以下、図面に基づいて実施形態を説明する。
図1は、レーダ装置および目標物の検出方法の一実施形態を示す。図1に示すレーダ装置100は、送信部10、受信部20および検出部30を有する。
送信部10は、電磁波を照射する。例えば、レーダ装置100が、UWB(Ultra-Wide Band:超広帯域)レーダ装置の場合、送信部10が照射する電磁波は、所定の時間間隔で数ギガヘルツの低い帯域を含むUWBのパルス信号である。しかしながら、送信部10が照射する電磁波は、これに限定されず、例えば、単発のUWBのパルス信号等でもよい。
受信部20は、電磁波が照射された物体、例えば、目標物40および反射体50からの反射波を受信する。ここで、目標物40は、例えば、人物や動物等の生物であり、呼吸動作等の一定周期の動きを示す物体である。また、反射体50は、例えば、建物が有する壁や柱等である。そして、レーダ装置100が、例えば、UWBレーダ装置の場合、送信部10が照射するUWBのパルス信号は、数ギガヘルツ以下の低い帯域を含むことから、人物等の目標物40とともに、建物等の反射体50が含むコンクリートや木材等の非金属を透過する。したがって、受信部20は、目標物40からの反射波とともに、レーダ装置100に対して目標物40の後方に存在する反射体50からの反射波を受信する。受信部20は、物体から受信した反射波の強度を時系列に示す情報を検出部30に出力する。なお、図1に示す例では、電磁波を反射する物体は、目標物40および反射体50であるが、これに限定されず、例えば、反射体50に代わりに、目標物40とは別の目標物が存在してもよい。
検出部30は、受信部20が受信した反射波の強度を時系列に示す情報を受信部20から受け付け、受け付けた情報に含まれる反射波の時間に対する強度分布から目標物40を検出する。例えば、検出部30は、反射波の強度分布において、強度の極大値を取る時刻から所定範囲内にある反射波の強度を積算する。検出部30は、各極大値のそれぞれに対応して得られた積算結果が所定の閾値以上である場合に、極大値を示す時刻に受信部20が受信した反射波を反射した物体を目標物40として検出する。
図2は、図1に示す受信部20が受信した反射波の強度を時系列に示す情報に含まれる強度分布の例を示す。図2(a)、(b)において、横軸は時間を示し、縦軸は反射波の信号強度を示す。図2(a)は、検出部30が受け付けた反射波の強度の時系列を示す情報に含まれる強度分布の例を示す。図2(a)に示すように、強度分布が、時刻t1および時刻t2において極大値を有することから、受信部20が、時刻t1,t2で目標物40や反射体50等の物体からの反射波をそれぞれ受信したことが分かる。しかしながら、例えば、反射体50が鉄筋等の金属素材を含む場合、反射体50からの反射波は、目標物40からの反射波と同等の強度を示すことがある。その場合、検出部30が、例えば、図2(a)に示す反射波の強度分布における時刻t1,t2の極大値と、設定された閾値との比較から、目標物40からの反射波か反射体50からの反射波かを識別することは困難である。
ここで、例えば、送信部10が照射する電磁波がUWBのパルス信号である場合、人物等の目標物40は、目標物40の表面でUWBのパルス信号を反射するとともに、目標物40の内部まで透過したUWBのパルス信号を内部の位置で反射する。同様に、コンクリートの壁等の反射体50は、反射体50の表面でUWBのパルス信号を反射するとともに、反射体50の内部まで透過したUWBのパルス信号を内部の位置で反射する。しかしながら、例えば、反射体50が金属素材等を含む場合、反射体50は、表面を含む表層の部分でUWBのパルス信号を反射する。一方、目標物40は、表面を含む目標物40全体でUWBのパルス信号を反射する。したがって、図2(a)に示すように、目標物40からの反射波の強度は、反射体50からの反射波の強度より幅広い分布を示す。そこで、検出部30は、目標物40を検出するために、例えば、図2(a)に示すように、強度の極大値を示す各時刻t1,t2を中心として所定範囲Δt内に含まれる網掛けで示す領域の反射波の強度を積算する。なお、所定範囲Δtは、例えば、検出対象の目標物40が有する大きさに対応した時間間隔等に設定されてもよい。あるいは、所定範囲Δtは、所定値以上の信号強度を有する時間間隔等のように、極大値ごとに異なる幅を有してもよい。
また、図2(a)では、時刻t1,t2に極大値を有する反射波の強度分布を示したが、これに限定されない。例えば、反射波の強度分布は、1つまたは3つ以上の極大値を有してもよい。
図2(b)は、図2(a)に示す網掛けで示す所定範囲Δt内にある反射波の信号強度を積算した強度S1,S2を時刻t1,t2での値として棒グラフで示す。なお、図2(b)に示す実線は、図2(a)に示す反射波の強度分布である。検出部30は、各時刻t1,t2での強度S1,S2が所定の閾値Th以上である場合に、極大値を示す時刻に反射波を反射した物体を目標物40として検出する。
