JPH1039070A - 原子炉の炉心 - Google Patents
原子炉の炉心Info
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- JPH1039070A JPH1039070A JP8194208A JP19420896A JPH1039070A JP H1039070 A JPH1039070 A JP H1039070A JP 8194208 A JP8194208 A JP 8194208A JP 19420896 A JP19420896 A JP 19420896A JP H1039070 A JPH1039070 A JP H1039070A
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- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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Abstract
(57)【要約】
【課題】MOX燃料集合体を装荷した原子炉の炉心にお
いて、MOX燃料集合体の燃焼度を高め、かつ原子炉の
運転に対する十分な余裕を実現する原子炉の炉心を得る
ことである。 【解決手段】初期プルトニウム同位体組成の異なる2種
類以上のウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体を
装荷することを特徴とする。また、初期プルトニウム同
位体組成の異なるウラン・プルトニウム混合酸化物燃料
集合体は、少なくともプルトニウム中の核分裂性プルト
ニウムの含有割合が大きいウラン・プルトニウム混合酸
化物燃料集合体とプルトニウム中の核分裂性プルトニウ
ムの含有割合が小さいウラン・プルトニウム混合酸化物
燃料集合体の2種類であることを特徴とする。
いて、MOX燃料集合体の燃焼度を高め、かつ原子炉の
運転に対する十分な余裕を実現する原子炉の炉心を得る
ことである。 【解決手段】初期プルトニウム同位体組成の異なる2種
類以上のウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体を
装荷することを特徴とする。また、初期プルトニウム同
位体組成の異なるウラン・プルトニウム混合酸化物燃料
集合体は、少なくともプルトニウム中の核分裂性プルト
ニウムの含有割合が大きいウラン・プルトニウム混合酸
化物燃料集合体とプルトニウム中の核分裂性プルトニウ
ムの含有割合が小さいウラン・プルトニウム混合酸化物
燃料集合体の2種類であることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はプルトニウムが含ま
れる燃料を使用する原子炉の炉心に関する。
れる燃料を使用する原子炉の炉心に関する。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所では、原子炉に核分裂反応
を引き起こすウラン235(U−235)等を含む核燃
料物質を燃料として装荷し、このウラン燃料が核分裂反
応を引き起こす際に発生する熱を利用して発電してい
る。このように核燃料として使用された使用済ウラン燃
料中には、プルトニウム(Pu)という元素が含まれて
いる。このPuは元々核燃料物質に存在するものではな
く、ウラン燃料内の大部分を占めるU−238が中性子
を吸収することにより生成される物質である。そして、
このPuにはU−235と同様に核分裂反応を引き起こ
す同位体核種が含まれている。従って、使用済ウラン燃
料からこのプルトニウムを取り出し、原子力発電所の核
燃料物質として再利用すれば、限りあるウラン資源を有
効に利用することができる。
を引き起こすウラン235(U−235)等を含む核燃
料物質を燃料として装荷し、このウラン燃料が核分裂反
応を引き起こす際に発生する熱を利用して発電してい
る。このように核燃料として使用された使用済ウラン燃
料中には、プルトニウム(Pu)という元素が含まれて
いる。このPuは元々核燃料物質に存在するものではな
く、ウラン燃料内の大部分を占めるU−238が中性子
を吸収することにより生成される物質である。そして、
このPuにはU−235と同様に核分裂反応を引き起こ
す同位体核種が含まれている。従って、使用済ウラン燃
料からこのプルトニウムを取り出し、原子力発電所の核
燃料物質として再利用すれば、限りあるウラン資源を有
効に利用することができる。
【0003】このため、近年ではウラン酸化物とプルト
ニウム酸化物を含むウラン・プルトニウム混合酸化物を
用いた燃料集合体、すなわちウラン・プルトニウム混合
酸化物燃料集合体(以下、MOX燃料集合体という)を
原子炉の炉心に装荷し、燃料として用いることが計画さ
れている。さらに今後はMOX燃料集合体の利用が増加
するに従い、既設の原子炉の取り替え用燃料集合体の一
部としてだけではなく、第1サイクルである初装荷炉心
にも初装荷用の燃料集合体として使用されることが考え
られている。
ニウム酸化物を含むウラン・プルトニウム混合酸化物を
用いた燃料集合体、すなわちウラン・プルトニウム混合
酸化物燃料集合体(以下、MOX燃料集合体という)を
原子炉の炉心に装荷し、燃料として用いることが計画さ
れている。さらに今後はMOX燃料集合体の利用が増加
するに従い、既設の原子炉の取り替え用燃料集合体の一
部としてだけではなく、第1サイクルである初装荷炉心
にも初装荷用の燃料集合体として使用されることが考え
られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、使用済ウラ
ン燃料集合体から再処理工程によって取り出され、MO
X燃料集合体の原料として利用されるプルトニウムは、
数種類のプルトニウム同位体、すなわちPu−238,
Pu−239,Pu−240,Pu−241,Pu−2
42等から構成されている。これらの各プルトニウム同
位体の組成割合(以下、初期プルトニウム同位体組成と
いう)は、再処理されたウラン燃料集合体に依存し異な
りうる。このためこれら同位体中に存在する核分裂を引
き起こす性質を有する核種、すなわちPu−239,P
u−241のプルトニウム中での割合や、この絶対量も
再処理された使用済ウラン燃料集合体に依存し異なりう
る。
ン燃料集合体から再処理工程によって取り出され、MO
X燃料集合体の原料として利用されるプルトニウムは、
数種類のプルトニウム同位体、すなわちPu−238,
Pu−239,Pu−240,Pu−241,Pu−2
42等から構成されている。これらの各プルトニウム同
位体の組成割合(以下、初期プルトニウム同位体組成と
