JP2000230972A - レーダ信号処理装置 - Google Patents

レーダ信号処理装置

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JP2000230972A
JP2000230972A JP11030367A JP3036799A JP2000230972A JP 2000230972 A JP2000230972 A JP 2000230972A JP 11030367 A JP11030367 A JP 11030367A JP 3036799 A JP3036799 A JP 3036799A JP 2000230972 A JP2000230972 A JP 2000230972A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はパルスレーダの信号処理においてク
ラッタを抑圧し、ターゲットの検出確率および誤警報確
率を改善することを目的とする。 【解決手段】FFT回路32はドップラバンク(以下、
バンク)毎の振幅値を所定のサンプリング周期で出力す
る。パルス形状検定回路群34は、バンク毎にCFAR
処理を行い、CFARを通過した場合は注目セルとその
前後のレンジセルの信号に基づきターゲット判定を行
う。パルス形状検定回路群34は、更に複数のリファレ
ンスセルの値の平均値を求める。クラッタマップ作成回
路48は上記の平均値に基づいて各レンジのクラッタ強
度をバンク毎に求めてマップ化する。CFAR係数算出
回路52は、クラッタマップ50に基づいてレンジ領域
とバンクとの組み合わせ毎にCFAR係数を演算する。
CFAR回路群44は、そのCFAR係数を用いてター
ゲット検出のためのCFAR処理をバンク毎に行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーダ信号処理装
置に係り、特に、パルスレーダの信号処理においてクラ
ッタを抑圧し、ターゲットの検出確率および誤警報確率
を改善するうえで好適なレーダ信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は、特開平3−248077号公報
に示された従来のレーダ信号処理装置10の機能構成図
である。図8において、12はローパスフィルタ(LP
F)、14はクラッタマップ更新フィルタ、16はクラ
ッタマップメモリ、18はゼロドップラ信号ターゲット
検出回路、20はスレッショルド平均化セル制御回路、
22はMTI(Moving Target Indicator)回路、24は
ドップラフィルタ、26はCFAR(Constant False A
larm Rate)回路26、28はターゲット検出判定回路で
ある。
【0003】次に動作について説明する。レーダ信号
が、ローパスフィルタ12によって処理されることによ
りゼロドップラ信号、すなわち、ドップラシフトがゼロ
付近の信号が取り出される。ゼロドップラ信号は、クラ
ッタマップ更新フィルタ14にてある一定時間のレベル
が平均化され、アジマス、レンジセル毎にクラッタマッ
プメモリ16に格納される。この際、クラッタマップ更
新フィルタ14では、一定期間が経過する毎に内容が更
新され、順次新しい平均値が求められる。ターゲット
が、ゼロドップラのまま安定的に同じ位置にいれば、そ
の位置のクラッタマップの値は、ある程度大きな値とな
る。
【0004】クラッタマップメモリ16からの出力は、
ゼロドップラ信号ターゲット検出回路18において、予
め設定されているスレッショルドと比較される。その結
果、クラッタマップの値がスレッショルドに比して大き
い場合は、その値がゼロドップラのターゲットとされ
る。この場合、その値はクラッタマップから除かれると
共にターゲット検出判定回路28に送られる。
【0005】一方、レーダ信号は、MTI回路22にも
送られる。MTI回路22では、レーダ信号からゼロド
ップラ信号が除去されて、ノンゼロドップラ信号が取り
出される。ノンゼロドップラ信号は、ドップラフィルタ
24に供給され、ドップラバンク毎にS/N比が向上さ
れた後、各ドップラバンク毎にCFAR回路26に送ら
れる。CFAR回路26でCFARスレッショルドを越
えると判断されるものについては、ターゲット判定回路
28に送られる。
【0006】スレッショルド平均化セル制御回路20
は、クラッタマップメモリ16の出力に基づいてゼロド
ップラ信号ターゲット検出回路18によりターゲットと
判定されたものを除きクラッタと判断する。クラッタと
判定されたレンジセルについては、もしそのレンジセル
がCFAR回路26のリファレンスセルに当たるとき
は、そのリファレンスセルの値がブランク値に置き換え
られる。また、もしそのレンジセルが注目セルに当たる
場合は、CFAR回路26のスレッショルドが強制的に
大きくされる。
【0007】ゼロドップラ信号ターゲット検出回路18
の出力と、CFAR回路26の出力は、双方とも更に、
ターゲット検出判定回路28で、予め定められたスレッ
ショルドと比較される。その結果、スレッショルドに比
して大きいと判断される場合は、ターゲットとして出力
される。
【発明が解決しようとする課題】従来の装置は以上のよ
うに構成されているので、クラッタマップ作成時に、ゼ
ロドップラ信号において振幅レベルが引き続いて数スキ
ャン大きなレベルが入力されるときのみターゲットの存
在が認識され、その信号の影響がクラッタマップから除
かれていた。従って、従来の装置においては、航空機に
よく適用されるスワーリングケース1(スキャン毎に振
幅値変動)に従うターゲットや、比較的レベルの低いタ
ーゲットがクラッタと認識され、その結果検出確率(以
下、「Pd」と称す)が下がる場合があった。
【0008】また、あるスキャンにおいてかなりレベル
の高いクラッタについては、平均しても高いレベルが維
持されることがある。従来の装置によれば、このような
クラッタがターゲットと誤認され、その結果誤警報確率
(以下、「Pfa」と称す)が上がる場合があった。
【0009】また、従来の装置においては、ウェザーク
ラッタやシークラッタのように中心ドップラがゼロドッ
プラでないクラッタ(以下、「移動クラッタ」と称す)
に対してクラッタマップを作成することができないた
め、それらの移動クラッタに関する抑圧効果が期待でき
なかった。従って、移動クラッタに対処するためには、
図8に示すシステム構成と別に、移動クラッタ用のクラ
ッタマップを作成しなければならなかった。
【0010】更に、従来のCFAR回路では、信号の振
幅によってのみスレッショルドが決められていた。この
場合、誤警報確率Pfaを下げるためには、CFAR回路
のスレッショルドを高めることが必要であり、一方、検
出確率Pdを高めるためには、上記のスレッショルドを
下げることが必要である。従って、従来の装置において
は、誤警報確率Pfaの改善(低減)と検出確率Pdの改
善(向上)とを同時に実現することができなかった。
【0011】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたもので、様々なドップラ周波数をもつクラ
ッタの性質を、ターゲットと分離して認識することがで
き、クラッタのみを抑圧することができると共に、従来
のCFAR装置に比して検出確率Pdを低下させること
なく、誤警報確率Pfaを低く抑えることのできるレーダ
信号処理装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
クラッタフリー領域用の処理を行うノーマル系回路と、
クラッタ領域用の処理を行うMTI系回路とを備えるレ
ーダ信号処理装置であって、前記ノーマル系回路は、ド
ップラバンク毎に、注目セルの値と複数のリファレンス
セルの値とに基づいてCFAR処理を行う回路と、前記
