JPH1083793A - 高圧放電ランプおよび照明装置 - Google Patents

高圧放電ランプおよび照明装置

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JPH1083793A
JPH1083793A JP8240104A JP24010496A JPH1083793A JP H1083793 A JPH1083793 A JP H1083793A JP 8240104 A JP8240104 A JP 8240104A JP 24010496 A JP24010496 A JP 24010496A JP H1083793 A JPH1083793 A JP H1083793A
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JP
Japan
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discharge vessel
discharge
sealed
discharge lamp
pressure discharge
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JP8240104A
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Akira Ito
彰 伊藤
Hisashi Honda
久司 本田
Atsushi Saida
淳 斉田
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】残留不純ガスによるセラミックスを主体とする
放電容器の黒化が少なく、しかも複雑なシーリング工程
を必要としないで、封着信頼性の高い高圧放電ランプを
提供する。 【解決手段】気密にして放射透過性のセラミックスを主
体とする放電容器内の両端部近傍に一対の電極を封装
し、少なくとも一方の電極側において電極と対応する放
電容器の端部との間に無水石英部材を配設した。無水石
英部材が適度の温度に加熱されて放電容器内の残留不純
ガスを吸着するので、放電容器の残留不純ガスによる黒
化を低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセラミックスを主体
として構成された放電容器を備えている高圧放電ランプ
およびこれを用いた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは石英に比べて耐熱性およ
び耐蝕性に優れることから、高圧放電ランプの放電容器
の材料として放射透過性を有する透光性アルミナやYA
Gを用いることによって、優れた寿命特性が得られると
期待されている。特にディスプロシウムDyやナトリウ
ムNaなどの発光金属が放電容器を構成している材料と
反応して生じる失透現象に伴う光束低下を抑制できると
期待されている。
【0003】ところで、高圧放電ランプの中でもメタル
ハライドランプは、いわゆるハロゲンサイクルの作用に
より、封入された金属ハロゲン化物は高温のアーク中で
は原子に解離して金属原子が発光するとともに、温度の
低い放電容器壁付近では元のハロゲン化物の形に戻り、
発光金属および容器壁との反応による容器材料の失透や
電極金属飛散による容器壁黒化などを抑制する。
【0004】ところが、発光管の製造時に微量の水、酸
素などのガスが不純ガスとして放電容器内に残留するこ
とは避けられない。これらの不純ガスはときしてハロゲ
ンサイクルの作用を妨げ、管壁の黒化や失透などの発生
を早める。特にセラミックスを主体とする放電容器にお
いては前述の期待にもかかわらず早期に発光が黒化する
などの現象が見られた。
【0005】これに対して、特開平6−196131号
公報にはセラミックス製の放電容器を使った放電ランプ
において、ニオブ、タンタルなどの酸素、水素透過性金
属を介して放電容器内部の不純ガスを除去する技術が開
示されている。すなわち、第1回目のシールはニオブな
どの金属を内部空間に露出した状態で行い、その状態で
発光管を加熱して放電容器内の残留不純ガスをニオブ金
属に吸着させ、その後第2回目のシールによりニオブ金
属を耐ハロゲンフリットでカバーし、長期点灯中のハロ
