JP3561497B2 - ドップラレーダの信号処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2種以上のパルス繰り返し周波数(以下Dual PRFと呼ぶ。PRF:Pulse Repetation Frequency)を用いたドップラレーダの信号処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10は、特開平6−214016号公報に示された従来のドップラレーダの信号処理装置を示すブロック図である。図において、31はA/D変換部、32は移動目標表示(以下MTIと呼ぶ)処理部、33はパルスペア処理部、35は周波数分析処理部、36はクラッタ除去処理部、34は平均速度検出部、37は信号切替部である。
【0003】
また、図11は、特開昭53−48587号公報に示された従来の気象レーダの信号処理装置の一部を示すブロック図である。図において、41はビデオ強度測定回路、43はクラッタマップ、42は固定クラッタ量減算回路、44はノーマル・MTI比較回路である。
【0004】
次に、図10の動作を説明する。ドップラレーダの受信信号はA/D変換部31に入力されてアナログ信号からデジタル信号に変換される。このデジタル信号は一方でMTI処理部32に入力されて地形等による反射信号が除去された後、パルスペア処理部33において平均速度と標準偏差が検出され、信号切替部37に入力される。一方、A/D変換部31からの出力デジタル信号は周波数分析処理部35にも入力され、複素高速フーリエ変換(以下高速フーリエ変換=FFTと呼ぶ)後、ピリオドグラムを求めてクラッタ除去処理部36に送られる。クラッタ除去処理部36ではドップラ周波数0近傍のクラッタ成分を除去し、平均速度検出部34で平均速度と標準偏差を算出する。
【0005】
ここで、クラッタ除去処理部36では地形等クラッタによる反射信号の大きさを判定し、それが一定値以下の場合には、信号切替部37を制御してパルスペア処理部33の出力を選択させる。一方、それが一定値以上の場合には、信号切替部37を制御して平均速度検出部34の出力を選択させる。
【0006】
次に、図11の動作について説明する。ノーマルビデオはビデオ強度測定回路41で強度が測定され、固定クラッタ量減算回路42でクラッタマップ43の強度分が減算される。一方MTIビデオは、ノーマルビデオと同様に、ビデオ強度測定回路41で強度が測定される。これらノーマルビデオとMTIビデオに基づいて測定された観測対象エコーの強度は、ノーマル・MTI比較回路44で比較され、両者の測定値に大きな差がある場合には、測定値を出力しないように作用する。また、MTIビデオの測定結果が定量的に信頼できる度合いによってはノーマルビデオとMTIビデオの測定結果に差がある場合に、ノーマルビデオの測定結果に修正を行って出力するか、或いはMTIビデオの測定結果を代わりに出力することも可能である。ただし、本構成はドップラレーダとしては機能せず、強度のみを測定対象とした気象レーダの信号処理装置である。
【0007】
元来ドップラレーダには、俗に「レンジ・ドップラ・ジレンマ」といわれる問題点が原理的に存在し、遠方までの観測対象を観測するためにはPRFを低く設定する必要があるが、PRFを低くするほど速度折り返しがなく一意にドップラ速度を求めうる範囲(ナイキスト速度、アン・アンビギュアス速度とも言う。以下ナイキスト速度という。)が狭くなる問題が有る。近年、この問題を回避する方式として2種のPRFで交互に測定を行い、それらの測定結果の比較から、真の風速を求めるDual PRF式が用いられている。
【0008】
図12はDual PRF方式によるドップラ速度算出を説明するための図であり、図において横軸はドップラ周波数、上段は第1のPRFでの測定軸、下段は第2のPRFでの測定軸を示し、51は第1のPRFで測定された観測対象の見かけのドップラ周波数、52は第2のPRFで測定された観測対象の見かけのドップラ周波数、53は真のドップラ周波数、すなわちDual PRF速度折り返し補正の結果求められるドップラ周波数を示している。また、54、55は各々第1のPRF,第2のPRFにおけるMTIフィルターの特性形状を示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来のドップラレーダの信号処理装置は、上記のように構成されているので、図12から明らかなように、MTIフィルタで(PRF)/2の整数倍のドップラ周波数にヌルが形成され、その周波数付近に観測対象のエコーが存在する場合、クラッタと誤って消去されてしまうか、または観測対象エコーの強度が正しく求められないという問題点があった。
【0010】
また、これと同じ理由で、Dual PRF方式でドップラ速度を測定する場合においても、観測対象が第1のPRF、第2のPRFの何れかのMTIフィルタのヌル付近に存在する場合、観測対象のエコー成分が除去されてしまうため、見かけのドップラ周波数に誤差を生じ、速度折り返し補正の結果、真の風速とは全くかけ離れた風速を算出してしまうという問題点があった。
【0011】
図10に示す従来のドップラレーダの信号処理装置の場合、MTI方式、FFT方式何れにおいても上記のように(PRF)/2付近の観測対象エコーが除去されてしまうため、問題は解決されない。また、図11に示す従来の気象レーダの信号処理装置の場合は、ドップラ処理について考慮されておらず、また、ノーマルビデオとMTIビデオの選択が示唆されてはいるものの、その判断基準が明示されいない。
