JPH10335092A - X線装置 - Google Patents

X線装置

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JPH10335092A
JPH10335092A JP10066381A JP6638198A JPH10335092A JP H10335092 A JPH10335092 A JP H10335092A JP 10066381 A JP10066381 A JP 10066381A JP 6638198 A JP6638198 A JP 6638198A JP H10335092 A JPH10335092 A JP H10335092A
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    • H05GX-RAY TECHNIQUE
    • H05G1/00X-ray apparatus involving X-ray tubes; Circuits therefor
    • H05G1/08Electrical details
    • H05G1/26Measuring, controlling or protecting
    • H05G1/30Controlling
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    • H05G1/26Measuring, controlling or protecting

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  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • X-Ray Techniques (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、搭載X線管の保有能力を十分発
揮させ、次のX線曝射までの待ち時間を常に最小限に止
め得るとともに高い信頼性及び高速制御可能なX線装置
を提供することを目的とする。 【解決手段】 この発明は、X線曝射制御装置が回転陽
極型X線管の陽極の許容最大蓄積熱量設定手段と、回転
陽極の冷却特性に基づく下降陽極蓄積熱量演算手段と、
現時の陽極蓄積熱量演算手段と、次回予定のX線曝射の
陽極入力電力、X線曝射継続時間、及び陽極入力電力や
曝射継続時間、陽極回転速度、焦点サイズ等に基づく補
正関数を含む演算で求められる次回X線曝射条件での仮
想陽極蓄積熱量演算手段と、許容最大蓄積熱量、現時陽
極蓄積熱量、及び次回のX線曝射条件での仮想陽極蓄積
熱量を比較演算して次回X線曝射の許可又は不許可を導
く演算手段とを具備するX線装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばX線CT
スキャナのようなX線装置に係わり、とくに高信頼性、
高効率、高速制御でX線曝射ができるX線装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、CTスキャナとして普及してい
るX線断層像撮影装置や、一般の医療用又は工業用X線
撮影装置、或いはX線露光装置等のX線装置には、多く
の場合、X線放射源として回転陽極型X線管が搭載され
ている。この回転陽極型X線管は、周知のように、円盤
状の回転陽極を、相互間に軸受を有する回転体及び固定
体で機械的に支え、回転体の位置に対応する真空容器外
に配置したステータ電磁コイルに回転駆動電力を供給し
て高速回転させながら、陰極から電子ビームを放出させ
て回転陽極の表面ターゲット部に当て、X線を放射す
る。
【0003】回転陽極型X線管の軸受部は、玉軸受のよ
うなころがり軸受や、軸受面にらせん溝を形成するとと
もにガリウム(Ga)、又はガリウム−インジウム−錫
(Ga−In−Sn)合金のような、少なくとも動作中
は液状である金属潤滑剤を用いた動圧式すべり軸受で構
成される。
【0004】後者の動圧式すべり軸受を用いた回転陽極
型X線管の例は、例えば特公昭60−21463号(U
SP4210371)、特開昭60−97536号(U
SP4562587)、特開昭60−117531号
(USP4641332)、特開昭60−160552
号(USP44644577)、特開昭62−2875
55号(USP4856039)、特開平2−2279
47号(USP5068885)、或いは特開平2−2
27948号(USP5077775)等の各公報に開
示されている。
【0005】ところで、従来広く実用になっている回転
陽極型X線管の要部は、図12に示すようになってい
る。すなわち、円盤状の回転陽極11は、シャフト12
に固定されている。このシャフト12は、密に嵌合され
た鉄及び銅円筒からなる円筒状回転体13に固定されて
いる。この回転体13は、内側に配置された回転軸14
に固定されている。この回転軸14のまわりには、円筒
状の固定体15が配置されている。そして、これら回転
軸14と固定体15との間に、玉軸受16が配置されて
いる。
【0006】円盤状の回転陽極11は、モリブデン(M
o)製の厚肉の基体11aのテーパ状表面にレニウム
(Re)を少し含むタングステン(W)合金からなる薄
いターゲット層11bが被着されたものである。
【0007】このような回転陽極型X線管を搭載したX
線装置でX線撮影を行う際には、回転陽極11を例えば
150rps(毎秒の陽極回転数)又はそれ以上の陽極
回転速度で回転させながら、陰極17から放出させた電
子ビームeをターゲット層11bの焦点軌道面に当てて
X線(X)を放出させる。ターゲット層の部分で発生し
た熱は、Mo製の基体11aに伝導され、回転陽極に蓄
積される一方、主として輻射により徐々に放散される。
【0008】さて近来は、例えばCTスキャナにおい
て、被撮影部位を例えば数十秒間にわたってヘリカルス
キャンモードで連続的に断層像を撮影する動作が採用さ
れている。このように回転陽極型X線管から長時間にわ
たってX線を連続的に曝射する場合は、とくに、X線管
の陽極の温度上昇によるX線曝射継続への制限がしばし
ば生じる。
【0009】すなわち、X線管の回転陽極11の温度
は、図13の(a)及び(b)に模式的に示すように、
点線で示す焦点軌道領域(F)の、ある時点での平均温
度(Tf)は、X線放射の継続時間とともに上昇する。
また、その時点での電子ビーム入射点(S)すなわちX
線焦点の瞬時温度(Ts)は、当然、焦点軌道領域の平
均温度(Tf)よりもさらに高い温度に到達する。ま
た、基体11aの平均温度(Tb)は、焦点軌道領域の
平均温度(Tf)よりも当然低い温度である。しかし、
これら各部の温度は、X線曝射の継続とともに上昇す
る。
【0010】なお、焦点軌道領域の温度(Tf)は、電
子ビーム入射点(S)を除いた焦点軌道領域のある時点
での平均温度をあらわし、電子ビーム入射点の温度(T
s)はある電子ビーム入射点のその瞬間での到達最高温