複数のリファレンスセルの値の平均値に基づいて、ドッ
プラバンク毎に前記注目セルの位置におけるクラッタ強
度を認識すると共に、認識したクラッタ強度をクラッタ
マップに蓄積するクラッタマップ作成回路とを備え、前
記MTI系回路は、レーダ受信信号から所定のドップラ
周波数帯の信号を除去するプリキャンセラと、プリキャ
ンセラによって処理された信号をドップラバンク毎の信
号とするドップラフィルタと、ドップラバンク毎に、注
目セルの値と、複数のリファレンスセルの値と、CFA
R係数とに基づいてCFAR処理を行うCFAR回路群
とを備え、更に、前記クラッタマップに記憶されている
ドップラバンク毎のクラッタ強度に基づいて、前記CF
AR回路群で用いられるCFAR係数を、注目セルの位
置とドップラバンクとの組み合わせ毎に算出するCFA
R係数算出回路と、前記ノーマル系回路の処理結果と、
前記MTI系回路の処理結果とを、前記クラッタマップ
に記憶されているクラッタ強度に応じて使い分ける選択
回路と、を備えることを特徴とするものである。
【0013】請求項2記載の発明は、レーダ信号処理装
置あって、リファレンスセルの値に基づいて設定される
スレッショルドに比して、注目セルの値が大きい場合
に、その注目セルの値をターゲットとして通過させるC
FAR処理を行うCFAR回路と、注目セルの値が前記
CFAR処理を通過した場合に、前記注目セルの値と、
前記注目セルの前後のレンジセルの値とを用いて、レー
ダに受信されたパルスの形状が、ターゲットに起因する
パルスの形状とみなせるか否かを判定するパルス形状検
定回路と、を備えることを特徴とするものである。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1記載のレ
ーダ信号処理装置であって、前記ノーマル系回路で実行
されるCFAR処理は、リファレンスセルの値に基づい
て設定されるスレッショルドに比して、注目セルの値が
大きい場合に、その注目セルの値をターゲットとして通
過させる処理を含み、注目セルの値が前記CFAR処理
を通過した場合に、前記注目セルの値と、前記注目セル
の前後のレンジセルの値とを用いて、レーダに受信され
たパルスの形状が、ターゲットに起因するパルスの形状
とみなせるか否かを判定するパルス形状検定回路を備
え、更に、前記クラッタマップ作成回路は、前記パルス
形状検定回路によってターゲットの存在が検定された位
置およびドップラバンクに対応する値が、クラッタ強度
の基礎となる前記リファレンスセルに格納されている場
合は、その値を用いずにクラッタマップを作成すること
を特徴とするものである。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
何れか1項記載のレーダ信号処理装置であって、ターゲ
ットと推定される物体に対応するプロットを作成するプ
ロット作成回路と、位置およびドップラ周波数に変動が
なく、かつ、ドップラ周波数に広がりの無い固定クラッ
タに関するクラッタマップを作成する固定クラッタマッ
プ作成回路と、前記固定クラッタマップ作成回路によっ
て作成されるクラッタマップと、前記プロットとの比較
に基づいて、前記プロットから、固定クラッタに起因す
るプロットを除去する固定クラッタ除去回路と、を備え
ることを特徴とするものである。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項3記載のレ
ーダ信号処理装置であって、前記パルス形状検定回路
は、パルス形状を判定する際に、そのパルスがターゲッ
トとみなせるか否かを検定すると同時に、そのパルスが
クラッタ候補とみなせるか否かを検定し、前記MTI系
回路のCFAR処理を通過した信号であっても、前記パ
ルス形状検定回路によってクラッタ候補であると検定さ
れた信号は、ターゲットではないとして棄却されること
を特徴とするものである。
【0017】請求項6記載の発明は、レーダ信号処理装
置であって、リファレンスセルの値に基づいて設定され
るスレッショルドに比して、注目セルの値が大きい場合
に、その注目セルの値をターゲットとして通過させるC
FAR処理を行うCFAR回路と、注目セルの値が前記
CFAR処理を通過した場合に、レーダに受信されたパ
ルスの形状がターゲットに起因するパルスの形状とみな
せるか否かを、ニューラルネットワークを用いて判定す
るパルス形状検定回路と、を備えることを特徴とするも
のである。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項2または3
記載のレーダ信号処理装置であって、注目セルの信号に
ついて前記パルス形状検定回路においてターゲットの存
在が検定された場合に、その信号と同じレンジに対応
し、かつ、隣接するドップラバンクに属する信号と、そ
の信号とを用いて、ドップラ方向のパルス形状を認識す
ると共に、認識されたドップラ方向のパルス形状に基づ
いてドップラ方向のパルス検定を行うことにより、前記
注目セルの信号がターゲットに起因する信号であるか否
かを判定する回路を備えることを特徴とするものであ
る。
【0019】請求項8記載の発明は、請求項3記載のレ
ーダ信号処理装置であって、前記クラッタマップ作成回
路は、あるレンジセルとあるドップラバンクとの組み合
わせに対する信号が、前記パルス形状検定回路によって
ターゲットでないと判断された場合に、その組み合わせ
に対する信号を基礎データに加えてクラッタマップの作
成を行うことを特徴とするものである。
【0020】請求項9記載の発明は、クラッタフリー領
域用の処理を行うノーマル系回路と、クラッタ領域用の
処理を行うMTI系回路とを備えるレーダ信号処理装置
であって、前記ノーマル系回路は、ドップラバンク毎
に、注目セルの値と複数のリファレンスセルの値とに基
づいてCFAR処理を行う回路と、前記複数のリファレ
ンスセルの値の平均値に基づいて、ドップラバンク毎に
前記注目セルの位置におけるクラッタ強度を認識するク
ラッタデータ作成回路とを備え、前記MTI系回路は、
レーダ受信信号から所定のドップラ周波数帯の信号を除
去するプリキャンセラと、プリキャンセラによって処理
された信号をドップラバンク毎の信号とするドップラフ
ィルタと、ドップラバンク毎に、注目セルの値と、複数
のリファレンスセルの値と、CFAR係数とに基づいて
CFAR処理を行うCFAR回路群とを備え、更に、前
記クラッタデータ作成回路によって認識されるクラッタ
強度に基づいて、前記CFAR回路群で用いられるCF
AR係数を算出するCFAR係数算出回路と、前記CF
AR係数算出回路によって算出されるCFAR係数が、
前記MTI系回路のCFAR回路群の処理に、リアルタ
イムにそのまま利用できるように、処理のタイミングを
同期させるスケジューラと、前記ノーマル系回路の処理
結果と、前記MTI系回路の処理結果とを、前記クラッ
タマップに記憶されているクラッタ強度に応じて使い分
ける選択回路と、を備えることを特徴とするものであ
る。
【0021】請求項10記載の発明は、請求項1または
9記載のレーダ信号処理装置であって、クラッタのドッ
プラ特性を認識する形状判定回路を備えると共に、前記
MTI系回路のプリキャンセラは、前記ドップラ特性に
基づいて、MTI系回路に供給されるレーダ信号に、前
記クラッタに適したナルを形成する機能を備えることを
特徴とするものである。
【0022】請求項11記載の発明は、請求項9記載の
レーダ信号処理装置であって、前記NORM系回路にお
いてCFAR処理を行う回路は、ドップラバンク毎にリ
ファレンスセルの値の平均値を算出すると共に、前記M
TI系回路のCFAR回路群は、前記NORM系回路で
演算されるリファレンスセルの値の平均値を用いて前記
CFAR処理を行うことを特徴とするものである。
【0023】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、図面を参照
