JPH1036414A - 共重合体ラテックス - Google Patents

共重合体ラテックス

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JPH1036414A
JPH1036414A JP18741596A JP18741596A JPH1036414A JP H1036414 A JPH1036414 A JP H1036414A JP 18741596 A JP18741596 A JP 18741596A JP 18741596 A JP18741596 A JP 18741596A JP H1036414 A JPH1036414 A JP H1036414A
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邦夫 直井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着強度が優れ、耐ブリスター性のバランス
の良い共重合体ラテックスを提供する。 【解決手段】 α−MSDの添加速度を非連続的に増大
させ、その速度差が0.3部/時以上であり、その後に
単量体100重量部に対して0.2〜3重量部のα−M
SDを、0.3部/時以上で2時間以内に添加、乳化重
合して得られるジエン系共重合体ラテックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジエン系共重合体
ラテックスに関し、さらには紙塗工用途などに用いられ
る接着剤として、優れた強度を示しかつブリスター性の
バランスも良い共重合体ラテックスに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】共役ジエン系単量体、エチレン系不飽和
カルボン酸などからなる単量体混合物を乳化重合して得
られる共重合体ラテックスは、接着剤として広い用途に
用いられている。その中でも特に代表的な用途の例とし
て、塗工紙分野をあげることができる。
【0003】塗工紙は、印刷適性の向上および光沢など
の光学的特性の向上を目的として、原紙の表面に、カオ
リンクレー、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タル
ク、酸化チタンなどの顔料が塗布されたものだが、それ
らの接着剤として共重合体ラテックスが単独で、あるい
は補助バインダーとしてのスターチ、カゼイン、ポリビ
ニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水
溶性高分子とともに用いられる。
【0004】近年、出版用あるいは包装用として大量の
塗工紙が使用されている。塗工紙の多くはオフセット輪
転印刷によって行われているが、需要の拡大、生産コス
トの削減などの理由から高速印刷の傾向がますます強ま
っている。そのために塗工紙の品質に対する要求水準も
ますます高度化していて、表面強度、耐水強度、耐ブリ
スター性、印刷光沢等の向上が強く求められている。こ
のような品質は顔料の接着剤として用いられる共重合体
ラテックスの設計に依存するが、ラテックスに対しては
特に接着強度の向上が求められている。また、オフセッ
ト輪転印刷用塗工紙に用いられる共重合体ラテックスに
は、耐ブリスター性と接着強度の高バランス化が強く求
められている。
【0005】これまで、ラテックスについては様々な検
討がなされてきたが、中でもラテックスのゲル分率、す
なわちラテックスを乾燥して形成させた皮膜のトルエ
ン、テトラヒドロフランなどの溶剤に対する不溶解部分
の割合が接着強度と耐ブリスター性の支配因子であるこ
とが確認されていることから、この面よりいろいろの検
討がなされてきた。具体的にはラテックス中の共重合体
の組成及びゲル分率を特定の範囲に調整する方法が提案
されている(特公昭59−3598号、特公昭60−1
7879号、特開昭58−4894号公報)。
【0006】ラテックスのゲル分率は単量体組成、重合
温度をはじめとした様々な重合因子によって変化する
が、連鎖移動剤の添加により所望の水準に調整すること
が一般的かつ簡便な方法である。ところが、単に連鎖移
動剤の添加量を増やしてゲル分率を低下させると、耐ブ
リスター性は向上するが接着強度の低下を招くことにな
る。このような逆バランスを解消すべく、特公平3−4
2360号公報には連鎖移動剤の添加方法について検討
がなされている。すなわち単位時間当たりに添加される
単量体混合物に対する連鎖移動剤の量を連続的に変化す
るように添加する方法が提案されている。
【0007】また、特開平3−109561号公報には
連鎖移動剤としてα−メチルスチレンダイマーを用いる
方法、および連続的に添加される単量体混合物とα−メ
チルスチレンダイマーとの単位時間当たりの重量比を連
続的に変化させる方法が提案されている。しかしなが
ら、共重合体ラテックスの接着強度を高い水準にまで向
