JPH10340494A - 偏光成分分離光学素子、光磁気信号検出器、光磁気ピックアップおよび光磁気信号記録再生装置 - Google Patents

偏光成分分離光学素子、光磁気信号検出器、光磁気ピックアップおよび光磁気信号記録再生装置

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JPH10340494A
JPH10340494A JP9152109A JP15210997A JPH10340494A JP H10340494 A JPH10340494 A JP H10340494A JP 9152109 A JP9152109 A JP 9152109A JP 15210997 A JP15210997 A JP 15210997A JP H10340494 A JPH10340494 A JP H10340494A
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light
optical
magneto
separating
polarization component
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JP9152109A
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Noriaki Nishi
紀彰 西
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性に優れ、安価に製造可能な偏光成分分
離光学素子を実現する。 【解決手段】 偏光成分分離光学素子20は、光磁気デ
ィスク40からの戻り光の光軸に対して傾けられて配置
される透明な略平行平板状の光学部材21と、光学部材
21の入射側の面に設けられた反射防止膜22と、光学
部材21の出射側の面に設けられ、反射防止膜22を通
過した光を偏光方向が互いに直交する2つの偏光成分の
光に分離する偏光分離膜23と、光学部材21の入射側
の面に設けられ、偏光分離膜23によって反射された光
を更に反射して、光学部材21の出射側の面より出射さ
せる反射膜24と、光学部材21の出射側の面に設けら
れ、反射膜24によって反射され、光学部材21の出射
側の面より出射される光の反射を防止する反射防止膜2
5とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入射光を複数の偏
光成分に分離するための偏光成分分離光学素子、ならび
に、この偏光成分分離光学素子を用いた光磁気信号検出
器、光磁気ピックアップおよび光磁気信号記録再生装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスク等の光情報記録媒体を
用いて、光学的に情報の記録と再生の少なくとも一方を
行う光情報記録再生装置が種々実用化されている。光情
報記録再生装置の一つに、ミニディスク(MD)等の光
磁気ディスクを用いて情報の記録と再生の少なくとも一
方を行う光磁気ディスク装置がある。ここで、従来の光
磁気ディスク装置における光磁気ピックアップの構成に
ついて、2つの例を挙げて説明する。
【0003】図16に示した光磁気ピックアップ210
は、レーザ光を出射する半導体レーザ211と、光磁気
ディスク220に対向するように配置される対物レンズ
215と、半導体レーザ211と対物レンズ215との
間に、半導体レーザ211側より順に配設された回折素
子(グレーティング)212、ビームスプリッタ213
およびコリメータレンズ214を備えている。光磁気ピ
ックアップ210は、更に、ビームスプリッタ213の
側方に、ビームスプリッタ213側より順に配設された
3ビームウォラストンプリズム216、マルチレンズ2
17および光検出器218を備えている。対物レンズ2
15は、図示しないアクチュエータによって、フォーカ
ス方向(光磁気ディスク220の面に垂直な方向)Fお
よびトラッキング方向(トラック横断方向)Tに駆動さ
れるようになっている。対物レンズ215を除く光磁気
ピックアップ210の各構成部品は、ベース部材に対し
て個別に固定されている。
【0004】半導体レーザ211は、ビームスプリッタ
213に対してP偏光(偏光方向が入射面に平行な直線
偏光)となる直線偏光のレーザ光を出射するようになっ
ている。回折素子212は、半導体レーザ211からの
光を回折して、0次回折光と±1次回折光の3本の回折
光を発生させるようになっている。ビームスプリッタ2
13は、一般に、一対の光学プリズムとこれらの光学プ
リズム間に蒸着やスパッタリングによって形成された誘
電体多層膜213aとによって構成されている。
【0005】コリメータレンズ214は、ビームスプリ
ッタ213からの光を平行光束にするようになってい
る。対物レンズ215は、コリメータレンズ214から
の光を集光して、信号記録面上で収束するように光磁気
ディスク220に照射するようになっている。光磁気デ
ィスク220からの戻り光は、対物レンズ215および
コリメータレンズ214を順に通過した後、ビームスプ
リッタ213に入射し、誘電多層膜213aで一部が反
射されて、3ビームウォラストンプリズム216、マル
チレンズ217を順に通過して光検出器218に入射す
るようになっている。
【0006】3ビームウォラストンプリズム216は、
入射した光を、互いに偏光方向の異なる3本の光ビーム
に分離するようになっている。マルチレンズ217は、
片面がシリンドリカル面に、片面が凹面に加工されたシ
リンドカルレンズ機能と凹レンズ機能とを併せ持つレン
ズであり、シリンドリカルレンズ機能によって、3ビー
ムウォラストンプリズム216からの光に対して非点収
差法によるフォーカスエラー信号を得るための非点収差
を発生させると共に、凹レンズ機能によって、3ビーム
ウォラストンプリズム216からの各光ビームの光検出
器218までの光路長を延長して各光ビームの分離を容
易にしている。光検出器218は、フォーカスエラー信
号、トラッキングエラー信号および光磁気再生信号を検
出するための複数の受光部を有している。
【0007】図17は、図16における光検出器218
の受光部の配置を示したものである。光検出器218
は、矩形例えば正方形を上下の中心線および左右の中心
線によって4分割した形状をなす4つの受光部218A
〜218Dと、この受光部218A〜218Dの左右に
配置された受光部218F,218Eと、受光部218
A〜218Dの上下に配置された受光部218I,21
8Jとを有している。光磁気ディスク220からの戻り
光のうち、回折素子212からの0次回折光に対応する
光は、3ビームウォラストンプリズム216によって3
本の光ビームに分離され、それぞれ、光検出器218の
受光部218Iと受光部218A〜218Dと受光部2
18Jとに入射するようになっている。また、光磁気デ
ィスク220からの戻り光のうち、回折素子212から
の±1次回折光に対応する光は、それぞれ3ビームウォ
ラストンプリズム216によって3本の光ビームに分離
されるが、そのうちの中央の光ビームが、光検出器21
8の受光部218E,218Fに入射するようになって
いる。
【0008】図16に示した光磁気ピックアップ210
では、半導体レーザ211から出射されたレーザ光は、
回折素子212によって3本の光ビームに分離され、ビ
ームスプリッタ213に入射し、光量の一部が誘電多層
膜213aを透過し、コリメータレンズ214によって
平行光束とされ、対物レンズ215によって集光され、
信号記録面の所望のトラック上で収束するように光磁気
ディスク220に照射される。光磁気ディスク220か
らの戻り光は、対物レンズ215およびコリメータレン
ズ214を順に通過した後、ビームスプリッタ213に
入射し、誘電多層膜213aで一部が反射されて、3ビ
ームウォラストンプリズム216、マルチレンズ217
を順に通過して光検出器218に入射する。そして、こ
の光検出器218の出力信号に基づいて、フォーカスエ
ラー信号、トラッキングエラー信号および光磁気再生信
号が検出される。
【0009】ここで、光検出器218の各受光部218
A〜218F,218I,218Jの各出力信号を、A
〜F,I,Jと表すと、フォーカスエラー信号FE、ト
ラッキングエラー信号TEおよび光磁気再生信号MS
は、それぞれ次の式(1)〜(3)によって求められ
る。
【0010】FE=(A+C)−(B+D) …(1) TE=E−F …(2) MS=I−J …(3)
【0011】図18に示した光磁気ピックアップ230
は、半導体レーザ,光検出器,回折素子およびホログラ
ム素子が一体化されたホログラムレーザ素子231と、
光磁気ディスク220に対向するように配置される対物
レンズ235と、ホログラムレーザ素子231と対物レ
ンズ235との間に、ホログラムレーザ素子231側よ
り順に配設されたビームスプリッタ233、コリメータ
レンズ234を備えている。光磁気ピックアップ230
は、更に、ビームスプリッタ233の側方に、ビームス
プリッタ233側より順に配設されたウォラストンプリ
ズム236、凹レンズ237、光検出器238を備えて
いる。対物レンズ235は、図示しないアクチュエータ
によって、フォーカス方向Fおよびトラッキング方向T
に駆動されるようになっている。対物レンズ235を除
く光磁気ピックアップ230の各構成部品は、ベース部
材に対して個別に固定されている。
【0012】ホログラムレーザ素子231内の半導体レ
ーザは、ビームスプリッタ233に対してP偏光となる
直線偏光のレーザ光を出射するようになっている。ホロ
グラムレーザ素子231内の回折素子は、半導体レーザ
からの光を回折して、0次回折光と±1次回折光の3本
の回折光を発生させるようになっている。回折素子から
の光は、ホログラムレーザ素子231内のホログラム素
