JPH09257910A - レーダ信号処理装置 - Google Patents

レーダ信号処理装置

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Publication number
JPH09257910A
JPH09257910A JP8064551A JP6455196A JPH09257910A JP H09257910 A JPH09257910 A JP H09257910A JP 8064551 A JP8064551 A JP 8064551A JP 6455196 A JP6455196 A JP 6455196A JP H09257910 A JPH09257910 A JP H09257910A
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JP
Japan
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signal
clutter
amplitude
mti
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JP8064551A
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English (en)
Inventor
Noboru Ujigawa
昇 宇治川
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウェザクラッタのような不要信号が存在しな
い領域でもドラップ周波数の位相補正を行わず、阻止域
が0後段信号処理装置による誤検出の発生を抑える。 【解決手段】 振幅検出部6によりMT1装置4からの
信号の振幅を検出し、比較器8により振幅検出部6の出
力とノイズレベル7を比較し、振幅検出部6の出力がノ
イズレベルよりも大きい場合にクラッタが存在している
と判断し、位相補正部9によりMTI装置4からの信号
に対し、クラッタ中心周波数推定部5で推定したドップ
ラ周波数分の位相を補正し、ディジタルフィルタ10に
より位相補正部9からの信号に対し、0ドップラに阻止
域を形成しフィルタリングを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば航空機な
どの目標の自動検出を行うレーダ信号処理装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】図9は従来のレーダ信号処理装置の構成
図である。図において、1は回転中に方位角及び高低角
を連続的に変化させることが可能なレーダアンテナ、2
はレーダアンテナ1からのマイクロ波信号を電気信号に
変換し、I,Q位相検波を行う受信機、3は受信機2か
らのアナログビデオ信号をディジタル信号に変換するA
/D変換器、4はA/D変換器3からの電気信号に含ま
れる不要な信号、例えばシークラッタやグランドクラッ
タなどの固定目標を抑圧するためのMTI装置、5はM
TI装置4からの信号に対し、パルスヒット間の位相変
化量からウェザクラッタなどの不要な移動目標のドップ
ラ周波数を推定するクラッタ中心周波数推定部、9はM
TI(Moving Target Indicato
r:移動目標指示機)装置4からの信号に対し、クラッ
タ中心周波数推定部5で推定したドップラ周波数分の位
相を補正する位相補正部、10は位相補正部9からの信
号に対し、0ドップラに阻止域を形成し、フィルタリン
グを行うディジタルフィルタ、11はディジタルフィル
タ10からの信号の振幅検出、CFAR(Consta
nt False Alarm Rate:一定誤警報
確率)など、目標の自動検出処理を行う後段信号処理装
置、12は後段信号処理装置11からの処理結果をPP
I(Plan Position Indicato
r)スコープなどに表示する表示装置である。
【0003】次に従来のレーダ信号処理装置の動作につ
いて説明する。以下の説明では従来のレーダ信号処理装
置が一例として艦船等に搭載されている場合を考える。
ここで、レーダアンテナ1から受信した目標を含む信号
は、受信機2にてI,Qに位相検波を行い、A/D変換
器3にてアナログ信号をディジタル信号に変換する。こ
のA/D変換器3からのディジタルビデオ信号には、航
空機などの必要な目標信号とともにシークラッタやグラ
ンドクラッタのような不要な固定目標やウェザクラッタ
のような不要な移動目標が混在しており、任意の距離に
おける入力信号の周波数特性は図8(a)に示すような
特性となる。このような入力信号に対し、MTI装置4
