JP2000204320A - 蓄光性顔料及び蓄光性塗料とこれを用いて描出した絵画及びその描出方法 - Google Patents

蓄光性顔料及び蓄光性塗料とこれを用いて描出した絵画及びその描出方法

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JP2000204320A
JP2000204320A JP32025799A JP32025799A JP2000204320A JP 2000204320 A JP2000204320 A JP 2000204320A JP 32025799 A JP32025799 A JP 32025799A JP 32025799 A JP32025799 A JP 32025799A JP 2000204320 A JP2000204320 A JP 2000204320A
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luminous
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pigment
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Yasuhiro Kobayashi
康弘 小林
Keizo Kurachi
恵三 倉地
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KSK Co Ltd
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KSK Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】絵画を描くに足る多彩な色彩を有し、又、上記
i)〜iv)の発色の変化を有して、あらゆる物体に文
字又は図形・絵画を描出できる蓄光性顔料及び蓄光性塗
料を提供する。更には、上記蓄光性顔料及び塗料を利用
した物品を提供する。 【解決手段】蓄光材4と特殊蛍燐光体5とで構成し、そ
れぞれ単独での発色と異なる色彩を発光するように両者
を作用せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、看板や標識等に用
いる蓄光性顔料に関するものであり、更に述べれば、1
枚の看板等に描出した絵柄が昼と夜とでは異なった色彩
や絵柄となることを可能とした蓄光性顔料に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、蛍光体の残光時間は極めて短
く、外部刺激を停止すると速やかにその発光は減衰する
が、まれに紫外線等で刺激した後、その刺激を停止した
後もかなりの長時間(数10分〜数時間)に渡り、残光
が肉眼で認められるものがあり、これらを通常の蛍光体
とは区別して、蓄光性蛍光体あるいは燐光体と呼ぶ。
【0003】従来の蓄光性顔料には、紫外線を多く含ん
だ光を照射した後に暗所で発光し、その発光色が顔料の
組成により、黄緑・青・橙・赤になるものがある。又、
従来の塗料には、自然光・蛍光灯・白熱灯下では、白色
にしか見えず、ブラックライトを照射すると、上記4色
の発色が得られるものがある。
【0004】そして、この様な蓄光性蛍光体材料とし
て、大別すると酸化物系と、硫化物系とに分かれる。
【0005】(1)酸化物系蓄光材 酸化物系蓄光材として、特許第2543825号公報に
は、アルカリ土類アルミン酸塩を母体結晶とし、ユウロ
ピウム(Eu)を賦活剤とし、そしてデスプロシウム
(Dy)、又はネジウム(Nd)を賦活助剤とした長残
光性蓄光材が開示されている。酸化物系の材料は、化学
的にも安定であり、かつ耐光性にも優れ、更には、放射
能を含有しなくとも一晩中視認可能な夜光塗料あるいは
顔料として提供されるものである。
【0006】前記長残光性蓄光材は、市販品として、例
