JP3127198B2 - 有彩色残光性複合体および有彩色残光性物品 - Google Patents

有彩色残光性複合体および有彩色残光性物品

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JP3127198B2 JP08040998A JP4099896A JP3127198B2 JP 3127198 B2 JP3127198 B2 JP 3127198B2 JP 08040998 A JP08040998 A JP 08040998A JP 4099896 A JP4099896 A JP 4099896A JP 3127198 B2 JP3127198 B2 JP 3127198B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の色彩を有す
ることができ、かつ赤、緑、黒等の深みのある色や金属
色の色であっても高い発光輝度を有する残光性複合体、
及びこの複合体を有する物品に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光や人工照明の光などを照射する
と、暗所で比較的長い時間りん光(残光)を発する性質
をもち、この現象を何回でも繰り返すことができる顔料
がある。この顔料は、蓄電池の充電と放電のように光を
吸収し、暗所で発光することから蓄光顔料と呼ばれる。
また、蓄光顔料にトリチウム、147 Pm、226 Ra等の
放射性物質を混入し、これらの放射性物質から発せられ
る放射線によって蓄光顔料を刺激して発光させるものと
して夜光顔料がある。
【0003】現在、この蓄光顔料及び夜光顔料の用途
は、その残光性を利用して、スイッチ、携帯用電灯、暗
室用品、手すり、壁面標示等の夜光標示、誘導標識、避
難用具、その他の蓄光安全標識等の蓄光標識、灰皿、イ
ヤリング、テーブルクロス等の装飾品、印刷物、玩具、
文房具など広範囲の物品に及んでいる。例えば蓄光顔料
は、特開平4−51405号公報にて避難通路照明蓄光
壁装材、特開平1−111075号公報にて蓄光性繊
維、特開平1−200388号公報にて発光ロープ、特
開平1−200389号公報にて標識用シートがそれぞ
れ開示されている。
【0004】さらに、用途によっては、残光性を有する
とともに着色もしたい場合がある。ところが、従来の蛍
光顔料などで着色すると、その色や濃度によってりん光
輝度は大きく左右される。例えば、JIS K 512
0 蓄光顔料解説、解5頁の「解説表 着色による蓄光
顔料のりん光輝度の減少」によれば、着色なしを100
%とすると、緑色(添加量3.6%)で15.7%、赤
だいだい色(添加量2.4%)で14.1%、赤色(添
加量9.1%)で5.1%であり、だいだい色及び赤色
の減少が大きい。そのような問題を解決するものとし
て、例えば、特開平3−166269号公報には、有機
顔料と組み合わせたカラー蓄光顔料及び夜光顔料が開示
されている。ところが、このカラー蓄光顔料及び夜光顔
料であっても、りん光輝度の向上を図るものではないこ
とから発光輝度は低く、かつ着色できる色のバリエーシ
ョンも限られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、商品、ニー
ズの多様化から、高い発光輝度を有し、かつ種々の着色
が可能な残光性製品に対する要望は高い。例えば、金
色、銀色の金属色や黒色の残光性製品はこれまでに実用
されていない。これは、金属色顔料や黒色顔料を蓄光顔
料と共存させても、りん光が得られなかったからであ
る。何故なら、金属色顔料や黒色顔料を含む層は透光性
が極めて低く、蓄光顔料に光が蓄積しないためである。
【0006】ところで、従来の蓄光顔料に比べて高い発
光輝度を有する蓄光性蛍光体が開発されている(特開平
7−11250号)。ところが、この蓄光性蛍光体を用
いても、上記のような問題を解決するには至っていな
い。有色顔料を混在させることで、りん光の低下は依然
として大きく、かつ金色、銀色の金属色や黒色に着色す
ることは実質的にできなかった。本発明はこのような問
題点にかんがみなされたもので、その目的とするところ