してこの発明の実施の形態1のレーダ信号処理装置30
について説明する。図1において、32はFFT回路、
34はドップラバンク毎に設けられた複数のパルス形状
検定回路を備えるパルス形状検定回路群、36はドップ
ラバンクの選定をするためのバンク選択回路、38はク
ラッタ領域ではMTI系ビデオを、クラッタフリー領域
ではノーマル系(以下、「NORM系」と称す)ビデオ
を選択するビデオ選択回路、40はMTI回路、42は
ドップラフィルタ回路、44はドップラバンク毎に設け
られた複数のCFAR回路を備えるCFAR回路群、4
6はドップラバンクを選択するためのバンク選択回路、
48はクラッタマップ作成回路、50はウェザークラッ
タ等の移動クラッタを対象としたクラッタマップ、52
はMTI系のCFAR係数を計算するCFAR係数算出
回路、54はドップラバンクと距離領域との組み合わせ
毎に生成されたMTI系のCFAR係数である。
【0024】更に、56はビデオ選択回路38で選択さ
れたビデオに含まれる複数の信号間の相関をとり、相関
の認められる信号をグルーピングしてプロットを作成す
るプロット作成回路、58は後述するクラッタマップ6
2と相関のとれるプロットを消去する固定クラッタ除去
回路、60はプロット作成回路56で作成されたプロッ
トのうち位置とドップラが変わらないものを固定クラッ
タとして蓄積する固定クラッタマップ作成回路、62は
固定クラッタマップ作成回路60で作成されたマップを
蓄積するクラッタマップである。
【0025】FFT回路32、パルス形状検定回路群3
4およびバンク選択回路36は、NORM系ビデオの生
成ブロックである。一方、MTI回路40、ドップラフ
ィルタ42、CFAR回路群44およびバンク選択回路
46は、MTI系ビデオの作成ブロックである。本実施
形態のレーダ信号処理装置においては、FFT回路3
2、パルス形状検定回路群34およびバンク選択回路3
6のブロックで、クラッタフリーの場合のNORM系ビ
デオが作成されると共に、FFT回路32、パルス形状
検定回路群34、クラッタマップ作成回路48およびク
ラッタマップ50において移動クラッタの性質が認識さ
れる。
【0026】CFAR係数算出回路52では、クラッタ
マップ作成回路48で作成された後蓄積されているクラ
ッタマップ50を用いて、ドップラバンク毎、および、
レンジ領域毎に、すなわち、ドップラバンクとレンジ領
域との組み合わせ毎にCFAR係数が算出される。この
とき、あるドップラバンクおよびレンジセルにおいて、
クラッタマップ50の値が小さいほど、その組み合わせ
に対するCFAR係数は小さな値とされる。換言する
と、あるドップラバンクおよびレンジセルに対応するク
ラッタマップ50の値が、移動クラッタ等の影響で大き
いほど、その組み合わせに対するCFAR係数は大きな
値とされる。これにより、移動クラッタがどのドップラ
バンクにあっても、そのバンクのCFAR係数が大きく
なるので、MTI系から誤警報が発せられる確率が小さ
くなる。
【0027】バンク選択回路36および46は、複数の
ドップラバンクに分かれたそれぞれのビデオ系のデータ
をまとめて1つにする回路である。複数のバンクに対応
するデータを1つにまとめる方法としては、例えば、レ
ンジセル毎に複数のデータの中から最大値を選択する方
法、或いは、複数のデータの振幅をそのまま加算する方
法などが用いられる。
【0028】本実施形態のレーダ信号処理装置30にお
いては、上述の如く、クラッタフリー領域用のNORM
系ビデオ、および、クラッタ領域用のMTI系ビデオが
並列に処理され、それらが共にビデオ選択回路38に入
力される。
【0029】ビデオ選択回路38は、クラッタマップ5
0の領域を参照して、そのマップ50の最大強度(ドッ
プラバンク毎に記憶されている強度の最大値)がある程
度大きな領域をクラッタ領域と判断し、一方、それ以外
の領域をクラッタフリー領域と判断する。そして、ビデ
オ選択回路38は、ある領域がクラッタ領域であると判
断される場合は、その領域のビデオとしてMTI系ビデ
オを選択する。また、ビデオ選択回路38は、ある領域
がクラッタフリー領域と判断される場合は、その領域の
ビデオとしてNORM系ビデオを選択する。
【0030】選択されたビデオは、プロット作成回路5
6に供給される。プロット作成回路56では、ビデオ選
択回路38から供給されるビデオについて、スイープ方
向やエレベーション方向の相関がとられる。更に、プロ
ット作成回路56では、互いに相関の認められる信号同
士がグルーピングされ、ターゲットに対応するプロット
が作成される。
【0031】プロット作成回路56で作成されたプロッ
トは、固定クラッタ除去回路58において、クラッタマ
ップ62のデータと比較される。クラッタマップ62に
は、小さな島などのポイント状のグランドクラッタ等
(以下、「ポイントクラッタ」と称す)に関するデータ
が記憶されている。上記の比較の結果、固定クラッタ除
去回路58においてポイントクラッタであると判断され
たプロットは、ポイントクラッタとして棄却される。
【0032】ポイントクラッタ用のクラッタマップ62
は、プロット作成回路56から出力されるプロットに基
づいて、固定クラッタマップ作成回路60において以下
の手法で作成される。すなわち、プロット作成回路56
は、所定の学習期間中に、同じ位置にほぼ同じ強度のプ
ロットが存在する場合は、そのプロットをポイントクラ
ッタと判断し、クラッタマップ62に、そのプロットの
位置、ドップラ、および振幅強度を登録する。
【0033】次に、図2を参照して、パルス形状検定回
路群34の詳細を説明する。図2は、パルス形状検定回
路群34の機能を、ある1つのドップラバンクに注目し
て表した機能ブロック図である。以下の説明では、図2
中に符号64を付して表す回路をパルス形状検定回路と
称す。パルス形状検定回路群34は、複数のドップラバ
ンクのそれぞれについて、パルス形状検定回路64を備
えている。
【0034】図2において66および68はm個の連続
したリファレンスセル、70,72および74は加算回
路、76はCFARの注目セル、78および80はパル
ス面積計算に使用されるセル、82はリファレンスセル
の平均値を算出するために1/2mを乗算する乗算回
路、84はCFARのスレッショルドを計算するために
係数Kを乗算する乗算回路、86は乗算回路84で計算
されたCFARのスレッショルドと注目セル76の値と
を比較し、注目セル76の値の方が大きければ検出マー
クをつける比較回路、88は注目セル76とその周辺の
レンジセルから後述する手法でパルス面積を計算するパ
ルス面積計算回路、90はパルス面積計算回路88で計
算されたパルス面積が、ノイズやクラッタではなく、タ
ーゲットであることを検定するターゲット検定回路であ
る。
【0035】図2では、パルス面積計算回路88がパル
ス面積を計算するために参照するセル数は3個(注目セ
ル76とその前後のセル78および80)となっている
が、このセル数は、レーダ送信波のパルス幅と、レーダ
受信波の処理に用いられるA/D変換のサンプリングレ
ートとの関係に応じて、適宜設定すべき値である。
【0036】また、図2では、パルス形状検定回路64
がCA(Cell Averaging)−CFAR方式のCFAR処
理を実行することとしているが、パルス形状検定回路6
4において実行されるCFAR処理はこれに限定される
ものではなく、GO(Greatest Of)−CFAR方式や
LOG−CFAR方式などの他のCFAR処理をパルス
形状検定回路64に実行させることとしてもよい。
【0037】レーダ受信機で受信され、A/D変換され
た信号は、NORM系の場合、図1に示すFFT回路に
より積分された後、ドップラバンク毎に順に図2に示す
リファレンスセル66および68に入力していく。図2