によりドップラ周波数が0近傍のシークラッタやグラン
ドクラッタのような不要信号を抑圧し、図8(b)に示
すような周波数特性となる。次にクラッタ中心周波数推
定部5において、パルスヒット間、すなわちPRI(P
ulse Repetition Interval:
パルス繰返し間隔)の遅延をもった信号系列間の位相変
化量から、ウェザクラッタのような不要信号のドップラ
周波数を推定し、位相補正部9において推定したドップ
ラ周波数分の位相を補正する。その結果、図8(c)に
示すように、ウェザクラッタのような不要信号の中心周
波数が0ドップラにシフトすることになる。次にディジ
タルフィルタ10において、0ドップラに阻止域を形成
するフィルタリングにより、ウェザクラッタのような不
要信号を抑圧する。こうして図8(d)に示すように所
望の目標信号のみが抽出でき、後段信号処理装置11に
おいて振幅検出、CFARなどの自動検出処理を行い、
PPIスコープなどの表示装置12に処理結果を表示す
るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような艦船に搭
載される従来のレーダ信号処理装置では、ウェザクラッ
タのような不要信号が存在しない領域、すなわち、レー
ダ覆域内すべてにウェザクラッタが存在するとは限ら
ず、ある方位、高度、距離においてはウェザクラッタが
存在せずノイズだけの場合もあり、そのような場合でも
各レンジビン毎に位相補正を行い、ディジタルフィルタ
によるフィルタを形成することになるため、ノイズの振
幅分布特性が変化してしまい、後段信号処理装置での目
標の自動検出処理において、誤検出が多く発生してしま
うという課題があった。
【0005】この発明は、上記の課題を解決するために
なされたものであり、MTI装置の出力がノイズレベル
よりも大きい場合のみ位相の補正を行い、ノイズレベル
より小さい場合にはクラッタが存在していないと判断
し、クラッタ中心周波数推定部で推定したドップラ周波
数の位相補正は行わず、0ドップラに固定の阻止域を形
成するディジタルフィルタによるフィルタリングのみ行
い、誤検出の発生を抑え、所望の目標のみを検出するこ
とを目的としている。
【0006】またこの発明は、MTI装置の出力がノイ
ズレベルよりも大きい場合でかつ距離方向に連続的にク
ラッタが存在していると判断された領域に対し、その領
域で推定されたクラッタ中心周波数を平均し推定精度を
高め、また、ノズルレベルが小さい場合及びクラッタが
存在していると判断されたが、距離方向に連続的でない
場合はクラッタが存在していないと判断し、クラッタ中
心周波数推定部で推定したドップラ周波数の位相補正は
行わず、0ドップラに固定の阻止域を形成するディジタ
ルフィルタによるフィルタリングのみ行い、誤検出の発
生を抑え、所望の目標のみを検出することを目的として
いる。
【0007】この発明は、MTI装置の出力がノイズレ
ベルよりも大きい場合のみ位相の補正を行い、ノイズレ
ベルより小さい場合にはクラッタが存在していないと判
断し、クラッタ中心周波数推定部で推定したドップラ周
波数の位相補正は行わず、かつディジタルフィルタによ
るフィルタリングも行わないことにより、誤検出の発生
を抑え、所望の目標のみを検出することを目的としてい
る。
【0008】またこの発明は、MTI装置の出力がノイ
ズレベルよりも大きい場合でかつ距離方向に連続的にク
ラッタが存在していると判断された領域に対し、その領
域で推定されたクラッタ中心周波数を平均し推定精度を
高め、また、ノズルレベルが小さい場合及びクラッタが
存在していると判断されたが、距離方向に連続的でない
場合はクラッタが存在していないと判断し、クラッタ中
心周波数推定部で推定したドップラ周波数の位相補正は
行わず、かつディジタルフィルタによるフィルタリング
も行わないことにより、誤検出の発生を抑え、所望の目
標のみを検出することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係わるレーダ
信号処理装置は、レーダアンテナからの信号を受信し、
I,Q位相検波を行う受信機、上記受信機からの信号を
ディジタル信号に変換し量子化するA/D変換器、上記
A/D変換器からの信号のうち、シークラッタやグラン
ドクラッタのような不要信号を抑圧するMTI装置、上
記MTI装置からの信号のうち、パルスヒット間の位相
変化量からウェザクラッタのような不要信号のドップラ
周波数を推定するクラッタ中心周波数推定部、また、上
記MTI装置からの信号の振幅を検出する振幅検出部、
上記振幅検出部の出力とノイズレベルを比較する比較
器、上記振幅検出部の出力がノイズレベルよりも大きい
