JPH10329259A - インサート成形体と成形方法 - Google Patents

インサート成形体と成形方法

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JPH10329259A
JPH10329259A JP9158000A JP15800097A JPH10329259A JP H10329259 A JPH10329259 A JP H10329259A JP 9158000 A JP9158000 A JP 9158000A JP 15800097 A JP15800097 A JP 15800097A JP H10329259 A JPH10329259 A JP H10329259A
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insert
molding
adhesive
molding material
film
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JP9158000A
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Kenji Nakama
憲司 中間
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 金型内にあらかじめセットされたインサ
ート(A)に対して、成形材料(B)を射出注入し、一
体に成形されてなるインサート成形体において、インサ
ート(A)と成形材料(B)の境界部にフィルム状接着
剤が介在してなるインサートに対する成形材料の固着性
が強化されたインサート成形体。 【効果】 本発明のインサート成形体は、インサートに
対する成形材料の固着性が大幅に強化されているので、
インサートの緩みを生じるおそれが激減し、精度と耐久
性に優れる。また、インサート成形時においてフィルム
状接着剤の配置をロール送りで操作すること、あるい
は、あらかじめ、インサートに接合成形しておくことに
よって、効率的な量産化が可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インサート成形体
とその成形方法に関するもので、インサートに対する成
形材料の固着性を強化した成形体およびその成形方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】インサート成形は、インサート(ワーク
ともいう)を成形金型にセットしておいてプラスチック
やエラストマー等の成形材料で埋め込んだり、積層した
りする成形方法であり、成形機は縦型の射出成形機やト
ランスファ成形機が用いられる場合が多い。インサート
として用いる部品には、軸、板状の金属部品、非金属部
品、電線コード、ワイヤー、布、糸、あるいは巻線ずみ
のコイル、組立ずみの電子部品、半導体などの素子、異
材質あるいは異色のプラスチック成形品等各種のものが
使用されている。
【0003】インサート成形における重要な留意点の一
つは、インサートに対する成形材料の固着性である。イ
ンサートと成形材料とが、例えば表面極性に差がある材
料である場合は、当然に、接着性が悪くなる。また、熱
膨張係数や成形収縮率が異なる場合においても、成形時
の内部応力や経時の応力緩和によって、両者の固着が緩
み、インサートの抜け、ずれ、あるいは回転をおこさせ
たりする。このような問題の対策として、インサート表
面に綾目ローレットや、平目ローレット、溝付け、孔等
の機械加工を施したり、液状接着剤の塗布やプライマー
処理を施す手段がとられてきた。また、金属インサート
に対しては、溶剤、酸化剤等により、表面活性を増大さ
せる化学的手段も講ぜられてきた。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】しかしながら、イン
サート表面に、ローレット、溝付け、孔あけ等の機械加
工を施すことは甚だ熟練と手間を要する工程であり、ま
た、液状の接着剤の塗布やプライマーによる表面処理
は、乾燥や硬化に時間を要し、かつ作業環境や廃液処理
対策が必要であり、その割りに接着性改善の効果は十分
とはいえない。さらに、化学的表面活性増大方法は、迅
速な処理は困難であり、同様に、作業環境、廃液処理の
問題が付随し、接着性改善の効果も満足すべきものにな
らない。
【0005】本発明の目的は、インサートに対する成形
材料の固着性を大巾に強化した成形体の構成および、そ
の効率的な成形方法を提示することにある。本発明者ら
は、これらの課題に対して、鋭意、研究を重ねた結果、
