JPH10337462A - 攪拌機用洗浄槽装置および攪拌機の洗浄方法 - Google Patents

攪拌機用洗浄槽装置および攪拌機の洗浄方法

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JPH10337462A
JPH10337462A JP9148815A JP14881597A JPH10337462A JP H10337462 A JPH10337462 A JP H10337462A JP 9148815 A JP9148815 A JP 9148815A JP 14881597 A JP14881597 A JP 14881597A JP H10337462 A JPH10337462 A JP H10337462A
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washing
washing tank
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嗣人 三木
Yasuo Onishi
康雄 大西
Tomohiro Tsuchiya
智宏 土屋
Hirohito Uehara
宏仁 上原
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KURARAY ENG KK
Japan Steel Works Ltd
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ASADA TEKKO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンク内の原料を攪拌する攪拌機を迅速に洗
浄できる装置および方法を提供する。 【解決手段】 攪拌機1が上方から挿入される洗浄槽5
と、前記洗浄槽5内に挿入された攪拌機1に向けて洗浄
剤6を噴出させる洗浄ノズル7と、洗浄槽5の外部から
複数種類の洗浄剤6の少なくとも1種類を選択的に導入
して前記洗浄ノズル7に供給する導入路8と、前記攪拌
機1の回転軸1aを洗浄する洗浄用ブラシ19と、前記
洗浄用ブラシ19を前記回転軸1aに接触する進出位置
と回転軸から離れた待機位置とに移動させるブラシ駆動
機20とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タンク内の原料を
攪拌する攪拌機を迅速に洗浄できる装置および方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、塗料等の製造においては、複数
種類の原料を適切な分量でタンクに仕込み、上下に延び
た回転軸にインペラを装着した攪拌機で攪拌して均一の
塗料としている。ここで、攪拌すべき塗料の種類が変わ
るときには、攪拌機に付着した前の塗料で、次に攪拌す
る塗料が汚染されないように、攪拌機を洗浄する必要が
ある。このための攪拌機用洗浄装置として、特開平3−
135429号に示されるものがある。この装置は、洗
浄すべき塗料の種類に応じた1種類の洗浄剤をあらかじ
め満たした洗浄タンクを、搬送車で攪拌機の設置してあ
る場所(攪拌ステーション)まで搬送し、攪拌機を洗浄
タンク内に挿入し、この攪拌機に洗浄剤を噴射して、攪
拌機を洗浄するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、製造工程のス
ケジュール変更に対応するには、洗浄タンク内の洗浄剤
を入れ換えるか、洗浄剤の種類ごとに洗浄タンクを用意
する必要がある。したがって、攪拌機を迅速に洗浄でき
ない。
【0004】本発明は前記従来の問題に鑑みてなされた
もので、タンク内の原料を攪拌する攪拌機を迅速に洗浄
できる装置および方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1の攪拌機用洗浄槽装置は、攪拌機が上方か
ら挿入される洗浄槽と、前記洗浄槽内に挿入された攪拌
機に向けて洗浄剤を噴出させる洗浄ノズルと、洗浄槽の