は、従来から彩色が可能であった赤や緑等の色彩では、
同等の色調であってもより高いりん光輝度が得られる残
光性複合体を提供し、さらに、上記残光性複合体を利用
した物品を提供することにある。さらに、本発明の目的
は、従来、事実上、彩色不可能であった、金色、銀色の
金属色又は黒色の着色を有し、かつ十分なりん光輝度を
有する、残光性複合体を提供すること、さらには、上記
残光性複合体を利用した物品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともり
ん光層と着色層とからなり、前記りん光層が蛍りん光体
とバインダーとを含み、かつ前記着色層が着色剤と蛍り
ん光体とバインダーとを含むことを特徴とする残光性複
合体に関する。さらに本発明は、上記残光性複合体を表
面の一部又は全部に有する残光性物品に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の残光性複合体の最大の特
徴は、りん光層と着色層とを分けたことである。ここで
りん光層とは蛍りん光体とバインダーとを含む層であ
り、着色層とは着色剤と蛍りん光体とバインダーとを含
む層である。従来の残光性を有する製品は、着色剤と蛍
りん光体とを含む着色層のみからなるものであったが、
本発明の残光性複合体は、上記のようなりん光層と着色
層とを設けることで、色調は同じでも、高い発光輝度を
有するか、または従来残光性を付与することができなか
った色調についても残光性を付与することが可能になっ
た。
【0009】りん光層は蛍りん光体とバインダーとを含
む層である。本発明において「蛍りん光体」とは、りん
光を発生する物質であり、そのような性質を有する物質
であれば、制限はなく使用できる。例えば、蓄光顔料や
夜光顔料は「蛍りん光体」に含まれる。また、特開平7
−11250号に開示されている蓄光性蛍光体も本発明
における「蛍りん光体」に含まれる。「蛍りん光体」と
しては、銅付活硫化亜鉛(ZnS:Cu)が一般的であ
るが、他の無機蛍光顔料や有機蛍光顔料にて蓄光性を有
するものであれば選択できる。例えば、珪酸亜鉛系、硫
化亜鉛カドミウム系、硫化カルシウム系、硫化ストロン
チウム系、タングステン酸カルシウム系などであり、特
にストロンチウムアルミネートを母体結晶とし稀土類元
素を付活剤とする蓄光顔料が発光輝度が高いという観点
から好ましい。他方、夜光顔料は、蓄光顔料に放射性物
質を添加して自発光性を有したもので、例えば、銅付活
硫化亜鉛にトリチウム、プロメチウム147などの放射
性物質を添加したものである(「改訂新版 顔料便
覧」、506頁乃至512頁、発行日;1989年3月
10日、発行所;(株)誠文堂新光社、編者;日本顔料
技術協会))。
【0010】本発明において「バインダー」とは、蛍り
ん光体ともに層を形成できるものであればよく、例え
ば、樹脂を主成分とするものであることができる。ま
た、透明性が高いものであることが、高い発光輝度を得
られるという観点からは好ましい。上記バインダーを構
成する樹脂としては、例えば、アクリル系、アルキッド
系、エポキシ系、ウレタン系、アクリルシリコン系、シ
リコン系、フッ素系、メラミン系などの樹脂を例示でき
る。但し、これらに限定される意図はない。
【0011】りん光層の蛍りん光体とバインダーとの比
率や層の厚みは、目的物である残光性複合体に要求され
る発光輝度により適宜決定できる。一般的傾向として、
りん光層の蛍りん光体含有量が増す程、またりん光層の
厚みが増す程、発光輝度は高くなる。但し、蛍りん光体
含有量が多くなり過ぎるとりん光層の形成が困難になっ
たり、強度が低下することがある。このような観点か
ら、りん光層の蛍りん光体含有量は、50重量%以上、
好ましくは70〜95重量%、より好ましくは80〜9
0重量%の範囲である事が適当である。また、りん光層
の厚みは、例えば、10〜500μmの範囲であり、実
用的には通常50〜200μmの範囲である。尚、りん
光層の厚みを増す目的で、2層以上のりん光層を積層す
ることもできる。
【0012】一方、着色層は着色剤と蛍りん光体とバイ
ンダーとを含む層である。ここで、「蛍りん光体」と
「バインダー」とは、りん光層で説明したものと同様の