に示すようなCA−CFARの場合は、加算回路70お
よび72でリファレンスセル66および68の値が全て
加算された後、その加算値に、乗算回路82においてリ
ファレンスセル数の逆数1/2mが乗算される。その結
果、乗算回路82においては、全てのリファレンスセル
の値の平均値が算出される。
【0038】乗算回路82で算出された平均値には、乗
算回路84においてCFARの係数Kが乗算される。上
記の乗算処理により、パルス形状検定回路64で用いら
れるCFARのスレッショルドが算出される。乗算回路
84において算出されたスレッショルドは、比較回路8
6に供給される。
【0039】パルス形状検定回路64では、ターゲット
の存在を確認するために、比較回路86等で実行される
CFAR処理に加えて、後述の如く、ターゲット検定回
路90におけるターゲット検出処理が実行される。この
ため、乗算回路30で計算されるCFARのスレッショ
ルドは、所望の誤警報確率Pfaを得るために必要な値に
比して低い値に設定できる。比較回路86等で実行され
るCFAR処理では、用いられるスレッショルドが低い
ほど、高い検出確率Pdでターゲットを検出することが
できる。従って、本実施形態のレーダ信号処理装置30
によれば、パルス形状検定回路64において高い検出確
率Pdを得ることができる。
【0040】比較回路86では、注目セル76とCFA
Rのスレッショルドとが比較される。その結果、注目セ
ル76の値がスレッショルドに比して大きい場合は、そ
の注目セル76においてターゲットが検出されたと判断
され、パルス面積計算回路88にトリガが加えられる。
【0041】パルス面積計算回路88は、比較回路86
からトリガが加えられた場合にのみ動作する回路であ
る。すなわち、パルス面積計算回路88は、上記のトリ
ガに応答して、その時の注目セル76と、その前後のセ
ル78および80とに格納されている振幅値を抽出す
る。そして、抽出した値を次式に代入して、規格化パル
ス面積を計算する。
【0042】
【数1】
【0043】ただし、上記式1中、ad(*)は、あるド
ップラバンクdにおける、あるレンジセル*の信号振幅
値である。また、rは注目セル76のレンジ、hはパル
ス幅とA/D変換レートとで定まる定数(パルス面積の
計算の際に、注目セル76の前後で参照すべきセルの数
に相当)である。本実施形態において、hは1に設定さ
れている。
【0044】ターゲットに起因する振幅値が注目セル7
6に格納されている場合に、式1に従って演算される値
は、パルス形状とA/D変換レートが決まれば、ほぼ一
定値となる。例えば、リニアチャープ信号で圧縮された
パルスにおいて、パルス幅がA/Dサンプリングレート
の2倍程度である場合は、注目セル76とその前後1レ
ンジセル78および80の振幅値を用いて式1で計算さ
れる規格化パルス面積は、約2.4程度となる。
【0045】それに対して、注目セル76の格納値がノ
イズであり、CFARをたまたま通過した場合(比較回
路86によってたまたまターゲットと判断された場合)
は、式1で演算される規格化パルスの面積は、2.4を
下回る確率がかなり高い。
【0046】上述の様子を図3に示す。図3は、あるド
ップラバンクのレンジ方向の信号波形の例である。図3
において、92はターゲットに起因するレーダエコーの
波形、94は比較的大きな値のノイズ、TsはA/Dサ
ンプリングの幅である。ターゲットに起因するレーダエ
コーの場合は、92の点線で示すようにパルス形状をA
/Dサンプリングしたものになっているので、この形状
は一定である。ところが、ノイズ94の場合はレンジ方
向に相関が少ないので、たまたま大きな値があってもそ
の前後のレンジの信号の振幅が大きいことはほとんどあ
り得ない。
【0047】また、注目セル76にクラッタに起因する
振幅値が格納されている状況下で、その注目セル76の
値がCFARを通過した場合は、規格化パルスの面積は
2.4を上回るか、または2.4を下回る確率が高い。
従って、規格化パルスの面積があるスレッショルドで定
められる範囲内に収まるときは、注目セル76の値がタ
ーゲットに起因すると判断することができる。
【0048】本実施形態の装置において、図2に示すタ
ーゲット検定回路90は、上記の処理(ターゲット検
定)により注目セル76の値がターゲットに起因すると
判断できる場合に、その値をNORM系ビデオに出力す
る。上記のターゲット検定で、実際のターゲットが棄却
される確率はほとんど無い。このため、上記のターゲッ
ト検定によれば、検出確率Pdを維持しつつ、誤警報確
率Pfaのみを低下させることができる。従って、本実施
形態の装置によれば、NORM系の誤警報確率Pfaと検
出確率Pdとを同時に改善することができる。
【0049】クラッタマップ作成回路48は、あるドッ
プラバンクのパルス形状検定回路64が備える乗算回路
82から出力されるリファレンスセルの平均値を、その
ドップラバンクにおける注目セル76のクラッタ強度と
して認識すると共に、その平均値を数スキャンにわたっ
て平均化することにより、そのレンジおよびそのドップ
ラバンクに対するクラッタマップ値を更新する。クラッ
タは、通常、レンジ方向の広がりを持っているので、ク
ラッタマップの値は、レンジ毎ではなく、レンジ方向
や、方位方向等にある程度まとめて(平均して)設定し
てもよい。
【0050】ただし、クラッタマップの各マップ値は、
その基礎となる複数のリファレンスセルの値に、パルス
形状検定でターゲットと認識された値が含まれる場合
は、その値を除く他のリファレンスセルの値に基づいて
作成する。上記の動作により、クラッタマップのマップ
値がターゲットの値に引っ張られて誤って大きな値にな
るのを防ぐことができる。
【0051】CFAR係数算出回路52は、上記の如く
作成されたクラッタマップの値に応じて、位置とドップ
ラバンクとの組み合わせ毎に、MTI系で用いられるC
FAR係数Lを算出する。CFAR係数算出回路52
は、具体的には、クラッタマップの値が大きい場合に
は、その値に対応する位置およびバンクに対して大きな
CFAR係数Lを設定し、一方、クラッタマップの値が
小さい場合には、その値に対応する位置およびバンクに
対して小さなCFAR係数Lを設定する。
【0052】次に、図4を参照して、CFAR回路群4
4について説明する。図4は、CFAR回路群44が備
える複数のCFAR回路96の1つの機能ブロック図で
ある。CFAR回路群44は、複数のドップラバンクの
それぞれについて、CFAR回路96を備えている。
【0053】図4において98および100はm個の連
続したリファレンスセル、102,104および106
は加算回路、108はCFARの注目セル、110はリ
ファレンスセルの平均値とCFAR係数Lとの乗算値を
算出するために、加算回路106の算出値にL/2mを
乗算する乗算回路である。CFAR回路96において
は、乗算回路110において上記の如く算出される乗算
値がCFARのスレッショルドとして用いられる。
【0054】図4において、112は、乗算回路110
で計算されたCFARのスレッショルドと注目セル10
8の値とを比較し、注目セル108の値の方が大きけれ
ば、注目セル108のレンジにターゲットが存在すると
判断する比較回路である。比較回路112は、上記のC
FAR処理により注目セル108の値がターゲットに起
因すると判断できる場合に、その値をMTI系ビデオに
出力する。
【0055】CFAR回路96の誤警報確率Pfaは、C
FARのスレッショルドが高いほど、すなわち、CFA
R係数Lが大きいほど低下する。また、CFAR回路9
6の検出確率Pdは、CFARのスレッショルドが低い
ほど、すなわち、CFAR係数Lが小さいほど向上す
る。本実施形態においては、上記の如く、クラッタマッ
プのマップ値が大きい場合にCFAR係数Lを大きな値
とし、一方、そのマップ値が小さい場合にCFAR係数