いう)は、再処理されたウラン燃料集合体に依存し異な
りうる。このためこれら同位体中に存在する核分裂を引
き起こす性質を有する核種、すなわちPu−239,P
u−241のプルトニウム中での割合や、この絶対量も
再処理された使用済ウラン燃料集合体に依存し異なりう
る。
【0005】これまで、MOX燃料集合体を装荷する炉
心の設計においては、新燃料集合体として装荷するMO
X燃料集合体の核特性を同等とするために、初期プルト
ニウム同位体組成が炉心内で一種類となるように調整す
ることが計画されていた。
心の設計においては、新燃料集合体として装荷するMO
X燃料集合体の核特性を同等とするために、初期プルト
ニウム同位体組成が炉心内で一種類となるように調整す
ることが計画されていた。
【0006】一般に初装荷炉心の運転期間(サイクルと
もいう)は、原子炉起動試験を考慮して取り替え炉心の
運転期間よりも長く計画されている。このため、第1サ
イクルでの燃料集合体は、その後の運転サイクル、すな
わち第2サイクル以降における燃料集合体よりも長く燃
焼することになる。従って、取替炉心と同一のサイクル
数で装荷を続けると、初装荷燃料集合体の燃焼度は取り
替え燃料集合体の燃焼度よりも大きくなる傾向がある。
もいう)は、原子炉起動試験を考慮して取り替え炉心の
運転期間よりも長く計画されている。このため、第1サ
イクルでの燃料集合体は、その後の運転サイクル、すな
わち第2サイクル以降における燃料集合体よりも長く燃
焼することになる。従って、取替炉心と同一のサイクル
数で装荷を続けると、初装荷燃料集合体の燃焼度は取り
替え燃料集合体の燃焼度よりも大きくなる傾向がある。
【0007】一方、MOX燃料集合体の最大燃焼度の許
容値は、これまでに実績のある照射範囲を考慮してウラ
ン燃料集合体と同等もしくはウラン燃料集合体よりも低
めに設定されることもある。従って、比較的燃焼が進ん
だMOX燃料集合体でも十分な燃焼を達成しないまま、
炉心から取り出す必要性が生ずる。
容値は、これまでに実績のある照射範囲を考慮してウラ
ン燃料集合体と同等もしくはウラン燃料集合体よりも低
めに設定されることもある。従って、比較的燃焼が進ん
だMOX燃料集合体でも十分な燃焼を達成しないまま、
炉心から取り出す必要性が生ずる。
【0008】例えば、MOX燃料集合体の最大燃焼度の
許容値を40GWd/tとすると、約13ヶ月の運転期
間を1サイクルとして3サイクル照射した後に取り出さ
れるMOX燃料集合体は、取り出し時の平均取り出し燃
焼度が約33GWd/t、最大燃焼度は燃料集合体の装
荷履歴にもよるが約35〜38GWd/tとなるように
設計される。ここで第1サイクルは、通常の運転サイク
ルに比べてサイクル長さが燃焼度で約3GWd/t程度
長いため、この燃料集合体を初装荷燃料集合体として第
1サイクルから装荷した場合、3サイクル装荷すると燃
焼度は最大で約38+3GWd/tとなり、最大燃焼度
の許容値である40GWd/tを超えてしまうものが一
部に出てくる。このような燃料集合体は2サイクルが終
了した時点で取り出す必要があり、このとき燃料集合体
は約20〜30GWd/tしか燃焼しておらず燃料経済
性が悪い。
許容値を40GWd/tとすると、約13ヶ月の運転期
間を1サイクルとして3サイクル照射した後に取り出さ
れるMOX燃料集合体は、取り出し時の平均取り出し燃
焼度が約33GWd/t、最大燃焼度は燃料集合体の装
荷履歴にもよるが約35〜38GWd/tとなるように
設計される。ここで第1サイクルは、通常の運転サイク
ルに比べてサイクル長さが燃焼度で約3GWd/t程度
長いため、この燃料集合体を初装荷燃料集合体として第
1サイクルから装荷した場合、3サイクル装荷すると燃
焼度は最大で約38+3GWd/tとなり、最大燃焼度
の許容値である40GWd/tを超えてしまうものが一
部に出てくる。このような燃料集合体は2サイクルが終
了した時点で取り出す必要があり、このとき燃料集合体
は約20〜30GWd/tしか燃焼しておらず燃料経済
性が悪い。
【0009】また、MOX燃料集合体を取り替え燃料集
合体とする炉心においても、その運転期間が長期化され
た場合、即ち1サイクル長さが長くなった場合には、2
サイクル燃焼後にそのMOX燃料集合体を取り出すこと
が必要となる。これは、例えば1サイクル長さが15ヶ
月に長期化された場合には、取り出し時の平均取り出し
燃焼度は約38GWd/tとなり、最も燃焼が進んだ燃
料集合体の燃焼度は最大燃焼度の許容値を超えてしまう
ためである。
合体とする炉心においても、その運転期間が長期化され
た場合、即ち1サイクル長さが長くなった場合には、2
サイクル燃焼後にそのMOX燃料集合体を取り出すこと
が必要となる。これは、例えば1サイクル長さが15ヶ
月に長期化された場合には、取り出し時の平均取り出し
燃焼度は約38GWd/tとなり、最も燃焼が進んだ燃
料集合体の燃焼度は最大燃焼度の許容値を超えてしまう
ためである。
【0010】ところで、従来のウラン燃料集合体の取り
替え炉心においては、サイクル長さが設計時と変化する
ことも考慮して、ウラン235平均濃縮度は等しいが、
ガドリニア等の可燃性毒物を含有する燃料棒の本数が異
なる2種類の燃料集合体が用いられていた。これらの燃
料集合体の特性を利用して、新燃料として装荷する2種
類の燃料集合体の装荷体数の割合を変化させることによ
り、運転サイクル初期の炉心の余剰反応度を運転性の点
から適切な大きさとするように調整していた。
替え炉心においては、サイクル長さが設計時と変化する
ことも考慮して、ウラン235平均濃縮度は等しいが、
ガドリニア等の可燃性毒物を含有する燃料棒の本数が異
なる2種類の燃料集合体が用いられていた。これらの燃
料集合体の特性を利用して、新燃料として装荷する2種
類の燃料集合体の装荷体数の割合を変化させることによ
り、運転サイクル初期の炉心の余剰反応度を運転性の点
から適切な大きさとするように調整していた。
【0011】しかしながら、今後、MOX燃料集合体の
利用が本格化して、取り替え燃料集合体の多くがMOX
燃料集合体となると、ウラン燃料集合体のみでこのよう
な反応度の調整を行うことはできない。
利用が本格化して、取り替え燃料集合体の多くがMOX
燃料集合体となると、ウラン燃料集合体のみでこのよう
な反応度の調整を行うことはできない。
【0012】本発明は、係る従来の事情に対してなされ
たものであり、その目的は、MOX燃料集合体を装荷し
た原子炉の炉心において、MOX燃料集合体の燃焼度を
高め、かつ原子炉の運転に対する十分な余裕を実現する
原子炉の炉心を得ることである。
たものであり、その目的は、MOX燃料集合体を装荷し
た原子炉の炉心において、MOX燃料集合体の燃焼度を
