JP7348111B2 - 目地状部分の止水部材及び目地状部分の止水構造 - Google Patents

目地状部分の止水部材及び目地状部分の止水構造 Download PDF

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Description

本発明は、目地状部分の止水部材及び目地状部分の止水構造に関する。
コンクリート構造体、例えば防火水槽や貯水槽などのコンクリート製水槽、コンクリート擁壁やコンクリート製法面など斜面などの壁構造体、などにおいて、経年劣化などでヒビ(亀裂)が発生した場合の修復工事には、そのヒビの隙間内にモルタルなどを注入する方法や、ヒビの隙間内に水膨張性樹脂素材の紐状シール材を圧入したり、水膨張性樹脂素材を押し当てたりするなどの対処方法が採られている。
特許文献1には、地中に形成されたコンクリート構造体の壁面等に発生したクラック等の漏水部を補修するための地中コンクリート構造体の漏水部止水構造が開示されている。コンクリート構造体の表面には、表面に発生した漏水部を塞ぐパッキンが設けられ、かつパッキンの背面側には、少なくともパッキンと同等以上の寸法を有し、コンクリート構造体に先端部を埋設される複数本のアンカーボルトによって押圧される加圧板が設けられる。
この地中コンクリート構造体の漏水部止水構造によれば、アンカーボルトに係止・押圧される加圧板によってパッキンがコンクリート構成体の表面に発生した漏水部に圧接・密着されることにより、漏水が確実に止水される。その場合、施工後、コンクリート構造体が種々の外力を受けてクラック(漏水部)の間隙が開くような状態となっても、パッキンがクラックの両側に強く密着されているものであるから、構造体内部への漏水を発生させることはない。
特許第2605104号公報
しかしながら、上記した地中コンクリート構造体の漏水部止水構造は、加圧板によってパッキンがヒビを覆うモルタル等に圧接・密着する。このため、ヒビを覆うモルタル等の止水工が圧接力・密着力により割れる場合がある。このような不具合は、パッキンが平板状の水膨張性材料であったりする場合に、膨張したパッキンがモルタル等を押圧するため、特に顕著となる。
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、従来構造に比べさらに高い止水性能を得ることができる目地状部分の止水部材及び目地状部分の止水構造を提供することにある。
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の目地状部分の止水部材11は、構造体13の表面15に、目地25やヒビ17などの連続した線状の隙間部分となって開口する目地状部分を包囲して環状に形成され、前記表面15に密着するシール部材19と、
前記シール部材19を挟んで前記表面15の反対側で前記シール部材19に密着し、前記シール部材19より外側に張り出す周縁部27を有して前記目地状部分(25,17)を覆う閉塞部材21と、
前記閉塞部材21の前記周縁部27に周方向の複数箇所で配置されて一端側が前記構造体13に固着し、他端側が前記周縁部27を貫通して前記閉塞部材21と前記表面15とで前記シール部材19を挟持して前記閉塞部材21を前記表面15に固定する固定部材23と、
を具備することを特徴とする。
この目地状部分の止水部材11では、環状に形成されて構造体13に密着するシール部材19により、目地状部分が包囲される。目地状部分は、構造体13の表面15に開口する。この目地状部分は、例えばコンクリート製水槽のヒビ17等とすることができる。この他、目地状部分は、例えばコンクリート製水槽などの目地25であってもよい。この場合、目地25は、貯水域と通じる経路が止水構造で予め水密シールされていてもよい。
シール部材19を挟んで構造体13の表面15の反対側には、閉塞部材21がシール部材19に密着して設けられる。閉塞部材21は、シール部材19より外側に張り出す周縁部27を有して目地状部分を覆う。閉塞部材21の周縁部27には、周方向の複数箇所で固定部材23が配置される。固定部材23は、一端側が構造体13に固着される。固定部材23の他端側は、周縁部27を貫通して、閉塞部材21を構造体13の表面15に固定する。つまり、シール部材19は、閉塞部材21と構造体13の表面15とで挟持される。シール部材19は、閉塞部材21と構造体13の表面15とに密着することで、環状の内側に密閉空間37を形成する。構造体13は、表面15の目地状部分が、この密閉空間37に臨んで配置される。
目地状部分は、密閉空間37に臨んで配置されるので、シール部材19の厚み分、閉塞部材21から離間して配置される。これにより、目地状部分は、閉塞部材21により押圧されなくなる。すなわち、目地状部分や、目地25を塞いだ既存の水密シール構造を損ねる(圧壊等する)ことがない。これに加え、新たな密閉空間37を形成し、目地状部分や目地25を塞いだ既存の水密シール構造に、ヒビ17等が発生した場合に生じる漏水を、二重の水密シール構造より止水する作用を得ることができる。その結果、漏水をより効果的に抑制することができるようになる。
本発明の請求項2記載の目地状部分の止水部材11は、請求項1に記載の目地状部分の止水部材11前記シール部材19であって、
水膨張性材料からなる水膨張部51と、
前記水膨張性材料を含まない非水膨張部53と、からなることを特徴とする。
この目地状部分の止水部材11では、シール部材19が、線状部材により無端環状となって形成される。線状部材は、長手方向に直交方向の断面形状が、中実や中空の円形状、中実の四角形状、台形状、六角形状、蒲鉾形状などとすることができる。ここで、線状部材は、断面形状の外側を水膨張性材料で形成し、断面形状の内側を非水膨張部53で形成することができる。このような二重構造の線状部材で形成したシール部材19は、外側の水膨張性材料により止水性能が得られるとともに、内側の非水膨張部53により長手方向の膨張が規制される。これにより、シール部材19は、位置ずれを抑制して、断面形における周方向に膨張することが可能となり、構造体13の表面15及び閉塞部材21に確実に密着し、良好な止水性能を得ることができる。
本発明の請求項3記載の目地状部分の止水部材11は、請求項1または2に記載の目地状部分の止水部材11であって、
前記閉塞部材21が、前記表面15に沿う板状部材であることを特徴とする。
この目地状部分の止水部材11では、閉塞部材21が、構造体13の表面15に沿う板状部材となる。表面15に沿うとは、平坦な表面15に対して平行となる場合、凹曲面(湾曲面)である表面15に対して湾曲面となって沿う場合の双方を含む。いずれの場合においても、閉塞部材21は、板状部材となることにより、目地状部分を覆う止水構造を構成した際に、構造体13の表面15からの突出距離を、ブロック状の部材で形成した場合に比べ小さくすることができる。
本発明の請求項4記載の目地状部分の止水部材61は、請求項1~3のいずれか一つに記載の目地状部分の止水部材11であって、
前記閉塞部材67が、前記シール部材の挟持方向における一部分を受け入れる溝部69を有することを特徴とする。
この目地状部分の止水部材61では、閉塞部材67の構造体対向面39に、環状のシール部材(内側シール部材63、外側シール部材65)の挟持方向における一部分を受け入れる溝部69が形成される。従って、溝部69も環状に形成される。挟持方向における一部分とは、シール部材を形成している線状部材の断面形状における一部分である。つまり、溝部69に受け入れられたシール部材は、一部分を除く他部分が、閉塞部材67の構造体対向面39から構造体13の表面15に向かって突出する。この突出部分が、弾性変形可能な部分となる。弾性変形したシール部材は、弾性復元力が、溝部69や、構造体13の表面15への密着力となる。