Lを小さな値とすることができる。
【0056】すなわち、本実施形態の装置は、注目セル
108の値がクラッタの影響で大きな値となり易い場合
に、CFAR係数Lを大きな値に設定することで誤警報
発生確率Pfaを抑制すると共に、注目セル108の値が
クラッタに影響されない場合に、CFAR係数Lを小さ
な値として、検出確率Pdの改善を図ることができる。
【0057】本実施形態のレーダ信号処理装置30にお
いて、MTI系では、(1)CFAR係数が上記の如くク
ラッタ強度に応じて適切に設定されること、および、
(2)MTI回路40によってゼロドップラ付近のクラッ
タが予め抑制されていることに起因して、誤警報確率P
faを、NORM系の値に比して更に低くすることができ
る。また、MTI系において、ある位置に対応するCF
AR係数は、その位置にクラッタが存在しても、クラッ
タとドップラバンクが異なる限り小さな値に設定され
る。このため、MTI系は、NORM系と同等の検出確
率Pdでターゲットを検出することができる。
【0058】以上のような動作で作成されたNORM系
ビデオ、および、MTI系ビデオは、共にビデオ選択回
路38に供給される。そして、ビデオ選択回路38で
は、クラッタマップ50の値が大きなクラッタ領域では
NORM系ビデオが、それ以外のクラッタフリー領域で
はMTI系ビデオが選択される。従って、クラッタフリ
ー領域では、NORM系の設計値のPdおよびPfaを得
ることができ、一方、クラッタ領域では、MTI系によ
り、クラッタが十分に抑制されたPdおよびPfaを得る
ことができる。
【0059】上述のような動作の後でも、小さな島など
のように、ターゲットエコーと根本的に区別できないポ
イントクラッタは消え残っている。これを消去するた
め、固定クラッタ除去回路58では、プロット作成回路
56で作成されたプロットとクラッタマップ62との相
関をとり、位置およびドップラバンクの相関がとれたプ
ロットを消去する処理が行われる。尚、クラッタマップ
62には、固定クラッタマップ作成回路60において、
クラッタマップ作成回路48より長い時定数で平均化さ
れた値が、位置およびドップラバンクの組み合わせ毎に
蓄積されている。
【0060】尚、上記の実施形態においては、パルス形
状検定回路64が、リファレンスセル66および68の
平均値に基づいて求まるCFARのスレッショルドと、
注目セル76の値とを比較回路86において比較する処
理が前記請求項1に記載されるノーマル系回路での「C
FAR処理」に相当している。また、上記の実施形態に
おいては、MTI回路40が前記請求項1記載の「プリ
キャンセラ」に、ビデオ選択回路38が前記請求項1記
載の「選択回路」に、それぞれ相当している。
【0061】また、上記の実施形態においては、パルス
形状検定回路64のうち、上記のCFAR処理を行う部
分が前記請求項12記載の「CFAR回路」に、パルス
形状検定回路64のうち、パルス面積計算回路88およ
びターゲット検定回路90が、前記請求項2または3記
載の「パルス形状検定回路」に、それぞれ相当してい
る。
【0062】実施の形態2.次に、本発明の実施の形態
2のレーダ信号処理装置について説明する。尚、本実施
形態のレーダ信号処理装置の説明は、実施の形態1の説
明で用いた機能構成図を参照して行う。
【0063】本実施形態のレーダ信号処理装置は、NO
RM系のターゲット検定回路90(図2参照)におい
て、式1の演算値が、規格パルス面積の基準値に比して
僅かに小さなスレッショルド(以下、「低スレッショル
ド」と称す)、および、基準値に比して僅かに大きなス
レッショルド(以下、「高スレッショルド」と称す)と
比較される。ターゲット検定回路90は、上記の比較の
結果、式1の演算値が低スレッショルドに比して小さい
場合に、注目セル76の値をノイズ候補とすると共に、
式1の演算値が高スレッショルドに比して大きい場合
に、注目セル76の値をクラッタ候補とする。
【0064】本実施形態のレーダ信号処理装置は、更
に、MTI系の処理において、注目セル108(図4参
照)の値がCFAR処理を通過してターゲットとして検
出された場合に、そのセルのレンジおよびドップラバン
クを、NORM系でノイズ候補或いはクラッタ候補とさ
れたものと比較する。そして、両者が同じものである場
合は、その注目セル108の値を、ターゲットでないと
棄却する。上記の処理によれば、MTI系におけるクラ
ッタ抑制性能を実施の形態1の場合に比して更に改善す
ることができる。
【0065】実施の形態3.次に、本発明の実施の形態
3のレーダ信号処理装置について説明する。尚、本実施
形態のレーダ信号処理装置の説明は、実施の形態1の説
明で用いた機能構成図を参照して行う。
【0066】本実施形態のレーダ信号処理装置は、実施
の形態1の装置が、パルス面積計算回路88およびター
ゲット検定回路90(図2参照)において、式1を用い
たパルス形状検定を行うのに対して、ニューラルネット
ワークでパルス形状の検定を行う。ニューラルネットワ
ークによるパルス形状検定によれば、式1を用いたパル
ス形状検定に比して、パルス形状の検定をより柔軟に行
うことができる。従って、本実施形態の装置によれば、
実施の形態1の場合に比して、更にクラッタ抑制性能を
改善することができる。
【0067】実施の形態4.次に、本発明の実施の形態
4のレーダ信号処理装置について説明する。本実施形態
のレーダ信号処理装置は、実施の形態1の装置と同様に
ターゲット検定を行い、ターゲットと認識されたレンジ
セルおよびドップラバンクの信号について、ドップラ方
向のパルス面積を計算する。上記の計算は、ターゲット
と認識された信号と、その信号のドップラバンクに隣接
するバンクの当該レンジセルの信号を用いて、式1によ
るレンジ方向のパルス面積の計算と同様に行われる。
【0068】ターゲットに起因するレーダエコーは、ド
ップラ方向にはついてはほとんど広がりを持たない。こ
のため、本実施形態の装置は、ドップラ方向のパルス面
積の値がある範囲内である場合に、その信号を最終的に
ターゲットと認識する。上記の処理によれば、実施の形
態1のレーダ信号処理装置に比して、更に優れたターゲ
ット検出精度を実現することができる。
【0069】実施の形態5.次に、図2を参照して本発
明の実施の形態5のレーダ信号処理装置について説明す
る。本実施形態のレーダ信号処理装置では、注目セル7
6がターゲット検定回路90においてターゲットと認識
された場合は、実施の形態1の場合と同様に、クラッタ
マップ作成回路48において、リファレンスセル66お
よび68の振幅値の総和を2mで除した値、すなわち、
リファレンスセルの振幅値の平均値が、注目セル76の
レンジおよびドップラバンクに対応するクラッタマップ
値の基礎データとして用いられる。
【0070】また、本実施形態のレーダ信号処理装置で
は、注目セル76がターゲット検定回路90で棄却され
た場合には、注目セル76と、その前後のセル78およ
び80の振幅値がクラッタマップ作成回路48に送られ
る。この場合、クラッタマップ作成回路48は、リファ
レンスセル66および68の平均値と、上記のセル7
6,78および80の値とを適切な加重で平均化する。
より具体的には、次式2に従う演算を行うと共に、その
演算値をクラッタマップ値の基礎データとして用いる。
【0071】
【数2】
【0072】ここで、Bd(k)およびAd(k)は、あるドッ
プラバンクdにおける注目セルがkのときの、前方のリ
ファレンスセル(本実施形態における68)の合計値、
および、後方のリファレンスセル(本実施形態における
66)の合計値である。また、式2において、mは、前
方または後方のリファレンスセルのセル数である。その
他の記号は式1の場合と同様である。尚、本実施形態に
おいて、hは1に設定される。
【0073】式2の演算値を基礎データとしてクラッタ