度をあらわしている。そして、陽極基体の平均温度(T
b)は、陽極への電子ビーム入射による入力熱量と放熱
等による放散熱量との差に基づいて蓄熱されることによ
って上昇し、又は放熱によって低下する。
【0011】電子ビーム入射点の温度(Ts)は、電子
ビーム入射時のみ、前記の焦点軌道領域温度(Tf)に
加えて電子ビーム入射による瞬時入力熱量によってピー
ク温度になる。また、この電子ビーム入射点の温度(T
s)は、陽極の回転速度によって電子ビーム入射点での
瞬時的な蓄熱作用が異なるため、この陽極回転速度に比
較的大きく影響される。すなわち、同じ焦点軌道領域温
度(Tf)の時で比較した場合、陽極の回転速度が低け
れば電子ビーム入射点の温度(Ts)は高い温度に達
し、陽極回転速度が高ければこの電子ビーム入射点の温
度(Ts)は相対的に低い温度になる。
【0012】これら回転陽極の各部の温度は、東芝レビ
ュー第37巻第9号第777〜780頁に掲載された論
文に示されているように、次のような近似式であらわす
ことができる。
【0013】Ts=Tf+(2・P・w-1/2)/[S・
(π・ρ・C・λ・v)-1/2] ここで、(P)は電子ビームの入射電力即ち陽極入力電
力、(w)は陽極回転方向の電子ビーム幅即ち焦点サイ
ズ、(S)は電子入射面の面積、(ρ)は陽極表面部材
質の密度、(C)はその比熱、(λ)はその熱伝導率、
(v)は電子ビーム入射点の周速度をあらわしている。
【0014】また、回転陽極ターゲットの焦点位置で起
こる急激な温度上昇値を(ΔTs)、リング状の焦点軌
道領域で平均的に起こる温度上昇値を(ΔTf)とすれ
ば、次の関係が成り立つ。
【0015】 Ts=Tb+ΔTf+ΔTs=Tf+ΔTs ∴ ΔTs=(2・P・w-1/2)/[S・(π・ρ・C
・λ・v)-1/2] このことから明らかなように、回転陽極ターゲットの焦
点位置で起こる急激な温度上昇(ΔTs)は、陽極入力
電力(P)にほぼ比例し、焦点サイズの平方根に同じく
ほぼ比例し、電子入射面積( S)にほぼ反比例し、陽
極の回転速度の平方根に同じくほぼ反比例する。一方、
回転陽極ターゲットの表面からの熱輻射は、陽極ターゲ
ット表面の絶対温度の4乗に比例することも知られてい
る。
【0016】X線管の動作において、回転陽極の各部の
温度上昇は、陽極材料の蒸発や溶融、変形、或いは接合
部の損傷等を起さないように制限されなければならな
い。ターゲット層が例えばタングステン又はタングステ
ン合金である場合、通常、焦点の瞬時温度(Ts)はお
よそ2800℃以下、(ΔTf)はおよそ100〜50
0℃、(ΔTs)はおよそ1300〜1500℃の範囲
に抑えなければならないとされている。そのため、陽極
基体の平均温度(Tb)は、事実上、1000℃前後が
上限温度とされている。
【0017】X線撮影を様々なX線曝射条件で繰り返す
場合、回転陽極基体の平均温度(Tb)や焦点温度(T
s)、或いは焦点軌道領域の平均温度(Tf)を実際に
正確に計測することは実際上困難である。なぜなら、陽
極基体の平均温度(Tb)は、X線の短時間曝射では温
度分布差が大きいので計測誤差が大きくなる。また、焦
点領域の各温度(Ts)、(Tf)は、上述のように、
きわめて高温で且つ変化が激しいので高精度の計測自体
が困難であるとともに、陽極入力電力、焦点サイズ、陽
極回転速度等のX線曝射条件に強く影響されるからであ
る。さらにまた、これら各部の温度をコンピュータ計算
することは不可能ではないが、まだ、コンピュータの計
算速度やコストの面から、実用性が乏しい現状にある。
【0018】そのため、陽極蓄積熱量(Hu)によりX
線曝射の制御を行なうように構成したX線装置が広く実
用になっている。よく知られているように、陽極蓄積熱
量(Hu)は、陽極入力電力と、その供給時間即ちX線
曝射継続時間との積(Hu(Hu=kV×mA×T)で
あらわされる。また、ある回転陽極ターゲットの材質の
密度を(ρ)、比熱を(C)、体積を(Vm)、基体温
度を(Tb)とすれば、この陽極ターゲットの熱容量
(Hu)は、Hu=Σ(ρ×C×Vm×Tb)で近似さ
れる。
【0019】したがって、基体温度(Tb)が上述のよ
うに1000℃前後に制限されるので、陽極ターゲット
の許容最大蓄積熱量は、その回転陽極ターゲットに固有
のものとして定まる。そのため、陽極蓄積熱量が予め定
めた許容最大値を超えないように制御及び管理すること
は、既に実用になっている。
【0020】搭載した回転陽極型X線管の陽極蓄積熱量
の上昇及び下降特性は、よく知られているように、例え
ば図14に示すような特性である。すなわち、陽極蓄積
熱量の上昇特性(St)は、X線曝射継続時間(T)と
ともに上昇するが、その上昇の程度は回転陽極への入力
電力(P、P=陽極尖頭電圧×陽極平均電流)に依存し
て高くなる。また回転陽極の許容最大蓄積熱量(Ql
m)は、この陽極に安全に蓄えることができる上限熱量
であり、これはある安全率を加味した値である。
【0021】そして、陽極への入力即ちX線曝射を終了
した後の冷却特性は、この許容最大蓄積熱量(Qlm)
からその回転陽極型X線管に固有の冷却曲線(Ct)に
したがって陽極蓄積熱量が下降する特性である。つま
り、到達した陽極蓄積熱量が異なっても、ほぼこの冷却
曲線(Ct)にしたがって熱量は低減する。
【0022】これらのX線管の陽極蓄積熱量の特性は、
上述のように、その搭載X線管が持つ固有の特性である
ため、X線曝射の断続の履歴に応じてほぼ正確に把握す
ることが可能である。そのため、図15に示すように、
搭載X線管の陽極蓄積熱量が許容最大蓄積熱量(Ql
m)を超えないようにX線曝射を制御している。なお、
同図において、時点t1からt2がX線曝射継続、時点
t2からt3が冷却期間、同様に時点t3からt4がX
線曝射継続、時点t4以降が冷却期間である。
【0023】次回に予定した陽極入力電力やX線曝射継
続時間等の条件でX線撮影が可能か否かは、上記の特性
から予め予測できるので、不可能な場合はX線曝射がで
きないようにロックをかける方式、或いはそれに類似し
た制御手段をX線装置に設けている。これらに関連する
発明は、例えば特開昭57−5298号、特開昭58−
23199号、特開昭59−217995号、特開昭5
9−217996号、特開昭62−69495号、特開
平6−196113号、USP4225787、USP
4426720、USP5140246の各特許公報又
は明細書に開示されている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図16の
(a)に示すように、例えば陽極への入力電力(P)が
20kWでX線曝射継続時間が50秒(sec)の場合
(b)と、陽極入力電力(P)が50kWでX線曝射継
続時間が20secの場合(c)とは、当然同じ陽極蓄
積熱量であり、従来のX線撮影制御のための計算でも同
じ値として制御に使われている。
【0025】しかしながら、回転陽極の電子ビーム入射
