JPH1039050A - 時計用外装部品 - Google Patents

時計用外装部品

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JPH1039050A
JPH1039050A JP19679296A JP19679296A JPH1039050A JP H1039050 A JPH1039050 A JP H1039050A JP 19679296 A JP19679296 A JP 19679296A JP 19679296 A JP19679296 A JP 19679296A JP H1039050 A JPH1039050 A JP H1039050A
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JP
Japan
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fluorescent layer
fluorescent
luminance
sealer coating
groove
Prior art date
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Application number
JP19679296A
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English (en)
Inventor
Kimikazu Kawahara
公和 川原
Koichi Yamaguchi
浩一 山口
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 時計用外装部品の表面に形成された蓄光性蛍
光層を明色の下地塗装膜が被着された凹溝内に形成する
ことにより、凹溝の浅くしても高輝度を得ることを可能
とし、かつ、蛍光層の剥離を防止する。 【解決手段】 時計ケースの縁10の表面上に凹溝15
を刻設し、この凹溝の内面に白色の下地塗装膜16を被
着し、この上に蓄光性蛍光層17を塗布形成する。下地
塗装膜16の形成により、蓄光性蛍光層17の輝度の飽
和が薄い領域で発生するために、凹溝の深さを浅く形成
することができる。また、下地塗装膜16により蓄光性
蛍光層17の剥離がなくなり、耐久性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は時計用外装部品に係
り、特に、基体の表面に文字、図形、飾り線等の形状に
凹溝を形成し、この凹溝内に塗料を充填して装飾とした
外装部品の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、時計の胴、縁等の時計用ケー
ス、表示板、バンド等の種々の時計用外装部品に、印刷
等の装飾を施す場合がある。この装飾の一つとして、特
に時計用ケースの表面上に凹溝を形成し、ここに塗料を
充填して文字、図形、飾り線等を表現する場合がある。
【0003】一方、時計の文字板には、ライト、LED
等の自家発光型の夜間照明手段を設けることなく、蛍光
塗料を塗布し、夜間でも文字板を視認できるようにする
場合がある。この場合、蛍光塗料としては、長時間残光
が認められる畜光性蛍光体を用いることが好ましい。こ
の畜光性蛍光体としては、CaS:Bi(紫青色)、C
aSrS:Bi(青色)、ZnS:Cu(緑色)、Zn
CdS:Cu(黄〜橙色)等の硫化物蛍光体や、(C
a,Sr,Ba)−Al−O:Eu等の酸化物蛍光体が
ある。
【0004】これらの蛍光体は、粉末状の蛍光粒子に有
機バインダを混入して塗布されることにより、文字板上
に層状に形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】時計用外装ケースの表
面上に形成された凹溝に塗料を充填する場合、最も問題
となるのは塗料が剥離して脱落するのを防止することで
ある。外装部品の場合には、通常の使用態様であっても
使用中に種々の環境(高温、高湿度等)に遭遇しまた物
理的にも他の物品に接触する機会があり、このときに塗
料が応力を受けて剥離する場合が少なくない。したがっ
て、塗料の剥離を防止するために又塗料の欠けの影響を
低減するために、凹溝を深く形成して塗料を厚く形成す
る等の対策が考えられる。
【0006】しかしながら、ケース体等の表面に文字等
を表現するための微細な凹溝を形成することは困難であ
り、この凹溝を深く形成すると、ケース体の表面を加工
するコストが大幅に上昇するという問題点がある。
【0007】そこで、本発明は上記各問題点を解決する
ものであり、その課題は、上記の凹溝内に蛍光体を充填
する場合に、輝度を低下させることなく蛍光体の剥離を
防止して、しかも凹溝の加工コストを抑制することので
きる構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の時計用外装部品は、基体表面上に所定の平面
形状を有する凹溝を穿設し、この凹溝の内面に明色の下
地塗装膜を被着し、この下地塗装膜の表面上に蛍光性を
