JPH10332809A - Dbfレーダ装置 - Google Patents

Dbfレーダ装置

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JPH10332809A
JPH10332809A JP9136837A JP13683797A JPH10332809A JP H10332809 A JPH10332809 A JP H10332809A JP 9136837 A JP9136837 A JP 9136837A JP 13683797 A JP13683797 A JP 13683797A JP H10332809 A JPH10332809 A JP H10332809A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 観測方向の切り換えを行なっても、検波ビデ
オ信号に対して正確なクラッタ除去処理を施すことが可
能なDBFレーダ装置を提供する。 【解決手段】 クラッタマップ記憶回路70は、クラッ
タマップ生成制御回路60の制御により、予め各観測方
向のレンジセル毎に観測しておいたクラッタ等の不要成
分のレベルデータを記憶する。CFAR回路80は、D
BF回路40から入力される検波ビデオ信号に含まれる
不要成分の平均レベルをN個の検波ビデオ信号から求
め、観測対象となる検波ビデオ信号からこの平均レベル
を消去するもので、上記N個の検波ビデオ信号に観測方
向の切り換え前後の信号が混在する場合には、このN個
の検波ビデオ信号のうち観測対象となる検波ビデオ信号
と異なる方向にて観測された信号についてはクラッタマ
ップ記憶回路70に記憶しておいたデータに置換して不
要成分の平均レベルを求めるようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、任意にビーム形
成方向が切り換え可能なDBF(Digital Beam Formin
g)レーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、従来のDBFレーダ装置
は、図6に示すように、アンテナ11〜1nと、受信機
(RX)21〜2nと、A/D変換器(A/D)31〜
3nと、ディジタルビーム形成器(以下、DBF回路と
略称する)40と、ビーム走査制御回路50と、CFA
R(Constant False Alarm Rate )回路8とを備えてい
る。
【0003】目標物によって反射されたパルス信号はク
ラッタとともに、アンテナ11〜1nによって受信さ
れ、それぞれアンテナ11〜1nに対応する受信機21
〜2nに受信信号として入力される。
【0004】そして、これらの受信信号は、受信機21
〜2nによってそれぞれ低周波数に周波数変換されたの
ち、対応するA/D変換器31〜3nによりディジタル
信号に変換され、DBF回路40に入力される。
【0005】DBF回路40は、ビーム走査制御回路5
0からの制御信号によってビームの形成方向が制御され
るもので、各A/D変換器31〜3nにてディジタル変
換された受信信号に対してI/Q直交検波を行なったの
ちビーム形成を行ない、レンジセル毎の検波ビデオ信号
を生成する。
【0006】CFAR回路8は、上記検波ビデオ信号か
ら熱雑音やクラッタ成分を除去する処理を施すもので、
例えば、図7に示すように遅延回路91と低域フィルタ
92と減算器93とからなる微分回路である。
【0007】このCFAR回路8では、低域フィルタ9
2にて検波ビデオ信号を平均化することにより熱雑音や
クラッタ成分の平均値レベルを求める。そして、減算器
93にて、遅延回路91を通過した検波ビデオ信号より
上記平均値レベルを減算して熱雑音やクラッタ成分を消
去するようにしている。
【0008】ところで、近時、例えば図3に示すよう
に、A方向の目標物T1に対する観測を行ない、上記目
標物T1からの反射パルスが受信されない(観測されな
い)期間においてはB方向の目標物T2にビームの形成
方向(観測方向)を切り換えて観測を行なうことによ
り、複数の目標物に対する観測を可能とするレーダ装置
の開発が進められている。
【0009】しかしながら、このような観測方向を切り
換えるレーダ装置では、通常、観測方向の切り換え前後
でクラッタなどの差により受信信号の振幅レベルが不連