点温度(Ts)及び焦点軌道領域平均温度(Tf)は、
同図の(c)に示す陽極入力電力(P)が大きい方が、
同図の(b)に示す陽極入力電力(P)が小さい方より
も、その電力比以上にさらに高い温度に達する。すなわ
ち、陽極入力電力(P)を20kWとしてX線曝射を開
始した場合の50秒後の電子ビーム入射点温度(Ts
b)に比べて、入力電力(P)を50kWとしてX線曝
射を開始した場合の20秒後の電子ビーム入射点温度
(Tsc)は、両者の陽極入力電力比である2.5倍を
超える温度に達する。
【0026】その理由は、回転陽極の焦点及び焦点軌道
領域から陽極基体への熱伝導、拡散にある程度長い時間
を要するため、陽極入力熱量(P×T)が同じであって
も陽極入力電力(P)が高いほど焦点軌道領域の温度
(Tf)が余分に即ち入力電力(P)の比率以上に短時
間に急激に高くなるためである。そのため、その上に重
畳されて到達する電子ビーム入射点温度(Ts)は、短
時間に急激に高くなる。上述のように、この電子ビーム
入射点温度(Ts)が焦点面の融点に近いか又はそれを
超えると、焦点面材料の蒸発や溶融現象が起こり、致命
的な破損を引き起こす。
【0027】そのため従来は、このような場合の不都合
を未然に防ぐため、図15に示す陽極蓄積熱量の許容最
大蓄積熱量(Qlm)を、陽極入力電力(P)が最も高
い場合の上記の現象を考慮し、安全率を余分に採り、結
果として一律にかなり低い値に設定している。それによ
れば、確かに想定し得る最高の陽極入力電力でも回転陽
極に損傷を起こすことなく安定に動作させることができ
る。しかし、低い陽極入力電力の場合でも、必要以上に
陽極が冷えるまで待たなければ次のX線管曝射が許可さ
れない制御になる。このように、従来のX線装置は、次
のX線曝射までの待ち時間が不所望に長くなる場合が多
く、その搭載X線管が本来持っている能力を十分に発揮
させることにはなっていない。
【0028】なお、比較的薄いMo製の基体の裏面にグ
ラファイト基体をろう接などにより張り合わせた構造の
回転陽極を備えるX線管を搭載した従来のX線装置にお
いては、焦点軌道領域からグラファイト基体への熱伝導
性がさらに悪いことと、ろう材の融点が低いことや、ろ
う接部が剥がれやすい等の制約から、陽極蓄積熱量の許
容最大蓄積熱量(Qlm)をさらに低い値に設定してい
るのが現状である。
【0029】この発明は、以上のような不都合を解消
し、搭載X線管の保有している能力すなわち熱容量を常
に最大限利用し、次のX線撮影即ちX線曝射までの待ち
時間を常に最小限に止め得るとともに高い信頼性及び高
速自動制御可能なX線装置を提供することを目的とす
る。
【0030】
【課題を解決するための手段】この発明は、X線曝射制
御装置が回転陽極型X線管の陽極の許容最大蓄積熱量
(Qlm)を設定する許容最大蓄積熱量データ設定手段
と、上記X線管の回転陽極の冷却特性(Ct)に基づい
て現時の陽極蓄積熱量(Qt)に対応するデータ情報を
演算する現時陽極蓄積熱量データ演算手段と、次回予定
のX線曝射条件でのX線曝射開始からX線曝射終了まで
の陽極入力電力(P)及びX線曝射継続時間(T)に対
応するデータ情報を含む演算により次回予定陽極入力総
熱量(Qsn)に対応するデータ情報を演算する次回予
定陽極入力総熱量データ演算手段と、X線管の陽極入力
電力(P)に依存する値として定めた補正関数(K
(p))に対応するデータ情報、X線曝射継続時間
(T)に依存する値として定めた補正関数(L(T))
に対応するデータ情報、X線焦点サイズ(f)に依存す
る値として定めた補正関数(M(f))に対応するデー
タ情報、及び陽極回転速度(r)に依存する値として定
めた補正関数(N(r))に対応するデータ情報のうち
の少なくとも1つのデータ情報を[予め]設定する補正
関数データ設定手段と、上記次回予定陽極入力総熱量
(Qsn)に対応するデータ情報、及び上記補正関数デ
ータ設定手段に設定されている上記少なくとも1つのデ
ータ情報を含む演算により上記次回のX線爆射条件での
次回仮想陽極蓄積熱量(Qs)に対応するデータ情報を
演算する次回仮想陽極蓄積熱量演算手段と、上記許容最
大蓄積熱量(Qlm)に対応するデータ情報、上記現時
陽極蓄積熱量(Qt)に対応するデータ情報、及び上記
次回仮想陽極蓄積熱量(Qs)に対応するデータ情報を
含む演算により上記次回のX線曝射条件でのX線爆射の
許可又は不許可のデータ情報を得る次回X線曝射許可又
は不許可データ演算手段とを具備するX線装置である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下その実施例を図面を参照して
説明する。なお同一部分は同一符号であらわす。概略構
成を示す図1のCTスキャナすなわちX線断層像撮影装
置は、架台21にリング状の回転フレーム22が回転可
能に設置されている。この回転フレーム22の中央部に
形成されたドーム22aの内側に、進退移動可能なベッ
ド23及びその上に載せられた被撮影物Obが入る構造
になっている。回転フレーム22は、主電源・制御装置
24からの制御で動作する回転駆動装置21aにより、
撮影時に被撮影物Obのまわりを矢印Rのように回転す
るようになっている。
【0032】回転フレーム22の所定位置には、点線で
示すファンビーム状のX線(X)を被撮影物の方向に放
射するX線管装置20が取り付けられており、またこれ
と反対側にX線検出器Dtが配置されており、X線撮影
時に被撮影物Obのまわりをこれらの位置関係を保って
回転する。X線検出器Dtから得られるX線画像信号
は、コンピュータ画像信号処理装置25に供給されて演
算処理され、その画像出力信号がCRTモニタ26に送
られて被撮影物の断層画像が表示されるようになってい
る。
【0033】X線管装置20は、X線管収容容器の内部
に固定された回転陽極型X線管31を有し、X線管用電
源装置27、及び回転駆動電源装置28からX線管31
に回転及び動作電力が供給されるようになっている。
【0034】さらに、このCTスキャナは、主電源・制
御装置24により回転フレーム22の駆動やX線管から
のX線曝射、各部の動作を制御できるようになってい
る。この主電源・制御装置24は、後述する撮影条件設
定、撮影開始等の制御を行う操作盤を備えている。
【0035】X線管装置20及び回転陽極型X線管31
は、図2〜図5に示す構成を有する。すなわち、X線管
装置20は、図2に示すように、X線管収容容器30の
内部に絶縁支持体32,33で固定された回転陽極型X
線管31を有し、且つ容器30の内部空間に絶縁油34
が詰められている。またこのX線管装置20は、X線管
の回転体35及びX線放出用回転陽極40を回転させる
ためのステータ41を備えている。なお、同図の符号3
6はX線管の真空容器、37は陰極、38はX線放射ゲ
ート、39aは陽極側接続ケーブル受、39bは陰極側
接続ケーブル受をあらわしている。そして、図1に示す
CTスキャナの回転フレームの回転中心軸の方向とX線
管の中心軸Cの方向とは、平行又はほぼ平行になるよう