そして、図2(b)に示すように、検出部30による積算処理により得られる強度S1と強度S2との差は、図2(a)に示す時刻t1,t2での極大値の差より大きくなる。このため、図2(b)での閾値Thの設定は、図2(a)で閾値を設定する場合に比べて容易になる。例えば、所定の閾値Thは、レーダ装置100が目標物40と反射体50とに電磁波をそれぞれ照射し、目標物40と反射体50とからの反射波の強度をそれぞれ積算した場合に、推定される強度S1と強度S2との中間値や平均値等の値に予め設定される。
図3は、図1に示したレーダ装置100における検出処理の例を示す。ステップS10からステップS14は、レーダ装置100の動作を示すとともに、検出方法の例を示す。
ステップS10において、送信部10は、電磁波を目標物40および反射体50の物体に向け照射する。
ステップS11において、受信部20は、電磁波が照射された物体からの反射波を受信する。
ステップS12において、受信部20は、受信した物体からの反射波の受信信号を、反射波の強度を時系列に示す情報として検出部30に出力する。
ステップS13において、検出部30は、受信部20が受信した反射波の強度を時系列に示す情報を受信部20から受け付ける。
ステップS14において、検出部30は、受け付けた情報に含まれる強度分布の極大値を取る箇所から所定範囲Δt内にある反射波の強度を積算する。検出部30は、各極大値の時刻t1,t2の位置で得られた積算結果が閾値以上である場合に、極大値を示す時刻に受信部20が受信した反射波を反射した物体を目標物40として検出する。
以上、この実施形態では、検出部30が、反射波の強度分布の極大値を取る各時刻から所定範囲Δtにある反射波の強度を積算し、得られた積算結果と所定の閾値Thとの比較から、目標物40からの反射波か反射体50からの反射波かを識別する。これにより、レーダ装置100は、目標物40からの反射波とともに反射体50からの反射波を受信する場合でも、従来と比べて目標物40を確度高く検出できる。
また、検出部30による積算処理により、目標物40からの反射波の強度と反射体50からの強度との差が明確になる。これにより、所定の閾値Thは、従来と比べて容易に設定することができ、検出部30は、反射体50を目標物40として検出してしまう誤検出を低減することができる。
図4は、レーダ装置および目標物の検出方法の別実施形態を示す。図4に示すレーダ装置200が有する各要素のうち、図1に示した要素と同一または同様の機能を有するものについては、同一の符号を付し説明を省略する。
例えば、制御部60は、レーダ装置200が内蔵するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の記憶部に記憶されたプログラムを実行するプロセッサ等を含み、レーダ装置200の各部を制御する。また、制御部60は、例えば、送信部10に対し、第1のタイミングで目標物40および反射体50の物体に電磁波を照射させる。一方、制御部60は、受信部20に対し、例えば、第2のタイミングで目標物40および反射体50の物体からの反射波を受信させ、受信した反射波の受信信号を算出部70に出力させる。
算出部70は、第1のタイミングおよび第2のタイミングの情報と、受信部20が受信した反射波の強度を時系列に示す情報とに基づいて、物体のレーダ装置200からの距離に対する反射波の強度分布を算出する。算出部70は、算出した強度分布を検出部30aに出力する。なお、第1のタイミングおよび第2のタイミングの情報とは、例えば、第1のタイミングと第2のタイミングとの時間差等である。
検出部30aは、算出部70により算出された強度分布の極大値を取る距離から所定範囲内にある反射波の強度を積算する。検出部30aは、各極大値に対応する距離で求めた積算結果が所定の閾値以上である場合に、対応する距離に位置する反射波を反射した物体を目標物40として検出する。
図5は、物体のレーダ装置200からの距離に対する反射波の強度分布の例を示す。図5(a)、(b)において、横軸は距離を示し、縦軸は反射波の信号強度を示す。図5(a)は、算出部70により算出された物体のレーダ装置200からの距離に対する反射波の強度分布を示す。検出部30aは、目標物40を検出するために、例えば、図5(a)に示すように、強度の極大値を示す各距離r1,r2を中心として所定範囲ΔR内に含まれる網掛けで示す領域の反射波の強度を積算する。なお、所定範囲ΔRは、例えば、検出対象の目標物40が有する大きさに対応した範囲等に設定されてもよい。あるいは、所定範囲ΔRは、所定値以上の信号強度を有する範囲等のように、極大値ごとに異なる幅を有してもよい。
また、図5(a)では、距離r1,r2に極大値を有する反射波の強度分布を示したが、これに限定されない。例えば、反射波の強度分布は、1つまたは3つ以上の極大値を有してもよい。
図5(b)は、図5(a)に網掛けで示す所定範囲ΔR内にある反射波の信号強度を積算した強度SS1,SS2を距離r1,r2での値として棒グラフで示す。また、図5(b)に示す実線は、図5(a)に示す反射波の強度分布を示す。検出部30aは、各距離r1,r2での強度SS1,SS2が所定の閾値Th1以上である場合に、極大値を示す距離に位置する反射波を反射した物体を目標物40として検出する。