マップを作成することによれば、注目セル76にターゲ
ットがない場合に、その注目セル76のレンジおよびド
ップラバンクに対応する振幅値をマップに反映させるこ
とができ、クラッタマップをより精度良く作成すること
ができる。従って、本実施形態のレーダ信号処理装置に
よれば、実施の形態1の装置に比して、更に高精度なタ
ーゲット検出を行うことができる。
【0074】実施の形態6.次に、本発明の実施の形態
6のレーダ信号処理装置について説明する。本実施形態
のレーダ信号処理装置は、図1に示すシステム構成か
ら、固定クラッタマップ作成回路60、固定クラッタ除
去回路58、およびクラッタマップ62を除去すること
により実現される。本実施形態のレーダ信号処理装置
は、固定クラッタの少ない状況での使用に適したレーダ
信号処理装置である。このような状況下では、上述した
3つの回路を除去しても、高い精度でターゲットの検出
処理を行うことができる。また、それらの回路を除去す
ることによれば、レーダ信号処理装置の規模を小さくす
ることができる。従って、本実施形態の構造によれば、
固定クラッタの少ない状況下で精度良くターゲット検出
を行い得る規模の小さいレーダ信号処理装置を実現する
ことができる。
【0075】実施の形態7.次に、図5を参照して、本
発明の実施の形態7のレーダ信号処理装置120につい
て説明する。実施の形態1のレーダ信号処理装置におい
て、レンジセル毎に、NORM系のパルス形状検定回路
群34までの回路をMTI系より先に作動させ、その後
にMTI系のCFARを作動させるようにスケジューリ
ングを行うと、MTI系のCFAR回路群44に供給さ
れるCFAR係数Lを、リアルタイムな値とすることが
できる。
【0076】MTI系のCFAR回路群44が、リアル
タイムに供給されるCFAR係数Lに基づいてCFAR
処理を行う場合、CFAR回路群44がクラッタマップ
48のマップ値に基づいてCFAR処理を行う場合に比
して、優れたクラッタ抑圧能力を得ることができる。ま
た、MTI系に対してリアルタイムにCFAR係数が供
給できれば、クラッタマップ作成回路48およびクラッ
タマップ50を省略することができる。従って、上述し
たスケジューリングを行うことによれば、クラッタ抑圧
能力を更に改善することができると共に、装置規模を更
に小さくすることができる。
【0077】図5は、本実施形態のレーダ信号処理装置
120の機能ブロック図を示す。図5において、122
はクラッタデータ作成回路、124はMTI系の処理の
動作を制御するMTI系スケジューラである。以下にそ
の動作を説明する。
【0078】あるレンジのデータが、NORM系におい
て、FFT回路32およびパルス形状検定回路群34で
処理される際には、同じデータがMTI系スケジューラ
124に蓄積される。パルス形状検定回路群34におい
て、注目セルの値がターゲットであるか否かが判定され
る。その結果、検定を通過した値は、バンク選択回路3
6に送られる。検定を通過した値がバンク選択回路36
に送られるのと同時に、そのレンジに相当するクラッタ
データがクラッタデータ作成回路122で作成され、そ
れを基にCFAR係数算出回路52で当該レンジのCF
AR係数Lが決定され、CFAR係数54として蓄えら
れる。
【0079】MTI系スケジューラ124は、クラッタ
データ作成回路122がバンク毎に作成するクラッタデ
ータの最大値がある程度以上大きい場合のみ、蓄積して
いた当該レンジのデータを、MTI系の回路、すなわ
ち、MTI回路40、ドップラフィルタ42、およびC
FAR回路群44に供給する。この時点で、CFAR回
路群44で用いられるCFAR係数54が既に変更され
ているので、当該レンジのMTI系のCFAR処理が正
常に働く。MTI系スケジューラ124は、クラッタデ
ータの最大値が十分に小さい場合は、当該レンジのデー
タを廃棄し、次のレンジのデータの入力に備える。
【0080】本実施形態において、ビデオ選択回路38
は、MTI系スケジューラ124がMTI系にデータを
供給したレンジ領域のみ、MTI系ビデオを選択し、他
のレンジ領域ではNORM系ビデオを選択する。その結
果、クラッタ領域ではMTI系ビデオが、また、クラッ
タフリー領域ではNORM系ビデオが、それぞれ選択さ
れる。
【0081】ところで、上記の実施形態においては、M
TI系のCFAR回路96が、それぞれリファレンスセ
ルの値の平均値を演算し、その演算値にCFAR係数L
を乗算してCFARのスレッショルドを計算することと
しているが、スレッショルドの計算方法はこれに限定さ
れるものではない。すなわち、本実施形態の装置120
では、NORM系のパルス形状検定回路64と、MTI
系のCFAR回路96とが同期して作動するため、MT
I系のCFAR回路96は、NORM系のパルス形状検
定回路64で演算された平均値を用いて所望の処理を行
うことができる。MTI系のCFAR回路96に、上記
の如くNORM系のパルス形状検定回路64の演算値を
利用させることによれば、演算負荷を低減させて装置の
規模を小さくすることができる。
【0082】実施の形態8.次に、図6を参照して、本
発明の実施の形態8のレーダ信号処理装置について説明
する。図6は、本実施形態のレーダ信号処理装置130
の機能ブロック図を示す。本実施形態の装置130は、
実施の形態1の装置30と同様に、NORM系の処理に
よってクラッタマップ50を作成する。本実施形態にお
いて、クラッタマップ50の値は、CFAR係数算出回
路52に供給されると共に、形状判定回路132にも供
給される。
【0083】形状判定回路132では、クラッタマップ
50の値を用いて、クラッタの中心ドップラ、およびド
ップラ周波数の広がりが認識される。形状判定回路13
2には、ナル付きドップラフィルタ134が接続されて
いる。ナル付きドップラフィルタ134には、レーダ信
号が供給されている。ナル付きドップラフィルタ134
は、特定の周波数帯にナルを掘ることのできるドップラ
フィルタ、すなわち、特定の周波数帯に属する信号の通
過を阻止しつつ、レーダ信号を複数のドップラバンクの
信号に分配するフィルタである。
【0084】本実施形態において、形状判定回路132
は、処理の対象であるレンジ領域において、クラッタの
中心ドップラ付近の信号を抑制するナルを掘るように、
ナル付きドップラフィルタ134に対して指示を発す
る。MTI系の処理では、クラッタの中心ドップラ周波
数にナルが掘れているので、CFAR回路群44に入力
されるドップラバンク毎の信号は、クラッタ成分が除去
されたものとなる。このため、本実施形態のレーダ信号
処理装置130によれば、実施の形態1の装置30に比
して、更にクラッタ抑圧能力を改善することができる。
【0085】実施の形態9.次に、図7を参照して本発
明の実施の形態9について説明する。図7は、本実施形
態のレーダ信号処理装置140の機能ブロック図を示
す。本実施形態のレーダ信号処理装置140は、MTI
系スケジューラ124、形状判定回路132、およびナ
ル付きドップラフィルタ134を備えている。MTI系
スケジューラ124は、実施の形態7の場合と同様に機
能する。また、形状判定回路132、およびナル付きド
ップラフィルタ134は、実施の形態8の場合と同様に
機能する。
【0086】本実施形態のレーダ信号処理装置140に
おいては、NORM系でクラッタマップの作成に使用さ
れるデータと、MTI系でナル付きドップラフィルタ1
34によって処理されるデータとが同一のため、実施の
形態8の装置130に比して高精度で最適なナルを掘る
ことができる。従って、本実施形態の装置140によれ
ば、実施の形態8の装置130に比して、更にクラッタ
抑圧能力を改善することができる。
【0087】尚、上記の実施形態においては、レーダ信
号処理装置140を、実施の形態1の装置30と基に構