上させるには、前記技術はいずれも十分に満足しうるも
のではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、接着剤とし
て紙塗工に用いた場合に接着強度が優れ、かつブリスタ
ー性のバランスの良い共重合体ラテックスを提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく共重合体ラテックスの製造方法について種
々検討を行った結果、重合開始後、反応器中へのα−メ
チルスチレンダイマーの添加速度を非連続的に増大さ
せ、さらにその後、α−メチルスチレンダイマーを一定
の速度以上で一定の時間以内に添加することにより、前
記の目的が達せられることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0010】すなわち、本発明の第1は、(a)共役ジ
エン系単量体20〜70重量%、(b)エチレン系不飽
和カルボン酸単量体0.5〜10重量%、(c)その他
の共重合可能なビニル系単量体20〜79.5重量%か
らなる単量体混合物100重量部をα−メチルスチレン
ダイマーの存在下に乳化重合してジエン系共重合体ラテ
ックスを製造するにあたり、次に示す二つの条件
(1)、(2)を満たす製造方法で製造される共重合体
ラテックスである。 (1)α−メチルスチレンダイマーの添加速度が非連続
的に増大する重合工程を含み、該工程の前後におけるα
−メチルスチレンダイマーの添加速度の差が、単位時間
当たり0.3部以上。 (2)α−メチルスチレンダイマーの添加速度が非連続
的に増大した後の重合工程において、全単量体混合物1
00重量部に対して0.2〜3重量部のα−メチルスチ
レンダイマーを、単位時間当り0.3重量部以上の添加
速度で2時間以内に添加する工程を含んでいること。
【0011】また、本発明の第2は、顔料および共重合
体ラテックスを含有する紙塗工用組成物において、該共
重合体ラテックスとして発明の第1に記載の共重合体ラ
テックスを用いる紙塗工用組成物である。以下、本発明
を詳細に説明する。本発明で用いる(a)共役ジエン系
単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン、2−
クロロ−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。これら
の共役ジエン系単量体は、1種あるいは2種以上を組み
合わせてもよく、また、その使用量は20〜70重量
%、好ましくは凝集力の点から25〜60重量%の範囲
で選ばれる。この使用量が20重量%未満では得られる
重合体が脆すぎるし、70重量%を越えると柔らかす
ぎ、いずれの場合も強度が不足する。
【0012】本発明で用いる(b)エチレン系不飽和カ
ルボン酸単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン
酸などが挙げられる。これらのカルボン酸は1種あるい
は2種以上を組み合わせても良く、その使用量は、0.
5〜10重量%、好ましくは1〜7重量%の範囲で選ば
れる。この量が0.5重量%未満では、ラテックスの分
散安定性が十分ではなく、塗工液調整や塗工時において
種々の問題が生じ、かつ強度も不足する。10重量%を
越えるとラテックスや塗工液の粘度が高くなりすぎ好ま
しくない。
【0013】本発明で用いる(c)その他の共重合可能
なビニル系単量体としては、スチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエン、P−メチルスチレンなどの芳香
族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、α−クロルアクリロニトリルなどのシアン化ビニ
ル系単量体、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド、N−メチルアクリルアミ
ド、N−メチルメタクリルアミドなどのN−モノアルキ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなどのN,
N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、グリシジルメ
タクリルアミドなどのアミド基含有エチレン系単量体、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸メチル、アクリル酸2−ヒドロキシエ
チル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸グ
リシジルなどのアクリル酸あるいはメタクリル酸のアル
キルエステル類、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエ
