JP2016207003A - 非接触通信インレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】インレットを絶縁材料で覆ってインレイを製造した後に共振の周波数調整が容易に行える静電容量調整手段を備えたインレイを得る。【解決手段】基板上にICチップが実装されたICモジュールとコイルアンテナが、前記ICモジュールの前記基板上のアンテナ接合パターンに接合されてなるインレットを、空孔部が設けられた第1の樹脂シートと第2の樹脂シートとで前記インレットを挟み込んで積層して成る非接触通信インレイであって、前記ICモジュールの前記基板の下面に静電容量調整用導電パターンが前記基板に設けられたスルーホールを介して前記ICチップの容量と電気的に直列または並列に形成され、前記静電容量調整用導電パターンが前記第1の樹脂シートの前記空孔部を介して外部に露出している非接触通信インレイを用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、資産管理、来場者管理、工程管理、物品使用履歴トレーサビリティ、NFCコンテンツ配信サービス、来店誘引プロモーション、スマートポスター、ディスプレイカード、ソーシャルネットワークサービス、各種決済、本人認証等に利用されている、ICタグ及び非接触ICカード等の情報記憶媒体に用いる非接触通信インレイに関する。
外部からのデータの読み書きや電力の供給を電磁波等によって非接触で行うICタグや非接触ICカードやICタグが普及している。例えば、非接触ICカードを用いて商品購入の決済処理を行ったり、身分証明等の非接触ICカードを用いて本人認証を行うことができる。
近接型または近傍型ICタグや非接触ICカード等の情報記憶媒体は、先ず、データの記憶、処理および通信制御を行う各種電子部品を搭載したICチップを実装したICモジュールと、リーダライタのコイルアンテナから発生する磁界によって誘導起電力を発生させ、ICチップに電力供給およびデータ受信/送信を可能にするアンテナを含むインレットを組み合わせ、樹脂シート等で被覆したインレイを製造する。そして、そのインレイをプラスチック基体等に組み込んでICタグや非接触ICカード等の情報記憶媒体が製造される。
ICタグや非接触ICカード等の情報記憶媒体における電磁誘導通信方式においては、非接触ICカードとデータ通信を行う装置のリーダライタ側のループアンテナによって生じる磁界が、ICタグや非接触ICカード等の情報記憶媒体に内蔵されたコイルアンテナ等の閉ループ回路を貫くことによって誘導起電力を発生する。
その誘導起電力により、ICタグや非接触ICカード等の情報記憶媒体の内蔵するICチップに電力が供給されることでICチップを動作させてし、リーダライタと通信を行えるようにしている。
非接触ICカードは、そのコイルアンテナに容量を接続し共振させることで特定の周波数に対する感度を高くする。そして、その共振周波数を特定の周波数に調整するために、特許文献1の様に静電容量調整手段を設けている。
特許文献1では、静電容量調整手段として、基板の片面にコイルアンテナを設置し、その基板の片面の面内に、対向して配され櫛形をなす第三導体と第四導体を狭い間隙をもって交互に配することで構成した静電容量調整手段を設けていた。
この静電容量調整手段の並列に配置された静電容量調整用のコンデンサのうち適当な箇所を切り離すことで、分断されずに残されたコンデンサの容量を適宜変更することで共振周波数を調整することができる。
特開2004−287968号公報
ICタグ、非接触ICカードに埋設されるコイルアンテナは、多くは、金属箔を樹脂フィルム上に接着させ、エッチング等によってパターニングして製造されるフィルムアンテナと、金属線をコイル状に複数回巻いたコイルアンテナが用いられる。
ICタグや非接触ICカード等の情報記憶媒体は、コイルアンテナが形成された基板にICチップが実装されたインレットに、更に後加工が施されてICタグや非接触ICカード等の情報記憶媒体の製品が形成されている。
非接触ICカードでは、PET、PET-G、PVC、PCをはじめとした樹脂材料または紙材料等の絶縁材料がインレット表裏に主に熱融着、接着剤等によって一体化されて非接触ICカードが製造されている。
ICタグであれば、形状に自由度があり、後加工で薄型のカードタイプに形成したり、ラベル形状に形成したり、樹脂による一体成型する等、製品によって、後加工の内容が異なる。