子を通過して、ビームスプリッタ233に入射するよう
になっている。ビームスプリッタ233は、一般に、一
対の光学プリズムとこれらの光学プリズム間に蒸着やス
パッタリングによって形成された誘電体多層膜233a
とによって構成されている。
【0013】コリメータレンズ234は、ビームスプリ
ッタ233からの光を平行光束にするようになってい
る。対物レンズ235は、コリメータレンズ234から
の光を集光して、信号記録面上で収束するように光磁気
ディスク220に照射するようになっている。光磁気デ
ィスク220からの戻り光は、対物レンズ235および
コリメータレンズ234を順に通過した後、ビームスプ
リッタ233に入射し、誘電多層膜233aで一部が透
過し、一部が反射されるようになっている。
【0014】誘電多層膜233aを透過した光は、ホロ
グラムレーザ素子231内のホログラム素子によって半
円状の2つの光ビームに分割され、且つ各光ビームが互
いに異なる方向に向けて出射される。この2つの光ビー
ムは、回折素子を通らずに光検出器に入射するようにな
っている。半円状の1つの光ビームは、光検出器の2分
割の受光部に対して、光ビームの直線部分が2分割の受
光部の分割線と一致するように入射し、この2分割の受
光部の出力信号に基づいてフォーカスエラー信号が検出
されるようになっている。
【0015】戻り光のうち、誘電多層膜233aで反射
された光は、ウォラストンプリズム236、マルチレン
ズ237を順に通過して光検出器238に入射するよう
になっている。ウォラストンプリズム236は、入射し
た光を、互いに偏光方向が直交する2本の光ビームに分
離するようになっている。凹レンズ237は、ウォラス
トンプリズム236からの光ビームの光検出器238ま
での光路長を延長して各光ビームの分離を容易にしてい
る。光検出器238は、トラッキングエラー信号および
光磁気再生信号を検出するための複数の受光部を有して
いる。
【0016】図19は、図18における光検出器238
の受光部の配置を示したものである。この図に示したよ
うに、光検出器238は、ウォラストンプリズム236
より出射される2郡6本の光ビームを受光するための6
郡の受光部を有している。図19における右上には受光
部238F1 、左上には受光部238F2 、右下には受
光部238E1 、左下には受光部238E2 、右側中央
部には受光部238A,238B、左側中央部には受光
部238C,238Dが配設されている。受光部238
A,238Bは左右に2分割された受光部であり、受光
部238C,238Dは上下に2分割された受光部であ
る。光磁気ディスク220からの戻り光のうち、ホログ
ラムレーザ素子231からの0次回折光に対応する光
は、ウォラストンプリズム236によって2本の光ビー
ムに分離され、それぞれ、光検出器238の受光部23
8A,238Bと受光部238C,238Dとに入射す
るようになっている。また、光磁気ディスク220から
の戻り光のうち、ホログラムレーザ素子231からの±
1次回折光に対応する光は、それぞれウォラストンプリ
ズム236によって2本の光ビームに分離され、光検出
器238の受光部238E1 ,238E2 、238
1 ,238F2 に入射するようになっている。
【0017】図18に示した光磁気ピックアップ230
では、ホログラムレーザ素子231内の半導体レーザか
ら出射されたレーザ光は、回折素子によって3本の光ビ
ームに分離され、ビームスプリッタ233に入射し、光
量の一部が誘電多層膜233aを透過し、コリメータレ
ンズ234によって平行光束とされ、対物レンズ235
によって集光され、信号記録面の所望のトラック上で収
束するように光磁気ディスク220に照射される。光磁
気ディスク220からの戻り光は、対物レンズ235お
よびコリメータレンズ234を順に通過した後、ビーム
スプリッタ233に入射し、誘電多層膜233aで一部
が透過し、一部が反射される。誘電多層膜233aを透
過した光は、ホログラムレーザ素子231内のホログラ
ム素子によって半円状の2つの光ビームに分割され、そ
のうちの1つの光ビームが、ホログラムレーザ素子23
1内の光検出器における2分割の受光部に入射し、この
2分割の受光部の出力信号に基づいて、フーコ法によっ
てフォーカスエラー信号が検出される。
【0018】戻り光のうち、誘電多層膜233aで反射
された光は、ウォラストンプリズム236、マルチレン
ズ237を順に通過して光検出器238に入射する。そ
して、この光検出器238の出力信号に基づいて、トラ
ッキングエラー信号および光磁気再生信号が検出され
る。
【0019】ここで、光検出器238の各受光部238
A〜238D,238E1 ,238E2 ,218F1
218F2 の各出力信号を、A〜D,E1 ,E2
1 ,F2 と表すと、トラッキングエラー信号TE,ア
ドレス信号ADおよび光磁気再生信号MSは、それぞれ
次の式(4)〜(6)によって求められる。
【0020】 TE=(E1 +E2 )−(F1 +F2 ) …(4) AD=A−B …(5) MS=(A+B)−(C+D) …(6)
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光磁気ピッ
クアップでは、光磁気再生信号を検出するために、光磁
気ディスクからの戻り光を複数の偏光成分に分離する必
要がある。そのために、図16に示した光磁気ピックア
ップ210では、3ビームウォラストンプリズム216
を用い、図18に示した光磁気ピックアップ230で
は、ウォラストンプリズム236を用いている。このよ
うなウォラストンプリズムは、材料に複数の結晶(例え
ばLN:LiNbO3 )を用い、それらを光学軸が互い
に異なる所定の方向になるように斜め加工し、貼り合わ
せ、研磨して作製される。
【0022】しかし、上述のようなウォラストンプリズ
ムは、光学軸の向き等に高い精度が要求されると共に、
結晶材料が歪み、割れ等により加工しづらい等、加工が
煩雑であるという問題点や、材料自体もガラス等の等方
性媒質に比べて、製造、入手が困難で、非常に高価にな
ってしまうという問題点があった。
【0023】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、加工性に優れ、安価に製造可能な偏
光成分分離光学素子、ならびにこの偏光成分分離光学素
子を用いて容易に且つ安価に製造可能な光磁気信号検出
器、光磁気ピックアップおよび光磁気信号記録再生装置
を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の偏光成分
分離光学素子は、入射光の光軸に対して傾けられて配置
される透明な板状の光学部材と、この光学部材の出射側
の面に設けられ、互いに偏光方向が直交する第1の偏光
成分と第2の偏光成分のうち、第1の偏光成分に対する
透過率が第2の偏光成分に対する透過率よりも大きく、
且つ第2の偏光成分に対する反射率が第1の偏光成分に
対する反射率よりも大きく、光学部材に対する入射光を
主に第1の偏光成分を含む透過光と主に第2の偏光成分
を含む反射光とに分離する偏光分離手段と、光学部材の
入射側の面に設けられ、偏光分離手段によって反射され
た光を更に反射して、光学部材の出射側の面より出射さ
せる反射手段とを備えたものである。
【0025】請求項3記載の光磁気信号検出器は、光磁
気記録媒体からの戻り光を複数の偏光成分に分離するた
めの偏光成分分離光学素子と、この偏光成分分離光学素
子によって分離された各光を検出する光検出器とを備
え、これらが一体化されたものである。偏光成分分離光
学素子の構成は、請求項1記載の偏光成分分離光学素子
と同様である。
【0026】請求項4記載の光磁気ピックアップは、光
磁気記録媒体に照射する光を出射する光源と、この光源
から出射された光を集光して光磁気記録媒体に照射する
集光手段と、光源と集光手段との間に少なくとも一つ設
けられ、光源から出射された光の光路と光情報記録媒体
からの戻り光の光路とを分離するための光路分離手段
と、この光路分離手段によって分離された戻り光を複数
の偏光成分に分離するための偏光成分分離光学素子と、
この偏光成分分離光学素子によって分離された各光を検
出する光検出器とを備えたものである。偏光成分分離光
学素子の構成は、請求項1記載の偏光成分分離光学素子
と同様である。
【0027】請求項11記載の光磁気信号記録再生装置
は、光磁気記録媒体に対して少なくとも再生用の光を照
射すると共に光磁気記録媒体からの戻り光を検出する光
磁気ピックアップを備え、この光磁気ピックアップを制
御して、光磁気記録媒体への情報の記録と光磁気記録媒
体からの情報の再生のうちの少なくとも情報の再生を行
うものである。光磁気ピックアップの構成は、請求項4
記載の光磁気ピックアップと同様である。
【0028】請求項1記載の偏光成分分離光学素子、請
求項3記載の光磁気信号検出器、請求項4記載の光磁気
ピックアップまたは請求項11記載の光磁気信号記録再
生装置では、偏光成分分離光学素子に入射した光は、光
学部材の出射側の面に設けられた偏光分離手段によっ
て、主に第1の偏光成分を含む透過光と主に第2の偏光
成分を含む反射光とに分離される。偏光分離手段による
反射光は、光学部材の入射側の面に設けられた反射手段
によって更に反射され、光学部材の出射側の面より出射
される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0030】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る
偏光成分分離光学素子を含む光磁気ピックアップの構成
を示す説明図である。この光磁気ピックアップ10は、
レーザ光を出射する半導体レーザ11と、光磁気ディス
ク40に対向するように配置される対物レンズ15と、
半導体レーザ11と対物レンズ15との間に、半導体レ