高め、かつ原子炉の運転に対する十分な余裕を実現する
原子炉の炉心を得ることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の原子炉の炉心においては、請求項1記載の
発明では、初期プルトニウム同位体組成の異なる2種類
以上のウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体を装
荷することを特徴とする。
め、本発明の原子炉の炉心においては、請求項1記載の
発明では、初期プルトニウム同位体組成の異なる2種類
以上のウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体を装
荷することを特徴とする。
【0014】また、請求項2記載の発明では、請求項1
記載の発明において、初期プルトニウム同位体組成の異
なるウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体は、少
なくともプルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有
割合が大きいウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合
体とプルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合
が小さいウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体の
2種類であることを特徴とする。
記載の発明において、初期プルトニウム同位体組成の異
なるウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体は、少
なくともプルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有
割合が大きいウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合
体とプルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合
が小さいウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体の
2種類であることを特徴とする。
【0015】さらに、請求項3記載の発明では、核分裂
性プルトニウムの含有割合が大きいウラン・プルトニウ
ム混合酸化物燃料集合体のプルトニウム富化度が前記核
分裂性プルトニウムの含有割合が小さいウラン・プルト
ニウム混合酸化物燃料集合体のプルトニウム富化度より
も低いことを特徴とする。
性プルトニウムの含有割合が大きいウラン・プルトニウ
ム混合酸化物燃料集合体のプルトニウム富化度が前記核
分裂性プルトニウムの含有割合が小さいウラン・プルト
ニウム混合酸化物燃料集合体のプルトニウム富化度より
も低いことを特徴とする。
【0016】また、請求項4記載の発明では、請求項2
または3において、核分裂性プルトニウムの含有割合が
大きいウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体を構
成する可燃性毒物を含有する燃料棒の本数が前記核分裂
性プルトニウムの含有割合が小さいウラン・プルトニウ
ム混合酸化物燃料集合体を構成する可燃性毒物を含有す
る燃料棒の本数よりも少ないことを特徴とする。
または3において、核分裂性プルトニウムの含有割合が
大きいウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体を構
成する可燃性毒物を含有する燃料棒の本数が前記核分裂
性プルトニウムの含有割合が小さいウラン・プルトニウ
ム混合酸化物燃料集合体を構成する可燃性毒物を含有す
る燃料棒の本数よりも少ないことを特徴とする。
【0017】また、請求項5記載の発明では、請求項1
ないし4において、ウラン235平均濃縮度が異なる複
数種類のウラン燃料集合体を装荷することを特徴とす
る。また、請求項6記載の発明では、請求項1ないし5
において、ウラン燃料集合体内の燃料棒本数をウラン・
プルトニウム混合酸化物燃料集合体内の燃料棒本数より
多くすることを特徴とする。
ないし4において、ウラン235平均濃縮度が異なる複
数種類のウラン燃料集合体を装荷することを特徴とす
る。また、請求項6記載の発明では、請求項1ないし5
において、ウラン燃料集合体内の燃料棒本数をウラン・
プルトニウム混合酸化物燃料集合体内の燃料棒本数より
多くすることを特徴とする。
【0018】さらに、請求項7記載の発明では、請求項
1ないし6において、プルトニウム・ウラン混合酸化物
燃料集合体に含まれるウラン燃料棒のウラン濃縮度及び
可燃性毒物の濃度のうち少なくとも一方が軸方向分布を
有することを特徴とする。
1ないし6において、プルトニウム・ウラン混合酸化物
燃料集合体に含まれるウラン燃料棒のウラン濃縮度及び
可燃性毒物の濃度のうち少なくとも一方が軸方向分布を
有することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
しながら説明する。第1の実施の形態は、請求項1〜
3、5に係るものであり、図1に第1の実施の形態に係
る沸騰水型原子炉の炉心の1/4の模式的平面図を示
す。図1において、升目の1つが燃料集合体を示してい
る。
しながら説明する。第1の実施の形態は、請求項1〜
3、5に係るものであり、図1に第1の実施の形態に係
る沸騰水型原子炉の炉心の1/4の模式的平面図を示
す。図1において、升目の1つが燃料集合体を示してい
る。
【0020】ところで、図1において模式的に表された
原子炉の炉心の構成をさらに具体的に説明する。図2
(a)は、原子炉の炉心を構成する単位格子を示し、
(b)はこの単位格子を配置した炉心の一部を示す模式
的平面図である。このように原子炉の出力を制御する制
御棒1の周囲に4体の燃料集合体2を配置して単位格子
3が構成され、さらにこの単位格子3の複数個を格子状
に配列して炉心4が構成されている。尚、通常制御棒は
運転時に引き抜かれるが、運転時にも炉心内に挿入され
反応度制御に用いられる調整棒として使用される制御棒
もある。かかる制御棒を含む単位格子はコントロールセ
ルと呼ばれている。
原子炉の炉心の構成をさらに具体的に説明する。図2
(a)は、原子炉の炉心を構成する単位格子を示し、
(b)はこの単位格子を配置した炉心の一部を示す模式
的平面図である。このように原子炉の出力を制御する制
御棒1の周囲に4体の燃料集合体2を配置して単位格子
3が構成され、さらにこの単位格子3の複数個を格子状