しかし、これら後加工を行うと、容量と接続されたコイルアンテナ系の共振周波数が変化する問題がある。主な原因としてコイルアンテナの変形によるインダクタンス変化と、また、インレットを覆う絶縁材料の電気的特性(誘電率、誘電損)の影響がある。
コイルアンテナ変形の原因としては、ICタグ、非接触ICカードいずれの製品においても加工時には樹脂を軟化させる温度まで加熱・加圧して製品化するが、その加工の際のストレスによりコイルアンテナが変形する。
特許文献1の技術では、そのコイルアンテナ系の共振周波数の変化を補正するために、基板の片面にフィルム状のコイルアンテナを形成し、その基板の片面の面内に、対向して配され櫛形をなす第三導体と第四導体を狭い間隙をもって交互に配して構成した静電容量調整手段を設けていた。
すなわち、フィルム状のコイルアンテナの一部に静電容量調整手段のパターンを設け、後加工でICタグや非接触ICカード等の情報記憶媒体の製品を完成させた後に共振周波数が設計値からずれた場合に、その静電容量調整手段のパターンを必要分だけトリミングすることで共振周波数を変化させていた。
しかし、インレットを絶縁材料で覆うラミネート加工を施して非接触通信インレイを製造した後に、周波数調整のためにインレット上の静電容量調整手段のパターンを加工する際にインレットを覆う絶縁材料を除去する加工が必要であるので、周波数調整を行うことが容易ではない問題があった。
また、コイルアンテナの脇に大きな寸法の静電容量調整手段のパターンを設ける必要があるため、アンテナ系の寸法を小型化できず、情報記憶媒体のアンテナ系の設計を難しくする問題があった。
特に、情報記憶媒体に用いるアンテナ系の寸法を小さくしようとしても、この静電容量調整手段のパターンの寸法の大きさが、アンテナ系における大きな障害物となる問題があった。
そのため、本発明の課題は、インレットを絶縁材料で覆った非接触通信インレイを製造した後においても周波数調整が容易に行え、かつ、アンテナ系の障害物にならない静電容量調整手段を有するICタグ及び非接触ICカード等の情報記憶媒体を提供することにあ
る。
本発明は、上記課題を解決するために、基板上にICチップが実装されたICモジュールとコイルアンテナが、前記ICモジュールの前記基板上のアンテナ接合パターンに接合されてなるインレットを、空孔部が設けられた第1の樹脂シートと第2の樹脂シートとで前記インレットを挟み込んで積層して成る非接触通信インレイであって、前記ICモジュールの前記基板の下面に静電容量調整用導電パターンが前記基板に設けられたスルーホールを介して前記ICチップの容量と電気的に直列または並列に形成され、前記静電容量調整用導電パターンが前記第1の樹脂シートの前記空孔部を介して外部に露出していることを特徴とする非接触通信インレイである。
本発明は、この構成により、インレットに樹脂シートを貼り合わせて非接触通信インレイを製造した後に、非接触通信インレイの外側に露出した冗長な導電パターンをICチップに対して電気的に直列または並列に接続することによって共振回路の静電容量を変化させることができるので、共振周波数の調整を容易に行える効果がある。
また、本発明は、上記の非接触通信インレイであって、前記静電容量調整用導電パターンが前記基板上に重なりが無いつづら折り状で形成されていることを特徴とする非接触通信インレイである。
また、本発明は、上記の非接触通信インレイであって、前記静電容量調整用導電パターンが、折り返し渦巻き状であることを特徴とする非接触通信インレイである。
また、本発明は、上記の非接触通信インレイであって、前記静電容量調整用導電パターンの線幅と隣り合うスペース幅がいずれも1mm以下であることを特徴とする非接触通信インレイである。
また、本発明は、上記の非接触通信インレイであって、前記基板が長方形または楕円形であることを特徴とする非接触通信インレイである。
本発明によれば、インレットに樹脂シートを貼り合わせて非接触通信インレイを製造した後に、非接触通信インレイの外側に露出した冗長な導電パターンを加工することによって共振回路の静電容量を変化させることができるので、共振周波数の調整を容易に行うことができる効果がある。