ものを使用できる。着色剤は、通常のインクや塗料等に
使用されるものをそのまま使用できる。例えば、有機又
は無機の染料又は顔料であることができる。また色調に
は特に制限はない。
【0013】特に、本発明では、金属色や黒色の残光性
複合体も提供できる。金属色顔料としては、一般の金属
粉やブロンズ粉を用いることもできるが、高い発光輝度
を得るという観点から、粒子の形状が鱗片状である蒸着
金属色顔料を用いることが好ましい。蒸着金属色顔料と
は、プラスチック等の破片(ポリエチレンテレフタレー
ト フィルム、アルミニウム等)に金属(金色;真ちゅ
う、銀色;アルミニウム)を蒸着し、粉砕した片状粉で
あり、蒸着ののち透明(黄色)樹脂層で保護したもので
ある。市販品として、例えば、尾池工業(株)製、エル
ジーR Gold#325がある。また、黒色顔料としては、例
えば、カーボンブラック等を使用できるが、高い発光輝
度を得るという観点から、粒子の形状が鱗片状である蒸
着黒色顔料が好ましい。蒸着黒色顔料は、金属の替わり
に黒色材を用いて形成したものである。市販品として、
例えば、尾池工業(株)製、エルジー Black #325 があ
る。上記蒸着金属色顔料や蒸着黒色顔料は、片状粉であ
り、平均粒子径が通常の顔料に比べて大きい。そのた
め、蒸着金属色顔料や蒸着黒色顔料を用いることで、着
色層内の光の伝達を良好に保つことが可能であり、好ま
しい。
【0014】着色層中の着色剤の濃度と着色層の厚み
は、本発明の残光性複合体に必要とされる色彩を考慮し
て適宜決定される。但し、着色剤の濃度と着色層の厚み
が増す程、残光性複合体の発光輝度は低下する傾向があ
ることを考慮すべきである。また、着色層に含まれる蛍
りん光体は、りん光層の発光と相まって、残光性複合体
の発光輝度に影響する。特に、高い発光輝度を得るとい
う観点からは、着色層に含まれる蛍りん光体の粒子が、
単独又は複数が連続して、前記着色層を厚み方向に貫通
して存在することが好ましい。例えば、着色層中の蛍り
ん光体の粒子の少なくとも一部の粒子径を、着色層の厚
みより大きくすることで、あるいは、着色層中の蛍りん
光体の粒子の平均粒子径を着色層の厚みより大きくする
ことで、蛍りん光体の粒子が単独で着色層を厚み方向に
貫通して存在することができる。また、蛍りん光体の粒
子の複数が連続して着色層を厚み方向に貫通して存在す
るには、着色層中の蛍りん光体の濃度を一定以上にする
ことが必要である。例えば、着色層中の蛍りん光体の粒
子の含有量を、70〜95重量%、好ましくは80〜9
5重量%の範囲とすることで、蛍りん光体の粒子の複数
を連続して着色層を厚み方向に貫通して存在させること
ができる。
【0015】この状態を、図1及び2に示す例によりさ
らに説明する。図1及び2は、いずれも、基板1の上に
りん光層2と着色層3を順次設けた本発明の有色残光性
複合体を示す。りん光層2は、バインダー4と蛍りん光
体5とからなり、着色層3は、バインダー4と蛍りん光
体5及び着色剤(蒸着金属色顔料)6とからなる。
【0016】図1は、蛍りん光体5の粒子の複数(2つ
乃至3つ)が連続して着色層3を厚み方向に貫通して存
在する場合を示す。蛍りん光体5は相互に粒子同士が接
触している。また、図2は、蛍りん光体5の粒子が単独
で着色層3を厚み方向に貫通して存在する場合を示す。
このような状態になると、着色層3側(図の上方)から
の光は、着色層3内を透過してりん光層2に伝達され易
くなり、りん光層2中の蛍りん光体5への光の蓄積を促
進できる。また逆に、りん光層2から発生するりん光が
着色層3内を透過して着色層3の表面に到達し易くな
り、発光強度も高くなる。さらに、着色層3中の蛍りん
光体5への光の蓄積及び放出も助長できる。また、着色
層3中に蛍りん光体5の粒子が存在することで、蒸着金
属色顔料6は適当に間隔を置いて分散させることがで
き、りん光層2への光(励起光)の透過及びりん光層2
からの光(りん光)の透過を妨げることがない。
【0017】本発明の残光性複合体の着色層は単一の色
からなることもできるが、色が異なる2つ以上部分から
なることもでき、模様や柄、文字、マーク等を入れるこ
ともできる。また本発明の残光性複合体は、上記りん光