シール部材は、溝部69に接着等して固定しておくことが好ましい。目地状部分の止水部材11は、シール部材を予め溝部69に固定しておくことにより、シール部材に位置ずれが生じにくくなる。また、搬送や設置時の作業性を良好にできる。
本発明の請求項5記載の目地状部分の止水部材11は、請求項1~4のいずれか一つに記載の目地状部分の止水部材11であって、
前記固定部材23が、前記閉塞部材21を介して前記シール部材19を所定の圧力で前記表面15に押し付けることを特徴とする。
この目地状部分の止水部材11では、シール部材19が、密着している状態よりも大きな所定の加圧力により、構造体13の表面15及び閉塞部材21の構造体対向面39に押圧される。このシール部材19に対する所定の加圧力は、閉塞部材21を固定部材23により構造体13へ締結固定することにより得られる。シール部材19は、この所定の圧力により、弾性限度の範囲で弾性変形する。従って、シール部材19は、変形されることによって生じた内部応力(弾性復元力)により、より確実に構造体13の表面15、及び閉塞部材21の構造体対向面39に水密に密着する。
本発明の請求項6記載の目地状部分の止水部材71は、請求項1~5のいずれか一つに記載の目地状部分の止水部材71であって、
前記閉塞部材73が、前記表面15に沿う形状に塑性変形可能な成形材料からなることを特徴とする。
この目地状部分の止水部材71では、閉塞部材73が、構造体13の表面15に沿う形状に塑性変形可能な成形材料からなる。成形材料は、成形材料が取り付けられる面、すなわち、構造体13の表面15に合わせ、施工現場にて曲げ加工を行って使用する。
成形材料としては、例えば剛性の高い金属板が挙げられる。金属板の素材としては、例えば防錆性、防食性の高いSUSが挙げられる。曲げ加工は、例えばローラーを用いた冷間曲げ加工とすることができる。
本発明の請求項7記載の目地状部分の止水部材71は、請求項1~5のいずれか一つに記載の目地状部分の止水部材71であって、
前記閉塞部材73の少なくとも構造体対向面39が、前記表面15に沿う形状に予め成形されていることを特徴とする。
この目地状部分の止水部材71では、シール部材19を挟持する構造体13の表面15と、閉塞部材73の構造体対向面39との距離が、シール部材19の全周囲においてほぼ同一となる。これにより、閉塞部材73と構造体13の表面15との間でシール部材19を変形させる際の圧縮率をシール部材19の全周囲でほぼ均等にすることができる。
本発明の請求項8記載の目地状部分の止水部材は、請求項1~7のいずれか一つに記載の目地状部分の止水部材であって、
前記シール部材19の外周に位置するとともに、前記閉塞部材85,95,103,113,123,135,147,157,163と前記表面15との間に介設される規制部材83,93,107,115,125,133,143,155,167が設けられることを特徴とする。
この目地状部分の止水部材では、規制部材83がシール部材19の外周を取り囲むように位置し、閉塞部材85と構造体13の表面15との間でシール部材19とともに挟持状態となり、すなわち規制部材83の内側にシール部材19が位置する。これにより、シール部材19が漏水によって膨張変形しても、規制部材83によってシール部材19の外方向への膨張を規制し、規制部材83の内側方向で膨張することになるとともに、閉塞部材85と構造体表面15への密着度が向上し、シール部材19より外方への漏水の発生を抑制する。
本発明の請求項9記載の目地状部分の止水部材は、請求項8記載の目地状部分の止水部材であって、
前記規制部材83(規制部93,107,115,125,133,143,155,167)が、前記シール部材19の外周において、該シール部材19を囲むように連続した環状に形成されていることを特徴とする。
この目地状部分の止水部材では、規制部材83が連続した環状であり、その内側に位置するシール部材19を取り囲み、このシール部材19に周方向にわたって密着可能となる。これにより、シール部材19が膨張変形した際には、外方向を規制部材83で規制されて、この規制部材83の内側面に密着し、そして閉塞部材85と構造体表面15とに密着し、すなわちシール部材19は三方向を囲まれて密着して、より効果的に漏水を抑制する。
本発明の請求項10記載の目地状部分の止水部材は、請求項8記載の目地状部分の止水部材であって、
前記規制部材が、前記シール部材19の外周において、該シール部材19を囲み周方向に断続して形成されていることを特徴とする。
この目地状部分の止水部材では、規制部材が断続して位置し、その内側に位置するシール部材19を囲む。これにより、シール部材19が膨張変形した際には、外方向を規制部材で規制されて、この規制部材によって膨張変形を阻まれ、そして閉塞部材と構造体表面15とに密着し、効果的に漏水を抑制する。
本発明の請求項11記載の目地状部分の止水部材は、請求項9または10記載の目地状部分の止水部材であって、
前記規制部材が、前記閉塞部材と一体とされ、該閉塞部材の構造体対向面に突条状に形成されていることを特徴とする。
この目地状部分の止水部材では、規制部材が閉塞部材と一体に構成されることで、規制部材を単体で扱うことなく、閉塞部材の構造体の表面への取り付けでシール部材19の外周を囲む規制部材を、規制部材と構造体表面との間に介設することができる。
本発明の請求項12記載の目地状部分の止水構造は、構造体13と、
前記構造体13の表面15に、目地25やヒビ17などの連続した線状の隙間部分となって開口する目地状部分と、
前記目地状部分を包囲して環状に形成され前記表面15に密着するシール部材19と、
前記シール部材19を挟んで前記表面15の反対側で前記シール部材19に密着し前記シール部材19より外側に張り出す周縁部27を有して前記目地状部分を覆う閉塞部材21と、
前記閉塞部材21の前記周縁部27に周方向の複数箇所で配置され一端側が前記構造体13に固着し、他端側が前記周縁部27を貫通して前記閉塞部材21と前記表面15とで前記シール部材19を挟持して前記閉塞部材21を前記表面15に固定する固定部材23と、
を具備することを特徴とする。
この目地状部分の止水構造では、環状に形成されて表面に密着するシール部材19により、目地状部分が包囲される。目地状部分は、構造体13の表面15に開口する。この目地状部分は、例えばコンクリート製水槽のヒビ17等とすることができる。この他、目地状部分は、例えばコンクリート製水槽の目地25であってもよい。この場合、目地25は、貯水域と通じる経路が止水構造で水密シールされる。
シール部材19を挟んで構造体13の表面15の反対側には、閉塞部材21がシール部材19に密着して設けられる。閉塞部材21は、シール部材19より外側に張り出す周縁部27を有して目地状部分を覆う。閉塞部材21の周縁部27には、周方向の複数箇所で固定部材23が配置される。固定部材23は、一端側が構造体13に固着される。固定部材23の他端側は、周縁部27を貫通して、閉塞部材21を構造体13の表面15に固定する。つまり、シール部材19は、閉塞部材21と構造体13の表面15とで挟持される。シール部材19は、閉塞部材21と構造体13の表面15に密着することで、環状の内側に密閉空間37を形成する。構造体13は、表面15の目地状部分が、この密閉空間37に臨んで配置される。
目地状部分は、密閉空間37に臨んで配置されるので、シール部材19の厚み分、閉塞部材21から離間して配置される。これにより、目地状部分は、閉塞部材21により押圧されなくなる。すなわち、目地状部分や、目地25を塞いだ既存の水密シール構造を損ねる(圧壊等する)ことがない。これに加え、新たな密閉空間37を形成し、目地状部分や、目地25を塞いだ既存の水密シール構造にヒビ17等が発生した場合に生じる漏水を二重の水密シール構造より止水する作用を得ることができる。その結果、漏水をより効果的に抑制することができるようになる。
本発明に係る請求項1記載の目地状部分の止水部材によれば、従来構造に比べさらに高い止水性能を得ることができる。