また、本発明は、ICモジュールの厚さとインレットの厚さを同じにするので、厚さの薄いインレットが形成できる効果がある。また、その構成によって、ICモジュールを埋め込むことによる非接触通信インレイの凹凸の発生を防ぐことができ、後工程で、非接触通信インレイをICタグや非接触ICカード等の情報記憶媒体に加工する際の非接触通信インレイの持つ凹凸による製造上の制約を無くすことができる効果がある。
また、本発明は、ICモジュールの下面に形成したつづら折り状や折り返し渦巻き状の静電容量調整用導電パターンを任意の位置でカットすることで共振回路の静電容量を精密に調整することができる効果がある。
その静電容量調整用導電パターンは、ICモジュールの下面に形成するので、コイルアンテナの脇に大きな静電容量の調整用の面積を専有することがない。そのため、静電容量調整手段が非接触通信インレイのアンテナ系の設計の障害にならず、小さな寸法のアンテ
ナ系を有する非接触通信インレイを製造することができる効果がある。
本発明の実施形態の非接触通信インレイの層構成を示す概略の断面図である。 本発明の実施形態の非接触通信インレイのインレットの、コイルアンテナとICモジュール2透視して表した平面図である。 (a)本発明の実施形態の情報記憶媒体の非接触通信インレイに埋め込むICモジュールの上面の平面図である。(b)ICモジュールの下面の平面図である。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を図1から図3を参照しながら説明する。ICタグや非接触ICカード等の情報記録媒体は、先ず、樹脂シート7上に設置したコイルアンテナ8とICモジュール2を接続した上に樹脂シート6を積層して一体化した非接触通信インレイ1を形成する。
その非接触通信インレイ1をプラスチック基体等に組み込む等の加工を行うことでICタグや非接触ICカード等の情報記録媒体を製造する。例えば、非接触ICカードでは、その非接触通信インレイ1の最外層を絶縁性の樹脂基材で挟んでラミネートして非接触ICカードを製造する。
(情報記録媒体の非接触通信インレイ)
図1は本発明の第1の実施形態のICタグや非接触ICカード等の情報記憶媒体の非接触通信インレイ1の概略の断面図を示す。また、図3(a)に、非接触通信インレイ1に埋め込むICモジュール2の上面図を示し、図3(b)にその下面図を示す。図2は、コイルアンテナ8とICモジュール2を透視して表したインレットの平面図である。
本実施形態に係る情報記録媒体の非接触通信インレイ1は、図1の側面図と図2のインレットの平面図のように、ICモジュール2と同じ厚さの樹脂シート7上にコイルアンテナ8を設置したインレット10を形成し、そのインレットに形成した空孔にICモジュール2を埋め込む。ICモジュール2にはICチップ3が実装されている。
そして、インレット10のコイルアンテナ8をICモジュール2のアンテナ接合パターン4A、4Bに接合する。そのインレット10とICモジュール2の上に樹脂シート6を積層して、下のインレット10の樹脂シート7と一体化して非接触通信インレイ1を形成する。
(コイルアンテナ)
コイルアンテナ8は、スパイラル形状等、一般的なコイルの巻き方で構成する。コイルアンテナ8としては、自己融着被覆を有する金属線を、所望の中空形状にて複数回巻いた中空巻線アンテナ、または自己融着部を溶かしながら樹脂シートにコイルを形成していく描画巻線アンテナ、フィルム上にコイルを形成するエッチングアンテナ等を用いることができる。
そのコイルアンテナ8は、ICチップ3のキャパシタンス値に合わせてアンテナ系が所望の共振周波数を持つための適正なインダクタンス値を持つよう、内径・外径・厚み・巻数を調整する。
例えば、コイルアンテナ8として、非接触ICカードのカード形状に合わせた寸法の中空巻線コイルを設置する。カード形状に合わせて、コイルアンテナ8の寸法を約47×7
8mmにし、巻き数を5巻きにしたコイルアンテナ8を設置する。
(樹脂シート)
コイルアンテナ8の下を支える樹脂シート7と、その上に積層する樹脂シート6の材料としてはポリエチレン・テレフタラート(PET)、PETG、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)等を用いることができる。例えば、ポリカーボネート(PC)のシートを用いることができる。
コイルアンテナ8の下を支える樹脂シート7には、予めICモジュール2の基板11のサイズに空孔部7Aを空けておき、ICモジュール2を嵌め込めるようにする。