層及び着色層の少なくともいずれか一方の表面の一部又
は全部の上に、追加の層を有することもできる。追加の
層は基板層であることができ、基板層は可視光に対して
実質的に透明であるか、または可視光に対して不透明で
あるか、または白色であることができる。
【0018】さらに、この基板層は少なくともいずれか
一方の面に印刷層を有することもできる。基板層が白色
であるか、または白色の印刷層を有すると、発光輝度を
向上させることができる。また、基板層は、例えば、
紙、プラスチック、布、ガラス、金属、陶磁器及び皮革
等のシート、フィルム又はカード等であることができ
る。また、上記追加の層は保護層であることもできる。
保護層が可視光に対して実質的に透明であることが適当
である。
【0019】さらに本発明は、上記残光性複合体を表面
の一部又は全部に有する残光性物品を包含する。物品の
種類には特に制限はない。例えば、スイッチ、携帯用電
灯、暗室用品、手すり、壁面標示等の夜光標示、誘導標
識、避難用具、その他の蓄光安全標識等の蓄光標識、灰
皿、イヤリング、テーブルクロス等の装飾品、印刷物、
玩具、文房具など等を例示できる。転写紙等のように、
絵柄の表裏を逆に印刷するものでは、りん光層2と着色
層3の位置関係は逆転する。、転写紙の被印刷物は、陶
磁器、布、プラスチック、金属、ガラス、ほうろう、建
材など様々な物品である。
【0020】以下、本発明の残光性複合体及び残光性物
品の製造方法について説明する。本発明の残光性複合体
は、適当な基体の上に、りん光層と着色層とを、塗膜や
コーティング膜等の形成に常用されている、印刷や塗装
等の方法により逐次形成することにより形成できる。例
えば、りん光層は、蛍りん光体とバインダーを含むメジ
ウムとを混合したインクを用いて形成できる。また、着
色層は、着色剤と蛍りん光体とバインダーを含有するメ
ジウムとを混合したインク、または、着色剤を含むイン
クと蛍りん光体とバインダーを含有するメジウムとを混
合したインクを用いて形成することができる。インクの
組成は、形成される各層の組成やインクの粘度等を考慮
して適宜決定できる。尚、バインダーを含有するメジウ
ムは、例えば、市販のもので、1液又は2液タイプで素
材に対し密着及び耐候性の良好なものを使用することが
適当である。なお、布地に対して最適のメジウムで透明
性の特に優れた一例として、「松井色素ケミカル(株)
製、商品名;KDBDL」がある。
【0021】りん光層形成用インクは、例えば、メジウ
ム100重量部に対して蛍りん光体100〜400重量
部、好ましくは150〜300重量部を混合して作るこ
とができる。また、着色層形成用インクは、例えば、メ
ジウム100重量部に対して蛍りん光体100〜400
重量部、好ましくは150〜300重量部及び着色顔料
を含むインクを1〜15重量%の範囲で混合して作るこ
とができる。
【0022】高い発光輝度を得るために比較的厚い層を
形成するという観点からは、層の形成には、スクリーン
印刷等を用いることが好ましい。また、印刷素材の形状
から平面印刷、曲面印刷、巻取印刷が可能であり、さら
には静電スクリーン印刷も利用できる(「基本印刷技
術」、114頁乃至118頁、発行日;平成5年1月3
0日、発行所;産業図書(株)、編者;角田隆弘他2
名)。スクリーン印刷に用いるスクリーンのメッシュに
は特に制限はなく、インクに含まれる蛍りん光体や着色
顔料の粒子径やインクの粘度等を考慮して適宜決定出来
る。例えば、80メッシュ〜200メッシュのスクリー
ン紗を用いるスクリーン印刷よって、厚さ10μm〜1
00μm程度の膜厚の層を形成することができる。
【0023】残光性複合体は、基板を有さない(りん光
層と着色層のみからなる)場合には、適当な基体の上
に、りん光層と着色層とを形成した後、形成した残光性
複合体を基板から剥離することで得ることができる。ま
た、残光性複合体が基板層とりん光層と着色層とからな
る場合、上記基体として適当な基板を用い、その上にり
ん光層と着色層とを逐次形成することで、本発明の残光
性複合体を得ることができる。また、本発明の残光性複
合体は保護層を有することもでき、保護層としては、例