【0012】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、2種以上のPRFを用いたドップラレーダにおいて、ドップラ周波数が0以外のどのようなドップラ周波数成分を持った観測対象エコーでもクラッタと誤って消去されることなく、観測対象の反射強度及び速度等を正しく測定できるドップラレーダの信号処理装置を得ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係るドップラレーダの信号処理装置は、2種以上のPRFを用いたものにおいて、受信信号をデジタルに変換するA/D変換部と、その出力からパルスペア処理により観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含む非MTI系未補正一次データを算出する第1のパルスペア処理部と、上記A/D変換部の出力からドップラ周波数0付近の信号成分を除去するMTIフィルターと、その出力からパルスペア処理により観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含むMTI系未補正一次データを算出する第2のパルスペア処理部と、第1のパルスペア処理部及び第2のパルスペア処理部で算出された平均反射強度からS/C比を算出し、各PRFにおけるS/C比の比較に基づき上記非MTI系未補正一次データとMTI系未補正一次データのいずれかを選択させるS/C比算出部と、選択された未補正一次データに補正を施して観測対象の補正反射強度・速度・速度幅を算出する一次データ算出部とを備えたものである。
【0014】
また、この発明の請求項2に係るドップラレーダの信号処理装置は、2種以上のPRFを用いたドップラレーダの信号処理装置において、受信信号をデジタルに変換するA/D変換部と、その出力の複素FFTを行うFFT部と、その出力結果からピリオドグラムを算出するピリオドグラム算出部と、ピリオドグラムの複素IFFTを行うIFFT部と、その出力結果から自己相関値を求め観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含む非MTI系未補正一次データを算出する自己相関処理部と、上記A/D変換部の出力からドップラ周波数0付近の信号成分を除去するMTIフィルターと、その出力の複素FFTを行うFFT部と、その出力結果からピリオドグラムを算出するピリオドグラム算出部と、ピリオドグラムの複素IFFTを行うIFFT部と、その出力結果から自己相関値を求め観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含むMTI系未補正一次データを算出する自己相関処理部と、上記両自己相関処理部で算出された平均反射強度からS/C比を算出し、各PRFにおけるS/C比の比較に基づき上記非MTI系未補正一次データとMTI系未補正一次データのいずれかを選択させるS/C比算出部と、選択された未補正一次データに補正を施して観測対象の補正反射強度・速度・速度幅を算出する一次データ算出部とを備えたものである。
【0015】
また、この発明の請求項3に係るドップラレーダの信号処理装置は、2種以上のPRFを用いたドップラレーダの信号処理装置において、受信信号をデジタルに変換するA/D変換部と、その出力の複素FFTを行うFFT部と、その出力結果からピリオドグラムを算出するピリオドグラム算出部と、ピリオドグラムのピークを検出してその周波数スペクトルの形状から観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含む非MTI系未補正一次データを算出するスペクトル解析部と、上記A/D変換部の出力からドップラ周波数0付近の信号成分を除去するMTIフィルターと、その出力の複素FFTを行うFFT部と、その出力結果からピリオドグラムを算出するピリオドグラム算出部と、ピリオドグラムのピークを検出してその周波数スペクトルの形状から観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含むMTI系未補正一次データを算出するスペクトル解析部と、上記両スペクトル解析部で算出された平均反射強度からS/C比を算出し、各PRFにおけるS/C比の比較に基づき上記非MTI系未補正一次データとMTI系未補正一次データのいずれかを選択させるS/C比算出部と、選択された未補正一次データに補正を施して観測対象の補正反射強度・速度・速度幅を算出する一次データ算出部とを備えたものである。
【0016】