に設置されている。
【0036】回転陽極型X線管31は、その要部を図3
乃至図5に示すように、真空容器36の内部に重金属か
らなる円盤状の回転陽極40が円筒状回転体35の一端
に突設されたシャフト35aに一体的に固着されてい
る。また、回転陽極40のテーパ状の焦点軌道面に対向
して、電子ビームeを放出する陰極37が配置されてい
る。
【0037】円筒状回転体35の内側には、円柱状の固
定体42が同軸状に嵌合されており、回転体の開口部に
スラストリング43が固着されている。固定体42の端
部は、陽極端子42dになっており、その一部は真空容
器のガラス円筒容器部36aに気密接合されている。回
転体35と固定体42との嵌合部分には、前述の各公報
に示されるような各一対のラジアル方向動圧式すべり軸
受44,45、及びスラスト方向動圧式すべり軸受4
6,47が設けられている。
【0038】ラジアル方向動圧軸受44,45は、図4
にその一部を示すように、固定体42の外周軸受面に形
成された2組のヘリンボンパターンのらせん溝44a,
45aと、回転体の内周軸受面とで構成される。また、
一方のスラスト方向動圧軸受46は、固定体42の先端
軸受面42a面に形成された図5の(a)に示すような
サークル状のヘリンボンパターンらせん溝42bと回転
体の底面とで構成される。なお、図5の(a)は図4の
5a−5aにおける平面図である。他方のスラスト方向
動圧式すべり軸受47は、回転体の一部となるスラスト
リング43の軸受面43aに形成された図5の(b)の
ようなサークル状のヘリンボンパターンらせん溝43b
と、固定体の肩部の軸受面42cで構成される。なお、
図5の(b)は図4の5b−5bにおける平面図であ
る。各軸受を構成する軸受面に形成されているらせん溝
は、およそ30μmの深さを有している。
【0039】これら回転体及び固定体の各軸受の軸受面
は、動作中、およそ30μmの軸受間隙を保つようにな
っている。回転中心軸C上にある固定体42には、その
中心部分が軸方向にくり抜かれた穴からなる潤滑剤収容
室51が形成されている。また、この固定体42の中間
部の外周壁がわずかにテーパ状に削られて径小部52が
形成され、それによって構成される円筒状の空間に潤滑
剤の一部が溜まるようになっている。
【0040】また、中心部分の潤滑剤収容室51から径
小部52の空間に通じる4つの放射方向通路53が、等
角度で軸対称的に形成されている。そして、回転体と固
定体との間の隙間や、各軸受のらせん溝、潤滑剤収容室
51、径小部52の空間、及び放射方向通路53を含む
内部空間には、Ga−In−Sn合金からなる液体金属
潤滑剤が供給されている。
【0041】回転体35の主要部は、3重の円筒からな
り、内側が鉄合金製の軸受円筒で、その外側が鉄からな
る強磁性体円筒、外側が銅円筒であり、これらが一体的
に嵌合され結合されている。これらは、回転体35を取
り巻くガラス円筒容器部36aの外周に配置されたステ
ータ41の電磁コイルと協動して電磁誘導モータの回転
子として動作する。ステータ41は、円筒状の鉄芯41
aと、それに巻かれたステータコイル41bとを備えて
いる。このステータコイル41bに、前述のようにステ
ータ駆動電源装置28から回転駆動電力が供給され、X
線管内の回転体に回転トルクが生起される。
【0042】X線管の回転陽極40は、例えば直径が1
40mm、厚さの最大部が50mmのMo又はMo合金
のような高融点金属からなる基体40a、及びそのテー
パ状の表面部に一体的に形成された1.5mmの厚さの
W又はRe入りW合金のようなX線放射用の重金属ター
ゲット層40bを有している。なお前述のように、陽極
の焦点軌道領域Fに対向して、電子ビームeを放出する
陰極37が配置されている。そして、焦点軌道領域上の
電子ビーム入射点から発生されたX線(X)は、真空容
器の一部をなすX線放射窓36bから外部に放射される
ようになっている。
【0043】なお、回転陽極は、基体部分とターゲット
部分とを別々の金属で構成したものに限らず、例えばマ
ンモグフィ装置用の回転陽極型X線管のように、単一の
Mo又はMo合金で基体部分及びターゲット部分を構成
したものであってもよい。
【0044】さらにこの実施例では、真空容器のガラス
製容器部分36aを通して管外から見通せる位置の回転
体下端部を構成しているスラストリング43の外周面の
一部に、黒色のマーク54が付着されている。そして、
これに対応するガラス製容器部分の外側に、回転速度検
出器55が配置されている。この回転速度検出器55
は、X線遮蔽材からなるケース56の内部にレーザ光の
発光素子57及び回転体の表面で反射するレーザ光を受
ける受光素子58が配置されている。そして、両素子の
動作を制御するとともに受光信号の増幅や演算処理をす
る信号処理部59を内蔵している。これらは、回転駆動
電源装置28、及びX線放射制御装置29に電気的又は
光学的に接続され、回転速度に対応する信号の授受が行
われるようになっている。
【0045】動作においては、ケース56に設けられた
レーザ光用ゲートを通して回転スラストリングの表面に
レーザ光を照射するとともにそこで反射するレーザ光を
受光し、黒色マーク54での低反射強度から回転体の回
転速度を演算して検出することができるようになってい
る。
【0046】このCTスキャナは、上述のように、主電
源・制御装置24によりX線撮影すなわちX線管からの
X線曝射を制御するようになっている。そこで、この主
電源・制御装置24は図6に示すような制御手段を内蔵
している。
【0047】すなわちこの装置は、X線管の蓄積熱量上
昇予測値(St)の設定・記憶部61(これは後述のマ
イクロコンピュータによる演算用データ情報のテーブル
を内蔵している)、X線管の冷却による蓄積熱量下降予
測値(Ct)の設定・記憶部62(同じくテーブル内
蔵)、許容最大蓄積熱量(Qlm)の設定・記憶部63
(同じくテーブル内蔵)、現時点の陽極蓄積熱量(Q
t)の演算部64(これはクロックを内蔵している)、
現時点の入力許容熱量(Qa)の演算部65、関数K
(p),L(T),M(f),N(r)の設定・記憶部
66、次回のX線曝射条件での仮想陽極蓄積熱量(Q
s)の演算部67、次回X線曝射の許可又は不許可の比
較演算・ 信号発生部68、及び装置の操作部69を備え
ている。
【0048】操作部69には、次回のX線曝射(撮影)
条件設定部70、撮影許可表示部(Ready)、撮影
の不許可・待機の表示部(Wait)、撮影開始指令用
ボタンスイッチ(Start)、途中停止指令用ボタン
スイッチ(Stop)を備え、またクロック及びテーブ
ルを内蔵している。なお、撮影不許可・待機表示部(W
ait)には、次の設定撮影条件でのX線撮影が可能に
なるまでの待ち時間が待ち時間表示部71に表示される
ようになっている。これによって、後述するように、次
回撮影条件の設定後、それぞれに対応するマイクロコン
ピュータ演算結果に基づいて時々刻々と更新され、操作
