JP2016051330A - 接触・非接触共用型icカード及びその製造方法 - Google Patents

接触・非接触共用型icカード及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016051330A
JP2016051330A JP2014176307A JP2014176307A JP2016051330A JP 2016051330 A JP2016051330 A JP 2016051330A JP 2014176307 A JP2014176307 A JP 2014176307A JP 2014176307 A JP2014176307 A JP 2014176307A JP 2016051330 A JP2016051330 A JP 2016051330A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
card
contact
card base
antenna coil
base material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014176307A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6405158B2 (ja
Inventor
大介 嶋田
Daisuke Shimada
大介 嶋田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Infomedia Co Ltd
Original Assignee
Toppan TDK Label Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan TDK Label Co Ltd filed Critical Toppan TDK Label Co Ltd
Priority to JP2014176307A priority Critical patent/JP6405158B2/ja
Publication of JP2016051330A publication Critical patent/JP2016051330A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6405158B2 publication Critical patent/JP6405158B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Credit Cards Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】カード内のアンテナコイルの埋設深さを安定させることが可能な接触・非接触共用型ICカード及びその製造方法を提供する。【解決手段】第1主面1a及び第1主面1aに対向する第2主面1bを有する第1のカード基材11と、第1主面1aに積層され、第1のカード基材11よりも軟化点温度が低い材料で形成された第2のカード基材12と、第1のカード基材11の第1主面1aと接するように第1主面1aに沿って第2のカード基材12中に埋め込まれたアンテナコイル13と、アンテナコイル13と電気的に接続されたICモジュール50とを備える接触・非接触共用型ICカード10A、10Bである。【選択図】 図1

Description

本発明は、接触・非接触共用型ICカード及びその製造方法に関する。
接触・非接触共用型ICカードは、接触型と非接触型の両方の機能を合わせ持つICカードであり、1枚のカードで、高セキュリティ処理から、利便性を重視した非接触で高速な処理まで可能となり、様々な分野での利用が期待されている。接触型ICカードの機能としては、クレジットカード、銀行のATMカード等があり、非接触ICカードの機能としては、交通系カード、少額決済カード、IDカード等があり、これらの組み合わせにより、様々な応用が可能なICカードを提供することができる。接触・非接触共用型ICカードは、今後、様々な分野で普及し、更に流通が増えると考えられる。
接触・非接触共用型ICカードは、接触通信用の外部電極端子と非接触通信用のアンテナコイルに接続する接続端子を設けたICモジュールが搭載されている。ICモジュール内に収納されているICチップは、1つのチップで接触・非接触の双方の処理を行うことができる。このような接触・非接触共用型ICカードの製造方法は、非接触通信用アンテナを封入したカード基材に、切削加工で凹部を形成し、封入したアンテナコイルの端子を切削加工で露出させる作業と、凹部にICモジュールを収納し、アンテナコイルの端子とICモジュールの端子の電気的接続を行う作業とが行われる。
例えば、特許文献1及び2では、カード基材、アンテナコイル、カード基材を順に積層したカード本体を形成し、このカード本体にICモジュール部を格納する凹部をざぐりによって形成することが記載されている。
特許文献3では、基材上に積層された樹脂層上に超音波振動によって線材を埋め込み、その上に薄板を貼り付けた後、薄板の一部に開口を形成する発明が記載されている。
特許文献4では、熱融着性樹脂基材に金属線アンテナコイルを転写してアンテナシートとし、アンテナコイルを挟むようにアンテナシート上にもう1枚の熱融着性樹脂基材のコアシートを積層し、更に最表面にオーバーシートを積層してカード基材を構成した後、ICモジュール装着用凹部と導通用凹孔を切削し、ICモジュールを装着する発明が記載されている。
特許文献5では、第1のカード基材と第2のカード基材との間にアンテナ基材を挟み込み、第1のカード基材側から掘削された穴部内にアンテナパターンの一部を露出させ、アンテナパターンが露出された接続領域におけるアンテナパターンの一部に導電性接着剤を配置してICチップを穴部内に埋設する発明が記載されている。
特開平11−115355号公報 特開平11−250213号公報 特開2002−342729号公報 特開2009−169563号公報 特開2014−26523号公報
特許文献1〜5に記載されるような接触・非接触共用型ICカードの製造においては、特にアンテナコイル端子部分の露出が重要な工程である。この工程が上手くいかないと、ICモジュールとアンテナコイルの接続信頼性が悪くなり、結果として初期故障や使用途中での故障が多発する場合がある。
アンテナコイル端子部分の露出を良好に行う要因の1つに、金属線の埋設深さの安定性がある。例えば、埋込巻線工法によりアンテナコイルを熱融着基材上へ形成する際に、使用する超音波ヘッドのエネルギー、埋込速度、超音波ヘッドの押し圧、コイルパターン形状等によって、金属線が熱融着基材へ埋まる量が変化してしまう。その結果、基材を熱ラミネートしたときに、金属線の封入深さにバラツキが生じてしまう。そのバラツキは、金属線の封入設計値に対して±100μm以上となることもある。