そして、図5(b)に示すように、検出部30aによる積算処理により得られる強度SS1と強度SS2との差は、図5(a)に示す距離r1,r2での極大値の差より大きくなる。このため、図5(b)での所定の閾値Th1の設定は、図5(a)で閾値を設定する場合に比べて容易になる。例えば、所定の閾値Th1は、レーダ装置200が目標物40と反射体50とに電磁波をそれぞれ照射し、目標物40と反射体50とからの反射波の強度をそれぞれ積算した場合に、推定される強度SS1と強度SS2との中間値や平均値等の値に予め設定される。
図6は、図4に示したレーダ装置200における検出処理の例を示す。ステップS20からステップS25は、レーダ装置200の動作を示すとともに、検出方法の例を示す。
ステップS20において、送信部10は、制御部60からの第1のタイミングに基づいて、電磁波を目標物40および反射体50の物体に向け照射する。
ステップS21において、受信部20は、電磁波が照射された物体からの反射波を、制御部60からの第2のタイミングに基づいて受信する。
ステップS22において、受信部20は、受信した物体からの反射波の受信信号を、反射波の強度を時系列に示す情報として算出部70に出力する。
ステップS23において、算出部70は、受信部20から反射波の強度を時系列に示す情報を受け付ける。算出部70は、第1のタイミングおよび第2のタイミングの情報と、受け付けた情報とに基づいて、物体のレーダ装置200からの距離に対する反射波の強度分布を算出する。算出部70は、算出した強度分布を検出部30aに出力する。
ステップS24において、検出部30aは、算出部70より算出された反射波の強度分布を受け付ける。
ステップS25において、検出部30aは、算出部70から受け付けた強度分布において、強度の極大値を示す各距離(r1,r2)から所定範囲ΔR内にある反射波の強度を積算する。検出部30aは、各極大値に対応する距離(r1,r2)について得られた強度SS1,SS2が所定の閾値Th1以上である場合に、極大値に対応する距離に位置する反射波を反射した物体を目標物40として検出する。
以上、この実施形態では、検出部30aが、反射波の強度分布の極大値を取る各距離から所定範囲ΔRにある反射波の信号強度を積算し、得られた積算結果と所定の閾値Th1との比較から、目標物40からの反射波か反射体50からの反射波かを識別する。これにより、レーダ装置200は、目標物40からの反射波とともに反射体50からの反射波を受信する場合でも、従来と比べて目標物40を確度高く検出できる。
また、検出部30aによる積算処理により、目標物40からの反射波の強度と反射体50からの強度との差が明確になる。これにより、所定の閾値Th1は、従来と比べて容易に設定することができ、検出部30aは、反射体50を目標物40として検出してしまう誤検出を低減することができる。
図7は、レーダ装置および目標物の検出方法の別実施形態の例を示す。図7に示すレーダ装置300は、制御部105、送信部110、送信アンテナ部115、受信部120、受信アンテナ部125、変換部130、バッファ部140、算出部150、検出部160および表示部170を有する。レーダ装置300は、例えば、UWBのパルス信号を照射するUWBレーダである。
例えば、制御部105は、レーダ装置300が内蔵するEEPROM等の記憶部に記憶されたプログラムを実行するプロセッサ等を含み、レーダ装置300の各部を制御する。制御部105は、レーダ装置300をUWBレーダとして動作させるために、例えば、等価時間サンプリング方式に基づいて、送信用のクロック信号を送信部110に出力する。送信部110は、受け付けた送信クロック信号のタイミングに基づいて、UWBのパルス信号を生成する。送信部110は、送信アンテナ部115を介して、生成したパルス信号を目標物400および反射体450の物体に向けて照射する。
また、制御部105は、例えば、物体からのUWBのパルス信号の反射波を受信部120に受信させるため、等価時間サンプリング方式に基づいて、送信クロック信号のタイミングから所定量ずらした受信用のクロック信号を受信部120に出力する。受信部120は、受け付けた受信クロック信号のタイミングに基づいて、受信アンテナ部125で受信された物体からの反射波をサンプリングするサンプリング信号である、ゲートパルス信号を生成する。受信部120は、受信アンテナ部125で受信された目標物400および反射体450の物体からのUWBのパルス信号の反射波を、生成したゲートパルス信号のタイミングでサンプリングする。受信部120は、サンプリングした反射波の受信信号をアナログのベースバンド信号として、変換部130に出力する。
なお、制御部105、送信部110および受信部120の動作については、図8において説明する。
変換部130は、制御部105からの制御に基づいて、所定のサンプリングレートで、受信部120から受け付けたアナログのベースバンド信号である、反射波の受信信号をデジタル信号に変換する。変換部130は、デジタルの反射波の受信信号を、バッファ部140に出力する。
バッファ部140は、RAM(Random Access Memory)等であり、例えば、M個の領域141(141(1)−141(M))を含む(Mは正の整数)。バッファ部140は、例えば、50ミリ秒等の所定の時間長ごとに変換部130からデジタル信号の反射波の受信信号を受け付け、受け付けた反射波の受信信号を各領域141に格納する。なお、バッファ部140は、制御部105の制御指示に基づいて、例えば、古い反射波の受信信号が格納された領域141に、変換部130から新たに受け付けた反射波の受信信号を上書きして格納する。
