JP2750191B2 - レーダ信号処理方式 - Google Patents

レーダ信号処理方式

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JP2750191B2 JP2046393A JP4639390A JP2750191B2 JP 2750191 B2 JP2750191 B2 JP 2750191B2 JP 2046393 A JP2046393 A JP 2046393A JP 4639390 A JP4639390 A JP 4639390A JP 2750191 B2 JP2750191 B2 JP 2750191B2
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【発明の詳細な説明】 〔概要〕 パルスレーダから得られた信号をクラッタマップを通
す一方、CFAR回路を通して誤警報確率を一定にしてター
ゲットのみを検出するレーダ信号処理方式に関し、 CFAR回路にポイントクラッタの洩れ込みが入来しても
その影響なくターゲットのみを正確に検出することを目
的とし、 ポイントクラッタが存在するレンジビンがCFAR回路の
平均化セルに対応しているときは該平均化セル中の該当
セルをブランク状態にして該該当セルをCFAR回路におけ
る閾値設定のための加算動作に用いないようにする一
方、ポイントクラッタが存在するレンジビンがCFAR回路
のテストセルに対応しているときはCFAR回路の閾値を強
制的に増大させるように夫々制御する制御手段を設けた
構成とする。
〔産業上の利用分野〕
本発明は、パルスレーダから得られた信号をクラッタ
マップを通す一方、CFAR回路(以下、CFARという)を通
して誤警報確率を一定にしてターゲットのみを検出する
レーダ信号処理方式に関する。
レーダを使用してある移動しているターゲットを検出
する場合、一般には移動ターゲットのエコーの他に地面
からのエコーもレーダに入来するために、ターゲットの
みを確実に検出することは困難である。そこで、地面か
らのエコー(クラッタ(エコー妨害)と称し、ターゲッ
ト検出に支障のある信号)の影響なくターゲットのみを
確実に検出することが必要である。
〔従来の技術〕
第5図は従来方式の一例のブロック図を示す。同図に
おいて、レーダからの信号は低域フィルタ1にて周波数
が零付近の信号つまり垂直方向に移動しているターゲッ
トからのエコーや地面からのエコー(これらをゼロ・ド
プラ信号という)成分が取出され、クラッタマップ2に
供給されて閾値とレベル比較され、ターゲット検出判定
回路6に供給される。例えば、ターゲットが垂直方向の
みに移動している場合、ゼロ・ドプラ信号はクラッタマ
ップ2に設定されている閾値を越え、これがターゲット
検出判定回路6にて検出判定される。
一方、レーダ信号はMTI(ムービング・ターゲット・
インジケータ)3にてゼロ・ドプラ信号成分を抑圧され
てノンゼロ・ドプラ信号(垂直方向以外の方向に移動す
るターゲットからのエコー)とされ、FFTドプラフィル
タ4に供給される。FFTドプラフィルタ4には複数のド
プラバンクF0〜Fmaxに対応して夫々異なる周波数帯域
をもつフィルタ特性が設定されており、ノンゼロ・ドプ
ラ信号はここでドプラ周波数が選別され、つまりSN比が
向上されて各ドプラバンク毎に取出される。FFTドプラ
フィルタ4の出力はドプラバンクF0〜Fmaxに対応して
設けられているCFAR(誤警報確率を一定にする回路)5
0〜5maxにて閾値とレベル比較され、ターゲット検出判
定回路6にて閾値を越えたレベルをもつドプラバンクの
ノンゼロ・ドプラ信号をターゲットと検出判定する。CF
AR50〜5maxにおける閾値は、後述のように、入力信号
レベルの平均値をとってこれより少し上のレベルになる
ように設定される。又、ターゲット検出判定回路6にお
いて得られたターゲットはレーダビデオスコープに供給
され、ここに表示される。
第6図は従来のCFARの一例(Log-Cell Averaging CFA
R)の構成図を示す。同図はある一つの周波数バンクに
おけるCFARを示す。CFARは同図に示す如く、大略、log