者に次の撮影が可能になるまでの待ち時間が告知される
ようになっている。
【0049】次回のX線曝射(撮影)条件設定部70
は、次回に予定するX線管供給陽極電圧(kVp)、陽
極電流(I)、選択する焦点サイズ(f)、陽極回転速
度(r)、X線曝射継続時間(T)をそれぞれ適宜設定
することができるようになっている。また、これら各撮
影条件の任意の組み合わせ、或いは別の種々の撮影モー
ドを予め設定しておき、適宜選択する撮影モード選択部
(1,2,3,4,5)をワンタッチで選択できる制御
用ボタンも備えている。
【0050】これら各制御手段は、矢印で示すように相
互に演算用のデータ情報及び電気的制御信号を授受でき
るように接続されており、さらにX線管の動作電源27
や、回転駆動電源28、或いはX線管31等にも電気的
に接続されている。
【0051】なお、マイクロコンピュータによって演算
され、また、結果として得る各データ情報は、例えば電
圧、電流、電力、時間、或いは熱量等のそのものの数値
や、ある規則に従って変換した数値、機械語、電気的信
号、或いはその他のコンピュータ演算可能なデータ情報
を広く意味する。この明細書においては、演算の対象及
び結果となるデータ情報が上記のそれぞれに対応する演
算用のデータ情報である旨、その都度すべて記述するこ
とは、煩雑を避けて割愛する。
【0052】X線管の蓄積熱量上昇予測値(St)の設
定・記憶部61は、搭載している回転陽極型X線管の図
14に示したような陽極入力電力毎の陽極蓄積熱量上昇
特性(St)に対応する演算用データ情報の入力、記憶
又は読み出し手段としてのデータのテーブルを内蔵して
いる。また、X線管の冷却による蓄積熱量下降予測値
(Ct)の設定・記憶部62は、同じく図14に示した
ような冷却曲線(Ct)にしたがってX線曝射終了時点
の陽極蓄積熱量からの下降値等に対応する演算用データ
情報の入力、記憶又は読み出し手段としてのデータのテ
ーブルを内蔵している。
【0053】さらに、許容最大蓄積熱量(Qlm)の設
定・記憶部63は、搭載X線管の定格の許容最大蓄積熱
量(Qlm)に対応する演算用データ情報が予め設定さ
れ記憶されている。なおこれは、回転陽極等に溶融やそ
の他の損傷が生じない範囲での許容最大蓄積熱量であ
り、必要最小限度の安全率を加味したうえでの上限値で
ある。そして、この許容最大蓄積熱量(Qlm)は、現
時点の入力許容熱量(Qa)の演算部65に常時供給さ
れるようになっている。
【0054】さらにまた、補正関数K(p),L
(T),M(f),N(r)の設定・記憶部66は、搭
載した回転陽極型X線管に固有な性能に基づいて、図7
の(a)にその概念を示すような、X線曝射時の陽極入
力電力(P)に依存する値として予め定めた補正関数
(K(p))に対応する演算用データ情報のテーブルを
内蔵している。この補正関数(K(p))は、陽極入力
電力(P)の大きさに対応して大きくなる係数である。
【0055】またこの補正関数の設定・記憶部66は、
同様に、図7の(b)に示すようなX線曝射継続時間
(T)に依存する値として予め定めた補正関数(L
(T))に対応するデータ情報のテーブルを内蔵してい
る。この補正関数(L(T))は、X線曝射継続時間
(T)の長さに対応して大きくなる係数である。
【0056】さらにまたこの補正関数の設定・記憶部6
6は、同様に、図7の(c)に示すような焦点サイズ
(f)に依存する値として予め定めた補正関数(M
(f))に対応する演算用データ情報のテーブルを内蔵
している。この補正関数(M(f))は、焦点サイズ
(f)の大きさに対応して小さくなる係数である。
【0057】さらにまたこの補正関数の設定・記憶部6
6は、同様に、図7の(d)に示すような陽極の陽極回
転速度(r)に依存する値として予め定めた補正関数
(N(r))に対応する演算用データ情報のテーブルを
内蔵している。この補正関数(N(r))は、陽極回転
速度(r)の大きさに対応して小さくなる係数である。
なお、これらの補正関数は、X線を連続曝射するモード
の場合の一例である。
【0058】次に各制御手段による動作制御について、
図8をも参照して説明する。このCTスキャナの主電源
を投入して立ち上げ、例えば1日のX線撮影業務を開始
する。そして、第1回目のX線撮影を開始すると、各ク
ロックの動作とともに現時点の陽極蓄積熱量(Qt)の
演算部64で、これに内蔵されたマイクロコンピュータ
でX線管回転陽極の蓄積熱量が時々刻々と計算される。
【0059】第1回目のX線撮影条件が、例えば陽極電
圧が125kVp、陽極電流が320mA、焦点サイズ
が大、陽極回転速度が50rps、X線曝射継続時間T
が60秒間の連続X線曝射モードであると仮定する。こ
の撮影モードが選択されると、その条件に対応する陽極
入力電力(P=40kW)が計算されてそれに対応する
データ情報が現時点の陽極蓄積熱量(Qt)の演算部6
4に送られる。この演算部64では、X線管の蓄積熱量
上昇予測値(St)の設定・記憶部61のテーブルに予
め入力し、設定・記憶させてある図14の(P=40k
W)に対応するX線管陽極蓄積熱量上昇予測値(St)
に対応する計算用データ情報がこのテーブルから読み出
され、合わせて送られたX線曝射継続時間(T)のデー
タ情報にしたがって陽極蓄積熱量が時々刻々計算され
る。
【0060】この第1回目のX線撮影が予定通りの撮影
継続時間(T)で終わり、又は途中でX線曝射を中止す
ると、それに対応するデータが撮影時間のデータととも
に演算部64に送られる。そしてここでは、到達した陽
極蓄積熱量から、冷却による蓄積熱量下降予測値(C
t)の設定・記憶部62のテーブルに予め設定・記憶さ
れている図14の冷却による蓄積熱量下降予測値(C
t)にしたがって下降するデータ情報が読み込まれて時
々刻々の陽極蓄積熱量が計算される。このように、現時
点の陽極蓄積熱量(Qt)の演算部64で、X線曝射時
或いは休止時の区別なく、陽極に蓄積されている現時点
の蓄積熱量が時々刻々計算されるようになっている。
【0061】そして次回のX線撮影条件として、陽極電
圧が同じ125kVp、陽極電流が400mA、X線曝
射継続時間Tが30秒、他は上記第1回目と同じ条件が
撮影条件設定部70で選択され、設定されたとする。い
ま、図8に示す撮影休止の冷却過程の時点t1にあると
仮定する。この時点の陽極蓄積熱量は(Qt1)であ
り、現時陽極蓄積熱量演算部64に計算結果としてそれ
が保持されている。
【0062】そこで次回の撮影条件の信号が、演算部6
4に送られると同時に、次回X線曝射条件での次回仮想
陽極蓄積熱量(Qs)の演算部67にも送られ、ここで
次回仮想陽極蓄積熱量(Qs)が計算される。ここで
は、関数の設定・記憶部66に予め設定された図7の
(a)〜(d)に模式的に示すような各データテーブル
にアクセスされ、予定撮影条件に一致又は近似した条件
の補正関数K(p),L(T),M(f),N(r)が
各テーブルから読み込まれる。そして、この次回撮影条
件での次回仮想陽極蓄積熱量(Qs)が、Qs=P・T