算出部150は、バッファ部140より領域141に格納されたN個の反射波の受信信号を読み込み、物体のレーダ装置300からの距離に対する反射波の強度分布を算出する。なお、算出部150の動作については、図9から図11において説明する。また、Nは、128等の正の整数であり、N<Mである。
検出部160は、算出部150により算出された反射波の強度分布を受け付ける。検出部160は、受け付けた強度分布の極大値を取る各距離から所定範囲にある反射波の強度を積算する。検出部160は、各極大値に対応する距離について得られた積算結果が閾値以上である場合に、対応する距離に位置する反射波を反射した物体を目標物400として検出する。検出部160は、検出結果を表示部170に出力する。
表示部170は、例えば、液晶モニタ等であり、検出部170から受け付けた検出結果を表示する。
図8は、反射波の受信信号の例を示す。なお、図8において、横軸は時間方向を示す。図8(a)は、送信部110が、制御部105から受け付けた送信クロック信号のタイミングに基づいて生成し、送信アンテナ部115から照射するUWBのパルス信号を示す。UWBのパルス信号のパルス幅は、例えば、200から300ピコ秒等である。周波数帯域は、例えば、数メガヘルツから5ギガヘルツ等の超広帯域である。また、パルス繰り返し周波数(PRF:Pulse Repetition Frequency)は、送信クロック信号により決定され、例えば、10メガヘルツである。つまり、UWBのパルス信号は、送信アンテナ部115を介して、100ナノ秒間隔の周期で繰り返し目標物400および反射体450に照射される。
図8(b)は、受信アンテナ部125が受信する、照射された各UWBのパルス信号に対する目標物400および反射体450の物体からの反射波の例を示す。つまり、UWBのパルス信号が10メガヘルツの周波数で繰り返し照射されることから、受信アンテナ部125は、同様の繰り返し周波数で、目標物400および反射体450の物体からの反射波を受信する。図8(b)では、受信アンテナ部125が受信する反射波を、例えば、振幅が異なる2つの波形で示す。振幅が大きい波形は、目標物400からの反射波として示し、振幅が小さな波形は、反射体450からの反射波として示す。
図8(c)は、受信部120が、制御部105からの受信クロック信号のタイミングに基づいて、生成するゲートパルス信号の例を示す。受信クロック信号のPRFは、例えば、送信クロック信号のPRFより20ヘルツ低い周波数に設定され、9.99998メガヘルツである。つまり、ゲートパルス信号の間隔は、100.0002ナノ秒であり、送信用のクロック信号の間隔の100ナノ秒より0.0002ナノ秒長い。これにより、図8(c)に示すように、送信クロック信号とゲートパルス信号とのタイミングのずれ幅は、UWBのパルス信号が照射される度に大きくなる。その結果、受信部120は、受信アンテナ部125で受信された目標物400および反射体450からの反射波を、0.0002ナノ秒ずつずれていくゲートパルス信号のタイミングでサンプリングして受信する。
図8(d)は、受信部120が、図8(c)で示すゲートパルス信号のタイミングで、目標物400および反射体450の物体からの反射波をサンプリングした反射波の受信信号である、ベースバンド信号の例を示す。ゲートパルス信号のPRFは、UWBのパルス信号のPRFに対して20ヘルツ少ないことから、図8(a),(c)に示すように、UWBのパルス信号とゲートパルス信号とは、50万回に1回の割合でタイミングが一致する。したがって、ゲートパルス信号のタイミングでサンプリングされた反射波の受信信号は、図8(b)に示す反射波を、時間方向に50万倍拡大したのと同等である。
受信部120は、図8(d)に示す目標物400および反射体450の物体からの反射波の受信信号を変換部130に出力する。変換部130は、制御部105からのトリガ信号に基づいて、例えば、毎秒15000のサンプリングレートで、目標物400および反射体450からの反射波の受信信号をデジタル信号に変換して、バッファ部140の領域141(k)に格納する。なお、kは正の整数で、1≦k≦Mである。また、領域141(k)には、例えば、50ミリ秒間におけるデジタルの反射波の受信信号が格納される。例えば、反射波の受信信号が、毎秒15000のサンプリングレートでデジタル信号に変換された場合に、領域141(k)に格納されるデータ量は、受信信号の振幅を示すデジタル値にサンプル数750を乗じた量である。また、例えば、UWBのパルス信号のPRFは10メガヘルツの場合、レーダ装置300の最大探知距離は15メートルとなり、距離分解能は0.02メートルとなる。ただし、光速は秒速30万キロメートルとする。