フィルム状接着剤をインサートと成形材料との固着に応
用する斬新的で、かつ、極めて効率的手段を開発するに
至り、本発明を完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、以
下の構成を有するものである。 (1)金型内にあらかじめセットされたインサートAに
対して、成形材料Bを射出注入し、一体に成形されてな
るインサート成形体において、インサートAと成形材料
Bの境界部にフィルム状接着剤が介在してなるインサー
トに対する成形材料の固着性が強化されたインサート成
形体。 (2)コア部金型とキャビティ部金型よりなる分割構造
成形金型内にあらかじめインサートAをセットし、次い
で、該インサートの所定表面の被覆に供し得るフィルム
状接着剤Cを該両金型間に配置し、型締め後、成形材料
Bを射出注入し、インサートA、フィルム状接着剤Cお
よび成形材料Bを一体に成形することを特徴とする
(1)に記載のインサート成形体の成形方法。 (3)フィルム状接着剤Cの配置が、該接着剤Cの巻き
出し、ならびに、その使用済残材の巻き取りによって、
成形サイクル毎に、手動または自動操作により行うこと
を特徴とする(2)に記載の成形方法。 (4)コア部金型とキャビティ部金型よりなる分割構造
成形金型内に、フィルム状接着剤Cをあらかじめ所定表
面に接合したインサートAをセットし、型締め後、成形
材料Bを射出注入し、インサートA、フィルム状接着剤
Cおよび成形材料Bを一体に成形することを特徴とする
(1)に記載のインサート成形体の成形方法。 (5)インサートAと成形材料Bとが、相互に異種の重
合体系成形材料である(1)に記載のインサート成形
体。
【0007】
【発明の実施の形態】図1〜4は、それぞれ本発明のイ
ンサート成形体を例示した外観図または断面図である。
図1はパネル状積層成形体、図2はインサートAと成形
材料B間のT型剥離強さ測定用試験片、図3はヘルメッ
ト、図4はタップ埋込み成形体を示す。これらは、いず
れも、インサートAと成形材料Bとが、フィルム状接着
剤Cの介在の状態で、一体に成形されている構成を有す
る。
【0008】本発明において、インサートAに用いる部
品は、材質面では、目的とするインサート成形体の成形
時における加熱加圧に耐え得るものであれば、特に限定
を要せず、金属、ガラス、セラミック、紙、繊維材料、
皮革材料、木材、重合体系成形材料等各種天然、化学変
性または合成の材料を用いることができる。また、形状
面では、線状、面状、立体状等各種の形状をもたせるこ
とができる。さらに、このような材質と形状を、それぞ
れ二種以上組合せて用いることができる。インサート用
部品の効率的量産化が必要な場合には、着色、加工性、
物性等を任意に調整することができる重合体系成形材料
を用いることが、望ましいことも多い。
【0009】インサートAに用いる部品の成形に用いる
重合体系成形材料は、大別して、熱可塑性樹脂、熱可塑
性エラストマー、熱硬化性樹脂および、加硫タイプ(ま
たは、架橋タイプ)のゴム等を基材とする成形材料に分
類することができる。熱可塑性樹脂にはポリアミド系、
ポリエステル系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、
ポリカーボネート系、ポリ酢酸ビニル系、ポリ塩化ビニ
ル系、ポリアクリレート系、ポリアセタール系、ポリフ
ェニレンサルファイド等の各種樹脂、また、熱可塑性エ
ラストマーにはポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエ
ステル系、ポリスチレン系、ポリ塩化ビニル系等の各種
のエラストマー性重合体が挙げられる。また、これらの
2種類以上の熱可塑性重合体のポリマーブレンドを使用
することができる。
【0010】熱硬化性樹脂にはウレタン系、エポキシ
系、フェノール系、メラミン系、不飽和ポリエステル系
等の各種樹脂、また、加硫あるいは架橋タイプのゴムと
しては、シリコーン系、イソプレン系、クロロプレン
系、スチレンブタジエン系、アクリロニトリルブタジエ
ン系、エチレンプロピレン系、アクリル系等の各種のゴ
ム系重合体が挙げられる。また、これらの2種類以上の
熱硬化性ないし架橋性重合体を混ぜ合わせたものを使用
してもよい。
【0011】さらに、上記の熱可塑性重合体と熱硬化性
ないし架橋性重合体は目的とする成形品の成形性、物性
等の改質のため、適宜ポリマーブレンドとして用いるこ
とができる。
【0012】また、上記した重合体には必要に応じて種
々の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの
安定剤、難燃剤、強化剤、可塑剤、帯電防止剤、充填
剤、着色剤などを添加することができる。
【0013】インサートAに用いる部品を製作または成
形する方法は、それぞれの材料に適した方法で行えばよ
く、特に限定されないが、金属を用いる場合には、鋳
造、鍛造、圧延、プレス等の成形方法が例示することが
できる。さらに、熱可塑性樹脂については、射出成形、
押出成形、プレス成形等が例示でき、熱硬化樹脂や架橋
タイプのゴムについては、射出成形、トランスファー成
形、プレス成形等が例示できる。
【0014】射出注入する成形材料Bの基材となる重合
体は、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリスチレン
系、ポリオレフィン系、ポリカーボネート系、ポリ酢酸
ビニル系、ポリアクリレート系、ポリアセタール系等の
各種熱可塑性樹脂あるいは、ポリアミド系、ポリウレタ
ン系、ポリエステル系、ポリスチレン系等の各種熱可塑
性エラストマーおよびこれらの二種以上の混合物等が挙
げられる。
【0015】さらに、成形材料Bに用いる重合体として
は、硬化が完了していない状態にあり、流動性を有した
熱硬化性樹脂も好適である。これらの熱硬化性樹脂には
ウレタン系、エポキシ系、フェノール系、メラミン系、
不飽和ポリエステル系等各種の重合体を用いることがで
きる。また、シリコーン系、イソプレン系、クロロプレ
ン系、スチレンブダジエン系、アクリロニトリルブタジ
エン系、エチレンプロピレン系、アクリル系等の各種架
橋タイプゴム系重合体も適宜、使用することができる。
また、2種類以上の熱硬化性樹脂ないし架橋性重合体の
ポリマーブレンドを使用することができる。
【0016】さらに、上記の熱可塑性重合体と熱硬化性
ないし架橋性重合体は目的とする成形品の成形性、物性
等の改質のため、適宜ポリマーブレンドとして用いるこ
とができる。
【0017】本発明において、使用するフィルム状接着
剤Cとは被着体間に挟み、加熱加圧して接着するフィル
ム状にした接着性の高い高分子材料である(図解プラス
チック用語事典第2版日刊工業新聞社、1994年発
行)。フィルム状接着剤に用いる重合体基材はフィルム
状に成形可能な重合体で、かつインサートAと成形材料
Bの両者に対して接着性のある重合体から、適宜、選択
して用いることができる。これらの重合体としては、ポ
リアミド系、ポリエステル系、ポリオレフイン系、ポリ
酢酸ビニル系等の各種熱可塑性樹脂が例示できる。さら
に接着性をたかめるような、各種の官能基、あるいは極
性基たとえばカルボン酸基、無水カルボン酸基等を含む
ように変性された樹脂はより好ましい。これらの変性は
公知の方法で行うことができる。これらの樹脂をフィル
ム状に成形する方法は、特に限定されないが通常のTダ
イを使用した押出成形およびインフレーション成形の他
に溶液からキャストする方法等が例示できる。
【0018】フィルム状接着剤の厚みは300μm以下
が好ましく、より好ましくは10μm以上、100μm
以下である。厚みが300μmを超えると連続してフィ
ルム状接着剤を供給することが困難となり、著しく作業
性を低下させる。
【0019】さらに、10μm未満ではフィルム状接着
剤が連続した層とならずに、一部接着が不良の個所が生
じることがある。またインサートAと成形材料Bの接す
る面の形状が凸凹に富む場合、気泡等をかみこむことが
ないよう、可及的に薄いフィルムが好ましい。
【0020】本発明インサート成形体の成形方法は、コ
ア部金型ならびにキャビティ部金型よりなる分割構造の
成形金型内に、あらかじめインサートAをセットしてお
いて、成形材料Bを射出注入し、冷却固化または、硬化
あるいは架橋反応させることができる成形機を使用す
る。
【0021】このような成形機としては、射出成形機、
トランスファ成形機、RIM成形機、その他同様機能を
有する成形機器を、成形材料の流動特性に応じて、適
宜、選択することができる。例えば、比較的低流動性の
熱可塑性成形材料では、主として、通常の射出成形機
が、高流動性熱硬化ないし架橋成形材料では、トランス
ファ成形機が、さらに、モノマーキャストや発泡ウレタ
ン成形材料ではRIM成形機が好適である。また、射出
成形機やトランスファ成形機においては、インサートA
のセット、保持をやり易くするため、立て型機が好まし
い。 なお、インサートAの金型へのセット(金型内固
定)には、保持ピン、保持具等の補助具を用いることが
できる。
【0022】本発明成形方法の特徴の一つは、キャビテ
ィ部金型とコア部金型の間隔に、フィルム状接着剤Cを
配置することにある。配置方法としては、本発明成形体