コイルアンテナ8の上に積層する樹脂シート6には、その下にICモジュール2のICチップ3が配置される位置に空孔部6Aを空けておき、そのICチップ3が嵌め込まれるようにする。
そして、樹脂シート7上に設置したコイルアンテナ8とICモジュール2を接続した上に、樹脂シート6を置いて、樹脂シート6の上と樹脂シート7の下から、熱プレス装置で圧力を印加した状態で所定時間加熱する積層加工処理を行うことで、上下の樹脂シートを貼り合わせて一体化した非接触通信インレイ1を得る。
その積層加工処理において、樹脂シート7に形成した空孔部7Aと樹脂シート6に形成した空孔部6Aにより、樹脂シートを貼り合わせる積層加工の後も、樹脂シートの表面に凹凸が無く表面が平らな非接触通信インレイ1を形成できる。
(ICモジュール)
図3(a)に、ICモジュール2の基板11の上面図を示し、図3(b)にその基板11の下面の平面図を示す。ICモジュール2の基板11の形状は、図3の様な長方形の基板11や、その長方形の角が取れた形の基板11を用いることができ、また、楕円形状や円形の基板11を用いることもできる。
(静電容量調整手段)
ICモジュール2の基板11の上面側の2つのアンテナ接合パターン4A、4Bの一方につづら折り状の静電容量調整用導電パターン5をICモジュール2の基板11を介して対向することにより静電容量調整用の容量を形成する。
すなわち、図3(a)の様に、ICモジュール2の基板11の上面にはアンテナ接合パターン4A,4Bを形成し、図3(b)の様に、基板11の下面には、つづら折り状の静電容量調整用導電パターン5を形成する。この静電容量調整用導電パターン5を基板11を介してアンテナ接合パターン4Aに対向させて容量を形成することで、つづら折り状のパターンの静電容量調整用導電パターン5を用いた静電容量調整手段を構成する。
この静電容量調整用導電パターン5は、それをアンテナ接合パターン4Aに対向させ、他方のアンテナ接合パターン4Bに、スルーホール9を介して接続する。すなわち、静電容量調整用導電パターン5の両端をスルーホール9によってアンテナ接合パターン4Bに電気接続する。
この静電容量調整用導電パターン5は、アンテナ接合パターン4Aか4Bの一方に対向させれば良く、静電容量調整用導電パターン5をアンテナ接合パターン4Bに対向させ、静電容量調整用導電パターン5をスルーホール9を介してアンテナ接合パターン4Aに接続しても良い。
静電容量調整用導電パターン5の形状は、図3(b)の様に複数回折り返すパターンで、基板11の長辺方向に対してパターンの重なりが無いつづら折り状のパターンを形成する。
また、静電容量調整用導電パターン5の形状は、つづら折り状のパターンに限定されず、折り返し渦巻き状の静電容量調整用導電パターン5を形成することもできる。
折り返した静電容量調整用導電パターン5の長さが長いほど静電容量調整手段の容量値が大きくなり、共振周波数を広い周波数範囲で低周波側にシフトすることが可能になる。
また、静電容量調整用導電パターン5の隣り合うスペース幅を1mm以下に狭くすれば、その分だけ静電容量調整用導電パターン5の面積を大きくでき、静電容量調整手段の容量値が大きくなり、共振周波数を広い周波数範囲で低周波側にシフトすることが可能になる効果がある。
また、静電容量調整用導電パターン5の線幅を1mm以下にすることで、静電容量調整のためにカットし易くなり、静電容量調整用導電パターン5のカット位置を1mm以下の細かい精度でカットすることで高い精度で静電容量を調整できる効果がある。
そのため、静電容量調整用導電パターン5の線幅と隣り合うスペース幅は、いずれも1mm以下であることが望ましい。
静電容量調整用導電パターン5のライン/スペース幅に余裕を持たせることで、静電容量調整用導電パターン5を安価に製造することができる。例えば、静電容量調整用導電パターン5のライン/スペース幅を0.2mm/0.2mmにした5回折り返しの静電容量調整用導電パターン5を形成する場合等、静電容量調整用導電パターン5の線幅と隣り合うスペース幅を0.1mm以上にすることが、そのパターンの製造を容易にするので望ましい。
ICモジュール2は、基板11の上面に形成したアンテナ接合パターン4A,4B等の端子パターン上に、ICチップ3等の電子部品を、抵抗溶接や超音波実装にて接合して製造する。その後の情報記録媒体の非接触通信インレイ1の製造工程において、ICモジュール2のアンテナ接合パターン4A,4Bにコイルアンテナ8の両端を接合する。