ーザ15側より順に配設された回折素子(グレーティン
グ)12、ビームスプリッタ13およびコリメータレン
ズ14を備えている。光磁気ピックアップ10は、更
に、ビームスプリッタ13の側方に、ビームスプリッタ
13側より順に配設された凹レンズ17、偏光成分分離
光学素子20および光検出器30を備えている。光磁気
ピックアップ10は、更に、対物レンズ15をフォーカ
ス方向Fおよびトラッキング方向Tに駆動可能なアクチ
ュエータ19を備えている。光磁気ピックアップ10
は、図示しないガイドに沿って光磁気ディスク40の半
径方向に移動可能に支持された図示しないベース部材を
備え、対物レンズ15を除く光磁気ピックアップ10の
各構成部品は、このベース部材に対して固定されてい
る。
【0031】半導体レーザ11は、半導体の再結合発光
を利用した発光素子であり、図1において符号18で偏
光方向を示したように、ビームスプリッタ13に対して
P偏光となる直線偏光のレーザ光を出射するようになっ
ている。回折素子12は、本発明における光分割手段に
対応し、半導体レーザ31からの光を回折して、0次回
折光と、トラッキングエラー信号検出用のサイドビーム
となる±1次回折光の3本の回折光を発生させるように
なっている。
【0032】ビームスプリッタ13は、本発明における
光路分離手段に対応する。ビームスプリッタ13は、一
対の光学プリズムとこれらの光学プリズム間に蒸着やス
パッタリングによって形成された誘電体多層膜よりなる
偏光分離膜13aとによって構成されている。偏光分離
膜13aは、半導体レーザ11からの光の光軸に対して
45°傾けられて配置されている。偏光分離膜13a
は、P偏光成分に対する透過率がS偏光成分に対する透
過率よりも大きく、且つS偏光成分に対する反射率がP
偏光成分に対する反射率よりも大きく、半導体レーザ1
1から出射された光の光路と光磁気ディスク40からの
戻り光の光路とを分離するようになっている。
【0033】コリメータレンズ14は、ビームスプリッ
タ13からの光を平行光束にするようになっている。対
物レンズ15は、本発明における集光手段に対応し、コ
リメータレンズ14からの光を集光して、信号記録面の
所望のトラック上で収束するように光磁気ディスク40
に照射するようになっている。対物レンズ15は、例え
ばガラスやプラスチックによって形成されている。光磁
気ディスク40からの戻り光は、対物レンズ15および
コリメータレンズ14を順に通過した後、ビームスプリ
ッタ13に入射し、偏光分離膜13aで一部が反射され
て、凹レンズ17、偏光成分分離光学素子20を順に通
過して光検出器30に入射するようになっている。
【0034】凹レンズ17は、戻り光の光学系の倍率を
大きくし、ビームスプリッタ13からの各光ビームの光
検出器30上での分離を容易にしている。
【0035】なお、図1において、半導体レーザ11か
ら対物レンズ15に到る光の光軸方向をx軸(半導体レ
ーザ11側が正)、ビームスプリッタ13から光検出器
30側へ進む光の光軸方向をz軸(ビームスプリッタ1
3側が正)、x軸およびz軸に垂直な方向(紙面に垂直
な方向)をy軸(紙面手前側が正)とする。
【0036】図2は、図1における偏光成分分離光学素
子20の構成を示す説明図である。なお、この図は、図
1における偏光成分分離光学素子20を、(x,y)=
(−1,−1)の方向に見た図である。偏光成分分離光
学素子20は、入射光の光軸に対して傾けられて配置さ
れる透明な略平行平板状の光学部材21と、この光学部
材21の入射側の面に設けられ、光学部材21に対する
入射光の反射を防止する第1の反射防止手段としての反
射防止膜22と、光学部材21の出射側の面に設けら
れ、反射防止膜22を通過した光を偏光方向が互いに直
交する2つの偏光成分の光に分離する偏光分離手段とし
ての偏光分離膜23と、光学部材21の入射側の面に設
けられ、偏光分離膜23によって反射された光を更に反
射して、光学部材21の出射側の面より出射させる反射
手段としての反射膜24と、光学部材21の出射側の面
に設けられ、反射膜24によって反射され、光学部材2
1の出射側の面より出射される光の反射を防止する第2
の反射防止手段としての反射防止膜25とを備えてい
る。光学部材21は、例えばガラス材によって形成され
る。
【0037】反射防止膜22,25は、例えば誘電体多
層膜によって形成されている。偏光分離膜23は、例え
ば誘電体多層膜によって形成され、P偏光成分に対する
透過率がS偏光成分に対する透過率よりも大きく、且つ
S偏光成分に対する反射率がP偏光成分に対する反射率
よりも大きく、好ましくは、P偏光成分を略全光量透過
し、S偏光成分を略全光量反射させるようになってい
る。反射膜24は、例えば誘電体多層膜や金属膜によっ
て形成され、少なくともS偏光成分を高い反射率で反射
するようになっている。
【0038】光学部材21を傾ける方向は、分離される
P偏光成分とS偏光成分の強度が略等量になる方向、す
なわち、半導体レーザ11の出射光の偏光方向が図1に
おいて符号18で示した方向であるとすると、光学部材
21の平面の法線ベクトルの向きが、図1に示したxy
z座標系においてx成分の大きさとy成分の大きさが等
しくなる方向である。なお、光学部材21の平面の法線
ベクトルのz成分の大きさは、偏光成分分離光学素子2
0によって付与したい非点収差量や、各膜22〜25が
所望の特性を得ることのできるような光の入射角度によ
って適宜に決定される。
【0039】ここで、図2に示した偏光成分分離光学素
子20の作用について説明する。偏光成分分離光学素子
20に対する入射光(凹レンズ17の出射光)26は、
反射防止膜22を略全光量透過し、光学部材21内を通
過して、偏光分離膜23に達する。この光のうち、P偏
光成分の光27は、偏光分離膜23を略全光量透過し、
光検出器30に達する。偏光分離膜23に達した光のう
ち、S偏光成分の光28は、偏光分離膜23で略全光量
反射され、光学部材21内を通過して、反射膜24に達
し、略全光量反射され、再度、光学部材21内を通過し
て、反射防止膜25に達し、この反射防止膜25を略全
光量透過して、光検出器30に達する。
【0040】また、偏光成分分離光学素子20は、入射
光の光軸に対して傾けられて配置された略平行平板状の
光学部材21を有しているので、この偏光成分分離光学
素子20を通過した光には、所定の非点収差が付与され
る。S偏光成分の光28に付与される非点収差量は、P
偏光成分の光27に付与される非点収差量の3倍とな
る。
【0041】光検出器30は、フォーカスエラー信号、
トラッキングエラー信号、光磁気再生信号およびピット
信号を検出するための複数の受光部を有している。図3
は、光検出器30における受光部の配置を示す説明図で
ある。なお、図3は、x軸の正の方向を右方向、x軸の
負の方向を左方向、y軸の正の方向を上方向、y軸の負
の方向を下方向として表している。この図に示したよう
に、光検出器30は、矩形例えば正方形を上下の中心線
および左右の中心線によって4分割した形状をなす4つ
の受光部30ia,30ib,30ic,30idと、
この受光部30ia〜30idの上下に配置された受光
部30f1 ,30e1 と、受光部30ia〜30idの
右側に配置された受光部30f2 と、受光部30e1
右側に配置された受光部30jと、この受光部30jの
下側に配置された受光部30e2とを有している。
【0042】光磁気ディスク40からの戻り光のうち、
回折素子12からの0次回折光に対応する光は、偏光成
分分離光学素子20によってP偏光成分の光27とS偏
光成分の光28とに分離され、それぞれ、光検出器30
の受光部30ia〜30idと受光部30jとに入射す
るようになっている。また、光磁気ディスク40からの
戻り光のうち、回折素子12からの±1次回折光に対応
する光は、それぞれ偏光成分分離光学素子20によって
P偏光成分の光27とS偏光成分の光28とに分離さ
れ、光検出器30の受光部30e1 ,30e2 、30f
1 ,30f2 に入射するようになっている。
【0043】光磁気再生信号MSは、光検出器30の受
光部30ia〜30idの出力の和と受光部30jの出
力との差によって求められるようになっている。フォー
カスエラー信号FEは、受光部30ia〜30idの各
出力を用いた演算によって、非点収差法に基づいて求め
られるようになっている。トラッキングエラー信号TE
は、光検出器30の受光部30e1 ,30e2 の出力の
和と受光部30f1 ,30f2 の出力の和との差によっ
て、3ビーム法に基づいて求められるようになってい
る。ピット信号PSは、光検出器30の受光部30ia
〜30idと受光部30jの出力の和によって求められ
るようになっている。
【0044】ここで、各受光部30ia〜30id,3
0j,30e1 ,30e2 ,30f1 ,30f2 の各出
力信号を、ia〜id,j,e1 ,e2 ,f1 ,f2
表すと、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラ
ー信号TE、光磁気再生信号MSおよびピット信号PS
は、それぞれ次の式(7)〜(10)によって求められ
る。
【0045】 FE=(ia+ic)−(ib+id) …(7) TE=(e1 +e2 )−(f1 +f2 ) …(8) MS=(ia+ib+ic+id)−j …(9) PS=(ia+ib+ic+id)+j …(10)
【0046】図1における偏光成分分離光学素子20と
光検出器30は、一体化してもよい。図4は、偏光成分
分離光学素子20と光検出器30を一体化して構成した
本実施の形態に係る光磁気信号検出器の構成例を示す側
面図である。この光磁気信号検出器31は、基板部32
と、この基板部32の一方の面に接合されたパッケージ
部33と、基板部32の一方の面側に設けられた複数の