に配列して炉心4が構成されている。尚、通常制御棒は
運転時に引き抜かれるが、運転時にも炉心内に挿入され
反応度制御に用いられる調整棒として使用される制御棒
もある。かかる制御棒を含む単位格子はコントロールセ
ルと呼ばれている。
【0021】図1において、炉心4は初期プルトニウム
同位体組成の異なる2種類のMOX燃料集合体とウラン
235平均濃縮度の異なる3種類のウラン燃料集合体か
ら構成されている。図中の升目の記号はそれぞれ、M1
はプルトニウム中の核分裂性プルトニウム含有の割合の
大きいMOX燃料集合体を、 M2はプルトニウム中の
核分裂性プルトニウム含有の割合の小さいMOX燃料集
合体を、U1は高濃縮度ウラン燃料集合体を、U2は中
濃縮度ウラン燃料集合体を、U3は低濃縮度ウラン燃料
集合体を示す。ここで、各燃料集合体は炉心全体で、M
1が72体、M2が148体、U1が208体、U2が
204体、U3が240体ある。また、太枠線はコント
ロールセル5を示す。
同位体組成の異なる2種類のMOX燃料集合体とウラン
235平均濃縮度の異なる3種類のウラン燃料集合体か
ら構成されている。図中の升目の記号はそれぞれ、M1
はプルトニウム中の核分裂性プルトニウム含有の割合の
大きいMOX燃料集合体を、 M2はプルトニウム中の
核分裂性プルトニウム含有の割合の小さいMOX燃料集
合体を、U1は高濃縮度ウラン燃料集合体を、U2は中
濃縮度ウラン燃料集合体を、U3は低濃縮度ウラン燃料
集合体を示す。ここで、各燃料集合体は炉心全体で、M
1が72体、M2が148体、U1が208体、U2が
204体、U3が240体ある。また、太枠線はコント
ロールセル5を示す。
【0022】このように構成された第1の実施の形態に
示す原子炉の炉心においては、M1で示すプルトニウム
中の核分裂性プルトニウム含有の割合の大きいMOX燃
料集合体を2サイクルが終了した時点で取り出し、M2
で示すプルトニウム中の核分裂性プルトニウム含有の割
合の小さいMOX燃料集合体は3サイクルが終了するま
で炉心内に留めておく。こうすることで、どちらのMO
X燃料集合体も炉心滞在期間中に十分な燃焼を達成する
ことができる。
示す原子炉の炉心においては、M1で示すプルトニウム
中の核分裂性プルトニウム含有の割合の大きいMOX燃
料集合体を2サイクルが終了した時点で取り出し、M2
で示すプルトニウム中の核分裂性プルトニウム含有の割
合の小さいMOX燃料集合体は3サイクルが終了するま
で炉心内に留めておく。こうすることで、どちらのMO
X燃料集合体も炉心滞在期間中に十分な燃焼を達成する
ことができる。
【0023】以下に、かかる効果について詳細に説明す
る。一般に、Pu−329、Pu−241といった核分
裂性のプルトニウム同位体を多く含むMOX燃料集合体
ほど無限増倍率は大きくなる。しかし、逆にこれら核分
裂性のプルトニウム同位体が少ないMOX燃料集合体ほ
どPu−240を多く含み、これが中性子を吸収し核分
裂性のPu−241に変換するため、無限増倍率の減少
はより緩やかになる。
る。一般に、Pu−329、Pu−241といった核分
裂性のプルトニウム同位体を多く含むMOX燃料集合体
ほど無限増倍率は大きくなる。しかし、逆にこれら核分
裂性のプルトニウム同位体が少ないMOX燃料集合体ほ
どPu−240を多く含み、これが中性子を吸収し核分
裂性のPu−241に変換するため、無限増倍率の減少
はより緩やかになる。
【0024】図3にMOX燃料集合体の燃焼度と無限増
倍率との関係を示す。図中、実線aはプルトニウム中の
核分裂性プルトニウム含有の割合が75wt%であり、
12本の可燃性毒物入燃料棒を含むMOX燃料集合体を
示し、点線bはプルトニウム中の核分裂性プルトニウム
含有の割合が67wt%であり、12本の可燃性毒物入
燃料棒を含むMOX燃料集合体を示す。図3によれば、
核分裂性プルトニウム含有の割合の大きいMOX燃料集
合体の無限増倍率(実線a)は、核分裂性プルトニウム
含有の割合の小さいMOX燃料集合体の無限増倍率(点
線b)に比べて、燃焼初期から中期にかけては大きくな
っている。その後燃焼が進むにつれてその差が縮まり、
さらに燃焼が進み、運転サイクル終了時点、すなわちM
OX燃料集合体の平均燃焼度である約22GWd/tに
おいて、これらの無限増倍率が一致し、大小関係が逆転
していることがわかる。
倍率との関係を示す。図中、実線aはプルトニウム中の
核分裂性プルトニウム含有の割合が75wt%であり、
12本の可燃性毒物入燃料棒を含むMOX燃料集合体を
示し、点線bはプルトニウム中の核分裂性プルトニウム
含有の割合が67wt%であり、12本の可燃性毒物入
燃料棒を含むMOX燃料集合体を示す。図3によれば、
核分裂性プルトニウム含有の割合の大きいMOX燃料集
合体の無限増倍率(実線a)は、核分裂性プルトニウム
含有の割合の小さいMOX燃料集合体の無限増倍率(点
線b)に比べて、燃焼初期から中期にかけては大きくな
っている。その後燃焼が進むにつれてその差が縮まり、
さらに燃焼が進み、運転サイクル終了時点、すなわちM
OX燃料集合体の平均燃焼度である約22GWd/tに
おいて、これらの無限増倍率が一致し、大小関係が逆転
していることがわかる。
【0025】従って、図3に示されるように、プルトニ
ウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合が大きいMO
X燃料集合体の方が、燃焼初期から中期にかけて無限増
倍率が高くそのため燃焼が早く進み、少ない運転サイク
ル数で取り出す場合はより燃焼度が高くなる。また、プ
ルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合が小さ
いMOX燃料集合体の方が、燃焼後期で無限増倍率が高
くそのため燃焼度が高くなるとより燃焼が進む。特に図
1に示すような濃縮度が多種類の燃料集合体を装荷して
なる炉心では、取替燃料集合体の体数が少なく、初装荷
燃料集合体の燃焼度が高くなる傾向がある。このため、
2種類以上の初期プルトニウム同位体組成のMOX燃料
集合体を装荷する炉心において効果が大きくなる。
ウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合が大きいMO
X燃料集合体の方が、燃焼初期から中期にかけて無限増
倍率が高くそのため燃焼が早く進み、少ない運転サイク
ル数で取り出す場合はより燃焼度が高くなる。また、プ
ルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合が小さ
いMOX燃料集合体の方が、燃焼後期で無限増倍率が高
くそのため燃焼度が高くなるとより燃焼が進む。特に図
1に示すような濃縮度が多種類の燃料集合体を装荷して
