JPH1050251A - 蛍光ランプ、蛍光ランプ装置および照明装置 - Google Patents

蛍光ランプ、蛍光ランプ装置および照明装置

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JPH1050251A
JPH1050251A JP20225896A JP20225896A JPH1050251A JP H1050251 A JPH1050251 A JP H1050251A JP 20225896 A JP20225896 A JP 20225896A JP 20225896 A JP20225896 A JP 20225896A JP H1050251 A JPH1050251 A JP H1050251A
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discharge
lighting
light
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Katsuhide Misono
勝秀 御園
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長寿命で、安定した高効率の光源として機能
する蛍光ランプ、蛍光ランプ装置および照明装置を提
供。 【解決手段】 蛍光ランプの発明は、気密封止型の透光
性管1と;透光性管1内壁面に形成された蛍光体層2
と;透光性管1内に封入された放電媒体と;透光性管1
内に封入され、陽光柱放電を生じる一対の放電電極3と
を具備する蛍光ランプであって、前記放電電極3が有す
るエミッタは、(Ba,Sr,Ca)O を主成分とし、かつ ZrO
2 および HfO2 の少なくともいずれか1種の添加・含有
量が 3重量%未満( 0を含む)であることを特徴とす
る。また、蛍光ランプ装置、照明装置の発明は、上記蛍
光ランプを高周波点灯回路と組み合わせたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蛍光ランプ、蛍光ラ
ンプ装置および照明装置に係り、さらに詳しくは、数 K
Hz〜数百 KHzの高周波点灯専用の蛍光ランプ、蛍光ラン
プ装置および照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光ランプ(低圧水銀蒸気放電ランプ)
は、供給された電力を効率よく放射光に変換するので、
一般照明を始めとし、OA機器用光源、巨大画面用の画
素光源、液晶ディスプレイのバックライトなどに広範囲
に利用されている。そして、この蛍光ランプは、内壁面
に蛍光体層が設けられた気密封止型の透光性管(ガラス
バルブ)と、透光性管内に封入された水銀および少なく
とも1種の希ガスと、透光性管内の両端部に封入され、
かつ希ガス中で陽光柱放電を生じる一対の放電電極とを
具備した構成を採っている。
【0003】ここで、放電電極は、エミッタとして、通
常、(Ba,Sr,Ca)O を担持している。すなわち、(Ba,S
r,Ca)O は、 (a)比較的低温で必要な熱電子を放出する
こと、また、 (b)炭酸塩の形で電極に塗布でき、製造工
程での取扱が容易なことから、放電電極のエミッタとし
て主用されている。なお、上記(Ba,Sr,Ca)O に ZrO2
や HfO2 を重量比で 5%(適正値といわれている)添加
含有させ、これをエミッタとした場合、蛍光ランプ管端
の黒化防止に効果があることが知られている。したがっ
て、蛍光ランプにおいては、一般的に、 ZrO2 を 5重量
で%添加含有させた(Ba,Sr,Ca)O をエミッタとして放
電電極に担持させた構成を採っている。
【0004】上記蛍光ランプの放電は、通常、交流で点
灯し、対向する放電電極を経て封入されているガスに、
電気エネルギーを供給することで保たれる。そして、こ
の放電によって、主に紫外線が発生し、この紫外線がガ