(ICモジュールの基板)
ICモジュール2の基板11としては硬質のリジッド基板または軟質のフレキシブルフィルム基板を用いる。硬質のリジッド基板を基板11に用いる場合の基板11の材料としては、FR4などのガラス繊維入りエポキシ樹脂基板やセラミックス基板を用いることができる。
フレキシブルフィルム基板を基板11に用いる場合の基板11の材料としては、ポリイミドやポリエチレン・テレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などの樹脂フィルムを用いることができる。
これらの基板11の材質の誘電率は、静電容量調整手段の静電容量調整用導電パターン5とアンテナ接合パターン4Aの間にあって、その静電容量調整手段の容量を形成する。基板11の誘電率や厚さは、静電容量調整手段の容量を適切に形成するように適切な材料を選定する。
また、基板11の材料は、ICチップ3の基板11への接合工程や、コイルアンテナ8のアンテナ接合パターン4A、4Bへの接合工程、その後の製造工程により非接触ICカードを製造したりICタグを製造する後工程の製造加工処理によって品質が劣化することが無いために、150℃以上の耐熱性があることが望ましい。
静電容量調整手段の利用する容量は、基板11を介して対向する静電容量調整用導電パターン5とアンテナ接合パターン4Aの面積を調整することで調整する。
基板11の厚さは、情報記録媒体の非接触通信インレイ1を用いて非接触ICカードを製造したりICタグを製造するために、その製造工程で扱い易いために、50μm以上200μm以下の厚さにすることが望ましい。例えば、厚さ50μmのポリイミド樹脂シートを用いることができる。
この基板11の上面に形成するアンテナ接合パターン4A、4Bと、その他のICチップのその他の電極接合用の端子パターン、基板11の下面に形成する、静電容量調整用導電パターン5等の形成方法は、銅箔の打ち抜き加工による形成方法、エッチングによるパターニングで形成する方法、その他、アディティブめっきや導体印刷などの方法でパターンを形成する事ができる。
基板11の上面に形成するアンテナ接合パターン4A、4Bと、基板11の下面に形成する、静電容量調整用導電パターン5等の導体の厚さは、100μm以下程度の厚さの導体を用いる。例えば、基板11の両面に20μmの厚さの銅箔を接着した後、レジストを塗布し、露光・現像・エッチング工程を経て、基板11上に静電容量調整用導電パターン5等を形成することが望ましい。
基板11の上面に形成する、アンテナ接合パターン4A、4Bは、それにコイルアンテナ8やICチップ3等の電子部品の端子を、抵抗溶接や超音波実装にて接合するために、パターンの表面に金めっきを施すことができる。
例えば、銅の導体パターン上に、ニッケルめっき層を1μm〜5μm程度施した後、電解金めっきまたは無電解金めっきにより、厚さが0.01μm〜0.5μm程度の金めっき層を形成することが望ましい。
(ICチップ)
ICチップ3には、非接触ICカード用のICチップ3やICタグ用のICチップ3を用いる。ICチップ3の形状としては、ベアチップ形状、パッケージモジュール形状、チップサイズパッケージ(CSP)形状等のICチップ3を用いることができる。
ICモジュール2には、ICチップ3の他にコンデンサを実装する場合がある。この場合のコンデンサとしては、例えば積層セラミック製のチップコンデンサが用いられる。
製造する情報記録媒体の寸法を小さく収めたい場合に、ベアチップ形状のICチップ3を基板11にフリップチップ実装で接合する方法がある。フリップチップ実装の方法としては、異方性導電ペースト(フィルム)実装、非導電性ペースト、超音波接合などを用いることができる。
パッケージ形状やチップサイズパッケージ形状のICチップ3は、基板11上の端子にはんだ付けやリフローハンダにて接合する。
また基板11上にCOB(チップ・オン・ボード)モジュールを形成することもできる
。例えば、ベアチップ形状のICチップ3を基板11の電極端子に超音波接合することができる。
(コイルアンテナのアンテナ接合パターンへの接合)
