JPH1039868A - 電子楽器のスピーカ取付け構造 - Google Patents

電子楽器のスピーカ取付け構造

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JPH1039868A
JPH1039868A JP8199161A JP19916196A JPH1039868A JP H1039868 A JPH1039868 A JP H1039868A JP 8199161 A JP8199161 A JP 8199161A JP 19916196 A JP19916196 A JP 19916196A JP H1039868 A JPH1039868 A JP H1039868A
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Mitsuhiro Adachi
三博 安達
Shigehiko Kawai
茂彦 河合
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Abstract

(57)【要約】 【課題】演奏者の聞くスピ−カからの放射音が良好であ
り、コストや外観の点でも優れたものとする。 【解決手段】本体1の天板8前端部から、上前板9が下
方へ延設されている。鍵盤蓋11が、上前板9の下方に
形成される通過用隙間10を通るようにして、開閉変位
される。本体1内には、天板8下方で、かつ開位置にあ
る鍵盤蓋11の上方において、スピ−カ43が配置され
ている。スピ−カ43(の振動面43a)が、下方かつ
前方を向くように配置されている。スピ−カ43からの
放射音は、鍵盤蓋11の上面で反射されつつ、通過用隙
間10のうち上前板9と鍵盤蓋11との間の上部隙間1
0aを通して、上前板9の前方へ向うことになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子楽器のスピ−
カ取付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子楽器においては、演奏者の演奏に応
じて発音されるスピ−カを備えている。このスピ−カ
は、通常、鍵盤テ−ブル下方において本体に配設されて
おり、この鍵盤テ−ブルよりも下方に配設されたスピ−
カが大型の主スピ−カとされる。
【0003】前記主スピ−カからの放射音は、鍵盤テ−
ブルに阻害されて演奏者の耳元へは良好に伝達されず、
演奏者は、主スピ−カからの実際の放射音とは異なる音
を聞くことになる。このため、鍵盤テ−ブルよりも高い
位置から演奏者へ向けて発音できるように、鍵盤テ−ブ
ルよりも高い位置に、演奏者用つまりモニタ用のサブス
ピ−カを別途設けることが多くなっている。
【0004】上記サブスピ−カを設ける位置としては、
従来、図5〜図8に示すような態様がある。図5は、本
体50内のうち、操作パネル51よりも後方でかつ開位
置にある鍵盤蓋52の直下方において、前方かつ上方へ
向けてスピ−カ(サブスピ−カ)53を配設してある。
そして、スピ−カ53からの放射音は、操作パネル51
後端部と開位置にある鍵盤蓋52の前端部との間の隙間
54を通して、前方つまり演奏者へ向けて伝達されるよ
うになっている。
【0005】図6は、操作パネル51の下面にスピ−カ
53を取付けたものである。この場合は、操作パネル5
1に、スピ−カ53からの放射音が通過するためのスリ
ット57を別途形成してある。
【0006】図7は、本体50内のうち、開位置にある
鍵盤蓋52と本体50の天板55との間に、スピ−カ5
3を前方かつ上方へ向けて配設してある。そして、スピ
−カ53の前方に位置する上前板56に、スピ−カ53
からの放射音を通過させるスリット57を別途形成して
ある。
【0007】図8は、図7の場合に比して、スリット5
7をメッシュ58で覆ったりあるいは上前板56そのも
のを全体的にメッシュ58で構成したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た図5の場合は、上記隙間54がクランク状に曲がった
系路であるため、演奏者へ伝達されるスピ−カ53から
の放射音が、干渉等によって当該スピ−カ53での実際
