JPH10339352A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JPH10339352A
JPH10339352A JP11440698A JP11440698A JPH10339352A JP H10339352 A JPH10339352 A JP H10339352A JP 11440698 A JP11440698 A JP 11440698A JP 11440698 A JP11440698 A JP 11440698A JP H10339352 A JPH10339352 A JP H10339352A
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plate
seismic isolation
vertical load
upper structure
sliding bearing
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JP11440698A
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Inventor
Mitsunori Kuriyama
実則 栗山
Yoshimitsu Murahashi
喜満 村橋
Hiroaki Kawakami
寛明 川上
Terutaka Ozaki
照卓 小崎
Mitsuru Sugisawa
充 杉沢
Hideji Nakamura
秀司 中村
Sakae Maruyama
栄 丸山
Kazusada Suzuki
一弁 鈴木
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摩擦係数を大幅に低減し、振動の長周期化に
よる減衰が図れ、かつ構成が簡潔で、メンテナンスフリ
ーの免震装置を提供する。 【解決手段】 水平方向に滑動可能に保持された鉛直荷
重滑り支承部材3と、弾性体4とを備え、基礎部2と上
部構造物5との間に配設される免震装置1であって、前
記鉛直荷重滑り支承部材3の下面にPTFE板8を固着
し、PTFE板8を基礎部2に設置の滑り板9の上面に
滑動可能に支承させ、滑り板9の上面が液体の溜り部1
2となるように構成し、この滑り板9の上面に滞留させ
た高粘性液体13を、前記鉛直荷重滑り支承部材3の下
面と滑り板9との間に介在させて滑り支承部23を構成
したことを特徴とする

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、免震装置に係り、
特に戸建住宅等の軽負荷の用途に使用するのに好適し、
免震周期を長期化して、地震時に建物に入力される地震
力の低減を可能にした免震装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】免震装置は、一般にゴム支承体で構成さ
れ、このゴム支承体を地盤に設置し、この支承体を介し
て上部構造物を支持することにより、上部構造物に加わ
る地震力を免震するものが多い。そして、最近ではゴム
支承体の材質,構造等を改良して免震効果をより向上さ
せることが行なわれている。この種の改良の中で、水平
方向の地震力に対して、免震周期を長期化することで免
震効果を向上させる方法がある。つまり、地震の際に
は、地震の横揺れ周期と上部構造物の固有周期とが重な
って共振を起こし、比較的小さい地震の水平力に対して
も上部構造物は非常に大きな力を受けて甚大な被害を蒙
ることがある。この問題に対処する方法として、前述の
地震の横揺れ周期と上部構造物の固有周期を分断し、結
果として、地震の長周期化を図ることが試みられてい
る。この観点から改良がなされた免震装置として、例え
ば特開平5−179834号、実開平1−1221
02号、特開平8−68234号などが知られてい
る。
【0003】の免震支持装置は、上部構造物の荷重を
支持する積層ゴム体と、上部構造物の荷重を支持しない
支持体とで構成され、この支持体の上部可動側が、下部
固定側に粘性体を介して可動的に支持されており、その