ステル類、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、アミ
ノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレ
ートなどのエチレン性アミン類、スチレンスルホン酸ナ
トリウムなどを挙げる事ができる。
【0014】これらの共重合可能な単量体は1種用いて
も良いし、2種以上組み合わせても良い。また、その使
用量は20〜79.5重量%、好ましくは25〜70重
量%の範囲で選ばれる。この使用量が20重量%未満、
または79.5重量%を超えると塗工紙の表面強度が劣
り好ましくない。本発明の特徴は、α−メチルスチレン
ダイマーの添加方法にある。すなわち、重合開始後、重
合器へのα−メチルスチレンダイマーの添加速度が実質
的に非連続的に増大する工程を含み、その工程の前後に
おけるα−メチルスチレンダイマーの添加速度の差が、
単位時間当たり0.3部以上であることが重要であり、
これにより接着強度の優れる共重合体ラテックスを得る
ことができる。全重合工程においてα−メチルスチレン
ダイマーの添加速度が一定であったり、または添加速度
が連続的に増大する工程のみを含んでいたり、あるいは
非連続的に増大してもその添加速度の差が単位時間当た
り0.3部未満では、本発明の効果が得られず、優れた
接着強度が発現しない。なお、非連続的に増大する工程
の前後におけるα−メチルスチレンダイマーの添加速度
自体は、一定であっても良いし、連続的に変化しても良
い。非連続的に増大する直前の添加速度がゼロであって
も構わない。
【0015】本発明にいう非連続的に増大する工程の判
定は次のように行う。重合工程における任意の時刻tの
前後でα−メチルスチレンダイマーの添加速度が異なる
場合であって、それぞれの添加速度自体が一定の場合に
は、該時刻tの後の添加速度から該時刻tの前の添加速
度を減じ、その値が0.3部/時以上であれば良い。好
ましくは0.4部/時以上、さらに好ましくは0.5部
/時以上である。
【0016】実際の製造工程においては、添加速度を時
刻tに瞬間的に変化させる場合に加え、ある程度の時間
幅を持って変化させる場合もある。このようなある時刻
tの前後で添加速度がある時間の幅を持って急激に変化
するような場合には、その時刻tの直前および直後の1
5分間で添加されるα−メチルスチレンダイマーの全単
量体混合物100重量部あたりの添加部数から単位時間
当たりの添加速度(部/時)を各々求め、直後の添加速
度から直前の添加速度を減じ、その値が0.3部/時以
上であれば、実質的に非連続的に添加されているとす
る。
【0017】本発明のもう一つの特徴は、α−メチルス
チレンダイマーの添加速度が非連続的に増大した後の工
程での、α−メチルスチレンダイマーの使用方法にあ
る。すなわち、全単量体混合物100重量部に対して
0.2〜3重量部のα−メチルスチレンダイマーを、単
位時間当り0.3重量部以上の添加速度で2時間以内に
添加する工程を含んでいることが必要で、これにより、
より接着強度の優れる共重合体ラテックスを得ることが
できる。α−メチルスチレンダイマーの添加速度が単位
時間当り0.3重量部未満では、本発明の効果が得られ
ず、強度が不十分となる。α−メチルスチレンダイマー
の添加速度は、単位時間当り0.3重量部以上が必要で
あり、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは
0.8重量部以上である。添加速度の上限は特に必要な
く、α−メチルスチレンダイマーを瞬時に添加する、い
わゆるショット添加法であっても何ら差し支え無い。
【0018】この時に添加するα−メチルスチレンダイ
マーの量は0.2〜3重量部が好ましく、さらに好まし
くは0.5〜2重量部である。0.2重量部未満では本
発明の効果が得られず、また3重量部を越えると粒径コ
ントロール性や重合安定性に問題が生じ好ましくない。
また、単位時間当たり0.3部以上の添加速度でα−メ
チルスチレンダイマーを添加する工程は2時間以内で終
了することが好ましく、1時間以内に終了することがさ
らに好ましい。該工程が2時間を超えると本発明の効果
が不十分であり、優れた強度が発現しない。なお、該工
程が終了した後は、α−メチルスチレンダイマーの添加
速度が単位時間当たり0.3部未満であればよいが、
0.2部未満であることが好ましい。
【0019】なお、本発明の効果を十分に発揮するため
には、α−メチルスチレンダイマーの添加速度が非連続
的に増大する工程、およびその後のα−メチルスチレン
ダイマーを一定の添加速度以上で添加する工程が、全単
量体混合物重量に対する重合転化率15〜90%の範囲
にある事が好ましい。以上が本発明の特徴であるが、α
−メチルスチレンダイマーの使用方法は上述した条件を
満たす工程を含んでいれば、他の方法との併用は何等差
し支えない。例えば、単位時間当たりの添加速度が0.
