JPH1036047A - エレベータの戸異常通報装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エレベータの戸の異常を、開放時間および利
用方法に応じて検出し、監視センタに通報するエレベー
タの戸異常通報装置の提供。 【解決手段】 エレベータの戸１の開放時間をタイマー
Ｔ１、Ｔ２、Ｔ３にて計数し、タイマーＴ１にて所定時
間経過すると、音声発生装置１１を駆動させ、利用者は
その音声により延長釦１０を押し、タイマーＴ２の所定
時間による本来の戸１の異常を無効とし、タイマーＴ３
を有効とし戸１の異常発報を延長させる。 【効果】 監視センタへの異常発報件数及び、専門技術
者出動回数が減少し、監視業務の効率向上を図ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はエレベータの戸の異
常状態を通報するエレベータの戸異常通報装置の改良に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の通報装置は、特開平２−
２５７２９９号公報に記載のように、エレベータの戸が
所定時間開放状態を保持していると、異常状態検出部が
エレベータが起動できない異常が発生したと判断し、通
信回線を介して遠隔的に監視している監視センタへ、エ
レベータの戸に異常が発生した旨の信号を発報してい
る。そして、監視センタにおいては、この異常信号を受
信するとこのエレベータを担当している営業所の専門技
術者に復旧処理を依頼している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで上記従来技術
において、乗かごへ荷物を搬入や搬出する場合、あるい
は乗かご内を清掃する場合、戸を開放しておく必要があ
る。そのため、セーフティシューを手やくさびで固定し
たり、戸開釦を押し続けたり戸の安全装置を手動で操作
して戸閉動作を無効とすることがある。このとき、上記
の荷物の搬出入や乗かご内の清掃時間が長時間になる
と、前記の戸異常検出部が動作し、この異常信号が監視
センタに発報される。

【０００４】そこで監視センタの要請により、専門技術
者が現場に出動しても、すでに戸の安全装置は正規に復
旧され、エレベータは正常に稼働していることがあり、
専門技術者にとって無駄な出勤となることがあった。

【０００５】本発明の目的は、上記の欠点に鑑みて、エ
レベータの戸が長時間開放状態になっているとき、選択
的に異常信号を発報し、専門技術者の無駄な出勤を低減
し、監視業務の効率向上を図ったエレベータの戸異常通
報装置を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の目的は、エレベ
ータの戸の開放時間を計数し、この計数時間が所定の第
１の計数値を越えたことを検出する第１の異常検出手段
と、この第１の異常検出手段が動作したときこの異常信
号を監視センタに通報するエレベータの戸異常通報装置
において、前記第１の計数値より小さい所定の第２の計
数値を越えたことを検出する第２の異常検出手段と、前
記第１の計数値より大きい所定の第３の計数値を越えた
ことを検出する第３の異常検出手段と乗かご内の運転盤
に延長釦と所定の音声発生装置を設け、前記第２の異常
検出手段が動作したとき、前記音声発生装置から所定の
音声を発生する手段と、エレベータの利用者がこの音声
を聞いて、前記延長釦を操作すると、前記第１の異常検
出手段を無効とするとともに、前記第３の異常検出手段
を有効とする手段を備えることにより達成される。

【０００７】前記のように構成した本発明によれば、
今、乗かごへの異常の搬入に長時間を要するため、セー
フティシューを手やくさびで固定し、戸閉動作を無効と
したとする。戸の開放時間が５分継続すると、第１の異
常検出手段が動作し、音声発生装置から“作業が長時間
を要する場合には、運転盤の延長釦を押して下さい”と
報知する。そこで、利用者が延長釦を操作すると、第１
の異常検出手段（例えば８分で動作）は無効となり、第
３の異常検出手段（例えば２０分で動作）が有効とな
る。従って、通常の搬入作業では２０分以内に完了する
ので発報されない。従って、無駄な専門技術者の出勤を
防止することができる。また、万一利用者が戸閉動作を
無効にするためのセーフティシューを固定するくさびを
取り忘れても、２０分経過すると監視センタに異常発報
させるので、長時間エレベータが停止する故障も防止す
ることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図１お
よび図２を用いて説明する。

【０００９】図２はかごの奥から出入口を見たかごの正
面図である。図において、１は戸、２は戸の端部に設け
られたセーフティシューで、このセーフティシュー２を
手で押すと、内部に設けられたスイッチが切れて戸開指
令を発する。３は運転盤、４はかご呼び釦、５は戸開
釦、６は操作ボックス内に設けられた戸止めスイッチ
で、戸開釦５を押すと戸開指令を発し、戸止めスイッチ
６を切ると戸制御装置の電源が遮断される。１０、１１
は本発明になる延長釦、および音声発生装置である。

【００１０】図１は本発明になるエレベータの戸異常通
報装置の電気回路図である。図において、Ｐ、Ｎは直流
電源端子、１４ａは戸１が開放しているとき付勢される
図示しないリレーのａ接点、１５ｂは保守運転時付勢さ
れる図示しないリレーのｂ接点で、Ｔ１、Ｔ２、Ｔ３は
戸が開放すると開放時間を計数し、それぞれ第１、第
２、第３の所定時間を越えると動作するタイマーで、Ｔ
１ａ１〜Ｔ３ａは、それぞれのタイマＴ１〜Ｔ３のａ接
点あるいはｂ接点であり、第１の所定時間、第２の所定
時間、第３の所定時間の順序に大きく設定され、たとえ
ば第１の所定時間は５分、第２の所定時間は８分、第３
の所定時間は２０分に設定されている。１０ａは延長釦
１０のａ接点、１６は延長釦１０を操作したとき付勢さ
れるリレーで、１６ａはそのａ接点、１６ｂはそのｂ接
点、１７は戸が戸閉完了したことを検出するスイッチの
ｂ接点、１８は戸の異常信号を図示しない監視センタに
発報する発報装置、１９は音声発生装置１１を駆動する
放送装置である。