粘性抵抗による減衰作用も付加したものである。
【0004】前記免震支持装置では、粘性体による粘性
抵抗のみで減衰を図るものである。つまり、粘性体の中
を抵抗板が移動することにより減衰するもので、滑り支
承を有しないから免震周期の長期化を図るという所期の
効果が期待できない。
【0005】の滑り支承装置では、基礎部に設置の滑
り板との摩擦面にゲル状の潤滑材を介在させることによ
り、摩擦係数を低下させるようにして前記滑り板を配置
し、滑り板上に載置の積層ゴムで上部構造物を支持して
いる。
【0006】前記滑り支承装置では、潤滑手段が固定潤
滑であるため、摩耗粉が発生し、メンテナンスが必要と
なり、かつ潤滑材の補充などが必要となる。
【0007】の免震装置は、それぞれが上部構造物の
荷重を受ける状況で免震構造体と横揺れ防止装置とが並
設されていて、横揺れ防止装置は、固定部である鋼板上
面のテフロン板と、可動部である円柱状鋼板下面のテフ
ロン板とを接触させてあり、この滑り機構により地震の
長周期化を図ったもので、例えば風荷重などの小さい荷
重では前記テフロン板同士の摩擦抵抗により変位させな
い構造である。
【0008】前記の免震装置では、減衰要素はテフロン
同士の摩擦減衰しかないため、ある程度の摩擦力が必要
となり、したがって装置の固有周期が高くなるという問
題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のこの種の免震装
置では、減衰手段として地震周期の長期化を図る場合、
前述のように、粘性体の中で抵抗体を可動させる方法
又は、潤滑材を使用する方法、摩擦減衰板を使用す
る方法のいずれかであったが、いずれの方法にも問題点
があり、最も有効に地震の長周期化を図ることは困難で
あった。
【0010】本発明は前記従来の欠点を解決したもの
で、摩擦係数の大幅低減による長周期化と、滑り支承へ
の減衰性能の付加と、低コスト化と、メンテナンスフリ
ーとを兼ね備えた免震装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め第1の発明に係る免震装置は、水平方向に滑動可能に
保持された鉛直荷重滑り支承部材と、弾性体とを備え、
この両部材が基礎部と上部構造物との間に並設される免
震装置であって、前記鉛直荷重滑り支承部材の下面にP
TFE部材を固着し、PTFE部材を基礎部に設置の滑
り板の上面に滑動可能に支承させ、かつ、前記滑り板の
上面が液体の溜り部となるように構成し、この滑り板の
上面に滞留させた高粘性液体を前記鉛直荷重滑り支承部
材の下面と滑り板との間に介在して滑り支承部を構成し
たことを特徴とする。第2の発明に係る免震装置は、水
平方向に滑動可能に保持された鉛直荷重滑り支承手段
と、弾性体とを備え、この両部材が基礎部と上部構造物
との間に並設される免震装置であって、前記鉛直荷重滑
り支承手段を、高粘性体を収容した上部開放の容器と、
上部構造物と容器底板とに上下端部を係止して、前記容
器内に設けられる鉛直荷重支持用金属製コイルバネと、
上部構造物に固定され、前記金属製コイルバネと同心的
に配置されて、その先端部が容器内の高粘性体に浸漬さ
れた抵抗部材とから構成し、前記容器底板の下面にPT
FE部材を固着し、PTFE部材を基礎部に設置の滑り
板の上面に滑動可能に支承させ、かつ、前記滑り板の上
面が液体の溜り部となるように構成し、この滑り板の上
面に滞留させた高粘性液体を前記容器底板の下面と滑り
板との間に介在して滑り支承部を構成したことを特徴と
する。また、本発明では前記滑り板の上面に滞留の高粘
性液体はシリコーンオイルであり、前記容器に収容の高
粘性体はシリコーンゲルであることを特徴とする。
【0012】第1の発明によると、地震が発生して、上
部構造物に地震力等の水平力が作用すると、鉛直荷重滑
り支承部材の下面に固着されたPTFE板と滑り板と高
粘性液体とで構成される滑り支承部が滑り出す。このと
き、PTFE部材と滑り板の間にある高粘性液体が移動
した距離や、移動するときの速度,加速度に応じて粘性
減衰性能を有効に発揮する。第2の発明によると、第1