外部から複数種類の洗浄剤の少なくとも1種類を選択的
に導入して前記洗浄ノズルに供給する導入路と、前記攪
拌機の回転軸を洗浄する洗浄用ブラシと、前記洗浄用ブ
ラシを前記回転軸に接触する進出位置と回転軸から離れ
た待機位置とに移動させるブラシ駆動機とを備えてい
る。
【0006】請求項1の装置では、1つの洗浄槽を備え
た装置において、複数種類の洗浄剤を選択的に攪拌機に
向けて噴出できるので、製造工程のスケジュール変更に
1つの装置で迅速に対応できる。また、この装置では、
攪拌機の回転軸を洗浄する洗浄用ブラシを備えるので、
特に攪拌中に汚れが乾燥して固着しやすい回転軸をより
効果的に洗浄できる。すなわち、攪拌機を効果的に洗浄
できる。
【0007】請求項2の装置は、請求項1の装置におい
て、前記導入路に、洗浄槽の外部に設けられて再使用洗
浄剤を送給する旧剤送給路および新しい洗浄剤を送給す
る新剤送給路の一方を選択的に導入する選択手段が設け
られている。請求項2の装置によれば、前記請求項1の
装置の作用効果がある上に、再使用洗浄剤と新しい洗浄
剤を選択的に用いることにより、省資源とコストダウン
が実現される。
【0008】請求項3の装置は、請求項1の装置におい
て、前記攪拌機が挿入された洗浄槽の上部開口を覆うカ
バーと、このカバーを前記上部開口を覆うカバーリング
位置とその上方へ退避した退避位置とに移動させるカバ
ー駆動機とを備えている。請求項3の装置によれば、前
記請求項1の装置の作用効果がある上に、洗浄槽の上部
開口をカバーで容易に覆って、洗浄剤の飛散等を防止し
たり、洗浄槽内を引火防止のため窒素等で置換したりす
ることができる。
【0009】請求項4の装置は、請求項1ないし3のい
ずれかに記載の攪拌機用洗浄槽装置であって、原料の攪
拌工程を含む複数の工程を有し、原料の仕込まれたタン
クを台車に乗せて、各工程に割り当てられたステーショ
ンに順次移動させて各工程を実行させることにより製品
を製造する移動タンク式製造方法に用い、前記台車に載
せて移動可能に構成されたものである。請求項4の装置
によれば、前記請求項1ないし3のいずれかの装置の作
用効果がある上に、いわゆる移動タンク式製造方法に用
いられる台車を利用して攪拌機の下方位置に洗浄槽を搬
送できるので、その製造工程全体をより効率的にでき
る。
【0010】請求項5の攪拌機の洗浄方法では、洗浄槽
を攪拌機の下方位置に搬送し、攪拌機を洗浄槽内に上方
から挿入し、複数種類の洗浄剤から少なくとも1種類の
洗浄剤を選択して、前記洗浄槽内に導入し、洗浄槽内の
攪拌機を回転させながらこの攪拌機に向けて洗浄剤を噴
出させて攪拌機を洗浄する。請求項5の方法によれば、
請求項1の装置と同様に攪拌機を迅速に洗浄できる。
【0011】請求項6の方法では、請求項5の方法にお
いて、前記洗浄槽に支持された洗浄用ブラシを回転する
攪拌機の回転軸に接触させてこの回転軸を洗浄する。請
求項6の方法によれば、特に攪拌中に汚れが乾燥して固
着しやすい回転軸をより効果的に洗浄できる。すなわ
ち、攪拌機を効果的に洗浄できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の攪拌機の洗浄方法
を説明する。まず、この方法で用いる攪拌機用洗浄槽装
置について説明する。この装置は、図1の縦断面図に示
すように、上下に延びた回転軸1aの下端にインペラ1
bを装着した攪拌機1を洗浄する洗浄槽装置である。図
4の正面図に示すように、攪拌機1の回転軸1aは、ボ
ックス状のアーム2の一端に支持され、アーム2中の図
示しないベルト、スプロケット等の伝達機構を介して、
アーム2の他端上に設けられたモータ3により回転され
る。アーム2の他端は、油圧シリンダ4のロッド4aに
支持され、油圧シリンダ4により昇降される。すなわ
ち、アーム2を介して、攪拌機1も油圧シリンダ4によ
り昇降可能である。
【0013】また、この装置は、図1に示すように、前
記攪拌機1が上方から挿入される洗浄槽5と、前記洗浄
槽5内に挿入された攪拌機1に向けて洗浄剤6を噴出さ