えば、UV硬化型の樹脂層を挙げることができる。但
し、これに限定されるものではない。さらに本発明の残
光性複合体は粘着層を有することもできる。
【0024】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに説明する。 実施例1りん光層形成用インク(1) 蓄光顔料(根本特殊化学(株)製、N夜光(ストロンチ
ウムアルミネートを母体結晶とし稀土類元素を付活剤と
する蓄光顔料)、平均粒子径20μm)200gとメジ
ウム(Vinyl Screen Printing INK ATC 780N セイコー
アドバンス(株)製、固形分30重量%)100gとを
十分に攪拌混合してりん光層形成用インク(1)を形成
した。着色層形成用インク(1) 蓄光顔料(根本特殊化学(株)製、N夜光(ストロンチ
ウムアルミネートを母体結晶とし稀土類元素を付活剤と
する蓄光顔料)、平均粒子径20μm)160gとメジ
ウム(Vinyl Screen Printing INK ATC 780N セイコー
アドバンス(株)製、固形分30重量%)80gと着色
インク(Vinyl Screen Printing INK 赤:ATC耐候性538
プロセスレッド、セイコーアドバンス(株)製、固形分
53.3重量%)4gを十分に攪拌混合して着色層形成用イ
ンク(1)を形成した。
【0025】残光性複合体の形成 上記りん光層形成用インク(1)をユポ(王子油化
(株)製合成紙FPG、厚み247μm)にT100メ
ッシュの印刷紗を用いてスクリーン印刷し、92×56
mmで厚さ90μmのりん光層を形成した。次いで上記
りん光層の上に、上記と同様のT100メッシュの印刷
紗を用いて上記着色層形成用インク(1)スクリーン印
刷し、厚さ82μmの着色層を形成した。得られた本発
明の残光性複合体の消光1分後の輝度と色調を測定し
た。
【0026】輝度測定法 暗所で十分に放光させたサンプルに27wの蛍光灯で約
5400lxの明るさに相当する光を10分間照射する
ことにより蓄光を行った。蓄光のための光照射終了1分
後にサンプルのりん光(残光)の強度を輝度計(ミノル
タカメラ(株)製LS−100)を用いて測定した。さ
らに、残光性複合体に含まれる単位蓄光顔料量(1g)
当たりのりん光の強度(mcd)を発光効率として求め
た。色調測定法 色相を肉眼により観察し、かつDIC色見本との対比に
より、近似するDIC色見本の番号を選択した。結果を
表1に示す。
【0027】比較例1 実施例1で作製した着色層形成用インク(1)を実施例
1と同様のユポにT100メッシュの印刷紗を用いてス
クリーン印刷(2回塗り)し、厚さ157μmの着色層
を形成した。得られた印刷物の消光1分後の輝度と色調
とを実施例1と同様に測定した。結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1に示す結果から、本発明の残光性複合
体は、着色層のみからなるサンプルと比較して、同一の
色調でありながら、高い残光輝度を示すことが分かる。
さらに、発光効率も高く、発光に対して蛍りん光体が有
効に働いていることも分かる。
【0030】実施例2〜6 厚さ90μmのりん光層を実施例1と同様に形成した。
次いで前記りん光層の上に、蓄光顔料とメジウムの量比
または着色インクとメジウムの量比を変化させた種々の
着色層形成用インクを形成し、このインクを実施例1と
同様にしてスクリーン印刷して着色層(赤)を形成し
た。得られた本発明の残光性複合体の消光1分後の輝度
と色調を実施例1と同様にして測定した。結果を表2に
示す。
【0031】
【表2】
【0032】実施例8 りん光層を実施例1と同様に、2回塗りして厚さ179
μmとした後、実施例1と同様にして着色層を形成し
た。得られた本発明の残光性複合体の消光1分後の輝度
は596mcd/m2であり、発光効率は2.26mcd/g であ
り、色調は、色相が赤、DICは#275であった。
【0033】比較例2及び3 比較例1と同様に、但し、着色層形成用インク(1)を
1回又は3回塗りして、厚さ90μm又は220μmの
着色層を形成した。得られた本発明の残光性複合体の消