の放射音とはかなり相違したものとなってしまう。特
に、特定周波数域が強調あるいは弱調されてしまって、
音質の点で問題となる。
【0009】また図6〜図8の場合は、スピ−カ53か
らの放射音が通過するためのスリット57を別途形成し
たり、別途メッシュ58を設ける必要があり、コストや
外観上の見映えの点において問題となる。とりわけ、鍵
盤テ−ブル59よりも高い位置にある部材は、外観上の
見映えが重視される関係上、スリット57やメッシュ5
8の存在そのものや、スピ−カ53の存在を意図させる
ような意匠(デザイン)は無視できないものとなる。
【0010】本発明は以上のような事情を勘案してなさ
れたもので、その目的は、演奏者が聞くスピ−カからの
放射音が良好であり、コストや外観の点でも優れた電子
楽器のスピ−カ取付け構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の解決手段にあっては次のようにしてある。
すなわち、本体の天板前端部より下方に伸びる上前板の
下方に、開位置へ向けて変位される鍵盤蓋が通過される
通過用隙間を有する電子楽器において、前記本体内のう
ち、前記開位置にある前記鍵盤蓋と前記天板との間にお
いて、下方に向けてスピ−カが配設されている、ように
してある。
【0012】本発明によれば、前記スピ−カからの放射
音は、開位置にある鍵盤蓋の上面に反射して、通過用隙
間のうち鍵盤蓋と上前板との間に形成される上部隙間を
通って演奏者へ到達することになり、放射音の伝達系路
が単純なことから、スピ−カからの放射音が途中で変調
されることなく演奏者へ到達して、音質上何ら問題のな
いものとなる。そして、スピ−カからの放射音は、従来
から存在する開位置にある鍵盤蓋と上前板との通過用隙
間を利用して前方つまり演奏者へ向うので、別途放射音
通過用のスリット等を形成する必要もなくなる。また、
演奏者は、反射音を聞くことになるので、演奏者の前方
にスピ−カが存在することを感じにくいものとなる。
【0013】上記解決手段を前提とした好ましい態様
は、次のとおりである。 (1)前記スピ−カが、下方かつ前方へ向かうように配設
されている、ようにすることができる。この場合、スピ
−カのより好ましい配置姿勢が提供されて、本発明の効
果を十分発揮させる上で好ましいものとなる。
【0014】(2)上記 (1)を前提として、前記スピ−カ
からの放射音が、前記通過用隙間の付近で前記鍵盤蓋の
上面で反射されて、該通過用隙間のうち該鍵盤蓋と前記
上前板との間の上部隙間を通して前記上前板の前方へ到
達するように設定されている、ようにすることができ
る。この場合、スピ−カからの放射音の伝達系路がより
具体的に特定されて、本発明の効果を十分発揮させるこ
とができる。
【0015】(3)前記 (2)を前提として、前記スピ−カ
の振動面の中心が、前記本体の前後方向中間位置よりも
後方に位置するように設定されている、ようにすること
ができる。この場合、上記 (2)でのスピ−カからの放射
音の伝達系路を確実に得るための好ましいスピ−カの前
後配置位置が提供される。
【0016】(4)請求項1および前記 (1)〜 (3)を前提
として、前記鍵盤蓋が鍵操作に支障を与えない範囲で完
全開位置よりも若干前方へ変位され中間開位置を安定状
態でとり得るようにされ、前記鍵盤蓋の前記完全開位置
と中間開位置とで、前記上部隙間を通過される前記スピ
−カからの放射音が相違するように設定されている、よ
うにすることができる。この場合、鍵盤蓋の位置変更と
いう簡単な手法によって、スピ−カからの放射音の鍵盤
蓋上面での反射状況を変更して、演奏者の聞く音質を調
整することができる。
【0017】(5)前記 (4)を前提として、前記完全開位
置と中間開位置とで、次のようにすることができる。す
なわち、前記鍵盤蓋の傾斜角度が相違しているように、
あるいは前記スピ−カからの放射音が前記鍵盤蓋の上面
で反射される部分の面積が相違しているように、あるい
は前記上部隙間の上下方向寸法が相違しているように、
することができる。この場合、上記相違の態様の任意の
1つのみ、あるいは任意の2以上の複数の相違の態様の
組み合わせとすることができ、さらには全ての相違の態
様を満足するようにすることもできる。