本発明に係る請求項2記載の目地状部分の止水部材によれば、シール部材の位置ずれを規制しながら、高い止水性能を得ることができる。
本発明に係る請求項3記載の目地状部分の止水部材によれば、水密シール構造を薄厚にできる。
本発明に係る請求項4記載の目地状部分の止水部材によれば、シール部材が位置ずれすることによる止水性能の低下を防止できる。
本発明に係る請求項5記載の目地状部分の止水部材によれば、構造体の表面に生じている凹凸を吸収して高い止水性能を得ることができる。
本発明に係る請求項6記載の目地状部分の止水部材によれば、シール部材の変形量を全周囲で均等にでき、安定した止水性能を得ることができる。
本発明に係る請求項7記載の目地状部分の止水部材によれば、安定した止水性能を得ることができるとともに、予め表面に沿う形状に成形されているので、現場での施工性を高めることができる。
本発明に係る請求項8記載の目地状部分の止水部材によれば、規制部材によってシール部材の外方向への膨張を規制し、閉塞部材と構造体表面への密着度を向上させることができる。
本発明に係る請求項9記載の目地状部分の止水部材によれば、連続した環状の規制部材によって、シール部材が膨張変形した際に、この規制部材の内側面に密着するともに閉塞部材と構造体表面とで三方向を囲まれて密着し、より効果的に漏水を抑制することができる。
本発明に係る請求項10記載の目地状部分の止水部材によれば、、断続した規制部材にてシール部材が囲まれ、シール部材が膨張変形した際には、外方向を規制部材で規制され、膨張変形を阻まれ、そして閉塞部材と構造体表面とに密着し、効果的に漏水を抑制することができる。
本発明に係る請求項11記載の目地状部分の止水部材によれば、規制部材が閉塞部材と一体に構成されるので、閉塞部材の構造体表面への取り付けでシール部材の外周を囲む規制部材を、規制部材と構造体表面との間に介設することができる。
本発明に係る請求項12記載の目地状部分の止水構造によれば、従来構造に比べさらに高い止水性能を得ることができる。
本発明の実施形態に係る目地状部分の止水構造に用いられる目地状部分の止水部材を構造体と共に表した分解斜視図である。 図1に示した目地状部分の止水部材の組付けられた状態の平断面図である。 目地を覆って取り付けられた変形例1に係る目地状部分の止水構造を表す分解斜視図である。 図3に示した目地状部分の止水構造における平断面図である。 T字状のヒビを覆う変形例2に係る目地状部分の止水構造を表す正面図である。 シール部材のバリエーションを(a)(b)(c)に表した模式図である。 シール部材の他のバリエーションを(a)(b)(c)(d)(e)に表した模式図である。 四角枠状の目地を覆う変形例3に係る目地状部分の止水構造を表す分解斜視図である。 図8に示した目地状部分の止水構造における左縦辺部近傍の平断面図である。 構造体の稜線部を覆う変形例4に係る目地状部分の止水構造を表す平断面図である。 規制部材を具備する変形例5に係る目地状部分の止水構造に用いられる目地状部分の止水部材を構造体と共に表した分解斜視図である。 図11に示した目地状部分の止水部材の組付けられた状態の平断面図である。 閉塞部材と規制部材とが一体構造となる変形例6に係る目地状部分の止水部材の一部斜視図を(a)に平断面図を(b)に示した図である。 閉塞部材と規制部材とが一体構造となる変形例7に係る目地状部分の止水部材の一部斜視図を(a)に平断面図を(b)に示した図である。 閉塞部材と規制部材とが一体構造となる変形例8に係る目地状部分の止水部材の一部斜視図を(a)に平断面図を(b)に示した図である。 閉塞部材と規制部材とが一体構造となる変形例9に係る目地状部分の止水部材の一部斜視図を(a)に平断面図を(b)に示した図である。 規制部材を構造体表面に構成した変形例10を(a)に変形例11を(b)に示した平断面図である。 規制部材を構造体表面に構成した変形例12を(a)に変形例13を(b)に示した平断面図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る目地状部分の止水構造に用いられる目地状部分の止水部材11を構造体13と共に表した分解斜視図である。
本実施形態に係る目地状部分の止水部材11を用いた目地状部分の止水構造は、コンクリート構造体の表面15に経年劣化などで生じたヒビ17に適用した場合の一例を説明する。目地状部分の止水部材11を用いた目地状部分の止水構造は、この他、構造体13おいて止水性能を維持したい部分、例えば、防火水槽や貯水槽などのコンクリート製水槽、コンクリート擁壁や斜面などの壁構造体等にも好適に用いることができる。
図2は図1に示した目地状部分の止水部材11の組付けられた状態の平断面図である。
本実施形態に係る目地状部分の止水部材11は、シール部材19と、閉塞部材21と、固定部材23と、を主要な構成として有する。
シール部材19は、構造体13の表面15に開口して漏水の出口となる目地状部分を包囲して環状に形成され、構造体13の表面15に密着する。ここで、「目地状部分」とは、構造体13の表面15に開口する目地25(図3)やヒビ17などの連続した線状の隙間部分を言う。本実施形態では、目地状部分が、ヒビ17である。ヒビ17からは、構造体13の表面15と反対側の背面が臨む貯水域や地山に繋がる「みずみち」を伝う漏水が流れ出る、若しくは流れ出る可能性を有している。
シール部材19は、水膨張性ゴムからなる。水膨張性ゴムの材質としては、例えばクロロプレンゴムを用いることができる。シール部材19は、リング状に形成される。シール部材19は、閉塞部材21に貼り付けてもよい。
本実施形態において、目地状部分の止水部材11は、閉塞部材21が、構造体13の表面15に沿う平らな板状部材である。すなわち、閉塞部材21が構造体13の表面15に沿う平板で形成されている。
閉塞部材21は、シール部材19を挟んで、構造体13の表面15の反対側で、シール部材19に密着する。閉塞部材21は、シール部材19より外側に張り出す周縁部27を有する。従って、閉塞部材21は、シール部材19を挟んでヒビ17を覆う。
固定部材23は、閉塞部材21の周縁部27に周方向の複数箇所で配置される。本実施形態において、固定部材23は、アンカーからなる。アンカーは、アンカー本体29と、ナット31とからなる。アンカー本体29は、構造体13の表面15に穿設された下穴33に挿入固定される。固定部材23は、一端側が構造体13に設けられた下孔に固着する。固定部材23は、他端側が周縁部27を貫通する。この固定部材23の他端側には、雄ねじ部が形成される。周縁部27を貫通した雄ねじ部には、ナット31が螺合される。これにより、固定部材23は、閉塞部材21と構造体13の表面15とでシール部材19を挟持して閉塞部材21を構造体13の表面15に固定する。
なお、アンカーは、棒芯打込み式、スリーブ打込み式、雌ねじ本体打込み式等のいずれであってもよい。棒芯打込み式、スリーブ打込み式では、予めナット31がアンカー本体29に螺合されていてもよい。雌ねじ本体打込み式では、本体打込み後、ボルトが螺合される。
閉塞部材21は、周縁部27と構造体表面15との間が、コーキング35によりさらに封止されてもよい。図2に示すように、コーキング35は、固定部材23を挟んでシール部材19の反対側の周縁部27と、表面15との間に充填、若しくは間隙を塞ぎ表出させないよに配置形成される。
以上のように構成される目地状部分の止水部材11及び目地状部分の止水構造は、固定部材23が、閉塞部材21を介してシール部材19を所定の圧力で構造体13の表面15に押し付ける。本実施形態では、固定部材23がアンカー本体29及びナット31であるから、ナット31を締め付けることにより、閉塞部材21を介してシール部材19を所定の圧力で表面15に押し付けることができる。
次に、上記した構成の作用を説明する。