図9は、図7に示す算出部150により読み込まれた反射波の受信信号の例を示す。図9では、算出部150により読み込まれた、例えば、50ミリ秒間隔で連続する時刻t(1)から時刻t(N)において取得されたN個の反射波の受信信号のそれぞれを、レーダ装置300からの距離に対する強度分布で示す。なお、読み込まれる反射波の受信信号は、例えば、Nが128の場合、6.4秒間に取得されたデータである。図9では、上段から下段の縦軸方向に、時刻t(1),t(2),・・・,t(N)における反射波の強度分布を示し、反射波の信号強度の時間変化が分かる。また、各時刻t(1),t(2),・・・,t(N)における反射波の強度分布の横軸は、レーダ装置300からの距離を示すことから、反射波の信号強度の距離に対する変化が分かる。なお、各時刻の反射波の強度分布では、反射波の受信信号をデジタル値の離散データで示すとともに、受信部120で受信された反射波の受信信号のベースバンド信号(実線)で重ねて示す。
算出部150は、図9に示す各時刻での反射波の強度分布において、例えば、点線で示す所定幅Δrを有するN個の距離レンジR(1)から距離レンジR(N)ごとに平均化した反射波の信号強度を求める。算出部150は、距離レンジごとに、求めた時刻t(1)から時刻t(N)の信号強度を時刻の順に並べ、各距離レンジにおける反射波の信号強度の時間変動を取得する。なお、算出部150は、距離レンジごとに平均化した反射波の信号強度を求めたが、これに限定されない。例えば、距離の各レンジに複数の信号強度のデジタル値が含まれてもよいし、個々のデジタル値に対応して距離のレンジを設定してもよい。
図10は、距離レンジごとにおける反射波の信号強度の時間変動の例を示す。図10では、上段から下段の縦軸方向に、距離レンジR(1),R(2),・・・,R(N)における反射波の強度分布を示し、反射波の信号強度のレーダ装置300からの距離に対する変化が分かる。また、各距離レンジR(1),R(2),・・・,R(N)における反射波の強度分布の横軸は時間を示し、反射波の信号強度の時間変化が分かる。なお、各距離レンジにおける時刻t(1)から時刻t(N)の反射波の信号強度は、例えば、図9に示す各距離レンジに含まれる反射波の信号強度の平均値である。
算出部150は、図10に示す距離レンジごとの反射波の信号強度の時間変動に対して、フーリエ変換等の周波数解析を施し、反射波の信号強度の時間変動に含まれる周波数成分の強度分布を求める。算出部150は、距離レンジごとに求めた周波数成分の強度分布から、例えば、所定の周波数幅を有する周波数f(1)から周波数f(N)のN個の周波数レンジごとの信号強度を求める。算出部150は、周波数レンジごとに求めた強度を、距離R(1)から距離R(N)の順に並べ、周波数レンジごとの距離に対する反射波の強度分布を取得する。なお、周波数レンジの数は、距離レンジの数と同様にN個としたが、これに限定されない。周波数レンジの数と距離レンジの数とは異なってもよい。
図11は、周波数レンジごとの距離に対する反射波の強度分布の例を示す。図11では、上段から下段の縦軸方向に、周波数レンジf(1),f(2),・・・,f(N)における反射波の強度分布を示し、反射波の信号強度における周波数分布が分かる。また、各周波数レンジf(1),f(2),・・・,f(N)における反射波の強度分布の横軸は距離を示し、各周波数成分の反射波の信号強度のレーダ装置300からの距離に対する変化が分かる。
算出部150は、検出部160が人物である目標物40を検出するために、図11に示す周波数レンジf(1)−f(N)のうち、人物の呼吸周波数0.3から1.0ヘルツに対応する周波数レンジにおける反射波の強度分布を抽出する。算出部150は、抽出した周波数レンジにおける反射波の強度分布の絶対値を求めて加算し、人物の呼吸周波数の成分による反射波の強度分布を取得する。
図12は、人物の呼吸周波数の成分による反射波の強度分布の例を示す。図12(a)、(b)において、横軸は距離を示し、縦軸は反射波の信号強度を示す。図12(a)は、図11に示す周波数レンジf(1)−f(N)のうち、人物の呼吸周波数0.3から1.0ヘルツに対応した周波数レンジの反射波の強度分布を用いて求められた反射波の強度分布を示す。なお、実線は、各距離の信号強度で内挿したものである。また、図12(a)に示す反射波の強度分布は、例えば、距離R(6)および距離R(J)において極大値を有する。ここで、Jは正の整数であり、1≦J≦Nである。検出部160は、目標物400を検出するために、例えば、図12(a)に示すように、極大値を示す各距離R(6),R(J)を含む区間L1a+L1bおよび区間L2a+L2b内に含まれる反射波の信号強度を積算する。
図12(b)は、区間L1a+L1bおよび区間L2a+L2b内にある反射波に信号強度を積算した値Sa,Sbを距離R(6),R(J)の位置での値として棒グラフで示す。また、図12(b)に示す実線は、図12(a)に示す反射波の強度分布を示す。検出部160は、各距離R(6),R(J)での強度Sa,Sbが閾値Th2以上である場合に、極大値を示す距離に位置する反射波を反射した物体を目標物400として検出する。
なお、図12(a)に示す反射波の強度分布は、人物の呼吸周波数の成分にもかかわらず、距離R(6)および距離R(J)において極大値を示し、目標物400からの反射波とともに、反射体450からの反射波を示す。これは、例えば、呼吸動作に伴い目標物400である人物が動くことから、レーダ装置300に対して目標物400の後方にあるコンクリートの壁等の反射体450が見え隠れしてしまう。その結果、反射体450からの反射波は、人物の呼吸周波数と同等の周波数成分を含んでしまう。