・[K(p)・L(T)・M(f)・N(r)]で計算
される。この次回仮想陽極蓄積熱量(Qs)は、図8に
示すように、現時点の陽極蓄積熱量(Qt1)に次回予
定X線曝射継続時間(T)で加算される熱量であるとと
もに、陽極入力電力等の大きさに応じた補正関数を含め
て計算された仮想熱量である。
【0063】一方、現時点の入力許容熱量(Qa)の演
算部65では、許容最大蓄積熱量(Qlm)の設定・記
憶部63から供給される許容最大蓄積熱量(Qlm)
と、現時点の陽極蓄積熱量(Qt)の演算部64から時
々刻々供給される現時点の陽極蓄積熱量(Qt)との差
(Qa=Qlm−Qt)を計算し、その結果を現時点の
入力許容熱量(Qa)として次回X線曝射の許可又は不
許可の比較演算・ 信号発生部68に与える。この現時点
入力許容熱量(Qa)は、図8に示す許容最大蓄積熱量
(Qlm)と時点t1での陽極蓄積熱量(Qt1)との
差の熱量に相当する。
【0064】次回X線曝射の許可又は不許可の比較演算
・ 信号発生部68では、現時点の入力許容熱量(Qa)
の演算部65から与えられる現時点の入力許容熱量(Q
a)と、次回X線曝射条件での次回仮想陽極蓄積熱量
(Qs)の演算部67から与えられる次回仮想陽極蓄積
熱量(Qs)とが比較演算される。
【0065】そして、それらの差(Qa−Qs)がマイ
ナスである場合は、次回予定の撮影条件として設定した
上記条件では、現時点の陽極蓄積熱量(Qt1)に次回
仮想陽極蓄積熱量(Qs)を加えた蓄積熱量が、許容最
大蓄積熱量(Qlm)を超えてしまうので、X線曝射が
不許可と判定され、さらに待機を告知する信号(Wai
t)がを操作部69に与えられる。したがって、図8に
示す時点t2に至る直前までは、この待機指令状態が続
くことになる。
【0066】そこで、それらの差(Qa−Qs)がゼロ
又はプラスである場合は、次回予定の撮影条件として設
定した上記の条件でX線管に損傷を起こすことなくX線
撮影を完了することが可能であると判断され、X線曝射
許可を告知する信号(Ready)が操作部69に与え
られる。したがって、図8に示す時点t2に至って次回
の撮影が許可される状態になる。つまり、この時点t2
において、現時点の陽極蓄積熱量(Qt2)に次回X線
曝射条件での次回仮想陽極蓄積熱量(Qs)を加算した
蓄積熱量は、許容最大蓄積熱量(Qlm)と同等又はそ
れを下回ることになる。
【0067】同時にまたこのX線装置では、次回予定の
撮影条件を設定した段階から、上記のような演算がなさ
れる。そして、図8から明らかなように、次回予定の撮
影条件での撮影がどの時点から可能であるかは、時々刻
々に上記の演算で算出されている。したがって、ある時
点例えばt1においてその時点から撮影が許可される時
点t2までの待ち時間もまた同時に計算され、撮影不許
可・待機表示部(Wait)の待ち時間表示部71に撮
影が可能となるまでの待ち時間が表示される。この待ち
時間は、当然、時々刻々と減少して行き、時点t2でゼ
ロになる。そしてこれ以降はいつでも操作者が撮影開始
ボタン(Start)が押せば、その設定撮影条件で何
ら損傷を生じることなくX線撮影を完了することができ
るようになっている。
【0068】こうして、撮影可能時点t2以降は、上記
次回の撮影条件で何ら問題なくX線撮影が可能となり、
操作部の撮影開始ボタン(Start)をONすること
により、上記の条件で撮影を開始することができる。こ
の撮影は、X線曝射時間Tを経た時点t3で終了する。
【0069】ところで、撮影開始時点t2から撮影終了
時点t3までの陽極蓄積熱量は、予め設定したこのX線
管に特有な蓄積熱量上昇曲線(St)にしたがって現時
点の陽極蓄積熱量(Qt)の演算部64で演算される。
そのため、撮影終了時点t3での実際的な陽極蓄積熱量
(Qt3)は、許容最大蓄積熱量(Qlm)よりも低い
値にとどまる。この差(Qu)は、入力電力(P)等の
関数として加味した分に相当するいわば変動安全率であ
るので、例えば入力電力(P)が高いほど大きい差(Q
u)となり、より高い陽極入力電力での撮影でも前述の
X線管焦点領域の電子ビーム入射点温度が最大限界温度
を超えてしまう不都合をこの点からも確実に防止するこ
とができる。
【0070】そして、さらにその次の予定撮影条件での
撮影の許可、不許可の演算は、前撮影終了時点t3での
陽極蓄積熱量(Qt3)から冷却により下降する演算で
あるので、許容最大蓄積熱量(Qlm)から下降するも
のとして演算する場合よりも、次の撮影のための待ち時
間が実質的に短縮される。
【0071】なお、上述のようなデータ演算は、今日の
マイクロコンピュータの演算処理能力でも、例えば0.
5秒以内に処理を完了することが可能である。今後は、
さらにコンピュータの演算処理能力が高まるものと予想
されるので、この演算処理に要する時間はもっと短縮さ
れるものと考えられる。
【0072】なおまた、搭載X線管の回転陽極の熱特性
に基づいて、次回予定撮影条件での予測到達陽極蓄積熱
量(Qt3)を適当な補正関数を含めて時々刻々と演算
し、これを許容最大蓄積熱量(Qlm)と比較演算して
許可又は不許可制御データ信号を得るようにすることも
できる。ただし、現状ではこの演算処理に上述の実施例
に比べてかなり長い時間がかかるので、比較的ゆっくり
した制御でよいX線装置には適用し得る。
【0073】以上述べた実施例においては、次回のX線
曝射条件での仮想陽極蓄積熱量(Qs)の演算部67で
の演算に含める補正関数及びそのテーブルとして、次回
予定の陽極入力電力(P)の補正関数(K(p))とと
もに、X線曝射継続時間(T)の補正関数(L
(T))、焦点サイズ(f)の補正関数(M(f))、
及び陽極回転速度(r)の関数(N(r))をすべて含
めたが、それに装置構成を限る必要はない。
【0074】例えば、陽極の温度変化への影響度合いを
考慮して、上記補正関数のうちの少なくとも1つ、例え
ば次回予定の陽極入力電力の補正関数(K(p))のみ
であってもよいし、これと焦点サイズの補正関数(M
(f))の2つにとどめてもよい。マイクロコンピュー
タ演算においては、上記補正関数のデータテーブルへの
アクセス数又はアクセス回数が少ないほど演算処理に要
する時間が少なくて済むので、上記の補正関数項目が少
ないほどX線曝射制御がより迅速化でき、好ましい。
【0075】このことから、搭載X線管が前述のらせん
溝を有する動圧すべり軸受を備える回転陽極型X線管の
場合には、X線撮影時も休止時もほぼ同じ陽極回転速度
回転させたままで、上述のような演算及びX線曝射を制
御することが特に適している。なぜなら、動圧すべり軸
受は、軸受抵抗が玉軸受よりもかなり大きく、陽極回転
速度を小刻みに即ち短時間に大きく変えることが困難で
ある。そのため、X線撮影時も休止時もほぼ同じ陽極回
転速度で回転させたままで例えば1日のX線撮影業務を
続ける方がよい。このことにより、軸受の摩耗も少な
い。したがって、陽極回転速度がほぼ一定であるので、
