JPH1036268A - 経口経路による投与後のチアネプチンナトリウム塩の持続性放出を可能とするマトリックス錠 - Google Patents

経口経路による投与後のチアネプチンナトリウム塩の持続性放出を可能とするマトリックス錠

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JPH1036268A
JPH1036268A JP9095589A JP9558997A JPH1036268A JP H1036268 A JPH1036268 A JP H1036268A JP 9095589 A JP9095589 A JP 9095589A JP 9558997 A JP9558997 A JP 9558997A JP H1036268 A JPH1036268 A JP H1036268A
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matrix
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tablet
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ブルノ・ユエ・ドゥ・バロシェ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チアネプチンナトリウム塩の放出を完全に制
御することのできるマトリックス錠を提供する。 【解決手段】 チアネプチンナトリウム塩の持続性放出
のためのマトリックス錠であって、セルロース由来ポリ
マー及びカルシウム塩の使用によって持続性放出を制御
するマトリックス錠、並びに湿式造粒法及び直接圧縮法
の両方を使用し、工程A:チアネプチンナトリウム塩、
リン酸水素カルシウム二水和物、及び乳糖を混合し、混
合物を精製水又は水性アルコール溶液で湿潤し、調製し
た湿潤した塊を造粒し、乾燥し、サイズ分けして、迅速
打錠機のマトリックスの良好な充填を可能とする物理学
的特性を有する顆粒を得る、などの工程からなるその製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の目的は、チアネプチ
ンナトリウム塩の持続性放出を可能とし、経口経路によ
る製剤の吸収後、均一かつ一定の血中濃度をもたらすマ
トリックス錠である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】チアネ
プチンナトリウム塩は、式(I):
【0003】
【化1】
【0004】で示される化合物であり、三環系抗うつ剤
である。ヒトへの投与に使用する分子は、ナトリウム塩
である。
【0005】チアネプチンナトリウム塩は、従来、1
2.5mgを含有する即時放出錠剤の形で経口経路で投与
されてきた。通常、平均的には、1日3回投与されてい
る。
【0006】しかし、即時放出剤型では、患者によって
は、高い血中濃度ピークが得られることがある。持続性
放出剤型とすることで、ヒトにおいて、このように高い
血中濃度ピークを避けることができ、均一な血中濃度を
得ることができる。このため、活性成分の血漿中濃度の
変化と関連した水電解質(hydroelectrolytic)及び代謝
物型障害を伴う、「ピーク効果」によって惹起される可
能性のある、望ましくない副作用を減らすことが可能で
ある。
【0007】したがって、チアネプチンナトリウム塩の
持続性放出剤型により、不安症及びうつ病の治療におい
て、良好な治療指標を得ることができる。
【0008】これを行うには、完全に制御された方法
で、長時間にわたり持続的に放出させることを確実に行
うことが必要である。放出速度は、再現性のあるもので
なければならず、投与後に観察される血中濃度と相関し
ていなければならない。
【0009】可溶性の活性成分の分散を制御するために
利用することのできるメカニズムのうち、溶出液(in v
itro)又は胃腸液(in vivo)との接触による親水性ポリ
マーの膨潤後に形成されるゲルを介して活性成分が分散
するメカニズムを主なものとして挙げることができる。
【0010】このゲルを形成することのできるものとし
て、多数のポリマーが報告されている。主なものとして
は、セルロース誘導体、特にヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、メチルヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロ
ースエーテルが挙げられ、これらのエーテルの市販され
ている各種グレードのうち、かなり高い粘度を有するも
のが挙げられる。ここに記載する系によっても、放出を
示す式の動態(kinetics)においてゼロ次速度を得るこ