光1分後の輝度、発光効率及び色調を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】実施例9〜11 厚さ90μmのりん光層を実施例1と同様に形成した。
次いで前記りん光層の上に、着色インクとして以下のイ
ンクを用いて形成した着色層形成用インクを実施例1と
同様にして(但し、着色インクの添加量は、実施例9及
び10では3%とし、実施例11では10%とした)ス
クリーン印刷して着色層を形成した。得られた本発明の
残光性複合体の消光1分後の輝度、発光効率と色調を実
施例1と同様にして測定した。結果を表4に示す。 実施例9(青):着色インク(Vinyl Screen Printing
INK 青:ATC耐候性546 プロセスブルー、セイコーアドバ
ンス(株)製、固形分47.7重量%) 実施例10(緑):着色インク(Vinyl Screen Printin
g INK 緑:ATC 304プロセスグリーン、セイコーアドバン
ス(株)製、固形分53.4重量%) 実施例11(金):尾池工業(株)製、エルジーR Go
ld#325
【0036】
【表4】
【0037】実施例12 実施例1で得た本発明の残光性複合体の着色層の上に、
UV硬化保護層形成インク(Vinyl Screen Printing IN
K UV8414 クリアー(セイコーアドバンス(株)製)を
用いて、厚さ65μmの保護層を形成した。得られた本
発明の残光性複合体の消光1分後の輝度は356mcd/m2
であり、色調は、色相が赤、DICは#274であっ
た。
【0038】実施例13りん光層形成用インク(2) 蓄光顔料(根本特殊化学(株)製、GSS(平均粒子径
21μm))230gとメジウム(Vinyl Screen Print
ing INK VIC 800 セイコーアドバンス(株)製)100
gとセロソルブアセテート20gを十分に攪拌混合して
りん光層形成用インク(2)を形成した。着色層形成用インク(2) 蓄光顔料(根本特殊化学(株)製、GSS(平均粒子径
21μm))230gとメジウム(Vinyl Screen Print
ing INK VIC 800 セイコーアドバンス(株)製)100
gと着色インク(Vinyl Screen Printing INK 緑:ATC 3
04プロセスグリーン、セイコーアドバンス(株)製、固
形分53.4重量%)3gを十分に攪拌混合して着色層形成
用インク(2)を形成した。
【0039】残光性複合体の形成 上記りん光層形成用インク(2)をユポ(王子油化
(株)製合成紙FPG、厚み247μm)にT100メ
ッシュの印刷紗を用いてスクリーン印刷し、92×56
mmのりん光層を形成した。次いで上記りん光層の上
に、上記と同様のT100メッシュの印刷紗を用いて上
記着色層形成用インク(2)スクリーン印刷して着色層
を形成した。りん光層と着色層の合計の厚みは101μ
mであった。得られた本発明の残光性複合体の消光1分
後の輝度は129mcd/m2であった。
【0040】比較例4〜6 市販の蛍光顔料又は蛍光インクを用いて、コーター印刷
により蛍光印刷層を形成し、消光1分後の輝度(mcd/
m2)を求めた。結果を表5に示す。尚、用いたインクは
以下のとおりである。 比較例4:(株)クラチ製夜光顔料10gとメジウム
(Vinyl Screen Printing INK ATC 780N セイコーアド
バンス(株)製、固形分30重量%)10gとを混合し
て作成したインク 比較例5:シンロイヒ(株)製カラー夜光ペイント ピ
ンク 比較例6:シンロイヒ(株)製カラー夜光ペイント グ
リーン
【0041】
【表5】
【0042】表5に示す結果から、従来型の蛍りん光体
であるGSSを用いた場合でも、本発明の残光性複合体
は、市販の蛍光ペイントよりも高い残光輝度を示すこと
が分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有色残光性複合体の断面説明図。
【図2】 本発明の有色残光性複合体の断面説明図。
【符号の説明】