【0018】(6)前記 (5)を前提として、前記鍵盤蓋
を、前記中間開位置において安定保持するための保持手
段を備えている、ようにすることができる。この場合、
別途設けた保持手段を利用して、鍵盤蓋を中間開位置に
安定して保持しておく上で好ましいものとなる。
【0019】(7)上記 (6)を前提として、前記鍵盤蓋の
前端部が、該鍵盤蓋の左右方向ほぼ全長に渡って伸びる
と共に下方へ伸びて鍵の前面を覆うための下方延設部を
有し、前記保持手段が、鍵盤テ−ブルの左右側壁内面に
形成されて、前記下方延設部が係合される凹部とされて
いる、ようにすることができる。この場合、従来からあ
る鍵盤蓋の前端部に構成される下方延設部を有効に利用
して、鍵盤蓋を中間開位置に安定して保持させておくこ
とができる。
【0020】(8)前記 (6)を前提として、前記鍵盤テ−
ブルの左右側壁内面に、前記鍵盤蓋を開閉操作するとき
に、該鍵盤蓋が所定以上下方へ変位するのを規制して該
鍵盤蓋が鍵に当接するのを防止する拍子木が配設され、
前記保持手段が、前記拍子木の上面に形成されて、前記
中間開位置にある前記鍵盤蓋の左右前端部を係止する係
止部とされている、ようにすることができる。この場
合、拍子木を有効に利用して、保持手段を構成すること
ができる。
【0021】(9)前記 (8)を前提として、前記鍵盤蓋の
前端部が、該鍵盤蓋の左右方向ほぼ全長に渡って伸びる
と共に下方へ伸びて鍵の前面を覆うための下方延設部を
有し、前記拍子木の上面に形成された前記係止部が、凹
部として設定され、前記凹部が、前後方向に極めて短い
底部から前方向および後方向共に徐々にかつ滑らかに高
くなるように形成され、前記中間開位置において、前記
下方延設部が前記底部に位置される、ようにすることが
できる。この場合、従来からある鍵盤蓋の前端部に構成
される下方延設部および拍子木を有効に利用しつつ、中
間開位置から鍵盤蓋を開方向あるいは閉方向に変位させ
るのを滑らかに行うことができる。また、鍵盤蓋を容易
かつ確実に中間開位置とすることができる。
【0022】(10)前記 (4)〜 (9)を前提として、鍵の後
端部直上方位置でかつ前記上前板よりも下方位置におい
て操作パネルが配設されて、該上前板と操作パネル後端
部との間の上下方向隙間が、前記通過用隙間として設定
され、前記中間開位置が、前記鍵盤蓋によって前記操作
パネルをほぼ全体的に覆う位置とされている、ようにす
ることができる。この場合、中間開位置の具体的な状態
が提供される。
【0023】、 (11)請求項1および前記 (1)〜(10)を前提として、前記
本体に、前記鍵盤蓋を開閉案内するためのラックが前後
方向に伸ばして配設され、前記鍵盤蓋の後端部に、前記
ラックに噛合するピニオンが回転自在に保持されてい
る、ようにすることができる。この場合、ラックとピニ
オンとを利用した適度の回転抵抗を利用して、鍵盤蓋を
スム−ズに開閉させる上で、つまりがたつきを防止した
り、予想しないほど勢いよく鍵盤蓋が開閉されてしまう
ような事態を防止する上で好ましいものとなる。
【0024】(12)前記(11)を前提として、前記ラック
が、その歯面を上方に向けた状態で、前記本体の左右側
壁内面に固定設置され、前記鍵盤蓋の左右後端部にそれ
ぞれ、前記ピニオンが保持されている、ようにすること
ができる。この場合、左右一対のラックとピニオンとを
利用してより効果的に得る上で好ましいものとなる。ま
た、ラックを利用して、鍵盤蓋の後端部をしっかりと支
承する上でも好ましいものとなる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、演奏者が聞く音質を良
好なものとすることができ、また、コストや外観上の点
でも問題のないものが提供される。さらに、演奏者は反
射音を聞くことになるので、スピ−カの存在を感じさせ
ないようにする上でも好ましいものとなる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1〜図4において、1は本体で
あり、全体として、前後方向(図1紙面直角方向で、図
2〜図4左右方向)において薄幅とされると共に左右方
向に長いボックス状とされている。
【0027】本体1の前面(図1紙面手前側、図2〜図