出力ピン34とを備えている。基板部32の一方の面上
には、光検出器30が設けられている。パッケージ部3
3は、略円筒形状をなし、且つ先端部に、偏光成分分離
光学素子20の光学部材21の傾きに対応するように傾
けられた斜面33aが形成された形状になっている。偏
光成分分離光学素子20は、パッケージ部33の斜面3
3a上に貼り付けられて固定されている。なお、斜面3
3aでは、少なくとも偏光成分分離光学素子20の出射
光が通過する部分に透孔が形成されている。出力ピン3
4は、光検出器30に接続されている。基板部32およ
びパッケージ部33は、例えば金属やプラスチック等に
よって形成される。
【0047】次に、図1に示した光磁気ピックアップ1
0全体の作用について説明する。半導体レーザ11から
出射された記録用または再生用のレーザ光は、回折素子
12によって3本の光ビームに分離され、ビームスプリ
ッタ13に入射し、光量の一部が偏光分離膜13aを透
過し、コリメータレンズ14によって平行光束とされ、
対物レンズ15によって集光され、信号記録面の所望の
トラック上で収束するように光磁気ディスク40に照射
される。なお、半導体レーザ31の出力は、記録時には
記録用の高出力に設定され、再生時には再生用の低出力
に設定される。
【0048】光磁気ディスク40からの戻り光は、対物
レンズ15およびコリメータレンズ14を順に通過した
後、ビームスプリッタ13に入射し、偏光分離膜13a
で一部が反射されて、凹レンズ17を通過した後、偏光
成分分離光学素子20によってP偏光成分の光27とS
偏光成分の光28とに分離され、光検出器30に入射す
る。そして、この光検出器30の出力信号に基づいて、
フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、光磁
気再生信号およびピット信号が検出される。なお、再生
時には、光磁気ディスク40に照射された光は、カー効
果により、光磁気ディスク40の信号記録面における磁
化方向に応じて異なる方向に偏光方向が回転されて反射
され、戻り光となる。
【0049】図5は、図1に示した光磁気ピックアップ
10を有する本実施の形態に係る光磁気信号記録再生装
置としての光磁気ディスク装置の構成を示すブロック図
である。この光磁気ディスク装置50は、光磁気ピック
アップ10の他に、光磁気ディスク40を回転駆動する
ためのスピンドルモータ51と、光磁気ピックアップ1
0を光磁気ディスク40の半径方向に駆動するための送
りモータ52と、光磁気ピックアップ10のアクチュエ
ータ19、スピンドルモータ51および送りモータ52
を制御するサーボ制御回路53とを備えている。
【0050】光磁気ディスク装置50は、更に、光磁気
ディスク40を挟んで光磁気ピックアップ10と対向す
る位置に配設され、光磁気ディスク40に所定の磁界を
印加するための記録磁気ヘッド54と、この記録磁気ヘ
ッド54を駆動するためのヘッド駆動回路55と、光磁
気ピックアップ10およびヘッド駆動回路55に接続さ
れた信号変復調・エラー訂正部56と、この信号変復調
・エラー訂正部56に接続された作業用のRAM(ラン
ダム・アクセス・メモリ)57と、サーボ回路53およ
び信号変復調・エラー訂正部56を制御するシステムコ
ントローラ58とを備えている。信号変復調・エラー訂
正部56は、外部より入力した信号を光磁気ディスク4
0に記録するために変調する信号変調部と、光磁気ディ
スク40より再生した信号を復調する信号復調部と、光
磁気ディスク40に記録する信号に対してエラー訂正コ
ードを付加すると共に、このエラー訂正コードを用いて
光磁気ディスク40より再生した信号のエラー訂正を行
うエラー訂正部とを有している。
【0051】光磁気ディスク装置50は、例えばデータ
ストレージ用であれば、更に、信号変復調・エラー訂正
部56と外部コンピュータ61とを接続するためのイン
タフェース62を備え、例えばオーディオ用であれば、
更に、オーディオ信号の入出力を行うオーディオ入出力
部63と、信号変復調・エラー訂正部56の出力信号を
ディジタル−アナログ(以下、D/Aと記す。)変換し
てオーディオ入出力部63に送ると共にオーディオ入出
力部63で入力したオーディオ信号をアナログ−ディジ
タル(以下、A/Dと記す。)変換して信号変復調・エ
ラー訂正部56に送るD/A・A/D変換部64とを備
えている。
【0052】なお、図5に示した光磁気ディスク装置5
0は、光磁気ディスク40以外の他の種類の光ディスク
を用いて、情報の記録や再生を行うことも可能になって
おり、例えば、コンパクトディスク(CD)等の再生専
用の光ディスクを用いて情報の再生を行うことも可能で
ある。
【0053】次に、光磁気ディスク装置50の作用につ
いて説明する。スピンドルモータ51は、システムコン
トローラ58およびサーボ制御回路53によって制御さ
れて、所定の回転数で回転する。
【0054】記録時には、光磁気ピックアップ10によ
って記録用の高出力のレーザ光が光磁気ディスク40の
信号記録面に照射される。また、記録時には、インタフ
ェース62やオーディオ入出力部63を介して外部より
入力された信号は、信号変復調・エラー訂正部56の信
号変調部によって光磁気ディスク40に記録するために
変調され、更にエラー訂正部によってエラー訂正コード
が付加される。この信号に基づいて、ヘッド駆動回路5
5が駆動され、磁界変調方式によって、光磁気ディスク
40の信号記録面に情報が記録される。
【0055】一方、再生時には、光磁気ピックアップ1
0によって、再生用の低出力のレーザ光を光磁気ディス
ク40の信号記録面に照射し、戻り光を検出することに
よって情報を再生する。光磁気ピックアップ10より出
力される光磁気再生信号は、信号変復調・エラー訂正部
56のエラー訂正部によってエラー訂正処理が施される
と共に、信号復調部によって復調され、インタフェース
62を介して外部コンピュータ61に送られたり、D/
A・A/D変換部64によってD/A変換されてオーデ
ィオ入出力部63より出力されたりする。
【0056】以上説明したように、本実施の形態に係る
偏光成分分離光学素子20は、光磁気ディスク40から
の戻り光を複数の偏光成分に分離する光学素子である
が、入手および加工な容易な板状のガラス材を用い、且
つ板状のガラス材を略そのまま使用して作製することが
でき、加工性に優れ、且つ安価に製造可能である。ま
た、本実施の形態に係る光磁気信号検出器31、光磁気
ピックアップ10および光磁気ディスク装置50によれ
ば、光磁気ディスク40からの戻り光を複数の偏光成分
に分離する光学素子として、ガラス等の等方性媒質に比
べて製造、入手が困難で且つ加工が煩雑な結晶材料を用
い、しかも2枚の結晶材料を光学軸を所定の方向になる
ように斜めに加工し、貼り合わせ、研磨することによっ
て作製されるウォラストンプリズムを使用せずに、上述
のように加工性に優れ、安価に製造可能な偏光成分分離
光学素子20を使用しているので、容易に且つ安価に製
造可能となる。
【0057】また、本実施の形態に係る偏光成分分離光
学素子20は、フォーカスエラー信号検出用の非点収差
を発生させる機能も有するので、この偏光成分分離光学
素子20を用いた本実施の形態に係る光磁気ピックアッ
プ10および光磁気ディスク装置50によれば、片面を
シリンドリカル面に、片面を凹面に加工する必要のある
マルチレンズが不要となり、図16に示したような従来
の光磁気ピックアップにおける3ビームウォラストンプ
リズムとマルチレンズが、上述のように加工性に優れ、
安価に製造可能な偏光成分分離光学素子20と単なる凹
レンズ17に置き換えられ、より一層、容易に且つ安価
に製造可能となる。
【0058】また、本実施の形態に係る光磁気信号検出
器31によれば、偏光成分分離光学素子20と光検出器
30とが一体化されているので、偏光成分分離光学素子
20と光検出器30との位置関係の経時変化や環境によ
る変化が起きにくくなると共に、光磁気ピックアップと
しての調整が容易になる等が効果を奏する。また、偏光
成分分離光学素子20および光検出器30を、独立した
一体の素子として取り扱うことができ、取り扱いが簡便
になる。
【0059】なお、図1では、ビームスプリッタ13の
側方に、ビームスプリッタ13側より順に、凹レンズ1
7と偏光成分分離光学素子20を配置した構成とした
が、これは、偏光成分分離光学素子20における各膜2
2〜25に入射する光の入射角範囲を狭くすること、お
よび偏光成分分離光学素子20を光検出器30の近くに
配置することにより光検出器30の面積を小さくするこ
とを意図してのものである。しかし、他の制約によっ
て、凹レンズ17と偏光成分分離光学素子20の配置を
逆にしても構わない。
【0060】また、図4には、偏光成分分離光学素子2
0と光検出器30とを、パッケージ部33を介して一体
化した光磁気信号検出器31を示したが、偏光成分分離
光学素子20と光検出器30に、それぞれ、互いに接合
するための接合部を設け、偏光成分分離光学素子20と
光検出器30とを直接接合して一体化してもよい。
【0061】なお、本実施の形態に係る光磁気ピックア
ップ10では、光検出器30が4分割の受光部30ia
〜30idを有しているので、この受光部30ia〜3
0idを用いて、位相差法に基づいて、トラッキングエ
ラー信号を検出することも可能である。この場合、トラ
ッキングエラー信号は、信号(ia+ic)と信号(i
b+id)の位相差より求められる。
【0062】また、本実施の形態では、図2に示した偏
光成分分離光学素子20において、偏光分離膜23を透
過したP偏光成分の光27を用いて、非点収差法に基づ
いてフォーカスエラー信号を得るようにしたが、光学系
の構成上必要とされる非点収差量等に応じて、偏光成分
分離光学素子20において、偏光分離膜23および反射
膜24で2回反射されて出射されるS偏光成分の光28