えばN夜光(Lumi Nova)(商標、根本特殊化
学株式会社製)があり、蛍光体の種類により、次の3種
類がある。 SrAl24:Eu、Dy Sr4Al1425:Eu、Dy CaAl24:Eu、Nd そして、以下に示すような問題点があった。
【0007】(ア)塗料、インキへの応用 N夜光は、塗料やインキとして利用することができる。
しかし、N夜光は顔料粒度が比較的粗く、ブレーン空気
透過法による平均粒径が10〜15μm程度である。そ
して、N夜光は比較的透光性がよく、塗膜も厚さ0.1
mmのとき、光透過率は約50%もある。そのため、塗
面は下地の色が透けて見え、残光輝度は下地の色に大き
く影響され、濃色になる程、残光輝度は大きく減殺され
る。これは、発光の反射ばかりでなく、励起光の反射効
果もなくなるためと考えられる。
【0008】又、N夜光の塗面の残光輝度は、塗膜の厚
さにも大きく依存し、塗厚が500μm位までは残光輝
度はほぼ塗厚に比例して高くなり、800μm以上で飽
和する。飽和する厚さがあるのは、励起光が到達する深
さに限度があるからである。
【0009】(イ)プラスチックへの応用 N夜光はプラスチックに用いて、成形したり、プレート
やシート、繊維などに加工して使用することもできる。
市販されている汎用プラスチックにはほとんど応用でき
るが、無色透明で光の透過性のよいもの、特に紫外線吸
収剤を添加されているものがあるので、注意を要し、例
えば、ポリエチレンはアクリル樹脂に比べて、その残光
輝度は半分以下となってしまう。
【0010】(ウ)セラミック等への応用 N夜光は陶磁器、タイル、硝子など、セラミック類にも
応用できる。但し、N夜光は高温で長時間空気中に曝さ
れると、発光中心のEuが酸化されて発光能を失うの
で、酸素のない雰囲気なら問題ないが、空気中ではでき
るだけ短時間で加工する必要がある。
【0011】(2)硫化物系蓄光材 硫化物系蓄光材としては、CaS:Bi(紫青色発
光)、CaSrS:Bi(青色発光)、ZnS:Cu
(緑色発光)、ZnCdS:Cu(黄色〜橙色発光)等
の硫化物蛍光体が知られている。
【0012】しかし、いずれも化学的に不安定であった
り、耐光性に劣るなど実用面での問題点が多い。現在市
場で専ら用いられている硫化亜鉛系蓄光性蛍光体(Zn
S:Ca)も、特に湿気が存在すると紫外線により光分
解して黒変したり、輝度低下するため、屋外で直接日光
に曝されるような用途での使用は困難であり、夜光時計
や避難誘導標識、屋内の夜間表示等、その用途は限定さ
れていた。又、この硫化亜鉛系材料を夜光時計に用いる
場合であっても、肉眼でその時刻を認識可能な残光時間
は、約30分から2時間程度であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上の様に、従来の蓄
光材からは主に、黄緑・青・橙・赤の4色の発光しか得
られていないが、商品、ニーズの多様化から、高い発光
輝度を有し、かつ種々の着色が可能な蓄光性製品に対す
る要望は高まっている。例えば、黒色の蓄光性製品はこ
れまでに実用されていない。これは、黒色顔料を含む層
は透光性が極めて低く、蓄光性顔料に光エネルギーがほ
とんど蓄積されないので、黒色顔料を蓄光顔料と共存さ
せても、燐光が得られなかったからである。従って、多
色を必要とする、例えば、絵画を描くことは不可能であ
った。
【0014】又、i)太陽光下・蛍光灯下・白熱灯下
(以下「状態A」という)での発色と、ブラックライト
照射時(以下「状態B」という)の発色と、光源を取り
去った状態(以下「状態C」という)での発色とが互い
に異なった色彩であったり、 ii)状態A、B、Cでの発色が同一の色彩であった
り、 iii)状態B及び状態Cでの発色は同一の色彩で、状
態Aでは異なった色彩を発色したり、 iv)状態A及び状態Cでの発色は同一の色彩で、状態
Bの時だけ異なった色彩を発色するような、発色の変化