なる炉心では、取替燃料集合体の体数が少なく、初装荷
燃料集合体の燃焼度が高くなる傾向がある。このため、
2種類以上の初期プルトニウム同位体組成のMOX燃料
集合体を装荷する炉心において効果が大きくなる。
【0026】ところで、図3に示すような無限増倍率の
燃焼度特性を十分に得るためには、プルトニウム中の核
分裂性プルトニウムの含有量に応じて、MOX燃料集合
体のプルトニウム富化度(プルトニウムの全重金属に対
する割合)を調整する必要がある。
燃焼度特性を十分に得るためには、プルトニウム中の核
分裂性プルトニウムの含有量に応じて、MOX燃料集合
体のプルトニウム富化度(プルトニウムの全重金属に対
する割合)を調整する必要がある。
【0027】図4にこのような特性を得ることができる
MOX燃料集合体のプルトニウム中の核分裂性プルトニ
ウムの含有割合に対する平均プルトニウム富化度(相対
値)の一例を示す。図4において、MOX燃料集合体の
プルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合が大
きいほど、平均プルトニウム富化度は低くなっている。
すなわち、このように炉心に装荷するMOX燃料集合体
のプルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合に
対し平均プルトニウム富化度を調整することにより、取
替燃料集合体の取り替え体数が初期の設計と同じで、同
じ運転期間が達成される。
MOX燃料集合体のプルトニウム中の核分裂性プルトニ
ウムの含有割合に対する平均プルトニウム富化度(相対
値)の一例を示す。図4において、MOX燃料集合体の
プルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合が大
きいほど、平均プルトニウム富化度は低くなっている。
すなわち、このように炉心に装荷するMOX燃料集合体
のプルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合に
対し平均プルトニウム富化度を調整することにより、取
替燃料集合体の取り替え体数が初期の設計と同じで、同
じ運転期間が達成される。
【0028】さらに、第1の実施の形態に係る原子炉炉
心では、複数種類のウラン235濃縮度の燃料集合体を
装荷したので、燃料の高燃焼度化を図って経済性を向上
させることもできる。
心では、複数種類のウラン235濃縮度の燃料集合体を
装荷したので、燃料の高燃焼度化を図って経済性を向上
させることもできる。
【0029】第2の実施の形態は請求項6に係るもので
あり、上述の図1に示した原子炉の炉心を構成する燃料
集合体が特徴を有するものである。この燃料集合体を図
5に示す。図5(a)はウラン燃料集合体の横断面図で
あり、(b)は MOX燃料集合体の横断面図である。
図5(a)において、ウラン燃料集合体6は、チャンネ
ルボックス7内に燃料棒8aが9行9列に配置され、そ
の中心部に2本のウォータロッド9が配置されており、
(b)において、MOX燃料集合体10は、チャンネル
ボックス7内に燃料棒8bが8行8列に配置され、その
中心部に1本のウォータロッド9が配置されている。
従って、ウラン燃料集合体6の燃料棒本数は74本、
MOX燃料集合体10の燃料棒本数は60本であり、ウ
ラン燃料集合体の方が燃料棒本数が14本多い構成とな
っている。
あり、上述の図1に示した原子炉の炉心を構成する燃料
集合体が特徴を有するものである。この燃料集合体を図
5に示す。図5(a)はウラン燃料集合体の横断面図で
あり、(b)は MOX燃料集合体の横断面図である。
図5(a)において、ウラン燃料集合体6は、チャンネ
ルボックス7内に燃料棒8aが9行9列に配置され、そ
の中心部に2本のウォータロッド9が配置されており、
(b)において、MOX燃料集合体10は、チャンネル
ボックス7内に燃料棒8bが8行8列に配置され、その
中心部に1本のウォータロッド9が配置されている。
従って、ウラン燃料集合体6の燃料棒本数は74本、
MOX燃料集合体10の燃料棒本数は60本であり、ウ
ラン燃料集合体の方が燃料棒本数が14本多い構成とな
っている。
【0030】図1に示すように、炉心にウラン燃料集合
体とMOX燃料集合体が同時に装荷されている場合に
は、MOX燃料集合体の出力が高くなる傾向がある。特
に燃焼初期ではプルトニウム中の核分裂性プルトニウム
の含有割合が大きいMOX燃料集合体の出力が高くなる
傾向がある。
体とMOX燃料集合体が同時に装荷されている場合に
は、MOX燃料集合体の出力が高くなる傾向がある。特
に燃焼初期ではプルトニウム中の核分裂性プルトニウム
の含有割合が大きいMOX燃料集合体の出力が高くなる
傾向がある。
【0031】従って、図5に示す構成により、ウラン燃
料集合体6は、燃料棒8の本数が多い分、線出力密度の
余裕が大きいので平均濃縮度を高めることができ、取出
燃焼度を増やすことができる。また、平均濃縮度を高め
ることによりウラン燃料集合体6の出力も高くなるの
で、MOX燃料集合体10の出力を相対的に低下でき、
MOX燃料集合体10の熱的特性を改善できる。
料集合体6は、燃料棒8の本数が多い分、線出力密度の
余裕が大きいので平均濃縮度を高めることができ、取出
燃焼度を増やすことができる。また、平均濃縮度を高め
ることによりウラン燃料集合体6の出力も高くなるの
で、MOX燃料集合体10の出力を相対的に低下でき、
MOX燃料集合体10の熱的特性を改善できる。
【0032】第3の実施の形態は請求項7に係るもので
あり、上述の図1に示した沸騰水型原子炉の炉心を構成
するMOX燃料集合体が特徴を有するものである。この
MOX燃料集合体を図6に示す。図6(a)はMOX燃
料集合体の横断面図、(b)は可燃性毒物入り燃料棒の
軸方向分布図である。図6(a)において、MOX燃料
集合体10には、4種類のプルトニウム燃料棒と1種類
のウラン燃料棒が含まれている。図中符号P1〜P4はP1を
最高として番号順にプルトニウムの富化度を示し、符号
Gはウラン燃料棒であり可燃性毒物であるガドリニアが
含まれている可燃性毒物入り燃料棒11を示す。図6
(b)に示すように、この可燃性毒物入り燃料棒11の
濃縮度とガドリニア濃度は軸方向に分布を有している。
あり、上述の図1に示した沸騰水型原子炉の炉心を構成
するMOX燃料集合体が特徴を有するものである。この
MOX燃料集合体を図6に示す。図6(a)はMOX燃
料集合体の横断面図、(b)は可燃性毒物入り燃料棒の
軸方向分布図である。図6(a)において、MOX燃料
集合体10には、4種類のプルトニウム燃料棒と1種類
のウラン燃料棒が含まれている。図中符号P1〜P4はP1を