変換回路9,シフトレジスタ部10,閾値設定部11,コンパレ
ータ12にて構成されている。シフトレジスタ部10はM個
の平均化セル131,132,テストセル14にて構成されてお
り、平均化セル131,132とテストセル14との間はガード
セルとされている。ここで、第4図に示すようなレーダ
信号がlog変換回路9を介してシフトレジスタ部10に時
系列的に入来すると、平均セル131,132の出力が加算器1
51,152,153で加算され、平均化回路16で平均化され、加
算器17で誤警報確率Pfaによって決まる固定値Tを加算
されて閾値とされる。一方テストセル14の出力はコンパ
レータ12に供給され、加算器17からの閾値とレベル比較
される。この場合、第7図に示す如く、CFARにおいて
は、ノイズ特性Iとノイズ及び信号特性IIとが重なった
部分における振幅レベルを閾値(M+T)とし、これ以
上にノイズ特性Iが存在する部分を誤警報確率Rfaとす
る。
例えば、ターゲットのように距離R(R1,R2,…は距
離Rの最小単位で、レンジビンという)方向に対して急
峻なレベル変化をもつ反射波については、レンジビンR
mにおけるテストセル14の出力レベルとレンジビンRm
後における平均化セル131,132の出力レベルの平均値か
ら得られた閾値レベルA2との比較により、ターゲット
のレベルは閾値レベルA2以上になる。このようにCFAR5
0〜5maxにおいてレベル比較された結果はターゲット検
出判定回路6に供給され、閾値レベル以上の反射波をタ
ーゲットと判定する。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、MTI3はゼロ・ドプラ信号成分を抑圧するも
のであるが、その出力にはまだゼロ・ドプラ信号成分が
多く含まれており、レンジビンR1〜Rmaxに対応してか
なりの大きさのクラッタレベルが認められる。一般に、
クラッタ環境というものは空間的、時間的に一定ではな
く、レーダ領域内において一定であることは考えられな
い。このため、FFTドプラフィルタ4のある一つのバン
クNについてみた場合、第4図に示すようにターゲット
と共にポイントクラッタの洩れ込みも存在する。即ち、
バンクNのフィルタ特性は第8図に実線で示す如くであ
り、バンク(N+1)その他のフィルタ特性はバンクN
に準じて破線で示す如くであり、例えばバンクNのフィ
ルタで例えば低周波数域にポイントクラッタ洩れ込みが
存在する。
従って、バンクNのCFARとレーダ信号との位置相対関
係において、そのCFARが第4図にCFAR(A)に示す状態
にあるとき(ターゲットがテストセル14に対応)、ポイ
ントクラッタの洩れ込みによって平均化セル131,132
平均値から得られる閾値レベルはA1に示すように比較
的大きなレベルとなり、つまり、ターゲットがテストセ
ル14に対応したとき、ポイントクラッタの洩れ込みの影
響によってターゲット検出のための閾値レベルA1は大
となり、ターゲットがテストセル14に存在するにも拘ら
ず、ターゲットは閾値レベルA1未満ということになっ
てターゲットを正確に検出できない問題点があった。一
方、バンクNのCFARが第4図にCFAR(B)で示す状態に
あるとき(ポイントクラッタの洩れ込みがテストセル14
に対応)、平均化セル131,132に対応するレーダ信号レ
ベルは低いので閾値レベルはB2に示すように比較的小
さなレーダとなり、ポイントクラッタをターゲットとし
て誤検出してしまう問題点があった。
本発明は、CFARにポイントクラッタの洩れ込みが入来
してもその影響なくターゲットのみを正確に検出できる
レーダ信号処理方式を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
第1図は本発明の原理図を示す。同図中、30はクラッ
タマップで、レーダ信号から得られたゼロ・ドプラ信号
を供給されてレーダの各レンジビン毎のマップを得る。
31はCFARで、レーダ信号からのノンゼロ・ドプラ信号を
周波数分割した後の信号レベルを逐次設定される閾値レ
ベルと比較して比較結果を得る。32はターゲット判定手
段で、クラッタマップ30の出力及びCFAR31の出力に基づ