そのため特許文献1及び2に記載されるような金属線上に10〜20μm程度の軟導電性基材を配置して凹部を切削する方法では、金属線の埋設深さのバラツキが非常に大きい場合には、切削深さを予め設定して一定深さの凹部を切削する場合に、金属線上に配置された導電性接着剤を突き抜けて金属線を傷つける場合や、一部の金属線に凹部の底が到達せずに良好な導通が行えない場合等がある。同様に、特許文献3及び4に記載された発明も、金属線の埋設深さの安定性については何ら意識されておらず、同様な不具合が起こり得る。
一方、特許文献5に記載されるような共振周波数の変化を検知するミーリング刃や金属検知センサー等を使用することによって、金属線の埋設深さのバラツキに対応させた深さの開口部を形成する方法もある。しかしながら、金属線の埋設深さに応じて切削深さを変更する方法は切削作業に慎重性を要し、生産性が低下し得る。また、金属線の埋設深さのバラツキによって適正な露出深さが場所によって変わるため、導電性接着剤を受け入れる空間の体積が場所によって変化する。その結果、同じ量の導電性接着剤の滴下だと、滴下量が不十分となり電気的接続が不安定になったり、逆に導電性接着剤が多すぎてカード表面にはみ出したり、或いは、お互いの端子間が導通してしまう恐れもある。
上記課題を鑑み、本発明は、カード内のアンテナコイルの埋設深さを安定させることが可能な接触・非接触共用型ICカード及びその製造方法を提供する。
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討の結果、軟化点温度の異なる少なくとも2枚の基材を用意し、2枚の基材の間に金属線を挟み込んで接合する際に、その軟化点温度の差を利用することで、金属線の埋設深さをほぼ同じ深さに安定させることが可能となることを見いだした。
従って、本発明は一側面において、第1主面及び第1主面に対向する第2主面を有する第1のカード基材と、第1主面に積層され、第1のカード基材よりも軟化点温度が低い材料で形成された第2のカード基材と、第1のカード基材の第1主面と接するように第1主面に沿って第2のカード基材中に埋め込まれたアンテナコイルと、アンテナコイルと電気的に接続されたICモジュールとを備える接触・非接触共用型ICカードが提供される。
本発明に係る接触・非接触共用型ICカードは一実施態様において、ICモジュールが、第1のカード基材の第1主面及び第2主面を貫通する収納穴に配置され、収納穴から露出したアンテナコイルと電気的に接続される。
本発明に係る接触・非接触共用型ICカードは別の一実施態様において、第1のカード基材と第2のカード基材の軟化点温度の差が15〜80℃である。
本発明に係る接触・非接触共用型ICカードは更に別の実施態様において、第1のカード基材の軟化点温度が90〜145℃であり、第2のカード基材の軟化点温度が60〜100℃である。
本発明に係る接触・非接触共用型ICカードは更に別の実施態様において、第1のカード基材と同一材料で形成された第3のカード基材を更に備え、第3のカード基材と第1のカード基材との間にアンテナコイルが埋め込まれた第2のカード基材が挟持されている。
本発明に係る接触・非接触共用型ICカードは更に別の実施態様において、第2のカード基材の厚さが、アンテナコイルの厚さと同一である。
本発明に係る接触・非接触共用型ICカードは更に別の実施態様において、アンテナコイルの埋設深さのバラツキが60μm以下である。
本発明は別の一側面において、第1主面及び第1主面に対向する第2主面を有する第1のカード基材と、第1のカード基材よりも軟化点温度が低い材料で形成された第2のカード基材とを用意し、第2のカード基材上にアンテナコイルを敷設するアンテナコイル敷設工程と、第2のカード基材上に敷設されたアンテナコイル上に、第1のカード基材の第1主面を対向させて積層し、加熱により第2のカード基材を軟化させた状態で第1のカード基材と第2のカード基材とを熱圧着することにより、アンテナコイルを、第2のカード基材中に、第1のカード基材の第1主面に接するように第1主面に沿って埋め込ませるとともに、第1のカード基材と第2のカード基材とを接合する接合工程と、接合工程後に、第2のカード基材中に埋め込まれたアンテナコイルを露出させる収納穴を形成する穴形成工程と、収納穴にICモジュールを収納し、収納穴から露出したアンテナコイルとICモジュールとを電気的に接続する導通工程とを含む接触・非接触共用型ICカードの製造方法が提供される。
本発明に係る接触・非接触共用型ICカードの製造方法は一実施態様において、接合工程が、第2のカード基材の軟化点温度よりも高い第1の温度に第1のカード基材及び第2のカード基材を加圧しながら加熱することにより第2のカード基材を軟化させる第1熱圧着工程と、第1のカード基材及び第2のカード基材を第1のカード基材の軟化点温度よりも高い第2の温度に加圧しながら加熱する第2熱圧着工程と、第1のカード基材と第2のカード基材とを加圧しながら冷却する冷却工程とを含む。
本発明に係る接触・非接触共用型ICカードの製造方法は別の一実施態様において、接合工程が、第1のカード基材及び第2のカード基材上にそれぞれ印刷シート及びカバーシートを配置して接合させる工程を含む。
本発明は更に別の一側面において、第1主面及び該第1主面に対向する第2主面を有する第1のカード基材と、第1のカード基材よりも軟化点温度が低い材料で形成された第2のカード基材と、第1のカード基材と同一材料で形成された第3のカード基材とを用意し、第2のカード基材上にアンテナコイルを敷設するアンテナコイル敷設工程と、第2のカード基材上に敷設されたアンテナコイル上に、第1のカード基材の第1主面を対向させて積層し、第2のカード基材のアンテナコイルが敷設された面とは反対面上に第3のカード基材を積層し、加熱により第2のカード基材を軟化させた状態で第2のカード基材を第1のカード基材と第3のカード基材とで挟み込んで熱圧着することにより、アンテナコイルを、第2のカード基材中に、第1のカード基材の第1主面に接するように第1主面に沿って埋め込ませるとともに、第1のカード基材、第2のカード基材及び第3のカード基材を接合する接合工程と、接合工程後に、第2のカード基材中に埋め込まれたアンテナコイルを露出させる収納穴を形成する穴形成工程と、収納穴にICモジュールを収納し、収納穴から露出したアンテナコイルとICモジュールとを電気的に接続する導通工程とを含む接触・非接触共用型ICカードの製造方法が提供される。
本発明によれば、カード内のアンテナコイルの埋設深さを安定させることが可能な接触・非接触共用型ICカード及びその製造方法が提供できる。