ゲンによるニオブの侵食を抑制するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の従来技
術は2回のシーリング工程が必要となり、製造工程が複
雑になるとともに、酸素、水素を吸着したニオブ表面と
フリットとの境界部の封着の信頼性がやや低いなどの問
題がある。
【0007】これに対して、本発明者は放電容器として
石英を用いた従来から実用されているメタルハライドラ
ンプにおいては残留不純ガスによる発光管の黒化は殆ど
問題にならなかったことに着目して本発明をなすに至っ
た。
【0008】本発明は、残留不純ガスによるセラミック
スを主体とする放電容器の黒化が少なく、しかも封着信
頼性の問題のない高圧放電ランプおよびこれを用いた照
明装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を達成するための手段】請求項1の発明の高圧放
電ランプは、気密にして放射透過性のセラミックスを主
体として構成された放電容器と;放電容器内の両端部近
傍に封装された一対の電極と;少なくとも一方の電極と
対応する放電容器の端部との間に配設された無水石英部
材と;放電容器内に封入された放電媒体と;を具備して
いることを特徴としている。
【0010】本発明および以下の請求項の各発明におい
て、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は
次による。
【0011】放電容器は、気密性にして放射透過性であ
ればよく、形状、大きさ、材質などを問わない。放射透
過性であるとは、放電によって発生した放射を外部に導
出するために、少なくとも一部が放射透過性を備えてい
るものを含む意味である。放射の透過性は所望波長域の
放射に対して透明性および拡散透過性のいずれかがあれ
ばよい。また、セラミックスを主体とするとは、放電容
器の一部に放射透過性を有さない他の材質の部分たとえ
ば耐火性金属からなる管などが封着されて放電容器を構
成している態様を含む。
【0012】放電の態様は、交流放電および直流放電の
いずれでもよく、またロングアーク放電およびショート
アーク放電のいずれでもよい。
【0013】したがって、電極は、上記放電の態様に対
応する構成であることを許容するものである。また、本
請求項においては電極を封装するための構成はどのよう
なものでもよく、特定の構成に限定されない。
【0014】無水石英部材は、OH含有量の少ない石英
部材をいい、通常OH含有量が10ppm以下のものが
効果的である。また、無水石英部材の形状およびサイズ
は特段制限されないが、放電容器内において無水石英部
材が収納される部位の構造に対応した形状を有して収納
に支障がなく、しかも電極からの熱で残留不純ガスを吸
着しやすくなる適当な温度に昇温するようなものであれ
ばよい。少なくとも一方の電極側に無水石英部材を配設
するとは、たとえば直流放電形の場合に陽極側は高温に
なるため、陽極側に無水石英部材を配設すると、同部材
の温度が高くなりすぎやすいので、そのようなときは陰
極側だけ、換言すれば一方の電極側のみに配設してもよ
いとの意味である。
【0015】高圧放電ランプとしては、メタルハライド
ランプ、高圧水銀ランプおよび高圧ガス放電ランプたと
えばキセノンランプなど既知の任意の高圧放電ランプで
あることを許容する。
【0016】したがって、放電媒体は、上記各態様の高
圧放電ランプに対応する構成であることを許容する。し
かしながら、特にメタルハライドランプにおいて本発明
は顕著な効果を奏する関係上、発光金属のハロゲン化
物、水銀などの緩衝金属および希ガスを含む放電媒体が
推奨される。
【0017】そうして、本発明においては無水石英部材
が電極と対応する放電容器の端部との間に配設されてい
ることにより、無水石英部材がランプ作動中における電
極や放電の熱に曝されて適度に昇温し、放電容器内の不
純ガスを吸着して容器内をクリーンアップする。このた
め、不純ガスによる放電容器の早期黒化は生じにくくな
り、高圧放電ランプの寿命特性を改善することができ
る。
【0018】請求項2の発明の高圧放電ランプは、気密
性にして放射透過性のセラミックスからなり、両端部が
中間部分より内径が小さい放電容器と;放電容器の両端
部にフリットガラスにより封着された一対の電流導入導