成しているが、本実施形態の技術は、実施の形態7の装
置120にも適用することができる。
【0088】実施の形態10.次に、本発明の実施の形
態10について説明する。本実施形態のレーダ信号処理
装置は、図6に示すシステム構成において、ナル付きド
ップラフィルタ134に代えて、消去ドップラ移動型の
MTI回路を配置し、かつ、その後段に図1に示すもの
と同様の通常のドップラフィルタを配置することで実現
される。上記の構成によれば、実施の形態9の装置14
0と同様の効果を得て、クラッタ抑制能力を改善するこ
とができる。
【0089】実施の形態11.次に、本発明の実施の形
態11について説明する。本実施形態のレーダ信号処理
装置は、実施の形態1〜10のシステム構成において、
MTI系のCFAR回路96(図4参照)を、NORM
系のパルス形状検定回路64(図2参照)と同様に、パ
ルス形状検定型とすることで実現される。上記の構成に
よれば、実施の形態1〜10の装置に比して、更にクラ
ッタ抑圧能力を改善することができる。
【0090】
【発明の効果】この発明は以上説明したように構成され
ているので、以下に示すような効果を奏する。請求項1
記載の発明によれば、ドップラバンク毎にクラッタ強度
を検出し、そのクラッタ強度に基づいてクラッタ領域の
処理用のCFAR回路のスレッショルドを、レンジ領域
とドップラバンクとの組み合わせ毎に、適切に設定する
ことができる。このため、本発明によれば、いかなるド
ップラ周波数を有するクラッタ領域においても、誤警報
確率および検出確率を適切なレベルに保つことができ
る。また、本発明では、クラッタフリー領域用の処理を
行うノーマル系回路の処理中に作成されるデータを利用
してクラッタマップが作成されるので、クラッタマップ
作成処理を行う回路の規模を小さくすることができる。
【0091】請求項2記載の発明によれば、CFAR処
理を通過したレンジセルに対し、当該セルおよびその前
後のセルの値(振幅値)に基づいて、ターゲットである
か否かの検定を行うことができる。従って、本発明によ
れば、誤警報確率を十分に小さな値に抑制しつつ、高い
探知確率を確保することができる。
【0092】請求項3記載の発明によれば、ターゲット
の存在するレンジセル信号を含まない信号のみに基づい
てクラッタマップを作成することができる。このため、
本発明によれば、クラッタマップを精度良く作成するこ
とができる。
【0093】請求項4記載の発明によれば、ターゲット
と認識されるプロットから、位置およびドップラ周波数
がほとんど変化しないもの、すなわち、ポイントクラッ
タに起因すると推定できるプロットを確実に除去するこ
とができる。このため、本発明によれば、検出確率を保
持したまま誤警報確率を更に下げることができる。
【0094】請求項5記載の発明によれば、パルス形状
の判定時に、そのパルスがターゲットとみなせるか否か
と同時に、そのパルスがクラッタ候補とみなせるか否か
を検定することができる。更に、本発明では、MTI系
のCFAR回路を通過した信号、すなわち、MTI系回
路においてターゲットと認識される信号であっても、そ
の信号とレンジおよびドップラバンクが同じ信号が、ク
ラッタ候補と検定されていれば、その信号がターゲット
から除外される。このため、本発明によれば、誤警報確
率を更に抑制することができる。
【0095】請求項6記載の発明によれば、パルス形状
の判定を、ニューラルネットワーク回路で行うことがで
きる。従って、本発明によれば、レーダ信号に含まれる
パルス形状の原因を、柔軟に、かつ、精度良く検定する
ことができる。
【0096】請求項7記載の発明によれば、レーダ信号
に含まれるパルスの原因を検定するにあたって、レンジ
方向のパルス形状と共に、ドップラ方向のパルス形状も
考慮される。このため、本発明によれば、パルスの原因
の検定精度を高めて、更に優れたターゲット検出精度を
実現することができる。
【0097】請求項8記載の発明によれば、注目セルに
ターゲットが存在しないと判定される場合は、クラッタ
マップの作成の際に、その注目セルの信号も、そのセル
に対応するレンジおよびドップラバンクにおけるマップ
値の基礎データとして用いられる。従って、本発明によ
れば、クラッタマップを精度良く作成することができ
る。
【0098】請求項9記載の発明によれば、MTI系回
路の処理において特定のレンジ領域に関するCFAR処
理が開始されるタイミングと、その特定のレンジ領域に
対するCFAR係数が算出されるタイミングとを同期さ
せることができる。このため、本発明によれば、MTI
系のCFAR回路におけるターゲット検出精度を高める
ことができると共に、クラッタマップ用のメモリが不要
となるため装置の規模を小さくすることができる。
【0099】請求項10記載の発明によれば、クラッタ
の中心ドップラ周波数を検出し、その付近の信号を事前
にキャンセルしてMTI系のCFAR回路に供給するこ
とができる。このため、本発明によれば、MTI系の誤
警報確率を十分に小さく抑制することができる。
【0100】請求項11記載の発明によれば、MTI系
のCFAR回路では、リファレンスセルの平均値を算出
することなくCFARのスレッショルドを決定すること
ができる。このため、本発明によれば、検出確率および
誤警報確率を悪化させることなく、装置の規模を小さく
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1のレーダ信号処理装置
の機能ブロック図である。
【図2】 図1に示すレーダ信号処理装置が備えるパル
ス形状検定回路群に含まれるパルス形状検定回路の機能
ブロック図である。
【図3】 図1に示すレーダ信号処理装置が扱う信号波
形の一例である。
【図4】 図1に示すレーダ信号処理装置が備えるCF
AR回路群に含まれるCFAR回路の機能ブロック図で
ある。
【図5】 本発明の実施の形態7のレーダ信号処理装置
の機能ブロック図である。
【図6】 本発明の実施の形態8のレーダ信号処理装置
の機能ブロック図である。
【図7】 本発明の実施の形態9のレーダ信号処理装置
の機能ブロック図である。
【図8】 従来のレーダ信号処理装置の機能ブロック図
である。
【符号の説明】
30;120;130;140 レーダ信号処理装置、
32 FFT回路、 34 パルス形状検定回路
群、 40 MTI回路、 44 CFAR回路
群、 48 クラッタマップ作成回路、 50、6
2 クラッタマップ、 52 CFAR係数算出回
路、 56 プロット作成回路、 58固定クラッ
タ除去回路、 60 固定クラッタマップ作成回路、
64パルス形状検定回路、 70,72,74,
102,104,106 加算回路、 88 パルス
面積計算回路、 90 ターゲット検定回路、 9
6CFAR回路、 122 クラッタデータ作成回
路、 124 MTI系スケジューラ、 132形
状判定回路、 134 ナル付きドップラフィルタ。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラッタフリー領域用の処理を行うノー
    マル系回路と、クラッタ領域用の処理を行うMTI系回
    路とを備えるレーダ信号処理装置であって、 前記ノーマル系回路は、ドップラバンク毎に、注目セル
    の値と複数のリファレンスセルの値とに基づいてCFA
    R処理を行う回路と、前記複数のリファレンスセルの値
    の平均値に基づいて、ドップラバンク毎に前記注目セル
    の位置におけるクラッタ強度を認識すると共に、認識し
    たクラッタ強度をクラッタマップに蓄積するクラッタマ
    ップ作成回路とを備え、 前記MTI系回路は、レーダ受信信号から所定のドップ
    ラ周波数帯の信号を除去するプリキャンセラと、プリキ
    ャンセラによって処理された信号をドップラバンク毎の
    信号とするドップラフィルタと、ドップラバンク毎に、
