOとタングステンの粒子と一緒に調合することで容易に得ることができ、その位置もハロゲン調整帯のランプ点灯時の温度分布(最冷部箇所)により長手方向に対し所望の領域にトラップすることができる。また、閉塞体における構成では、傾斜機能材料の成形時、原材料と共に調合・傾斜成形することで容易にそのゲッタ機能を付与構成することができる。付与構成する例として挙げるならばTaなどが考えられるが、他のゲッタ物質であっても良い。尚、本出願人は、発光管の主要構成成分であるSiOから発光管内の高温高圧下でガス化したSiOが、発光管内容表面へ再び戻るという反応過程の中において、発光管を白濁させる作用をもつ可能性があること見出しており、前記ゲッタにて本反応を制御することで、発光管の白濁を回避でき長寿命のランプを提供できることなった。
【0032】
尚、上記実施例では、ハロゲン調整帯をタングステン電極の固定端近傍のそれぞれに設けた例を説明したが、AC、DCの形式の違いや縦・横点灯の違い、更には、放電ランプをミラーに組み入れるなどの状況によっては、すなわち、放電スペースの温度分布、最冷部位置によって、一方に設けても、本発明の効果を呈する事ができる。例えば、DCランプのように陽極側の温度は常時最冷部温度以上にあるので、トラップ機能は、有効に作用するが、ハロゲン化金属の保留供給の機能は、多少劣るので、陰極だけに付与するなどである。
【0033】
また、一対のタングステン電極の双方に異なった機能(一方には、トラップ機能、他方には、ハロゲン化金属の保留供給機能など)を持たせるようにすることもできる。
【0034】
また、上記実施例では、高圧水銀ランプを例に説明しているが、発光物質を適宜選択し、種々の放電ランプに適用できることは、もちろんである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第一の実施例を示す構成図
【図2】本発明におけるハロゲン調整帯の詳細図
【図3】本発明における放電スペースの全長とアーク長に関する実験結果
【図4】本発明におけるハロゲン調整帯の組成とハロゲン調整効果
【図5】本発明における他の実施例を示す説明図
【図6】本発明おけるハロゲン量−ランプ品質の実験結果
【図7】ランプ12時間点灯後におけるランプの発光スペクトル分布
【図8】モリブデン箔を利用した従来の高圧水銀ランプの構成図
【符号の説明】
1a…放電容器
2a…放電スペース
3a…タングステン電極
4a…モリブデン箔
11…放電容器
12…タングステン電極
12b…電極棒
13…放電スペース
14…閉塞体
15…孔
16…ハロゲン調整帯
17…外部リード線
18…ハロゲン調整帯の長さL’

Claims (3)

  1. 非電導性材料からなる放電容器の端部に閉塞体を設け、この閉塞体に形成した孔にタングステン電極を挿入してなる放電ランプにおいて、前記放電容器内の放電スペースを発光が行なわれる主要放電スペースと前記閉塞体の孔の内周面とタングステン電極の外周面との間に形成され且つ前記主要スペースに開口する空間とから構成し、この空間をタングステンとシリカの混成体からなるポーラス状とすることで、封入物質であるハロゲンをハロゲン化金属として貯留するとともに前記主要放電スペースに遊離ハロゲンを放出するハロゲン調整帯とし、前記放電スペースの全長A ( mm ) を10L≦A≦50L(Lは、タングステン電極間のアーク長)としたことを特徴とする放電ランプ。
  2. 請求項1に記載の放電ランプであって、前記閉塞体は、導電材料と絶縁材料が軸方向に傾斜した材料からなることを特徴とする放電ランプ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の放電ランプであって、前記ハロゲン封入量を1.1×10 - 〜2.0×10 -2 μmol/mm の範囲としたことを特徴とする放電ランプ。
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