体と;電流導入導体の先端に形成されて放電容器内の両
端部近傍に封装された一対の電極と;少なくとも一方の
電流導入導体および対向する放電容器の端部の間に形成
された筒状の空間に配設された無水石英部材と;放電容
器内に封入された放電媒体と;を具備していることを特
徴としている。
【0019】本発明においては、放電容器の両端部に中
間部分より内径の小さい部分を形成して封止しやすくし
ている。封止は、両端部の端面にフリットを被着して加
熱溶融させることにより、放電容器の両端部と電流導入
部材との間が気密にシールされる。
【0020】放電容器は、たとえば内径の大きい筒体1
個、内径の小さい筒体2個および内径の大きい筒体に嵌
合する外径と内径の小さい筒体が嵌合する透孔を有する
ディスク2個を用意し、これらを組み合わせて焼結する
ことにより、得ることができる。また、最初から両端部
に小径の筒部を一体に径の小さい部分を成形して得るこ
ともできる。
【0021】請求項3の発明の高圧放電ランプは、気密
性にして放射透過性のセラミックス製の容器および容器
の少なくとも一端部に気密に封着されて容器から外方へ
突出しかつ突出端部が封止された耐火性金属製の管から
構成された放電容器と;放電容器内の両端部近傍におい
て少なくとも一方は管に支持されて封装された一対の電
極と;管内に収納された無水石英部材と;放電容器内に
封入された放電媒体と;を具備していることを特徴とし
ている。
【0022】本発明において、耐火性金属製の管を気密
に封着するにはどのように構成してもよいが、たとえば
セラミックスと一緒に焼結することにより封着させるこ
とができる。
【0023】また、管を排気に利用することができる。
排気した後の封止は高密度熱エネルギー供給手段たとえ
ばレーザーやハロゲン電球光をミラーによって集光させ
た光ビームを照射して、管の端部を溶融変形させること
により行うことができる。
【0024】電極は、管を介してたとえば管の内側面の
一部に溶接することにより支持することができる。所望
により無水石英部材を電極軸に邪魔されて管から脱落し
ないようにすることができる。
【0025】請求項4の発明の高圧放電ランプは、気密
性にして放射透過性のセラミックス製の容器および容器
の少なくとも一端部に気密に封着されて容器から外方へ
突出しかつ突出端部が封止された耐火性金属製の管から
構成された放電容器と;放電容器内の両端部近傍におい
て少なくとも一方は管の閉止部のほぼ中央部に一端が融
着して支持された電極軸および電極軸の他端に支持され
て放電容器内の両端部近傍に封装された一対の電極と;
管内において電極軸の周囲に配設された筒状の無水石英
部材と;放電容器内に封入された放電媒体と;を具備し
ていることを特徴としている。
【0026】本発明においては、電極を放電容器の軸と
同軸に配設することができる。このため、放電アークは
電極の偏心によって曲がることはない。
【0027】無水石英部材は、電極軸の周囲に配設する
ためにはたとえば筒状にして、電極軸を管に支持させる
前に石英部材を電極軸に嵌装させることができる。
【0028】請求項5の発明の高圧放電ランプは、請求
項1ないし4のいずれか一記載の高圧放電ランプにおい
て、セラミックスは、透光性アルミナまたはYAGから
なることを特徴としている。
【0029】透光性アルミナおよびYAGはともに放射
透過性が良好であるとともに、成形性も比較的良好であ
る。もちろん、耐火性は問題がない。なお、YAGとは
イットリウム、アルミナ、ガーネット系のセラミックス
のことで、化学記号は次のとおりである。Al106
24またはAl5312(焼成温度によって異なる。)請
求項6の発明の高圧放電ランプは、請求項1ないし5の
いずれか一記載の高圧放電ランプにおいて、無水石英部
材は、OH含有量が10ppm以下であることを特徴と
している。
【0030】本発明において、無水石英部材はOH含有
量が10ppmを超えると、放電容器内の不純ガス吸着
性能が相対的に低くなる。
【0031】請求項7の発明の高圧放電ランプは、請求
項2または4記載の高圧放電ランプにおいて、無水石英
部材は、先端に電極を支持する電流導入導体または電極
軸が挿入され、かつ外周面が小間隙を介して放電容器に
対向した筒状であることを特徴としている。
