JPH10337984A - 回路内蔵型のプラスチックカード - Google Patents

回路内蔵型のプラスチックカード

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JPH10337984A
JPH10337984A JP16815897A JP16815897A JPH10337984A JP H10337984 A JPH10337984 A JP H10337984A JP 16815897 A JP16815897 A JP 16815897A JP 16815897 A JP16815897 A JP 16815897A JP H10337984 A JPH10337984 A JP H10337984A
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resin sheet
built
thickness
softening point
hard
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JP16815897A
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Mamoru Hoyama
守 帆山
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Maxell Seiki Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面平滑で、かつ厚みムラの少ない回路内蔵
型のプラスチックカードを提供する。 【解決手段】 アンテナコイル2およびIC3の内蔵部
品4を、軟質塩化ビニル樹脂または非晶質ポリエステル
による軟質樹脂シート1・1で挟み、更にその軟質樹脂
シート1・1の表面に硬質塩化ビニル樹脂による硬質樹
脂シート5・5をそれぞれ重ねて加熱、加圧して積層し
た。これにより軟質樹脂シート1の樹脂流動を硬質樹脂
シート5で阻止できて表面平滑で、かつ厚みムラの少な
い回路内蔵型のプラスチックカードを得ることができ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンテナコイル、
IC及び/又はメモリ等電子回路の内蔵部品が埋め込ま
れたプラスチックカード、主として非接触型のICカー
ドに関する。
【0002】
【従来の技術】非接触型のICカードの製造技術は、既
に普及しているクレジット型の磁気カードの製造形態を
基本として、その内部にアンテナコイル、IC、メモリ
等電子回路の内蔵部品を埋め込む構想で発達している。
磁気カードは、一般に、2枚の白色の硬質ビニル樹脂シ
ート(1枚の厚さは0.25〜0.30mm)を合わし、この
両面に透明な硬質ビニル樹脂シート(0.10〜0.15mm
厚)を重ねて鏡面金属板の間に挟み、加熱、加圧して積
層し、しかるのちカード形に打ち抜いて製造される。白
色の硬質ビニル樹脂シートには予め所望の印刷を施すこ
とが多い。
【0003】かかる磁気カードの製造技術を基にしてア
ンテナコイル、IC、メモリ等電子回路の内蔵部品を内
蔵する非接触型のICカードを製造する場合は、2枚の
白色の硬質ビニル樹脂シートの間に内蔵部品を挟んで加
熱、加圧して積層することになるが、これでは、内蔵部
品の存在する部分が極端に厚くなり、また加圧により内
蔵部品が破壊しやすいという問題が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
するために、非接触型のICカードの製造方法として加
熱流動性の良い樹脂シートで内蔵部品を挟んで加熱、加
圧して積層する方法があるが、これでは樹脂シートに不
等流動が発生して、印刷ズレが甚だしく、また内蔵部品
の無い部分の厚さが逆に薄くなってしまう。
【0005】樹脂シートを加熱、加圧して積層する方法
において、その中間層の樹脂シートに内蔵部品の形状に
合わせて孔をあけ、この孔に内蔵部品を嵌め込んで凹凸
を少なくしたうえで、その両面に別の樹脂シートを貼り
合わせる方法がある。これによれば、カード表面上の、
内蔵部品周辺に相当する部分に、凹凸が発生し易いた
め、外観上見苦しいばかりか、カード製造後にその表面
に印刷する場合印刷不良の原因となる。
【0006】また、樹脂シートを加熱、加圧して積層す
る方法以外の方法として、2液硬化型、熱硬化型、紫外
線硬化型等の樹脂液を、所定厚さにする型枠に注入し、