いてターゲットを判定する。
本発明では、ポイントクラッタが存在するレンジビン
がCFAR31の平均化セルに対応しているときは平均化セル
中の該当セルをブランク状態にして該該当セルをCFAR31
における閾値設定のための加算動作に用いないようにす
る一方、ポイントクラッタが存在するレンジビンがCFAR
31のテストセルに対応しているときはCFAR31の閾値を強
制的に増大させるように夫々制御する。
〔作用〕
ポイントクラッタのレンジビンがCFAR31の平均化セル
に対応しているときは平均化セルの該当セルをブランク
状態にすることにより閾値レベルが低下し、本来のター
ゲットがテストセルに対応している場合にそのターゲッ
トをポイントクラッタの影響なく確実に検出できる。一
方、ポイントクラッタのレンジビンがテストセルに対応
しているときは閾値は増大させることにより、ポイント
クラッタをターゲットとして誤検出することを防止でき
る。
〔実施例〕
第2図は本発明の一実施例のブロック図を示し、同図
中、第5図と同一機能を有する部分には同一番号を付
す。第2図において、従来例と同様に、レーダ信号は低
域フィルタ1によってゼロ・ドプラ信号成分が取出さ
れ、クラッタマップ2のマップ更新フィルタ2aにてある
一定時間においてレベルを平均化されて各方位及び各レ
ンジビン毎にマップメモリ2bに格納される。この際、マ
ップ更新フィルタ2aでは一定時間経過すると内容が更新
され、順次新しい平均値が求められる。マップメモリ2b
からの出力はゼロ・ドプラ信号ターゲット検出回路2cに
おいてここに設定されている閾値とレベル比較され、従
来例と同様に、ターゲットが垂直方向のみに移動してい
る場合はゼロ・ドプラ信号が時間経過に従って閾値を越
え、これがターゲット検出判定回路6にて検出判定され
る。
一方、レーダ信号はMTI3にてノンゼロ・ドプラ信号と
され、FFTドプラフィルタ4に供給されてここに設定さ
れているドプラバンク毎のドプラ周波数が選別され、SN
比が向上されて各ドプラバンク毎に取出される。FFTド
プラフィルタ4の出力はCFAR200〜20maxにて閾値とレベ
ル比較され、ターゲット検出判定回路6にて閾値を越え
たレベルをもつドプラバンクのノンゼロ・ドプラ信号を
ターゲットと検出判定する。この場合、後述のように、
CFAR200〜20maxはスレッショルド、平均化セル制御回路
21の出力によって制御される。
ここで、従来例と同様に、MTI3の出力中に第4図に示
すようなクラッタ成分が含まれている場合について説明
する。低域フィルタ1はクラッタ成分も含めたゼロ・ド
プラ信号を検出するため、クラッタマップ2のマップメ
モリ2bにはレンジビンRnにポイントクラッタが存在す
るクラッタも格納されている。
スレッショルド、平均化セル制御回路21は、クラッタ
マップ2のマップ状態に応じてあるレベル以上をポイン
トクラッタとして判定する。この場合、第4図に示すバ
ンクNのレンジビンRnがポイントクラッタとして判定
される。この判定信号はCFAR200〜20maxに供給され、第
3図に示す如く、バンクNのCFARの平均化セル131〜132
のうちレンジビンRnに対応する平均化セルをブランク
状態にしていく。即ち、平均化セル131〜132にはレンジ
ビンR1から順に順次レーダ信号が時系列的に入来して
いくのでレンジビンRnが入る平均化セルは予めわかる
ので、CFARが第4図に示すCFAR(A)の状態にあるとき
は、このレンジビンRnが入る平均化セルを順次ブラン
ク状態に切換えていく。この切換えにより、上記ブラン
ク状態とされたセルからは出力が取出されないので、第
4図に示すようにターゲットに対する閾値レベルはA2
と低くなり、ターゲットをポイントクラッタの洩れ込み
の影響なく確実に検出できる。
一方、CFARが第4図に示すCFAR(B)の状態にあると
きは、スレッショルド、平均化セル制御回路21におい
て、MTI3及びFFTドプラフィルタ4のフィルタ特性(第
8図)に合わせてクラッタマップ2から求めたポイント
クラッタの洩れ込みレベルを計算し、この計算した値を
第3図に示す加算器17で加算して閾値レベルを第4図に
示すB1と高くなる。これにより、ポイントクラッタの