本実施形態に係る目地状部分の止水部材11では、環状に形成されて構造体13に密着するシール部材19により、目地状部分が包囲される。目地状部分は、構造体13の表面15に開口する。この目地状部分は、例えばコンクリート製水槽のヒビ17等とすることができる。この他、目地状部分は、例えばコンクリート製水槽の目地25(図3)であってもよい。この場合、目地25は、貯水域と通じる経路が止水構造で水密シールされる。
シール部材19を挟んで表面15の反対側には、閉塞部材21がシール部材19に密着して設けられる。閉塞部材21は、シール部材19より外側に張り出す周縁部27を有してヒビ17を覆う。閉塞部材21の周縁部27には、周方向の複数箇所で固定部材23が配置される。固定部材23は、一端側が構造体13に固着される。固定部材23の他端側は、周縁部27を貫通して、閉塞部材21を構造体13の表面15に固定する。つまり、シール部材19は、閉塞部材21と構造体13の表面15とで挟持される。シール部材19は、閉塞部材21と構造体13の表面15とに密着することで、環状の内側に密閉空間37を形成する。構造体13は、表面15のヒビ17が、この密閉空間37に臨んで配置される。
ヒビ17は、密閉空間37に臨んで配置されるので、シール部材19の厚み分、閉塞部材21から離間して配置される。これにより、ヒビ17は、閉塞部材21により押圧されなくなる。すなわち、ヒビ17や、目地25を塞いだ既存の水密シール構造を損ねる(圧壊等する)ことがない。これに加え、新たな密閉空間37を形成し、ヒビ17や、目地25を塞いだ既存の水密シール構造にクラック等が発生した場合に生じる漏水を二重の水密シール構造より止水する作用を得ることができる。その結果、漏水をより効果的に抑制することができるようになる。
また、この目地状部分の止水部材11では、閉塞部材21が、構造体13の表面15に沿う板状部材となる。表面15に沿うとは、平坦な表面15に対して平行となる場合、凹曲面である表面15に対して湾曲面となって沿う場合の双方を含む。いずれの場合においても、閉塞部材21は、板状部材となることにより、ヒビ17を覆う止水構造を構成した際に、構造体13の表面15からの突出距離を、ブロック状の部材で形成した場合に比べ小さくすることができる。その結果、水密シール構造を薄厚にできる。
また、この目地状部分の止水部材11では、シール部材19が、密着している状態よりも大きな所定の加圧力により、構造体13の表面15及び閉塞部材21の構造体対向面39に押圧される。このシール部材19に対する所定の加圧力は、閉塞部材21を固定部材23により構造体13へ締結固定することにより得られる。シール部材19は、この所定の圧力により、弾性限度の範囲で弾性変形する。従って、シール部材19は、変形されることによって生じた内部応力(弾性復元力)により、より確実に構造体13の表面15、及び閉塞部材21の構造体対向面39に水密に密着する。その結果、構造体13の表面15に生じている凹凸を吸収して高い止水性能を得ることができる。
また、本実施形態に係る目地状部分の止水構造では、上記した目地状部分の止水部材11の作用と同様に、ヒビ17や、目地25を塞いだ既存の水密シール構造を損ねる(圧壊等する)ことがない。これに加え、新たな密閉空間37を形成し、ヒビ17や、目地25を塞いだ既存の水密シール構造にヒビ17等が発生した場合に生じる漏水を二重の水密シール構造より止水する作用を得ることができる。その結果、漏水をより効果的に抑制することができるようになる。
次に、上記した目地状部分の止水構造の変形例を説明する。
図3は目地25を覆って取り付けられた変形例1に係る目地状部分の止水構造を表す分解斜視図である。
変形例1に係る目地状部分の止水構造は、止水の対象となる目地状部分が、目地25となる。この点が上記した実施形態に係る目地状部分の止水構造と異なる。目地25は、縦目地でも横目地でもよい。例えば、図例では、コーキング35等により水密シールされた横目地に、水密シールされていない縦目地が直交する。変形例1に係る目地状部分の止水構造では、この縦方向の目地25が、目地状部分の止水部材41により覆われる。
変形例1に係る目地状部分の止水部材41は、上記した実施形態と同様のものを用いることができる。但し、閉塞部材21及びシール部材19は、目地25の長さに合わせて長尺に形成される。また、固定部材23は、長尺の閉塞部材21に応じ数が増やされる。それ以外は、上記の目地状部分の止水部材11と同一である。
図4は図3に示した目地状部分の止水構造における平断面図である。
目地25は、接続された隣接する構造体13における接続面43の表面15に表れる。接続面43は、不図示の止水構造(パッキン等)で予め水密シールされていてもよい。また、目地25には、横目地と同様に、コーキング35が充填されていてもよい。この目地状部分の止水構造は、防火水槽や貯水槽などのコンクリート製水槽、コンクリート擁壁や斜面などの壁構造体等に用いることができる。
図5はT字状のヒビ17を覆う変形例2に係る目地状部分の止水構造を表す正面図である。
変形例2に係る目地状部分の止水構造は、止水の対象となる目地状部分が、T字状のヒビ17となる。この点が上記した実施形態に係る目地状部分の止水構造と異なる。変形例1に係る目地状部分の止水構造では、このT字状のヒビ17が、目地状部分の止水部材45により覆われる。
変形例2に係る目地状部分の止水部材45は、閉塞部材47が、上記した実施形態の四角形と異なるT字形に形成されたものを用いる。また、シール部材49は、T字状のヒビ17を包囲できるT字形に形成されたものを用いる。或いは、T字形に形成された閉塞部材47の構造体対向面に環状のシール部材49をT字状に貼りつけ固定して用いてもよい。固定部材23は、T字形の閉塞部材47における周縁部27を所定間隔で固定できるように、その周長に応じ数が増やされる。それ以外は、上記の目地状部分の止水部材11と同一である。
変形例2に係る目地状部分の止水構造によれば、直線状のヒビ以外の不定形のヒビ17に対しても、漏水を二重の水密シール構造より止水する作用を得ることができる。その結果、漏水をより効果的に抑制することができる。
なお、ヒビ17の形状に合わせて閉塞部材47を成型しなくても良く、ヒビ17を包囲するようにシール部材49が配置でき、それを覆うように閉塞部材47が不定形や四角形などで構成されていれば、同様の効果を得られる。
図6はシール部材19のバリエーションを(a)(b)(c)に表した模式図である。
シール部材19は、図6(a)に示すように、水膨張性材料からなる線状部材を、断面円形状の中実の水膨張部51で形成することができる。この場合、シール部材19を安価に製造できる。
また、シール部材19は、図6(b)に示すように、水膨張性材料からなる水膨張部51と、水膨張性材料を含まない非水膨張部53と、から形成してもよい。
図6(b)に示すシール部材19は、線状部材における断面形状の外側を水膨張性材料で形成し、断面形状の内側を非水膨張部53で形成する。このような二重構造の線状部材で形成したシール部材19は、外側の水膨張性材料により止水性能が得られるとともに、内側の非水膨張部53により長手方向の膨張が規制される。これにより、シール部材19は、位置ずれを抑制して、周方向に膨張することが可能となり、構造体13の表面15及び閉塞部材21に確実に密着し、良好な止水性能を得ることができる。その結果、シール部材19の位置ずれを規制しながら、高い止水性能を得ることができる。
図6(c)に示すように、線状部材は、図9(b)に示した非水膨張部53に中空部55を設けてもよい。
図7はシール部材19の他のバリエーションを(a)(b)(c)(d)(e)に表した模式図である。
また、図7(a)に示すシール部材19は、線状部材における断面形状の外側を水膨張部51で形成し、断面形状の内側を非水膨張部53で形成する。非水膨張部53には、中空部55を設ける。中空部55の内周面には、スプライン状の複数の凹凸部57を形成する。また、外側の水膨張部51には、線状部材の延在方向に沿う凸条59(リップ)を、線状部材の円周方向に複数等間隔で設けてもよい。