4左方側)からは、その略中間高さ位置において、前方
へ向けて鍵盤テ−ブル2が突設されており、鍵盤テ−ブ
ル2上には、鍵盤3が構成されている。すなわち、鍵盤
テ−ブル2上に鍵盤シャシ4が固定されて、この鍵盤シ
ャシ4に、左右方向に並列に多数の白鍵5と黒鍵6とが
配設されている。
【0028】7は操作パネルであり、電子楽器特有の音
質調整用スイッチ(ダイヤル)等各種スイッチ類が装備
されている。この操作パネル7は、鍵盤3つまり鍵5、
6の後端部の直上方に位置されて、当該鍵5、6の後端
部を覆う化粧板の機能をも兼用している。このような操
作パネル7の後端部は、上方へ向けて折曲された上方延
設部7aとされ、この上方延設部7aが本体1の前板の
一部を兼用する。
【0029】8は、本体1の天板であり、天板8の前端
部下面からは、上前板9が下方へ向けて延設されてい
る。この上前板9の前後方向位置は、操作パネル7の上
方延設部7aの前後方向位置と略合致している。そし
て、上前板9の下端は、操作パネル7の上方延設部7a
よりも所定分高い位置とされており、この上前板9と上
方延設部7aとの間の隙間が、後述する鍵盤蓋が通過さ
れる通過用隙間10とされている。
【0030】11は、鍵盤蓋であり、鍵盤3を開閉する
ものとなっている。すなわち、鍵盤蓋11は、前記通過
用隙間10を通過するようになっていて、図2に示すよ
うにもっとも前方に位置されたときが、鍵盤3(鍵5、
6)を全体的に覆う完全閉位置となる、また、鍵盤蓋1
1が、図4に示すようにもっとも後方に位置されたと
き、つまりほぼ前後方向全長に渡って本体1内に収納さ
れたときが、鍵盤3および操作パネル7を完全に露出さ
せる完全開位置となる。
【0031】図4に示す完全開位置から、若干前方つま
り閉方向へ変位された中間開位置が、図3に示す状態と
なる。この図3に示す中間開位置では、鍵盤蓋11は、
操作パネル7のみをほぼ全体的に覆っているが、鍵5、
6の操作に何等支承のない状態とされる。
【0032】鍵盤蓋11の前縁部が、その左右方向全長
に渡って鍵盤蓋11(の本体)に固定された前縁部材1
2によって実質的に構成されている。この前縁部材12
は、鍵盤蓋11の前端部下面にビスや接着剤等によって
固定される取付部12aと、鍵盤蓋11の前端に位置す
る前縁構成部12bと、前縁構成部12aの前端より若
干後方位置において、下方へ伸びる下方延設部12cと
を有する。
【0033】鍵盤蓋11が完全閉位置とされたとき、下
方延設部12cが、鍵盤3(鍵5、6)の前面を覆うよ
うになっている。そして、下方延設部12cの先端部に
は、ゴム等の弾性部材13が固定されて、完全閉位置の
ときに、弾性部材13が鍵盤テ−ブル3の前端部上面に
当接される。なお、このような前縁部材12は、例えば
金属板を屈曲加工することにより、あるいは合成樹脂に
よって形成されている。
【0034】鍵盤蓋11の開閉案内のために、案内機構
21が本体1に設けられている。この案内機構21は、
本体1の左右側壁1a内面にそれぞれ固定されたラック
(ラックバ−)22を有する。このラック22は、本体
1の前後方向ほぼ全長に渡って伸び、その歯面22aは
上方を向いている。一方、鍵盤蓋11の後端部下面に
は、ブラケット23を介して、ピニオン24が略水平方
向に伸びる軸線回りに回転自在に保持されている。そし
て、ピニオン24が、ラック22に常時噛合されてい
る。なお、ラック22の前端と後端とには、ピニオン2
4の回転軸24aに当接してそれ以上の前方あるいは後
方への移動を規制するストッパが形成されている。
【0035】このような案内機構21によって、鍵盤蓋
11は、ピニオン24の回転軸24aを中心として揺動
可能であり、かつピニオン24がラック22と噛合して
回転しつつ前後方向へ変位可能とされる。つまり、鍵盤
蓋11は、その開閉操作の際、その前端部を適宜の高さ
に持ち上げた状態で前後方向に変位されるが、回転軸2
4aを中心とした揺動によって、鍵盤蓋11の前端部を
適宜の高さとすることが可能となる。
【0036】鍵盤テ−ブル2の左右側壁2a内面には、
それぞれ拍子木31が固定されている。この拍子木31
は、左右側壁2aのほぼ全長に渡って前後方向に伸び、
その上面31aは、操作パネル7の前端付近において、