コイルアンテナ8の、ICモジュール2のアンテナ接合パターン4A、4Bへの接合方法としては、抵抗溶接、超音波溶接、ハンダ接合、銀ペースト等を用いて接合することができる。例えば、抵抗溶接によって、コイルアンテナ8をアンテナ接合パターン4A、4Bへ接合する。
コイルアンテナ8を抵抗溶接によってアンテナ接合パターン4A、4Bへ接合する方法では、抵抗溶接装置のタングステン等の高抵抗チップに数キロアンペア程度の電流を通電する。それにより抵抗溶接装置の高抵抗チップが発熱し、その高抵抗チップをアンテナ接合パターン4A又は4B上に設置したコイルアンテナ8の端部に接触させる。
コイルアンテナ8に、銅線を絶縁樹脂で被覆したコイルアンテナ8を用い、アンテナ接合パターン4A、4Bのパターンの表面に金めっきを施した場合は、以下のように加工される。
すなわち、抵抗溶接装置の高温の高抵抗チップをコイルアンテナ8に接触させてアンテナ接合パターン4A又は4Bに押し付けて加圧する。それにより、コイルアンテナ8の銅線を被覆する絶縁樹脂が溶融・気化され、コイルアンテナ8の銅線が剥き出しになる。そして、その銅線の銅と、アンテナ接合パターン4A又は4Bの表面の金めっき層とが合金化する。それにより、コイルアンテナ8がアンテナ接合パターン4A又は4Bに金属接合される。
(非接触通信インレイの製造)
こうして樹脂シート7上に設置したコイルアンテナ8をICモジュール2のアンテナ接合パターン4A、4Bを接続した上に、樹脂シート6を置いて、上の樹脂シート6と下の樹脂シート7を貼り合わせて一体化した非接触通信インレイ1を製造する。
こうして製造した非接触通信インレイ1では、その下の樹脂シート7の下面に、空孔部7Aを介してICモジュール2の基板11の下面が露出する。そのため、基板11の下面の静電容量調整用導電パターン5が樹脂シート7の空孔部7Aを介して非接触通信インレイ1の下面に露出する。
それにより、基板11の下面の静電容量調整用導電パターン5は、非接触通信インレイ1の製造後にも容易に加工できる。そのため、静電容量調整手段の静電容量調整用導電パターン5の必要箇所を切断する加工することで、静電容量調整用導電パターン5とアンテナ接合パターン4Aを対向させて形成する静電容量調整手段の容量の調整のための加工処理が容易に行える効果がある。
以上で述べたように、本実施形態の、ICタグや非接触ICカード等の情報記憶媒体用の非接触通信インレイ1においては、非接触通信インレイ1の完成後にその非接触通信インレイ1が内蔵するコイルアンテナ8等により構成される共振回路の静電容量を容易に可変調整することができるので、コイルアンテナ8の変形によるインダクタンス変化等による共振回路の共振周波数の変動を補正する調整が容易に行える効果がある。
さらに、本実施形態の情報記憶媒体の非接触通信インレイ1では、ICモジュール2の下面に形成した静電容量調整用導電パターン5を調整することで共振回路の静電容量を調整することができるので、別途インレット10において、コイルアンテナ8の脇に静電容
量の調整用の面積を専有することがなく、静電容量調整手段が、非接触通信インレイ1のアンテナ系に対する障害にならない効果がある。
そのため、情報記憶媒体のインレットのアンテナ系の寸法を小型化する設計が容易に行える効果がある。
ICモジュール2の基板11として厚さ50μmのポリイミド樹脂シートを用いる。そして、その基板11の下面に、厚さが20μmの銅箔をエッチングして、静電容量調整用導電パターン5を、ライン/スペース幅が0.2mm/0.2mmで、5回折り返しのパターンで形成した。この基板11上面の電極端子にベアチップ形状のICチップ3を超音波接合した。
コイルアンテナ8の寸法を約47×78mmにし、巻き数を5巻きにし、コイルアンテナ8の下を支える樹脂シート7に厚さ90μmのポリカーボネート(PC)の樹脂シート7を用いた。そして、ICモジュール2の基板11上面のアンテナ接合パターン4A、4Bへコイルアンテナ8を抵抗溶接によって接合した。
そのコイルアンテナ8の上に、厚さ90μmのポリカーボネート(PC)の樹脂シート6を熱プレス装置で所定時間加熱・加圧する積層加工処理により上下の樹脂シートを貼り合わせて一体化した非接触通信インレイ1を得た。
この非接触通信インレイ1において、静電容量調整用導電パターン5とアンテナ接合パターン4Aを対向させて形成した静電容量調整手段の容量を最大にしたとき、コイルアンテナ8とそれに接続するICチップ3のキャパシタンスと静電容量調整手段の容量とによる共振周波数は、13.95MHzあった。
