JPH1037694A - トンネルの漏水防止樋の取り付け構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 漏水防止樋が水圧で変形したり、固着する部
分が破損したりしないように漏水防止樋を取り付ける。 【解決手段】 トンネルの内壁２の目地部６に沿って漏
水防止樋１を配置する。漏水防止樋１の両側の耳部７を
パッキン３を介してトンネルの内壁２に沿わせる。漏水
防止樋１の長手方向の適所に帯状の押さえ部材４を配置
すると共に漏水防止樋１の両側の両側方で押さえ部材４
の両端をトンネルの内壁２に固着具５にて固着して漏水
防止樋１を押さえ部材４で押圧保持する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル内壁の目
地部から漏水するのを防止するとき漏水防止樋を取り付
けるのに用いる構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般にトンネルの内壁では内壁の目地部
で地下水がトンネル内に漏水するおそれがある。これを
防水するためにトンネルの内壁の目地部に沿って漏水防
止樋を取り付け、目地部からの漏水を漏水防止樋にて受
けて漏水防止樋に沿って流し、トンネル内の両側の側溝
等に排水するのでがあるが、従来、トンネルの内壁に漏
水防止樋を取り付ける場合、図４に示すように行ってい
た。

【０００３】金属板や合成樹脂板等で形成せる漏水防止
樋１をトンネルのコンクリートの内壁２の目地部に沿っ
て配置すると共に漏水防止樋１の両側に一体に設けたパ
ッキン３′を内壁２に当接し、漏水防止樋１の両側を座
金４′を介して固着具５にて内壁２に固着していた。固
着具５は内壁２に打入されるアンカー５ａと、アンカー
５ａの雄ねじ部５ｂに螺合されるナット５ｃとで構成さ
れている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
にあっては、漏水防止樋１の両側を座金４′で押さえて
固着具５にて固着しているが、漏水防止樋１に大きな水
圧かかると、漏水防止樋１が変形したり、漏水防止樋１
の両側の固着具５で固着する部分が破損したりするとい
うおそれがあり、耐久性に問題があり、さらに漏水防止
樋１が長手方向に熱伸縮したときの熱伸縮を吸収するこ
とができなく、熱伸縮にて固着具５で固着する部分が破
損するという問題もある。

【０００５】本発明は叙述の点に鑑みてなされたもので
あって、漏水防止樋が水圧で変形したり、固着する部分
が破損したりしないように漏水防止樋を取り付けること
を課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のトンネルの漏水防止樋の取り付け構造は、ト
ンネルの内壁２の目地部６に沿って漏水防止樋１を配置
し、漏水防止樋１の両側の耳部７をパッキン３を介して
トンネルの内壁２に沿わせ、漏水防止樋１の長手方向の
適所に帯状の押さえ部材４を配置すると共に漏水防止樋
１の両側の両側方で押さえ部材４の両端をトンネルの内
壁２に固着具５にて固着して漏水防止樋１を押さえ部材
４で押圧保持して成ることを特徴とする。上記のように
漏水防止樋１の長手方向に適宜間隔を隔てて配置した押
さえ部材４にて漏水防止樋１を押圧保持できて漏水防止
樋１が水圧で変形しにくいように保持でき、また漏水防
止樋１に局部的に荷重がかかって破損するおそれもない
ようにでき、さらに漏水防止樋１が長手方向に熱伸縮し
ても伸縮を吸収でき、この点でも漏水防止樋１が破損す
るのを防止できる。

【０００７】また芯材としての金属板８の両面に合成樹
脂９を被覆した樹脂被覆金属板１０にて漏水防止樋１を
形成して成ることを特徴とすることも好ましい。この場
合、強度があると共に防錆性があって、長期に亙って耐
久性がある。また耐候性を持たせて割れ等を防止でき
る。またパッキン３を断面略Ｈ字状にして成ることを特
徴とすることも好ましい。この場合、パッキン３による
防水性を確実に維持できる。

【０００８】

【発明の実施の形態】漏水防止樋１は深さの浅い角樋状
に形成されるものであって、両側の連出片１１に断面略
矩形状の耳部７を一体に設けてある。この漏水防止樋１
は、図２に示すように芯材としての鋼板のような金属板
８の両面に合成樹脂９を被覆した樹脂被覆金属板１０に
て一体に形成されている。帯板状の押さえ部材４は漏水
防止樋１の断面形状に沿う形状に形成されており、押さ
え部材４の両端には固定片１２を設けてある。パッキン
３は断面略Ｈ字状に形成されている。漏水防止樋１の長
手方向の端部同士を接続する樋継手１３は図３に示すよ
うに漏水防止樋１の外面に沿う外面部１３ａと漏水防止
樋１の内面に沿う内面部１３ｂと、これらを一体に連結
する連結部１３ｃとで構成され、外面部１３ａと内面部
１３ｂとの間に挿入隙間１４が設けられ、外面部１３ａ
の両側に嵌合耳部１５が設けられている。