【0032】本発明においては、無水石英部材を中間部
材として機能させることができる。したがって、電流導
入導体または電極軸を放電容器に対して所定の位置に固
定させるのに無水石英部材が貢献する。この場合、無水
石英部材の先端を放電空間内に突出させることにより、
電極が放電容器に接触したり異常に接近するのを効果的
に防止することができる。このため、放電容器のクラッ
クは著しく低減する。
【0033】請求項8の発明の高圧放電ランプは、請求
項2記載の高圧放電ランプにおいて、電流導入部材はニ
オブ、タンタルおよび白金からなるグループの中から選
択されていることを特徴としている。
【0034】上記グループの金属は、いずれもセラミッ
クスに対する熱膨張係数差および耐熱性が実用可能な範
囲にあり、特にフリットで封着するのに適している。
【0035】請求項9の発明の高圧放電ランプは、請求
項3または4記載の高圧放電ランプにおいて、管は、タ
ングステンまたはモリブデンからなることを特徴として
いる。
【0036】本発明においては、いずれの金属も耐火性
およびセラミックスとの封着性に問題がない。
【0037】請求項10の発明の高圧放電ランプは、請
求項1ないし9のいずれか一記載の高圧放電ランプにお
いて、放電媒体は、発光金属のハロゲン化物、緩衝金属
および希ガスを含むことを特徴としている。
【0038】本発明の高圧放電ランプは、メタルハライ
ドランプである。放電ランプがセラミックスを主体とし
ているので、放電容器壁のハロゲン化物との化学反応が
きわめて少ないので、容器壁の失透現象が起こりにく
い。しかも、残留不純ガスは既述のように無水石英部材
に吸着させることができるので、セラミックスを主体と
する放電容器が期待どおりの作用効果を奏する。
【0039】請求項11の発明の高圧放電ランプは、請
求項1ないし10のいずれか一記載の高圧放電ランプに
おいて、放電容器を収納して気密にシールされた外囲器
と;外囲器に装着された口金と;を具備していることを
特徴としている。
【0040】本発明は2重管タイプの高圧放電ランプで
ある。
【0041】請求項12の発明の照明装置は、照明装置
本体と;照明装置本体に支持された請求項1ないし11
のいずれか一記載の高圧放電ランプと;を具備している
ことを特徴としている。
【0042】本発明の照明装置は、高圧放電ランプを何
らかの照明のために使用する装置の全てに適応するもの
である。たとえば照明器具、表示装置、信号灯装置およ
び画像投射装置などに実施することができる。照明器具
としては、屋内用のダウンライト、天井直付け灯および
スポットライトなどあらゆる照明用途に実施することが
できる。画像投射装置としては、液晶プロジェクタ、オ
ーバヘッドプロジェクタなどに適用することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0044】図1は、本発明の高圧放電ランプの第1の
実施形態を示す一部断面正面図である。
【0045】図において、1は放電容器、2は電極、3
は無水石英部材である。
【0046】放電容器1は、主要部が透光性アルミナセ
ラミックスからなり、内径9mm、肉厚1mm、長さ6
5mmの円筒部1a、円筒部1aの両端に嵌合された厚
さ1.5mmの一対の端盤部1bおよび端盤部1bの中
心に形成された透孔に嵌合されて端盤部1aからそれぞ
れ外方へ延在する内径3.1mm、肉厚1mm、長さ1
5mmの一対の小径筒部1cを用意し、これを焼結して
気密に一体化されている。また、放電容器1の小径筒部
1cの両端には外径3mmのニオブからなるエンドキャ
ップ1dがフリット4によって封着されている。フリッ
ト4は、酸化アルミニウム−酸化珪素−酸化ディスプロ
シウム系のものを用いた。
【0047】エンドキャップ1dは、有底筒状部1d
1、底部の外面中央部から放電容器1内へ突出した接続
部1d2および筒部の中間部外周に形成されたフランジ
部1d3からなる。そして、有底筒状部1d1の底部側
を小径筒部1cに挿入し、フランジ部1d3を小径筒部
1cの端部に位置させてある。エンドキャップ1dの放
電容器1の外部に露出している部分は、電流導入部分と
してリード線が接続される。
【0048】電極2は、0.7mmのタングステンから
なり基端がエンドキャップ1dの接続部に溶接された電