上述の陽極回転速度に対応する補正関数を省略すること
が可能であり、それにより上述の演算処理時間を一層短
縮させることができるからである或いはまた、入力電力
や焦点サイズ等と各々単独に関連付けられた係数を各々
テーブルで持つ例に限らず、陽極入力電力や焦点サイ
ズ、陽極回転速度、撮影時間等の複数のパラメータと一
緒に関連付けられた関数、例えばG(p,T,f,r)
の1つのデータテーブルを用いる構成であってもよい。
【0076】なおまた、上述の実施例においては、上記
各関数を含めた演算結果を次回予定のX線曝射条件での
仮想陽極蓄積熱量(Qs)を実際的な蓄積熱量(Qt)
よりも高くなるように演算、制御したが、それに限られ
ない。すなわち図9に示すように、次回予定のX線曝射
条件での各関数を含めた演算結果を、許容最大蓄積熱量
(Qlm)の値を上記関数に応じた分だけ下げて次回撮
影条件での仮想許容限界蓄積熱量(Ql n)として設定
する演算及び制御にしてもよい。
【0077】その場合、同図に示すように、冷却期間の
ある時点t1では、現時点の陽極蓄積熱量(Qt1)に
加算される次回予定の撮影条件での蓄積熱量(Qsn)
は、仮想許容限界蓄積熱量(Ql n)に対する現時点の
入力許容熱量(Qan)を大きく上回っているので、上
記次回撮影条件での撮影は許可されないように制御され
る。そして、時点t2に至って撮影は許可される。その
後の撮影の間の蓄積熱量は、予め設定されたそのX線管
に固有な実際的な蓄積熱量の上昇特性にしたがった計算
がなされて制御される。
【0078】ところで、現在実用になっているX線CT
スキャナでは、一定の陽極入力電力(P)で例えば30
秒間連続X線曝射して一連のX線撮影をする方式が一般
的である。しかし、この一連のX線撮影の間に、陽極入
力電力(P)を撮影部位の性質に応じて変化させたり、
或いはX線曝射を間欠的に行なう構成にしてもよい。
【0079】そこで、図10の(a)、(b)に示す実
施例は、X線断層撮影する被撮影物Obへの照射X線量
を必要最小限にとどめるとともに所要の良質なX線画像
を得るため、一連のX線曝射継続時間(T)(例えば、
T=30秒)の間、撮影部位のX線吸収量の分布に応じ
て陽極入力電力(P)を図示のようなプロファイルに沿
って変化させて撮影するモードを設定した例である。
【0080】すなわちこれは、X線吸収率の比較的小さ
い部位から一連のX線撮影を開始するX線曝射開始時点
(t2)では、20kWの陽極電力を入力させる。そし
て撮影部位の移動にしたがってX線吸収率が次第に大き
くなるのに応じ40kWまで次第に上昇させて一定時間
この電力で維持し、さらに徐々に30kWまで低下させ
る制御モードである。
【0081】なお、被撮影物が、例えば人体のように、
ある程度決まった形状であれば、主な撮影部位の撮影範
囲ごとにこの陽極入力電力Pの変更制御モードのプログ
ラムを幾つか設定しておき、操作者が適宜に選択して撮
影できるようにしておけばよい。
【0082】このようなX線曝射モードの場合、次回の
X線曝射条件での次回予定陽極入力総熱量(Qsn)
は、次式で求めることができる。 Qsn=∫P(T)・dt また、X線曝射継続時間(T)の間の陽極蓄積熱量の変
化も演算可能であり、これらを各変更制御モードごとに
補正関数として設定しておくこともできる。
【0083】したがって、各制御モードプログラムごと
に、入力総熱量(Qsn)及び陽極入力電力Pのプロフ
ァイルに依存する値として補正関数に対応するデータ情
報を予めデータテーブルに設定しておき、この補正関数
データ情報を加味して演算処理するように装置を構成す
ることもできる。
【0084】さらに、図11に示す実施例は、一連のX
線撮影において上記と同様の撮影部位の範囲をある間隔
をおいて飛び飛びに断層撮影する場合の構成である。こ
れは、被撮影物Obを載せたベッド23を定速で図の左
側に移動させながら、一連のX線管曝射継続時間
(T’)の間に、実際のX線曝射を間欠的に繰り返すモ
ードである。
【0085】すなわちこれは、一連のX線曝射継続時間
(T’)(例えば、T’=27秒)の間に、1秒間のX
線曝射とその後の4秒間のX線曝射休止とを繰り返すと
ともに、各X線曝射時の陽極入力電力(P)を図示のよ
うに変化させて撮影するモードの設定例である。1秒間
のX線曝射により例えば1〜2スライス分の断層画像を
撮影し、4秒間に撮影場所を移して、同様の撮影を繰り
返す。
【0086】この場合も、各陽極入力電力(P)の大き
さ、1秒間のX線曝射による陽極蓄積熱量の上昇、及び
4秒間の熱量減少の履歴に基づいて、この一連の撮影モ
ードの補正関数を予め設定しておき、この関数を含めて
陽極蓄積熱量をコンピュータ演算させる構成にできる。
そして、このような間欠曝射のモード及びそれに対応す
る補正関数を幾つか設定しておけば、十分短い演算処理
で制御可能な装置構成を実現できる。
【0087】なお、本発明はCTスキャナに限られず、
一般医療用の撮影装置や工業用のX線撮影、或いはX線
露光装置、その他種々のX線装置に広く適用できる。ま
た、搭載する回転陽極型X線管は、前述のように軸受抵
抗が比較的大きいため極度に高い陽極回転速度まで瞬時
に且つ小刻みに変えることが困難な動圧式すべり軸受を
有するX線管の場合に好適であるが、それに限られず、
玉軸受等を使用したX線管であってもよい。
【0088】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
搭載した回転陽極型X線管の保有している能力すなわち
熱容量を常に最大限利用して、次のX線曝射までの待ち
時間を常に最小限に止めるように自動制御できる。した
がって、次回のX線曝射までの待ち時間が短く、且つ高
い信頼性及び高速自動制御が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す概略構成図。
【図2】図1のX線管装置を示す概略縦断面図。
【図3】図2のX線管の一部を示す縦断面図。
【図4】図3の一部を示す側面図。
【図5】図4の要部の上面図。
【図6】図1の演算・制御手段の構成を示すブロック
図。
【図7】図6の一部の演算用テーブルの設定関数の概念
図。
【図8】図7の制御を説明するグラフ。
【図9】この発明の他の実施例の制御を示すグラフ。
【図10】この発明のさらに他の実施例の被撮影物の要
部及びその制御を示すグラフ。
【図11】この発明のさらに他の実施例の被撮影物の要
部及びその制御を示すグラフ。
【図12】一般的なX線管の陽極部を示す縦断面図。
【図13】一般的な回転陽極の温度分布を示すグラフ及
び平面図。
【図14】一般的な回転陽極の蓄積熱量の変化を示す特
性図。
【図15】一般的な制御手段による陽極蓄積熱量の変化
を示すグラフ。
【図16】一般的な制御による陽極入力電力と陽極各部
の温度変化を示すグラフ。
【符号の説明】
29…主電源・制御装置 20…X線管装置 31…回転陽極型X線管 40…回転陽極 40a…回転陽極の基体 40b…回転陽極のターゲット部 35…回転体 42…固定体 37…陰極 44,45,46,47…軸受