図7(a)に示すシール部材19によれば、閉塞部材21と表面15とで挟まれ、線状部材が半径方向内側に圧縮された際、中空部55の凹凸部57が噛み合い、線状部材の捩れを抑制できる。また、凸条59が閉塞部材21や表面15に密着し、リップとして作用するので、複数段の止水構造を形成することができる。これにより、より高い止水性能を得ることができる。
この他、シール部材19は、図7(b)(c)(d)(e)に示すように、線状部材の断面形状を四角形、台形、六角形、蒲鉾形とすることができる。これらの形状では、特に閉塞部材21との接着面を大きく確保することが容易となる。このため、特にシール部材19を閉塞部材に接着する場合に好適となる。
図8は四角枠状の目地25を覆う変形例3に係る目地状部分の止水構造を表す分解斜視図である。
変形例3に係る目地状部分の止水構造は、止水の対象となる目地状部分が、四角形の目地25となる。つまり、目地25が閉じた形状となる。目地25は、四角形以外の多角形、例えば三角形、五角形、六角形、八角形や、円形、長円形、楕円形等であってもよい。さらに、目地25は、開いた形状、例えばC字形状であってもよい。変形例3に係る目地状部分の止水構造では、この四角形の目地25が、目地状部分の止水部材61により覆われる。
変形例3に係る目地状部分の止水部材61は、内側シール部材63と、外側シール部材65と、を有する。本変形例では、四角形の目地25が、略正方形となる。内側シール部材63と外側シール部材65とは、同心状で構造体13の表面15に密着した際に、相互の間隙に目地25を配置する。つまり、構造体13の表面15に開放した四角形の目地25は、内側に内側シール部材63、外側に外側シール部材65が配置される。
そして、構造体13の表面15に密着した内側シール部材63及び外側シール部材65には、外側シール部材65の外形より周縁部27の分大きい四角形の閉塞部材67が密着する。固定部材23は、内側シール部材63の内側、外側シール部材65の外側(すなわち、周縁部27)に設けられる。閉塞部材67は、周縁部27と表面15との間が、コーキング35によりさらに封止されてもよい。
図9は図8に示した目地状部分の止水構造における左縦辺部近傍の平断面図である。
目地状部分の止水部材61は、内側シール部材63と外側シール部材65に、閉塞部材67が密着することにより、構造体13の表面15、内側シール部材63、外側シール部材65及び閉塞部材67に囲まれた環状の密閉空間37を形成する。四角形の目地25は、この環状の密閉空間37に臨んで配置される。
また、この目地状部分の止水部材61は、閉塞部材67が、内側シール部材63、外側シール部材65の挟持方向における一部分を受け入れる溝部69を有する。
従って、それぞれの溝部69も四角形の環状に形成される。挟持方向における一部分とは、内側シール部材63及び外側シール部材65を形成している線状部材の断面形状における一部分である。つまり、溝部69に受け入れられたシール部材は、一部分を除く他部分が、閉塞部材67の構造体対向面39から構造体13の表面15に向かって突出する。この突出部分が、弾性変形可能な部分となる。弾性変形したシール部材は、弾性復元力が、溝部69や、構造体13の表面15への密着力となる。
内側シール部材63、外側シール部材65は、溝部69に接着等して固定しておくことが好ましい。この場合、内側シール部材63及び外側シール部材65は、目地状部分の止水部材11は、内側シール部材63、外側シール部材65を予め溝部69に固定しておくことにより、位置ずれを生じにくくすることができる。また、搬送や設置時の作業性を良好にできる。その結果、内側シール部材63、外側シール部材65が位置ずれすることによる止水性能の低下を防止できる。
図10は構造体13の稜線部を覆う変形例4に係る目地状部分の止水構造を表す平断面図である。
変形例4に係る目地状部分の止水構造は、止水の対象となる目地状部分が、構造体13の稜線部分における目地25となる。目地25は、縦目地でも横目地でもよい。変形例4に係る目地状部分の止水構造では、この稜線部分の目地25が、目地状部分の止水部材71により覆われる。
変形例4に係る目地状部分の止水部材71は、閉塞部材73が山形に折り曲げられた屈曲プレートで形成される。また、固定部材23は、閉塞部材73の周縁部27に垂直な方向でそれぞれが構造体13に固定される。
目地25は、接続された隣接する構造体13における接続面43の表面15に表れる。それぞれの構造体13の表面15は、出隅部となって交わる。構造体13の接続面43は、不図示の止水構造(パッキン等)で予め水密シールされていてもよい。また、目地25には、コーキング35が充填されていてもよい。この目地状部分の止水構造は、防火水槽や貯水槽などのコンクリート製水槽、コンクリート擁壁や斜面などの壁構造体等に用いることができる。
目地状部分の止水部材71は、閉塞部材73が、出隅部の表面15に沿う形状に塑性変形可能な成形材料からなっていてもよい。
この場合、成形材料は、成形材料が取り付けられる面、すなわち、構造体13における出隅部の表面15などに合わせ、施工現場にて曲げ加工を行って使用する。
成形材料としては、例えば剛性の高い金属板が挙げられる。金属板の素材としては、例えば防錆性、防食性の高いSUSが挙げられる。曲げ加工は、例えばローラーを用いた冷間曲げ加工とすることができる。その結果、内側シール部材63及び外側シール部材65の変形量を全周囲で均等にでき、安定した止水性能を得ることができる。
また、目地状部分の止水部材71は、閉塞部材73の少なくとも構造体対向面39が、出隅部の表面15に沿う形状に予め成形されていてもよい。
この場合、内側シール部材63及び外側シール部材65を挟持する構造体13の表面15と、閉塞部材73の構造体対向面39との距離が、内側シール部材63及び外側シール部材65の全周囲においてほぼ同一となる。これにより、閉塞部材73と構造体13の表面15との間で内側シール部材63及び外側シール部材65を変形させる際の圧縮率を内側シール部材63及び外側シール部材65の全周囲でほぼ均等にすることができる。その結果、安定した止水性能を得ることができるとともに、予め表面15に沿う形状に成形されているので、現場での施工性を高めることができる。
図11は規制部材を具備する変形例5に係る目地状部分の止水構造に用いられる目地状部分の止水部材を構造体と共に表した分解斜視図、図12は図11に示した目地状部分の止水部材の組付けられた状態の平断面図である。
変形例5に係る目地状部分の止水部材81は、規制部材83を具備する。
この目地状部分の止水部材81では、閉塞部材85が平板よりなり、閉塞部材85と構造体13の表面15との間に規制部材83を介設する。
規制部材83は、例えば長円形の平板材に長円形の貫通部分をくり抜き形成した無端環状に形成されており、貫通部分の内径が、シール部材19を内装する径、或いはシール部材19の外径とほぼ同じになるよう設定され、また、厚みをシール部材19の直径よりも小さく設定し、且つこのシール部材19を圧縮した際、すなわち止水性能を得られる状態での圧縮方向の径よりも小さい値として形成され、図12に示すように断面矩形状で、この断面形状が連続する環状の部材とされる。
この目地状部分の止水部材81によれば、規制部材83がシール部材19の外周にシール部材19を取り囲むように位置し、閉塞部材105と構造体13の表面15との間でシール部材19とともに挟持状態となる。すなわち、シール部材19は、環状の規制部材83の内側に位置する。