場合にクラッタが存在していると判断し、上記MTI装
置からの信号を上記クラッタ中心周波数推定部で推定し
たドップラ周波数分の位相を補正する位相補正部、上記
位相補正部からの信号に対し、0ドップラに阻止域を形
成し、フィルタリングを行うディジタルフィルタ、上記
ディジタルフィルタからの信号の振幅検出、CFARな
ど、目標信号の自動検出処理を行う後段信号処理装置、
上記後段信号処理装置の処理結果をPPIスコープなど
に表示する表示装置とを備えたものである。
【0010】また、この発明に係わるレーダ信号処理装
置は、上記に加えて、クラッタ中心周波数推定部の出力
と比較器の出力から、距離方向に連続的にクラッタが存
在していると判断された領域に対し、推定したクラッタ
中心周波数を平均し推定精度を高めるレンジ平均部と、
推定したドップラ周波数分の位相を補正する位相補正部
と、0ドップラに阻止域を形成し、フィルタリングを行
うディジタルフィルタと、所望の目標信号の自動検出処
理を行う後段信号処理装置と、その結果を表示する表示
装置とを備えるようにしたものである。
【0011】また、この発明に係わるレーダ信号処理装
置は、レーダアンテナ、受信機、A/D変換器、MTI
装置を経て得られた信号から、パルスヒット間の位相変
化量からウェザクラッタのような不要信号のドップラ周
波数を推定するクラッタ中心周波数推定部、上記MTI
装置からの信号の振幅を検出する振幅検出部、上記振幅
検出部の出力とノイズレベルを比較する比較器、上記振
幅検出部の出力がノイズレベルよりも大きい場合にクラ
ッタが存在していると判断し、上記MTI装置からの信
号に対し、上記クラッタ中心周波数推定部で推定したド
ップラ周波数分の位相を補正する位相補正部、上記位相
補正部からの信号に対し、0ドップラに阻止域を形成
し、フィルタリングを行うディジタルフィルタ、上記デ
ィジタルフィルタからの信号と、上記比較器においてク
ラッタが存在していないと判断された領域を出力する上
記位相補正部からの信号の振幅検出、CFARなど、目
標の自動検出処理を行う後段信号処理装置、上記後段信
号処理装置からの処理結果をPPIスコープなどに表示
する表示装置とを備えたものである。
【0012】この発明に係わるレーダ信号処理装置は、
上記に加えて、クラッタ中心周波数推定部の出力と比較
器の出力から、距離方向に連続的にクラッタが存在して
いると判断された領域に対し、推定したクラッタ中心周
波数を平均し推定精度を高めるレンジ平均部と、推定し
たドップラ周波数分の位相を補正する位相補正部と、0
ドップラに阻止域を形成し、フィルタリングを行うディ
ジタルフィルタと、上記ディジタルフィルタからの信号
と上記レンジ平均部においてクラッタが存在していない
と判断された領域を出力する上記位相補正部からの信号
の振幅検出、CFARなど、目標信号の自動検出処理を
行う後段信号処理装置と、その結果を表示する表示装置
とを備えたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1を示すブ
ロック図である。図において、1〜4は上記従来装置と
全く同じものである。5はMTI装置4からの信号に対
し、パルスヒット間の位相変化量及び平均操作からウェ
ザクラッタのような不要信号のドップラ周波数を推定す
るクラッタ中心周波数推定部である。6はMTI装置4
からの信号の振幅を検出する振幅検出部であり、8は上
記振幅検出部6の出力とノイズレベル7を比較する比較
器である。9は上記振幅検出部6の出力がノイズレベル
7よりも大きい場合にクラッタが存在していると判断
し、上記MTI装置4からの信号に対し、上記クラッタ
中心周波数推定部5で推定したドップラ周波数分の位相
を補正する位相補正部である。10は上記位相補正部9
からの信号に対し、0ドップラに阻止域を形成するディ
ジタルフィルタである。11は上記ディジタルフィルタ
10からの信号の振幅検出、CFARなど、目標の自動
検出処理を行う後段信号処理装置であり、12の表示装
置は上記後段信号処理装置11からの処理結果をPPI
スコープなどに表示する。
【0014】次にこの発明の実施の形態1によるレーダ
信号処理装置の動作について説明する。以下の説明では
従来の場合と同様にこの発明によるレーダ信号処理装置
が一例として艦船等に搭載されている場合を考える。
【0015】レーダアンテナ1、受信機2を経て得られ
る信号は所望の移動目標の他に、シークラッタやグラン
ドクラッタのような不要な固定目標や、ウェザクラッタ
のような不要な移動目標などが混在している。図5
(a)はその任意の1ヒット分の信号を示している。A