最高として番号順にプルトニウムの富化度を示し、符号
Gはウラン燃料棒であり可燃性毒物であるガドリニアが
含まれている可燃性毒物入り燃料棒11を示す。図6
(b)に示すように、この可燃性毒物入り燃料棒11の
濃縮度とガドリニア濃度は軸方向に分布を有している。
【0033】図7は、制御棒引き抜き状態でのMOX燃
料集合体の軸方向出力分布図である。図中、相対出力は
平均出力を1.0に規格化にしたものであり、実線c
は、ウラン燃料棒に濃縮度・ガドリニア濃度の軸方向分
布をつけた図6に示すMOX燃料集合体の軸方向出力分
布であり、点線dはウラン燃料棒に濃縮度・ガドリニア
濃度の軸方向分布をつけなかったMOX燃料集合体の軸
方向出力分布図である。
料集合体の軸方向出力分布図である。図中、相対出力は
平均出力を1.0に規格化にしたものであり、実線c
は、ウラン燃料棒に濃縮度・ガドリニア濃度の軸方向分
布をつけた図6に示すMOX燃料集合体の軸方向出力分
布であり、点線dはウラン燃料棒に濃縮度・ガドリニア
濃度の軸方向分布をつけなかったMOX燃料集合体の軸
方向出力分布図である。
【0034】図7に示されるように、ウラン燃料棒内の
濃縮度と可燃性毒物の濃度に軸方向分布をつけることに
よりMOX燃料集合体の軸方向出力分布が平坦になる。
よって、炉心全体の軸方向出力分布も平坦化され、熱的
特性や核的特性が良くなる。なお、図6の例では、濃縮
度とガドリニア濃度の両方が軸方向分布を有している
が、どちらか一方でも同じ効果を得ることができる。ま
た、MOX燃料集合体において、初期プルトニウム同位
体が異なれば、プルトニウム燃料棒の富化度は異なる
が、ガドリニア入り燃料棒を共通化して軸方向分布をつ
ければ、製造コストを低減することもできる。
濃縮度と可燃性毒物の濃度に軸方向分布をつけることに
よりMOX燃料集合体の軸方向出力分布が平坦になる。
よって、炉心全体の軸方向出力分布も平坦化され、熱的
特性や核的特性が良くなる。なお、図6の例では、濃縮
度とガドリニア濃度の両方が軸方向分布を有している
が、どちらか一方でも同じ効果を得ることができる。ま
た、MOX燃料集合体において、初期プルトニウム同位
体が異なれば、プルトニウム燃料棒の富化度は異なる
が、ガドリニア入り燃料棒を共通化して軸方向分布をつ
ければ、製造コストを低減することもできる。
【0035】第4の実施の形態は、請求項1、2、4に
係るものであり、図8に第4の実施の形態にかかる沸騰
水型原子炉の炉心の1/4の模式的平面図を示す。図8
において、升目の1つが燃料集合体を示している。
係るものであり、図8に第4の実施の形態にかかる沸騰
水型原子炉の炉心の1/4の模式的平面図を示す。図8
において、升目の1つが燃料集合体を示している。
【0036】図8において、炉心4は、取り替え燃料集
合体として初期プルトニウム同位体組成の2種類の異な
るMOX燃料集合体を装荷したものである。図中の升目
の記号はそれぞれ、1A,1Bは第1サイクル目のMO
X燃料集合体、また2、3、4はそれぞれ2サイクル
目、3サイクル目、4サイクル目のMOX燃料集合体を
示す。また、1Aはプルトニウム中の核分裂性プルトニ
ウム含有の割合の大きくかつ可燃性毒物入り燃料棒の少
ないMOX燃料集合体を、1Bはプルトニウム中の核分
裂性プルトニウム含有の割合の小さくかつ可燃性毒物入
り燃料棒の多いMOX燃料集合体を示す。ここで、各燃
料集合体は炉心全体で、1サイクル目の1Aが200
体、1Bが88体、2サイクル目、3サイクル目がそれ
ぞれ288体、4サイクル目が8体である。また、太枠
線はコントロールセル5を示す。
合体として初期プルトニウム同位体組成の2種類の異な
るMOX燃料集合体を装荷したものである。図中の升目
の記号はそれぞれ、1A,1Bは第1サイクル目のMO
X燃料集合体、また2、3、4はそれぞれ2サイクル
目、3サイクル目、4サイクル目のMOX燃料集合体を
示す。また、1Aはプルトニウム中の核分裂性プルトニ
ウム含有の割合の大きくかつ可燃性毒物入り燃料棒の少
ないMOX燃料集合体を、1Bはプルトニウム中の核分
裂性プルトニウム含有の割合の小さくかつ可燃性毒物入
り燃料棒の多いMOX燃料集合体を示す。ここで、各燃
料集合体は炉心全体で、1サイクル目の1Aが200
体、1Bが88体、2サイクル目、3サイクル目がそれ
ぞれ288体、4サイクル目が8体である。また、太枠
線はコントロールセル5を示す。
【0037】ここで、無限増倍率と可燃性毒物を含む燃
料棒の本数に差異のある燃料集合体の燃焼度との関係を
図9に示す。図9において、実線eは可燃性毒物入り燃
料棒を11本有する燃料集合体、点線fは可燃性毒物入
り燃料棒を9本有する燃料集合体の燃焼度特性であり、
それぞれ平均濃縮度は同じである。図9に示すように、
可燃性毒物入り燃料棒の本数に2本程度の差をつけるこ
とにより、燃焼初期の無限増倍率に約5%△k程度の差
がつくことがわかる。従って、このような特性を利用し
て、可燃性毒物入り燃料棒の本数に差をつけた複数種類
の燃料集合体を新燃料として適切な体数配分で炉心に装
荷することで、原子炉運転開始時の余剰反応度を適正化
することができる。
料棒の本数に差異のある燃料集合体の燃焼度との関係を
図9に示す。図9において、実線eは可燃性毒物入り燃
料棒を11本有する燃料集合体、点線fは可燃性毒物入
り燃料棒を9本有する燃料集合体の燃焼度特性であり、
それぞれ平均濃縮度は同じである。図9に示すように、
可燃性毒物入り燃料棒の本数に2本程度の差をつけるこ
とにより、燃焼初期の無限増倍率に約5%△k程度の差
がつくことがわかる。従って、このような特性を利用し
て、可燃性毒物入り燃料棒の本数に差をつけた複数種類
の燃料集合体を新燃料として適切な体数配分で炉心に装
荷することで、原子炉運転開始時の余剰反応度を適正化
することができる。
【0038】第1の実施の形態でも説明したように、M
OX燃料集合体においてプルトニウムの含有割合に差を
つけることにより、燃焼初期の無限増倍率に最高約2%
△k程度の差をつけることができる。よって、さらにプ
ルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合が低い
MOX燃料集合体に含まれる可燃性毒物入り燃料棒の本
数を、プルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割
合が高いMOX燃料集合体に含まれる可燃性毒物入り燃
料棒の本数よりも1本程度多くすることで、これらMO
X燃料集合体の燃焼初期の無限増倍率に約5%△k程度
の差をつけることができる。
OX燃料集合体においてプルトニウムの含有割合に差を
つけることにより、燃焼初期の無限増倍率に最高約2%