この状態でシール部材19は閉塞部材85と構造体13の表面15とに密着し、漏水を抑制することとなり、この漏水によってシール部材19が膨張した際には、径の外方への膨張変形が起こっても、規制部材83により閉塞部材85と表面15との間を面に沿って膨張変形してしまうことを抑え、すなわち、閉塞部材85の面と構造体表面15と規制部材83の内径側とで三方向をシール部材19が囲まれていることとなり、規制部材83の内側、つまり密閉空間37内方向での膨張となって三方向の各面に対して確実に密着して目地状部分を包囲してシール性を向上でき、漏水をより効果的に抑制することができることとなる。
なお、図12(a)に示した平断面図は、目地状部分として構造体13の表面15生じたヒビ17を表した図であり、図12(b)に示した平断面図は、目地状部分として構造体13の表面15に目地25を表した図である。いずれもシール部材19がこれら目地状部分であるヒビ17や目地25を包囲し、シール部材19は規制部材83の内側となり、閉塞部材85で覆われることとなる。また、図12(a),(b)に示すように、ナット31を覆う樹脂キャップ32が設けられることで、金属製のナット45の防錆効果を得られる。
図13は閉塞部材と規制部材とが一体構造となる変形例6に係る目地状部分の止水部材の一部斜視図を(a)に平断面図を(b)に示した図である。
変形例6に係る目地状部分の止水部材91は、規制部材93が閉塞部材95と一体に構成されている。
図13(a)に示すように、閉塞部材95の構造体表面15に対向する面39には、規制部材としての規制部93が突設される。規制部93は、板面に対して畦状に突出し、長円形の無端環状に形成される。規制部93の内径は、シール部材19の外径より大きく、或いは同等に設定されて形成され、規制部93の内側にシール部材19が収容状態となる。また、規制部93の高さ(厚み)は、シール部材19が圧縮された状態での厚みよりも小さく設定され、シール部材19の構造体表面15への密着を妨げないようになっている。
この目地状部分の止水部材91によれば、上記変形例5と同様に、シール部材19は閉塞部材95と構造体13の表面15とに密着し、漏水を抑制することとなり、この漏水によってシール部材19が膨張した際には、径の外方への膨張変形が起こっても、規制部93により閉塞部材95と表面15との間を面に沿って膨張変形してしまうことを抑え、すなわち、閉塞部材95の面と構造体表面15と規制部93の内径側とで三方向をシール部材19が囲まれていることとなり、規制部93の内側、つまり密閉空間37内(図12参照)での膨張となって三方向の各面に対して確実に密着し、ヒビ17を包囲してシール性を向上でき、漏水をより効果的に抑制することができることとなる。
また、この目地状部分の止水部材91によれば、閉塞部材95と規制部93とが一体構造であることで、取り扱いが容易となり、さらには、規制部93の内側に予めシール部材19を取り付けておくこと、例えば規制部93の内側における閉塞部材板面39に接着剤などでシール部材19を固定することが可能となる。このように予め固定させておくことで、さらに取り扱いが容易となるもので、構造体13への装着時にシール部材19を脱落させてしまうことなく、作業を簡便にすることが可能となる。
図14は閉塞部材と規制部材とが一体構造となる変形例7に係る目地状部分の止水部材の一部斜視図を(a)に平断面図を(b)に示した図である。
変形例7に係る目地状部分の止水部材101は、図14(a)に示すように、閉塞部材103を厚みのある板材で構成し、構造体表面15に対向する面に円形の凹部105を形成して、この凹部105の内周面部分を規制部材としての規制部107として構成している。
規制部107は、内径がシール部材19の外径より大きく、或いは同等に設定されて形成され、規制部107の内側にシール部材19が収容状態となる。また、規制部107の高さは、シール部材19が圧縮された状態での厚みよりも小さく設定され、シール部材19の構造体表面15への密着を妨げないようになっている。
この目地状部分の止水部材101によれば、上記変形例6と同様に、シール部材19は閉塞部材103と構造体13の表面15とに密着し、漏水を抑制することとなり、この漏水によってシール部材19が径の外方への膨張変形が起こっても、閉塞部材103の板面と構造体表面15と規制部107の内径側とで三方向をシール部材19が囲まれていることとなり、規制部107の内側、つまり密閉空間37内(図12参照)での膨張となって三方向の各面に対して確実に密着しヒビ17を包囲してシール性を向上でき、漏水をより効果的に抑制することができることとなる。
また、この目地状部分の止水部材101によれば、閉塞部材103と規制部107とが一体構造であることで、取り扱いが容易となり、さらには、規制部107の内側に予めシール部材19を取り付けておくことが可能となる。また、閉塞部材103が全体に厚みを持った構成であり、剛性が向上し、固定部材23の貫通状態が増し、安定して支持される。このように予め固定させておくことで、さらに取り扱いが容易となるもので、構造体13への装着時にシール部材19を脱落させてしまうことなく、作業を簡便にすることが可能となる。
図15は閉塞部材と規制部材とが一体構造となる変形例8に係る目地状部分の止水部材の一部斜視図を(a)に平断面図を(b)に示した図である。
変形例8に係る目地状部分の止水部材111は、図15(a)に示すように、閉塞部材113の構造体表面15に対向する面に無端環状の突条を形成し、この突条を規制部材としての規制部115として構成するとともに、規制部115の内側に規制部115に沿って溝部117が形成されている。
この目地状部分の止水部材111では、閉塞部材113の構造体対向面に、環状のシール部材19の挟持方向における一部分を受け入れる環状の溝部117が形成される。溝部115の外周には規制部115が突条状に形成され、規制部115も環状とされて、この規制部115の内側面と溝部117の内面が連続して形成される。図15(b)に示すように、溝部117を形成するために、この溝部117よりも内側となる閉塞部材113としての厚みを周縁部119よりも厚く設定しており、溝部117の深さはシール部材19の一部分が受け入れられ、また、溝部117の周囲に規制部115が突出するように形成される。規制部115は、内径がシール部材19の外径より大きく、或いは同等に設定されて形成され、規制部115の内側にシール部材19が収容状態となる。また、規制部115の高さは、シール部材19が圧縮された状態での厚みよりも小さく設定され、シール部材19の構造体表面15への密着を妨げないようになっている。
この目地状部分の止水部材111によれば、上記変形例6,7と同様に、シール部材19は閉塞部材113と構造体13の表面15とに密着し、漏水を抑制することとなり、この漏水によってシール部材19が径の外方への膨張変形が起こっても、閉塞部材113の溝部119と構造体表面15と規制部115の内径側とで三方向をシール部材19が囲まれていることとなり、規制部115の内側、つまり密閉空間37内(図12参照)での膨張となって三方向の各面に対して確実に密着してシール性を向上でき、ヒビ17を包囲して漏水をより効果的に抑制することができることとなる。
また、この目地状部分の止水部材111によれば、閉塞部材113と規制部115とが一体構造であることで、取り扱いが容易となり、さらには、規制部115の内側において、溝部117内に予めシール部材19を取り付けておくことが可能となる。シール部材19は、溝部117に接着等して固定することとしてもよい。このように予め固定させておくことで、さらに取り扱いが容易となるもので、構造体13への装着時にシール部材19の位置ズレの防止や脱落させてしまうことなく、作業の煩雑さを低減させることが可能となる。また、シール部材19の位置ズレを防ぐことで止水性能の低下を防止できる。
図16は閉塞部材と規制部材とが一体構造となる変形例9に係る目地状部分の止水部材の一部斜視図を(a)に平断面図を(b)に示した図である。