また、この発明の請求項4に係るドップラレーダの信号処理装置は、2種以上のPRFを用いたドップラレーダの信号処理装置において、受信信号をデジタルに変換するA/D変換部と、その出力の複素FFTを行うFFT部と、その出力結果からピリオドグラムを算出するピリオドグラム算出部と、ピリオドグラムの複素IFFTを行うIFFT部と、その出力結果から自己相関値を求め、観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含む非MTI系未補正一次データを算出する第1の自己相関処理部と、上記ピリオドグラムからドップラ周波数0付近の信号成分を除去するクラッタ抑圧部と、その結果の複素IFFTを行うIFFT部と、その出力結果から自己相関値を求め、観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含むMTI系未補正一次データを算出する第2の自己相関処理部と、第1の自己相関処理部及び第2の自己相関処理部で算出された平均反射強度からS/C比を算出し、各PRFにおけるS/C比の比較に基づき上記非MTI系未補正一次データとMTI系未補正一次データのいずれかを選択させるS/C比算出部と、選択された未補正一次データに補正を施して観測対象の補正反射強度・速度・速度幅を算出する一次データ算出部を備えたものである。
【0017】
また、この発明の請求項5に係るドップラレーダの信号処理装置は、2種以上のPRFを用いたドップラレーダの信号処理装置において、受信信号をデジタルに変換するA/D変換部と、その出力の複素FFTを行うFFT部と、その出力結果からピリオドグラムを算出するピリオドグラム算出部と、上記ピリオドグラムのピークを検出して、その周波数成分のスペクトルの形状から観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含む非MTI系未補正一次データを算出する第1のスペクトル解析部と、上記ピリオドグラムからドップラ周波数0付近の信号成分を除去するクラッタ抑圧部と、その出力結果の周波数成分スペクトル形状から観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅のMTI系未補正一次データを算出する第2のスペクトル解析部と、上記第1のスペクトル解析部及び第2のスペクトル解析部で算出された平均反射強度からS/C比を算出し、各PRFにおけるS/C比の比較に基づき上記非MTI系未補正一次データとMTI系未補正一次データのいずれかを選択させるS/C比算出部と、選択された未補正一次データに補正を施して観測対象の補正反射強度・速度・速度幅を算出する一次データ算出部とを備えたものである。
【0018】
また、この発明の請求項6に係るドップラレーダの信号処理装置は、請求項4に記載のドップラレーダの信号処理装置において、クラッタ抑圧部に相当する機能として、クラッタマップとして予め収録しておいたクラッタのスペクトル成分を、観測対象のピリオドグラムから除去するクラッタ減算部を備えたものである。
【0019】
また、この発明の請求項7に係るドップラレーダの信号処理装置は、請求項5に記載のドップラレーダの信号処理装置において、クラッタ抑圧部に相当する機能として、クラッタマップとして予め収録しておいたクラッタのスペクトル成分を、観測対象のピリオドグラムから除去するクラッタ減算部を備えたものである。
【0020】
また、この発明の請求項8に係るドップラレーダの信号処理装置は、請求項1に記載のドップラレーダの信号処理装置において、MTIフィルターの入力I/Qデータを、第1のパルスペア処理部で算出された平均反射強度に等しくなるように補正するための振幅補正部を追加したものである。
【0021】
また、この発明の請求項9に係るドップラレーダの信号処理装置は、請求項2に記載のドップラレーダの信号処理装置において、MTIフィルターの入力I/Qデータを、第1の自己相関処理部で算出された平均反射強度に等しくなるように補正するための振幅補正部を追加したものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明を気象レーダに実施した例について説明する。図1はこの発明の実施の形態1である2種以上のPRFすなわちDualPRFを用いたドップラレーダの信号処理装置を示すブロック図である。図において、1は受信信号をデジタルに変換するA/D変換部、3aはA/D変換部1の出力から非MTI系の未補正一次データを算出する第1のパルスペア処理部、2はMTIフィルター、3bはMTIフィルター2の出力からMTI系の未補正一次データを算出する第2のパルスペア処理部、5は第1及び第2のパルスペア処理部3a及び3bで算出された平均反射強度に基づいて信号/クラッター比(以下S/C比と呼ぶ)を算出し、パルスペア処理部3a、3bのいずれかの出力結果を選択するMTI系/非MTI系選択信号24を出力するS/C比算出部、4は、上記S/C比算出部5の出力24により選択されたパルスペア処理部の出力結果(非MTI系未補正一次データまたはMTI系未補正一次データのいずれか)に距離補正、速度折り返し補正等を施して観測対象の補正一次データを算出する一次データ算出部である。なお、21は第1のパルスペア処理部3aの出力結果である非MTI系の未補正一次データ、22は第2のパルスペア処理部3bの出力結果であるMTI系の未補正一次データである。
【0023】