図13は、図7に示したレーダ装置300における検出処理の例を示す。ステップS100からステップS108は、レーダ装置300の動作を示すとともに、検出方法の例を示す。
ステップS100において、送信部110は、制御部105から受け付けた送信クロック信号のタイミングに基づいて、UWBのパルス信号を生成する。送信部110は、送信アンテナ部115を介して、生成したパルス信号を目標物400および反射体450の物体に向け照射する。
ステップS101において、受信部120は、制御部105から受け付けた受信クロック信号のタイミングに基づいて、ゲートパルス信号を生成する。受信部120は、受信アンテナ部125を介して、受信した物体からの反射波の受信信号を、生成したゲートパルス信号のタイミングでサンプリングする。受信部120は、サンプリングした反射波の受信信号をベースバンド信号として、変換部130に出力する。
ステップS102において、変換部130は、制御部105からのトリガ信号に基づいて、例えば、毎秒15000のサンプリングレートで、受信部120から受け付けた反射波の受信信号をデジタル信号に変換する。変換部130は、デジタル信号に変換した反射波の受信信号を、バッファ部140に出力する。
ステップS103において、バッファ部140は、例えば、50ミリ秒のデータ長ごとに、反射波の受信信号を領域141に順次に格納する。
ステップS104において、算出部150は、バッファ部140の領域141(1)−141(M)のうち、例えば、時刻t(1)から時刻t(N)に取得されたN個の領域141から反射波の受信信号のデータを読み込む。算出部150は、読み込んだ各時刻の反射波の受信信号から、図9に示すようなレーダ装置300からの距離に対する反射波の強度分布を算出する。算出部150は、算出した時刻t(1)−t(N)の反射波の強度分布を、例えば、距離レンジR(1)−R(N)ごとに反射波の信号強度を求める。算出部150は、距離レンジR(1)−R(N)ごとに求めた反射波の信号強度を時刻t(1)から時刻t(N)の順に並べ、図10に示すような各距離レンジにおける反射波の信号強度の時間変動を取得する。
ステップS105において、算出部150は、ステップS104で取得した各距離レンジR(1)−R(N)の反射波の信号強度の時間変動に対して、フーリエ変換等の周波数解析を施し、反射波の信号強度の時間変動に含まれる周波数成分の強度分布を求める。算出部150は、距離レンジR(1)−R(N)ごとに求めた周波数成分の強度分布から、周波数レンジf(1)−f(N)ごとの信号強度を求める。算出部150は、周波数レンジf(1)−f(N)ごとに求めた信号強度を、距離R(1)から距離R(N)の順に並べ、図11に示すような周波数レンジごとの距離に対する反射波の強度分布を取得する。
ステップS106において、算出部150は、ステップS105で取得した周波数レンジf(1)−f(N)の強度分布のうち、人物の呼吸周波数0.3から1.0ヘルツに対応する周波数レンジの強度分布を抽出する。算出部150は、抽出した周波数レンジにおける反射波の強度分布の絶対値を求めて加算し、人物の呼吸周波数の成分による反射波の強度分布を取得する。算出部150は、取得した反射波の強度分布を、検出部160に出力する。
ステップS107において、検出部160は、算出部150から受け付けた反射波の強度分布の各極大値を取る距離から所定範囲内にある信号強度を積算する。例えば、検出部160は、図12(a)に示す強度分布のうち、信号強度がレーダ装置300から離れるに従って増加する区間L1a,L1bにある信号強度y(R(i))を、式(1)を用いて積算し、値SL1(L1a),SL1(L1b)をそれぞれ求める。ここで、iは正の整数であり、1≦i≦Nである。
また、検出部160は、図12に示す強度分布のうち、信号強度がレーダ装置300に近づくに従って増加する区間L2a,L2bにある信号強度y(R(i))を、式(2)を用いて積算し、値S
L2(L2a),S
L2(L2b)をそれぞれ求める。
検出部160は、式(3)に基づいて、距離R(6),R(J)における値Sa,Sbをそれぞれ算出する。
Sa=S
L1(L1a)+S
L2(L2a) …(3)
Sb=S
L1(L1b)+S
L2(L2b)
ここで、値Saは、図12(a)に示すように、極大値y(R(6))に隣接する距離R(1)の最小値から、極大値y(R(6))に隣接し区間L2aの終端である極小値の位置までの区間L1a+L2aにおける信号強度の積算値である。一方、値Sbは、図12(a)に示すように、極大値y(R(J))に隣接し区間L2aの始点である極小値の位置から、極大値y(R(J))に隣接する距離R(N)の最小値までの区間L1b+L2bにおける信号強度の積算値である。検出部160は、得られた値Sa,Sbを閾値Th2と比較する。例えば、図12(b)に示すように、値Saが閾値Th2以上である場合、検出部160は、極大値を示す距離R(6)に位置する反射波を反射した物体を目標物400として検出する。検出部160は、検出結果を表示部170に出力する。