3重量部未満の速度で添加する方法と併用しても良い
し、重合開始時に予めα−メチルスチレンダイマーを添
加しておく方法と併用しても構わない。また、該条件を
満たすα−メチルスチレンダイマーの添加工程を、重合
中に2回以上含んでいても差し支えない。
【0020】なお、α−メチルスチレンダイマーの全使
用量は、全単量体混合物100重量部に対し、0.2〜
10重量部の範囲にあることが好ましい。本発明におけ
る共重合体ラテックスは、以上に述べた製造上の特徴を
有するものだが、乳化剤、重合開始剤、連鎖移動剤等は
公知のものが使用される。乳化剤としては、例えば、脂
肪族セッケン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸
塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホ
コハク酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルアリール硫酸塩などのアニオン性
界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オキシエチレン
オキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオン性
界面活性剤が挙げられる。この界面活性剤は通常、アニ
オン性界面活性剤単独、またはアニオン性/ノニオン性
の混合系で用いられ、その使用量は全単量体の重量に基
づき、通常0.1〜2重量部の範囲で選ばれる。
【0021】重合開始剤は、熱または還元性物質により
ラジカル分解して、単量体の付加重合を起こさせる作用
を有するものであり、このようなものとしては、例えば
水溶性または油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、
アゾビス化合物など、具体的にはペルオキソ二硫酸カリ
ウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸
アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキ
シド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスイソブチロ
ニトリル、クメンヒドロペルオキシドなどが挙げられる
が、これらの中で特にペルオキソ二硫酸塩が好適であ
る。この重合開始剤の使用量は、全単量体の重量に基づ
き、通常0.2〜2重量部の範囲で選ばれる。
【0022】この乳化重合における重合温度は、通常5
0〜100℃の範囲で選ばれるが、重合の促進あるいは
より低温での重合を望む場合には、酸性亜硫酸ナトリウ
ム、アスコルビン酸やその塩、エリソルビン酸やその
塩、ロンガリットなどの還元剤を重合開始剤に組み合わ
せて用いることで、いわゆるレドックス重合法を採用す
ることができる。
【0023】連鎖移動剤は、例えばn−ブチルメルカプ
タン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカ
プタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメル
カプタンなどのメルカプタン類、テトラメチルチウラム
ジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドなど
のジスルフィド類、四塩化炭素、四臭化炭素などのハロ
ゲン化誘導体、2−エチルヘキシルチオグリコレートな
どを挙げることができる。
【0024】本発明においては、所望に応じ各種重合調
製剤、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸
水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリ
ウムなどのpH調製剤やエチレンジアミン四酢酸ナトリ
ウムなどの各種キレート剤などを添加する事ができる。
また、必要に応じ本発明の共重合体ラテックスにアルカ
リ感応ラテックスを添加してもさしつかえない。
【0025】乳化重合法は、例えば単量体混合物の一括
仕込み法、または単量体混合物の一部を重合し、次いで