次に実施の形態1の動作を説明する。ドップラレーダの受信信号はA/D変換部1に入力されてアナログ信号からデジタル信号に変換される。入力されるアナログ信号はベースバンドのコーヒーレント発信器の実数成分信号と虚数成分信号(以下I/Q信号と呼ぶ)ビデオでも中間周波信号(以下IF信号と呼ぶ)でもよく、IF信号が入力される場合は、A/D変換部1においてA/D変換のほか、デジタル位相検波によるI/Qビデオ生成を行う。A/D変換後のデジタルI/Q信号は、第1のパルスペア処理部3aに入力され、パルスペア処理により観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含む非MTI系の未補正一次データ21が算出される。一方、A/D変換後のデジタルI/Q信号はMTIフィルター2へも入力され、ドップラ周波数0付近の信号成分が除去される。通常MTIフィルター2は帰還型(IIR型)のデジタルフィルターで構成されることが多い。MTIフィルター2の出力は、第2のパルスペア処理部3bに入力され、パルスペア処理により観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含むMTI系の未補正一次データ22が算出される。ここで、第1及び第2のパルスペア処理部3a及び3bで算出された未補正一次データは、一次データ算出部4に入力されると共に、S/C比算出部5へ入力され、S/C比算出部5で未補正一次データの反射強度に基づいてS/C比が算出される。DualPRF方式のドップラレーダでは、ここまでの処理が第1のPRF(以下PRF1と呼ぶ)、第2のPRF(以下PRF2と呼ぶ)各々について行なわれる。
【0024】
ここで、DualPRF方式のレーダの信号処理装置において、従来の速度折り返し補正を行う場合、図12から分かるとおり、例えば真のドップラ周波数が(PRF1)/2の整数倍に近い場合、フィルターの周波数特性から、それがクラッタでなくともPRF1でのMTI系の未補正反射強度は極めて小さくなり、そのため未補正平均速度も誤差の非常に大きいものになる。その結果、DualPRFによる速度折り返し補正の際に、実際の観測対象の速度とは全くかけ離れた速度を算出してしまう。
【0025】
このような現象を防止するため、PRF1、PRF2両方でのS/C比が大きい場合はそのエコーをクラッタと判定し、一方、何れか一方のPRFのみでS/C比が大きい場合や、どちらのPRFでもS/C比が小さい場合は、そのエコーを観測対象エコーと判定する。このような判断基準により、S/C比算出部5でMTI系、非MTI系の選択信号24を生成する。一次データ算出部4では、MTI系、非MTI系のうち、選択信号24で選択された系の未補正一次データを用いて距離補正、速度折り返し補正等を行い、結果を出力する。
【0026】
このように、S/C比に基づきMTI系、非MTI系いずれかの未補正一次データを選択して使用することにより、観測対象のドップラ周波数に関わりなく、反射強度、ドップラ速度、速度幅を正しく求めることができる。
【0027】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、未補正一次データの算出にパルスペア処理手段を用いたが、図2に示すように複素高速フーリエ変換(以下高速フーリエ変換をFFTと呼ぶ)、ピリオドグラム算出、複素逆高速フーリエ変換(以下逆高速フーリエ変換をIFFTと呼ぶ)、自己相関処理等からなる未補正一次データ算出手段で構成してもよい。図2において、6はFFT部、7はピリオドグラム算出部、8はIFFT部、9は自己相関処理部であり、その他の部分は図1と同一符号を付してその説明を省略する。
【0028】
次に、動作を説明する。入力データからA/D変換、MTIフィルター処理までの動作は実施の形態1と同様であるので説明を省略する。A/D変換後のデジタルI/Q信号、MTIフィルター後のI/Q信号は、FFT部6に入力され、複素FFTにより時間領域から周波数領域に変換される。FFT後の複素信号は、ピリオドグラム算出部7でそのパワースペクトラムをとることによりピリオドグラムが算出され、その後IFFT部8で複素IFFTされることにより自己相関値が求められ、さらに自己相関処理部9において、0次自己相関と1次自己相関を用いて未補正一次データが算出される。非MTI系及びMTI系の未補正一次データからS/C比を算出し、S/C比に基づきMTI系、非MTI系の未補正一次データを選択して補正一次データを算出する過程は実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0029】
実施の形態3.
一般に、気象レーダの受信信号には、観測対象となる距離のエコーの他にクラッタや2次エコーによる信号成分が含まれており、これらを分離せずに反射強度、速度、速度幅を求めると誤差が生じる。そこで、実施の形態2に若干の変更を加えることにより、観測対象のエコーのみの測定をするようにしたのが、図3に示す実施の形態3である。図3は実施の形態3を示すブロック図であり、図1、図2に相当する部分には図1、図2と同一符号を付してその説明を省略する。図3において、10はスペクトル解析部である。
【0030】
次に、動作を説明する。入力データから非MTI系、MTI系のピリオドグラムを算出するまでの動作は実施の形態2と同様であるので、説明を省略する。スペクトル解析部10では、ピリオドグラムを入力し、解析して、そのピーク周波数、その周波数成分の強度、幅等が求められる。解析の手法としてはモーメント法、フィッティング法等様々な方法が考えられる。算出された結果は、未補正一次データとして一次データ算出部4及びS/C比算出部5に出力される。非MTI系及びMTI系の未補正一次データからS/C比を算出し、S/C比に基づきMTI系、非MTI系いずれかの未補正一次データを選択して補正一次データを算出する過程は実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0031】
実施の形態4.