の発明と同様、地震が発生して、鉛直荷重支持用金属製
コイルバネを介して上部構造物に地震力等の水平力が作
用すると、当該金属製コイルバネを介して容器底板の下
面に固着されたPTFE板と滑り板と高粘性液体とで構
成される滑り支承部が滑り出す。このとき、PTFE部
材と滑り板の間にある高粘性液体が移動した距離や、移
動するときの速度,加速度に応じて粘性減衰性能を有効
に発揮する。また、このとき、抵抗部材が容器内の高粘
性体中を移動することによっても前記地震力が減衰され
る。さらに、交通振動等により上部構造物に生じる鉛直
振動に対しては、前記鉛直荷重支持用金属製コイルバネ
が変形(伸縮)し、かつこの変形に伴って抵抗部材が高
粘性体中を移動することによって効果的に鉛直振動が低
減される。
【0013】また、PTFE部材と滑り板との間に高粘
性液体を介在させてなる前記の滑り支承部は、低い面圧
においても摩擦を非常に小さく(2%〜3%)すること
が可能であるため、免震装置として固有周期を2秒〜3
秒まで長周期化できる。
【0014】滑り支承部に使用する高粘性液体におい
て、化学的に安定しているシリコーンオイルを適用すれ
ば、劣化の懸念もなく、メンテナンスフリーとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施形態を図を参照
して説明する。図1〜図4には本発明の第1実施形態に
係る免震装置1が示されており、この免震装置1は、共
通の基礎部2の上面に鉛直荷重滑り支承部材3と、弾性
体4を並設し、これらの両部材の上側に上部構造物5を
配設して構成されている。
【0016】前記の免震支承装置1において、鉛直荷重
滑り支承部材3は、上部構造物5の鉛直荷重を専ら支承
する。弾性体4は専ら上部構造物5の水平方向の揺れを
制御するもので、その鉛直荷重は支持しない。そのため
鉛直荷重滑り支承部材3と、弾性体4は次のように構成
されている。
【0017】鉛直荷重滑り支承部材3は所定の径と長さ
を有する金属の円柱体で構成され、上端にはフランジ6
を有している。フランジ6にはボルト挿入孔が開設され
ていて、このボルト挿入孔を通して固定ボルト7を上部
構造物5にネジ込むことにより、鉛直荷重滑り支承部材
3が上部構造物5に固定されている。鉛直荷重滑り支承
部材3の下端には、図1と図3に拡大図示するように
0.3mm程度の厚みを有するPTFE板(ポリテトラ
フルオロエチレン、商標名 テフロン)8が固着されて
いる。
【0018】基礎部2上には、滑り板9としてステンレ
ス鋼板を鏡面状に研磨してなる鋼板が配置され、固定ボ
ルト10を用いて前記基礎部2上に固定されている。鉛
直荷重滑り支承部材3は、その下端のPTFE板8が前
記滑り板9の上面と横方向に滑動可能に当接しており、
それにより、鉛直荷重滑り支承部材3が上部構造物5を
横方向移動可能に支持している。なお、前記滑り板9と
しては滑り面の平滑性を保てればよく、必要な平滑度を
得られるように表面粗さとする。また、耐久性の点から
ステンレス鋼板に限らず、メッキなどの表面処理した鋼
板としてもよい。
【0019】また、滑り板9の上面には、鉛直荷重滑り
支承部材3を取囲む配置で、かつこの支承部材3と所定
の間隔をあけて、環状の移動制限用起立壁11が固着さ
れている。この移動制限用起立壁11は、地震時におけ
る鉛直荷重滑り支承部材3の水平方向の移動を制限する
機能を有すると共に、この起立壁11は、その内側と滑
り板9の上面とで液溜り部12を形成する機能を有して
いる。そして、この液溜り部12に所定量の高粘性液体
13を収容する。
【0020】前記移動制限用起立壁11と滑り板9との
固定手段は任意であり、相互を一体成形してもよいし、
電気溶接等による溶接手段でもよい。あるいは、起立壁
11の外周にフランジを出し、このフランジに設けたボ
ルト挿入孔を通して固定ボルトを滑り板9側にネジ込む
ことによっても固定できる(但し図示せず)。
【0021】前記高粘性液体13の具体例としては、シ
リコーンオイルが最適である。したがって、鉛直荷重滑
り支承部材3の下面のPTFE板8は、滑り板9の上面