続に変化する。このため、上述したCFAR回路8にあ
るように検波ビデオ信号の平均値レベルを用いた処理を
行なう場合には、平均値レベルを求める際に切り換え前
後の振幅レベルが混同して用いられることになる。
【0010】すなわち、切り換え前の方向のクラッタ除
去処理において、切り換え後の方向の受信信号を含めた
平均値レベルが用いられることになり、また切り換え後
の方向のクラッタ除去処理においては切り換え前の方向
の受信信号を含めた平均値レベルが用いられることにな
る。
【0011】したがって、例えば図4(c)に示すよう
に受信信号の振幅レベルが切り換え前後で小さくなる方
向に変化する場合には、A方向のクラッタ除去処理では
振幅レベルの低いB方向の受信信号を含めた平均値レベ
ルが用いられることになるため、クラッタ成分がCFA
R回路8にて十分除去されず目標物の誤検出を招く可能
性が高く、またB方向のクラッタ除去処理では振幅レベ
ルの高いA方向の受信信号を含めた平均値レベルが用い
られることになるため、CFAR回路8にて目標物から
の反射成分まで除去してしまい目標物を検出し損なう可
能性が高いという問題がある。なお、この問題は、地上
物や海面によるクラッタの影響を受ける低空目標を観測
する場合に一層顕著なものとなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従来のDBFレーダ装
置では、観測方向の切り換えを行なうと、受信信号に対
して正確なクラッタ除去処理が施されないという問題が
あった。この発明は上記の問題を解決すべくなされたも
ので、観測方向の切り換えを行なっても、受信信号に対
して正確なクラッタ除去処理を施し、目標物の誤検出や
未検出を防止することが可能なDBFレーダ装置を提供
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明に係わるDBFレーダ装置は、ビームの
形成方向を制御して複数の方向に対する観測を選択的に
行なうことが可能で、観測対象のレンジセル近傍の受信
信号より観測対象のレンジセルの受信信号に含まれるク
ラッタ成分を求め、このクラッタ成分を除去した受信信
号を得るDBFレーダ装置において、予め観測領域内の
各レンジセルからの受信信号から求めたクラッタ成分の
データを各レンジセルに対応させて記憶するクラッタ情
報記憶手段と、観測方向の切り換えにより観測対象のレ
ンジセル近傍の受信信号が所定数得られなかった場合
に、観測対象のレンジセル近傍より得られた受信信号と
クラッタ情報記憶手段に記憶される観測対象のレンジセ
ル近傍のクラッタ成分のデータとに基づいて、観測対象
のレンジセルの受信信号に含まれるクラッタ成分を求め
るクラッタ情報検出手段と、このクラッタ情報検出手段
にて求めたクラッタ成分を、観測対象のレンジセルから
の受信信号から除去するクラッタ成分除去手段とを具備
して構成するようにした。
【0014】上記構成のDBFレーダ装置では、観測方
向の切り換えにより観測対象のレンジセル近傍の受信信
号が所定数得られなかった場合に、受信できた観測対象
のレンジセル近傍の受信信号とクラッタ情報記憶手段に
記憶される観測対象のレンジセル近傍のクラッタ成分の
データとに基づいて、観測対象のレンジセルの受信信号
に含まれるクラッタ成分を求め、このクラッタ成分を観
測対象のレンジセルの受信信号から除去するようにして
いる。
【0015】したがって、上記構成のDBFレーダ装置
によれば、観測方向の切り換えを行なっても、観測対象
のレンジセルの受信信号に含まれるクラッタ成分を求め
る際に、異なる観測方向の受信データが混同して用いら
れることがなく、また上記クラッタ成分を求めるのに不
足するデータを予め観測しておいたクラッタ成分のデー
タを用いて補うことができるため、受信信号に対して正
確なクラッタ除去処理を施すことが可能で、目標物の誤
検出や未検出を防止することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の一実施形態について説明する。図1は、この発明の一
実施形態に係わるDBFレーダ装置の構成を示すもので
ある。但し、図1において、従来のDBFレーダ装置の
構成を示す図6と同一部分には同一符号を付して示し、
ここでは異なる部分を中心に述べる。
【0017】このDBFレーダ装置は、アンテナ11〜
1nと、受信機21〜2nと、A/D変換器31〜3n