本発明の第1の実施の形態に係る接触・非接触共用型ICカードの一例を表す断面図である。 第1の実施の形態に係る接触・非接触共用型ICカードの製造工程(その1)を表す断面図である。 第1の実施の形態に係る接触・非接触共用型ICカードの製造工程(その2)を表す断面図である。 図3に示すアンテナシートの平面図である。 第1の実施の形態に係る接触・非接触共用型ICカードの製造工程(その3)を表す断面図である。 第1の実施の形態に係る接触・非接触共用型ICカードの製造工程(その4)を表す断面図である。 第1の実施の形態に係る接触・非接触共用型ICカードの製造工程(その5)を表す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る接触・非接触共用型ICカードの一例を表す断面図である。 第2の実施の形態に係る接触・非接触共用型ICカードの製造工程(その1)を表す断面図である。 第2の実施の形態に係る接触・非接触共用型ICカードの製造工程(その2)を表す断面図である。 接触・非接触共用型ICカードの反りの評価方法を説明する断面図である。
図面を参照して、本発明の第1及び第2の実施の形態を説明する。以下の図面の記載においては、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。なお、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は、構成部品の構造、配置等を下記のものに特定するものではない。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、第1の実施の形態に係る接触・非接触共用型ICカード10Aは、第1主面1a及び第1主面1aに対向する第2主面1bを有する第1のカード基材11と、第1主面1aに積層され、第1のカード基材11よりも軟化点温度が低い材料で形成された第2のカード基材12と、第2のカード基材12中に埋め込まれたアンテナコイル13と、アンテナコイル13と電気的に接続されたICモジュール50とを備える。
第1のカード基材11と第2のカード基材12としては、熱融着性を有する熱可塑性樹脂材料を用いることが望ましく、それぞれ軟化点温度の異なる材料が組み合わせて用いられる。熱融着性を有する熱可塑性樹脂材料としては、例えば、PETG(非結晶性PETコポリマー)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、発泡PET、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)等の熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
以下に示す第1及び第2の実施形態では、アンテナコイル13を介して互いに重ね合わせる2枚の基材の軟化状態の差(軟化点温度の差)を利用して製造される。具体的には、アンテナコイル13が、軟化点温度の低い基材側に選択的に埋め込まれるように制御される。このとき、軟化点温度の高い方の基材がほとんど軟化しないように制御することで、アンテナコイル13が軟化点温度の高い方の基材には埋め込まれず、軟化点温度の高い方の基材表面に整列する。
そのため、第1のカード基材11と第2のカード基材12の材料選択に関しては、アンテナコイルが軟化点温度の低い基材側に選択的に埋め込まれるような効果が得られる組み合わせであれば、任意の基材の組み合わせが可能である。例えば、PETG基材の一般グレードとポリカーボネート基材の一般グレードの組み合わせなどの他種基材の組み合わせであってもよい。例えば、PETG基材の一般グレードと耐熱グレードの組み合わせなどのように、同一基材の一般グレード品と耐熱グレード品を組み合わせて使用しても良い。勿論、他種基材で一般グレードと耐熱グレードを使用しても良い。
第1のカード基材11と第2のカード基材12の軟化点温度の差を利用して、アンテナコイル13が軟化点の低い基材側に優先的に埋め込まれるようにするためには、第1のカード基材11と第2のカード基材12の軟化点温度の差が15〜80℃となるように、第1のカード基材11と第2のカード基材12の材料をそれぞれ選択することがより好ましい。軟化点温度の差を上記範囲とすることにより、第1のカード基材11と第2のカード基材12との間に金属線からなるアンテナコイル13を埋設する際に、その埋設深さが、ICカード全面においてほぼ同一の埋設深さとなり、アンテナコイル13の埋設深さのバラツキをより小さくすることができる。
更に、第1のカード基材11と第2のカード基材12とのアンテナコイル13を介した接合の強度、或いは接合に利用される熱ラミネート装置の作業性や生産性向上の面を考慮すると、第1のカード基材11は軟化点温度が90〜145℃、より好ましくは110〜140℃の材料が使用されることが好ましい。第2のカード基材12は、軟化点温度が60〜110℃、より好ましくは60〜90℃の材料が使用されることが好ましい。なお、本発明において「軟化点温度」とは、ビカット軟化点を意味し、JIS規格(K7206:1999)規定のA50法に準拠した測定により測定した値を意味する。
第1のカード基材11及び第2のカード基材12の厚み(基材厚)は、以下に制限されるものではないが、典型的には50〜250μmであり、より典型的には100〜200μmである。基材それぞれの厚みは同一であってもよいし、異なる厚みを有していても構わない。
第1のカード基材11及び第2のカード基材12との間には、第2のカード基材12中に埋設されるように金属線からなるアンテナコイル13が配置されている。アンテナコイル13は少なくとも導電線を含んで構成され、好ましくは導電線が自己融着性の絶縁層により被覆されている。導電線は、例えば、銅線、鉄線、金線等の金属線であるが、導電性を有する他の材料を活用しても良い。導電線を被覆する絶縁層は、絶縁性の樹脂層で形成される。アンテナコイル13として市販のエナメル線を活用しても良い。
図4に示すように、アンテナコイル13は、第2のカード基材12の周縁部に沿って配置されたアンテナ部13aと第2のカード基材12のICモジュール搭載領域にメアンダ状に金属線が複数回折り曲げて形成された接続端子部13bを有する。
このようなアンテナコイル13としては、エッチングで金属線を形成したエッチングアンテナ、金属線をループ状に巻回した巻線アンテナ、印刷技術で金属線を形成した印刷アンテナ等が一般的に利用されるが、本発明では、埋込巻線工法を用いた巻線アンテナが好適に用いられる。
巻線アンテナは、通常、使用する金属線の線径が80〜150μmであり、エッチングアンテナや印刷アンテナの端子厚みが10〜50μmであるのと比較すると大幅に厚みが厚いため、端子露出のための切削加工が容易になるという利点がある。10〜50μmの端子厚みだと、金属センサーでアンテナコイルを検知しながら作業を行う必要があるが、金属線の線径が80〜150μmの厚みを有している巻線アンテナの場合は、金属センサー検知無しで切削作業を行い、接続端子を露出することが可能となるため、作業が容易で、生産性が向上する。