極軸2aおよび電極軸2aの先端近傍に外径1.5mm
の2重に巻回したコイル2bを装着して形成されてい
る。そして、コイル2bの隙間には酸化トリウムからな
る電子放射物質が保持されている。電極2は、図示を省
略しているが、一対とも上記構造を具備している。
【0049】無水石英部材3は、筒状をなして電極軸2
aの周囲を包囲して、かつ一端面が放電容器1の円筒部
1aに望むように配設されている。また、無水石英部材
3は、電極軸2aとの間および小径筒部1cとの間のそ
れぞれの間隙が0.1mm以下になるような寸法関係に
形成されている。さらに、無水石英部材3の他端は、エ
ンドキャップ1dに近接する位置まで延在させることが
できるが、図1の場合はエンドキャップ1d側の約半分
にはアルミナセラミックス製の円筒5を電極軸2aに嵌
合させた。
【0050】そうして、放電容器1の小径筒部1cと無
水石英部材3および円筒5との間に形成される小間隙、
ならびに無水石英部材3および円筒5と電極軸2aとの
間に形成される小間隙は、それぞれ放電媒体の保持固定
のために寄与している。
【0051】放電媒体は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化タ
リウムおよびヨウ化インジウムからなる発光物質と、緩
衝金属として水銀と、希ガスとして100torr前後
のアルゴンガスとで構成されている。
【0052】次に、比較試験の結果について説明する。
【0053】上述の本発明の実施形態のメタルハライド
ランプと、無水石英部材3の代わりにアルミナセラミッ
クス製の筒体を用いた他は全く同じ仕様の比較用ランプ
を製作して、両ランプを400W入力にて交流点灯させ
て寿命試験を実施した。その結果、本実施形態のランプ
は5000時間を経過しても80%以上の光束維持率を
示したのに対して、比較用ランプは放電容器の黒化が大
きく、3000時間経過で光束維持率が60%まで低下
した。本発明の高圧放電ランプは発光金属などに含まれ
ていたH2Oを無水石英部材3が吸着したのに対して、
比較用ランプでは無水石英部材が存在しなかったためで
あると考えられる。
【0054】図2は、本発明の高圧放電ランプの第2の
実施形態を示す断面図である。
【0055】本実施形態は、直流点灯用のショートアー
クタイプのメタルハライドランプである。
【0056】図において、1’は放電容器、2Kは陰
極、2Aは陽極、3’は無水石英部材、6はコイルであ
る。
【0057】放電容器1’は、YAG製で、楕円類似の
膨出部1’aおよび膨出部1’aから一体に膨出部1’
aの長軸に沿って延在する一対の小径筒部1’bからな
る。
【0058】陰極2Kは、ニオブ棒からなり、放電容器
1’の一方の小径筒部1’bの端部にフリット4によっ
て封着されて端部は放電容器1’の小径筒部1’bから
外部に延在して電流導入導体として機能している。
【0059】陽極2Aは、他方の小径筒部1’bにフリ
ット4によって封着されたニオブ製の電極軸2A1およ
び電極軸2A1の先端に支持されたタングステン製の陽
極主体2A2から構成されている。電極軸2A1の基端は
小径筒部1’bから外部に延在して電流導入導体として
機能している。
【0060】無水石英部材3’は、円筒状をなしていて
陰極2Kのニオブ棒に嵌合され、その一端がフリット4
に近接し、他端が放電容器1’の膨出部1’aの内部に
突出している。なお、7は無水石英部材3’の脱落を防
止するようにニオブ棒に装着したニオブ製のリングであ
る。
【0061】そうして、無水石英部材3’と小径筒部1
bとの間および陰極2Kの軸部と無水石英部材3’との
間に形成される小間隙には放電媒体が保持固定される。
【0062】また、無水石英部材3’の陰極2Kの端部
が膨出部1’a内に突出していることにより、陰極2K
が傾いて封着されようとしても陰極2Kが放電容器1’
に接触ないしは接近することが防止されるので、放電容
器1’が電極との熱膨張率差によってクラックを生じる
ことはない。
【0063】さらに、コイル6は、陽極2Aの電極軸2A
1に嵌合されていて小径筒部1’bとの間に小間隙を形
成して放電媒体を保持固定するように作用する。
【0064】放電媒体としては、ヨウ化ディスプロシウ
ムおよびヨウ化セシウムを主体とする発光物質と水銀と
アルゴンガスとから構成されている。