洩れ込みをターゲットとして誤検出することはない。
更に、クラッタマップ2の零ドプラ信号ターゲット検
出回路2cによって零ドプラターゲットが検出された場
合、スレッショルド、平均化セル制御回路21にてそのレ
ンジビン(例えばRn)が検出され、前記ポイントクラ
ッタの洩れ込みの場合と同様に、CFAR(A)の状態では
平均化セル131,132の該当セルをブランク状態に切換え
てターゲットの閾値レベルを低くする。これにより、前
述の場合と同様に、零ドプラターゲットの影響なく、タ
ーゲットのみを確実に検出できる。CFAR(B)の状態で
は閾値レベルを増加させ、零ドプラターゲットをターゲ
ットと誤検出することを防止する。
〔発明の効果〕
以上説明した如く、本発明によれば、クラッタマップ
で得られる信号を用いてCFARの平均化セルをブランク状
態にしたり、又は閾値を増大させるように制御している
ので、一つのCFAR内にポイトクラッタの洩れ込みと本来
のターゲットとが存在するような場合、ポイントクラッ
タの洩れ込みをターゲットとして誤検出してしまうよう
なことはなく、又、ポイントクラッタの洩れ込みの影響
なくターゲットを確実に検出できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原理図、 第2図は本発明の一実施例のブロック図、 第3図は本発明の要部の構成図、 第4図は従来例及び本発明における閾値レベルの設定を
説明する図、 第5図は従来の一例のブロック図、 第6図はCFARの一般的な動作を説明する図、 第7図はCFARにおける誤警報確率を説明する図、 第8図はFFTドプラフィルタのフィルタ特性を説明する
図である。 図において、 1は低域フィルタ(LPF)、2,30はクラッタマップ、2a
はマップ更新メモリ、2bはマップメモリ、2cは零ドプラ
信号ターゲット検出回路、3はムービング・ターゲット
・インジケータ(MTI)、4はFFTドプラフィルタ、6は
ターゲット検出判定回路、10はシフトレジスタ部、11は
閾値設定部、12はコンパレータ、131,132は平均化セ
ル、14はテストセル、151〜153,17は加算器、16は平均
化回路、200〜20max,31はCFAR回路、21はスレッショル
ド、平均化セル制御回路、32はターゲット判定手段、33
は制御手段 を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−180792(JP,A) 特開 平3−92783(JP,A) 特開 平3−242581(JP,A) 特開 平2−213788(JP,A) 特開 昭60−57282(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーダ信号から得られたゼロ・ドプラ信号
    をクラッタマップ(30)に供給してレーダの各レンジビ
    ン毎のマップを得る一方、該レーダ信号から得られたノ
    ンゼロ・ドプラ信号を周波数分割した後、この信号レベ
    ルをCFAR(Constant False Alarm Rate)回路(31)で
    逐次設定される閾値レベルと比較して比較結果を得、上
    記クラッタマップ(30)の出力及び上記CFAR回路(31)
    の出力に基づいてターゲット判定手段(32)でターゲッ
    ト判定するレーダ信号処理方式において、 上記クラッタマップ(30)の出力を供給され、ポイント
    クラッタが存在するレンジビンが上記CFAR回路(31)の
    平均化セルに対応しているときは該平均化セル中の該当
    セルをブランク状態にして該該当セルを上記CFAR回路
    (31)における閾値設定のための加算動作に用いないよ
    うにする一方、上記ポイントクラッタが存在するレンジ
    ビンが上記CFAR回路(31)のテストセルに対応している
    ときは上記CFAR回路(31)の閾値を強制的に増大させる
    ように夫々制御する制御手段(33)を設けたことを特徴
    とするレーダ信号処理方式。
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