と、DBF回路40と、ビーム走査制御回路51と、ク
ラッタマップ生成制御回路60と、クラッタマップ記憶
回路70と、CFAR回路80と、目標検出回路90と
を備えている。
【0018】目標物によって反射されたパルス信号はク
ラッタとともに、アンテナ11〜1nによって受信さ
れ、それぞれ受信機21〜2nによって低周波数に周波
数変換されたのち、対応するA/D変換器31〜3nに
よりディジタル信号に変換され、DBF回路40に入力
される。
【0019】そして、DBF回路40では、各A/D変
換器31〜3nにてディジタル変換された受信信号に対
してI/Q直交検波を行なったのち、後述のビーム走査
制御回路51からの制御信号により指示される方向にビ
ーム形成を行なって、レンジセル毎の検波ビデオ信号を
生成する。この検波ビデオ信号は、クラッタマップ生成
制御回路60とCFAR回路80とに入力される。
【0020】ビーム走査制御回路51は、後述の目標検
出回路90から通知される観測方向データと目標物検出
信号に基づいて、DBF回路40のビーム形成方向(以
下、観測方向と称する)を制御するもので、上記制御信
号を通じて目標物が検出されない期間において他の方向
に対する観測を行なうようにDBF回路40を制御す
る。
【0021】クラッタマップ生成制御回路60は、当該
DBFレーダ装置が目標物を観測する前などに、予め目
標物が存在していないレンジセルの熱雑音やクラッタな
どの不要成分のレベル(以下、クラッタレベルデータと
称する)を求めるものである。
【0022】そして、クラッタマップ生成制御回路60
は、後述の目標検出回路90から通知される観測方向デ
ータと観測レンジデータから上記クラッタレベルデータ
を観測したレンジセルを求め、このレンジセルに上記ク
ラッタレベルデータを対応させてクラッタマップ記憶回
路70に記録する。
【0023】クラッタマップ記憶回路70は、上述した
ようにクラッタマップ生成制御回路60の制御によりク
ラッタレベルデータを観測したレンジセルに対応させて
記憶するもので、後述のCFAR回路80によって読み
出し制御される。
【0024】CFAR回路80は、DBF回路40から
入力される検波ビデオ信号に対して、熱雑音やクラッタ
成分を除去する処理を施すもので、例えば、図2に示す
ようにシフトレジスタ81と、加算器82と、平均化回
路(1/N)83と、乗算器(×k)84と、減算器8
5と、データ入力制御回路86とからなる。
【0025】シフトレジスタ81は、DBF回路40か
ら入力される検波ビデオ信号を順次シフトして記憶する
N個のレジスタで、DBF回路40から新たな検波ビデ
オ信号が入力される度に、蓄えている全て(N個)の検
波ビデオ信号を後述のデータ入力制御回路86を介して
加算器82に入力するとともに、N個のうち中間のレジ
スタであるm番目のレジスタに記憶している検波ビデオ
信号(以下、判定対象レンジ信号と称する)を減算器8
5の第1の入力端子に入力する。
【0026】加算器82は、データ入力制御回路86よ
り入力されるN個の検波ビデオ信号を加算し、この加算
結果を平均化回路83に入力する。平均化回路83は、
上記加算結果をNで割って平均化することにより、上記
N個の検波ビデオ信号に含まれる熱雑音やクラッタなど
の不要成分の平均レベルを求め、この平均化レベルを乗
算器84に入力する。乗算器84は、上記不要成分の平
均レベルをk倍してレベル補正を行ない、このレベル補
正結果を減算器85の第2の入力端子に入力する。
【0027】減算器85では、上記第1の入力端子に入
力される判定対象レンジ信号より、第2の入力端子に入
力される上記不要成分の平均レベルの補正結果を減算し
て、判定対象レンジ信号よりクラッタなどの影響を除去
する。この減算結果は、後述の目標検出回路90に入力
される。
【0028】データ入力制御回路86は、目標検出回路
90から通知される観測方向データおよび観測レンジデ
ータから、シフトレジスタ81より入力されるN個の検
波ビデオ信号に異なる観測方向にて受信した信号が混在
しているか否かを判定し、この判定の結果に応じて上記
N個の検波ビデオ信号に対して以下の処理を施す。
【0029】データ入力制御回路86は、上記判定で、
観測方向の切換制御が行なわれておらず、上記N個の検
波ビデオ信号に観測方向の切り換え前後の検波ビデオ信