を用いて、非点収差法に基づいてフォーカスエラー信号
を得るようにしてもよい。この場合、光学部材21の厚
みおよび傾きが同じであれば、P偏光成分の光27を用
いる場合に比べて、3倍の非点収差量が得られる。
【0063】図6は、上述のように、S偏光成分の光2
8を用いてフォーカスエラー信号を得る場合における光
検出器30の受光部の配置を示す説明図である。この場
合における光検出器30では、図3における受光部30
ia〜30idの代わりに1つの受光部30iが設けら
れ、図3における受光部30jの代わりに4つの受光部
30ja〜30jdが設けられている。4つの受光部3
0ja〜30jdは、矩形例えば正方形を上下の中心線
および左右の中心線によって4分割した形状をなしてい
る。
【0064】ここで、各受光部30i,30ja〜30
jd,30e1 ,30e2 ,30f1 ,30f2 の各出
力信号を、i,ja〜jd,e1 ,e2 ,f1 ,f2
表すと、フォーカスエラー信号FE、トラッキングエラ
ー信号TE、光磁気再生信号MSおよびピット信号PS
は、それぞれ次の式(11)〜(14)によって求めら
れる。
【0065】 FE=(ja+jc)−(jb+jd) …(11) TE=(e1 +e2 )−(f1 +f2 ) …(12) MS=i−(ja+jb+jc+jd) …(13) PS=i+(ja+jb+jc+jd) …(14)
【0066】S偏光成分の光28を用いてフォーカスエ
ラー信号を得るようにした場合には、S偏光成分の光2
8において所望の非点量が得られるように光学部材21
の厚みおよび傾きを設定する。この場合、P偏光成分の
光27において発生する非点収差量は、S偏光成分の光
28の3分の1になるので、P偏光成分の光27の歪み
を小さくすることができる。また、光学部材21の厚み
を小さくすることができるので、P偏光成分の光27と
S偏光成分の光28の間隔を小さくでき、その結果、光
検出器30における受光部の間隔を小さくでき、光検出
器30の大きさを小さくすることが可能となる。
【0067】図7は、本発明の第2の実施の形態に係る
光磁気ピックアップの構成を示す説明図である。この光
磁気ピックアップ70は、半導体レーザ,光検出器,回
折素子およびホログラム素子が一体化されたホログラム
レーザ素子71と、光磁気ディスク40に対向するよう
に配置される対物レンズ15と、ホログラムレーザ素子
71と対物レンズ15との間に、ホログラムレーザ素子
71側より順に配設されたビームスプリッタ13、コリ
メータレンズ14を備えている。光磁気ピックアップ7
0は、更に、ビームスプリッタ13の側方に、ビームス
プリッタ13側より順に配設された凹レンズ17、偏光
成分分離光学素子20および光検出器72を備えてい
る。光磁気ピックアップ70は、更に、対物レンズ15
をフォーカス方向Fおよびトラッキング方向Tに駆動可
能なアクチュエータ19を備えている。光磁気ピックア
ップ10は、図示しないガイドに沿って光磁気ディスク
40の半径方向に移動可能に支持された図示しないベー
ス部材を備え、対物レンズ15を除く光磁気ピックアッ
プ70の各構成部品は、このベース部材に対して固定さ
れている。
【0068】図8は、図7におけるホログラムレーザ素
子71を一部切り欠いて示す斜視図である。ホログラム
レーザ素子71は、基板部73と、この基板部73上に
設けられ、水平方向にレーザ光を出射する半導体レーザ
74と、この半導体レーザ74の出射光を反射すると共
に回折する回折素子75と、この回折素子75からの光
および光磁気ディスク40からの戻り光が入射される本
発明における光路分離手段に対応するホログラム素子7
6と、このホログラム素子76によって回折される戻り
光を検出する光検出器77とを備え、これらが一体化さ
れている。なお、本実施の形態に係る光磁気ピックアッ
プ70では、光路分離手段として、ビームスプリッタ1
3とホログラム素子76の二つが設けられていることに
なる。
【0069】半導体レーザ74は、ビームスプリッタ1
3に対してP偏光となる直線偏光のレーザ光を出射する
ようになっている。回折素子75は、半導体レーザ74
からの光を回折して、0次回折光と±1次回折光の3本
の回折光を発生させるようになっている。回折素子75
からの光は、ホログラム素子76を通過して、ビームス
プリッタ13に入射するようになっている。
【0070】光磁気ディスク40からの戻り光は、対物
レンズ15およびコリメータレンズ14を順に通過した
後、ビームスプリッタ13に入射し、偏光分離膜13a
で一部が透過し、一部が反射されるようになっている。
偏光分離膜13aを透過した光は、ホログラムレーザ素
子71内のホログラム素子76によって、半円状の2つ
の光ビームに分割され、且つ各光ビームが互いに異なる
方向に向けて出射される。この2つの光ビームは、回折
素子75を通らずに光検出器77に入射するようになっ
ている。半円状の1つの光ビームは、光検出器77にお
ける2分割の受光部77a,77bに対して、光ビーム
の直線部分が受光部77a,77bの分割線と一致する
ように入射し、この2分割の受光部77a,77bの出
力信号の差により、フーコ法に基づいてフォーカスエラ
ー信FEが検出されるようになっている。
【0071】戻り光のうち、偏光分離膜13aで反射さ
れた光は、凹レンズ17、偏光成分分離光学素子20を
順に通過して光検出器70に入射するようになってい
る。偏光成分分離光学素子20の構成および配置は、第
1の実施の形態と同様である。
【0072】光検出器72は、トラッキングエラー信号
および光磁気再生信号を検出するための複数の受光部を
有している。図9は、光検出器72における受光部の配
置を示す説明図である。なお、図9は、x軸の正の方向
を右方向、x軸の負の方向を左方向、y軸の正の方向を
上方向、y軸の負の方向を下方向として表している。こ
の図に示したように、光検出器72は、矩形例えば正方
形を左右の中心線によって2分割した形状をなす2つの
受光部72ia,72ibと、この受光部72ia,7
2ibの上下に配置された受光部72f1 ,72e
1 と、受光部72ia,72ibの右側に配置された受
光部72f2 と、受光部72e1 の右側に配置され、矩
形例えば正方形を上下の中心線によって2分割した形状
をなす2つの受光部72ja,72jbと、この受光部
72ja,72jbの下側に配置された受光部72e2
とを有している。
【0073】図2に示したように、光磁気ディスク40
からの戻り光のうち、回折素子75からの0次回折光に
対応する光は、偏光成分分離光学素子20によってP偏
光成分の光27とS偏光成分の光28とに分離され、そ
れぞれ、光検出器72の受光部72ia,72ibと受
光部72ja,72jbとに入射するようになってい
る。また、光磁気ディスク40からの戻り光のうち、回
折素子75からの±1次回折光に対応する光は、それぞ
れ偏光成分分離光学素子20によってP偏光成分の光2
7とS偏光成分の光28とに分離され、光検出器72の
受光部72e1 ,72e2 、72f1 ,72f2 に入射
するようになっている。
【0074】光磁気再生信号MSは、光検出器72の受
光部72ia,72ibの出力の和と受光部72ja,
72jbの出力の和との差によって求められるようにな
っている。トラッキングエラー信号TEは、光検出器7
2の受光部72e1 ,72e2 の出力の和と受光部72
1 ,72f2 の出力の和との差によって、3ビーム法
に基づいて求められるようになっている。また、アドレ
ス信号ADは、光検出器72の受光部72ia,72i
bの出力の差によって求められるようになっている。
【0075】ここで、各受光部72ia,72ib,7
2ja,72jb,72e1 ,72e2 ,72f1 ,7
2f2 の各出力信号を、ia,ib,ja,jb,
1 ,e2 ,f1 ,f2 と表すと、トラッキングエラー
信号TE、光磁気再生信号MSおよびアドレス信号AD
は、それぞれ次の式(15)〜(17)によって求めら
れる。
【0076】 TE=(e1 +e2 )−(f1 +f2 ) …(15) MS=(ia+ib)−(ja+jb) …(16) AD=ia−ib …(17)
【0077】次に、図7に示した光磁気ピックアップ7
0の作用について説明する。ホログラムレーザ素子71
内の半導体レーザ74から出射されたレーザ光は、回折
素子75によって3本の光ビームに分離され、ホログラ
ム素子76を通過して、ビームスプリッタ13に入射
し、光量の一部が偏光分離膜13aを透過し、コリメー
タレンズ14によって平行光束とされ、対物レンズ15
によって集光され、信号記録面の所望のトラック上で収
束するように光磁気ディスク40に照射される。なお、
半導体レーザ74の出力は、記録時には記録用の高出力
に設定され、再生時には再生用の低出力に設定される。
【0078】光磁気ディスク40からの戻り光は、対物
レンズ15およびコリメータレンズ14を順に通過した
後、ビームスプリッタ13に入射し、偏光分離膜13a
で一部が透過し、一部が反射される。偏光分離膜13a
を透過した光は、ホログラムレーザ素子71内のホログ
ラム素子76によって半円状の2つの光ビームに分割さ
れ、そのうちの1つの光ビームが、ホログラムレーザ素
子71内の光検出器77における2分割の受光部77
a,77bに入射し、この2分割の受光部77a,77
bの出力信号により、フーコ法に基づいてフォーカスエ
ラー信号が検出される。
【0079】戻り光のうち、偏光分離膜13aで反射さ
れた光は、凹レンズ17を通過した後、偏光成分分離光
学素子20によってP偏光成分の光27とS偏光成分の
光28とに分離され、光検出器72に入射する。そし
て、この光検出器72の出力信号に基づいて、トラッキ
ングエラー信号、光磁気再生信号およびアドレス信号が
検出される。
【0080】本実施の形態に係る光磁気ピックアップに