その中心に内蔵部品を保持して硬化する製造方法が種々
検討され、実用化されている。この方法によれば、厚さ
を均一にすることができ、また内蔵部品の破壊を避ける
ことができるという利点があるが、カードとして備える
べき諸特性を兼ね備える樹脂材料の選択が極めて困難で
ある。更に内蔵部品を中心位置に保ちながら、厚さを正
確に、大量生産することが難しい。そのほか、射出成形
により回路内蔵型のプラスチックカードを製造する考え
があるが、これでは0.8mm厚カードの射出成形自体が高
度な技術を要し、況してアンテナコイルやメモリ、IC
等をインサート成形するとなると極めて難しく、実用性
に乏しい。
【0007】実際に、磁気カードの製造工程に従って2
枚の硬質ビニル樹脂シートの間に、アンテナコイルやI
C、メモリ等内蔵部品を挟んで加熱プレスすることを試
みたが、内蔵部品がある部分と無い部分の厚み差が0.1
mm以上となった。また、プレスによりアンテナコイルを
クロスするリード線がコイルを切断し、更にはICとの
接点を破壊する。これらを防止するために、硬質ビニル
樹脂シートに代えて、軟質樹脂シートを使用してみた
が、この場合は内蔵部品の破壊は無く、厚み分布は比較
的平均化するものの、シート周辺部が薄くなり、全体と
して厚みムラとなった。
【0008】このように、コイルやICチップ等内蔵部
品を埋め込む非接触型のICカードを製造するという現
状の技術では、厚みムラ、表面平滑性に劣り、製
造過程での内蔵部品の破壊、および使用時の曲げによる
内蔵部品の破壊などがある。
【0009】そこで、かかる問題を解決するため、軟化
点の異なる各種樹脂材料を用いて加熱・加圧条件の検討
を重ねた。その結果、軟化点の高い硬質樹脂シートを用
いても、充分加熱してから加圧すれば、内蔵部品の破壊
は避けられるが、樹脂シートの熱変形が大きく、印刷の
ズレが大きくなる。また、厚みムラの分布も満足できる
ものではなかった。また、軟化点の低い軟質樹脂シート
を用いた場合は、前記問題点が発生する温度が低くなる
だけで、結果は同様に満足できる条件を見出すことがで
きなかった。
【0010】カード用の樹脂シートを鏡面金属板の間に
挟んで加熱、加圧した場合、温度の上昇に伴い樹脂シー
トは軟化し、充分流動する温度にまで加熱すると、局部
的には全体の厚さが平準化する方向に樹脂が流動する
が、全体としては中心から周辺に向けて大きく流動す
る。更にこのとき鏡面金属板に加わる圧力に不均一があ
ると極端な厚みムラとなって現れ易い。
【0011】これらの現象は樹脂シートの厚みが厚い場
合に顕著である。実験例によると、軟化点(JIS K
6734 クラッシュベルグ柔軟温度)45℃の軟質
樹脂シートを用いて全体厚み0.84mmとするものを加
熱、加圧した場合、樹脂シートの4辺が元の寸法より8
mm拡大しており、これは中心部からの樹脂の流れによる
ものである。これに対し、同質の樹脂シートで全体厚み
0.10mmとするものでは同じ温度、圧力でプレスしても
寸法拡大は1mm程度であった。一方、軟化点の高い硬質
ビニル樹脂シートを用いた場合、0.84mm厚の硬質ビニ
ル樹脂シートを同じ温度、圧力でプレスしても周辺への
拡大は無く、むしろ熱収縮を生じるものである。
【0012】ここにおいて注目すべきは、同じ厚みの軟
質樹脂シートでも、樹脂流動し難い硬質樹脂シートと貼
り合わせた場合は、軟質樹脂シートの樹脂流動が大幅に
阻止されることを見出した点である。この場合でも内蔵
部品周辺の局部的な樹脂流動には何ら影響なく、厚みム
ラの平準化を図れる。この現象は軟質樹脂シートの両面
に硬質樹脂シートを貼り合わせた場合も、反対に硬質樹
脂シートの両面に軟質樹脂シートを貼り合わせた場合も
同じ傾向を示し、軟質樹脂シートの樹脂流動を阻止する
ことができる。
【0013】本発明の目的は、このような知見に基づい
てなされたもので、硬質と軟質の二種類の樹脂シートを
重ねて加熱、加圧して積層することにより、単一の硬質
樹脂シートまたは軟質樹脂シートでは発揮することので
きない、または不足している特性、即ち樹脂流動による
厚みムラや表面平滑性、内蔵部品破壊等の欠点を補うこ
とのできる回路内蔵型のプラスチックカードを提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の回路内蔵型のプ
ラスチックカードは、図1(B)に例示するようにアン
テナコイル、IC、メモリ等電子回路の内蔵部品4を、
軟質樹脂シート1・1間で挟み、その軟質樹脂シート1