号が混在していないと判定した場合には、シフトレジス
タ81より入力されるN個の検波ビデオ信号をそのまま
加算器82に入力する。
【0030】一方、上記判定で、観測方向の切換制御が
行なわれ、N個の検波ビデオ信号に切り換え前後の検波
ビデオ信号が混在すると判定した場合には、シフトレジ
スタ81のm番目のレジスタより入力された判定対象レ
ンジ信号と同じ観測方向にて受信したものではない検波
ビデオ信号を、クラッタマップ記憶回路70に記憶され
るクラッタレベルデータで置換して、加算器82に入力
するN個の検波ビデオ信号を判定対象レンジ信号と同じ
観測方向で受信したデータに統一する。
【0031】目標検出回路90は、観測用の送信パルス
を送信する送信部(図示しない)からパルス送信の時刻
情報が入力され、この時刻情報から上記判定対象レンジ
信号を観測したレンジを求め、このレンジを観測レンジ
データとして観測方向を示す観測方向データと共に、ク
ラッタマップ生成制御回路60およびCFAR回路80
に入力する。
【0032】また、目標検出回路90は、前述のCFA
R回路80にて不要成分の除去処理が施された判定対象
レンジ信号のレベルを、予め設定された閾値レベルと比
較してレベル判定を行なう。そして、判定対象レンジ信
号が上記閾値レベルを越えていた場合には、上記判定対
象レンジ信号に対応するレンジセルに目標物が存在する
ものとして、上記観測方向データと共に目標物検出信号
を後段の指示装置や警報装置(共に図示しない)の他
に、ビーム走査制御回路51に入力する。
【0033】次に、上記構成のDBFレーダ装置が観測
方向を切り換えて、図3に示すようにA方向の目標物T
1とB方向の目標物T2とを連続的に観測する場合の動
作について説明する。なお、以下の説明では、観測方向
の切換時刻をt1と、その距離(切換レンジ)をRtと
する。
【0034】目標検出回路90は目標物T1からの反射
パルスの受信後の切換時刻t1においてビーム走査制御
回路51にB方向を指示する観測方向データを入力す
る。これに対して、ビーム走査制御回路51が観測方向
をA方向からB方向に切り換えるようにDBF回路40
を制御する。このような切り換え制御によってDBF回
路40にて得られた検波ビデオ信号は、順次シフトレジ
スタ81に入力される。
【0035】なお、ここでは、A方向より得られる受信
信号が図4(a)に示すような振幅波形となり、またB
方向より得られる受信信号が図4(b)に示すような振
幅波形となるものとする。そして、切換時刻t1にて観
測方向をA方向からB方向に切り換えることにより、図
4(c)に示すように切換時刻t1において振幅レベル
が不連続となる受信信号の検波ビデオ信号がDBF回路
40より得られたものとする。
【0036】シフトレジスタ81にはN個の検波ビデオ
信号が蓄積され、新たに受信された検波ビデオ信号がシ
フトレジスタ81に入力されるのに同期して、蓄積され
ているN個の検波ビデオ信号がデータ入力制御回路86
に入力されるとともに、m番目のレジスタに蓄積されて
いる判定対象レンジ信号が減算器85に入力される。
【0037】なお、図5は、Nを7(mを4)とした場
合に、シフトレジスタ81からデータ入力制御回路86
に入力される7個の検波ビデオ信号と観測方向の切り換
えタイミングとの関係を示すものである。
【0038】そして、データ入力制御回路86では、入
力された上記N個の検波ビデオ信号を受信した期間に観
測方向の切換制御が行なわれていない場合、すなわちデ
ータ入力制御回路86に入力されたN個の検波ビデオ信
号が全て同じ観測方向より受信されたものである場合に
は、そのまま加算器82に入力される。
【0039】一方、上記N個の検波ビデオ信号の受信し
た期間に観測方向の切換制御が行なわれ、上記N個の検
波ビデオ信号にA方向で観測したものとB方向で観測し
たものとが混在している場合には、データ入力制御回路
86によってN個の検波ビデオ信号の一部がクラッタマ
ップ記憶回路70に記憶されるクラッタレベルデータに
置換する処理が施される。
【0040】この置換処理では、まず、ビーム走査制御
回路51からの観測方向データと距離データとに基づい
て、N個の検波ビデオ信号から図5に示すような置換の
対象となる検波ビデオ信号(以下、置換対象データと称
する)が求められる。この置換対象データは、シフトレ
ジスタ81から入力されたN個の検波ビデオ信号のう