よれば、図18に示したような従来の光磁気ピックアッ
プにおけるウォラストンプリズムが、加工性に優れ、安
価に製造可能な偏光成分分離光学素子20に置き換えら
れ、容易に且つ安価に製造可能となる。
【0081】なお、本実施の形態における光磁気ディス
ク装置の構成は、図5と同様である。本実施の形態にお
けるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形
態と同様である。
【0082】図10は、本発明の第3の実施の形態に係
る光磁気ピックアップの構成を示す説明図である。この
光磁気ピックアップ80は、第1の実施の形態に係る光
磁気ピックアップ10において、半導体レーザ11と回
折素子12との間の光路中に凸レンズ81を設け、コリ
メータレンズ14および凹レンズ17を除いた構成にな
っている。また、対物レンズ15は、平行光を集束させ
るタイプのものから、やや発散している光を集束させる
タイプのものに変更されている。
【0083】凸レンズ81は、本発明における広がり角
変換手段に対応し、半導体レーザ11より出射され、ビ
ームスプリッタ13に入射する光の広がり角を小さくな
るように変換する機能、言い換えると、半導体レーザ1
1より出射され、ビームスプリッタ13に入射する光の
開口数(以下、NAと記す。)を小さくなるように変換
する機能を有している。この凸レンズ81により、半導
体レーザ11の出射光の光学倍率(対物レンズ15前後
のNAの比)も変換される。
【0084】本実施の形態では、往路で凸レンズ81に
よってビームスプリッタ13を通過する光のNAが小さ
くなるように変換されているので、ビームスプリッタ1
3の偏光分離膜13aで反射された戻り光のNAが小さ
くなるため、凹レンズ17が不要になっている。
【0085】本実施の形態に係る光磁気ピックアップ8
0によれば、第1の実施の形態に係る光磁気ピックアッ
プ10に比べて、部品点数を削減することができ、材料
コスト、加工コストを低減することができる。特に、本
実施の形態において廃止したコリメータレンズは、その
光学収差に対する要求から、通常、2枚のガラス材の貼
り合わせによって作製されており、このコリメータレン
ズの廃止による材料コスト、加工コストの低減効果は大
きい。
【0086】また、本実施の形態に係る光磁気ピックア
ップ80によれば、第1の実施の形態に係る光磁気ピッ
クアップ10に比べて、ビームスプリッタ13に入射す
る光の入射角範囲が小さくなるので、偏光分離膜13a
の設計上有利になる。
【0087】なお、本実施の形態における光磁気ディス
ク装置の構成は、図5と同様である。本実施の形態にお
けるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形
態と同様である。
【0088】図11は、本発明の第4の実施の形態に係
る光磁気ピックアップの構成を示す説明図である。この
光磁気ピックアップ90は、第3の実施の形態に係る光
磁気ピックアップ80において、ビームスプリッタ13
を、略平行平板状のビームスプリッタプレート91に置
き換えた構成になっている。
【0089】ビームスプリッタプレート91は、半導体
レーザ11側からの入射光の光軸に対して傾けられて配
置される透明な略平行平板状の光学部材91aと、この
光学部材91aの半導体レーザ11側からの光の入射側
の面に設けられ、光学部材91aに対する入射光の反射
を防止する反射防止膜91bと、光学部材91aの半導
体レーザ11側からの光の出射側の面に設けられた光学
薄膜よりなる分離膜91cとを備えている。分離膜91
cは、半透過膜または偏光分離膜であり、偏光分離膜で
ある方が望ましい。この場合の偏光分離膜は、例えば誘
電体多層膜によって形成されている。
【0090】本実施の形態に係る光磁気ピックアップ9
0では、凸レンズ81によって、ビームスプリッタプレ
ート91に対する入射光のNAが小さくなるように(例
えば、NA=0.045程度に)変換されているので、
光学部材91を透過する際に発生する非点収差は大きく
なく、光磁気ディスク40によって発生する非点収差等
との関係において、適正な範囲内に設定可能である。
【0091】本実施の形態に係る光磁気ピックアップ9
0によれば、2つの三角柱プリズムを貼り合わせて作製
されるビームスプリッタの代わりに、加工が容易で且つ
小型、軽量のビームスプリッタプレート91を用いたの
で、ビームスプリッタを用いる場合に比べて、光路分離
手段を小型化でき、また、加工上の煩雑さを大幅に軽減
できると共に加工コストを低減することができ、光磁気
ピックアップ90の小型化、軽量化が可能になる。
【0092】なお、本実施の形態における光磁気ディス
ク装置の構成は、図5と同様である。本実施の形態にお
けるその他の構成、作用および効果は、第3の実施の形
態と同様である。
【0093】図12は、本発明の第5の実施の形態に係
る偏光成分分離光学素子を含む光磁気ピックアップの構
成を示す説明図である。この光磁気ピックアップ110
は、第1の実施の形態に係る光磁気ピックアップ10に
おいて、偏光成分分離光学素子20を偏光成分分離光学
素子120に置き換え、光検出器30を光検出器130
に置き換えた構成になっている。
【0094】図13は、図12における偏光成分分離光
学素子120の構成を示す説明図である。なお、この図
は、図12における偏光成分分離光学素子120を、
(x,y)=(−1,−1)の方向に見た図である。偏
光成分分離光学素子120は、入射光の光軸に対して傾
けられて配置される透明な略平行平板状の光学部材12
1と、この光学部材121の入射側の面に設けられ、光
学部材121に対する入射光の反射を防止する第1の反
射防止手段としての反射防止膜122と、光学部材12
1の出射側の面に設けられ、反射防止膜122を通過し
た光の光量の一部を透過させ、光量の一部を反射する半
透過膜123と、光学部材121の入射側の面に設けら
れ、半透過膜123によって反射された光を、高い反射
率で反射する高反射膜124と、光学部材121の出射
側の面に設けられ、高反射膜124によって反射された
光を偏光方向が互いに直交する2つの偏光成分の光に分
離する偏光分離手段としての偏光分離膜125と、光学
部材121の入射側の面に設けられ、偏光分離膜125
によって反射された光を更に反射して、光学部材121
の出射側の面より出射させる反射手段としての反射膜1
26と、光学部材121の出射側の面に設けられ、反射
膜126によって反射され、光学部材121の出射側の
面より出射される光の反射を防止する第2の反射防止手
段としての反射防止膜127とを備えている。光学部材
121は、例えばガラス材によって形成されている。
【0095】反射防止膜122,127は、例えば誘電
体多層膜によって形成されている。反射膜124は、例
えば誘電体多層膜や金属膜によって形成されている。偏
光分離膜125は、例えば誘電体多層膜によって形成さ
れ、P偏光成分に対する透過率がS偏光成分に対する透
過率よりも大きく、且つS偏光成分に対する反射率がP
偏光成分に対する反射率よりも大きく、好ましくは、P
偏光成分を略全光量透過し、S偏光成分を略全光量反射
させるようになっている。反射膜126は、例えば誘電
体多層膜や金属膜によって形成され、少なくともS偏光
成分を高い反射率で反射するようになっている。
【0096】光学部材121を傾ける方向は、分離され
るP偏光成分とS偏光成分の強度が略等量になる方向、
すなわち、半導体レーザ11の出射光の偏光方向が図1
2において符号18で示した方向であるとすると、光学
部材121の平面の法線ベクトルの向きが、図12に示
したxyz座標系においてx成分の大きさとy成分の大
きさが等しくなる方向である。なお、光学部材121の
平面の法線ベクトルのz成分の大きさは、偏光成分分離
光学素子120によって付与したい非点収差量や、各膜
122〜127が所望の特性を得ることのできるような
光の入射角度によって適宜に決定される。
【0097】ここで、図13に示した偏光成分分離光学
素子120の作用について説明する。偏光成分分離光学
素子120に対する入射光(凹レンズ17の出射光)1
41は、反射防止膜122を略全光量透過し、光学部材
121内を通過して、半透過膜123に達し、光量の一
部が透過し、光量の一部が反射される。半透過膜123
を透過した光は、偏光成分の割合が入射光141と略同
等の光142として、光検出器130に達する。半透過
膜123で反射された光は、光学部材121内を通過し
て、反射膜124に達し、略全光量反射され、再度、光
学部材121内を通過して、偏光分離膜125に達す
る。この光のうち、P偏光成分の光143は、偏光分離
膜125を略全光量透過し、光検出器130に達する。
偏光分離膜125に達した光のうち、S偏光成分の光1
44は、偏光分離膜125で略全光量反射され、光学部
材121内を通過して、反射膜126に達し、略全光量
反射され、再度、光学部材121内を通過して、反射防
止膜127に達し、この反射防止膜127を略全光量透
過して、光検出器130に達する。
【0098】また、偏光成分分離光学素子120は、入
射光の光軸に対して傾けられて配置された略平行平板状
の光学部材121を有しているので、この偏光成分分離
光学素子120を通過した光には、所定の非点収差が付
与される。P偏光成分の光143に付与される非点収差
量は、偏光成分の割合が入射光141と略同等の光14
2に付与される非点収差量の3倍となり、S偏光成分の
光144に付与される非点収差量は、光142に付与さ
れる非点収差量の5倍となる。
【0099】光検出器130は、フォーカスエラー信
号、トラッキングエラー信号、光磁気再生信号およびピ
ット信号を検出するための複数の受光部を有している。
図14は、光検出器130における受光部の配置を示す
説明図である。なお、図14は、x軸の正の方向を右方