図1に示すように、アンテナコイル13は、第1のカード基材11と接触した位置で、第1のカード基材11の第1主面1aと接するように、第1主面1aに沿って第2のカード基材12中に埋め込まれており、接触・非接触共用型ICカード10Aの表層面100aからの埋設深さDが接触・非接触共用型ICカード10Aの全面においてほぼ均一である。本実施形態によれば、アンテナコイル13の埋設深さのバラツキは60μm以下であり、より好適な実施形態では40μm以下、更に好適な実施形態では20μm以下である。なお、「アンテナコイル13の埋設深さのバラツキ」とは、接触・非接触共用型ICカード10Aの最表面100aの任意の領域からアンテナコイル13(コイル径の中心まで)の埋設深さDを複数箇所計測した場合の埋設深さDの最大値と最小値の差を意味する。
アンテナコイル13の埋設深さが安定していると、アンテナコイル13の接続端子部13bを切削加工にて露出させる際に、金属センサーなどを用いる必要が無いため、容易で且つ確実に作業できる。良好な接続端子部13bの露出は、ICモジュール50との電気的接続においても、容易で且つ確実に作業できることとなるため、信頼性の高い接触・非接触共用型ICカード10Aが提供可能となる。
図1に示すように、第1のカード基材11及び第2のカード基材12には、それぞれ所望のデザインを印刷した印刷シート21、22と、印刷シート21、22を覆うカバーシート31、32が順に積層されている。カバーシート31、印刷シート21、第1のカード基材11の第1主面1a及び第2主面1bを貫通する収納穴15が切削加工によって設けられており、この収納穴15にICモジュール50が収納され、導電性樹脂16を介してICモジュール50がアンテナコイル13に電気的に接続されることによって、接触・非接触共用型ICカード10Aが得られる。
次に、図2〜図8を用いて、第1の実施の形態に係る接触・非接触共用型ICカード10Aの製造方法を説明する。まず、図2に示すように、第1のカード基材11と、第1のカード基材11よりも軟化点温度が低い材料で形成された第2のカード基材12と、印刷シート21、22、カバーシート31、32を用意する。
図3及び図4に示すように、第2のカード基材12上に金属線を用いてアンテナ部13a及び接続端子部13bを有するアンテナコイル13を敷設したアンテナシート12Aを形成する(アンテナコイル敷設工程)。アンテナコイル13の敷設方法としては、エッチング工法、埋込巻線工法、銀ペースト印刷工法などが一般的に利用可能である。特に、本実施形態では、埋込巻線工法を用いることが好ましい。
埋込巻線工法は超音波融着の原理を活用して、例えば、線径が80〜150μmの金属線を第2のカード基材12の上面に埋め込む態様にてアンテナコイル13を描線する工法である。超音波融着により、第2のカード基材12の上面が溶融し、アンテナコイル13が第2のカード基材12の上面に埋め込まれる。超音波融着に際しては、アンテナコイル13を構成する金属線を繰り出しながら、金属線を第2のカード基材12の上面に埋め込むことが可能な配線装置を用いると良い。このような配線装置に組み込まれ得る超音波ヘッドは、金属線を第2のカード基材12の上面上へ繰り出しつつ、振動と加圧により第2のカード基材12の上面に埋め込んで、アンテナコイル13を形成する。
次に、図5に示すように、第2のカード基材12上に敷設されたアンテナコイル13上に、第1のカード基材11の第1主面1aを対向させて積層する。更に、第1のカード基材11の第2主面1bには印刷シート21、カバーシート31を積層する。第2のカード基材のアンテナコイル13が形成された面(アンテナコイル形成面)と反対側の面には印刷シート22、カバーシート32を積層する。そして、加熱により第2のカード基材12を軟化させ、第2のカード基材12を軟化させた状態で第1のカード基材11と第2のカード基材12とを熱圧着する。これにより、アンテナコイル13を、第2のカード基材12中に、第1のカード基材11の第1主面1aに接するように第1主面1aに沿って埋め込ませるとともに、第1のカード基材11と第2のカード基材12とを接合し、更に印刷シート21、22及びカバーシート31、32も接合する(接合工程)。
接合工程においては、例えば熱ラミネート加工が好適に用いられる。熱ラミネート加工は、図5に示すように、接触・非接触共用型ICカード10Aを構成する全ての層を積層した後に、1回の熱ラミネートですべての層間の接着を行う1回ラミネート工法と、アンテナコイルが形成された第2のカード基材12と第1のカード基材11の接着のみを先に行うプレラミネートの後に、そのプレラミネート済みのシートにデザイン印刷シート21、22とカバーシート31、32をそれぞれ配置し最終の熱ラミネートを行う2回ラミネート工法が利用可能である。
接触・非接触共用型ICカード10Aの表面全体にデザインが形成される場合は、1回ラミネート工法で接触・非接触共用型ICカード10Aを仕上げようとすると、封入したアンテナコイル13の影響を受けて、デザインが歪んでしまうことがある。デザインの歪みを確実に無くし、安定して生産を行うには、2回ラミネート工法がより好ましい。
なお、第1のカード基材11と第2のカード基材12の接合においては、第1のカード基材11と第2のカード基材12との軟化点温度の差を利用するために、第1のカード基材11及び第2のカード基材12の温度が少なくとも2つの温度で保持されることが好ましい。
即ち、接合工程では、まず、第2のカード基材12の軟化点温度よりも高い第1の温度に第1のカード基材11及び第2のカード基材12を加圧しながら加熱することにより、第2のカード基材12を選択的に軟化させる第1熱圧着工程と、第1のカード基材11及び第2のカード基材12を第1のカード基材11の軟化点温度よりも高い第2の温度に加圧しながら加熱する第2熱圧着工程と、第1のカード基材と第2のカード基材とを加圧しながら冷却する冷却工程とを含むことができる。
例えば、プレラミネートを実施する場合、まず、第1のカード基材11及びアンテナコイル13が形成された第2のカード基材12をラミネート装置内に搬送し、例えば加圧加温機構等の上に配置して加圧しながら(例えば60N/cm2)第1のカード基材11及び第2のカード基材12を第1の温度(例えば100℃)に加温して5〜15分程度保持する。これにより、アンテナコイル13が形成された第2のカード基材12が軟化する。次に、第1のカード基材11及びアンテナコイル13が形成された第2のカード基材12を、ラミネート装置の設定温度(ラミネート温度)である第2の温度(例えば130℃)にまで加圧及び加熱しながら3〜10分程度保持する。その後、第1のカード基材と第2のカード基材とを加圧冷却機構等の上に配置し、加圧しながら室温まで冷却する。冷却は、例えば、圧力60N/cm2、温度20℃に設定した冷却プレス等で行う。
これにより、アンテナコイル13を軟化した第2のカード基材12側へ第1のカード基材11の第1主面1aにより押し込んで、アンテナコイル13の埋設及び第1のカード基材11及び第2のカード基材12の接合を完了させることができる。なお、第2の加熱温度は、第1のカード基材11の材料にもよるが、熱圧着性向上の点を鑑みると、第1のカード基材の5〜40℃程度、より好ましくは10〜30℃程度、高い温度に設定されることが好ましい。プレラミネートの後に、デザイン印刷シート21、22とカバーシート31、32をそれぞれ配置して、最終の熱ラミネートを行うことで、図6に示す積層体10aが得られる。