上記実施の形態1乃至実施の形態3では、クラッタ抑圧手法として、時間領域でのMTIフィルターを用いたが、このようなフィルターでは阻止帯域の阻止量がフィルターにより決まるため、クラッタと観測対象エコーがドップラ周波数0付近で重なっている場合、観測対象エコーが除去されすぎるきらいがある。一方周波数領域でクラッタ除去を行う場合には、阻止量はスペクトルの形状と阻止帯域により変化し、近接周波数のパワーを用いて阻止域のパワーを補間することも容易である。図4はこのような本発明の実施の形態4を示すブロック図である。図中、他の各図と相当する部分には他の図と同一符号を付してその説明を省略する。図4において、11はクラッタ抑圧部である。
【0032】
次に、動作を説明する。A/D変換部1でデジタル化された信号はFFT部6、ピリオドグラム算出部7でパワースペクトルに変換され、非MTI系については、そのままIFFT部8、自己相関処理部9により未補正一次データが算出される。一方、MTI系については、クラッタ抑圧部11がピリオドグラムからドップラ周波数0付近の信号成分を除去する。この際、除去する阻止帯域幅のほか、除去後の阻止帯域を隣接する通過帯域の値から内挿する等の付加処理等について、外部からパラメータとして指定する。このようにして得られた非MTI系、MTI系のピリオドグラムから未補正一次データ、S/C比を算出し、MTI系、非MTI系いずれかの未補正一次データを選択して補正一次データを算出する過程は他の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0033】
実施の形態5.
上記実施の形態3と同様に、観測データにクラッタ成分の他、多次エコー等の複数のエコーが合成されていることを考慮し、上記実施の形態4の未補正一次データ算出部分をスペクトル解析による手法に変更したのが図5に示す実施の形態5である。図において、図3、図4に相当する部分は図3、図4と同様であるので、その説明を省略する。
【0034】
次に、動作を説明する。非MTI系の未補正一次データを算出する動作は、上記実施の形態3と同様である。MTI系の未補正一次データについても同様であるが、MTIフィルターに相当する部分は上記実施の形態4で説明したのと同様に、クラッタ抑圧部11により、スペクトル解析による手法を用いて未補正一次データが算出される。非MTI系、MTI系のピリオドグラムから未補正一次データ、S/C比を算出し、MTI系、非MTI系いずれかの未補正一次データを選択して補正一次データを算出する過程は他の実施の形態と同様である。
【0035】
実施の形態6.
日本において、空港等に設置されるドップラ気象レーダの覆域には、海面、市街地、山岳等様々なクラッタ対象が存在し、エリア毎にクラッタ強度、周波数幅等が異なることが多い。このような事情を考慮し、エリア毎にスペクトル形状としてのクラッタマップを持ち、その成分を除去するようなクラッタマップ方式でクラッタ除去を行うように構成したのが、実施の形態6である。図6は、実施の形態4に類似したブロック図であり、図4に相当する部分は図4と同一番号を付してその説明を省略する。図6において、12はクラッタ減算部、13はクラッタマップである。
【0036】
次に、動作を説明する。非MTI系の未補正一次データを算出する動作は、上記実施の形態4と同様である。一方、MTI系については、クラッタ減算部12で、クラッタマップ13に予め記憶された当該方位、距離のクラッタスペクトルを、ピリオドグラムから減算する。なお、クラッタマップには、気象エコーのない晴天時の入力ビデオについて求めたピリオドグラムを、方位、距離ごとに予め記憶させておく。この様にして得られた非MTI系、MTI系のピリオドグラムから未補正一次データ、S/C比を算出し、MTI系、非MTI系いずれかの未補正一次データを選択して補正一次データを算出する過程は、他の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0037】
実施の形態7.
上記実施の形態3、実施の形態5と同様に、観測データにクラッタ成分の他、多次エコー等の複数のエコーが合成されていることを考慮し、上記実施の形態6の未補正一次データ算出部分をスペクトル解析による手法に変更したのが図7に示す実施の形態7である。図において、図5、図6に相当する部分は図5、図6と同様であるので、その説明を省略する。
【0038】
次に、動作を説明する。非MTI系の未補正一次データを算出する動作は、上記実施の形態5と同様である。MTI系の未補正一次データについても同様であるが、クラッタ抑圧部に相当する部分は上記実施の形態6で説明したのと同様に、クラッタ減算部12で、クラッタマップ13に予め記憶された当該方位、距離のクラッタスペクトルを、ピリオドグラムから減算することにより行う。非MTI系、MTI系の未補正一次データからS/C比を算出し、MTI系、非MTI系いずれかの未補正一次データを選択して補正一次データを算出する過程は、他の実施の形態と同様である。
【0039】
実施の形態8.