向、x軸の負の方向を左方向、y軸の正の方向を上方
向、y軸の負の方向を下方向として表している。この図
に示したように、光検出器130は、矩形例えば正方形
を上下の中心線および左右の中心線によって4分割した
形状をなす4つの受光部130a,130b,130
c,130dと、この受光部130a〜130dの上下
に配置された受光部130f1 ,130e1 と、受光部
130a〜130dの右側に配置された受光部130f
2 と、受光部130e1 の右側に配置された受光部13
0iと、この受光部130iの下側に配置された受光部
130e2 と、受光部130i,130e2 の右側に配
置された受光部130f3 と、この受光部130f3
下側に配置された受光部130jと、この受光部130
jの下側に配置された受光部130e3 とを有してい
る。
【0100】光磁気ディスク40からの戻り光のうち、
回折素子12からの0次回折光に対応する光は、偏光成
分分離光学素子120によって、偏光成分の割合が入射
光141と略同等の光142と、P偏光成分の光143
と、S偏光成分の光144とに分離され、それぞれ、光
検出器130の受光部130a〜130dと受光部13
0iと受光部130jとに入射するようになっている。
また、光磁気ディスク40からの戻り光のうち、回折素
子12からの±1次回折光に対応する光は、それぞれ偏
光成分分離光学素子120によって、偏光成分の割合が
入射光141と略同等の光142と、P偏光成分の光1
43と、S偏光成分の光144とに分離され、光検出器
130の受光部130e1 ,130e2 ,130e3
130f1 ,130f2 ,130f3 に入射するように
なっている。
【0101】光磁気再生信号MSは、光検出器130の
受光部130iと受光部130jの出力の差によって求
められるようになっている。フォーカスエラー信号FE
は、受光部130a〜130dの各出力を用いた演算に
よって、非点収差法に基づいて求められるようになって
いる。トラッキングエラー信号TEは、光検出器130
の受光部130e1 ,130e2 ,130e3 の出力の
和と受光部130f1,130f2 ,130f3 の出力
の和との差によって、3ビーム法に基づいて求められる
ようになっている。ピット信号PSは、光検出器130
の受光部130iと受光部130jの出力の和によって
求められるようになっている。
【0102】ここで、各受光部130a〜130d,1
30i,130j,130e1 ,130e2 ,130e
3 ,130f1 ,130f2 ,130f3 の各出力信号
を、a〜d,i,j,e1 ,e2 ,e3 ,f1 ,f2
3 と表すと、フォーカスエラー信号FE、トラッキン
グエラー信号TE、光磁気再生信号MSおよびピット信
号PSは、それぞれ次の式(18)〜(21)によって
求められる。
【0103】 FE=(a+c)−(b+d) …(18) TE=(e1 +e2 +e3 )−(f1 +f2 +f3 ) …(19) MS=i−j …(20) PS=i+j …(21)
【0104】なお、トラッキングエラー信号TEは、e
1 −f1 によって求めてもよい。
【0105】本実施の形態に係る光磁気ピックアップ1
10によれば、偏光成分分離光学素子120によって、
光磁気ディスク40からの戻り光を、偏光成分の割合が
入射光141と略同等の光142と、P偏光成分の光1
43と、S偏光成分の光144とに分離し、偏光成分の
割合が入射光141と略同等の光142を用いてフォー
カスエラー信号を検出するようにしたので、光磁気ディ
スク40の複屈折等のフォーカスエラー信号に対する影
響を除去することが可能となる。
【0106】なお、本実施の形態における光磁気ディス
ク装置の構成は、図5と同様である。本実施の形態にお
けるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形
態と同様である。
【0107】図15は、本発明の第6の実施の形態に係
る偏光成分分離光学素子を含む光磁気ピックアップの構
成を示す説明図である。この光磁気ピックアップ150
は、第1の実施の形態に係る光磁気ピックアップ10に
おいて、半導体レーザ11,回折格子12と、凹レンズ
17,偏光成分分離光学素子20,光検出器30との配
置を逆にした構成になっている。
【0108】すなわち、本実施の形態に係る光磁気ピッ
クアップ150では、半導体レーザ11から出射された
光は、回折素子12によって3本の光ビームに分離さ
れ、ビームスプリッタ13に入射し、光量の一部が偏光
分離膜13aで反射され、コリメータレンズ14によっ
て平行光束とされ、対物レンズ15によって集光され、
信号記録面の所望のトラック上で収束するように光磁気
ディスク40に照射される。光磁気ディスク40からの
戻り光は、対物レンズ15およびコリメータレンズ14
を順に通過した後、ビームスプリッタ13に入射し、一
部が偏光分離膜13aを透過し、凹レンズ17を通過し
た後、偏光成分分離光学素子20によってP偏光成分の
光27とS偏光成分の光28とに分離され、光検出器3
0に入射する。
【0109】なお、本実施の形態に係る光磁気ピックア
ップ150では、半導体レーザ11の出射光の偏光方向
を、図15において符号151で示したように紙面に垂
直な方向とし、トラッキング方向Tも紙面に垂直な方向
とするのが望ましい。
【0110】なお、本実施の形態における光磁気ディス
ク装置の構成は、図5と同様である。本実施の形態にお
けるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形
態と同様である。
【0111】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れず、例えば、第2ないし第6の実施の形態において
も、偏光成分分離光学素子と光検出器とを一体化して光
磁気信号検出器を構成してもよい。
【0112】また、偏光成分分離光学素子20,120
において、反射防止膜22,25,122,127は、
光の利用効率が向上するので設けることが望ましいが、
必ずしも必要なものではない。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように請求項1または2記
載の偏光成分分離光学素子によれば、入射光の光軸に対
して傾けられて配置される透明な板状の光学部材と、こ
の光学部材の出射側の面に設けられた偏光分離手段と、
光学部材の入射側の面に設けられ、偏光分離手段によっ
て反射された光を更に反射して、光学部材の出射側の面
より出射させる反射手段とを備えた構成としたので、入
射光を複数の偏光成分に分離する光学素子を、加工性に
優れ、安価に製造可能な素子で実現することができると
いう効果を奏する。
【0114】また、請求項2記載の偏光成分分離光学素
子によれば、光学部材の入射側の面に設けられ、光学部
材に対する入射光の反射を防止する第1の反射防止手段
と、光学部材の出射側の面に設けられ、反射手段によっ
て反射され、光学部材の出射側の面より出射される光の
反射を防止する第2の反射防止手段とを備えたので、更
に、光の利用効率を向上させることができるという効果
を奏する。
【0115】請求項3記載の光磁気信号検出器、請求項
4ないし10のいずれかに記載の光磁気ピックアップま
たは請求項11記載の光磁気信号記録再生装置によれ
ば、光磁気記録媒体からの戻り光を複数の偏光成分に分
離する光学素子として、上記の光学部材と偏光分離手段
と反射手段とを備えた偏光成分分離光学素子を用いたの
で、容易に且つ安価に製造可能となるという効果を奏す
る。
【0116】また、請求項9または10記載の光磁気ピ
ックアップによれば、光源と少なくとも一つの光路分離
手段との間に設けられ、光路分離手段に入射する光の広
がり角を小さくなるように変換する広がり角変換手段を
備えたので、更に、コリメータレンズ等の部品の削減が
可能となるという効果を奏する。
【0117】また、請求項10記載の光磁気ピックアッ
プによれば、広がり角変換手段によって広がり角が変換
された光が入射する光路分離手段を、入射する光の光軸
に対して傾けられて配置された透明な板状部材と、この
板状部材の少なくとも一面に設けられた光学薄膜とを有
する構成としたので、更に、光路分離手段の小型化、光
路分離手段の加工上の煩雑さの軽減および加工コストの
低減が可能となり、光磁気ピックアップの小型化、軽量
化が可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光磁気ピック
アップの構成を示す説明図である。
【図2】図1における偏光成分分離光学素子の構成を示
す説明図である。
【図3】図1における光検出器の受光部の配置を示す説
明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る光磁気信号検
出器の構成例を示す側面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る光磁気ディス
ク装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る光磁気ピック
アップの変形例における光検出器の受光部の配置を示す
説明図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係る光磁気ピック
アップの構成を示す説明図である。
【図8】図7におけるホログラムレーザ素子を一部切り
欠いて示す斜視図である。
【図9】図7における光検出器の受光部の配置を示す説
明図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態に係る光磁気ピッ
クアップの構成を示す説明図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る光磁気ピッ