ラスバルブ内壁面に形成された蛍光体層により、長い波
長の放射光に変換される。この波長は、蛍光体層に含ま
れる蛍光体粒子の種類に依存し、近紫外〜可視〜近赤外
までのものが得られている。
【0005】なお、ガラスバルブは、直管型のものに限
らず、円形状、U形状、鞍形状などとすることも可能
で、最近では小型化が進み、形状も複雑なものが多くな
ってきている。
【0006】ことろで、蛍光ランプを対象とした交流点
灯時の周波数は、50Hzもしくは60Hzの商用周波か、たと
えば数 kHz〜数百 kHzの高周波が用いられる。そして、
高周波点灯の場合は、商用周波点灯の場合に比べ、 (1)
アノードフォールが消滅するので発光効率を高くでき
る、 (2)安定機の軽量化が可能である、 (3)調光が容易
であるなどの特長を有する。したがって、電子回路の進
歩に伴って、蛍光ランプの高周波点灯は普及している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
の、 ZrO2 を 5重量%添加含有させた(Ba,Sr,Ca)O を
エミッタとして放電電極に担持させた構成の蛍光ランプ
は、高周波点灯の場合、次のような不都合がある。すな
わち、商用の低周波交流で点灯した場合に比べて、エミ
ッタの消耗などが比較的多く、蛍光ランプの寿命低下が
認められることである。換言すると、高周波点灯方式に
対応して、蛍光ランプの放電電極、あるいは点灯始動に
大きく関与するエミッタの検討・開発が十分になされて
いない。したがって、蛍光ランプの構成は、低周波交流
点灯用のままで、点灯回路だけを高周波点灯方式として
いる。このことは、必ずしも、蛍光ランプが適正な条件
で点灯・使用されていることを意味するものでなく、使
用条件・規格により適合した特性・性能を有する蛍光ラ
ンプの開発が待たれているといえる。
【0008】したがって、本発明は高周波点灯で、長寿
命で、安定した高効率の光源として機能する蛍光ラン
プ、蛍光ランプ装置および照明装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、気密
封止型の透光性管と;透光性管内壁面に形成された蛍光
体層と;透光性管内に封入された放電媒体と;透光性管
内に封入され、陽光柱放電を生じる一対の放電電極とを
具備する蛍光ランプであって、前記放電電極が有するエ
ミッタは、(Ba,Sr,Ca)O を主成分とし、かつ ZrO2
よび HfO2 の少なくともいずれか1種の添加・含有量が
3重量%未満( 0を含む)であることを特徴とする蛍光
ランプである。
【0010】請求項2の発明は、気密封止型の透光性管
と;透光性管内壁面に形成された蛍光体層と;透光性管
内に封入された放電媒体と;透光性管内に封入され、陽
光柱放電を生じる一対の放電電極と;放電電極に高周波
電位を印加する高周波点灯回路とを具備する蛍光ランプ
装置であって、前記放電電極が有するエミッタは、(B
a,Sr,Ca)O を主成分とし、かつ ZrO2および HfO2 の少
なくともいずれか1種の添加・含有量が 3重量%未満
( 0を含む)であることを特徴とする蛍光ランプ装置で
ある。
【0011】請求項3の発明は、高周波点灯回路を備え
た照明器具と;照明器具に装着された請求項1記載の蛍
光ランプとを有することを特徴とする照明装置である。
【0012】請求項4の発明は、照明器具本体と;照明
器具本体に装着された請求項2記載の蛍光ランプ装置と
を有することを特徴とする照明装置である。
【0013】本発明者は、上記事情に対処して鋭意検討
を進めた結果、いわゆる放電電極が担持する(Ba,Sr,C
a)O 系エミッタの ZrO2 含有量を 3重量%未満とした
とき、数 KHz〜数百 KHzの高周波で点灯で、良好な始動
特性および長寿命を有する蛍光ランプとして機能するこ
とを見出した。
【0014】すなわち、(Ba,Sr,Ca)O をベースに、 Z