【００１１】次に、本実施形態の動作を説明する。

【００１２】最初に、戸１が正常に動作している場合を
説明する。

【００１３】今、乗かごが所定階に着床し、戸１が開い
て接点１４ａが閉じる。このとき接点１５ｂは閉じてい
るので、タイマーＴ１、Ｔ２、Ｔ３は同時に計数し始め
る。戸１は約３秒後に戸開完了し、約４秒後に戸閉指令
を発し、約３秒後に戸閉完了する。従って、戸１の開放
時間はたかだか１０秒程度であるので、タイマーＴ１、
Ｔ２、Ｔ３はすべて無効であり、従って、放送装置１
９、発報装置１８も無効である。

【００１４】次に、戸１に異常が発生し、戸１が開放状
態になった場合を説明する。

【００１５】上記と同様にして、タイマーＴ１〜Ｔ３は
同時に計数し始める。５分経過すると、タイマーＴ１が
動作し、接点Ｔ１ａが閉じ、放送装置１９が動作し、音
声発生装置１１により“戸開放時間が長時間になる場合
には、延長釦を押して下さい。故障の場合にはそのまま
にして下さい。監視センタに異常を発報します。”と数
度放送される。この場合、異常であるので延長釦１０は
そのままであり、リレー１６は消勢している。従って、
８分後（タイマーＴ１が動作してから３分後）にタイマ
Ｔ２が動作し、接点Ｔ２ａが閉じ、発報装置１８を介し
て戸の異常が図示しない監視センタに発報される。監視
センタでは担当の営業所に電話し、エレベータ戸１に異
常が発生したことを連絡する。そこで、専門技術者が現
場に出動し、復旧作業を行なう。

【００１６】次に、利用者が引越しをするため、乗かご
内に荷物搬出入するためセーフティシュー２を手やくさ
びで固定したとする。

【００１７】上記と同様にして、タイマーＴ１〜Ｔ３が
計数開始し、５分経過すると音声発生装置１１から“戸
開放時間が長時間になる場合には延長釦を押して下さ
い。故障の場合にはそのままにして下さい。監視センタ
に異常を発報します。”と放送される。利用者はこの放
送を聞いて、戸開放時間が長くなる場合には延長釦１０
を押す。接点１０ａが閉じ、リレー１６が付勢され接点
１６ａを介して自己保持される。そこで、接点１６ｂが
開き、タイマーＴ２は無効となり、８分経過しても監視
センタに異常発報されない。１０分後に作業が完了し、
セーフティシュー２の固定を解除すると、タイマーＴ３
は動作しないので、監視センタに発報されない。また、
戸１が閉まると接点１７が開きリレー１６は消勢し、初
期状態に復帰する。

【００１８】尚、このとき利用者が、作業終了後セーフ
ティシュー２の固定解除を忘れると、２０分後に監視セ
ンタに発報されるので、長時間のエレベータ停止故障を
防止することができる。

【００１９】このように、戸の開放時間に応じて、すな
わち異常状態の場合にはすみやかに発報し、作業状態の
場合には遅く発報するように構成したので、監視センタ
には有効な異常信号が発報され、無駄な専門技術者の出
動回数が減少し、監視業務の効率向上を図ることができ
る。

【００２０】尚、上記実施形態において、タイマーＴ３
は戸１が開くとただちに計数し始めるように構成した
が、延長釦１０を操作してから所定時間延長するように
構成してもよいことは勿論である。

【００２１】

【発明の効果】以上述べたように、本発明にあっては、
乗かご内に延長釦と音声発生装置を設け、戸が開き所定
時間経過すると音声発生装置から注意内容が放送され、
延長釦を押すと異常発報が遅く、延長釦を押さないで異
常発報が早くなるように構成したので、監視センタへの
異常発報件数が減少し、監視業務の効率向上を図ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明になるエレベータの戸異常通報装置の電
気回路図である。

【図２】かごの奥からの出入口方向を見たかごの正面図
である。

【符号の説明】

１ 戸 ２ セーフティシュー ３ 運転盤 ５ 戸開釦 ６ 戸止めスイッチ １０ 延長釦 １１ 音声発生装置 Ｔ１、Ｔ２、Ｔ３ タイマー １６ リレー １８ 発報装置 １９ 放送装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エレベータの戸の開放時間を計数し、こ
   の計数時間が所定の第１の計数値を越えたことを検出す
   る第１の異常検出手段と、この第１の異常検出手段が動
   作したときこの異常信号を監視センタに通報するエレベ
   ータの戸異常通報装置において、前記第１の計数値より
   小さい所定の第２の計数値を越えたことを検出する第２
   の異常検出手段と、前記第１の計数値より大きい所定の
   第３の計数値を越えたことを検出する第３の異常検出手
   段と乗かご内の運転盤に延長釦と所定の音声発生装置を
   設け、前記第２の異常検出手段が動作したとき、前記音
   声発生装置から所定の音声を発生する手段と、エレベー
   タの利用者がこの音声を聞いて、前記延長釦を操作する
   と、前記第１の異常検出手段を無効とするとともに、前
   記第３の異常検出手段を有効とする手段を備えたことを
   特徴とするエレベータの戸異常通報装置。