/D変換器3はアナログ信号をディジタル信号にサンプ
リングし、量子化する。このとき、1サンプル当たりの
信号単位をレンジビンと称する。A/D変換後、MTI
装置4においてシークラッタやグランドクラッタのよう
なドップラ周波数が0又は0近傍である不要信号を図5
(b)、図8(b)に示すように抑圧し、MTI装置の
出力が得られる。
【0016】次にクラッタ中心周波数推定部5は、MT
I装置4からの信号に対し、パルスヒット間の位相変化
量及び平均操作から、ウェザクラッタのような不要信号
のドップラ周波数を推定する。“数1”に示すように、
nヒット目のデータの共役複素とn+1ヒット目のデー
タを複素乗算し、ヒット間の位相変化量fcを求めるこ
とができ、この計算を各レンジビン毎に行う。例えば図
5(c)に示すように、ここではノイズについてはf
n、目標信号についてはft、クラッタについてはfc
で表わしている。また、目標信号は4レンジビンにまた
がっているものとする。
【0017】
【数1】
【0018】次に、クラッタ中心周波数の推定精度の向
上とクラッタ信号と目標信号との識別を目的として、距
離方向のメディアン計算による平均操作を行う。これ
は、ウェザクラッタは広く距離方向に拡がっていると仮
定できることから、注目レンジビンが有するドップラ周
波数は参照セル内のデータのメディアン(中間)値から
得るものとする。その理由として、参照セル内に目標信
号がある場合、単純な平均計算を行うと目標信号のドッ
プラ周波数成分も加味されてしまい精度を落とすことに
なるからであり、また、メディアンをとることにより目
標信号は除外されることになるからである。例えば、図
5(c)では、注目レンジビンの位相変化量は参照セル
内の8レンジビンの位相変化量のメディアンをとり、f
c2が算出されている。参照セル内には目標信号が含ま
れているが、メディアンをとることにより目標信号の位
相変化量が選ばれる可能性はほとんどない。また、注目
レンジビンに目標信号がある場合には、参照セル内にウ
ェザクラッタまたはノイズが存在することから目標信号
を誤って抑圧することも無くなる。このようにして、ク
ラッタ中心周波数推定部5では各レンジビン毎に以上の
計算を行うものである。
【0019】次に、振幅検出部6は上記MTI装置4か
らの信号の振幅を検出する。次に、比較器8において、
上記振幅検出部6の出力とノイズレベル7を比較する。
このときのノイズレベル7はレーダアンテナ1及び受信
機2が元々有している利得と、受信信号の飽和を防止す
るために自動または手動により受信感度の制御を行う利
得制御情報から算出されるものであり、受信感度により
適宜変わることになる。こうして各レンジビン毎に推定
したクラッタ中心周波数とノイズレベルとの大小関係が
位相補正部9に入力され、ノイズレベル7をクラッタ有
無のスレショルドとして、振幅検出部6の出力がノイズ
レベル7よりも大きい場合はクラッタが存在していると
判断し、上記MTI装置4からの信号に対し、ドップラ
周波数分の位相補正を行う。また、図6(a)に示すよ
うに、振幅検出部6の出力がノイズレベル7よりも小さ
い場合にはクラッタが存在していないと判断し、位相補
正を行わない。位相補正部9による補正処理は“数2”
及び図8(c)に示されるように、ドップラ周波数が0
となるように補正する。
【0020】
【数2】
【0021】図7はディジタルフィルタ10の一例であ
るFIRフィルタ(FiniteImpulse Re
sponse:非巡回型フィルタ)の基本構成を示した
図であり、遅延素子14、係数乗算器15、加算器16
で構成され、位相補正部9からの信号に対し、阻止域が
0ドップラ固定のフィルタリングを行い、クラッタ電力
を最小にして出力するものである。こうして、図8
(d)に示すように、不要信号はすべて抑圧され、所望
の目標信号のみが後段信号処理装置11において、振幅
検出、CFARなどにより自動検出され、PPIスコー
プなどの表示装置12に表示されるものである。
【0022】上記の構成により、ウェザクラッタのよう
な不要信号が存在しない、すなわちノイズのみが存在す
る領域については、位相補正部9で補正を行わず、0ド
ップラに固定の阻止域を形成するフィルタリングを行う
ことで、後段信号処理装置11での目標の自動検出処理
における誤検出の発生を抑えることが可能となる。
【0023】実施の形態2.また、図2はこの発明の実
施の形態2を示すブロック図である。図2において、レ
ーダアンテナ1、受信機2、A/D変換器3、MTI装
置4、クラッタ中心周波数推定部5、振幅検出部6、ノ
イズレベル7、比較器8、位相補正部9、ディジタルフ
ィルタ10、後段信号処理装置11、表示装置12は実