を有する蓄光性顔料は、これまで見かけられない。
【0015】本発明は前記事情に鑑み、絵画を描くに足
る多彩な色彩を有し、又、上記i)〜iv)の発色の変
化を有して、あらゆる物体に文字又は図形・絵画を描出
できる蓄光性顔料及び蓄光性塗料を提供すること、更に
は、上記蓄光性顔料及び塗料を利用した物品を提供する
ことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、蓄光材と、可
視光以外の励起光によって可視光を発光する蛍燐光体で
構成し、それぞれ単独での発色と異なる色彩で発光する
蓄光性顔料及び蓄光性塗料である。又、本発明は、蓄光
材に、可視光以外の励起光によって可視光を発光する蛍
燐光体及び有機顔料を混合してなる蓄光性顔料である。
又、本発明は、バインダーに、蓄光材、可視光以外の励
起光によって可視光を発光する蛍燐光体及び有機顔料を
混合してなる蓄光性塗料である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の蓄光性顔料及び蓄光性塗
料の最大の特徴は、蓄光材と、可視光以外の励起光によ
って可視光を発光する蛍燐光体で構成し、光源からの光
エネルギーを吸収後、該蓄光材と該蛍燐光体とが互いに
光の波長を干渉して、それぞれ単独での発色と異なる色
彩で発光するように両者を作用せしめたことにある。
【0018】本発明においては、蓄光材として、例えば
前述した特許第2543825号広報記載のN夜光を使
用できる。
【0019】又、前述蛍燐光体とは、硫化物、又は酸化
物を主成分とし、紙幣、切手、小切手、証券、金券、ギ
ャンブルカード、特殊伝票、特殊ラベルなどに幅広く印
刷・コーティング、又は、用紙、樹脂などに混入し、偽
造品判別等の目的で使用されているものである。この特
殊蛍燐光体は、通常の太陽光、又は蛍光灯下などでは不
可視であるが、254nm(2537A=UV短波)及
び365nm(3650A=UV長波)の一方又は双方
の励起光により可視光で発光し、発光色は緑色・青色・
黄色・オレンジ色・赤色など多彩である。その意味にお
いて、以下該蛍燐光体を「特殊蛍燐光体」と称する。そ
して、この様な特殊蛍燐光体は、上記用途において、原
則として残光性は無いのが好ましいとされているため、
そのほとんどが残光性を有しない。
【0020】本発明においては、該特殊蛍燐光体の市販
品として、例えば、 Sr3(PO43Cl:Eu(以下「SPE−Aタイ
プ」という) Zn2GeO4:Mn(以下「HGタイプ」という) Y22S:Eu(以下「YS−Aタイプ」という) が使用できる。いずれも体色は白色である。
【0021】SPE−Aタイプは、445nmの波長を
ピークとした青色発光し、平均粒径は1.5±0.5μ
mである。HGタイプは、534nmの波長をピークと
した緑色発光し、平均粒径は3.0±0.5μmであ
る。YS−Aタイプは、624nmの波長をピークとし
た赤色発光し、平均粒径は2.2±0.3μmである。
【0022】又、本発明において、蛍光顔料は、紫外線
の透過性の良好なものを使用する。この蛍光顔料はブラ
ックライト照射時に発光色を際立たせるために混合する
もので、蛍光顔料としての役割を有するもので、紫外線
の透過性の良いものであれば、使用できる。
【0023】更に、本発明において有機顔料も、紫外線
の透過性の良好なものを使用する。
【0024】更に又、本発明において「バインダー」と
は、各顔料及び蓄光材等と共に層を形成できるものであ
ればよく、例えば、樹脂を主成分とするものであること
ができる。また、透明性が高いものであることが、高い
発光輝度を得られるという観点からは好ましい。上記バ
インダーを構成する樹脂として、例えば、アクリルスチ
レン共重合体又はアクリル系エマルジョン(化審法No.6
-553、No.6-624)、又は変性ポリエステル共重合体樹脂
等の樹脂を例示できる。これらは、用途に応じて、2種