変形例9に係る目地状部分の止水部材121は、上述した変形例7の目地状部分の止水部材101と変形例8の目地状部分の止水部材111とを合わせた構成とされ、閉塞部材123を厚みのある板材で構成し、構造体表面15に対向する面に円形の凹部を形成して、この凹部の内周面部分を規制部材としての規制部125として構成し、凹部内となる規制部125の内側に規制部125に沿って溝部127が形成された構成となっている。
この目地状部分の止水部材121では、規制部125が、内径がシール部材19の外径より大きく、或いは同等に設定されて形成され、規制部125の内側にシール部材19が収容状態となる。規制部125の高さは、シール部材19が圧縮された状態での厚みよりも小さく設定され、シール部材19の構造体表面15への密着を妨げないようになっている。また、規制部125の内側となる閉塞部材123の構造体対向面には、環状のシール部材19の挟持方向における一部分を受け入れる環状の溝部127が形成される。溝部127の外周に位置する規制部125は、その内側面と溝部127の内面が連続して形成される。図16(b)に示すように、溝部127を形成するために、この溝部127よりも内側となる閉塞部材123の厚みをやや厚く設定しており、溝部127の深さはシール部材19の一部分が受け入れられ、また、溝部127の周囲に規制部125が囲むように形成される。規制部125は、内径がシール部材19の外径より大きく、或いは同等に設定されて形成され、規制部125の内側にシール部材19が収容状態となり、また、規制部125の溝部127からの高さは、シール部材19が圧縮された状態での厚みよりも小さく設定され、シール部材19の構造体表面15への密着を妨げないようになっている。
この目地状部分の止水部材121によれば、上記変形例8と同様に、シール部材19は閉塞部材123と構造体13の表面15とに密着し、漏水を抑制することとなり、この漏水によってシール部材19が径の外方への膨張変形が起こっても、閉塞部材123の溝部127と構造体表面15と規制部125の内径側とで三方向をシール部材19が囲まれていることとなり、規制部125の内側、つまり密閉空間37内(図10参照)での膨張となって三方向の各面に対して確実に密着しヒビ17を包囲してシール性を向上でき、漏水をより効果的に抑制することができることとなる。
また、この目地状部分の止水部材121によれば、閉塞部材123と規制部125とが一体構造であることで、取り扱いが容易となり、さらには、規制部125の内側において、溝部127内に予めシール部材19を取り付けておくことが可能となる。シール部材19は、溝部127に接着等して固定することとしてもよい。このように予め固定させておくことで、さらに取り扱いが容易となるもので、構造体13への装着時にシール部材19の位置ズレの防止や脱落させてしまうことなく、作業の煩雑さを低減させることが可能となる。また、シール部材19の位置ズレを防ぐことで止水性能の低下を防止できる。また、閉塞部材123の周縁部129を厚みのある構成としたことで、剛性が向上し、固定部材23の貫通状態が増し、安定して支持される。
なお、上記した変形例6~9では、構造体13にヒビ17が生じている場合について図示し説明したが、上述した変形例1のような目地25に対しても同様に構成でき、上記同様の効果、すなわち、環状のシール部材19が目地25を包囲して漏水を抑制することができる効果を得られる。
図17は規制部材を構造体表面に構成した変形例10を(a)に変形例11を(b)に示した平断面図である。
上述した変形例6~9においては、規制部材(93,107,115,125)を閉塞部材(95,103,113,123)と一体に構成した例として示したが、規制部材を構造体13の表面15に構成させ、すなわち構造体13と一体構造としてもよい。
変形例10に係る目地状部分の止水部材131では、図17(a)に示すように、構造体13の表面15に開口する目地25の周囲を囲むように、規制部材としての規制部133が畦状に形成される。規制部133は、無端環状或いは枠状,額縁状に形成されており、目地25の周囲において、目地25より外側に位置して構造体表面15から突出するように設けられる。目地25の周囲は、シール部材19が密着する面とされ、シール部材19の内径が目地25の長さよりも十分に大きく設定され、目地25を囲むようにシール部材19が配置され、シール部材19の外径よりも大きい内径となるように規制部133が形成され、規制部133の内側にシール部材19が収容状態となる。規制部133の高さ(厚み)は、シール部材19が圧縮された状態での厚みよりも小さく設定される。また、この変形例10においては、閉塞部材135は平板状に形成される。
この目地状部分の止水部材131によれば、上記変形例6と同様に、シール部材19は閉塞部材135と構造体13の表面15とに密着し、漏水を抑制することとなり、この漏水によってシール部材19が膨張した際には、径の外方への膨張変形が起こっても、規制部133により閉塞部材135と表面15との間を面に沿って膨張変形してしまうことを抑え、すなわち、閉塞部材135の面と構造体表面15と規制部133の内径側とで三方向をシール部材19が囲まれていることとなり、規制部133の内側、つまり密閉空間37内(図12参照)での膨張となって三方向の各面に対して確実に密着し、目地25を包囲してシール性を向上でき、漏水をより効果的に抑制することができることとなる。
また、この目地状部分の止水部材141によれば、構造体13と規制部133とが一体構造であることで、規制部133の内側に予めシール部材19を取り付けておくこと、例えば規制部133の内側における構造体表面15に接着剤などでシール部材19を固定することが可能となる。このように予め固定させておくことで、シール部材19の脱落を防ぎ、作業性を低下させることがなく、また、シール部材19の位置ズレを防ぐことが可能となる。
変形例11に係る目地状部分の止水部材141では、図17(b)に示すように、変形例10と同様、構造体13の表面15に開口する目地25の周囲を囲むように、規制部材としての規制部143が形成される。この変形例11においては、上述した変形例7と同様に、構造体表面15の目地25周囲に凹部145が形成され、この凹部145の内周面を規制部143としている。
凹部145は、目地25の周囲に形成され、シール部材19の挟持方向における一部分を受け入れる深さで形成される。この凹部145内にてシール部材19が密着する面とされ、目地25を囲むようにシール部材19が配置され、シール部材19の外径よりも大きい内径となるように規制部143が配置され、シール部材19が収容状態となる。凹部145の深さである規制部143の高さは、シール部材19が圧縮された状態での厚みよりも小さく設定される。また、この変形例11においては、閉塞部材147は平板状に形成される。
この目地状部分の止水部材141によれば、シール部材19は閉塞部材147と構造体13とに密着し、漏水を抑制することとなり、この漏水によってシール部材19が径の外方への膨張変形が起こっても、閉塞部材147の面と構造体表面15の凹部145と規制部143の内径側とで三方向をシール部材19が囲まれていることとなり、規制部143の内側、つまり密閉空間37内(図12参照)での膨張となって三方向の各面に対して確実に密着し目地25を包囲してシール性を向上でき、漏水をより効果的に抑制することができることとなる。
また、この目地状部分の止水部材141によれば、構造体13と規制部143とが一体構造であることで、規制部143の内側に予めシール部材19を取り付けておくこと、例えば接着剤などでシール部材19を固定することが可能となる。このように予め固定させておくことで、シール部材19の脱落を防ぎ、作業性を低下させることがなく、また、シール部材19の位置ズレを防ぐことが可能となる。
このように構成された変形例10と変形例11においては、構造体13の表面15に規制部133,143が形成されることで、閉塞部材135,147は平板で構成でき、部材としての加工が少なく、目地状部分の止水部材131,141として簡素な構成とすることが可能となる。