1・・・基板 2・・・りん光層 3・・・着色層 4・・・バインダー 5・・・蛍りん光体 6・・・着色剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09K 11/64 C09K 11/64 (56)参考文献 特開 平3−20368(JP,A) 実開 昭59−98419(JP,U) 実公 昭40−5569(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 11/00 B32B 7/02 103 C09D 5/22 C09D 201/00 C09K 11/64

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともりん光層と有彩色着色層とか
    らなり、前記りん光層が蛍りん光体とバインダーとを含
    み、かつ前記有彩色着色層有彩色着色剤と蛍りん光体
    とバインダーとを含むことを特徴とする残光性複合体。
  2. 【請求項2】 有彩色着色層に含まれる前記蛍りん光体
    の粒子が、単独で又は複数が連続して、前記有彩色着色
    を厚み方向に貫通して存在する請求項1記載の残光性
    複合体。
  3. 【請求項3】 有彩色着色層中の蛍りん光体の少なくと
    も一部の粒子径が、前記有彩色着色層の厚みより大きい
    請求項2記載の残光性複合体。
  4. 【請求項4】 有彩色着色層中の蛍りん光体の平均粒子
    径が、前記有彩色着色層の厚みより大きい請求項2記載
    の残光性複合体。
  5. 【請求項5】 有彩色着色層中の蛍りん光体の含有量
    が、55〜95重量%の範囲にある請求項1記載の残光
    性複合体。
  6. 【請求項6】 有彩色着色層中の有彩色着色剤が、有彩
    色顔料である請求項1〜5のいずれか1項に記載の残光
    性複合体。
  7. 【請求項7】 有彩色顔料が金属色顔料又は黒色顔料で
    ある請求項6記載の残光性複合体。
  8. 【請求項8】 金属色顔料及び黒色顔料の粒子が鱗片状
    である請求項7記載の残光性複合体。
  9. 【請求項9】 りん光層に含まれる蛍りん光体が蓄光顔
    料及び/又は夜光顔料である請求項1〜8のいずれか1
    項に記載の残光性複合体。
  10. 【請求項10】 有彩色着色層に含まれる蛍りん光体が
    蓄光顔料及び/又は夜光顔料である請求項1〜8のいず
    れか1項に記載の残光性複合体。
  11. 【請求項11】 りん光層及び有彩色着色層に含まれる
    バインダーが可視光に対して実質的に透明である請求項
    1〜10のいずれか1項に記載の残光性複合体。
  12. 【請求項12】 有彩色着色層が、色が異なる2つ以上
    部分からなる請求項1〜11のいずれか1項に記載の残
    光性複合体。
  13. 【請求項13】 りん光層及び有彩色着色層の少なくと
    もいずれか一方の表面の一部又は全部の上に、追加の層
    を有する請求項1〜12のいずれか1項に記載の残光性
    複合体。
  14. 【請求項14】 追加の層が基板層である請求項13記
    載の残光性複合体。
  15. 【請求項15】 基板層が可視光に対して実質的に透明
    であるか、または可視光に対して不透明であるか、また
    は白色である請求項14記載の残光性複合体。
  16. 【請求項16】 基板層が少なくともいずれか一方の面
    に印刷層を有する請求項14記載の残光性複合体。
  17. 【請求項17】 追加の層が保護層である請求項13記
    載の残光性複合体。
  18. 【請求項18】 保護層が可視光に対して実質的に透明
    である請求項17記載の残光性複合体。
  19. 【請求項19】 追加の層が粘着層である請求項13記
    載の残光性複合体。
  20. 【請求項20】 請求項1〜19のいずれか1項に記載
    の残光性複合体を表面の一部又は全部に有する残光性物
    品。
  21. 【請求項21】 物品が夜光標示、誘導標識、避難用
    具、蓄光標識、装飾品、印刷物、玩具又は文房具である
    請求項20記載の残光性物品。
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