【0065】本実施形態の高圧放電ランプもまた、無水
石英部材3’の作用により図1におけるのと同様な効果
を奏する。
【0066】図3は、本発明の高圧放電ランプの第3の
実施形態を示す断面図である。
【0067】本実施形態は交流点灯式のロングアークタ
イプのメタルハライドランプである。
【0068】図において、1”は放電容器、2’は一対
の電極、3”は無水石英部材である。
【0069】放電容器1”は、アルミナセラミックスか
らなり両端が端盤部1”aにより閉塞された円筒体形状
の胴部1”bによって主体部が構成されている。端盤部
1”aの中央には小径の透孔が形成され、当該透孔には
モリブデンからなる排気管1”cが嵌合し、フリット4
により気密に封着されている。
【0070】排気管1”cは、筒状をなし、底部を放電
容器1”の端盤部1”aから外部に突出させて端盤部
1”aに封着されている。
【0071】一対の電極2’は、タングステンからなる
電極軸2’aと電極軸2’aの先端近傍に装着されたタ
ングステンからなるコイル2’bとにて構成されてい
る。そして、電極2’は排気管1”bの放電容器1”内
の開口端に溶接されている。
【0072】無水石英部材3”は、円柱体形状をなし、
排気管1”c内に収納されている。電極軸2’1は、無
水石英部材3”の脱落防止に対しても貢献する。このた
めには、無水石英部材3”は電極軸2’aを排気管1”
cに溶接する前に排気管1”c内に収納されることが必
要である。
【0073】そうして、本実施形態のメタルハライドラ
ンプは、予め電極2’を支持させた排気管1”cを放電
容器1”の端盤部1”aの透孔に装着させてから、放電
容器1”と一緒に焼結するとともに排気管1”cを放電
容器1”に封着させる。その後、排気管1”cを通して
放電容器1”内を排気し、放電媒体を封入してから、無
水石英部材3’を排気管1”c内に挿入し、排気管1”
cを封じ切る。無水石英部材3”は放電容器1”内の残
留不純ガスを吸着する。
【0074】図4は、本発明の高圧放電ランプの第4の
実施形態を示す断面図である。
【0075】本実施形態もまた図3と同様に交流点灯式
のロングアークタイプのメタルハライドランプである。
【0076】図3と同一部分には同一符号をふして説明
は省略する。
【0077】図において、2”は電極、3’は無水石英
部材である。
【0078】電極2”は、電極軸2”aおよび電極軸
2”aの先端近傍に装着されたコイル2”bから構成さ
れている点においては図3と同様であるが、電極軸2”
aは排気管1”cの底部内面に溶着されている。
【0079】無水石英部材3’は、円筒状をなして電極
軸2”aに嵌合し、排気管1”c内に位置している。
【0080】そうして、本実施形態の場合、電極2”に
含浸させた電子放射物質を予め焼結させた後に無水石英
部材3’を電極軸2”aに装着させてから電極2”を排
気管1”c内に挿入し、排気管1”cを排気し、放電媒
体を封入後に排気管1”cを封止するのと一緒に電極軸
2”aの基端を排気管1”cの底部に溶着させる構成と
なっている。
【0081】図5は、本発明の高圧放電ランプの第5の
実施形態を示す正面図である。
【0082】本実施形態は、図2に示すような形状を有
する高圧放電ランプを発光管IBとして、これを不活性
ガスを封入した外囲器OB内に装着し、かつ口金Bを装
着して2重管構造にして、取扱いを容易にしたものであ
る。なお、念のために付言するが、本実施形態における
発光管IBは、図2のような形状に限定されるものでは
なく、図1、3および4に示す各ランプのいずれでもよ
い。
【0083】図6は、本発明の照明装置を照明器具に実
施した第1の実施形態を示す概念図である。
【0084】本実施形態の照明器具はダウンライトであ
る。21はダウンライト本体、22は高圧放電ランプで
ある。
【0085】ダウンライト本体21は、天井面に埋設さ
れる枠体21aと、枠体21a内に内装される反射体2
1bと、その他図示しないがランプソケット、端子台な
どの部品とを配設している。
【0086】図7は、本発明の照明装置を液晶プロジェ
クタに実施した第2の実施形態を示す概念図である。
【0087】図において、23は図2に示す構造を有す
る本発明の高圧放電ランプ、24は反射鏡で、両者は予
め一体化されて、光源25構成している。26は液晶画