ち、m番目のレジスタに記憶される判定対象レンジ信号
と異なる観測方向にて観測した検波ビデオ信号である。
【0041】次にデータ入力制御回路86は、上記置換
対象データが観測されたレンジセルと同じレンジで、な
おかつ判定対象レンジ信号と同じ観測方向のクラッタレ
ベルデータをクラッタマップ記憶回路70から読み出
し、上記置換対象データを上記読み出したクラッタレベ
ルデータで置換する。このような置換処理により、シフ
トレジスタ81から入力されたN個の検波ビデオ信号
は、判定対象レンジ信号と同じ観測方向のデータに統一
され、加算器82に入力される。
【0042】加算器82に入力されたN個のデータ(検
波ビデオ信号とクラッタレベルデータ)は、加算器82
にて加算された後、平均化回路83にて1/Nされて平
均化される。これにより、観測方向が統一されたデータ
に基づく不要成分の平均レベルが求められ、この不要成
分の平均レベルは、乗算器84によりk倍されてレベル
が補正されたのち、減算器85に入力される。
【0043】減算器85では、上記シフトレジスタ81
からの判定対象レンジ信号より、上記不要成分の平均レ
ベルを減算して、上記判定対象レンジ信号より熱雑音や
クラッタ成分を消去する。
【0044】減算器85にて不要成分が消去された判定
対象レンジ信号は、判定回路(図示しない)にてレベル
判定が行なわれ、予め設定された閾値を越えていた場合
には上記判定対象レンジ信号に対応するレンジセルに目
標物が存在するものと判定される。
【0045】以上のように、上記構成のDBFレーダ装
置では、予め観測しておいた熱雑音やクラッタなどの不
要成分のレベルデータを各観測方向のレンジセルに対応
させてクラッタマップ記憶回路70に記憶させておく。
【0046】そして、検波ビデオ信号に含まれる不要成
分の平均レベルを求める際にその基礎となるN個の検波
ビデオ信号に切り換え前後の検波ビデオ信号が混在する
場合には、このN個のレンジセルの検波ビデオ信号のう
ち、観測対象となるレンジセルと異なる方向にて観測さ
れた検波ビデオ信号(置換対象データ)を上記クラッタ
マップ記憶回路70に記憶しておいた不要成分のレベル
データに置換して、観測方向が統一されたN個の検波ビ
デオ信号を得る。そして、この観測方向が統一されたN
個の検波ビデオ信号に基づいて不要成分の平均レベルを
求め、このレベルを観測対象となるレンジセルに対応す
る検波ビデオ信号から消去するようにしている。
【0047】したがって、上記構成のDBFレーダ装置
によれば、観測方向が統一されたN個の検波ビデオ信号
に基づいて求められた不要成分の平均レベルを用いて、
正確なクラッタ除去処理を施すことが可能で、これによ
り目標物の誤検出や未検出を防止することができる。
【0048】また、上記構成のDBFレーダ装置では、
クラッタマップ生成制御回路60を設けて、この回路に
より観測したクラッタレベルデータをクラッタマップ記
憶回路70に記録するようにしている。このため、必要
に応じてクラッタマップ記憶回路70のデータを更新す
ることにより当該DBFレーダ装置の観測領域における
地上固定物の変化や気象条件の変化などに対応すること
ができる。その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で
種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいう
までもない。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、この発明では、観測
方向の切り換えにより観測対象のレンジセル近傍の受信
信号が所定数得られなかった場合に、受信できた観測対
象のレンジセル近傍の受信信号とクラッタ情報記憶手段
に記憶される観測対象のレンジセル近傍のクラッタ成分
のデータとに基づいて、観測対象のレンジセルの受信信
号に含まれるクラッタ成分を求め、このクラッタ成分を
観測対象のレンジセルの受信信号から除去するようにし
ている。
【0050】したがって、この発明によれば、観測方向
の切り換えを行なっても、観測対象のレンジセルの受信
信号に含まれるクラッタ成分を求める際に、異なる観測
方向の受信データが混同して用いられることがなく、ま
た上記クラッタ成分を求めるのに不足するデータを予め