レーダ受信信号の市街地からのクラッタ成分は建造物の密度等によりレーダ反射断面積が異なるため、パルスヒット毎に受信強度が異なる。そのため、パルスヒット毎の信号強度変動成分が生じ、クラッタのスペクトルが拡がるため、MTIフィルターや周波数領域でのクラッタ除去処理で、フィルター特性通りの除去量が得られない場合が多い。このような事情を考慮し、上記実施の形態1のMTIフィルターの前段に、各パルスヒットのI/Qデータが、非MTI系の未補正反射強度の平均値に等しくなるような補正を追加するように構成したのが実施の形態8である。図8は実施の形態8を示すブロック図であり、図1に相当する部分には図1と同一符号を付してその説明を省略する。図8において、14はMTIフィルター2の前段に挿入された振幅補正部、25は第1のパルスペア処理部3aから得られた非MTI系でのセクター内平均反射強度である。なお、ここでいうセクターとは、ドップラ処理を行う当該方位、距離のメッシュの単位のことである。
【0040】
次に、動作を説明する。受信信号はA/D変換部1でデジタルI/Q信号に変換された後、第1のパルスペア処理部3aに入力され、パルスペア処理により非MTI系の未補正一次データが算出される。一方、デジタルI/Q信号は振幅補正部14へも入力される。振幅補正部14では、各パルスヒット毎の入力デジタルI/Q信号を、その位相を保ったまま、強度が第1のパルスペア処理部3aで算出された当該セクター内の平均反射強度25と等しくなるように補正し、MTIフィルター2へ出力する。MTIフィルター2ではドップラ周波数0付近の信号成分が除去され、第2のパルスペア処理部3bにおいて、パルスペア処理によりMTI系の未補正一次データが算出される。非MTI系、MTI系の未補正一次データからS/C比を算出し、これに基づきMTI系、非MTI系いずれかの未補正一次データを選択して補正一次データを算出する過程は、他の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0041】
このように、各パルスヒット毎の信号強度を揃えることにより、MTIフィルターでの除去性能を向上させる。一方強度についても、非MTI系の平均反射強度に補正することで、セクター内でのトータルの強度は、振幅補正部14の前後で変わらないため、MTI系においても正しく強度を求めることができる。
【0042】
実施の形態9.
上記実施の形態8と同様に、市街地エリア等でパルスヒット毎に受信信号強度が大きく変動することを考慮し、上記実施の形態2のMTIフィルターの前段に、各パルスヒットのI/Qデータが、非MTI系の未補正反射強度の平均値に等しくなるような補正を追加するように構成したのが、実施の形態9である。図9は実施の形態9を示すブロック図であり、図2、図8に相当する部分には図2、図8と同一符号を付してその説明を省略する。
【0043】
次に、動作を説明する。非MTI系の未補正一次データを算出する動作は、上記実施の形態2と同様である。一方、MTI系については、上記実施の形態8と同様に、振幅補正部14において各パルスヒット毎の入力デジタルI/Q信号を、その位相を保ったまま、強度が非MTI系の当該セクター内の平均反射強度25と等しくなるように補正した後、MTIフィルター、複素FFT、ピリオドグラム算出、複素IFFT、自己相関処理等により未補正一次データを算出する。このようにして得られた非MTI系、MTI系の未補正一次データからS/C比を算出し、これに基づいてMTI系、非MTI系いずれかの未補正一次データを選択して補正一次データを算出する過程は、他の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載の発明によれば、DualPRF方式での観測において、従来のパルスペア処理をMTI前後の両方のデータについて行い、両者による平均反射強度演算結果よりS/C比を求め、S/C比に基づいて、非MTI系の未補正一次データを用いるか、MTI系の未補正一次データを用いるかを選択し、選択された未補正一次データに距離補正、速度折り返し補正等を施して観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を算出するように構成したので、観測対象のドップラ周波数に関わりなく、反射強度、ドップラ速度、速度幅を正しく求めることができる効果がある。
【0045】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載のドップラレーダの信号処理装置において、パルスペア処理相当部分を複素FFT、ピリオドグラム算出、複素IFFT、自己相関処理等からなる未補正一次データ算出手段で構成したものであり、請求項1記載のドップラレーダの信号処理装置と同様の効果が得られる。
【0046】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載のドップラレーダの信号処理装置において、パルスペア処理相当部分を複素FFT、ピリオドグラム算出、スペクトル解析による観測対象成分の抽出等からなる未補正一次データ算出手段で構成したので、請求項1に記載のものの効果の他に、クラッタや2次エコー成分等を分離して精度よく観測対象成分のみの測定を行える効果がある。
【0047】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項2に記載のドップラレーダの信号処理装置において、クラッタ除去を時間領域ではなく、周波数領域で行い、クラッタ除去後のスペクトル上での補間等を行うことができるように構成したので、請求項1に記載のものの効果の他に、ドップラ周波数0付近の観測対象エコーが除去されすぎることを防止できる効果がある。
【0048】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載のドップラレーダの信号処理装置において、複素IFFT、自己相関処理相当部分をスペクトル解析による観測対象成分の抽出等からなる未補正一次データ算出手段で構成したので、請求項1に記載のものの効果の他に、クラッタや2次エコー成分等を分離して、かつドップラ周波数0付近の観測対象エコーが除去されすぎることを防止できる効果がある。