残りの単量体混合物を断続的もしくは連続的に添加する
方法を用いることができる。あるいは単量体混合物を重
合の開始から連続的に添加する方法をとることもでき
る。また、本発明は、公知の乳化重合法であればどの様
な方法と組み合わせて用いても構わない。例えば、単量
体混合物の組成を変えて2段階(あるいは多段階)に分
けて重合する2段重合法(あるいは多段重合法)と組み
合わせても良いし、または主な単量体混合物の添加が終
了した後に、メタクリル酸メチル、メタクリロニトリル
等の特定の単量体(混合物)を添加する重合法と組み合
わせて用いても構わない。
【0026】本発明の共重合体ラテックスを用いて塗工
液を調製する際、顔料として、クレー、炭酸カルシウ
ム、酸化チタン、サチンホワイト等の紙塗工用に一般に
使用されている鉱物性顔料を使用する事ができる。な
お、一般には、共重合体ラテックスはラテックス固形分
として顔料100重量部に対して5〜30重量部、好ま
しくは7〜15部程度の範囲で配合される。また、顔料
分散剤、蛍光染料、着色顔料等を任意に配合することが
できるし、必要に応じ、カゼイン、デンプン等の水溶性
天然高分子物質、カルボキシメチルセルロース、アルギ
ン酸ソーダ、またはアルカリ可溶性ラテックスを添加す
ることも可能である。
【0027】本発明の共重合体ラテックスを用いた塗工
液は、例えば、フラッデッドニップ、ファウンテン、シ
ョートドゥエル、バリドゥエル等の各種ブレードコータ
ー、ゲートロール等のロールコーターなどを用いる通常
の方法によって、原紙に塗工することができる。このよ
うにして得られた塗工紙は、各種のカレンダーに通紙し
て表面仕上げをすることができるが、例えばスーパーカ
レンダー、グロスカレンダー、ソフトニップカレンダー
等の各種カレンダーを用いる事ができる。これらのカレ
ンダーは、オンマシンやオフマシンの形態で使用するこ
とができる。
【0028】本発明の共重合体を用い、製造された塗工
紙は、オフセット印刷、グラビア印刷等に供することが
できる。さらに、本発明の共重合体ラテックスは、カー
ペットバッキング剤、塗料、工業用および家庭用接着剤
等の各種接着剤用途に使用する事ができる。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、実施例により本発明をさら
に詳細に説明する。なお、各特性は次のようにして求め
た。 (1)粒子径 粒度分析計(日機装(株)社製、商品名:マイクロトラ
ック粒度分析計9230UPA)を用い、数平均粒子径
を求めた。 (2)ゲル含有量 ラテックスのpHを8に調整した後、130℃で30分
乾燥してラテックス皮膜を得、約0.5gを精秤し30
ccのトルエン中で3時間振とう後、325メッシュの
金網で濾過し、得られる残存固形分の全固形分に対する
重量%を求めた。 (3)ドライピック強度 RI印刷試験機(明製作所製)を用いて、印刷インク
(T&K TOKA社製、商品名:SDスーパーデラッ
クス50紅B、タック18のもの)0.4ccを重ね刷
りし、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の台紙に
裏取りし、その状態を観察した。評価は10点評価法と
し、ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。 (4)ウェットピック強度 RI印刷試験機(明製作所製)を用い、吸水ロールで塗
工紙表面を湿潤させた直後に、印刷インク(T&K T
OKA社製、商品名:SDスーパーデラックス50紅
B、タック15のもの)0.4ccを1回刷りし、ゴム
ロールに現れたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、
その状態を観察した。評価は10点評価法とし、ピッキ
ング現象の少ないものほど高得点とした。 (5)耐ブリスター性 原紙の両面に塗工して製造した塗工紙サンプルを恒温恒
湿槽(条件:25℃、RH50%)で調湿した後、加熱
したオイルバスに投入してブリスターが発生する温度を
求めた。
【0030】
【実施例1】撹拌装置と温度調節用ジャケットを取り付
けた耐圧反応容器に、初期仕込み成分として、水70重
量部、粒子径0.0215μmのシードラテックス0.