類以上を混合使用が可能である。
【0025】
【実施例】本発明の第1実施例を図1を用いて説明す
る。図1は、物品の表面として、例えば床面1の表面
に、蓄光層2を塗装し、該蓄光層2の上に見色層3を重
ねたものを示している。
【0026】(1)前述i)の発色(14段落参照)の
例として、状態Aでは赤色、状態Bでは橙色、状態Cで
は緑色の発光を得る方法を説明する。
【0027】状態Aでは、蓄光層2まで光源(太陽から
の紫外線等)からの光エネルギーは透過して届くが、蓄
光材4及び特殊蛍燐光体5が該光エネルギーを受けて発
色する光は不可視であるため、見色層3に含まれる有機
顔料7からの反射による発色を可視できる。よって、該
有機顔料7には、赤色を発色できるものを使用する。
【0028】状態Bになると、該見色層3の該有機顔料
7はもはや光源からの反射による発色は起こらないた
め、専ら該蓄光層からの発色に頼ることになる。該蓄光
層2には、状態A下での光エネルギーが該蓄光材4に蓄
積されていると共に、ブラックライトを照射すること
で、特殊蛍燐光体5が発光するようになる。従って、両
者の光の波長が互いに干渉した後に、橙色の発光を得る
ように両者を混合せしめる必要がある。又、該蓄光層2
からの発光を光源として、該見色層3の有機顔料7から
も反射による発光が若干見られるため、多彩な色彩の微
調整が可能である。蛍光顔料6は、この橙色が際立つよ
う、適宜混入される。
【0029】更に状態Cになると、光源を取り去った状
態であるから、この状態で発光できるのは、もはや該蓄
光層2に含まれる蓄光材4のみとなるのであるが、該蓄
光層2中に含まれる特殊蛍燐光体5は、該蓄光材4から
の発光を受け、これを光源として不可視光を発光するこ
とになる。これにより、蓄光材4の緑色発光は、特殊蛍
燐光体5を含有する量により、可視される発光色は微妙
に変色させることが可能である。更に該蓄光層2からの
発光を光源として、該見色層3の有機顔料7からも反射
による発色が見られる。以上より、状態Cでは主に、該
蓄光材4の発光と該有機顔料7の発色との合成色を可視
するのである。
【0030】以上より、i)の発色を得る一例として、
黄緑の発光を有する蓄光材4を1000gに対し、前述
YS−Aタイプの特殊蛍燐光体5を350〜500g、
及び蛍光顔料6を30〜50gをバインダー8に混合し
て該蓄光層2を構成する。又、バインダー8に赤色発色
の有機顔料7を2〜10g混合して該見色層3を構成す
る。バインダーの量は、全含有物(蓄光材4、特殊蛍燐
光体5、各顔料)の60〜70%程度で使用すると好適
であるが、前述に限定されるものではなく、描出する物
の質感や塗装対象物の状況により、適宜選択される。こ
の時、該蓄光層2及び見色層3全体の塗厚は10〜50
μm程度であることが好ましい。但し、該見色層3中の
有機顔料7の濃度と、該見色層3の厚みが増す程、状態
B及び状態Cでの発光輝度は低下する傾向があることを
考慮して、上記塗厚幅の中で各層の塗厚は適宜選択され
る。
【0031】(2)前述ii)の発色の例として、状態
A、B、C共に青色発光を得る方法を説明する。発光の
メカニズムは(1)で説明した通りである。具体的に、
状態A、B、Cで共に青色発光を得るには、青色の発光
を有する蓄光材4を1000gに対して、前述SPE−
Aタイプの特殊蛍燐光体5を50〜200g、及び蛍光
顔料6を20〜50gをバインダー8に混合して、該蓄
光層2を構成する。又、バインダー8に青色発色の有機
顔料7を2〜10g混合して該見色層3を構成する。
【0032】(3)前述iii)の発色の例として、状態
B及び状態Cでは橙色で、状態Aのみ青色の発色を得る
方法を説明する。発光メカニズムは、(1)で説明した
通りである。具体的に上記発光を得るには、橙色の発光
を有する蓄光材4を1000gに対して、前述YS−A
タイプの特殊蛍燐光体5を350〜500g、及び蛍光