・1の表面に、軟質樹脂シート1の軟化点(JIS K
6734 クラッシュベルグ柔軟温度。以下、同
じ。)よりも高い軟化点をもつ硬質樹脂シート5・5を
重ねて加熱、加圧して積層したものである。この場合、
図4(A)に例示するように軟質樹脂シート1に代わる
軟質樹脂層11を硬質樹脂シート5の片面に予め成膜
し、この硬質樹脂シート5・5の軟質樹脂層11・11
間で内蔵部品4を挟んで加熱、加圧して積層することも
できる。上記軟質樹脂シート1と硬質樹脂シート5の軟
化点の差は5℃以上である。硬質樹脂シート5の厚さは
0.2mm以下であり、軟質樹脂シート1の厚さは0.4mm厚
以下である。
【0015】また、本発明の回路内蔵型のプラスチック
カードは、図2(B)に例示するように硬質樹脂シート
5に設けた孔6に、アンテナコイル、IC、メモリ等電
子回路の内蔵部品4の全部もしくは一部を嵌め込み、そ
の硬質樹脂シート5および内蔵部品4の表面に、硬質樹
脂シート5の軟化点よりも低い軟化点をもつ軟質樹脂シ
ート1・1をそれぞれ重ねて加熱、加圧して積層したも
のである。この場合、図3(B)に例示するように、更
に前記軟質樹脂シート1・1の表面に、前記硬質樹脂シ
ート5とは別体の硬質樹脂シート5・5をそれぞれ重ね
て加熱、加圧することもできる。上記軟質樹脂シート1
(又は軟質樹脂層11)の軟化点と硬質樹脂シート5の
軟化点の差は5℃以上である。硬質樹脂シート5は0.6
mm厚以下であり、軟質樹脂シート1は0.4mm厚以下であ
る。
【0016】
【作用】内蔵部品4は軟質樹脂シート1・1または軟質
樹脂層11・11間に介在させ、これを硬質樹脂シート
5・5で挟んで加熱、加圧して積層すると、軟質樹脂シ
ート1または軟質樹脂層11の樹脂流動は硬質樹脂シー
ト5で阻止され、内蔵部品4周辺の局部的な樹脂流動に
も何ら影響なく、厚みムラの平準化を図れる。また軟質
樹脂シート1または軟質樹脂層11に介在された内蔵部
品4は、加圧時に破壊することがない。使用時の曲げに
対しては硬質樹脂シート5が抵抗力を発揮するため、こ
のときの内蔵部品4の破壊も防止できる。
【0017】硬質樹脂シート5の孔6に内蔵部品4の全
部もしくは一部を嵌め込み、これを軟質樹脂シート1で
挟んで加熱、加圧して積層すると、内蔵部品4による凹
凸を軟質樹脂シート1で平滑化することができ、またこ
れにおいても軟質樹脂シート1の樹脂流動を硬質樹脂シ
ート5で阻止できるため、厚みムラの平準化、表面平滑
化を図れる。
【0018】軟質樹脂シート1(又は軟質樹脂層11)
の軟化点と硬質樹脂シート5の軟化点の差が5℃未満で
は、両シート1・5共に硬質系または軟質系の一方に片
寄り、両シート1・5共に硬質系に片寄ると内蔵部品
(回路)を破壊しやすくなり、反対に両シート1・5共
に軟質系に片寄るとシート周辺に向けて樹脂流動しやす
くて厚みムラが生じやすくなるため、両シート1・5の
軟化点差は5℃以上が望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)図1は本発明に係る回路内蔵型のプラス
チックカードの第1実施例を示す。この第1実施例では
非接触型のICカードを示しており、アンテナコイル2
およびIC3の内蔵部品4を、軟質塩化ビニル樹脂また
は非晶質ポリエステルによる軟質樹脂シート1・1で挟
み、更に軟質樹脂シート1・1の表面に硬質塩化ビニル
樹脂による硬質樹脂シート5・5をそれぞれ重ねて加
熱、加圧して積層したものである。
【0020】上記軟質樹脂シート1としては、軟化点が
50℃以下、厚さが0.4mm以下、好ましくは0.28mm、
サイズが500×660mmであるものを用いた。硬質樹
脂シート5としては、軟化点が55℃以上、厚さが0.2
mm以下、好ましくは0.10〜0.03mm、より好ましくは
0.10mm、サイズが500×660mmであるものを用い
た。内蔵部品4の平均厚さは0.42mm、投影平面積は3.
3cm2 である。
【0021】上記構成のプラスチックカードの製造方法
の具体的な実施例を挙げる。鏡面金属板(図示省略)の
上に、まず軟化点55℃以上、0.10mm厚、サイズ50
0×660mmの硬質樹脂シート5、この上に軟化点50
℃以下、0.28mm厚、サイズ500×660mmの軟質樹
脂シート1を重ね、この軟質樹脂シート1上の所定位置
に、平均厚さ0.42mm、投影平面積3.3cm2 のアンテナ
コイル2およびIC3の内蔵部品4を5×10個配置す
る。更に、その内蔵部品4の上に軟化点50℃以下、0.