クアップの構成を示す説明図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態に係る光磁気ピッ
クアップの構成を示す説明図である。
【図13】図12における偏光成分分離光学素子の構成
を示す説明図である。
【図14】図12における光検出器の受光部の配置を示
す説明図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態に係る光磁気ピッ
クアップの構成を示す説明図である。
【図16】従来の光磁気ピックアップの構成の一例を示
す説明図である
【図17】図16における光検出器の受光部の配置を示
す説明図である。
【図18】従来の光磁気ピックアップの構成の他の例を
示す説明図である
【図19】図18における光検出器の受光部の配置を示
す説明図である。
【符号の説明】
11…半導体レーザ、12…回折素子、13…ビームス
プリッタ、14…コリメータレンズ、15…対物レン
ズ、17…凹レンズ、20…偏光成分分離光学素子、3
0…光検出器、40…光磁気ディスク、50…光磁気デ
ィスク装置。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入射光の光軸に対して傾けられて配置さ
    れる透明な板状の光学部材と、 この光学部材の出射側の面に設けられ、互いに偏光方向
    が直交する第1の偏光成分と第2の偏光成分のうち、第
    1の偏光成分に対する透過率が第2の偏光成分に対する
    透過率よりも大きく、且つ第2の偏光成分に対する反射
    率が第1の偏光成分に対する反射率よりも大きく、前記
    光学部材に対する入射光を主に第1の偏光成分を含む透
    過光と主に第2の偏光成分を含む反射光とに分離する偏
    光分離手段と、 前記光学部材の入射側の面に設けられ、前記偏光分離手
    段によって反射された光を更に反射して、前記光学部材
    の出射側の面より出射させる反射手段とを備えたことを
    特徴とする偏光成分分離光学素子。
  2. 【請求項2】 前記光学部材の入射側の面に設けられ、
    前記光学部材に対する入射光の反射を防止する第1の反
    射防止手段と、前記光学部材の出射側の面に設けられ、
    前記反射手段によって反射され、前記光学部材の出射側
    の面より出射される光の反射を防止する第2の反射防止
    手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の偏光成
    分分離光学素子。
  3. 【請求項3】 光磁気記録媒体からの戻り光を複数の偏
    光成分に分離するための偏光成分分離光学素子と、この
    偏光成分分離光学素子によって分離された各光を検出す
    る光検出器とを備え、これらが一体化された光磁気信号
    検出器であって、 前記偏光成分分離光学素子は、 入射光の光軸に対して傾けられて配置される透明な板状
    の光学部材と、 この光学部材の出射側の面に設けられ、互いに偏光方向
    が直交する第1の偏光成分と第2の偏光成分のうち、第
    1の偏光成分に対する透過率が第2の偏光成分に対する
    透過率よりも大きく、且つ第2の偏光成分に対する反射
    率が第1の偏光成分に対する反射率よりも大きく、前記
    光学部材に対する入射光を主に第1の偏光成分を含む透
    過光と主に第2の偏光成分を含む反射光とに分離する偏
    光分離手段と、 前記光学部材の入射側の面に設けられ、前記偏光分離手
    段によって反射された光を更に反射して、前記光学部材
    の出射側の面より出射させる反射手段とを有することを
    特徴とする光磁気信号検出器。
  4. 【請求項4】 光磁気記録媒体に対して少なくとも再生
    用の光を照射すると共に前記光磁気記録媒体からの戻り
    光を検出する光磁気ピックアップであって、 前記光磁気記録媒体に照射する光を出射する光源と、 この光源から出射された光を集光して前記光磁気記録媒
    体に照射する集光手段と、 前記光源と前記集光手段との間に少なくとも一つ設けら
    れ、前記光源から出射された光の光路と前記光情報記録
    媒体からの戻り光の光路とを分離するための光路分離手
    段と、 この光路分離手段によって分離された戻り光を複数の偏
    光成分に分離するための偏光成分分離光学素子と、 この偏光成分分離光学素子によって分離された各光を検
    出する光検出器とを備え、 前記偏光成分分離光学素子は、入射光の光軸に対して傾
    けられて配置される透明な板状の光学部材と、この光学
    部材の出射側の面に設けられ、互いに偏光方向が直交す
    る第1の偏光成分と第2の偏光成分のうち、第1の偏光
    成分に対する透過率が第2の偏光成分に対する透過率よ
    りも大きく、且つ第2の偏光成分に対する反射率が第1
    の偏光成分に対する反射率よりも大きく、前記光学部材
    に対する入射光を主に第1の偏光成分を含む透過光と主
    に第2の偏光成分を含む反射光とに分離する偏光分離手
    段と、前記光学部材の入射側の面に設けられ、前記偏光
    分離手段によって反射された光を更に反射して、前記光
    学部材の出射側の面より出射させる反射手段とを有する
    ことを特徴とする光磁気ピックアップ。
  5. 【請求項5】 前記光源と前記光路分離手段との間に設
    けられ、前記光源から出射された光を複数の光に分割す
    る光分割手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の
    光磁気ピックアップ。
  6. 【請求項6】 前記光路分離手段は、一つだけ設けられ
    ていることを特徴とする請求項4記載の光磁気ピックア
    ップ。
  7. 【請求項7】 前記光路分離手段は、二つ設けられてい
    ることを特徴とする請求項4記載の光磁気ピックアッ
    プ。
  8. 【請求項8】 前記光検出器は、矩形を上下の中心線お
    よび左右の中心線によって4分割した形状をなす4つの
    受光部を有することを特徴とする請求項4記載の光磁気
    ピックアップ。
  9. 【請求項9】 前記光源と少なくとも一つの光路分離手
    段との間に設けられ、光路分離手段に入射する光の広が
    り角を小さくなるように変換する広がり角変換手段を備
    えたことを特徴とする請求項4記載の光磁気ピックアッ
    プ。
  10. 【請求項10】 前記広がり角変換手段によって広がり
    角が変換された光が入射する光路分離手段は、入射する
    光の光軸に対して傾けられて配置された透明な板状部材
    と、この板状部材の少なくとも一面に設けられた光学薄
    膜とを有することを特徴とする請求項9記載の光磁気ピ
    ックアップ。
  11. 【請求項11】 光磁気記録媒体に対して少なくとも再
    生用の光を照射すると共に前記光磁気記録媒体からの戻
    り光を検出する光磁気ピックアップを備え、この光磁気
    ピックアップを制御して、前記光磁気記録媒体への情報
    の記録と前記光磁気記録媒体からの情報の再生のうちの
    少なくとも情報の再生を行う光磁気信号記録再生装置で
    あって、 前記光磁気ピックアップは、 前記光磁気記録媒体に照射する光を出射する光源と、 この光源から出射された光を集光して前記光磁気記録媒
    体に照射する集光手段と、 前記光源と前記集光手段との間に少なくとも一つ設けら
    れ、前記光源から出射された光の光路と前記光情報記録
    媒体からの戻り光の光路とを分離するための光路分離手
    段と、 この光路分離手段によって分離された戻り光を複数の偏
    光成分に分離するための偏光成分分離光学素子と、 この偏光成分分離光学素子によって分離された各光を検
    出する光検出器とを備え、 前記偏光成分分離光学素子は、入射光の光軸に対して傾
    けられて配置される透明な板状の光学部材と、この光学
    部材の出射側の面に設けられ、互いに偏光方向が直交す
    る第1の偏光成分と第2の偏光成分のうち、第1の偏光
    成分に対する透過率が第2の偏光成分に対する透過率よ
    りも大きく、且つ第2の偏光成分に対する反射率が第1
    の偏光成分に対する反射率よりも大きく、前記光学部材
    に対する入射光を主に第1の偏光成分を含む透過光と主
    に第2の偏光成分を含む反射光とに分離する偏光分離手
    段と、前記光学部材の入射側の面に設けられ、前記偏光
    分離手段によって反射された光を更に反射して、前記光
    学部材の出射側の面より出射させる反射手段とを有する
    ことを特徴とする光磁気信号記録再生装置。
JP9152109A 1997-06-10 1997-06-10 偏光成分分離光学素子、光磁気信号検出器、光磁気ピックアップおよび光磁気信号記録再生装置 Withdrawn JPH10340494A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001020387A1 (en) * 1999-09-14 2001-03-22 Corning Incorporated Beamsplitter device producting parallel output beams
JP2002008260A (ja) * 2000-06-16 2002-01-11 Sony Corp 光ヘッドおよび光ディスク装置
CN104635293A (zh) * 2013-11-06 2015-05-20 精工爱普生株式会社 分光装置以及磁测定装置

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