像表示手段で、その背方から、高圧放電ランプ23が発
光し反射鏡24で集光された光が照射される。27は画
像制御手段で、液晶画像表示手段26を駆動および制御
するもので、要すればテレビジョン受信手段をも含むこ
とができる。28は交流電源で、高圧放電ランプ点灯装
置29および画像制御手段27に対して所要の電源を供
給する。高圧放電ランプ点灯装置29は、整流化手段を
内蔵するか、交流電源28との間に整流化手段を介在さ
せるものとする。30は光学系で、液晶表示手段26を
透過した光を集光してスクリーン31に投射する。32
は本体ケースで、以上の各構成要素を収納している。
【0088】
【発明の効果】請求項1ないし11の各発明によれば、
無水石英部材を電極と放電容器の端部との間に配設する
ことにより、残留不純ガスによってセラミックスを主体
とする放電容器が黒化するのを効果的に低減した高圧放
電ランプを提供することができる。
【0089】請求項2の発明によれば、加えて放電容器
の両端部、電流導入導体および筒状の無水石英部材の間
に小間隙を形成して放電媒体を支持固定させる高圧放電
ランプを提供することができる。
【0090】請求項3の発明によれば、加えて放電容器
の少なくとも一端部に封着された管に電極を支持させ、
管の内部に無水石英部材を収納したので、構造の簡単な
高圧放電ランプを提供することができる。
【0091】請求項4の発明によれば、加えて放電容器
の少なくとも一端に封着された管内のほぼ中央に電極軸
を支持しているので、電極を放電容器の中心軸上に合致
させた高圧放電ランプを提供することができる。
【0092】請求項5の発明によれば、加えて透光性ア
ルミナまたはYAGからなるセラミックスを放電容器に
用いることにより、透光性の良好な高圧放電ランプを提
供することができる。
【0093】請求項6の発明によれば、加えて無水石英
部材のOH含有量を規定することにより残留不純ガス吸
着性の良好な高圧放電ランプを提供することができる。
【0094】請求項7の発明によれば、加えて無水石英
部材を中間部材と兼ねさせることにより、無水石英部材
によって電流導入導体または電極軸を支持させた構造の
簡単な高圧放電ランプを提供することができる。
【0095】請求項8の発明によれば、加えて封着性の
良好な電流導入部材を用いた高圧放電ランプを提供する
ことができる。
【0096】請求項9の発明によれば、加えて封着性の
良好な管を備えた放電容器を有する高圧放電ランプを提
供することができる。
【0097】請求項10の発明によれば、加えてメタル
ハライドランプである高圧放電ランプを提供することが
できる。
【0098】請求項11の本発明によれば、加えて2重
管形の高圧放電ランプを提供することができる。
【0099】請求項11の発明によれば、請求項1ない
し10の効果を有する照明装置を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧放電ランプの第1の実施形態を示
す一部断面正面図
【図2】本発明の高圧放電ランプの第2の実施形態を示
す断面図
【図3】本発明の高圧放電ランプの第3の実施形態を示
す断面図
【図4】本発明の高圧放電ランプの第4の実施形態を示
す断面図
【図5】本発明の高圧放電ランプの第5の実施形態を示
す正面図
【図6】本発明の照明装置を照明器具に実施した第1の
実施形態を示す概念図
【図7】本発明の照明装置を液晶プロジェクタに実施し
た第2の実施形態を示す概念図
【符号の説明】
1…放電容器 1a…エンドキャップ 2…電極 3…無水石英部材 4…フリット

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気密にして放射透過性のセラミックスを主
    体として構成された放電容器と;放電容器内の両端部近
    傍に封装された一対の電極と;少なくとも一方の電極と
    対応する放電容器の端部との間に配設された無水石英部
    材と;放電容器内に封入された放電媒体と;を具備して
    いることを特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 【請求項2】気密性にして放射透過性のセラミックスか
    らなり、両端部が中間部分より内径が小さい放電容器