図7に示すように、積層体10aの第1のカード基材11が配置された側の表層面100aから、カバーシート31、印刷シート21、第1のカード基材11の第1主面1a及び第2主面1bを貫通し、第2のカード基材12中に埋め込まれたアンテナコイル13の一部を露出させる収納穴15が、切削加工によって設けられる(穴形成工程)。切削加工のための切削手段としては、例えば、刃やレーザー装置が用いられ、具体的にはビク刃、切削刃、レーザーカッター又はミーリング装置等を活用すると良い。特に、収納穴15の形成とアンテナコイル13の接続端子部13bの露出とを同時に行うには、ミーリング装置を利用するのが適当である。
本発明では、アンテナコイル13は、第1のカード基材11と接触した位置で、第1のカード基材11の第1主面1aと接するように、第1主面1aに沿って第2のカード基材12中に埋め込まれており、接触・非接触共用型ICカード10Aの全面において埋設深さDはほぼ均一である。このため、積層体10aの第2のカード基材12が配置された側(図1のカバーシート32の表面側)から、第2のカード基材12中に埋設されたアンテナコイル13を露出させるための収納穴15を切削加工によって設けても、同様の効果が得られる。
次に、収納穴15にICモジュール50を収納し、収納穴15から露出したアンテナコイル13とICモジュール50とを電気的に接続する(導通工程)。ICモジュール50の接続端子とアンテナコイル13との間の電気的接続を確保する具体的な方法は、ハンダ付け等の任意手法を採用することが可能であるが、図1に示すように、熱硬化型の導電性樹脂(導電性ペースト)16を介して、ICモジュール50とアンテナコイル13との間の電気的な接続を行う方法が大量生産に適している。
このように、第1の実施の形態に係る接触・非接触共用型ICカード10Aによれば、アンテナコイル13が第1のカード基材11の第1主面1aと接触した位置で埋設されるため、表層面100aからの埋設深さが均一となり、アンテナコイル13の埋設深さのバラツキが低減されるという効果が得られる。アンテナコイル13の埋設深さが安定していると、アンテナコイル13の一部を接続端子部13bとして切削加工にて露出させる際に、容易で且つ確実に作業できる。同時に、良好な接続端子部13bの露出は、ICモジュール50との電気的接続においても、容易で且つ確実に作業できるため、信頼性の高い接触・非接触共用型ICカード10Aが提供可能となる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る接触・非接触共用型ICカード10Bは、図8に示すように、第3のカード基材14を更に備え、第3のカード基材14と第1のカード基材11との間に、アンテナコイル13が埋め込まれた第2のカード基材12が挟持されている点が、図1に示す接触・非接触共用型ICカード10Aと異なる。他の構成は、図1に示す接触・非接触共用型ICカード10Aと実質的に同様である。
第3のカード基材14は、第3主面1c及び第3主面1cに対向する第4主面1dを有し、第3主面1cが第2のカード基材12に接合されている。第3のカード基材14は、第2のカード基材12よりも軟化点温度が高く、第1のカード基材11と同一材料で形成されている。同一材料からなる2枚のカード基材(第1のカード基材11及び第3のカード基材14)で第2のカード基材を挟み込むことにより、軟化点温度の差に起因する接触・非接触共用型ICカード10Bの反りをより小さくすることができる。
第3のカード基材14の厚み(基材厚)は、以下に制限されるものではないが、典型的には50〜250μmであり、より典型的には100〜200μmである。第1のカード基材11と第3のカード基材14のそれぞれの厚みは同一であってもよいし、異なる厚みを有していても構わない。熱圧着工程に起因する熱膨張による接触・非接触共用型ICカード10Bの反りの問題を考慮すれば、第3のカード基材14の厚みは、第1のカード基材11の厚みと揃えることが好適である。
図8に示す接触・非接触共用型ICカード10Bにおいては、第2のカード基材12の厚さが、アンテナコイル13の厚さ(基材積層方向の最大径(線径))と同一であることが好ましい。これにより、アンテナコイル13が第1のカード基材11の第1主面1aと第3のカード基材14の第3主面1cとの間で、第1主面1a及び第3主面1cと接するように第1主面1a及び第3主面1cに沿って並んで配置されるため、カードの反りを低減しつつ、且つアンテナコイルの埋設深さのバラツキをより小さくすることができる。
第2の実施の形態に係る接触・非接触共用型ICカード10Bの製造する場合は、図9に示すように、第1のカード基材11と、第1のカード基材11よりも軟化点温度が低い材料で形成された第2のカード基材12と、第1のカード基材11と同一材料で形成された第3のカード基材14と、印刷シート21、22、カバーシート31、32を用意し、これらを、第1の実施の形態で示した製造方法と同様な手法で熱ラミネートすることで、積層体を作製する。積層体に収納穴15を作製し、収納穴15から露出したアンテナコイル13とICモジュール50との電気的接続を行うことによって、接触・非接触共用型ICカード10Bが完成する。なお、図8においては、収納穴15が、第1のカード基材11(カバーシート31)を貫通し、第2のカバーシート12内のアンテナシート13の一部を露出させるように形成されている例を示しているが、第3のカード基材14(カバーシート32)側から第3のカード基材14の第3主面1c及び第4主面1dを貫通してアンテナシート13の一部を露出させるように収納穴を形成しても良いことは勿論である。
以下に本発明の実施例を示すが、これらの実施例は本発明及び本発明の利点をより理解するために提供されるものであり、作製順序や作製材料等を含めて、本発明が以下の記載に限定されることを意図するものではない。
(実施例1)
第2のカード基材として熱融着性基材(三菱樹脂製ディアフィクス(登録商標)、PG−WHI−FG、厚み0.15mm、軟化点温度78℃)を準備し、金属線(エレクトリゾーラ社製、自己融着皮膜銅線AB15φ0.10mm)を超音波ヘッドにて基材表面へ埋め込みながらアンテナコイルを形成した。その後、第1のカード基材として熱融着性基材(三菱樹脂製ディアフィクス(登録商標)、PG−WET、耐熱グレード、厚み0.15mm、軟化点温度125℃)を第2のカード基材のアンテナコイル形成面に積層し、仮止めして、プレラミネート温度130℃として、プレラミネートを実施した。プレラミネートでは、60N/cm2で加圧しながら第1及び第2のカード基材をまず100℃に昇温して10分程度保持した後、プレラミネート温度である130℃に昇温して5分間保持し、その後加圧しながら室温まで冷却した。更に、プレラミネートしたコアシートの表裏にデザイン印刷シート(三菱樹脂製ディアフィクス(登録商標)PG−WHI−FG、厚み0.20mm)を配置し、その外層にカバーシート(三菱樹脂製ディアフィクス(登録商標)、PG−CHI−FG、厚み0.05mm)を配置してラミネート温度130℃、60N/cm2で最終ラミネートして積層体を形成した。得られた積層体をカード形状に個片化し、複数のカード形状媒体を得た。このカード形状媒体の表面を切削加工により切削して収納穴を形成するとともに、アンテナコイルの接続端子部の露出を行った。アンテナコイルの接続端子部の露出は、切削深さを0.45mmに設定して加工した。ICモジュールを収納穴へ配置して電気的接続を行うことにより、接触・非接触共用型ICカードを作製した。