に直接接触するのではなく、前記高粘性液体13の約
0.3mm程度の薄膜層13aを介して滑り板9に滑動
可能に支持されている。
【0022】弾性体4は、地震によって上部構造物5が
横揺れする際の復元機能を付加するために設けられてい
る。図示例の弾性体4は、積層ゴム14の上下に上部当
て板15と下部当て板16を固着してなる弾性体単体1
7を、2段重ねにして上下間をボルト等で固着して構成
されている。そして、下側の弾性体単体17の下部当て
板16が固定ボルト33などの固着手段で基礎部2に固
着されている。
【0023】また、上側の弾性体単体17の上部当て板
15には、係合突起18を上面中心部に有する連結板1
9を固定ボルト等で固着し、上部構造物5の下面に固着
された環状の固定治具20内に前記係合突起18を係合
し、両部材を介して弾性体4と上部構造物5が、その横
揺れに対して一体移動するように設けられている。ま
た、弾性体4は、上部構造物5の荷重を設けないように
するため、係合突起18と上部構造物5の下面との間に
間隙21が形成されている。
【0024】前記弾性体4は前述のとおり、上部構造物
5の横揺れの際、復帰動作をさせる水平バネ機能を有し
ていれば、積層ゴムに限定されず、軟質の合成樹脂材,
コイルバネその他の材質,部材を使用することができ
る。
【0025】第1実施形態に係る免震装置において、上
部構造物5の鉛直荷重は、鉛直荷重滑り支承部材3の下
面がPTFE板8を介して、基礎部2に設置の滑り板9
と圧接することで支持されている。また、このとき滑り
板9とPTFE板8との間は、高粘性液体13の薄膜層
13aを介して接触している。さらに、鉛直荷重滑り支
承部材3の周面と移動制限用起立壁11との間には所定
の間隙22が存在している。
【0026】今、地震が発生して、上部構造物5に地震
力等の水平力が作用すると、PTFE板8と滑り板9と
高粘性液体13とで構成される滑り支承部23が滑り出
す。このときPTFE板8と滑り板9の間にある高粘性
液体13の薄膜層13aが移動した距離や、移動すると
きの速度,加速度に応じて粘性減衰性能を発揮する。
【0027】また、PTFE板8と滑り板9との間に高
粘性液体13の薄膜層13aを介在させてなる滑り支承
部23は、低い面圧においても摩擦を非常に小さく(2
%〜3%)することが可能であるため、地震の周期と関
係なく、免震装置として固有周期を2秒〜3秒まで長周
期化でき、それにより、地震と上部構造物との振動周期
との間に共振を生ぜず、よって、上部構造物5の免震周
期の長期化を行なわせることで水平方向の地震力を減衰
できる。また、鉛直荷重滑り支承部材3の水平方向の移
動は、これが移動制限用起立壁11との間隙22の範囲
に制限される。
【0028】また、上部構造物5が横揺れするのに伴っ
て、弾性体4は図2のように変形してバネ復元力が蓄勢
され、これにより上部構造物5は円滑に復帰動できる。
【0029】図5には、本発明の第2実施形態が示され
ている。この第2実施形態では、弾性体4の上部と、上
部構造物5との係合構造が、第1実施形態と若干相違し
ている。
【0030】つまり、第2実施形態では、弾性体4にお
ける上側の弾性体単体17に固定ボルト24で結合され
る連結板25の上面中央部に連結ボルト26が設けられ
ている一方、上部構造物5の下部には連結ボルト26の
挿入孔27を有した上方開放の凹部28が形成されてい
る。
【0031】そして、連結ボルト26を前記ボルト挿入
孔27に挿入したうえ、凹部28内においてネジ部29
にナット部材30を螺合することで、弾性体4と上部構
造物5とが横方向の移動に対して連動連結されている。
また、このとき、ボルト挿入孔27の筒状部31の下端
と連結板25との間に間隙32を存在させてあり、それ
により上部構造物5の鉛直荷重が、弾性体4に作用しな
いように構成されている。他の構成は第1実施形態と同
じであり、また、その免震動作も第1実施形態と同様に
行なわれる。図6、図7には、本発明の第3実施形態が
示されている。この第3実施形態では、上部構造物5の
鉛直荷重支持手段が高粘性体34を収容した容器35