    注目セルの値と、複数のリファレンスセルの値と、CF
    AR係数とに基づいてCFAR処理を行うCFAR回路
    群とを備え、更に、 前記クラッタマップに記憶されているドップラバンク毎
    のクラッタ強度に基づいて、前記CFAR回路群で用い
    られるCFAR係数を、注目セルの位置とドップラバン
    クとの組み合わせ毎に算出するCFAR係数算出回路
    と、 前記ノーマル系回路の処理結果と、前記MTI系回路の
    処理結果とを、前記クラッタマップに記憶されているク
    ラッタ強度に応じて使い分ける選択回路と、 を備えることを特徴とするレーダ信号処理装置。
  2. 【請求項2】 リファレンスセルの値に基づいて設定さ
    れるスレッショルドに比して、注目セルの値が大きい場
    合に、その注目セルの値をターゲットとして通過させる
    CFAR処理を行うCFAR回路と、 注目セルの値が前記CFAR処理を通過した場合に、前
    記注目セルの値と、前記注目セルの前後のレンジセルの
    値とを用いて、レーダに受信されたパルスの形状が、タ
    ーゲットに起因するパルスの形状とみなせるか否かを判
    定するパルス形状検定回路と、 を備えることを特徴とするレーダ信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記ノーマル系回路で実行されるCFA
    R処理は、リファレンスセルの値に基づいて設定される
    スレッショルドに比して、注目セルの値が大きい場合
    に、その注目セルの値をターゲットとして通過させる処
    理を含み、 注目セルの値が前記CFAR処理を通過した場合に、前
    記注目セルの値と、前記注目セルの前後のレンジセルの
    値とを用いて、レーダに受信されたパルスの形状が、タ
    ーゲットに起因するパルスの形状とみなせるか否かを判
    定するパルス形状検定回路を備え、更に、 前記クラッタマップ作成回路は、前記パルス形状検定回
    路によってターゲットの存在が検定された位置およびド
    ップラバンクに対応する値が、クラッタ強度の基礎とな
    る前記リファレンスセルに格納されている場合は、その
    値を用いずにクラッタマップを作成することを特徴とす
    る請求項1記載のレーダ信号処理装置。
  4. 【請求項4】 ターゲットと推定される物体に対応する
    プロットを作成するプロット作成回路と、 位置およびドップラ周波数に変動がなく、かつ、ドップ
    ラ周波数に広がりの無い固定クラッタに関するクラッタ
    マップを作成する固定クラッタマップ作成回路と、 前記固定クラッタマップ作成回路によって作成されるク
    ラッタマップと、前記プロットとの比較に基づいて、前
    記プロットから、固定クラッタに起因するプロットを除
    去する固定クラッタ除去回路と、 を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項
    記載のレーダ信号処理装置。
  5. 【請求項5】 前記パルス形状検定回路は、パルス形状
    を判定する際に、そのパルスがターゲットとみなせるか
    否かを検定すると同時に、そのパルスがクラッタ候補と
    みなせるか否かを検定し、 前記MTI系回路のCFAR処理を通過した信号であっ
    ても、前記パルス形状検定回路によってクラッタ候補で
    あると検定された信号は、ターゲットではないとして棄
    却されることを特徴とする請求項3記載のレーダ信号処
    理装置。
  6. 【請求項6】 リファレンスセルの値に基づいて設定さ
    れるスレッショルドに比して、注目セルの値が大きい場
    合に、その注目セルの値をターゲットとして通過させる
    CFAR処理を行うCFAR回路と、 注目セルの値が前記CFAR処理を通過した場合に、レ
    ーダに受信されたパルスの形状がターゲットに起因する
    パルスの形状とみなせるか否かを、ニューラルネットワ
    ークを用いて判定するパルス形状検定回路と、 を備えることを特徴とするレーダ信号処理装置。
  7. 【請求項7】 注目セルの信号について前記パルス形状
    検定回路においてターゲットの存在が検定された場合
    に、その信号と同じレンジに対応し、かつ、隣接するド
    ップラバンクに属する信号と、その信号とを用いて、ド
    ップラ方向のパルス形状を認識すると共に、認識された
    ドップラ方向のパルス形状に基づいてドップラ方向のパ
    ルス検定を行うことにより、前記注目セルの信号がター
    ゲットに起因する信号であるか否かを判定する回路を備
    えることを特徴とする請求項2または3記載のレーダ信
    号処理装置。
  8. 【請求項8】 前記クラッタマップ作成回路は、あるレ
    ンジセルとあるドップラバンクとの組み合わせに対する
    信号が、前記パルス形状検定回路によってターゲットで
    ないと判断された場合に、その組み合わせに対する信号
    を基礎データに加えてクラッタマップの作成を行うこと
    を特徴とする請求項3記載のレーダ信号処理装置。
  9. 【請求項9】 クラッタフリー領域用の処理を行うノー
    マル系回路と、クラッタ領域用の処理を行うMTI系回
    路とを備えるレーダ信号処理装置であって、 前記ノーマル系回路は、ドップラバンク毎に、注目セル
    の値と複数のリファレンスセルの値とに基づいてCFA
    R処理を行う回路と、前記複数のリファレンスセルの値
    の平均値に基づいて、ドップラバンク毎に前記注目セル
    の位置におけるクラッタ強度を認識するクラッタデータ
    作成回路とを備え、 前記MTI系回路は、レーダ受信信号から所定のドップ
    ラ周波数帯の信号を除去するプリキャンセラと、プリキ
    ャンセラによって処理された信号をドップラバンク毎の
    信号とするドップラフィルタと、ドップラバンク毎に、
    注目セルの値と、複数のリファレンスセルの値と、CF
    AR係数とに基づいてCFAR処理を行うCFAR回路
    群とを備え、更に、 前記クラッタデータ作成回路によって認識されるクラッ
    タ強度に基づいて、前記CFAR回路群で用いられるC
    FAR係数を算出するCFAR係数算出回路と、 前記CFAR係数算出回路によって算出されるCFAR
    係数が、前記MTI系回路のCFAR回路群の処理に、
    リアルタイムにそのまま利用できるように、処理のタイ
    ミングを同期させるスケジューラと、 前記ノーマル系回路の処理結果と、前記MTI系回路の
    処理結果とを、前記クラッタマップに記憶されているク
    ラッタ強度に応じて使い分ける選択回路と、 を備えることを特徴とするレーダ信号処理装置。
  10. 【請求項10】 クラッタのドップラ特性を認識する形
    状判定回路を備えると共に、 前記MTI系回路のプリキャンセラは、前記ドップラ特
    性に基づいて、MTI系回路に供給されるレーダ信号
    に、前記クラッタに適したナルを形成する機能を備える
    ことを特徴とする請求項1または9記載のレーダ信号処
    理装置。
  11. 【請求項11】 前記NORM系回路においてCFAR
    処理を行う回路は、ドップラバンク毎にリファレンスセ
    ルの値の平均値を算出すると共に、 前記MTI系回路のCFAR回路群は、前記NORM系
    回路で演算されるリファレンスセルの値の平均値を用い
    て前記CFAR処理を行うことを特徴とする請求項9記
    載のレーダ信号処理装置。
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