ステップS108において、表示部170は、検出した目標物400が存在するレーダ装置300からの距離を示す情報等を表示する。
以上、この実施形態では、検出部160が、反射波の強度分布の極大値を取る各距離から所定範囲にある反射波の信号強度を積算し、得られた積算結果と閾値Th2との比較から、目標物400からの反射波か反射体450からの反射波かを識別する。これにより、レーダ装置300は、目標物400からの反射波とともに反射体450からの反射波を受信する場合でも、従来と比べて目標物400を確度高く検出できる。
例えば、レーダ装置300は、UWBのパルス信号を建物や瓦礫等に照射することで、建物や瓦礫等に閉じ込められた人物等を目標物400として確度高く検出できる。また、レーダ装置300は、例えば、UWBのパルス信号を建物や部屋等に照射して、一人で暮らしている老人や障害者等を目標物400として検出し、老人や障害者等の生存状態の確認に用いられてもよい。
また、検出部160による積算処理により、目標物400からの反射波の強度と反射体450からの強度との差が明確になる。これにより、閾値Th2は、従来と比べて容易に設定することができ、検出部160は、反射体450を目標物400として検出してしまう誤検出を低減することができる。
また、算出部150は、読み込んだN個の反射波の強度分布から、人物の呼吸周波数等、目標物400が有する周波数特性に応じた周波数成分による反射波の強度分布を算出することで、検出部160は、目標物400をより確度高く検出することができる。
なお、この実施形態では、検出部160が、式(1)から式(3)を用いて値Sa,Sbを算出したが、これに限定されない。例えば、検出部160は、式(1),(2)の代わりに式(4),(5)を用いて反射波の信号強度の総乗を求めてもよい。すなわち、検出部160は、式(4),(5)を用いて、区間L1a,L1bおよび区間L2a,L2bにおける値SL1(L1a),SL1(L1b),SL2(L2a),SL2(L2b)をそれぞれ求める。
値S
L1,S
L2を信号強度の総乗とすることで、値Saと値Sbとの差異が、積算処理の場合と比べてより明確になり、閾値Th2を従来と比べてより容易に設定することができ、検出部160は、目標物400をより確度高く検出することができる。
なお、この実施形態では、検出部160は、信号強度を積算する所定範囲を、区間L1a+L2aおよび区間L1b+L2bとしたが、これに限定されない。図14は、信号強度を積算する所定範囲の別例を示す。
図14(a)では、信号強度を積算する所定範囲を、例えば、図12(a)に示す区間L1a,L1bとする場合を示す。例えば、検出部160は、式(1)を用いて、区間L1a,L1bの値SL1(L1a),SL1(L1b)をそれぞれ求め、求めた値SL1(L1a),SL1(L1b)を値Sa,Sbとしてもよい。これにより、検出部160は、区間L2a,L2bにおける積算処理を省略することで、レーダ装置300の検出処理の高速化を図ることができる。また、区間L2a,L2bの積算処理が省略されることで、レーダ装置300に対して目標物400の後方に存在する反射体450からの反射波の値Sa,Sbに対する寄与を低減することができる。そして、値Sa,Sbに対する反射体450からの反射波の寄与が低減されたことで、検出部160は、値Sa,Sbと閾値Th2との比較から、目標物400をより確度高く検出することができる。
図14(b)では、信号強度を積算する所定範囲を、例えば、40から50センチ等の人物の胴体幅LH等の検出対象の目標物400が有する大きさに対応する範囲とする場合を示す。これは、人物等の目標物400が、コンクリートの壁等の反射体450より、より深い内部の位置でレーダ装置300から照射されたUWBのパルス信号を反射することから、目標物400からの反射波は、反射体450からの反射波より幅広い強度分布を示す。したがって、所定範囲を人物の胴体幅LHとすることで、検出部160は、目標物400をより確度高く検出することができる。
図14(c)では、信号強度を積算する所定範囲を、例えば、所定値α以上となる区間Lth1,Lth2等とする場合を示す。検出部160は、積算処理において、所定値α以上の信号強度の反射波と比べて、ノイズ成分を多く含む所定値αより小さい信号強度の反射波を除外でき、レーダ装置300から目標物400までの距離の決定精度を向上させることができる。あるいは、検出部160は、例えば、所定値α以上となる各区間Lth1,Lth2等の幅を求め、求めた各区間の幅と人物の胴体幅LHとを比較してもよい。そして、検出部160は、区間が人物の胴体幅LHと同等の幅を有する場合、その区間の極大値の距離に位置する反射波を反射した物体を目標物400として検出する。これにより、検出部160は、式(1),(2)等の積算処理や式(4),(5)の総乗処理を省略することができ、検出処理の高速化を図ることができる。