せる洗浄ノズル7とを備えている。洗浄ノズル7は、攪
拌機1の回転軸1aに沿って延びるノズルパイプ9に多
数7A,7B,…設けられ、ノズルパイプ9は、ステー
10を介して洗浄槽5内側に固定されている。下方の2
つの洗浄ノズル7I,7Jは、攪拌機1のインペラ1b
に向けられ、その他の洗浄ノズル7A,7B,…は、攪
拌機1の回転軸1aに向けられている。ノズルパイプ9
の下方からは、先端に接続部11aを有する接続パイプ
11が、洗浄槽5の外部へ延びている。
【0014】さらに、また、この装置は、洗浄槽5の外
部から複数種類の洗浄剤6A,6B,…の少なくとも1
種類を選択的に導入して前記洗浄ノズル7に供給する導
入路8を備えている。導入路8は、伸縮チューブ12、
導入パイプ13、旧剤送給路14A,14C、新剤送給
路14B,14D、バルブのような選択手段15A,1
5B,15C,15D等で構成され、攪拌機1の設置さ
れた攪拌ステーションに設けられている。伸縮チューブ
12の上端部に設けた接続部12aに形成されたつば1
2bは、接続機であるエアシリンダ16のロッド16a
に支持され、エアシリンダ16の下端は、攪拌ステーシ
ョンの床等に、基台17を介して固定されている。伸縮
チューブ12の下端部12cは、基台17に固定され、
導入パイプ13に接続されている。伸縮チューブ12の
接続部12aは、エアシリンダ16のロッド16aの上
下により、接続パイプ11の接続部11aと着脱自在で
ある。
【0015】導入パイプ13には、洗浄槽5の外部に設
けられて再使用洗浄剤6A,6Cを送給する旧剤送給路
14A,14Cおよび新しい洗浄剤6B,6Dを送給す
る新剤送給路14B,14Dが接続され、各送給路14
A,14B,14C,14Dには、それらを選択的に導
入する選択手段15A,15B,15C,15Dが設け
られている。導入パイプ13の下端には、洗浄後、ノズ
ルパイプ9から導入パイプ13までに残った洗浄剤6を
取り出すためのドレーンバルブ18が設けられている。
【0016】さらに、また、この装置は、図2の平面図
に示すように、前記攪拌機1の回転軸1aを洗浄する洗
浄用ブラシ19と、前記洗浄用ブラシ19を前記回転軸
1aに接触する進出位置(図中実線で示す)と回転軸1
aから離れた待機位置(図中2点鎖線で示す)とに移動
させるブラシ駆動機20とを備えている。なお、図2に
おいては、後述するカバー25は図示しておらず、後述
する洗浄槽5のつば部5aを一部破断して図示してい
る。図1に示すように、洗浄用ブラシ19およびブラシ
駆動機20は、回転軸1aの上方と下方に対応させて2
組設けられている。
【0017】ブラシ駆動機20は、固定支軸21、ステ
ー22、摺動支軸23、エアシリンダ24から構成され
る。洗浄用ブラシ19は、水平方向にアーム部19aと
鉛直方向にブラシ取付座19bからなり、アーム部19
aにおいて、垂直の固定支軸21に支持され、固定支軸
21は、水平に延びるステー22を介して洗浄槽5に固
定されている。また、アーム部19aは、図2の長孔1
9cを設けた基部において垂直の摺動支軸23に支持さ
れ、摺動支軸23は、水平に延びるエアシリンダ24の
ロッド24aに連結され、エアシリンダ24は洗浄槽5
に固定されている。すなわち、エアシリンダ24のロッ
ド24aの前後動作により、洗浄用ブラシ19は、進出
位置と待機位置とに移動される。
【0018】さらに、また、この装置は、図4に示すよ
うに、前記攪拌機1が挿入された洗浄槽5の上部開口を
覆うカバー25と、このカバー25を前記上部開口を覆
うカバーリング位置(図4に示す位置)とその上方へ退
避した退避位置とに移動させるエアシリンダのようなカ
バー駆動機26とを備えている。カバー25は、中央に
凸部25aを有する円板状で、中心を攪拌機1の回転軸
1aが貫いており、周辺部の4か所(図5の平面図参
照)においてカバー駆動機26に支持されている。カバ
ー駆動機26は、攪拌ステーションに設けられた作業床
27に設置されている。すなわち、カバー駆動機26に