28mm厚、サイズ500×660mmの軟質樹脂シート
1、および軟化点55℃以上、0.10mm厚、サイズ50
0×660mmの硬質樹脂シート5を順に重ね、その硬質
樹脂シート5の上に鏡面金属板を載せてプレス機にセッ
トする。かくして、荷重100Kggを加えて加熱し、1
60℃に上昇したところで荷重3000Kgに増やして1
0分間保持した後、室温まで冷却した。
【0022】(第2実施例)図1に示す断面構造のプラ
スチックカードの製造方法の更に別の具体的な第2実施
例を挙げる。鏡面金属板(図示省略)の上に、まず軟化
点55℃以上、0.03mm厚、サイズ500×660mmの
硬質樹脂シート5、この上に軟化点50℃以下、0.20
mm厚、サイズ500×660mmの軟質樹脂シート1を重
ね、この軟質樹脂シート1上の所定位置に、平均厚さ0.
10mm、投影平面積3.0cm2 、最大厚0.16mmのアンテ
ナコイル2およびIC3の内蔵部品4を5×10個配置
する。更に、その内蔵部品4の上に軟化点50℃以下、
0.20mm厚、サイズ500×660mmの軟質樹脂シート
1、および軟化点55℃以上、0.03mm厚、サイズ50
0×660mmの硬質樹脂シート5を順に重ね、第1実施
例の場合と同様に鏡面金属板の間に挟んで加熱プレスし
た。
【0023】(第3実施例)図2は本発明に係る回路内
蔵型のプラスチックカードの第3実施例を示す。この第
3実施例では、孔6をあけた硬質塩化ビニル樹脂による
硬質樹脂シート5の上に内蔵部品4のアンテナコイル2
を装着するとともに、孔6にIC3を嵌め込み、この硬
質樹脂シート5および内蔵部品4を軟質塩化ビニル樹脂
または非晶質ポリエステルによる軟質樹脂シート1・1
間で挟んで加熱、加圧して積層したものである。
【0024】上記軟質樹脂シート1としては、軟化点が
50℃以下、厚さが0.4 mm以下、好ましくは0.30〜0.
03mm、より好ましくは0.28mm、サイズが500×6
60mmであるものを用いた。硬質樹脂シート5として
は、軟化点が55℃以上、厚さが0.6mm以下、好ましく
は0.20mm、サイズが500×660mmであるものを用
いた。内蔵部品4のアンテナコイル2の厚みは0.03m
m、IC3の最大厚みは0.5mmで、この最大厚み部分の
みを孔6に嵌め込んだ。
【0025】上記構成のプラスチックカードの製造方法
の具体的な実施例を説明する。軟化点55℃以上、0.2
0mm厚、サイズ500×660mmの硬質樹脂シート5上
の所定位置に、、コイル2(コイル厚0.03mm)および
IC3(最大厚0.5mm)を5×10個配置し、特にIC
3の厚さの大きい部分はこれに相当する箇所にあけた孔
6に嵌め込み、この両面に軟化点50℃以下、0.28mm
厚、サイズ500×660mmの軟質樹脂シート1を重ね
て、第1実施例の場合と同様に鏡面金属板の間に挟んで
加熱プレスした。
【0026】(第4実施例)図3は本発明に係る回路内
蔵型のプラスチックカードの第4実施例を示す。この第
4実施例では、孔6をあけた硬質塩化ビニル樹脂による
硬質樹脂シート5の上に内蔵部品4のアンテナコイル2
を装着するとともに、孔6にICチップ3を嵌め込み、
この硬質樹脂シート5を軟質塩化ビニル樹脂または非晶
質ポリエステルによる軟質樹脂シート1・1間で挟み、
更に軟質樹脂シート1・1の表面に硬質塩化ビニル樹脂
による硬質樹脂シート5・5をそれぞれ重ねて加熱、加
圧して積層したものである。
【0027】上記構成のプラスチックカードの製造方法
の実施例を説明する。軟化点55℃以上、0.20mm厚、
サイズ500×660mmの硬質樹脂シート5上の所定位
置に、平均厚0.10mm、投影平面積3.0cm2 、最大厚0.