施の形態1と同様であり、レンジ平均部13において、
各レンジビン毎のクラッタ中心周波数推定部5の出力と
比較器8の出力から距離方向に連続的にクラッタが存在
していると判断された領域に対し、推定したクラッタ中
心周波数を平均し、推定精度を高めるものである。
【0024】上記実施の形態1で説明したように、クラ
ッタ中心周波数推定部5では各レンジビン毎にクラッタ
のドップラ周波数を推定し、比較器8では各レンジビン
毎にノイズレベルより大きいか小さいかを判断する。前
述したように、ウェザクラッタのような不要信号は広く
距離方向に拡がっていると考えられる。また、距離方向
に連続的にクラッタが存在していると判断された領域の
ドップラ周波数はほとんど同じであるとも考えられる。
そこで、クラッタが存在する領域内の各レンジビン毎に
推定したクラッタ中心周波数を平均し、その結果をその
領域のすべてのレンジビンに対する推定値として位相補
正を行う。また、図6(b)に示すように振幅検出部の
出力がノイズレベルより大きい場合でも、距離方向に連
続していないレンジビンについては、振幅の大きなノイ
ズであると判断し、位相補正を行わない。
【0025】上記の構成により、振幅の大きなノイズに
対しウェザクラッタのような不要信号と誤判断し、ディ
ジタルフィルタ10によるフィルタリングにより、後段
信号処理装置11での自動検出処理における誤検出とな
ることを抑えるとともに、距離方向に拡がっているクラ
ッタの中心周波数を精度良く推定し、抑圧することが可
能となる。
【0026】実施の形態3.また、図3はこの発明の実
施の形態3を示すブロック図である。図3において、レ
ーダアンテナ1、受信機2、A/D変換器3、MTI装
置4、クラッタ中心周波数推定部5、振幅検出部6、ノ
イズレベル7、比較器8、ディジタルフィルタ10、後
段信号処理装置11、表示装置12は実施の形態1と同
様であり、位相補正部9において、振幅検出部6の出力
がノイズレベル7より小さい場合、すなわち、クラッタ
が存在していないと判断された場合、その領域について
はディジタルフィルタ10へは出力せず、後段信号処理
装置11へ出力するものであり、MTI装置4からの信
号、すなわちノイズに対して過度のフィルタリングを行
わないことにより、目標の自動検出処理での誤検出の発
生を抑えることが可能となる。
【0027】上記実施の形態1で説明したように、クラ
ッタ中心周波数推定部5では各レンジビン毎にクラッタ
のドップラ周波数を推定し、比較器8では各レンジビン
毎にノイズレベルより大きいか小さいかを判断する。ウ
ェザクラッタのような不要信号が存在しない領域におい
て、ディジタルフィルタ10でフィルタリングする必要
はなく、かえってフィルタリングによりノイズの振幅分
布特性が変わってしまい、後伝信号処理装置11での目
標の自動検出処理における誤検出の発生につながる可能
性がある。そこで、クラッタが存在していない領域につ
いては、位相補正及びディジタルフィルタを行わず、直
接後段信号処理装置11へ出力することにより、真の目
標検出に悪影響を与えないようにするものである。
【0028】実施の形態4.また、図4はこの発明の実
施の形態4を示すブロック図である。図4において、レ
ーダアンテナ1、受信機2、A/D変換器3、MTI装
置4、クラッタ中心周波数推定部5、振幅検出部6、ノ
イズレベル7、比較器8、位相補正部9、ディジタルフ
ィルタ10、後段信号処理装置11、表示装置12は実
施の形態1と同様であり、レンジ平均部13において、
各レンジビン毎のクラッタ中心周波数推定部5の出力と
比較器8の出力から距離方向に連続的にクラッタが存在
していると判断された領域に対し、推定したクラッタ中
心周波数を平均し、推定精度を高めるものである。
【0029】上記実施の形態1で説明したように、クラ
ッタ中心周波数推定部5では各レンジビン毎にクラッタ
のドップラ周波数を推定し、比較器8では各レンジビン
毎にノイズレベルより大きいか小さいかを判断する。前
述したように、ウェザクラッタのような移動目標は広く
距離方向に広がっていると考えられる。また、距離方向
に連続的にクラッタが存在していると判断された領域の
ドップラ周波数はほとんど同じであるとも考えられる。
そこで、クラッタが存在する領域内の各レンジビン毎に
推定したクラッタ中心周波数を平均し、その結果をその
領域のすべてのレンジビンに対する推定値として位相補
正を行う。また、振幅検出部の出力がノイズレベルより
大きい場合でも、距離方向に連続していないレンジビン
については、振幅の大きなノイズであると判断し、位相
補正及びディジタルフィルタを行わない。
【0030】上記の構成により、振幅の大きなノイズに