の構成を実現できる方法であれば、いかなる方法でも適
用することができる。図5および6は本発明方法の好ま
しい一つの態様を示す。図5に示したごとく、コア部金
型1とキャビティ部金型2の間隙に、インサートの所定
表面を被覆するに足る大きさのフィルム状接着剤6を、
フィルム状接着剤巻き出しロール4と、その使用済残材
巻き取りロール5の操作によって、成形サイクルにあわ
せて配置することができる。次いで図6に示したごと
く、固定側のコア部金型1に対して、キャビティ部金型
2が移動し型締めしたとき、配置されたフィルム状接着
剤6が両金型の分割面PLで挟圧され、金型内周端部分
で切断し易くなる。
【0023】この時点で、直ちに成形材料Bを射出注入
するとキャビティ内にある、フィルム状接着剤全面が注
入された成形材料で加圧され、金型内周端部分で、切断
し、さらに注入材料による加圧負荷を受け、インサート
Aに圧着するとともに成形材料Bに対しても圧着し、イ
ンサート成形材料との境界部を形成して、一体に成形さ
れる。(図6において成形体は、図2に示す成形体のX
−X断面を示す。)最後に、所定の冷却固化時間または
硬化時間を経て、金型を開き、フィルム状接着剤の使用
済残材を巻き取りロール5へ移動させ、一成形サイクル
を完了する。このような方法において、フィルム状接着
剤の巻き出しと巻き取りは、慣用の設備を用い、手動で
も操作できるし、また、省力化のために、成形工程のコ
ンピュータープログラム制御により、成形サイクルに対
応させて実施することができる。
【0024】キャビティ部金型とコア部金型の間隔に、
フィルム状接着剤を配置する方法において、フィルム状
接着剤巻き出しロール4と、その使用済残材巻き取りロ
ール5の配置は金型の移動方向に合わせて、金型の上下
であっても、左右横方向であってもよく、フィルム状接
着剤巻き出しロール4とその使用済残材巻き取りロール
5の配置関係も一方が上下または左右の一方にあれば特
に限定されない。また、フィルム状接着剤巻き出しロー
ル4と、その使用済残材巻き取りロール5を配置するよ
うな場合、成形体の成形後もフィルム状接着剤の使用済
残材がつながって連続して巻き取れるよう、フィルム状
接着剤の幅を金型より広くすることが好ましい。さら
に、横形の成形機の場合、フィルム状接着剤巻き出しロ
ール4のみを金型の上部に設けて、フィルム状接着剤の
自重を利用し、金型間に単に垂れ下げて用いることもで
きる。
【0025】さらに、本発明成形方法の好適な他の一つ
の態様は、フィルム状接着剤Cをあらかじめ所定表面に
接合したインサートAを、フィルム状接着剤C側が金型
内の成形材料Bを射出注入する空隙側になるよう金型に
セットして、型締め後、成形材料Bを射出注入し、本発
明のインサート成形体を成形する方法である。図7〜1
0に示したものは、それぞれ、図1〜4の本発明インサ
ート成形体を成形するために用いるフィルム状接着剤C
を接合したインサートAの構成である。このようなフィ
ルム状接着剤Cをあらかじめ所定表面に接合したインサ
ートAの製作または成形は、ラミネート成形法、プレス
成形法、熱成形法、サーモジェクト成形法、CFIプロ
セス(COATED FILM INSERT)、ヘッ
ティンガー低圧射出成形法等を用いて、実施することが
できる。
【0026】なお、本発明の成形体は、基本的には、イ
ンサート、フイルム状接着剤および成形材料よりなる三
層構成であるが、叙上の成形方法をくり返すことによ
り、さらに多層構成の成形体を提供することができるか
ら、本発明はこれらを、すべて包括する。
【0027】
【実施例】
実施例1〜4 図2に示したT型剥離強さ試験片を下記に詳述する本発
明成形方法によって成形し、インサートに対する成形材
料の固着性を評価した。なお、試験片の各部サイズは下
記の通り設定した。(単位mm) H=85、h=73、W=60、 w=40、 D1
2=35 成形物インサートの場合 T1=T2=2 E1=E2=4 鋼板インサートの場合 T1=0.5 T2=2 E1=0.5 E2=4
【0028】1)使用材料の明細 インサートA ポリウレタン系熱可塑性エラストマー 冷間圧延鋼板 成形材料B ポリアミド12 ポリアミド系熱可塑性エラストマー フィルム状接着剤C ポリオレフィン系 無水マレイン酸変性ポリオレフィン
【0029】2)成形方法と条件 表1に掲示した各材料の組合せで、図5および6に示し
た工程に従い、インサート成形体を成形した。 成形物インサートAの成形 なお、鋼板インサートは、上記の冷間圧延鋼板を機械加
工し、製作した。 成形材料Bの射出注入 なお、フィルム状接着剤の配置は巻き取りを手動で操作
して、行った。