なお、上述した変形例5~11における規制部材(規制部)は、それぞれ環状に形成されシール部材19を囲むように連続した構成とされた例を述べたが、この規制部材(規制部)は、シール部材19を囲み、周方向に断続して形成される構成としてもよい。すなわち、規制部材或いは規制部の形状として、閉塞部材と構造体の表面との間において駒状に断続して配置される、或いは断続して形成されるような構成としてもよく、シール部材19の外方向への膨張を規制するように、閉塞部材と構造体表面との間隙部分に設けられることとする。このような構成であっても、上記同様に、シール部材19が膨張変形した際に、径の外方への変形を抑え、漏水を抑制することができる。
図18は規制部材を構造体表面に構成した変形例12を(a)に変形例13を(b)に示した平断面図である。
構造体13の表面15に経年劣化などで生じたヒビ17に対して止水構造を構成させる例として、ヒビ17の周囲をはつり、上述した変形例11と同様な凹部を形成して、この凹部の内周面を規制部として構成させて得ることとしても良い。
変形例12に係る目地状部分の止水部材151は、図18(a)に示すように、ヒビ17の生じた構造体13に、ヒビ17の周囲をはつり凹部153を形成し、この凹部153の内周面を規制部155とする。この規制部155の内側にシール部材19を嵌め込み、さらに平板状の閉塞部材157にて覆い固定部材23にて固定することで、シール部材19を圧縮して密着させる。なお、図18(a)に示すように、凹部153の周囲に、閉塞部材157が嵌入できる段部159を形成し、閉塞部材157の表面と構造体表面15とを面一とするよう構成してもよく、このような構成とすることで止水構造を目立たなくすることが可能となる。
また、変形例13に係る目地状部分の止水部材161は、図18(b)に示すように、閉塞部材163を上述した変形例7のように厚みのある板材で構成して、構造体13に対向する面に円形の凹部165を形成して、この凹部165の内周面部分を規制部材としての規制部167として構成している。そして、ヒビ17の生じた構造体13には、ヒビ17の周囲をはつり嵌入凹部169が切削形成される。嵌入凹部169は、閉塞部材163を収容できる大きさとされる。
この変形例12,13に係る目地状部分の止水部材151,161によれば、構造体13に生じたヒビ17に対してシール部材19にて止水する作用を得られるもので、構造体13の補修として、ヒビ17の周囲を切削し凹部を形成させることが可能な場合に有効である。また、規制部155,167によってシール部材19の脱落などを防ぐことが可能となり、作業性が良好となる。
従って、本実施形態に係る目地状部分の止水部材11,41,45,61,71,81,91,101,111,121,131,141,151,161及び目地状部分の止水構造によれば、従来構造に比べさらに高い止水性能を得ることができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、実施形態の各構成を相互に組み合わせることや、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者が変更、応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。例えば上記の構成例では、閉塞部材が板状部材である例を説明したが、閉塞部材は、ブロック状のものであってもよい。また、閉塞部材に形成される固定部材のための貫通穴については、図示の通りに穴形状であってもよく、或いは外縁に開放するU字形の切欠状であってもよい。
11,41,45,61,71,81,91,101,111,121,131,141,151,161…止水部材
13…構造体
15…表面
17…目地状部分(ヒビ)
19…シール部材
21,47,67,73,85,95,103,113,123,135,147,157,163…閉塞部材
23…固定部材
25…目地状部分(目地)
27…周縁部
39…構造体対向面
51…水膨張部
53…非水膨張部
69…溝部
83…規制部材
93,107,115,125,133,143,155,167…規制部(規制部材)
117,127…溝部

Claims (12)

  1. 構造体の表面に、目地やヒビなどの連続した線状の隙間部分となって開口する目地状部分を包囲して環状に形成され、前記表面に密着するシール部材と、
    前記シール部材を挟んで前記表面の反対側で前記シール部材に密着し、前記シール部材より外側に張り出す周縁部を有して前記目地状部分を覆う閉塞部材と、
    前記閉塞部材の前記周縁部に周方向の複数箇所で配置されて一端側が前記構造体に固着し、他端側が前記周縁部を貫通して前記閉塞部材と前記表面とで前記シール部材を挟持して前記閉塞部材を前記表面に固定する固定部材と、
    を具備することを特徴とする目地状部分の止水部材。
  2. 前記シール部材が、
    水膨張性材料からなる水膨張部と、
    前記水膨張性材料を含まない非水膨張部と、からなることを特徴とする請求項1に記載の目地状部分の止水部材。
  3. 前記閉塞部材が、前記表面に沿う板状部材であることを特徴とする請求項1または2に記載の目地状部分の止水部材。
  4. 前記閉塞部材が、前記シール部材の挟持方向における一部分を受け入れる溝部を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の目地状部分の止水部材。
  5. 前記固定部材が、前記閉塞部材を介して前記シール部材を所定の圧力で前記表面に押し付けることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の目地状部分の止水部材。
  6. 前記閉塞部材が、前記表面に沿う形状に塑性変形可能な成形材料からなることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の目地状部分の止水部材。
  7. 前記閉塞部材の少なくとも構造体対向面が、前記表面に沿う形状に予め成形されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の目地状部分の止水部材。
  8. 前記シール部材の外周に位置するとともに、前記閉塞部材と前記表面との間に介設される規制部材が設けられることを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載の目地状部分の止水部材。
  9. 前記規制部材が、前記シール部材の外周において、該シール部材を囲むように連続した環状に形成されていることを特徴とする請求項8記載の目地状部分の止水部材。
  10. 前記規制部材が、前記シール部材の外周において、該シール部材を囲み周方向に断続して形成されていることを特徴とする請求項8記載の目地状部分の止水部材。
  11. 前記規制部材が、前記閉塞部材と一体とされ、該閉塞部材の構造体対向面に突条状に形成されていることを特徴とする請求項9または10記載の目地状部分の止水部材。
  12. 構造体と、
    前記構造体の表面に、目地やヒビなどの連続した線状の隙間部分となって開口する目地状部分と、
    前記目地状部分を包囲して環状に形成され前記表面に密着するシール部材と、
    前記シール部材を挟んで前記表面の反対側で前記シール部材に密着し前記シール部材より外側に張り出す周縁部を有して前記目地状部分を覆う閉塞部材と、
    前記閉塞部材の前記周縁部に周方向の複数箇所で配置され一端側が前記構造体に固着し、他端側が前記周縁部を貫通して前記閉塞部材と前記表面とで前記シール部材を挟持して前記閉塞部材を前記表面に固定する固定部材と、
    を具備することを特徴とする目地状部分の止水構造。
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