【０００９】トンネルのコンクリートの内壁２にはトン
ネルの長手方向に適当な間隔で周方向に目地部６が設け
られるが、この目地部６のある位置で漏水防止樋１が次
のように取り付け施工される。トンネルの内壁２の目地
部６に沿って漏水防止樋１が配置され、漏水防止樋１の
両側の耳部７と内壁２との間にパッキン３が漏水防止樋
１の長手方向に介装される。このように漏水防止樋１を
配置した状態で漏水防止樋１の長手方向の適所には適当
な間隔で押さえ部材４が配置され、押さえ部材４を漏水
防止樋１に沿わせて押さえ部材４の両端の固定片１２が
内壁２に当接され、固定片１２が内壁２に固着具５にて
固定される。この固着具５は従来例と同様に内壁２に打
入されるアンカー５ａと、アンカー５ａの雄ねじ部５ｂ
に螺合されるナット５ｃとで構成されている。このよう
にして図１に示すように漏水防止樋１を押さえ部材４に
て押圧して固定することで漏水防止樋１が変形したりし
ないように漏水防止樋１が安定よく取り付けられる。漏
水防止樋１の耳部７と内壁２との間はパッキン３にて防
水的に接合される。このときパッキン３は断面略Ｈ字状
に形成されているため、パッキン３の一方の凹部３ａが
耳部７に嵌合すると共に他方の凹部３ｂの両側の突片３
ｃが内壁２に強く弾接して確実に防水される。また漏水
防止樋１の長手方向の端部間は樋継手１３にて接続され
る。つまり、漏水防止樋１の長手方向の端部が樋継手１
３の挿入隙間１４に夫々挿入され、嵌合耳部１５が両漏
水防止樋１の耳部７に被嵌される。

【００１０】

【発明の効果】本発明は叙述のようにトンネルの内壁の
目地部に沿って漏水防止樋を配置し、漏水防止樋の両側
の耳部をパッキンを介してトンネルの内壁に沿わせ、漏
水防止樋の長手方向の適所に帯状の押さえ部材を配置す
ると共に漏水防止樋の両側の両側方で押さえ部材の両端
をトンネルの内壁に固着具にて固着して漏水防止樋を押
さえ部材で押圧保持しているので、漏水防止樋の長手方
向に適宜間隔を隔てて配置した押さえ部材にて漏水防止
樋を押圧保持できて漏水防止樋が水圧で変形しにくいよ
うに保持できるものであり、また漏水防止樋に局部的に
荷重がかかって破損するおそれもないようにできるもの
であり、さらに漏水防止樋が長手方向に熱伸縮しても伸
縮を吸収でき、この点でも漏水防止樋が破損するのを防
止できるものである。

【００１１】また本発明の請求項２記載の発明にあって
は、芯材としての金属板の両面に合成樹脂を被覆した樹
脂被覆金属板にて漏水防止樋を形成しているので、強度
があると共に防錆性があって、長期に亙って耐久性があ
る。また耐候性を持たせて割れ等を防止できるものであ
る。また本発明の請求項３記載の発明にあっては、パッ
キンを断面略Ｈ字状にしているので、パッキンによる防
水性を確実に維持できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の一例を示し、（ａ）は断
面図、（ｂ）は縮小正面図である。

【図２】同上の漏水防止樋の一部の拡大断面図である。

【図３】同上の樋継手を示し、（ａ）は一部切欠斜視
図、（ｂ）は側面図である。

【図４】従来例を示し、（ａ）は断面図、（ｂ）は正面
図である。

【符号の説明】

１ 漏水防止樋 ２ 内壁 ３ パッキン ４ 押さえ部材 ５ 固着具 ８ 金属板 ９ 合成樹脂 １０ 樹脂被覆金属板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トンネルの内壁の目地部に沿って漏水防
   止樋を配置し、漏水防止樋の両側の耳部をパッキンを介
   してトンネルの内壁に沿わせ、漏水防止樋の長手方向の
   適所に帯状の押さえ部材を配置すると共に漏水防止樋の
   両側の両側方で押さえ部材の両端をトンネルの内壁に固
   着具にて固着して漏水防止樋を押さえ部材で押圧保持し
   て成ることを特徴とするトンネルの漏水防止樋の取り付
   け構造。
2. 【請求項２】 芯材としの金属板の両面に合成樹脂を被
   覆した樹脂被覆金属板にて漏水防止樋を形成して成るこ
   とを特徴とする請求項１記載のトンネルの漏水防止樋の
   取り付け構造。
3. 【請求項３】 パッキンを断面略Ｈ字状にして成ること
   を特徴とする請求項１記載のトンネルの漏水防止樋の取
   り付け構造。