観測しておいたクラッタ成分のデータを用いて補うこと
ができるため、受信信号に対して正確なクラッタ除去処
理を施すことが可能で、目標物の誤検出や未検出を防止
することが可能なDBFレーダ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わるDBFレーダ装置の一実施形
態の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示したDBFレーダ装置のCFAR回路
の構成を示す回路ブロック図。
【図3】図1に示したDBFレーダ装置の観測方向の切
り換えを説明するための図。
【図4】A方向、B方向およびA方向とB方向をそれぞ
れ観測した場合に得られる受信信号の振幅波形図。
【図5】観測方向の切り換えタイミングとシフトレジス
タからデータ入力制御回路に入力されるN個のレンジセ
ルの検波ビデオ信号との関係、置換対象データなどを説
明するための図。
【図6】従来のDBFレーダ装置の構成を示す回路ブロ
ック図。
【図7】図6に示したDBFレーダ装置のCFAR回路
の構成を示す回路ブロック図。
【符号の説明】
11〜1n…アンテナ 21〜2n…受信機(RX) 31〜3n…A/D変換器(A/D) 40…DBF回路 51…ビーム走査制御回路 52…制御バスライン 60…クラッタマップ生成制御回路 70…クラッタマップ記憶回路 80…CFAR回路 81…シフトレジスタ 82…加算器 83…平均化回路(1/N) 84…乗算器(×k) 85…減算器 86…データ入力制御回路 90…目標検出回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビームの形成方向を制御して複数の方向
    に対する観測を選択的に行なうことが可能で、観測対象
    のレンジセル近傍の受信信号より前記観測対象のレンジ
    セルの受信信号に含まれるクラッタ成分を求め、このク
    ラッタ成分を除去した受信信号を得るDBFレーダ装置
    において、 予め観測領域内の各レンジセルからの受信信号から求め
    たクラッタ成分のデータを各レンジセルに対応させて記
    憶するクラッタ情報記憶手段と、 観測方向の切り換えにより観測対象のレンジセル近傍の
    受信信号が所定数得られなかった場合に、前記観測対象
    のレンジセル近傍より得られた受信信号と前記クラッタ
    情報記憶手段に記憶される前記観測対象のレンジセル近
    傍のクラッタ成分のデータとに基づいて、前記観測対象
    のレンジセルの受信信号に含まれるクラッタ成分を求め
    るクラッタ情報検出手段と、 このクラッタ情報検出手段にて求めたクラッタ成分を、
    前記観測対象のレンジセルからの受信信号から除去する
    クラッタ成分除去手段とを具備することを特徴とするD
    BFレーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記クラッタ情報検出手段は、観測方向
    の切り換えにより観測対象のレンジセル近傍の受信信号
    が所定数得られなかった場合に、前記観測対象のレンジ
    セル近傍より得られた受信信号と前記クラッタ情報記憶
    手段に記憶される前記観測対象のレンジセル近傍のクラ
    ッタ成分のデータとから、前記観測対象のレンジセル周
    辺のクラッタ成分の平均レベルを求め、 前記クラッタ成分除去手段は、前記観測対象のレンジセ
    ルからの受信信号から前記前記クラッタ情報検出手段に
    て求めたクラッタ成分の平均レベルを減算することによ
    り、前記受信信号に含まれるクラッタ成分を除去するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のDBFレーダ装置。
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JP2015125118A (ja) * 2013-12-27 2015-07-06 三菱電機株式会社 目標検出装置
KR102311699B1 (ko) * 2020-04-09 2021-10-12 한화시스템 주식회사 레이다 장치 및 이를 이용한 표적 탐지 방법

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