と、鉛直荷重支持用金属製コイルバネ36と高粘性体3
4に浸漬された抵抗部材37とから構成されている点が
第1、第2の実施形態と相違している。
【0032】さらに説明すると、容器35は底板38か
ら周壁39が立上った横断面円形で、かつ上方が開放さ
れた構造であり、この容器35内にシリコーンゲルから
なる高粘性体34が収容されている。鉛直荷重支持用金
属製コイルバネ36は高粘性体34中に浸漬され、かつ
その下端部は容器35の底板38に係止され、上端部は
上部構造物5の下面に固定ボルト39で固定した取付板
40に係止されている。抵抗部材37は前記金属製コイ
ルバネ36と同心的に配置されていて、先端部は高粘性
体34中に浸漬されており、上端部は、上部構造物5の
下面にボルト39で固定された取付板40に固着されて
いる。
【0033】容器底板38の下面には、発明の第1実施
形態で説明したのと同じ0.3mm程度の厚みを有する
PTFE板8が固着されている。PTFE板8が滑り板
9の上面に滑動自在に当接しており、滑り板9の上面か
ら起立して環状の移動制限用起立壁11が前記容器35
を間隔を有して取囲む配置で設けられ、その内側の液溜
り部12に所定量のシリコーンオイルからなる高粘性液
体13が収容されている構成と、それによる作用は、発
明の第1実施形態と同じである。
【0034】第3実施形態に係る免震装置において、上
部構造物5の鉛直荷重は、鉛直荷重支持用金属製コイル
バネ36の下端が容器底板38とPTFE板8を介し
て、基礎部2に設置の滑り板9と圧接することで支持さ
れている。今、地震が発生して、上部構造物5に地震力
等の水平力が作用すると、PTFE板8と滑り板9と高
粘性液体13とで構成される滑り支承部23が滑り出
す。このときPTFE板8と滑り板9の間にある高粘性
液体13の薄膜層13aが移動した距離や、移動すると
きの速度,加速度に応じて粘性減衰性能を発揮し、この
点では、発明の第1実施形態と同じである。これに加え
て、第3実施形態では、上部構造物5と一体の抵抗部材
37が容器35内の高粘性体34中を移動することによ
りその抵抗で前記地震の水平力が減衰される。
【0035】さらに、上部構造物5には地震の水平力だ
けでなく、常時交通振動等の鉛直振動が作用する。この
鉛直振動に対しては、鉛直荷重支持用金属製コイルバネ
36が変形し、かつ抵抗部材37が高粘性体34内を移
動することで上部構造物5に作用する鉛直振動が円滑に
減衰される。
【0036】
【発明の効果】本発明の免震装置は、上部構造物を支持
する鉛直荷重滑り支承部材の下面のPTFE部材を滑り
板と接触させ、かつ、その間にシリコーンオイル等の高
粘性液体を介在させて滑り支承部を構成したことよっ
て、面圧が小さい状態であっても摩擦係数を従来の支承
構造に比べて格段に小さくでき、これにより戸建住宅等
の軽負荷用の免震装置として最適なものとなる。さら
に、上部構造物の鉛直荷重を高粘性体中に浸漬した鉛直
荷重支持用金属製コイルバネを用いて支持することによ
り、常時発生する交通振動等の鉛直方向の振動を確実に
減衰させる効果を発揮させることができる。
【0037】また、前記滑り支承部に高粘性液体を介在
させることによって、潤滑材で得られる減衰性能より
も、格段にすぐれた免震周期の長期化による減衰性能を
発揮させることが可能となる。さらに、本発明で用いる
高粘性液体と高粘性体は長期にわたってメンテナンスが
殆ど不要であるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る免震装置の静止状
態の断面図である。
【図2】図1の変位状態の断面図である。
【図3】図1の拡大断面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る免震装置の断面図
である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る免震装置の断面図
である。
【図7】図6のB−B断面図である。
【符号の説明】