また、この静電容量調整手段の静電容量調整用導電パターン5を全て除去した場合は、ICチップ3のキャパシタンスと静電容量調整手段の容量とによる共振周波数は、14.52MHzになった。
すなわち、本実施例の静電容量調整手段は、コイルアンテナ8とそれに接続するICチップ3のキャパシタンスによる共振周波数を、13.95MHzから14.52MHzまでの周波数の、0.57MHzの周波数の幅の範囲内で共振周波数を調整できる性能が得られた。共振周波数を高周波側にシフトさせたい場合は、非接触通信インレイ1の下面に露出したICモジュール2の基板11の下面の静電容量調整用導電パターン5をカットすればよい。
そして、その共振周波数の値の調整は、非接触通信インレイ1の下面に露出した静電容量調整用導電パターン5を加工することで容易に行える効果があった。
なお、本発明は、静電容量調整用導電パターン5がICモジュール2の基板11の下面に形成され、非接触通信インレイ1の下面に露出している事が特徴である。その静電容量調整用導電パターン5は基板11の上面に形成したアンテナ接合パターン4Aに対向させる。
その静電容量調整用導電パターン5は必ずしもアンテナ接合パターン4B直接接続しないでも良く、基板11上に形成した端子パターンに静電容量調整用導電パターン5を接合しても良い。その端子パターンにICチップ3の電極を電気接続することでICチップ3の構成する共振回路の周波数を調整する静電容量調整手段を形成することができる。
すなわち、基板11上に形成したアンテナ接合パターン4Aと静電容量調整用導電パターン5を対向させることで調整用静電容量を形成し、その静電容量調整用導電パターン5を加工することでICチップ3の構成する共振回路に接続する容量を調整する静電容量調整手段を形成することができる。
静電容量調整手段は、この、非接触通信インレイの外側に露出した冗長な導電パターンである静電容量調整用導電パターン5をスルーホール9を介してICチップ3の電気回路に対して直列または並列に接続する。それにより、静電容量調整用導電パターン5の加工によって共振回路の静電容量を変化させる回路に構成する。
このように構成した静電容量調整手段を用いることで、共振周波数の調整を容易に行える効果がある。
1・・・非接触通信インレイ
2・・・ICモジュール
3・・・ICチップ
4A、4B・・・アンテナ接合パターン
5・・・静電容量調整用導電パターン
6・・・樹脂シート
6A・・・空孔部
7・・・樹脂シート
7A・・・空孔部
8・・・コイルアンテナ
9・・・スルーホール
10・・・インレット
11・・・基板

Claims (5)

  1. 基板上にICチップが実装されたICモジュールとコイルアンテナが、前記ICモジュールの前記基板上のアンテナ接合パターンに接合されてなるインレットを、空孔部が設けられた第1の樹脂シートと第2の樹脂シートとで前記インレットを挟み込んで積層して成る非接触通信インレイであって、前記ICモジュールの前記基板の下面に静電容量調整用導電パターンが前記基板に設けられたスルーホールを介して前記ICチップの容量と電気的に直列または並列に形成され、前記静電容量調整用導電パターンが前記第1の樹脂シートの前記空孔部を介して外部に露出していることを特徴とする非接触通信インレイ。
  2. 請求項1記載の非接触通信インレイであって、前記静電容量調整用導電パターンが前記基板上に重なりが無いつづら折り状で形成されていることを特徴とする非接触通信インレイ。
  3. 請求項1記載の非接触通信インレイであって、前記静電容量調整用導電パターンが、折り返し渦巻き状であることを特徴とする非接触通信インレイ。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の非接触通信インレイであって、前記静電容量調整用導電パターンの線幅と隣り合うスペース幅がいずれも1mm以下であることを特徴とする非接触通信インレイ。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の非接触通信インレイであって、前記基板が長方形または楕円形であることを特徴とする非接触通信インレイ。
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