より、カバー25は、カバーリング位置と退避位置とに
移動される。なお、図1に示すように、カバー25の凸
部25aの内側の空間には、前記油圧シリンダ4(図
4)によって上昇させられた攪拌機1のインペラ1bが
収納される。また、カバー25には、窒素供給管28が
挿入されるガイド筒25bも設けられている。
【0019】本実施形態の攪拌機の洗浄方法において
は、以上に説明した攪拌機用洗浄槽装置を、いわゆる移
動タンク式製造方法に用いる。移動タンク式製造方法と
は、原料の攪拌工程を含む複数の工程のそれぞれに割り
当てられたステーションを有し、原料の仕込まれたタン
クを台車に乗せて複数のステーションに順次移動させて
各工程を実行させることにより製品を製造する方法であ
る。以下、一例として、塗料を製造する場合について説
明する。この移動タンク式製造方法に用いるシステム
は、図3の平面図に示すように、搬送路41に沿ってそ
の両側に仕込みステーションS1、攪拌ステーションS
2、充填ステーションS3、待機ステーションS4、タ
ンク洗浄ステーションS5、洗浄槽待機ステーションS
6が設置されている。
【0020】仕込みステーションS1では、複数種類の
原料を適切な分量でタンクに仕込み、攪拌ステーション
S2では、攪拌機1でタンク内の原料を攪拌して均一の
塗料とし、充填ステーションS3では、その塗料をドラ
ム缶等に充填して製品とし、待機ステーションS4に
は、生産用のタンクを待機させる。タンク洗浄ステーシ
ョンS5では、充填工程後のタンクを洗浄し、洗浄槽待
機ステーションS6には、洗浄槽5を待機させておく。
搬送路41には、上方に1対のレール30が設置されて
おり、レール30に沿って台車31が走行する。台車3
1は、制御装置39のコンピュータによりプログラム制
御され、塗料生産用のタンクおよび洗浄槽5を吊り下げ
て指定されたステーションに搬送する。
【0021】前記1対のレール30は、図4に示すよう
に、右側の搬送路41の床から延び左右に対向する複数
対の支柱29の上端に前後方向に渡すように設置されて
おり、この1対のレール30の上に、左右2つずつの車
輪34を介して台車31が載置される。台車31は、矩
形の枠体32(図5の平面図参照)と枠体32の前後に
おいて下方に延びる1対の支持板33とを含み、枠体3
2の四隅近傍(図5)には、左右一対の自由車輪34a
と同一対のモータ35により駆動される車輪34bが設
けられ、車輪34の回転により台車31はレール30上
を前後に走行する。支持板33の内側下方には、左右方
向に回動するチェーンコンベヤ36が設けられ、チェー
ンコンベヤ36を駆動するモータ37の回転により、チ
ェーンコンベヤ36上で平面視矩形のつば部5aが支持
された洗浄槽5または塗料生産用のタンクが、左右方向
に移送される。洗浄槽5またはタンクを載置した台車3
1がレール30上を走行することにより、洗浄槽5また
はタンクは、搬送路41上で各ステーションの側方間を
搬送される。
【0022】各ステーションのうち、例えば図4におい
て左側に示された攪拌ステーションS2においては、攪
拌ステーションS2の床から延び左右に対向する2対の
支柱29の上端近傍に水平の作業床27が固定されてい
る。作業床27には、洗浄槽5または塗料の仕込まれた
タンクを受け入れるためのU字型の切り欠き27a(図
5)が設けられている。作業床27には、前記攪拌機1
を昇降させる油圧シリンダ4が設置されている。また、
前述したように、カバー25をカバーリング位置と退避
位置とに移動させるカバー駆動機26も、作業床27に
設置されている。
【0023】作業床27の下方には、左右の支柱29を
連結するように、前後に各1本の梁38が設けられてい
る。梁38の内側には、左右方向に回動するチェーンコ
ンベヤ36Aが設けられ、チェーンコンベヤ36Aを駆
動するモータ37Aの回転により、チェーンコンベヤ3
6A上でつば部5aが支持された洗浄槽5等のタンク
が、左右方向に移送される。このチェーンコンベヤ36
Aは、前記ステーション側方の台車31のチェーンコン