有する微粒子を結合させてなる蛍光層を前記凹溝を充填
するように塗布形成するものである。
【0009】この場合において、前記凹溝内の前記蛍光
層の厚さは、前記蛍光層の塗厚に対して輝度が飽和する
値近傍に設定されていることが好ましい。
【0010】また、前記下地塗装膜を、樹脂を主成分と
する有機塗料とし、前記蛍光層を、蛍光体粉末と、樹脂
を主成分とする有機塗料とを混合したものとすることが
好ましい。
【0011】
【作用】請求項1によれば、凹溝内に明色の下地塗装膜
を介して蛍光層を充填形成することにより、蛍光層の輝
度が向上して凹溝の深さを浅く形成できるから凹溝の加
工コストの低減と外装部品の薄型化を図ることができる
とともに、蛍光層の剥離に対する耐久性を向上させるこ
とができる。
【0012】請求項2によれば、蛍光層を輝度が飽和す
る値近傍の厚さに形成することにより、凹溝を浅く形成
することと、蛍光層の輝度を高めることとを両立するこ
とができる。
【0013】請求項3によれば、下地塗装膜と蛍光層と
もに有機塗料により固着されたものであるため、下地塗
装膜と蛍光層の密着力が向上し、剥離に対する耐久性が
向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】次に図面を参照して本発明に係る
時計用外装部品の実施形態を説明する。図1(a)は時
計のケース体に装着される黄銅、亜鉛合金その他の合金
よりなる縁(外装リング)10を示すものであり、その
上面の表面11には、所定の文字12、記号13、図形
14が表示されるように、図1(b)に示す凹溝15が
切削加工等により刻設されている。
【0015】凹溝15は断面略矩形状に形成され、底面
部15aと、この底面部15aの両側に形成された側面
部15bとを有する。
【0016】凹溝15の底面部15a及び側面部15b
の表面上には、白色の塗料を塗布、吹き付け等により被
着し、加熱乾燥させることによって下地塗装膜16が2
0〜100μm程度の厚さに形成される。下地塗装膜1
6はアクリル系、エポキシ系、ウレタン系、又はポリエ
ステル系の樹脂、顔料、各種溶剤、及びレベリング剤や
分散剤等の添加剤により構成される。なお、下地塗装膜
の色調は、後述する蛍光層の蛍光を反射して上部に放出
させる明色であれば、白色でなくてもよい。
【0017】下地塗装膜16によって内面が被覆された
凹溝15内には、長時間蛍光を放ちうる蓄光性蛍光層1
7が充填されるように形成される。この畜光性蛍光層1
7を形成する際には、例えば、炭酸ストロンチウムを
0.99モル及びアルミナを1モルに、賦活剤として酸
化ユウロピウム(Eu2 3 )を0.005モル添加
し、充分に混合した後に焼成して形成した粉体を緑色発
光用蛍光体(SrAl2 4 :Eu)として用いる。ま
た、炭酸カルシウム及びアルミナに賦活剤として酸化ユ
ウロピウムを加えて同様に焼成したものを紫色発光用蛍
光体(CaAl2 4 :Eu)として用いる。
【0018】これらの畜光性蛍光体には、共賦活剤とし
て、さらにランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオ
ジウム、サマリウム、ガドリニウム、テルビニウム、ジ
スプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イ
ッテルビウム、ルテチウム、マンガン、スズ、ビスマス
等の酸化物を加える場合もある。
【0019】この粉体にポリメチルメタアクリレイト等
のアクリル系バインダを主成分とする有機塗料を所定割
合で混合し、充分に混練した後、下地塗装膜16の表面
上に塗布した。塗布厚は0.1mm〜0.5mmであ
る。この印刷後、70〜100℃で30分間熱乾燥させ
ることにより畜光性蛍光層17を形成した。なお、上述
の下地塗装膜16の厚さは、上述の厚さの範囲内におい
て、蓄光性蛍光層17の厚さのほぼ1/4〜1/5にな
るように設定されている。
【0020】図2は、上記凹溝15内に充填する蓄光性
蛍光層17の塗厚と、蓄光性蛍光層17の輝度との関係
を示したグラフである。横軸は塗厚(mg/cm2
を、縦軸は塗厚を厚くして蛍光層の輝度が飽和した値を
100%とした相対輝度を示している。曲線Aは上記実
施例の場合を示し、下地塗装膜16を形成した場合の相
対輝度を表している。曲線Bは下地塗装膜を形成せずに
直接蓄光性蛍光層を形成した場合(比較例)の相対輝度
を示している。
【0021】図2から判るように、下地塗装膜16を形
成した場合には輝度が飽和する厚さが薄くなるととも
に、塗厚の薄い領域における輝度曲線の立ち上がりが急
峻になり、しかも、輝度が飽和する塗厚以下の塗厚に対
する高輝度領域、例えば相対輝度が80%以上の領域の
占める割合が高くなる。
【0022】曲線Aにおける高輝度領域(相対輝度80
〜100%)は図2中のX〜Yの範囲であり、上記実施
例ではXが層厚約0.1mm、Yが層厚約0.45mm
に相当している。このX〜Yの範囲よりも蓄光性蛍光層
17の層厚が薄いと急激に輝度は低下する一方、逆に同
範囲よりも蓄光性蛍光層17の層厚を厚くしても輝度は