rO2 および HfO2 の少なくともいずれか1種の添加・含
有量を 0〜10重量%の範囲で変えて調製したエミッタを
それぞれ放電電極に担持させた蛍光ランプを作成し、50
KHzの高周波を印加し、放電電流0.4Aで点灯を行って、
蛍光ランプのエミッタの蒸発、スパッタ、エミッショ
ン、始動特性を総合的に検討した。ここで、エミッタ組
成は、BaCO3 が48重量%,SrCO3 が43重量%,CaCO3
9重量%、蛍光ランプは、内壁面に蛍光体層が設けられ
た管径25mm,長さ 300mmの直管バルブで、アルゴン 2.5
Torrおよび水銀が封入され、両端に前記調製したエミッ
タをと付したタングステン製のトリプルコイルが封止さ
れたものである。
【0015】上記エミッタの蒸発は、放電電極の温度を
変えて、Baの吸収量を測定することによってそれぞれ行
った。図1は、この結果を示すもので、 ZrO2 の添加・
含有量に比例して、同じ温度下では蒸気圧が低下してい
る。なお、図1において、蒸気圧線Aは ZrO2 の添加・
含有量が 0重量%,蒸気圧線Bは ZrO2 の添加・含有量
が 1.5重量%,蒸気圧線Cは ZrO2 の添加・含有量が
3.3重量%,蒸気圧線Dは ZrO2 の添加・含有量が 6.7
重量%,蒸気圧線Eは ZrO2 の添加・含有量が10重量%
の場合である。
【0016】また、上記高周波点灯中の予熱(常時予
熱)の印加電圧(Vh)とエミッション、電極温度およびス
パッタの関係は調べた結果は、図2に示すごとくであっ
た。図2において、曲線Aは ZrO2 の添加・含有量が 0
重量%,曲線Cは ZrO2 の添加・含有量が 3.3重量%,
曲線Dは ZrO2 の添加・含有量が 6.7重量%,曲線Eは
ZrO2 の添加・含有量が10重量%の場合である。ここ
で、エミッションは、陰極降下と電流波形から求め(照
明学会編、ランププラズマの計測方法研究調査委員会報
告書(1994)に準拠)、スパッタは、Baの発光強度(455n
m) から求めた。
【0017】図2に示す特性曲線から分かるように、 Z
rO2 の添加・含有量が少ないと、放電電極の温度が低く
てもエミッションが取り出せるので、結果的に、スパッ
タも小さく抑えられている。また、放電電極を加熱・昇
温して行くと、 ZrO2 の添加・含有量の依存性が低減・
解消して、一定のエミッション特性を呈する。ここで、
放電電極の温度は、実際上、放電に必要な電流が取り出
せれば、それ以上の温度に加熱する必要もないので、ゼ
ロフィールドエミッションが 100%になるときの動作点
を、前記Baの蒸気圧特性図にプロットすると図3に示す
ごとくなる。
【0018】すなわち、 ZrO2 の添加・含有量が少ない
場合、同一温度では蒸気圧が高くなるが、実際蛍光ラン
プとして動作させると、エミッションがよい分だけ動作
温度が下がるので、始動特性が低下することもなく、ま
た、エミッタの消耗も回避・低減する。なお、(Ba,Sr,
Ca)O に添加する成分は、 ZrO2 , HfO2 もしくはこれ
らの混合物であるが、コスト面などからみて ZrO2 が有
利である。
【0019】上記したように、(Ba,Sr,Ca)O を主成分
(ベース)とするエミッタにおけるZrO2 や HfO2 の適
正な添加・含有量は、商用の低周波点灯の蛍光ランプと
高周波点灯の蛍光ランプとでは異なっている。そして、
高周波点灯の蛍光ランプでは、 ZrO2 や HfO2 の添加・
含有量を 3重量%未満と低減した方が、エミッタの消耗
が低減し、長寿命で、安定した効率のよい放射発光が得
られることを確認し、本発明に至ったものである。
【0020】請求項1の発明に係る蛍光ランプは、一般
的に、内壁面に蛍光体層が設けられた気密封止型の透光
性管がガラスバルブであり、また、蛍光体層を形成する
蛍光体としては、たとえば SrB4 O 7 :Eu2+、Sr10(PO
4 6 Cl12:Eu2+、(Sr,Ca)10(PO4 6 Cl12:E