【0049】
また、請求項6に記載の発明によれば、請求項4に記載のドップラレーダの信号処理装置において、ドップラ周波数0付近の信号成分除去に相当する部分を、周波数領域でのクラッタスペクトル除去で構成したので、請求項1に記載のものの効果の他に、観測方位、距離毎に既存のクラッタ特性に合わせた最適なクラッタ除去を行える効果がある。
【0050】
また、請求項7に記載の発明によれば、請求項5に記載のドップラレーダの信号処理装置において、ドップラ周波数0付近の信号成分除去に相当する部分を、周波数領域でのクラッタスペクトル除去で構成したので、請求項1に記載のものの効果の他に、観測方位、距離毎に既存のクラッタ特性に合わせた最適なクラッタ除去が行え、かつクラッタや2次エコー成分を分離して、精度よく観測対象成分のみの測定が行える効果がある。
【0051】
また、請求項8に記載の発明によれば、請求項1に記載のドップラレーダの信号処理装置において、MTIフィルターの前段で各パルスヒットのI/Qデータの強度を当該観測エリア内の平均反射強度と等しくなるように補正するようにしたので、請求項1に記載のものの効果の他に、MTIフィルターでの除去性能を向上させる効果がある。
【0052】
また、請求項9に記載の発明によれば、請求項2に記載のドップラレーダの信号処理装置において、MTIフィルターの前段で各パルスヒットのI/Qデータの強度を当該観測エリア内の平均反射強度と等しくなるように補正するようにしたので、請求項8に記載のドップラレーダの信号処理装置と同様の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係るドップラレーダの信号処理装置を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態2に係るドップラレーダの信号処理装置を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態3に係るドップラレーダの信号処理装置を示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態4に係るドップラレーダの信号処理装置を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態5に係るドップラレーダの信号処理装置を示すブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態6に係るドップラレーダの信号処理装置を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態7に係るドップラレーダの信号処理装置を示すブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態8に係るドップラレーダの信号処理装置を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態9に係るドップラレーダの信号処理装置を示すブロック図である。
【図10】従来の信号処理装置を示すブロック図である。
【図11】従来の信号処理装置を示すブロック図である。
【図12】Dual PRFによるドップラ速度算出を説明するための図である。
【符号の説明】
1 A/D変換部、 2 MTIフィルター、
3a パルスペア処理部、 3b パルスペア処理部、
4 一次データ算出部、 5 S/C比算出部、
6 FFT部、 7 ピリオドグラム算出部、
8 IFFT部、 9 自己相関処理部、
10 スペクトル解析部、 11 クラッタ抑圧部、
12 クラッタ減算部、 13 クラッタマップ、
14 振幅補正部、 21 非MTI系の未補正一次データ、
22 MTI系の未補正一次データ、
23 補正一次データ、
24 MTI系/非MTI系の選択信号、
25 セクター内平均反射強度。
Claims (9)
- 2種以上のPRFを用いたドップラレーダの信号処理装置において、受信信号をデジタルに変換するA/D変換部と、その出力からパルスペア処理により観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含む非MTI系未補正一次データを算出する第1のパルスペア処理部と、上記A/D変換部の出力からドップラ周波数0付近の信号成分を除去するMTIフィルターと、その出力からパルスペア処理により観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含むMTI系未補正一次データを算出する第2のパルスペア処理部と、第1のパルスペア処理部及び第2のパルスペア処理部で算出された平均反射強度からS/C比を算出し、各PRFにおけるS/C比の比較に基づき上記非MTI系未補正一次データとMTI系未補正一次データのいずれかを選択させるS/C比算出部と、選択された未補正一次データに補正を施して観測対象の補正反射強度・速度・速度幅を算出する一次データ算出部とを備えたことを特徴とするドップラレーダの信号処理装置。