なお、この実施形態では、例えば、距離R(6)と距離R(J)とにおいて極大値を有する反射波の強度分布を示したが、これに限定されない。例えば、検出部160は、1つまたは3つ以上の極大値を有する反射波の強度分布から、目標物400を検出してもよい。ただし、例えば、2以上の極大値が、人物の胴体幅LHや所定値α以上の区間Lth1等内に存在する場合、検出部160は、その2以上の極大値の信号強度が、1つの目標物400や反射体450の物体からの反射波と判定し積算処理を行うことが好ましい。
図15は、複数の極大値が所定範囲内に存在する場合の反射波の強度分布の例を示す。図15では、反射波の強度分布が、距離R(6),R(8)およびR(J)で極大値を示し、距離R(6)と距離R(8)との極大値が、例えば、所定値α以上を示す区間Lth1内に存在する場合を示す。検出部160は、距離R(6)と距離R(8)との極大値が区間Lth1内に存在することから、距離R(6)と距離R(8)との信号強度は、1つの目標物400や反射体450の物体からの反射波と判定する。そして、検出部160は、距離R(6)と距離R(8)との極大値を区別することなく、網掛けで示す区間Lth1内にある反射波の信号強度を積算する。ただし、例えば、図15に示す強度分布の場合には、距離R(6)の極大値が距離R(8)の極大値より大きいことから、検出部160は、区間Lth1において積算した強度を距離R(6)の位置での値とするのが好ましい。このように、検出部160は、2つ以上の極大値が所定範囲内に存在する場合、2つ以上の極大値を示す信号強度を、1つの物体からの反射波と判定することで、目標物400の誤検出を低減できる。
また、検出部160は、所定範囲内に存在する2つ以上の極大値を、1つの物体からの反射波と判定し反射波の強度を積算することで、極大値を取る距離ごとに反射波の強度を積算する場合と比べて大きな積算値を取得することができる。これにより、検出部160は、極大値に対応する距離ごとに反射波の強度を積算する場合と比べて、目標物400を見逃してしまう可能性を低減できる。
図16は、レーダ装置のハードウェア構成の例を示す。なお、図7で示した要素と同様の要素については、同様の符号を付し説明を省略する。
レーダ装置300は、送信部110、送信アンテナ部115、受信部120、受信アンテナ部125、変換部130、表示部170、プロセッサ210、ハードディスク装置220、メモリ230、光学ドライブ装置240および入力部250を有する。送信部110、受信部120、変換部130、表示部170、プロセッサ210、ハードディスク装置220、メモリ230、光学ドライブ装置240および入力部250は、バスを介して互いに接続されている。また、送信部110および送信アンテナ部115は、互いに接続される。また、受信部120、受信アンテナ部125および変換部130は、互いに接続される。なお、受信部120と変換部130とは、レーダ装置300に個別に設置されるとしたが、これに限定されない。例えば、変換部130は、受信部120に組み込まれてもよい。
ハードディスク装置220は、例えば、レーダ装置300のオペレーティングシステムを格納する。また、ハードディスク装置220は、図13に示す検出処理をプロセッサ210が実行するための検出プログラム等のアプリケーションプログラムを格納する。なお、検出プログラム等のアプリケーションプログラムは、メモリ230に格納されてもよい。
メモリ230は、例えば、バッファ部140として、50ミリ秒のデータ長の反射波の受信信号を格納する複数の記憶領域を有する。
また、光学ドライブ装置240は、光ディスク等のリムーバブルディスク245を装着可能であり、装着したリムーバブルディスク245に記憶された情報の読み出しおよび記録を行う。
入力部250は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等であり、ユーザからの操作を受け付け、レーダ装置300に各種設定情報等を入力する。
検出プログラム等のアプリケーションプログラムは、例えば、光ディスク等のリムーバブルディスク245に記憶して頒布することができる。例えば、レーダ装置300は、検出プログラム等のアプリケーションプログラムをリムーバブルディスク245から光学ドライブ装置240を介して読み出し、ハードディスク装置220やメモリ230に格納してもよい。また、レーダ装置300は、例えば、検出プログラム等のアプリケーションプログラムを、インターネット等のネットワークに接続する、内蔵する通信装置を介してダウンロードし、ハードディスク装置220やメモリ230に格納してもよい。
例えば、プロセッサ210は、ハードディスク装置220やメモリ230等に格納された検出プログラムを実行することにより、図7に示した算出部150および検出部160の機能を実現する。
以上の詳細な説明により、実施形態の特徴点および利点は明らかになるであろう。これは、特許請求の範囲がその精神および権利範囲を逸脱しない範囲で前述のような実施形態の特徴点および利点にまで及ぶことを意図するものである。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、あらゆる改良および変更に容易に想到できるはずである。したがって、発明性を有する実施形態の範囲を前述したものに限定する意図はなく、実施形態に開示された範囲に含まれる適当な改良物および均等物に拠ることも可能である。