係止部としての凹部32を有する。この凹部32は、そ
の底部32aが前後方向に極めて短いものとされて、底
部32aから前方へ向うにつれて徐々にかつ滑らかに高
くされ、底部32aから後方へ向うにつれて徐々にかつ
滑らかに高くされている。
【0037】拍子木31の上面31aを全体として見た
とき、鍵5、6よりも高い位置にある。鍵盤蓋11の前
縁部材12c下端(の弾性部材13)が上面31aに支
承されて、開閉操作の際に鍵盤蓋11からを離したとき
でも、鍵盤蓋11(の前端部)が鍵5、6に当接しない
ようにされている。上面31aは、その前端から後方へ
向うにつれて、一旦徐々にかつ滑らかに高くなった後、
底部32aへ向けて徐々にかつ滑らかに低くされてい
る。そして、底部32aからは、後方に向うにつれて前
述のように徐々にかつ滑らかに高くされた後、後端に向
けて徐々にかつ滑らかに低くされている。
【0038】鍵盤蓋11が完全閉位置にあるとき、拍子
木31の直前方に鍵盤蓋11の下方延設部12cが位置
した状態で、鍵盤蓋11によって拍子木31も全体的に
覆われるようになっている。つまり、拍子木31の前面
が、鍵盤蓋11の下方延設部12cによって覆われるよ
うになっている。
【0039】前述した図3の中間開位置のとき、鍵盤蓋
11の下方延設部12c(に取付けた弾性部材13)
が、凹部32(底部32a)に嵌合、係止されて、当該
中間開位置でもって鍵盤蓋11が安定して保持される。
つまり、凹部32(の底部32a)が、安定手段を構成
している。なお、底部32aの前後付近が、底部32a
から離れるにつれて徐々にかつ滑らかに高くされている
ので、下方延設部12cが底部32aから若干離れた位
置でもって鍵盤蓋11を下げても、この徐々なる滑らか
な高さ変化部分の摺動案内を利用して、底部32aに下
方延設部12cを確実に位置させて、容易かつ確実に中
間開位置とすることができる。なお、底部32aの前後
方向長さは、下方延設部12c(の下端に取付けた弾性
部材13)の前後方向幅よりもわずかに大きい程度とさ
れている。
【0040】本体1内には、鍵盤テ−ブル2よりも下方
において、大型の主スピ−カ41が配設されている(実
施例では左右2個)。この主スピ−カ41は、その振動
面41aが、図1に示すように、下前板42の前面から
前方へ向けて外部に露出されている。
【0041】また、本体1内には、鍵盤テ−ブル2より
も高い位置、より具体的には、完全開位置にある鍵盤蓋
11よりも上方で、天板8の下方で、かつ上前板9の後
方において、サブスピ−カ43が配設されている。この
サブスピ−カ43は、ブラケット44を介して本体1の
左右側壁1a内面に固定されていて、左右一対の合計2
個設けられている。サブスピ−カ43(の振動面43
a)は、下方かつ前方を向くように配置されて、前述し
た通過用隙間10付近に放射音が極力指向するようにさ
れている。より具体的には、鍵盤蓋11が図4に示す完
全開位置にあるとき、サブスピ−カ43からの放射音
は、鍵盤蓋11の前端部上面で反射されて、通過用隙間
10のうち上前板9と鍵盤蓋11との間の上部隙間10
aを通過して前方へ向うように指向されている。
【0042】上述のようなサブスピ−カ43からの放射
音が、鍵盤蓋11上面での反射を経る上部隙間10aに
対して十分に指向するように、サブスピ−カ43の中心
(その放射音面43aの中心)を、本体1の前後方向中
間位置よりも後方に位置するように設定するのが好まし
い。つまり、サブスピ−カ43の位置があまり前過ぎる
と、サブスピ−カ43の傾斜角度を変更、調整しても、
鍵盤蓋11の上面で反射される放射音が上方を向きすぎ
てしまうことになり、かつ上部隙間10aを通る放射音
のレベルが低いものとなってしまう。
【0043】鍵盤蓋11が中間開位置にあるときの、サ
ブスピ−カ43からの放射音の伝達態様が図3に示され
る。この図3から明らかなように、中間開位置では、サ
ブスピ−カ43からの放射音が上部隙間10aを通過す
る態様が完全開位置となかなり相違したものとなって、
サブスピ−カ43からの放射音を効果的に上部隙間10
aを通過させることが可能となる。
【0044】このような鍵盤蓋11の位置による放射音
の上部隙間10aを通過する特性の相違は、第1に鍵盤