△k程度の差をつけることができる。よって、さらにプ
ルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合が低い
MOX燃料集合体に含まれる可燃性毒物入り燃料棒の本
数を、プルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割
合が高いMOX燃料集合体に含まれる可燃性毒物入り燃
料棒の本数よりも1本程度多くすることで、これらMO
X燃料集合体の燃焼初期の無限増倍率に約5%△k程度
の差をつけることができる。
【0039】従って、このような2種類のMOX燃料集
合体を取替新燃料として装荷し、これらの体数配分を適
切に調整することで、さらに原子炉運転開始時の余剰反
応度を適正化することができる。
合体を取替新燃料として装荷し、これらの体数配分を適
切に調整することで、さらに原子炉運転開始時の余剰反
応度を適正化することができる。
【0040】なお、本実施の形態では、第2〜4サイク
ルの燃料集合体をMOX燃料集合体としているが、これ
に限るものではなくこれらの内、一部または全部がウラ
ン燃料集合体であっても同様の効果を得ることができ
る。
ルの燃料集合体をMOX燃料集合体としているが、これ
に限るものではなくこれらの内、一部または全部がウラ
ン燃料集合体であっても同様の効果を得ることができ
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明の原子炉の炉
心においては、請求項1、2、3記載の発明では、MO
X燃料集合体が装荷される炉心において、早めに炉心か
ら取り出されるMOX燃料集合体については、プルトニ
ウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合を高くするこ
とで、炉心滞在期間中に十分な燃焼が達成されるという
効果を奏する。
心においては、請求項1、2、3記載の発明では、MO
X燃料集合体が装荷される炉心において、早めに炉心か
ら取り出されるMOX燃料集合体については、プルトニ
ウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合を高くするこ
とで、炉心滞在期間中に十分な燃焼が達成されるという
効果を奏する。
【0042】また、請求項4記載の発明では、初期プル
トニウム同位体組成の異なる2種類以上のMOX燃料集
合体を新燃料として装荷する場合、プルトニウム中の核
分裂性プルトニウム含有割合が低いMOX燃料集合体ほ
ど可燃性毒物を含む燃料棒の本数を多くし、これらMO
X燃料集合体の体数配分を適切に調整することで、原子
炉運転開始時の余剰反応度を適正化することができると
いう効果を奏する。
トニウム同位体組成の異なる2種類以上のMOX燃料集
合体を新燃料として装荷する場合、プルトニウム中の核
分裂性プルトニウム含有割合が低いMOX燃料集合体ほ
ど可燃性毒物を含む燃料棒の本数を多くし、これらMO
X燃料集合体の体数配分を適切に調整することで、原子
炉運転開始時の余剰反応度を適正化することができると
いう効果を奏する。
【0043】また、請求項5記載の発明では、複数種類
のウラン235濃縮度の燃料集合体を装荷したので、燃
料の高燃焼度化を図って経済性を向上させることもでき
る。さらに、請求項6記載の発明では、ウラン燃料集合
体の燃料棒本数をMOX燃料集合体のものより多くする
ことにより、ウラン燃料集合体の平均濃縮度を上げ、取
出燃焼度を上げることにより経済性を向上させつつ、M
OX燃料集合体の出力を下げ、熱的特性を緩和させると
いう効果を奏する。
のウラン235濃縮度の燃料集合体を装荷したので、燃
料の高燃焼度化を図って経済性を向上させることもでき
る。さらに、請求項6記載の発明では、ウラン燃料集合
体の燃料棒本数をMOX燃料集合体のものより多くする
ことにより、ウラン燃料集合体の平均濃縮度を上げ、取
出燃焼度を上げることにより経済性を向上させつつ、M
OX燃料集合体の出力を下げ、熱的特性を緩和させると
いう効果を奏する。
【0044】また、請求項7記載の発明では、MOX燃
焼集合体内のウラン燃料棒の濃縮度や可燃性毒物の濃度
に軸方向分布をつけることにより、MOX燃料集合体の
軸方向出力分布を平坦化させ、炉内の熱的特性を緩和す
るという効果を奏する。
焼集合体内のウラン燃料棒の濃縮度や可燃性毒物の濃度
に軸方向分布をつけることにより、MOX燃料集合体の
軸方向出力分布を平坦化させ、炉内の熱的特性を緩和す
るという効果を奏する。
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る沸騰水型原子
炉の炉心の1/4を示す模式的平面図である。
炉の炉心の1/4を示す模式的平面図である。
【図2】(a)は単位格子を示す模式的平面図であり、
(b)は炉心の一部を示す模式的平面図である。
(b)は炉心の一部を示す模式的平面図である。
【図3】燃料集合体の燃焼度と無限増倍率との関係を示
す特性図である。
す特性図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るMOX燃料集
合体のプルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割
合に対する平均プルトニウム富化度を示す特性図であ
る。
合体のプルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割
合に対する平均プルトニウム富化度を示す特性図であ
る。
【図5】(a)は本発明の第2の実施の形態に係る沸騰
水型原子炉の炉心を構成するウラン燃料集合体の横断面
図であり、(b)はMOX燃料集合体の横断面図であ
る。
水型原子炉の炉心を構成するウラン燃料集合体の横断面
図であり、(b)はMOX燃料集合体の横断面図であ
る。
【図6】(a)は本発明の第3の実施の形態に係る沸騰
水型原子炉の炉心を構成するMOX燃料集合体の横断面
図であり、(b)はMOX燃料集合体を構成する可燃性
毒物入り燃料棒の軸方向分布図である。
水型原子炉の炉心を構成するMOX燃料集合体の横断面
図であり、(b)はMOX燃料集合体を構成する可燃性
毒物入り燃料棒の軸方向分布図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る沸騰水型原子
炉の炉心を構成するMOX燃料集合体の軸方向出力分布
図である。
炉の炉心を構成するMOX燃料集合体の軸方向出力分布
図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る沸騰水型原子
炉の炉心の1/4を示す模式的平面図である。