    と;放電容器の両端部にフリットガラスにより封着され
    た一対の電流導入導体と;電流導入導体の先端に形成さ
    れて放電容器内の両端部近傍に封装された一対の電極
    と;少なくとも一方の電流導入導体および対向する放電
    容器の端部の間に形成された空間に配設された無水石英
    部材と;放電容器内に封入された放電媒体と;を具備し
    ていることを特徴とする高圧放電ランプ。
  3. 【請求項3】気密性にして放射透過性のセラミックス製
    の容器および容器の少なくとも一端部に気密に封着され
    て容器から外方へ突出しかつ突出端部が封止された耐火
    性金属製の管から構成された放電容器と;放電容器内の
    両端部近傍において少なくとも一方は管に支持されて封
    装された一対の電極と;管内に収納された無水石英部材
    と;放電容器内に封入された放電媒体と;を具備してい
    ることを特徴とする高圧放電ランプ。
  4. 【請求項4】気密性にして放射透過性のセラミックス製
    の容器および容器の少なくとも一端部に気密に封着され
    て容器から外方へ突出しかつ突出端部が封止された耐火
    性金属製の管から構成された放電容器と;放電容器内の
    両端部近傍において少なくとも一方は管の閉止部のほぼ
    中央部に一端が融着して支持された電極軸および電極軸
    の他端に支持されて放電容器内の両端部近傍に封装され
    た一対の電極と;管内において電極軸の周囲に配設され
    た筒状の無水石英部材と;放電容器内に封入された放電
    媒体と;を具備していることを特徴とする高圧放電ラン
    プ。
  5. 【請求項5】セラミックスは、透光性アルミナまたはY
    AGからなることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れか一記載の高圧放電ランプ。
  6. 【請求項6】無水石英部材は、OH含有量が10ppm
    以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれ
    か一記載の高圧放電ランプ。
  7. 【請求項7】無水石英部材は、先端に電極を支持する電
    流導入導体または電極軸が挿入され、かつ外周面が小間
    隙を介して放電容器に対向した筒状であることを特徴と
    する請求項2または4記載の高圧放電ランプ。
  8. 【請求項8】電流導入部材はニオブ、タンタルおよび白
    金からなるグループの中から選択されていることを特徴
    とする請求項2記載の高圧放電ランプ。
  9. 【請求項9】管は、タングステンまたはモリブデンから
    なることを特徴とする請求項3または4記載の高圧放電
    ランプ。
  10. 【請求項10】放電媒体は、発光金属のハロゲン化物、
    緩衝金属および希ガスを含むことを特徴とする請求項1
    ないし9のいずれか一記載の高圧放電ランプ。
  11. 【請求項11】放電容器を収納して気密にシールされた
    外囲器と;外囲器に装着された口金と;を具備している
    ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一記載
    の高圧放電ランプ。
  12. 【請求項12】照明装置本体と;照明装置本体に支持さ
    れた請求項1ないし11のいずれか一記載の高圧放電ラ
    ンプと;を具備していることを特徴とする照明装置。
JP8240104A 1996-09-11 1996-09-11 高圧放電ランプおよび照明装置 Withdrawn JPH1083793A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005243637A (ja) * 2004-02-24 2005-09-08 Osram Sylvania Inc 低減されたシール温度を有する反射形ランプ
JP2009295469A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Ushio Inc エキシマランプ

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