増大しない。
【0023】上記実施例と、下地塗装膜を形成しないで
同一の蓄光性蛍光層を形成した場合の比較例とを対比す
るために、蓄光性蛍光層の密着性、耐湿性、耐熱性の試
験評価を行った。その結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】ここで、密着性は市販の接着テープを所定
圧力で縁10の表面11に密着させて剥離した際の蛍光
層の剥離の有無を調べたものである。耐湿性は温度75
℃、湿度95%の環境に1週間保管した場合の外観変化
及び蛍光層の剥離の有無を調べたものである。耐熱性は
温度80℃の環境に5時間保管した場合の外観変化及び
蛍光層の剥離の有無を調べたものである。
【0026】表1から判るように、比較例では密着性に
は問題がなかったものの、耐湿性及び耐熱性の試験では
共に剥離が発生したのに対し、本実施例では密着性、耐
湿性及び耐熱性の全ての試験に対して良好な結果を示し
た。これは、下地塗装膜を介して蛍光層を形成する場合
には、蛍光層と下地塗装膜とが共に樹脂を主成分とする
ことから、蛍光層の下地塗装膜に対する密着性が高くな
るからであると推定される。
【0027】本実施例では、下地塗装膜を形成すること
により、飽和輝度を得るための蓄光性蛍光層の最低の層
厚に関して、比較例で185mg/cm2 又は0.75
mmが必要であるのに対し、110mg/cm2 又は
0.45mmときわめて薄くなり、しかも、高輝度領域
の割合が相対的に大きくなることから、蓄光性蛍光層の
厚さを高輝度領域内に設定することにより蓄光性蛍光層
の層厚が薄くても高輝度を実現することができ、凹溝の
深さを浅くすることができる。したがって、凹溝の加工
コストを低減できるとともに、外装部品自体を薄型化す
ることが可能になる。
【0028】また、下地塗装膜を形成したことによっ
て、外装部品の表面上に直接蛍光層を形成した場合に発
生する蛍光層の剥離を防止することができるので、蛍光
層の耐久性を向上させることができる。
【0029】なお、本発明における時計用外装部品とし
ては、上記の縁の他に、時計の胴、裏蓋、ガラス板その
他のケース体、表示板、バンド、中止め等の各種部品が
含まれる。また、蛍光層としては上記の蓄光性蛍光体に
限らず、種々の蛍光体、夜光塗料が包含される。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
凹溝の内面に明色の下地塗装膜を形成することにより、
層厚が薄くても高輝度を得ることができるとともに、蛍
光層の剥離を防止することができるので、高輝度かつ高
耐久性の蛍光体を充填した時計用外装部品を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る時計用外装部品の実施例を示す斜
視図(a)、及び同実施例の凹溝近傍の構造を示す拡大
断面図(b)である。
【図2】同実施例の蛍光層の塗厚と相対輝度との関係を
比較例とともに示すグラフである。
【符号の説明】
10 (時計ケースの)縁 11 表面 12 文字 13 記号 14 図形 15 凹溝 16 下地塗装膜 17 蓄光性蛍光層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体表面上に所定の平面形状を有する凹
    溝を穿設し、この凹溝の内面に明色の下地塗装膜を被着
    し、この下地塗装膜の表面上に蛍光性を有する微粒子を
    結合させてなる蛍光層を前記凹溝を充填するように塗布
    形成した時計用外装部品。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記凹溝内の前記蛍
    光層の厚さは、前記蛍光層の塗厚に対して輝度が飽和す
    る値近傍に設定されている時計用外装部品。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記下地塗装膜は樹
    脂を主成分とする有機塗料であり、前記蛍光層は、蛍光
    体粉末と、樹脂を主成分とする有機塗料とを混合したも
    のである時計用外装部品。
JP19679296A 1996-07-25 1996-07-25 時計用外装部品 Pending JPH1039050A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051260A (ja) * 2005-08-15 2007-03-01 Yagai Tekkosho:Kk 畜光材着色方法及び昼間時の発色構造
KR20120120049A (ko) * 2011-04-20 2012-11-01 호에브 컴퍼니, 리미티드 휴대 기기용 커버 글래스
JP2022093255A (ja) * 2020-12-11 2022-06-23 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド 蛍光性の計時器用コンポーネント

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