80重量部、α−メチルスチレンダイマー0.15重量
部、フマール酸2.5重量部、およびドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ0.3重量部を仕込み75℃に昇温し
た。次いで表1に示す組成の単量体混合物を5.5時間
で、また、水20重量部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム
1重量部、水酸化ナトリウム0.2重量部、およびドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2重量部からなる開
始剤系水溶液を6.5時間で、それぞれ一定の流速で添
加した。また、単量体混合物の添加とは別に、独立添加
系としてα−メチルスチレンダイマー0.4重量部を、
単量体混合物の添加を開始してから5時間後に、0.5
時間かけて添加した。該αメチルスチレンダイマーを添
加し始める時の全単量体混合物の転化率は77%であ
り、添加終了時における全単量体混合物の転化率は84
%であった。単量体混合物および開始剤系水溶液の添加
が終了した後、さらに80℃で3時間反応を継続させて
重合転化率95%以上の共重合体ラテックスを得た。該
共重合体ラテックスは、水酸化ナトリウムでpHを7に
調整してからスチームストリッピング法により未反応の
単量体を除去し、最終的に、pH8、固形分濃度が50
重量%になるように調整した。得られたラテックスは、
既述の方法に従って、粒子径とトルエンゲルを測定し
た。
【0031】なお、α−メチルスチレンダイマーの添加
速度は、次のようにして求めた。単量体混合物添加系、
独立添加系それぞれについて、添加したα−メチルスチ
レンダイマーの重量部数を添加に要した時間数で除し、
得られた値を単位時間当たりの添加速度とした。単量体
混合物の添加と独立系α−メチルスチレンダイマーの添
加が同時に実施されている場合は、それぞれの添加速度
の和を、本発明に関わるα−メチルスチレンダイマーの
添加速度とした。得られた値は表1に示した。
【0032】
【実施例2〜4】単量体混合物の組成、および独立系α
−メチルスチレンダイマーの添加条件を表1に記載する
様に変化させた以外は、実施例1と同様にして実施例2
〜4の共重合体ラテックスを得た。
【0033】
【実施例5】単量体混合物の組成、および独立系α−メ
チルスチレンダイマーの添加条件を表1に記載する様に
変化させた以外は、実施例1と同様にして実施例5の共
重合体ラテックスを得た。本発明に関わるα−メチルス
チレンダイマーの添加工程は、以下のようにして2回実
施した。重合開始(単量体混合物、開始剤水溶液を同時
に添加開始)してから2時間後にα−メチルスチレンダ
イマー0.7重量部を0.5時間で、また重合開始して
から4.5時間後に、α−メチルスチレンダイマー0.
5重量部を0.25時間かけて添加した。最初のα−メ
チルスチレンダイマーを添加し始める時の全単量体混合
物の転化率は25%であり、添加終了時における全単量
体混合物の転化率は30%であった。2回目のα−メチ
ルスチレンダイマーを添加し始める時の全単量体混合物
の転化率は60%であり、添加終了時における全単量体
混合物の転化率は63%であった。単量体混合物および
開始剤水溶液の添加が終了した後、さらに80℃で3時
間反応を継続させて重合転化率95%以上の共重合体ラ
テックスを得た。該共重合体ラテックスは、水酸化ナト
リウムでpHを7に調整してからスチームストリッピン
グ法により未反応の単量体を除去し、最終的に、pH
8、固形分濃度が50重量%になるように調整した。得
られたラテックスは、既述の方法に従って粒子径とトル
エンゲルを測定した。
【0034】
【比較例1〜5】単量体混合物の組成、独立系α−メチ
ルスチレンダイマーの添加条件を、表2に記載する様に
変化させた以外は、実施例1と同じようにして比較例の
共重合体ラテックスを得た。α−メチルスチレンダイマ
ーの添加速度、および添加時の単量体混合物の重合転化
率は表2に示した。
【0035】比較例1は、本発明に関わるα−メチルス
チレンダイマーの添加工程を含まない。比較例2、3
は、α−メチルスチレンダイマーの添加量が本発明の範
囲を外れている。比較例4では、α−メチルスチレンダ
イマーの添加速度、および添加時間が本発明の範囲を外
れている。
【0036】比較例5では、α−メチルスチレンダイマ
ーの添加速度そのものは大きいが、非連続的に増大する
工程を含まない。
【0037】
【比較例6】実施例1と同様の方法で、表2に記載の単
量体組成で重合を実施したが、α−メチルスチレンダイ
マーの添加速度を次のように連続的に変化させた。単量
体混合物は一定の速度で5.5時間かけて添加し、α−
メチルスチレンダイマーの添加は、α−メチルスチレン
ダイマーと単量体混合物の重量比が、添加開始時に0.