(実施例2)
第2のカード基材として熱融着性基材(三菱樹脂製ディアフィクス(登録商標)、PG−WHI−FG、厚み0.10mm、軟化点温度78℃)を準備し、金属線(エレクトリゾーラ社製、自己融着皮膜銅線AB15φ0.10mm)を超音波ヘッドにて基材表面へ埋め込みながらアンテナコイルを形成した。その後、第1及び第3のカード基材として熱融着性基材(三菱樹脂製ディアフィクス(登録商標)、PG−WET、耐熱グレード、厚み0.15mm、軟化点温度125℃)を第2のカード基材の両面に積層して、130℃の温度で実施例1と同様のプレラミネートを実施した。プレラミネートしたコアシートの表裏にデザイン印刷シート(三菱樹脂製ディアフィクス(登録商標)、PG−WHI−FG、厚み0.15mm)を配置し、その外層にカバーシート(三菱樹脂製ディアフィクス(登録商標)、PG−CHI−FG、厚み0.05mm)を配置して130℃で最終ラミネートして積層体を形成した。得られた積層体をカード形状に個片化し、複数のカード形状媒体を得た。このカード形状媒体の表面を切削加工により切削して収納穴を形成するともに、アンテナコイルの接続端子部の露出を行った。アンテナコイル端子の露出は、切削深さを0.40mmに設定して加工した。ICモジュールを収納穴へ配置して電気的接続を行うことにより、接触・非接触共用型ICカードを作製した。
(比較例)
第1のカード基材を第2のカード基材と同様の材料(三菱樹脂製ディアフィクス(登録商標)、PG−WHI−FG、厚み0.15mm)とした以外は、実施例1と同様の工程で接触・非接触共用型ICカードを作製した。
<切削加工によるアンテナコイル接続端子部露出工程への影響>
実施例1、2及び比較例で作製された接触・非接触共用型ICカード100枚に対し、収納穴から露出したアンテナコイルの接続端子の露出状況をそれぞれ10倍ルーペによる目視検査で確認した。結果を表1に示す。表1中、「良品」とは露出不良及び過剰切削のいずれも確認されなかった物を示し、「不良品」中の「露出不良」とは、アンテナコイルの接続端子部の上部に基材樹脂が残っていた場合を表す。「過剰切削」とは、切削が深すぎて、端子部分の金属線を切断していた場合を示す。表1に示すように、実施例1及び2のいずれも切削加工によりすべて良品が得られていることが分かる。
<ICモジュールとアンテナコイルとの電気的接続への影響>
実施例1、2及び比較例で作製された接触・非接触共用型ICカード100枚に対し、ICモジュールとアンテナコイルとの導通状態を確認した。ICモジュールを搭載した接触・非接触共用型ICカードは、アドバンテスト社製、ネットワーク・アナライザR3753BHを使用して共振波形を測定し、共振周波数と出力値とを検出することにより導通状態を確認した。導通状態に異常がある場合は、共振周波数が変化したり、出力値が低下したりした。ここでは、設計共振周波数値に対して±0.3MHz以内であるか、又は出力値が設計出力値に対して80%以上を示すものを「良品」として評価し、それ以外のものを「不良品(共振不良/出力不良)」として評価した。結果を表2に示す。比較例では、不良品が発生した。
<実施例1と実施例2の接触・非接触共用型ICカードの反り特性について>
実施例1及び実施例2の接触・非接触共用型ICカードの反り特性を評価した。温度20±3℃、湿度65±10%の雰囲気条件下で、図11に示すように、基準板3上に接触・非接触共用型ICカード10を配置し、基準板3から接触・非接触共用型ICカード10の頂点までの距離を測定した。10枚の接触・非接触共用型ICカード反り特性の評価結果の最大値、平均値及び最小値を表3に示す(単位はいずれも「mm」である)。実施例2の接触・非接触共用型ICカードの反りの方が小さくなった。
<カード基材の材料に対するアンテナコイルの埋設深さバラツキの影響>
第1のカード基材及び第2のカード基材として、軟化点温度がそれぞれ異なる材料を種々に組み合わせた場合のアンテナコイルの埋設深さバラツキへの影響を評価した。サンプルA〜Fとして軟化点温度78〜140℃の材料を第1のカード基材又は第2のカード基材として使用した。サンプルA〜Fの製造は実施例1と同様の手順で行った。ここでは、軟化点温度78℃の材料として、PETG材料(三菱樹脂製ディアフィクス(登録商標)、PG−WHI−FG)を使用した。軟化点温度125℃の材料として、PETG材料(三菱樹脂製ディアフィクス(登録商標)、PG−WET)を使用した。軟化点温度110℃の材料としてPETG材料(三菱樹脂製ディアフィクス(登録商標)、PG−WH)を使用した。軟化点温度62℃の材料としてPVC材料を使用した。軟化点温度140℃の材料としてポリカーボネート材料を使用した。第1のカード基材及び第2のカード基材の軟化点温度の組み合わせを表4に示す。
アンテナコイルの埋設深さバラツキの評価は、接触・非接触共用型ICカードのICモジュールが配置された側の最表面内の任意の測定点について、最表面から計測したアンテナコイルの埋設深さを測定した。結果を表5に示す。表5中「ラミネート温度」とはラミネート装置内で第1のカード基材と第2のカード基材とが熱圧着される際の温度を表す。なお、サンプルA〜Fともに、ラミネート装置内で60N/cm2の圧力で第2のカード基材の軟化点温度以上に10分程度保持した後に、ラミネート温度まで昇温して5分保持し熱プレスした後に室温まで冷却した結果を表す。
表5中「埋設深さの安定性」の評価については、バラツキが0〜0.005mmのものを「○」、0.05mmを越えて0.09mm以下のものを「△」、0.09mmを越えるものを「×」として評価した。
表5の結果から、第1のカード基材と第2のカード基材の軟化点温度の差が大きくなるにつれて埋設深さのバラツキが小さくなっており、温度差が15℃以上でバラツキ低減効果がみられ、更に30℃以上であるとより効果的であることが分かる。なお、軟化点温度差が80℃を越えた場合には、軟化点温度の低い第2のカード基材が軟化しすぎて熱ラミネートの際に流れ出してしまい、流れ出しによる厚みムラが生じ、埋設深さのバラツキを小さく抑えることができなかった。
10、10A、10B…接触・非接触共用型ICカード
11…第1のカード基材
12…第2のカード基材
13…アンテナコイル
14…第3のカード基材
15…収納穴
16…導電性樹脂