ベヤ36と同じ高さで、同じ方向に設けられている(図
5)。これにより、各ステーションと、その側方の台車
31との間で、タンクが移送される。
【0024】前記攪拌機1を回転させるモータ3、攪拌
機1を昇降させる油圧シリンダ4、図1の伸縮チューブ
12を接続パイプ11に着脱させるエアシリンダ16、
導入路8の選択手段15A,15B,15C,15Dお
よびドレーンバルブ18、ブラシ駆動機20、図4のカ
バー駆動機26、台車31の車輪34を駆動するモータ
35、台車31のチェーンコンベヤ36を駆動するモー
タ37、ならびに攪拌ステーションS2のチェーンコン
ベヤ36Aを駆動するモータ37Aは、前述した移動タ
ンク式製造システムの制御装置39によって制御され
る。
【0025】この攪拌機用洗浄槽装置を用いて、本実施
形態の方法では、以下のように、攪拌機1を洗浄する。
攪拌ステーションS2において、攪拌工程が終了し、塗
料の入ったタンクが攪拌ステーションS2から排出され
た時点で、図3の制御装置39が攪拌機洗浄指示を出
し、図示しない上位コンピュータが使用すべき洗浄剤の
種類と洗浄時間を前記制御装置39に指示を出す。そう
すると、台車31が、洗浄槽5を待機させた洗浄槽待機
ステーションS6まで走行し、洗浄槽5を搬送路41上
の台車31に載せる。以下の動作も、特に明示しない限
り、制御装置39による。台車31の走行により、洗浄
槽5が、攪拌ステーションS2の側方まで搬送される
(図4の右側に2点鎖線で示した状態)。図4の左側の
攪拌ステーションS2においては、カバー駆動機26に
より、カバー25が、搬入される洗浄槽5との干渉を避
けるべく、図示したよりも上方の退避位置に移動され
る。攪拌機1も、油圧シリンダ4により、上昇させら
れ、カバーの凸部25aの内側の空間に攪拌機1のイン
ペラ1bが収納される(図1)。
【0026】これで、攪拌ステーションS2が、洗浄槽
5を受け入れられる状態となったので、台車31と攪拌
ステーションS2のチェーンコンベヤ36,36Aが駆
動され、攪拌機1の下方に洗浄槽5が移送され、前記攪
拌ステーションS2に固定される。そこで、カバー駆動
機26により、カバー25が、カバーリング位置に移動
される。このとき、窒素供給管28が挿入されたカバー
25のガイド筒25b(図1)と、洗浄槽5内の図示し
ない洗浄槽5の底部まで延びた窒素供給管が連結され
る。また、油圧シリンダ4により、攪拌機1が下降させ
られ、洗浄槽5内に上方から挿入される。これで、図4
に示す状態となる。この装置によれば、洗浄槽5の上部
開口をカバー25で容易に覆って、洗浄剤の飛散等を防
止したり、洗浄槽5内を引火防止のため窒素等で置換し
たりすることができる。
【0027】次に、図1に示すように、エアシリンダ1
6により、伸縮チューブ12が接続パイプ11に接続さ
れる。また、ブラシ駆動機20のエアシリンダ24に
も、攪拌ステーションS2に備えられた図示しないエア
送給路が接続される。この接続は、図1の伸縮チューブ
12と接続パイプ11との接続と同様な機構を用いて行
うことができ、エアシリンダ16を共用することもでき
る。さらに、モータ3(図4)により、攪拌機1が低速
回転され、洗浄作業の準備が完了する。
【0028】そこで、図1に示すように、まず、除去す
べき塗料の種類に応じて、適切な洗浄液、例えば再使用
洗浄剤6Aが、選択手段15Aにより導入され、洗浄ノ
ズル7から、攪拌機1に向けて噴出されることにより、
粗洗いが行われる。このとき、図示した状態とは異な
り、洗浄用ブラシ19は、回転軸1aから離れた待機位
置(図2に2点鎖線で示す)にある。
【0029】所定の粗洗い時間の経過後、ブラシ駆動機
20により、洗浄用ブラシ19が、回転軸1aに接触す
る進出位置に移動される。このとき、攪拌機1の低速回
転、再使用洗浄剤6Aの噴出は、引き続き行われてい
る。この洗浄用ブラシ19を用いた中洗いにより、特に
攪拌中に汚れが乾燥して固着しやすい回転軸1aをより
効果的に洗浄できる。
【0030】所定の中洗い時間の経過後、選択手段15