15mmのコイル2およびICチップ3による内蔵部品4
を5×10個配置し、特にICチップ3の厚さの大きい
部分はこれに相当する箇所にあけた孔6に嵌め込み、こ
の両面に軟化点50℃以下、0.20mm厚、サイズ500
×660mmの軟質樹脂シート1を重ね、更にその表面側
に軟化点55℃以上、0.03mm厚、サイズ500×66
0mmの硬質樹脂シート5を重ねて、第1実施例の場合と
同様に鏡面金属板の間に挟んで加熱プレスした。
【0028】(第5実施例)図4は本発明に係る回路内
蔵型のプラスチックカードの第5実施例を示す。この第
5実施例では、高融点ポリエステルなどによる硬質樹脂
シート5の片面に、低融点ポリエステルなどによる軟質
樹脂層11を成膜する。そして、軟質樹脂層11が内側
になるように重ね合わされる前記硬質樹脂シート5・5
の間に、アンテナコイル2およびIC3の内蔵部品4を
挟んで加熱、加圧して積層した。
【0029】上記構成のプラスチックカードは、具体的
には、軟化点55℃以上、厚さ0.05mm、サイズ500
×660mmの高融点ポリエステルによる硬質樹脂シート
5の内側に、軟化点50℃以下、厚さ0.07mm、サイズ
500×660mmの低融点ポリエステルによる軟質樹脂
層11を成膜したものを2枚使用し、この間に平均厚0.
10mm、投影平面積2.0cm2 、最大厚0.10mmの内蔵部
品4を挟んで、第1実施例の場合の製造法と全く同様に
製造した。
【0030】(比較例1)第1実施例における軟質樹脂
シート1に代えて硬質樹脂シートを用いる以外は、第1
実施例の製造方法の場合と同じ方法で製造した。
【0031】(比較例2)第2実施例における軟質樹脂
シート1に代えて硬質樹脂シートを用いる以外は、第2
実施例の製造方法の場合と同じ方法で製造した。
【0032】(比較例3)第3実施例における硬質樹脂
シート5に代えて、全て軟質樹脂シートを用いる以外
は、第3実施例の場合と同じ方法で製造した。
【0033】(比較例4)第4実施例における硬質樹脂
シート5に代えて、全て軟質樹脂シートを用いる以外
は、第4実施例の場合と同じ方法で製造した。
【0034】上記第1〜5実施例の製造方法により得ら
れたプラスチックカードと比較例1〜4により得られた
それとの比較結果を図5に示す。この図表から明らかな
ように、第1実施例のプラスチックカードの厚みムラは
比較例1のそれよりも少なく、また比較例1では内蔵部
品の破壊がみられたが、第1実施例では全く破壊されな
かった。
【0035】第2実施例のプラスチックカードでは厚み
ムラが比較例2のそれよりも少なく、また比較例2のも
のでは内蔵部品の回路が全て破壊したが、第2実施例の
ものでは全く破壊されなかった。
【0036】第3実施例のプラスチックカードでは厚み
ムラが比較例3のそれよりも少ないことが判る。比較例
3のものではシート周辺部が特に薄くなり、全体として
厚みムラとなった。第3実施例、比較例3共に、内蔵部
品の破壊は無かった。
【0037】第4実施例のプラスチックカードの厚みム
ラは比較例4のそれよりも少なく、また比較例4では内
蔵部品4の破壊がみられたが、第4実施例では全く破壊
されなかった。
【0038】第5実施例により得られたプラスチックカ
ードにおいても内蔵部品4を全く破壊することが無かっ
た。
【0039】また、各比較例1〜4では、厚みの最大と
最小の差が大きく、内蔵部品が破壊され易い。これを均
一化するために単に加熱温度を上げたり、軟化温度の低
い材料を用いることも試みたが、この場合は内蔵部品の
破壊を防止できるが、厚み分布は極めて悪かった。第1
〜5実施例によれば、内蔵部品を破壊することなく、厚
みの均一なプラスチックカードを容易に得ることができ
た。
【0040】なお、上記軟質樹脂シート1としては、軟
質塩化ビニル樹脂、非晶質ポリエステル以外の軟質樹脂
であってもよく、例えば軟質の塩化ビニリデン樹脂、A
BS樹脂、ポリカーボネート樹脂などを用いることもで
きる。また硬質樹脂シート5としては、硬質塩化ビニル
樹脂以外の硬質樹脂であってもよく、例えば硬質のポリ
エステル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ABS樹脂、ポリ
カーボネート樹脂などを用いることもできる。軟質樹脂
シート1および硬質樹脂シート5において、それぞれ1