- 2種以上のPRFを用いたドップラレーダの信号処理装置において、受信信号をデジタルに変換するA/D変換部と、その出力の複素FFTを行うFFT部と、その出力結果からピリオドグラムを算出するピリオドグラム算出部と、ピリオドグラムの複素IFFTを行うIFFT部と、その出力結果から自己相関値を求め観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含む非MTI系未補正一次データを算出する自己相関処理部と、上記A/D変換部の出力からドップラ周波数0付近の信号成分を除去するMTIフィルターと、その出力の複素FFTを行うFFT部と、その出力結果からピリオドグラムを算出するピリオドグラム算出部と、ピリオドグラムの複素IFFTを行うIFFT部と、その出力結果から自己相関値を求め観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含むMTI系未補正一次データを算出する自己相関処理部と、上記両自己相関処理部で算出された平均反射強度からS/C比を算出し、各PRFにおけるS/C比の比較に基づき上記非MTI系未補正一次データとMTI系未補正一次データのいずれかを選択させるS/C比算出部と、選択された未補正一次データに補正を施して観測対象の補正反射強度・速度・速度幅を算出する一次データ算出部とを備えたことを特徴とするドップラレーダの信号処理装置。
- 2種以上のPRFを用いたドップラレーダの信号処理装置において、受信信号をデジタルに変換するA/D変換部と、その出力の複素FFTを行うFFT部と、その出力結果からピリオドグラムを算出するピリオドグラム算出部と、ピリオドグラムのピークを検出してその周波数スペクトルの形状から観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含む非MTI系未補正一次データを算出するスペクトル解析部と、上記A/D変換部の出力からドップラ周波数0付近の信号成分を除去するMTIフィルターと、その出力の複素FFTを行うFFT部と、その出力結果からピリオドグラムを算出するピリオドグラム算出部と、ピリオドグラムのピークを検出してその周波数スペクトルの形状から観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含むMTI系未補正一次データを算出するスペクトル解析部と、上記両スペクトル解析部で算出された平均反射強度からS/C比を算出し、各PRFにおけるS/C比の比較に基づき上記非MTI系未補正一次データとMTI系未補正一次データのいずれかを選択させるS/C比算出部と、選択された未補正一次データに補正を施して観測対象の補正反射強度・速度・速度幅を算出する一次データ算出部とを備えたことを特徴とするドップラレーダの信号処理装置。
- 2種以上のPRFを用いたドップラレーダの信号処理装置において、受信信号をデジタルに変換するA/D変換部と、その出力の複素FFTを行うFFT部と、その出力結果からピリオドグラムを算出するピリオドグラム算出部と、ピリオドグラムの複素IFFTを行うIFFT部と、その出力結果から自己相関値を求め、観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含む非MTI系未補正一次データを算出する第1の自己相関処理部と、上記ピリオドグラムからドップラ周波数0付近の信号成分を除去するクラッタ抑圧部と、その結果の複素IFFTを行うIFFT部と、その出力結果から自己相関値を求め、観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含むMTI系未補正一次データを算出する第2の自己相関処理部と、第1の自己相関処理部及び第2の自己相関処理部で算出された平均反射強度からS/C比を算出し、各PRFにおけるS/C比の比較に基づき上記非MTI系未補正一次データとMTI系未補正一次データのいずれかを選択させるS/C比算出部と、選択された未補正一次データに補正を施して観測対象の補正反射強度・速度・速度幅を算出する一次データ算出部を備えたことを特徴とするドップラレーダの信号処理装置。
- 2種以上のPRFを用いたドップラレーダの信号処理装置において、受信信号をデジタルに変換するA/D変換部と、その出力の複素FFTを行うFFT部と、その出力結果からピリオドグラムを算出するピリオドグラム算出部と、上記ピリオドグラムのピークを検出して、その周波数成分のスペクトルの形状から観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅を含む非MTI系未補正一次データを算出する第1のスペクトル解析部と、上記ピリオドグラムからドップラ周波数0付近の信号成分を除去するクラッタ抑圧部と、その出力結果の周波数成分スペクトル形状から観測対象の平均反射強度・平均速度・平均速度幅のMTI系未補正一次データを算出する第2のスペクトル解析部と、上記第1のスペクトル解析部及び第2のスペクトル解析部で算出された平均反射強度からS/C比を算出し、各PRFにおけるS/C比の比較に基づき上記非MTI系未補正一次データとMTI系未補正一次データのいずれかを選択させるS/C比算出部と、選択された未補正一次データに補正を施して観測対象の補正反射強度・速度・速度幅を算出する一次データ算出部とを備えたことを特徴とするドップラレーダの信号処理装置。
- 請求項4記載のドップラレーダの信号処理装置において、クラッタ抑圧部に相当する機能として、クラッタマップとして予め収録しておいたクラッタのスペクトル成分を、観測対象のピリオドグラムから除去するクラッタ減算部を備えたことを特徴とするドップラレーダの信号処理装置。
- 請求項5記載のドップラレーダの信号処理装置において、クラッタ抑圧部に相当する機能として、クラッタマップとして予め収録しておいたクラッタのスペクトル成分を、観測対象のピリオドグラムから除去するクラッタ減算部を備えたことを特徴とするドップラレーダの信号処理装置。
- 請求項1記載のドップラレーダの信号処理装置において、MTIフィルターの入力I/Qデータを、第1のパルスペア処理部で算出された平均反射強度に等しくなるように補正するための振幅補正部を追加したことを特徴とするドップラレーダの信号処理装置。
- 請求項2記載のドップラレーダの信号処理装置において、MTIフィルターの入力I/Qデータを、第1の自己相関処理部で算出された平均反射強度に等しくなるように補正するための振幅補正部を追加したことを特徴とするドップラレーダの信号処理装置。
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