対しウェザクラッタのような不要信号と誤判断し、ディ
ジタルフィルタ10によるフィルタリングにより、後段
信号処理装置11での自動検出処理における誤検出とな
ることを抑えるとともに、距離方向に拡がっているクラ
ッタの中心周波数を精度良く推定し、抑圧することが可
能となる。
【0031】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、以下に
記載されるような効果を奏する。
【0032】この発明では、回転中に方位角及び高低角
を変化させることが可能なレーダアンテナ、上記レーダ
アンテナからの信号を受信し、I,Q位相検波を行う受
信機、上記受信機からのアナログ信号をディジタル信号
に変換するA/D変換器、上記A/D変換器からの信号
に対し、シークラッタやグランドクラッタのような不要
信号を抑圧するMTI装置、上記MTI装置からの信号
に対し、パルスヒット間の位相変化量からウェザクラッ
タのような不要信号のドップラ周波数を推定するクラッ
タ中心周波数推定部、また、上記MTI装置からの信号
の振幅を検出する振幅検出部、上記振幅検出部の出力と
ノイズレベルを比較する比較器、上記振幅検出部の出力
がノイズレベルよりも大きい場合にクラッタが存在して
いると判断し、上記MTI装置からの信号に対し、上記
クラッタ中心周波数推定部で推定したドップラ周波数分
の位相を補正する位相補正部、上記位相補正部からの信
号に対し、0ドップラに阻止域を形成し、フィルタリン
グを行うディジタルフィルタ、上記ディジタルフィルタ
からの信号の振幅検出、CFARなど、目標の自動検出
処理を行う後段信号処理装置、上記後段信号処理装置の
処理結果をPPIスコープなどに表示する表示装置とを
備えるようにしたので、この発明によるレーダ信号処理
装置が艦船等に搭載されている場合に、MTI装置から
の出力がノイズレベルよりも小さい場合に、ウェザクラ
ッタのような不要信号が存在しないと判断し、位相補正
を行わず、0ドップラに阻止域が固定のフィルタリング
を行うことにより、目標の自動検出処理における誤検出
の発生を抑えることができる。
【0033】また、この発明では、さらにクラッタ中心
周波数推定部の出力と比較器の出力から、距離方向に連
続的にウェザクラッタのような不要信号が存在している
と判断される場合に、その領域の各レンジビンで推定し
たクラッタのドップラ周波数を平均するレンジ平均部を
備えることにより、クラッタ中心周波数の推定精度を高
め、クラッタを抑圧することができる。また、振幅検出
部の出力がノイズレベルより大きい場合でも、連続的に
クラッタが存在していると判断されないものは大きな振
幅のノイズとして、0ドップラに阻止域が固定のフィル
タリングを行うことにより、目標の自動検出処理におけ
る誤検出の発生を抑えることができる。
【0034】また、この発明ではMTI装置からの出力
がノイズレベルよりも小さい場合に、ウェザクラッタの
ような不要信号が存在しないと判断し、位相補正及びデ
ィジタルフィルタによるフィルタリングを行わないこと
により、目標の自動検出処理における誤検出の発生を抑
えることができる。
【0035】また、この発明では、さらにクラッタ中心
周波数推定部の出力と比較器の出力から、距離方向に連
続的にウェザクラッタのような不要信号が存在している
と判断される場合に、その領域の各レンジビンで推定し
たクラッタのドップラ周波数を平均するレンジ平均部を
備えることにより、クラッタ中心周波数の推定精度を高
め、クラッタを抑圧することができる。また、振幅検出
部の出力がノイズレベルより大きい場合でも、連続的に
クラッタが存在していると判断されないものは大きな振
幅のノイズとして、位相補正及びディジタルフィルタに
よるフィルタリングを行わないことにより、目標の自動
検出処理における誤検出の発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すブロック図で
ある。
【図2】 この発明の実施の形態2を示すブロック図で
ある。
【図3】 この発明の実施の形態3を示すブロック図で
ある。
【図4】 この発明の実施の形態4を示すブロック図で
ある。
【図5】 この発明のMTI装置及びクラッタ中心周波
数推定部の動作を説明する図である。
【図6】 この発明の比較器、クラッタ中心周波数推定
部、レンジ平均部の動作を説明する図である。
【図7】 この発明のディジタルフィルタの構成図であ
る。
【図8】 従来及びこの発明のレーダ信号処理装置の動
作を説明する図である。
【図9】 従来のレーダ信号処理装置を示すブロック図
である。
【符号の説明】
1 レーダアンテナ、2 受信機、3 A/D変換器、