Aにより、再使用洗浄剤6Aの導入が停止され、ブラシ
駆動機20により、洗浄用ブラシ19が、回転軸1aか
ら離れた待機位置(図2に2点鎖線で示す)に移動され
る。そして、再使用洗浄剤6Aと同成分であるが新しい
洗浄剤6Bが、選択手段15Bにより導入され、洗浄ノ
ズル7から、攪拌機1に向けて噴出されることにより、
仕上げ洗いが行われる。このときも、攪拌機1の低速回
転は、引き続き行われている。
【0031】所定の仕上げ洗い時間の経過後、選択手段
15Bにより、新しい洗浄剤6Bの導入が停止され、攪
拌機1の低速回転も停止される。洗浄後、ノズルパイプ
9から導入パイプ13までに残った洗浄剤6は、ドレー
ンバルブ18を開弁することにより、取り出すことがで
きる。さらに、エアシリンダ16等により、伸縮チュー
ブ12と接続パイプ11との接続、ブラシ駆動機20の
エアシリンダ24とエア送給路との接続が、それぞれは
ずされ、洗浄作業が終了する。なお、除去すべき塗料に
対し、成分の異なる複数種類の洗浄剤、例えば前記洗浄
剤6A,6Bとは異なる成分の洗浄剤6C,6Dを用い
る必要があるときには、粗洗い、中洗い、仕上げ洗いご
とに、再使用洗浄剤6C、新しい洗浄剤6Dを、それぞ
れ選択して噴出させればよい。
【0032】このように、本実施形態の方法によれば、
1つの洗浄槽5を備えた装置を用いて、複数種類の洗浄
剤6A,6B,6C,6Dを選択的に攪拌機1に向けて
噴出できるので、製造工程にスケジュール変更等があっ
ても1つの装置で迅速に対応できる。したがって、攪拌
機1を迅速に洗浄できる。また、再使用洗浄剤6A,6
Cと新しい洗浄剤6B,6Dを選択的に用いることによ
り、省資源とコストダウンが実現される。
【0033】洗浄作業が終了すると、図4に示すカバー
駆動機26により、カバー25が図示したよりも上方の
退避位置に移動され、攪拌機1も、油圧シリンダ4によ
り、上昇させられ、カバーの凸部25aの内側の空間に
攪拌機1のインペラ1bが収納される(図1)。そし
て、洗浄槽5が、攪拌ステーションS2での固定がはず
され、攪拌ステーションS2と台車31のチェーンコン
ベヤ36A,36の駆動により、攪拌機1の下方から台
車31に移送され、台車31の走行により、図3の洗浄
槽待機ステーションS6の側方まで搬送され、さらに、
洗浄槽待機ステーションS6と台車31のチェーンコン
ベヤの駆動により、洗浄槽待機ステーションS6に戻さ
れる。この洗浄槽待機ステーションS6において、図1
の洗浄槽5内の使用済みの洗浄剤が、洗浄槽5の底部に
設けたバルブ40を開弁することにより取り出される。
なお、この排出も、前述した伸縮チューブ12と接続パ
イプ11との着脱と同様な装置構成により、自動的に行
うことができる。
【0034】以上のように、本実施形態の攪拌機の洗浄
方法では、前記攪拌機用洗浄槽装置を、いわゆる移動タ
ンク式製造方法に用いられる台車31を利用して攪拌機
1の下方位置に洗浄槽5を搬送できるので、移動タンク
式製造方法における製造工程全体をより効率的にでき
る。しかし、本発明の攪拌機用洗浄槽装置は、移動タン
ク式製造方法に限って用いられるものではなく、攪拌機
洗浄のために、固定洗浄槽側に攪拌機を回動させる固定
タンク式製造方法にも用いることができる。この場合に
は、洗浄槽のカバーは、攪拌機の回転軸の径に相当する
切り欠きを有したものを、洗浄槽の開口上面の側方に退
避させておき、攪拌機の挿入後、開口上面に手動等で移
動させて、開口上面を覆うことができる。
【0035】また、本発明の攪拌機用洗浄槽装置は、塗
料製造工程の他、インク、食品、化粧品、薬品、化学品
等の液状ないしゲル状の原料の製造工程にも使用でき
る。
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、タンク内の原料を攪拌する攪拌機に対し、1つの洗
浄槽を用い、複数種類の洗浄剤を選択的に攪拌機に向け
て噴出できるので、製造工程のスケジュール変更に1つ
の装置で迅速に対応できる。したがって、攪拌機を迅速