u2+、(Sr,Ca,Ba)10(PO4 6 Cl12:Eu2+、(La,C
e,Tb)PO4 、 Y2 SiO 5 :Ce,Tb、Zn2 SiO 4 :Mn、
Y2 O 3 :Eu3+、 YVO4 Y(P,V)O 4 :Eu3+などの蛍光体
が挙げられる。さらに、前記気密封止型の透光性管内
に、封入されたる放電媒体としては、たとえばネオン、
アルゴン、クリプトン、キセノン、キセノン−アルゴン
系、ネオン−アルゴン系、アルゴン−クリプトン系など
が挙げられ、適正量の水銀も封入される。なお、蛍光ラ
ンプの形状は、直管型のものに限らず、円形状、U形
状、鞍形状などとすることも可能である。
【0021】請求項2および請求項3の発明に係る蛍光
ランプ装置は、上記請求項1の発明に係る蛍光ランプと
高周波点灯回路とを組み合わせた構成であり、一般的
な、照明器具に高周波点灯回路を内蔵させた構成と、照
明器具に対して高周波点灯回路を別設(分離)させた構
成などを採る。
【0022】請求項1の発明では、放電電極に塗着させ
たエミッタは、(Ba,Sr,Ca)O を主成分とし、かつ ZrO
2 などの添加・含有量を 3重量%未満としたことによ
り、電極温度が比較的低くても、良好なエミッション性
を呈し、所要の放電が容易に行われるので効率のよい安
定した発光をなす一方、エミッタの消耗・浪費が低減さ
れて長寿命化が図られる。
【0023】請求項2の発明では、電極温度が比較的低
くても、良好なエミッション性を呈し、所要の放電が容
易に行われるので効率のよい安定した発光をなすだけで
なく、エミッタの消耗・浪費が低減されて長寿命化が図
られた高周波点灯に適する蛍光ランプを光源としている
ため、高周波点灯型蛍光ランプ装置の機能・実用性が、
さらに向上する。
【0024】請求項3および請求項4の発明では、供給
電力などの効率的な利用、長寿命化が図られた光源装置
として機能する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下図4〜図9を参照して実施例
を説明する。
【0026】図4は直管型蛍光ランプ構成例を示す一部
切り欠き断面図である。図4において、1は内壁面に蛍
光体層2が設けられた気密封止型の透光性管、たとえば
外径28mmのガラスバルブであり、前記透光性管1内には
所要量の水銀 5〜15mg程度、および少なくとも1種の希
ガス、たとえばアルゴンガス 2〜 3Torr程度封入されて
いる。
【0027】また、3は前記透光性管1内の両端部に封
入され、かつ希ガス中で陽光柱放電を生じる一対の放電
電極、4は前記放電電極3にそれぞれ電気的に接続しな
がら、透光性管1端部を封止するステム5を介して導出
されるインナリードである。ここで、放電電極3は、図
5に拡大して側面的に示すごとく、たとえばタングステ
ン製ダブルコイル3aの主要部に、(Ba,Sr,Ca)O … BaO
が48重量%, SrOが43重量%, CaOが 9重量%…をベー
スとし、 ZrO2 を 0重量%, 1.5重量%もしくは 2.9重
量%、比較例として 3.5重量%, 4.3重量%もしくは10
重量%添加して調製したエミッタ3bをそれぞれ塗布した
ものである。
【0028】さらに、6はステム5で封止された透光性
管1両端部にそれぞれ装着された口金であり、この口金
6に植設された端子ピン7にインナリード4が接続した
構成となっている。
【0029】上記構成の各蛍光ランプ8を、図6に側面
的に示すごとく、40 KHzの高周波点灯回路を内蔵した専
用照明器具9に装着し、対応する蛍光ランプ装置ないし
は照明装置をそれぞれ構成した。なお、図6において、
10a, 10bは専用照明器具9のソケット部であり、この
ソケット部 10a, 10bに、蛍光ランプ8の端子ピン7を
係合して電気的に接続した構成となっている。
【0030】上記各照明装置に商用電圧を印加し、40 K
Hzの高周波で点灯を行って、蛍光ランプのエミッタの蒸