とを理論的に可能とするものではないことには留意する
必要がある。
【0011】このようなマトリックス錠の製造に通常使
用される製造方法は、各種賦形剤と活性成分を混合後、
直接圧縮するか、又は湿式造粒するかのいずれかであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に記載するマトリ
ックス錠は、本来、セルロース由来ポリマーとカルシウ
ム塩を組み合わせたものであり、この組み合わせによ
り、活性成分の放出を完全に制御することができる。更
に、この組み合わせは、チアネプチンナトリウム塩の物
理化学的特性に完全に適している。
【0013】この制御された放出は、8時間以上にわた
ってほぼ直線的であり、チアネプチンナトリウム塩の総
量の50%が、5〜14時間の間に放出されるようにな
っている。更に、本発明によるマトリックス錠により、
チアネプチンが持続的に放出され、その結果、ヒトで
は、錠剤の投与後、24時間後でも、50〜300ng/m
lの血中濃度が得られる。したがって、単位投与量は、
患者の年齢及び体重、患者の状態の特性及び重度に応じ
て、変化させることができる。単位投与量は、一般的に
は、1日当たり12.5〜50mgの間である。
【0014】使用するポリマーは、高粘度のメチルヒド
ロキシプロピルセルロースであり、無機塩は、リン酸水
素カルシウム二水和物である。これらの2種類の化合物
を組み合わせることによって、放出の動態を完全に制御
することが可能である。セルロース由来ポリマーの割合
は、錠剤の総重量の30〜50%の間であり、無機塩の
割合は、錠剤の総重量の10〜60%の間である。錠剤
の仕上げには、各種賦形剤を加えることもできる。
【0015】本発明は、またこのマトリックス錠の製造
方法にも関する。活性成分の周辺に、良好な溶出に有利
な親水性の環境を作り、そしてできるだけ均一な単位剤
型を得るために、活性成分、無機塩及び乳糖により、湿
式造粒を行う。しかし、均一な錠剤を得るために本処方
に結合剤を加える必要はない。この造粒工程後に、直接
圧縮混合物を製造し、そして打錠する。
【0016】
【実施例】以下の実施例により、本発明を説明するが、
いかなる方法においても本発明を限定するものではな
い。持続性放出錠の調製は、以下の製造方法により行
う。 工程A:チアネプチンナトリウム塩、リン酸水素カルシ
ウム二水和物、及び乳糖を混合し、混合物を精製水又は
水性アルコール溶液で湿潤する。調製した湿潤した塊を
造粒し、乾燥し、サイズ分けして、迅速打錠機のマトリ
ックスの良好な充填を可能とする物理学的特性を有する
顆粒を得る。 工程B:工程Aで得た顆粒をメチルヒドロキシプロピル
セルロースと混合する。 工程C:工程Bで得た混合物を、コロイドシリカ及びス
テアリン酸マグネシウムで潤滑化する。 工程D:工程Cで得た潤滑化した混合物を、ロータリー
打錠機で圧縮して、直径粉砕(diametral crushing)に
より測定する硬度が約6〜12daN である錠剤を得る。
【0017】実施例1:実施例1には、in vitro放出の
動態に対する成分の影響を示す。メチルヒドロキシプロ
ピルセルロースの量を1錠当たり80mgから120mg
に、リン酸水素カルシウム二水和物の量を1錠当たり0
mgから146.4mgに、乳糖の量を146.4mgから0
mgに変化させる実験計画を使用した。希釈剤(乳糖+リ
ン酸水素カルシウム二水和物)の総量は、1錠当たり1
46.4mgであった。製造は、工程A〜Dに記載の操作
方法により行った。
【0018】
【表1】
【0019】表2には、8時間目に溶出している活性成
分の割合を、使用した処方物の関数として示した。
【0020】
【表2】
【0021】図1及び2には、使用した異なる処方物に
ついての溶出の動態の曲線を示した。これらの曲線によ
って、メチルヒドロキシプロピルセルロース及びリン酸
水素カルシウム二水和物の割合が、in vitroにおける溶
出の動態の制御に重要な役割を果たしていることが明ら
かに示された。メチルヒドロキシプロピルセルロースを
80mgから120mgに増量すると、8時間目に溶出して
いる活性成分の割合が、約7%低下した。乳糖をリン酸
水素カルシウム二水和物で完全に置換することによっ
て、この割合がほぼ25%低下した。
【0022】実施例2:工程A〜Dに記載の操作方法に
より、表3記載の処方を用いて、持続性放出錠(PR1
2)を調製した。
【0023】
【表3】
【0024】この製剤(PR12)のin vitroにおける
溶出のプロフィルを、図3に示す。血漿中チアネプチン
ナトリウム塩の動態を、被験者4人において、PR12
錠1錠を単回投与して測定した。平均血漿中濃度は、図
4に示す。図4に示す曲線により、二相性の血漿中濃度