4 MTI装置、5クラッタ中心周波数推定部、6 振
幅検出部、7 ノイズレベル、8 比較器、9 位相補
正部、10 ディジタルフィルタ、11 誤段信号処理
装置、12表示装置、13 レンジ平均部、14 遅延
素子、15 係数乗算器、16 加算器。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転中に方位角及び高低角を変化させる
    ことが可能なレーダアンテナ、上記レーダアンテナから
    の信号を受信し、I,Q位相検波を行う受信機、上記受
    信機からのアナログ信号をディジタル信号に変換するA
    /D変換器、上記A/D変換器からの信号に対し、シー
    クラッタやグランドクラッタのような不要信号を抑圧す
    るMTI(Moving Target Indica
    tor:移動目標指示機)装置、上記MTI装置からの
    信号に対し、パルスヒット間の位相変化量からウェザク
    ラッタのような不要信号のドップラ周波数を推定するク
    ラッタ中心周波数推定部、上記MTI装置からの信号の
    振幅を検出する振幅検出部、上記振幅検出部の出力とノ
    イズレベルを比較する比較器、上記振幅検出部の出力が
    ノイズレベルよりも大きい場合にクラッタが存在してい
    ると判断し、上記MTI装置からの信号に対し、上記ク
    ラッタ中心周波数推定部で推定したドップラ周波数分の
    位相を補正する位相補正部、上記位相補正部からの信号
    に対し、0ドップラに阻止域を形成し、フィルタリング
    を行うディジタルフィルタ、上記ディジタルフィルタか
    らの信号の振幅検出、CFAR(Constant F
    alse Alarm Rate:一定誤警報確率)な
    ど、目標の自動検出処理を行う後段信号処理装置、上記
    後段信号処理装置からの処理結果をPPI(PlanP
    osition Indicator)スコープなどに
    表示する表示装置とを備えたことを特徴とするレーダ信
    号処理装置。
  2. 【請求項2】 回転中に方位角及び高低角を変化させる
    ことが可能なレーダアンテナ、上記レーダアンテナから
    の信号を受信し、I,Q位相検波を行う受信機、上記受
    信機からのアナログ信号をディジタル信号に変換するA
    /D変換器、上記A/D変換器からの信号に対し、シー
    クラッタやグランドクラッタのような不要信号を抑圧す
    るMTI(Moving Target Indica
    tor:移動目標指示機)装置、上記MTI装置からの
    信号に対し、パルスヒット間の位相変化量からウェザク
    ラッタのような不要信号のドップラ周波数を推定するク
    ラッタ中心周波数推定部、上記MTI装置からの信号の
    振幅を検出する振幅検出部、上記振幅検出部の出力とノ
    イズレベルを比較する比較器、上記振幅検出部の出力が
    ノイズレベルよりも大きい場合にクラッタが存在してい
    ると判断し、上記クラッタ中心周波数推定部の出力と上
    記比較器の出力から、距離方向に連続的にクラッタが存
    在していると判断された領域の推定したクラッタ中心周
    波数を平均し、推定精度を高めるレンジ平均部、上記M
    TI装置からの信号に対し、上記レンジ平均部で算出し
    たドップラ周波数分の位相を補正する位相補正部、上記
    位相補正部からの信号に対し、0ドップラに阻止域を形
    成し、フィルタリングを行うディジタルフィルタ、上記
    ディジタルフィルタからの信号の振幅検出、CFAR
    (Constant False Alarm Rat
    e:一定誤警報確率)など、目標の自動検出処理を行う
    後段信号処理装置、上記後段信号処理装置からの処理結
    果をPPI(Plan Position Indic
    ator)スコープなどに表示する表示装置とを備えた
    ことを特徴とするレーダ信号処理装置。
  3. 【請求項3】 回転中に方位角及び高低角を変化させる
    ことが可能なレーダアンテナ、上記レーダアンテナから
    の信号を受信し、I,Q位相検波を行う受信機、上記受
    信機からのアナログ信号をディジタル信号に変換するA
    /D変換器、上記A/D変換器からの信号に対し、シー
    クラッタやグランドクラッタのような不要信号を抑圧す
    るMTI(Moving Target Indica
    tor:移動目標指示機)装置、上記MTI装置からの