1 免震装置 2 基礎部 3 鉛直荷重滑り支承部材 4 弾性体 5 上部構造物 6 フランジ 7 固定ボルト 8 PTFE板 9 滑り板 10 固定ボルト 11 移動制限用起立壁 12 液溜り部 13 高粘性液体 13a 薄膜厚 14 積層ゴム 15 上部当て板 16 下部当て板 17 弾性体単体 18 係合突起 19 連結板 20 固定治具 21 間隙 22 間隙 23 滑り支承部 24 ボルト 25 連結板 26 連結ボルト 27 ボルト挿入孔 28 凹部 29 ネジ部 30 ナット部材 31 筒状部 32 間隙 33 ボルト 34 高粘性体 35 容器 36 鉛直荷重支持用金属製バネ 37 抵抗部材 38 底板 39 固定ボルト 40 取付板
フロントページの続き (72)発明者 小崎 照卓 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 杉沢 充 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 中村 秀司 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 丸山 栄 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 鈴木 一弁 東京都千代田区大手町二丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向に滑動可能に保持された鉛直荷
    重滑り支承部材と、弾性体とを備え、この両部材が基礎
    部と上部構造物との間に並設される免震装置であって、
    前記鉛直荷重滑り支承部材の下面にPTFE部材を固着
    し、PTFE部材を基礎部に設置の滑り板の上面に滑動
    可能に支承させ、かつ、前記滑り板の上面が液体の溜り
    部となるように構成し、この滑り板の上面に滞留させた
    高粘性液体を前記鉛直支持部材の下面と滑り板との間に
    介在して滑り支承部を構成したことを特徴とする免震装
    置。
  2. 【請求項2】 水平方向に滑動可能に保持された鉛直荷
    重滑り支承手段と、弾性体とを備え、この両部材が基礎
    部と上部構造物との間に並設される免震装置であって、
    前記鉛直荷重滑り支承手段を、高粘性体を収容した上部
    開放の容器と、上部構造物と容器底板とに上下端部を係
    止して、前記容器内に設けられる鉛直荷重支持用金属製
    コイルバネと、上部構造物に固定され、かつ前記金属製
    コイルバネと同心的に配置されて、その先端部が容器内
    の高粘性体に浸漬された抵抗部材とから構成し、前記容
    器底板の下面にPTFE部材を固着し、PTFE部材を
    基礎部に設置の滑り板の上面に滑動可能に支承させ、か
    つ、前記滑り板の上面が液体の溜り部となるように構成
    し、この滑り板の上面に滞留させた高粘性液体を前記容
    器底板の下面と滑り板との間に介在して滑り支承部を構
    成したことを特徴とする免震装置。
  3. 【請求項3】 前記滑り板の上面に滞留の高粘性液体は
    シリコーンオイルであり、前記容器に収容の高粘性体は
    シリコーンゲルであることを特徴とする請求項1又は2
    記載の免震装置。
JP11440698A 1997-04-11 1998-04-10 免震装置 Withdrawn JPH10339352A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11440698A JPH10339352A (ja) 1997-04-11 1998-04-10 免震装置

Applications Claiming Priority (3)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN118327344A (zh) * 2024-06-17 2024-07-12 中冶建筑研究总院有限公司 一种适用于隔震加固的耗能及防撞组合装置

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