21、22…印刷シート
31、32…カバーシート
50…ICモジュール

Claims (11)

  1. 第1主面及び該第1主面に対向する第2主面を有する第1のカード基材と、
    前記第1主面に積層され、前記第1のカード基材よりも軟化点温度が低い材料で形成された第2のカード基材と、
    前記第1のカード基材の前記第1主面と接するように前記第1主面に沿って前記第2のカード基材中に埋め込まれたアンテナコイルと、
    前記アンテナコイルと電気的に接続されたICモジュールと
    を備える接触・非接触共用型ICカード。
  2. 前記ICモジュールが、前記第1のカード基材の前記第1主面及び前記第2主面を貫通する収納穴に配置され、前記収納穴から露出した前記アンテナコイルと電気的に接続された請求項1に記載の接触・非接触共用型ICカード。
  3. 前記第1のカード基材と前記第2のカード基材の前記軟化点温度の差が15〜80℃である請求項1又は2に記載の接触・非接触共用型ICカード。
  4. 前記第1のカード基材の軟化点温度が90〜145℃であり、前記第2のカード基材の軟化点温度が60〜100℃である請求項1〜3のいずれか1項に記載の接触・非接触共用型ICカード。
  5. 前記第1のカード基材と同一材料で形成された第3のカード基材を更に備え、前記第3のカード基材と前記第1のカード基材との間に、前記アンテナコイルが埋め込まれた第2のカード基材が挟持されていることを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の接触・非接触共用型ICカード。
  6. 前記第2のカード基材の厚さが、前記アンテナコイルの厚さと同一である請求項5に記載の接触・非接触共用型ICカード。
  7. 前記アンテナコイルの埋設深さのバラツキが60μm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の接触・非接触共用型ICカード。
  8. 第1主面及び該第1主面に対向する第2主面を有する第1のカード基材と、前記第1のカード基材よりも軟化点温度が低い材料で形成された第2のカード基材とを用意し、前記第2のカード基材上にアンテナコイルを敷設するアンテナコイル敷設工程と、
    前記第2のカード基材上に敷設された前記アンテナコイル上に、前記第1のカード基材の第1主面を対向させて積層し、加熱により前記第2のカード基材を軟化させた状態で前記第1のカード基材と前記第2のカード基材とを熱圧着することにより、前記アンテナコイルを、前記第2のカード基材中に、前記第1のカード基材の前記第1主面に接するように前記第1主面に沿って埋め込ませるとともに、前記第1のカード基材と前記第2のカード基材とを接合する接合工程と、
    前記接合工程後に、前記第2のカード基材中に埋め込まれた前記アンテナコイルを露出させる収納穴を形成する穴形成工程と、
    前記収納穴にICモジュールを収納し、前記収納穴から露出した前記アンテナコイルと前記ICモジュールとを電気的に接続する導通工程と
    を含む接触・非接触共用型ICカードの製造方法。
  9. 前記接合工程が、
    前記第2のカード基材の軟化点温度よりも高い第1の温度に前記第1のカード基材及び前記第2のカード基材を加圧しながら加熱することにより前記第2のカード基材を軟化させる第1熱圧着工程と、
    前記第1のカード基材及び前記第2のカード基材を前記第1のカード基材の軟化点温度よりも高い第2の温度に加圧しながら加熱する第2熱圧着工程と、
    前記第1のカード基材と前記第2のカード基材とを加圧しながら冷却する冷却工程と
    を含む請求項8に記載の接触・非接触共用型ICカードの製造方法。
  10. 前記接合工程が、前記第1のカード基材及び前記第2のカード基材上にそれぞれ印刷シート及びカバーシートを配置して接合させる工程を含む請求項8又は9に記載の接触・非接触共用型ICカードの製造方法。
  11. 第1主面及び該第1主面に対向する第2主面を有する第1のカード基材と、前記第1のカード基材よりも軟化点温度が低い材料で形成された第2のカード基材と、前記第1のカード基材と同一材料で形成された第3のカード基材とを用意し、前記第2のカード基材上にアンテナコイルを敷設するアンテナコイル敷設工程と、
    前記第2のカード基材上に敷設された前記アンテナコイル上に、前記第1のカード基材の第1主面を対向させて積層し、前記第2のカード基材の前記アンテナコイルが敷設された面とは反対面上に第3のカード基材を積層し、加熱により前記第2のカード基材を軟化させた状態で第2のカード基材を前記第1のカード基材と前記第3のカード基材とで挟み込んで熱圧着することにより、前記アンテナコイルを、前記第2のカード基材中に、前記第1のカード基材の前記第1主面に接するように前記第1主面に沿って埋め込ませるとともに、前記第1のカード基材、前記第2のカード基材及び第3のカード基材を接合する接合工程と、
    前記接合工程後に、前記第2のカード基材中に埋め込まれた前記アンテナコイルを露出させる収納穴を形成する穴形成工程と、
    前記収納穴にICモジュールを収納し、前記収納穴から露出した前記アンテナコイルと前記ICモジュールとを電気的に接続する導通工程と
    を含む接触・非接触共用型ICカードの製造方法。
JP2014176307A 2014-08-29 2014-08-29 接触・非接触共用型icカード及びその製造方法 Active JP6405158B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014176307A JP6405158B2 (ja) 2014-08-29 2014-08-29 接触・非接触共用型icカード及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014176307A JP6405158B2 (ja) 2014-08-29 2014-08-29 接触・非接触共用型icカード及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016051330A true JP2016051330A (ja) 2016-04-11
JP6405158B2 JP6405158B2 (ja) 2018-10-17

Family

ID=55658782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014176307A Active JP6405158B2 (ja) 2014-08-29 2014-08-29 接触・非接触共用型icカード及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6405158B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019016105A (ja) * 2017-07-05 2019-01-31 日本エンジニアリング株式会社 Icカード及びicカードの製造方法