炉の炉心の1/4を示す模式的平面図である。
【図9】可燃性毒物を含む燃料棒の本数に差異のある燃
料集合体の燃焼度と無限増倍率の関係を示す特性図であ
る。
料集合体の燃焼度と無限増倍率の関係を示す特性図であ
る。
1…制御棒 2…燃料集合体 3…単位格子 4…炉心 5…コントロールセル 6…ウラン燃料集合体 7…チャンネルボックス 8a,8b …燃料棒 9…ウォータロッド 10…MOX燃料集合体 11…可燃性毒物入り燃料棒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G21C 3/30 GDBD (72)発明者 松本 一寿 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 佐伯 潤 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 永野 護 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内
Claims (7)
- 【請求項1】 初期プルトニウム同位体組成の異なる2
種類以上のウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体
を装荷することを特徴とする原子炉の炉心。 - 【請求項2】 前記初期プルトニウム同位体組成の異な
るウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体は、少な
くともプルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割
合が大きいウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体
とプルトニウム中の核分裂性プルトニウムの含有割合が
小さいウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体の2
種類であることを特徴とする請求項1記載の原子炉の炉
心。 - 【請求項3】 前記核分裂性プルトニウムの含有割合が
大きいウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体のプ
ルトニウム富化度が前記核分裂性プルトニウムの含有割
合が小さいウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体
のプルトニウム富化度よりも低いことを特徴とする請求
項2記載の原子炉の炉心。 - 【請求項4】 前記核分裂性プルトニウムの含有割合が
大きいウラン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体を構
成する可燃性毒物を含有する燃料棒の本数が前記核分裂
性プルトニウムの含有割合が小さいウラン・プルトニウ
ム混合酸化物燃料集合体を構成する可燃性毒物を含有す
る燃料棒の本数よりも少ないことを特徴とする請求項2
または3記載の原子炉の炉心。 - 【請求項5】 ウラン235平均濃縮度が異なる複数種
類のウラン燃料集合体を装荷することを特徴とする請求
項1ないし4記載の沸騰水型原子炉の炉心。 - 【請求項6】 ウラン燃料集合体内の燃料棒本数をウラ
ン・プルトニウム混合酸化物燃料集合体内の燃料棒本数
より多くすることを特徴とする請求項1ないし5記載の
沸騰水型原子炉の炉心。 - 【請求項7】 プルトニウム・ウラン混合酸化物燃料集
合体に含まれるウラン燃料棒のウラン濃縮度及び可燃性
毒物の濃度のうち少なくとも一方が軸方向分布を有する
ことを特徴とする請求項1ないし6記載の沸騰水型原子
炉の炉心。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8194208A JPH1039070A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | 原子炉の炉心 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8194208A JPH1039070A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | 原子炉の炉心 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1039070A true JPH1039070A (ja) | 1998-02-13 |
Family
ID=16320759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8194208A Pending JPH1039070A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | 原子炉の炉心 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1039070A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006284278A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Nuclear Fuel Ind Ltd | 原子炉炉心 |
JP2021135082A (ja) * | 2020-02-25 | 2021-09-13 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 軽水炉の炉心及び燃料集合体の装荷方法 |
-
1996
- 1996-07-24 JP JP8194208A patent/JPH1039070A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006284278A (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-19 | Nuclear Fuel Ind Ltd | 原子炉炉心 |
JP4653540B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2011-03-16 | 原子燃料工業株式会社 | 原子炉炉心 |
JP2021135082A (ja) * | 2020-02-25 | 2021-09-13 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 軽水炉の炉心及び燃料集合体の装荷方法 |
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