蓋11の傾斜角度の相違であり、第2に鍵盤蓋11の上
面での放射音の反射面積の相違であり、第3に上部隙間
10aの上下方向寸法の相違である。つまり、鍵盤蓋1
1は、完全開位置ではやや後下がりの状態とされる一
方、中間開位置ではやや前下がりの状態となる。また、
鍵盤蓋11上面での放射音の反射は、完全開位置ではほ
ぼ上部隙間10aよりも後方部分の比較的狭い範囲しか
利用できないが、中間開位置では、上部隙間10aより
も前方にある鍵盤蓋11上面をも反射面として利用でき
ることになる。さらに、中間開位置では、完全開位置に
比して、上部隙間10aの上下方向寸法が大きいものと
なる。このように、中間開位置と完全開位置とでの音質
の相違の調整によって、グランドピアノにおける大屋根
のような効果が得られることになる。
【0045】なお、完全開位置とするか、中間開位置と
するかは、演奏者の任意の選択となる。また、上前板9
には、放射音通過機能を別途付与する必要がないので、
放射音通過のためのスリットやメッシュは何ら設けられ
ていない。さらに、スピ−カ43、天板8取付前に本体
1内に組み込まれるが、その後に天板8を組み付ける場
合、スピ−カ43が下向きなので、その振動面43aを
損傷させてしまう事態が生じにくいものとなる。
【0046】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず、例えば次のような場合をも含むものであ
る。サブスピ−カ43の数および左右前後での配設位置
の選択は任意であり、例えば左右方向中間位置に1個の
み設けたり、3個以上の複数個、例えば左右2個と中間
位置の合計3個にする等のこともできる。左右中間位置
にスピ−カ43を取付ける場合は、天板8の下面にブラ
ケット等を介してスピ−カ43を固定すればよい。
【0047】スピ−カ43は、中、高音域専用、あるい
は高音域専用、さらには全音域用等適宜選択することが
できる。特に、スピ−カ43を全音域用としたときは、
主スピ−カ41を有しないものとすることもできる。
【0048】中間開位置は、鍵盤蓋11の図3と図4の
間の範囲において、1つのみならず、2以上の複数位置
をとり得るようにすることもでき、また段階式のみなら
ず連続可変式で任意の中間開位置を取り得るようにする
こともできる。
【0049】本発明の目的は、明記されたものに限ら
ず、実質的に好ましいあるいは利点として記載された内
容に対応したものを提供することをも暗黙的に含むもの
である。
【0050】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、一部断面全体
正面図。
【図2】図1のX−X線方向断面図で、鍵盤蓋が完全閉
位置にある状態を示す。
【図3】鍵盤蓋が中間開位置にあるときを示すもので、
図2に対応した図。
【図4】鍵盤蓋が完全開位置にあるときを示すもので、
図2に対応した図。
【図5】従来のサブスピ−カの取付例を示す図2に対応
した要部図。
【図6】従来のサブスピ−カの取付例を示す図2に対応
した要部図。
【図7】従来のサブスピ−カの取付例を示す図2に対応
した要部図。
【図8】従来のサブスピ−カの取付例を示す図2に対応
した要部図。
【符合の説明】
1:本体 1a:側壁 2:鍵盤テ−ブル 2a:側壁 3:鍵盤 5:白鍵 6:黒鍵 7:操作パネル 8:天板 9:上前板 10:通過用隙間 10a:上部隙間 11:鍵盤蓋 12:前縁部材 12c:下方延設部 22:ラック 24:ピニオン 31:拍子木 31a:上面 32:凹部 32a:底部 43:サブスピ−カ 43a:振動面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本体の天板前端部より下方に伸びる上前板
    の下方に、開位置へ向けて変位される鍵盤蓋が通過され
    る通過用隙間を有する電子楽器において、 前記本体内のうち、前記開位置にある前記鍵盤蓋と前記
    天板との間において、下方に向けてスピ−カが配設され
    ている、ことを特徴とする電子楽器のスピ−カ取付け構
    造。
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