顔料6を30〜50gをバインダー8に混合して、該蓄
光層2を構成する。又、バインダー8に青色発色の有機
顔料7を2〜10g混合して該見色層3を構成する。
【0033】(4)前述iv)の発色の例として、状態A
及び状態Cでは青色で、状態Bのみ橙色の発色を得る方
法を説明する。発光メカニズムは、(1)で説明した通
りである。具体的に上記発光を得るには、青色の発光を
有する蓄光材4を1000gに対して、前述YS−Aタ
イプの特殊蛍燐光体5を250〜500g、及び蛍光顔
料6を2〜10gをバインダー8に混合して、該蓄光層
2を構成する。又、バインダー8に青色発色の有機顔料
7を2〜10g混合して該見色層3を構成する。
【0034】(5)アニリンブラックを使用する一例を
あげると、(i)の発色例として、状態Aでは黒色、状
態Bでは橙色、状態Cでは緑色の発光を得るには、緑色
の発光を有する蓄光材4を1000gに対して、前述Y
S−Aタイプの特殊蛍燐光体5を970gをバインダー
8に混合して、該蓄光層2を構成する。又、バインダー
8にアニリンブラックを30g混合して該見色層3を構
成する。
【0035】以上の様にして、前述i)〜iv)の4通り
の発色の変化を得ることができる。これを用いて絵画を
描き、昼間と夜間とで絵画の内容を変化させる方法につ
いて以下に説明する。
【0036】図2(イ)〜(ハ)はそれぞれ、状態A、
状態B、状態C下での絵画の図案である。図2(イ)
は、草原9(緑色)に樹木があり、該樹木の幹部分10
(茶色)に葉11(茶色)がつき、晴れた空12(青
色)に一部葉が落葉13(茶色)している様子を示して
いる。図2(ロ)では、夕日14(赤色)に葉10は赤
く染まり、空12は橙色となる。図2(ハ)では、夕日
14は満月(黄色)へと代わり、空12は黒色となっ
て、葉11は茶色となる。
【0037】次に図2の図案に基づいて、上記9〜14
のパーツのそれぞれについて、型をおこす。この型を図
3(イ)〜(ヘ)に示す。各型は白い部分(パーツ部
分)が抜いてあり、反物の染めにも用いられているよう
に、図柄の中で同色部分のみが着色できる仕組みであ
る。図3(イ)においてはパーツ9を白抜きとし、状態
A→状態B→状態Cが緑色→緑色→緑色となるように、
前述蓄光層2及び見色層3を形成する。道具としては、
例えばエアブラシを使用し、該エアブラシの先の細さは
0.4〜0.6mm程度、広範囲を塗装する場合には
1.3mm程度のものが好適である。図3(ロ)におい
ては、パーツ10を白抜きとし、茶色→茶色→茶色とな
るように、又、図3(ハ)においてはパーツ11を白抜
きとし、茶色→赤色→茶色と変色するように、又、図3
(ニ)においてはパーツ12を白抜きとし、青色→橙色
→黒色と変色するように、又、図3(ホ)においてはパ
ーツ13を白抜きとし、茶色→橙色→黒色と変色するよ
うに、又、図3(ヘ)においてはパーツ14を白抜きと
し、青色→赤色→黄色と変色するように、各々エアブラ
シで蓄光層2及び見色層3を形成する。
【0038】上述の手順で例えば壁面に図2に示した図
案を描出すると、状態A下では晴れた草原に落葉する樹
木が描かれ、状態B下になると、夕日に葉が赤く染まっ
た樹木が現れ、更に、状態C下では、満月の下にひっそ
りと立つ樹木が現れるようになる。
【0039】従って、本発明の蓄光性顔料を用いた塗料
によって、従来は黄緑・青・橙・赤の4色のみしか発色
の得られなかったものが、黒色も含めて、絵画が描出で
きる多彩な色彩で発光を得ることができるようになる。
しかも、状態A、B、Cでの発光色を変化させることに
より、1枚の絵画でも、該各状態で異なった絵柄を描出
することも可能となったのである。
【0040】本発明の第2実施例を図4を用いて説明す
る。図4は、物品の表面として、例えば床面1の表面
に、蓄光層2’を塗装し、該蓄光層2’の上に見色層
3’を重ねていることは、第1実施例と同様である。