動態(血漿中ピークが2回)を有するマトリックス型の
溶出プロフィル(活性成分の持続性放出)が示された。
【0025】実施例3:工程A〜Dに記載の操作方法に
より、表4に記載の処方を用いて、2種類の持続性放出
錠PR13及びPR14を調製した。2種類のグレード
のメチルヒドロキシプロピルセルロースを用いて、徐々
に溶出するバッチと、より速やかに溶出するバッチを調
製した。
【0026】
【表4】
【0027】この製剤のin vitroにおける溶出のプロフ
ィルを、図5に示す。血漿中チアネプチンナトリウム塩
の動態を、被験者8人において、PR13又はPR14
錠をクロスオーバーして単回投与して測定した。平均血
漿中濃度は、図6に示す。使用するメチルヒドロキシプ
ロピルセルロースのグレードが異なるだけである処方物
PR13及びPR14を比較したところ、この方法によ
っても、チアネプチンナトリウム塩のin vitro溶出の動
態を制御することができることが示された。In vivo に
おいて、測定した血中濃度動態との相関も良好であっ
た。二者の血中濃度動態は、有意に異なっていた。活性
成分放出の2回のピークが観察された。
【図面の簡単な説明】
【図1】バッチPR1〜PR5のin vitroにおける溶出
の動態を示す。
【図2】バッチPR6〜PR11のin vitroにおける溶
出の動態を示す。
【図3】PR12製剤のin vitroにおける溶出のプロフ
ィルを示す。
【図4】4人の健康な被験者におけるPR12製剤の単
回投与後の血漿中チアネプチンの動態(平均曲線)を示
す。
【図5】PR13及びPR14製剤のin vitroにおける
溶出の動態を示す。
【図6】PR13錠又はPR14錠の投与後の血漿中濃
度を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07D 281/02 C07D 281/02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チアネプチンナトリウム塩の持続性放出
    のためのマトリックス錠であって、セルロース由来ポリ
    マー及びカルシウム塩の使用によって持続性放出を制御
    するマトリックス錠。
  2. 【請求項2】 セルロース由来ポリマーが、メチルヒド
    ロキシプロピルセルロースである、請求項1記載のチア
    ネプチンマトリックス錠。
  3. 【請求項3】 カルシウム塩が、リン酸水素カルシウム
    二水和物である、請求項1記載のチアネプチンマトリッ
    クス錠。
  4. 【請求項4】 セルロース誘導体及びカルシウム塩の割
    合が、それぞれ錠剤の総重量の30〜50%及び10〜
    60%の間である、請求項1記載のチアネプチンマトリ
    ックス錠。
  5. 【請求項5】 セルロース誘導体及びカルシウム塩の割
    合によって、チアネプチンの持続性放出が可能となり、
    それによって錠剤の経口経路による投与後、24時間後
    でも、ヒトにおける血中濃度が、50〜300ng/ml の
    間である、請求項1記載のチアネプチンマトリックス
    錠。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のチアネプチンマトリック
    ス錠の製造方法であって、湿式造粒法及び直接圧縮法の
    両方を使用し、以下の工程: 工程A:チアネプチンナトリウム塩、リン酸水素カルシ
    ウム二水和物、及び乳糖を混合し、混合物を精製水又は
    水性アルコール溶液で湿潤し、調製した湿潤した塊を造
    粒し、乾燥し、サイズ分けして、迅速打錠機のマトリッ
    クスの良好な充填を可能とする物理学的特性を有する顆
    粒を得; 工程B:工程Aで得た顆粒をメチルヒドロキシプロピル
    セルロースと混合し; 工程C:工程Bで得た混合物を、コロイドシリカ及びス
    テアリン酸マグネシウムで潤滑化し; 工程D:工程Cで得た潤滑化した混合物を、ロータリー
    打錠機で圧縮して、直径粉砕により測定する硬度が約6
    〜12daN である錠剤を得ることからなることを特徴と
    する製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のチアネプチンマトリック
    ス錠からなるうつ病治療剤。
JP9095589A 1996-04-24 1997-04-14 経口経路による投与後のチアネプチンナトリウム塩の持続性放出を可能とするマトリックス錠 Pending JPH1036268A (ja)

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