発、スパッタ、エミッション、始動特性を総合的に評価
したところ、前記図1ないし図3に示した場合と同様の
傾向が確認された。すなわち、 ZrO2 の添加・含有量が
3重量%未満と少ないときでも、良好な始動特性ないし
エミッション性が認められながら一方では、エミッタの
消耗も比較的少なかった。 また、上記条件での点灯
で、蛍光ランプの寿命試験を行った結果を図7に示す。
図7において、縦軸は、(Ba,Sr,Ca)O のみの場合の残
存率が50%になるまでの時間を 100としたときの相対値
であり、実施例の場合( ZrO2 の添加・含有量が 3重量
%未満)は、比較例の場合( ZrO2 の添加・含有量が 3
重量%以上)に比べて、20〜40%も長寿命化していた。
【0031】なお、上記実施例において、 ZrO2 の代り
に HfO2 を添加・含有させた場合も、同様に、高周波点
灯で良好な発光効率および長寿命性が認められた。
【0032】図8は環状(円形)型蛍光ランプ構成例を
示す一部切り欠き断面図である。図8において、1′は
内壁面に蛍光体層2が設けられた環状のガラスバルブで
あり、前記透光性管1内には所要量の水銀 5〜15mg程
度、および少なくとも1種の希ガス、たとえばアルゴン
ガス 2〜 3Torr程度封入されている。
【0033】また、3は前記透光性管1内の両端部に封
入され、かつ希ガス中で陽光柱放電を生じる一対の放電
電極、4は前記放電電極3にそれぞれ電気的に接続しな
がら、透光性管1端部を封止するステム(図示省略)を
介して導出されるインナリードである。ここで、放電電
極3は、上記図5に示した場合と同様に構成されてい
る。すなわち、タングステン製ダブルコイルの主要部
に、(Ba,Sr,Ca)O … BaOが48重量%, SrOが43重量
%, CaOが 9重量%…をベースとし、 ZrO2 を 1重量%
添加して調製したエミッタを塗布したものである。さら
に、6′はステム5で封止された透光性管1両端部に亘
って装着された口金であり、この口金6′植設された端
子ピン7に各インナリード4が接続した構成となってい
る。
【0034】上記構成の各蛍光ランプ8′を、図9に斜
視的に示すごとく、40 KHzの高周波点灯回路(図示省
略)を内蔵した専用照明器具9′に装着し、対応する蛍
光ランプ装置ないしは照明装置をそれぞれ構成した。な
お、図9において、11は点灯管、10は専用照明器具9の
ソケット部であり、このソケット部10に、蛍光ランプ8
の端子ピン7を係合して電気的に接続した構成となって
いる。
【0035】上記各照明装置に商用電圧を印加し、40 K
Hzの高周波で点灯を行って、蛍光ランプ8′のエミッタ
の蒸発、スパッタ、エミッション、始動特性を総合的に
評価したところ、前記図4に図示した場合と同様の傾向
・結果が認められた。すなわち、良好な始動特性ないし
エミッション性が認められながら一方では、エミッタの
消耗も比較的少なかった。また、上記条件での点灯で、
蛍光ランプの寿命試験を行った結果も、前記図7に図示
した場合と同様で、従来の低周波点灯用の環状型蛍光ラ
ンプに比べ、20〜40%も長寿命化していた。
【0036】なお、本発明は、上記例示の構成に限定さ
れるものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろい
ろの変形を採ることができる。たとえば、蛍光ランプの
仕様、管径、高周波数、放電電流、放電媒体のガス圧、
バルブの形状、あるいは(Ba,Sr,Ca)O ベースの組成比
など、蛍光ランプの用途などによっ適宜選択しても、同
様の作用効果が得られる。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、高周波点灯に
おいて、放電電極は電極温度が比較的低くても、良好な
エミッション性もしくは始動特性を呈するため、蛍光ラ
ンプの所要放電が容易になり、かつエミッタの消耗・浪