    信号に対し、パルスヒット間の位相変化量からウェザク
    ラッタのような不要信号のドップラ周波数を推定するク
    ラッタ中心周波数推定部、上記MTI装置からの信号の
    振幅を検出する振幅検出部、上記振幅検出部の出力とノ
    イズレベルを比較する比較器、上記振幅検出部の出力が
    ノイズレベルよりも大きい場合にクラッタが存在してい
    ると判断し、上記MTI装置からの信号に対し、上記ク
    ラッタ中心周波数推定部で推定したドップラ周波数分の
    位相を補正する位相補正部、上記位相補正部からの信号
    に対し、0ドップラに阻止域を形成し、フィルタリング
    を行うディジタルフィルタ、上記ディジタルフィルタか
    らの信号および、上記位相補正部からのクラッタが存在
    していないと判断された領域の信号の振幅検出、CFA
    R(Constant False Alarm Ra
    te:一定誤警報確率)など、目標の自動検出処理を行
    う後段信号処理装置、上記後段信号処理装置からの処理
    結果をPPI(Plan Position Indi
    cator)スコープなどに表示する表示装置とを備え
    たことを特徴とするレーダ信号処理装置。
  4. 【請求項4】 回転中に方位角及び高低角を変化させる
    ことが可能なレーダアンテナ、上記レーダアンテナから
    の信号を受信し、I,Q位相検波を行う受信機、上記受
    信機からのアナログ信号をディジタル信号に変換するA
    /D変換器、上記A/D変換器からの信号に対し、シー
    クラッタやグランドクラッタのような不要信号を抑圧す
    るMTI(Moving Target Indica
    tor:移動目標指示機)装置、上記MTI装置からの
    信号に対し、パルスヒット間の位相変化量からウェザク
    ラッタのような不要信号のドップラ周波数を推定するク
    ラッタ中心周波数推定部、上記MTI装置からの信号の
    振幅を検出する振幅検出部、上記振幅検出部の出力とノ
    イズレベルを比較する比較器、上記振幅検出部の出力が
    ノイズレベルよりも大きい場合にクラッタが存在してい
    ると判断し、上記クラッタ中心周波数推定部の出力と上
    記比較器の出力から、距離方向に連続的にクラッタが存
    在していると判断された領域の推定したクラッタ中心周
    波数を平均し、推定精度を高めるレンジ平均部、上記M
    TI装置からの信号に対し、上記レンジ平均部で算出し
    たドップラ周波数分の位相を補正する位相補正部、上記
    位相補正部からの信号に対し、0ドップラに阻止域を形
    成し、フィルタリングを行うディジタルフィルタ、上記
    ディジタルフィルタからの信号および上記位相補正部か
    らのクラッタが存在していないと判断された領域の信号
    の振幅検出、CFAR(Constant False
    Alarm Rate:一定誤警報確率)など、目標
    の自動検出処理を行う後段信号処理装置、上記後段信号
    処理装置からの処理結果をPPI(Plan Posi
    tion Indicator)スコープなどに表示す
    る表示装置とを備えたことを特徴とするレーダ信号処理
    装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100678566B1 (ko) * 2000-06-30 2007-02-05 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 진폭 검출 회로
JP2011214972A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Toshiba Corp 気象レーダ信号処理装置及びそのグランドクラッタ除去方法
JP2013113722A (ja) * 2011-11-29 2013-06-10 Mitsubishi Electric Corp レーダ装置
CN107255804A (zh) * 2017-07-31 2017-10-17 西安电子科技大学 基于杂波轮廓图的动目标显示滤波器滤波方法

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CN107255804B (zh) * 2017-07-31 2020-04-10 西安电子科技大学 基于杂波轮廓图的动目标显示滤波器滤波方法

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