【0041】しかし、該蓄光層2’には、蓄光材4及び
バインダー8を含み、該見色層3’には、特殊蛍燐光体
5及び有機顔料7及びバインダー8を含んで構成されて
いる点で、前述第1実施例と異なる。
【0042】第2実施例での発光メカニズムを以下に説
明する。状態Aでは、該蓄光層2’まで光源(太陽から
の紫外線等)からの光エネルギーは透過して届くが、該
蓄光材4は状態A下では発光する光が不可視であるた
め、該見色層3’に含まれる有機顔料7からの反射によ
る発色を可視できる。
【0043】状態Bになると、該見色層3’中の有機顔
料7からの反射による発色は起こらなくなるが、ブラッ
クライトを照射することで、該見色層3’中の特殊蛍燐
光体5が発光し、可視される。ここで、該蓄光層2’中
の該蓄光材4にも光エネルギーは蓄積されているため、
発光している。よって、該特殊蛍燐光体5からの発光
と、該蓄光材4からの発光を合成した色彩の発光を可視
するのである。
【0044】更に状態Cになると、第1実施例と同様、
該蓄光層2’中の該蓄光材4からの発光を受けて、該見
色層3’中の該有機顔料7が発色するため、両者の発光
波長が合成された波長の発光を可視する。
【0045】本発明の第3実施例を図5を用いて説明す
る。図5は、物品の表面として、例えば床面1の表面
に、蓄光層2’’を一層塗装してある。
【0046】そして、該蓄光層2’’には、蓄光材4及
び特殊蛍燐光体5及び有機顔料7及びバインダー8を含
んで構成されている。
【0047】第3実施例での発光メカニズムを以下に説
明する。状態Aでは、該蓄光層2’’中に届いた光源
(太陽からの紫外線等)からの光エネルギーによって可
視光となるのは、該蓄光層2’’中に含まれる有機顔料
7の反射による発色のみである。
【0048】状態Bになると、該蓄光層2’’中の有機
顔料7からの反射による発色は起こらなくなるが、ブラ
ックライトを照射することで、該蓄光層2’’中の該特
殊蛍燐光体5からの発光と、該蓄光材4からの発光を合
成した色彩の発光を可視するのである。
【0049】更に状態Cになると、該蓄光層2’’中の
該蓄光材4からの発光を受けて、該蓄光層2’’中の該
有機顔料7が発色するため、両者の発光波長が合成され
た波長の発光を可視する。
【0050】
【発明の効果】本発明は上述の様に構成したので、下記
効果を奏する。 (I)従来からの黄緑・青・橙・赤以外に、黒色を含
め、絵画が描出できる程度の多彩な色彩の発光が得られ
る。 (II)混合する各材料の割合を適宜変え、蓄光層及び見
色層を形成することにより、前述状態A、B、Cでの発
光色を変化させることが可能となる。 (III)放射性物質その他の有害物質を含まず、環境を
汚染することがない。 (IV)耐候性に優れ、屋外使用が可能になる。 (V)以上の効果を奏することから、広告、看板、照
明、舞台装置、ショールーム・店舗、インテリア、スポ
ーツ・レジャー施設、標識、電子機器、安全防災、時
計、自動車、家電、航空機、漁業等、幅広い分野で活用
でき、社会に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す、蓄光性塗料の断面
説明図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す図で、状態A、B、
C下での絵画の図案である。
【図3】本発明の第1実施例を示す図で、各パーツ毎の
型である。
【図4】本発明の第2実施例を示す、蓄光性塗料の断面
説明図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す、蓄光性塗料の断面
説明図である。
【符号の説明】
2 蓄光層 2’ 蓄光層 2’’ 蓄光層 3 見色層 3’ 見色層 4 蓄光材 5 特殊蛍燐光体 6 蛍光顔料 7 有機顔料 8 バインダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09C 3/00 C09C 3/00 C09D 11/00 C09D 11/00