費も低減されるので、発光効率のよい長寿命な光源を提
供できる。
【0038】請求項2の発明によれば、高周波点灯にお
いて、エミッション性もしくは始動性が良好で、効率の
よい安定した発光を行う一方、長寿命化も図られた蛍光
ランプを光源としているため、高周波点灯型蛍光ランプ
装置の機能・実用性の向上を図ることができる。
【0039】請求項3および請求項4の発明によれば、
供給電力などの効率的な利用、長寿命化によって、経済
的に光源装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(Ba,Sr,Ca)O 系エミッタの電極温度とBaの蒸
気圧との関係例を示す特性図。
【図2】(Ba,Sr,Ca)O 系エミッタを塗布した放電電極
に対する常時予熱の印加電圧と、電極温度、エミッショ
ン、Baの発光強度との関係例を示す特性図。
【図3】(Ba,Sr,Ca)O 系エミッタの電極温度−Baの蒸
気圧におけるゼロフィールドエミッション 100%の動作
点のプロット図。
【図4】第1実施例の蛍光ランプの概略構成を示す一部
切り欠き断面図。
【図5】第1実施例の蛍光ランプの放電電極の構成を示
す拡大図。
【図6】第1実施例の蛍光ランプを装着した照明装置の
概略構成を示す側面図。
【図7】第1実施例の蛍光ランプと従来の蛍光ランプな
どとの寿命特性を比較して示す特性図。
【図8】第2実施例の蛍光ランプの概略構成を示す一部
切り欠き断面図。
【図9】第2実施例の蛍光ランプを装着した照明装置の
概略構成を示す側面図。
【符号の説明】
1……透光性気密容器(ガラスバルブ) 2……蛍光体層 3……放電電極 3a……コイル 3b……エミッタ 4……ステム 5……インナーリード 6……口金 7……端子ピン 8,8′……蛍光ランプ 9,9′……照明器具 10, 10a, 10b……ソケット 11……点灯管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気密封止型の透光性管と;透光性管内壁
    面に形成された蛍光体層と;透光性管内に封入された放
    電媒体と;透光性管内の両端部に封入され、陽光柱放電
    を生じる一対の放電電極と;を具備する蛍光ランプであ
    って、 前記放電電極が有するエミッタは、(Ba,Sr,Ca)O を主
    成分とし、かつ ZrO2および HfO2 の少なくともいずれ
    か1種の添加・含有量が 3重量%未満( 0を含む)であ
    ることを特徴とする蛍光ランプ。
  2. 【請求項2】 気密封止型の透光性管と;透光性管内壁
    面に形成された蛍光体層と;透光性管内に封入された放
    電媒体と;透光性管内の両端部に封入され、陽光柱放電
    を生じる一対の放電電極と;放電電極に高周波電位を印
    加する高周波点灯回路と;を具備する蛍光ランプ装置で
    あって、 前記放電電極が有するエミッタは、(Ba,Sr,Ca)O を主
    成分とし、かつ ZrO2および HfO2 の少なくともいずれ
    か1種の添加・含有量が 3重量%未満( 0を含む)であ
    ることを特徴とする蛍光ランプ装置。
  3. 【請求項3】 高周波点灯回路を備えた照明器具と;照
    明器具に装着された請求項1記載の蛍光ランプと;を有
    することを特徴とする照明装置。
  4. 【請求項4】 照明器具本体と;照明器具本体に装着さ
    れた請求項2記載の蛍光ランプ装置と;を有することを
    特徴とする照明装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003151490A (ja) * 2001-08-27 2003-05-23 Osram Sylvania Inc 熱電子陰極のための電子放出被膜、熱電子陰極、アーク放電ランプ
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