JP2019220139A (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 コナ アイ カンパニー リミテッド メタルカード及びメタルカードの製造方法
JP2021051540A (ja) * 2019-09-25 2021-04-01 凸版印刷株式会社 デュアルicカードおよびその製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10337984A (ja) * 1997-06-09 1998-12-22 Maxell Seiki Kk 回路内蔵型のプラスチックカード
JP2009205337A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Toppan Printing Co Ltd Icカード及びその製造方法
JP2010250467A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Toppan Printing Co Ltd デュアルインターフェイスicカードの製造方法及びアンテナ内蔵カード

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10337984A (ja) * 1997-06-09 1998-12-22 Maxell Seiki Kk 回路内蔵型のプラスチックカード
JP2009205337A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Toppan Printing Co Ltd Icカード及びその製造方法
JP2010250467A (ja) * 2009-04-14 2010-11-04 Toppan Printing Co Ltd デュアルインターフェイスicカードの製造方法及びアンテナ内蔵カード

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019016105A (ja) * 2017-07-05 2019-01-31 日本エンジニアリング株式会社 Icカード及びicカードの製造方法
JP2019220139A (ja) * 2018-06-19 2019-12-26 コナ アイ カンパニー リミテッド メタルカード及びメタルカードの製造方法
US11009855B2 (en) 2018-06-19 2021-05-18 Kona I Co., Ltd. Metal card and method for manufacturing the same
JP2021051540A (ja) * 2019-09-25 2021-04-01 凸版印刷株式会社 デュアルicカードおよびその製造方法
JP7400289B2 (ja) 2019-09-25 2023-12-19 Toppanホールディングス株式会社 デュアルicカードおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6405158B2 (ja) 2018-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6292277B2 (ja) 複合icカード
US8333004B2 (en) Electronic interface apparatus and method and system for manufacturing same
TW530006B (en) Manufacturing method of multilayer substrate and multilayer substrate produced by the manufacturing method
JP4241147B2 (ja) Icカードの製造方法
TW201101582A (en) Antenna sheet, data carrier with non-contact type IC and manufacturing method of antenna sheet
JP7424073B2 (ja) デュアルicカード
JP6405158B2 (ja) 接触・非接触共用型icカード及びその製造方法
JP4853760B2 (ja) Icカード、icカードの製造方法、およびicカードの製造装置
US20150028106A1 (en) Method Of Manufacturing A Smart Card
JP2009157666A (ja) 接触・非接触共用型icカードと非接触型icカード、およびそれらの製造方法
JP2010033137A (ja) デュアルicカード、およびその製造方法
JP5483032B2 (ja) トランスポンダの実装構造およびその製造方法
JP4286945B2 (ja) 接触型非接触型共用icカードとその製造方法
JP2009169563A (ja) 接触・非接触共用型icカードと非接触型icカード、およびそれらの製造方法
JP7380254B2 (ja) 接触および非接触共用icカードおよび接触および非接触共用icカードの製造方法
JP2007047852A (ja) Icカード、icカードの製造方法、icカードの製造装置、icカード用基材、icカード用基材の製造方法、およびicカード用基材の製造装置
JP7404973B2 (ja) 接触および非接触共用icカードおよびアンテナシート
JP6040732B2 (ja) Icカードの製造方法
JP2019079323A (ja) コンビネーションカードの製造方法
JP2005129727A (ja) 多層配線基板及びその製造方法
JP2023150282A (ja) デュアルインターフェースicカードおよびその製造方法
JPH11328355A (ja) Icカード用icモジュール
US20130153667A1 (en) Method for making a device comprising a transponder antenna on a thin web and resulting device
JP2023122097A (ja) デュアルインターフェースicカードおよびその製造方法
JP2016207003A (ja) 非接触通信インレイ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170612

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180914

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6405158

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250