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蓄光材と、可視光以外の励起光によって可
    視光を発光する蛍燐光体で構成し、それぞれ単独での発
    色と異なる色彩で発光する蓄光性顔料及び蓄光性塗料。
  2. 【請求項2】蓄光材に、可視光以外の励起光によって可
    視光を発光する蛍燐光体及び有機顔料を混合してなる蓄
    光性顔料。
  3. 【請求項3】有機顔料がアニリンブラックである請求項
    2記載の蓄光性顔料。
  4. 【請求項4】バインダーに、蓄光材、可視光以外の励起
    光によって可視光を発光する蛍燐光体及び有機顔料を混
    合してなる蓄光性塗料。
  5. 【請求項5】有機顔料がアニリンブラックである請求項
    4記載の蓄光性塗料。
  6. 【請求項6】太陽光下・蛍光灯下・白熱灯下での発色
    と、ブラックライト照射時の発色と、光源を取り去った
    状態での発色とが互いに異なった色彩であることを特徴
    とする請求項4又は5記載の蓄光性塗料。
  7. 【請求項7】太陽光下・蛍光灯下・白熱灯下での発色
    と、ブラックライト照射時の発色と、光源を取り去った
    状態での発色とが互いに同一の色彩であることを特徴と
    する請求項4又は5記載の蓄光性塗料。
  8. 【請求項8】ブラックライト照射時の発色と、光源を取
    り去った状態での発色とが互いに同一の色彩で、かつ、
    太陽光下・蛍光灯下・白熱灯下では異なった色彩を発色
    することを特徴とする請求項4又は5記載の蓄光性塗
    料。
  9. 【請求項9】太陽光下・蛍光灯下・白熱灯下での発色
    と、光源を取り去った状態での発色とが互いに同一の色
    彩で、かつ、ブラックライト照射時では異なった色彩を
    発色することを特徴とする請求項4又は5記載の蓄光性
    塗料。
  10. 【請求項10】少なくとも蓄光層と見色層とからなり、
    前記蓄光層が蓄光材、可視光以外の励起光によって可視
    光を発光する蛍燐光体、蛍光顔料及びバインダーを含
    み、かつ前記見色層が有機顔料及びバインダーを含む請
    求項4又は5又は6又は7又は8又は9記載の蓄光性塗
    料を用いた絵画の描出方法。
  11. 【請求項11】少なくとも蓄光層と見色層とからなり、
    前記蓄光層が蓄光材及びバインダーを含み、かつ前記見
    色層が可視光以外の励起光によって可視光を発光する蛍
    燐光体及び有機顔料及びバインダーを含む請求項4又は
    5又は6又は7又は8又は9記載の蓄光性塗料を用いた
    絵画の描出方法。
  12. 【請求項12】少なくとも蓄光層と見色層とからなり、
    前記蓄光層が蓄光材、可視光以外の励起光によって可視
    光を発光する蛍燐光体、蛍光顔料及びバインダーを含
    み、かつ前記見色層が有機顔料及びバインダーを含む請
    求項4又は5又は6又は7又は8又は9記載の蓄光性塗
    料を用いて描出された絵画。
  13. 【請求項13】少なくとも蓄光層と見色層とからなり、
    前記蓄光層が蓄光材、及びバインダーを含み、かつ前記
    見色層が可視光以外の励起光によって可視光を発光する
    蛍燐光体及び有機顔料及びバインダーを含む請求項4又
    は5又は6又は7又は8又は9記載の蓄光性塗料を用い
    て描出された絵画。
  14. 【請求項14】蓄光層は見色層の下に形成することを特
    徴とする請求項10、又は11又は12又は13記載の
    蓄光性塗料を用いた文字又は図形・絵画及びその描出方
    法。
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