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H05G 1/26 H05G 1/26 G 1/66 1/66 E

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線放射用ターゲット部を有する回転陽
    極、この回転陽極の前記ターゲット部に向けて電子ビー
    ムを放出する陰極、上記回転陽極が固定された回転体、
    この回転体を回転可能に保持する固定体、これら回転体
    及び固定体の間に設けられた軸受を備える回転陽極型X
    線管と、このX線管の回転陽極に上記電子ビームを入射
    させてX線曝射をさせるX線管動作用電源装置と、この
    X線管動作用電源装置の動作を制御して上記X線曝射を
    制御するX線曝射制御装置とを具備するX線装置におい
    て、 上記X線曝射制御装置は、上記X線管の回転陽極の許容
    最大蓄積熱量(Qlm)に対応するデータ情報を設定す
    る許容最大蓄積熱量データ設定手段と、 上記X線管の回転陽極の冷却特性(Ct)に基づいて現
    時の陽極蓄積熱量(Qt)に対応するデータ情報を演算
    する現時陽極蓄積熱量データ演算手段と、 次回予定のX線曝射条件でのX線曝射開始からX線曝射
    終了までの陽極入力電力(P)及びX線曝射継続時間
    (T)に対応するデータ情報を含む演算により次回予定
    陽極入力総熱量(Qsn)に対応するデータ情報を演算
    する次回予定陽極入力総熱量データ演算手段と、 上記X線管の陽極入力電力(P)に依存する値として定
    めた補正関数(K(p))に対応するデータ情報、X線
    曝射継続時間(T)に依存する値として定めた補正関数
    (L(T))に対応するデータ情報、X線焦点サイズ
    (f)に依存する値として定めた補正関数(M(f))
    に対応するデータ情報、及び陽極回転速度(r)に依存
    する値として定めた補正関数(N(r))に対応するデ
    ータ情報のうちの少なくとも1つのデータ情報を設定す
    る補正関数データ設定手段と、 上記次回予定陽極入力総熱量(Qsn)に対応するデー
    タ情報、及び上記補正関数データ設定手段に設定されて
    いる上記少なくとも1つのデータ情報を含む演算により
    上記次回のX線爆射条件での次回仮想陽極蓄積熱量(Q
    s)に対応するデータ情報を演算する次回仮想陽極蓄積
    熱量演算手段と、 上記許容最大蓄積熱量(Qlm)に対応するデータ情
    報、上記現時陽極蓄積熱量(Qt)に対応するデータ情
    報、及び上記次回仮想陽極蓄積熱量(Qs)に対応する
    データ情報を含む演算により上記次回のX線曝射条件で
    のX線爆射の許可又は不許可のデータ情報を得る次回X
    線曝射許可又は不許可データ演算手段とを具備すること
    を特徴とするX線装置。
  2. 【請求項2】 X線放射用ターゲット部を有する回転陽
    極、この回転陽極の前記ターゲット部に向けて電子ビー
    ムを放出する陰極、上記回転陽極が固定された回転体、
    この回転体を回転可能に保持する固定体、これら回転体
    及び固定体の間に設けられた軸受を備える回転陽極型X
    線管と、このX線管の回転陽極に上記電子ビームを入射
    させてX線曝射をさせるX線管動作用電源装置と、この
    X線管動作用電源装置の動作を制御して上記X線曝射を
    制御するX線曝射制御装置とを具備するX線装置におい
    て、 上記X線曝射制御装置は、上記X線管の回転陽極の許容
    最大蓄積熱量(Qlm)に対応するデータ情報を設定す
    る許容最大蓄積熱量データ設定手段と、 上記X線管の回転陽極の冷却特性(Ct)に基づいて現
    時の陽極蓄積熱量(Qt)に対応するデータ情報を演算
    する現時陽極蓄積熱量データ演算手段と、 次回予定のX線曝射条件でのX線曝射開始からX線曝射
    終了までの陽極入力電力(P)及びX線曝射継続時間
    (T)に対応するデータ情報を含む演算により次回予定
    陽極入力総熱量(Qsn)に対応するデータ情報を演算
    する次回予定陽極入力総熱量データ演算手段と、 上記X線管の陽極入力電力(P)に依存する値として定
    めた補正関数(K(p))に対応するデータ情報、X線
    曝射継続時間(T)に依存する値として定めた補正関数
    (L(T))に対応するデータ情報、X線焦点サイズ
    (f)に依存する値として定めた補正関数(M(f))
    に対応するデータ情報、及び陽極回転速度(r)に依存
    する値として定めた補正関数(N(r))に対応するデ
    ータ情報のうちの少なくとも1つのデータ情報を設定す
    る補正関数データ設定手段と、 上記次回予定陽極入力総熱量(Qsn)に対応するデー
    タ情報、及び上記補正関数データ設定手段に設定されて
    いる上記少なくとも1つのデータ情報とを含む演算によ
    り上記許容最大蓄積熱量(Qlm)よりも上記補正関数
    データ情報に対応した分を差し引いて上記次回のX線爆
    射条件での次回仮想許容限界蓄積熱量(Qln)に対応
    するデータ情報を演算する次回仮想許容限界蓄積熱量デ
    ータ演算手段と、上記次回X線曝射条件での次回仮想許
    容限界蓄積熱量(Qln)に対応するデータ情報、上記
    現時陽極蓄積熱量(Qt)に対応するデータ情報、及び
    上記次回予定陽極入力総熱量(Qsn)に対応するデー
    タ情報を含む演算により上記次回のX線曝射条件でのX
    線爆射の許可又は不許可のデータ情報を得る次回X線曝
    射許可又は不許可データ演算手段とを具備することを特
    徴とするX線装置。
  3. 【請求項3】 上記X線曝射制御装置は、X線曝射継続
    時間中に上記X線管への陽極入力電力(P)を変化させ
    る少なくとも1つの陽極入力電力変化制御モード設定手
    段を有する請求項1、又は請求項2記載のX線装置。
  4. 【請求項4】 上記X線曝射制御装置は、一連のX線曝
    射継続時間中に間欠的にX線曝射を行なう少なくとも1
    つの間欠曝射制御モード設定手段を有する請求項1、又
    は請求項2記載のX線装置。
  5. 【請求項5】 上記X線管の回転陽極は、高融点金属か
    らなる円盤状基体及び表面ターゲット部とを有する請求
    項1、又は請求項2記載のX線装置。
  6. 【請求項6】 上記X線管の軸受は、らせん溝を備え且
    つ動作中に液状である金属潤滑剤が供給された動圧式す
    べり軸受を有する請求項1、又は請求項2記載のX線装
    置。
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