に洗浄できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である攪拌機の洗浄方法に用
いる攪拌機用洗浄槽装置を示す縦断面図である。
【図2】同装置の平面図である。
【図3】同装置を用いる移動タンク式製造システムを示
す平面図である。
【図4】同装置を含む攪拌ステーションと搬送路の正面
図である。
【図5】同装置を含む攪拌ステーションと搬送路の平面
図である。
【符号の説明】
1…攪拌機、1a…回転軸、1b…インペラ、5…洗浄
槽、6…洗浄剤、6A,6C…再使用洗浄剤、6B,6
D…新しい洗浄剤、7…洗浄ノズル、8…導入路、14
A,14C…旧剤送給路、14B,14D…新剤送給
路、15…選択手段、19…洗浄ブラシ、20…ブラシ
駆動機、25…カバー、26…カバー駆動機、31…台
車。
フロントページの続き (72)発明者 大西 康雄 岡山県岡山市海岸通1丁目2番1号 クラ レエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 土屋 智宏 東京都府中市日鋼町1番1号 株式会社日 本製鋼所内 (72)発明者 上原 宏仁 大阪府寝屋川市池田2丁目9番26号

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下に延びた回転軸にインペラを装着し
    た昇降可能な攪拌機を洗浄する洗浄槽装置であって、 前記攪拌機が上方から挿入される洗浄槽と、 前記洗浄槽内に挿入された攪拌機に向けて洗浄剤を噴出
    させる洗浄ノズルと、洗浄槽の外部から複数種類の洗浄
    剤の少なくとも1種類を選択的に導入して前記洗浄ノズ
    ルに供給する導入路と、 前記攪拌機の回転軸を洗浄する洗浄用ブラシと、 前記洗浄用ブラシを前記回転軸に接触する進出位置と回
    転軸から離れた待機位置とに移動させるブラシ駆動機と
    を備えた攪拌機用洗浄槽装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記導入路に、洗浄槽の外部に設けられて再使用洗浄剤
    を送給する旧剤送給路および新しい洗浄剤を送給する新
    剤送給路の一方を選択的に導入する選択手段が設けられ
    ている攪拌機用洗浄槽装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記攪拌機が挿入された洗浄槽の上部開口を覆うカバー
    と、 このカバーを前記上部開口を覆うカバーリング位置とそ
    の上方へ退避した退避位置とに移動させるカバー駆動機
    とを備えた攪拌機用洗浄槽装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の攪
    拌機用洗浄槽装置であって、 原料の攪拌工程を含む複数の工程を有し、原料の仕込ま
    れたタンクを台車に乗せて、各工程に割り当てられたス
    テーションに順次移動させて各工程を実行させることに
    より製品を製造する移動タンク式製造方法に用い、前記
    台車に載せて移動可能に構成された攪拌機用洗浄槽装
    置。
  5. 【請求項5】 上下に延びた回転軸にインペラを装着し
    た昇降可能な攪拌機を洗浄する方法であって、 洗浄槽を前記攪拌機の下方位置に搬送し、 前記攪拌機を洗浄槽内に上方から挿入し、 複数種類の洗浄剤から少なくとも1種類の洗浄剤を選択
    して、前記洗浄槽内に導入し、 洗浄槽内の攪拌機を回転させながらこの攪拌機に向けて
    洗浄剤を噴出させて前記攪拌機を洗浄する攪拌機の洗浄
    方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記洗浄槽に支持された洗浄用ブラシを前記回転する回
    転軸に接触させてこの回転軸を洗浄する攪拌機の洗浄方
    法。
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