005、添加終了時に0.046となるよう、添加速度
を連続的に増大させた。α−メチルスチレンダイマーの
添加に要した時間は単量体混合物と同じ5.5時間であ
り、添加量は2.5部である。比較例6では、α−メチ
ルスチレンダイマーの添加速度が非連続的に増大する工
程を含まない。
【0038】比較例1〜6で得られたラテックスは、実
施例と同様に粒子径とトルエンゲルを測定し、その結果
を表2に記載した。
【0039】
【実施例6】実施例1〜5で得られた共重合体ラテック
スを用い、次に示す配合処方で紙塗工液組成物を調製し
た。 <配合処方>(単位は重量部) クレー:70 炭酸カルシウム:30 分散剤:0.2 水酸化ナトリウム:0.1 酸化デンプン:4 共重合体ラテックス:10 水:全固形分が64%になるように添加。
【0040】次いで、調製した塗工液を用い、塗工量が
片面12g/m2 となるよう坪量75g/m2 の塗工原
紙に塗工した。塗工はベンチブレードコーター(エスエ
ムティー社製)を用い、塗工速度20m/分、乾燥温度
150℃で行った。塗工後、ロール温度50℃、線圧1
50kg/cmでスーパーカレンダー処理を行い塗工紙
を得た。
【0041】得られた塗工紙の性能は、先に述べた方法
で評価した。評価結果を表3に示す。本発明の共重合体
ラテックスを用いた紙塗工用組成物は接着強度が優れて
いる。また、耐ブリスター性も良好である。
【0042】
【比較例7】比較例1〜6で得られた共重合体ラテック
スを用い、実施例6と同様に紙塗工組成物を調製して評
価した。結果を表3に示す。いずれも接着強度が不十分
である。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、接着強度に優れたラテ
ックスが得られ、このラテックスを顔料などと共に紙塗
工用途に用いた時には、表面強度が優れ、かつ耐ブリス
ター性のバランスに優れた塗工紙を得ることできる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)共役ジエン系単量体20〜70重
    量%、(b)エチレン系不飽和カルボン酸単量体0.5
    〜10重量%、(c)その他の共重合可能なビニル系単
    量体20〜79.5重量%からなる単量体混合物100
    重量部をα−メチルスチレンダイマーの存在下に乳化重
    合してジエン系共重合体ラテックスを製造するにあた
    り、次に示す二つの条件(1)、(2)を満たす製造方
    法により製造される共重合体ラテックス。 (1)α−メチルスチレンダイマーの添加速度が非連続
    的に増大する重合工程を含み、該工程の前後におけるα
    −メチルスチレンダイマーの添加速度の差が、単位時間
    当たり0.3部以上。 (2)α−メチルスチレンダイマーの添加速度が非連続
    的に増大した後の重合工程において、全単量体混合物1
    00重量部に対して0.2〜3重量部のα−メチルスチ
    レンダイマーを、単位時間当り0.3重量部以上の添加
    速度で2時間以内に添加する工程を含んでいること。
  2. 【請求項2】 顔料および共重合体ラテックスを含有す
    る紙塗工用組成物において、該共重合体ラテックスとし
    て請求項1に記載の共重合体ラテックスを用いる紙塗工
    用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100335641B1 (ko) * 2000-02-21 2002-05-08 강석주 고속 인쇄용 도공지에 사용되는 고 접착력 라텍스의제조방법
JP2015160328A (ja) * 2014-02-26 2015-09-07 住友化学株式会社 延伸フィルムの製造方法

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