枚の所望厚の樹脂シートを用いる以外に、複数枚の同質
樹脂シートを重ね合わせて所望厚とするものを用いるこ
ともできる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、表面平滑でかつ厚みム
ラが少なく、しかも内蔵部品を破壊することのない回路
内蔵型のプラスチックカードを容易に得ることができ
る。とくに、0.84mm厚以下の回路内蔵型のプラスチッ
クカードも表面平滑でかつ厚みムラが少なく、しかも内
蔵部品を破壊することなく容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は第1実施例のプラスチックカードを分
解状態で示す断面模式図、(B)は同プラスチックカー
ドを完成した状態の断面模式図である。
【図2】(A)は第3実施例のプラスチックカードを分
解状態で示す断面模式図、(B)は同プラスチックカー
ドを完成した状態の断面模式図である。
【図3】(A)は第4実施例のプラスチックカードを分
解状態で示す断面模式図、(B)は同プラスチックカー
ドを完成した状態の断面模式図である。
【図4】(A)は第5実施例のプラスチックカードを分
解状態で示す断面模式図、(B)は同プラスチックカー
ドを完成した状態の断面模式図である。
【図5】第1〜5実施例と比較例1〜4の比較結果を示
す図表である。
【符号の説明】
1 軟質樹脂シート 2 アンテナコイル 3 IC 4 内蔵部品 5 硬質樹脂シート 6 孔 11 軟質樹脂層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンテナコイル、IC、メモリ等電子回
    路の内蔵部品4を、軟質樹脂シート1・1間で挟み、そ
    の軟質樹脂シート1・1の表面に、軟質樹脂シート1の
    軟化点よりも高い軟化点をもつ硬質樹脂シート5・5を
    それぞれ重ねて加熱、加圧して積層してある回路内蔵型
    のプラスチックカード。
  2. 【請求項2】 硬質樹脂シート5は0.2mm厚以下であ
    り、軟質樹脂シート1は0.4mm厚以下である請求項1記
    載の回路内蔵型のプラスチックカード。
  3. 【請求項3】 硬質樹脂シート5に設けた孔6に、アン
    テナコイル、IC、メモリ等電子回路の内蔵部品4の全
    部もしくは一部を嵌め込み、その硬質樹脂シート5およ
    び内蔵部品4の表面に、硬質樹脂シート5の軟化点より
    も低い軟化点をもつ軟質樹脂シート1・1をそれぞれ重
    ねて加熱、加圧して積層してある回路内蔵型のプラスチ
    ックカード。
  4. 【請求項4】 前記硬質樹脂シート5は0.6mm厚以下で
    あり、軟質樹脂シート1は0.4mm厚以下である請求項3
    記載の回路内蔵型のプラスチックカード。
  5. 【請求項5】 硬質樹脂シート5に設けた孔6に、アン
    テナコイル、IC、メモリ等電子回路の内蔵部品4の全
    部もしくは一部を嵌め込み、その硬質樹脂シート5およ
    び内蔵部品4を、硬質樹脂シート5の軟化点よりも低い
    軟化点をもつ軟質樹脂シート1・1間で挟み、その軟質
    樹脂シート1・1の表面に、前記硬質樹脂シート5とは
    別体の硬質樹脂シート5・5をそれぞれ重ねて加熱、加
    圧して積層してある回路内蔵型のプラスチックカード。
  6. 【請求項6】 前記軟質樹脂シート1の軟化点と硬質樹
    脂シート5の軟化点の差は5℃以上である請求項1ない
    し5のいずれかに記載の回路内蔵型のプラスチックカー
    ド。
  7. 【請求項7】 硬質樹脂シート5の片面に、その硬質樹
    脂シート5の軟化点よりも低い軟化点をもつ軟質樹脂層
    11を成膜し、アンテナコイル、IC、メモリ等電子回
    路の内蔵部品4を、前記軟質樹脂層11が内側になるよ
    う重ね合わされる前記硬質樹脂シート5・5間で挟んで
    加熱、加圧して積層してある回路内蔵型のプラスチック
    カード。
  8. 【請求項8】 前記軟質樹脂層11の軟化点と硬質樹脂
    シート5の軟化点の差は5℃以上である請求項7記載の
    回路内蔵型のプラスチックカード。
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