【0030】3)T型剥離強さの測定 T型試片の相対する端部つかみ部分を引張試験機のチャ
ックにセットし、引張速度50mm/分で、図2に示し
たごとく矢印方向に引張り、インサートAと成形材料B
との剥離強さを測定し、成形材料のインサートに対する
固着性を評価した。
【0031】比較例1〜3 表1に提示したごとく、フィルム状接着剤Cを使用しな
かったこと以外すべての成形方法と条件を、対照すべき
実施例と同様として、T型剥離強さ試験片を成形し、実
施例と同様に固着性を評価した。以上の供試試験片の材
料構成とT型剥離強さをまとめて表1に提示した。試験
結果より明白なごとく、本発明の成形方法によれば、イ
ンサートに対する成形材料の固着性が大巾に強化された
インサート成形体が得られる。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】叙上のごとく、本発明のインサート成形
体は、インサートに対する成形材料の固着性が大幅に強
化されているので、インサートの緩みを生じるおそれが
激減し、精度と耐久性に優れる。また、インサート成形
時においてフィルム状接着剤の配置をロール送りで操作
すること、あるいは、あらかじめ、インサートに接合成
形しておくことによって、効率的な量産化が可能となっ
た。さらに、フィルム状接着剤を介在させたために、イ
ンサート用ならびに成形材料用ともに、広範な特性を付
与できる重合体基材成形材料を自在に用いることができ
るので、多様な性能を有する複合製品が得られ、それら
の用途は枚挙し難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインサート成形体を例示した見取り図
である。
【図2】本発明の他のインサート成形体を例示した断面
図である。
【図3】本発明の他のインサート成形体を例示した断面
図である。
【図4】本発明の他のインサート成形体を例示した断面
図である。
【図5】図2のインサート成形体の成形方法を例示した
成形工程の要部断面図である。
【図6】図2のインサート成形体の成形方法を例示した
成形工程の要部断面図である。
【図7】図1のインサート成形体成形に用いる、あらか
じめ所定表面にフィルム状接着剤Cを接合したインサー
トAを例示した見取図である。
【図8】図2のインサート成形体成形に用いる、あらか
じめ所定表面にフィルム状接着剤Cを接合したインサー
トAを例示した見取図である。
【図9】図3のインサート成形体成形に用いる、あらか
じめ所定表面にフィルム状接着剤Cを接合したインサー
トAを例示した見取図である。
【図10】図4のインサート成形体成形に用いる、あら
かじめ所定表面にフィルム状接着剤Cを接合したインサ
ートAを例示した見取図である。
【符号の説明】
Aインサート B 成形部材 C フィルム状接着剤 1 コア部金型 2 キャビティ部金型 3 成形材料の射出注入路 4 フィルム状接着剤巻き出しロール 5 フィルム状接着剤使用済残材巻き取りロール 6 金型間配置のフィルム状接着剤 PL 射出成形金型の分割面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型内にあらかじめセットされたインサ
    ートAに対して、成形材料Bを射出注入し、一体に成形
    されてなるインサート成形体において、インサートAと
    成形材料Bの境界部にフィルム状接着剤が介在してなる
    インサートに対する成形材料の固着性が強化されたイン
    サート成形体。
  2. 【請求項2】コア部金型とキャビティ部金型よりなる分
    割構造成形金型内にあらかじめインサートAをセット
    し、次いで、該インサートの所定表面の被覆に供し得る
    フィルム状接着剤Cを該両金型間に配置し、型締め後、
    成形材料Bを射出注入し、インサートA、フィルム状接
    着剤Cおよび成形材料Bを一体に成形することを特徴と
    する請求項1に記載のインサート成形体の成形方法。
  3. 【請求項3】 フィルム状接着剤Cの配置が、該接着剤
    Cの巻き出し、ならびに、その使用済残材の巻き取りに
    よって、成形サイクル毎に、手動または自動操作により
    行うことを特徴とする請求項2に記載の成形方法。
  4. 【請求項4】コア部金型とキャビティ部金型よりなる分
    割構造成形金型内に、フィルム状接着剤Cをあらかじめ
    所定表面に接合したインサートAをセットし、型締め
    後、成形材料Bを射出注入し、インサートA、フィルム
    状接着剤Cおよび成形材料Bを一体に成形することを特
    徴とする請求項1に記載のインサート成形体の成形方
    法。
  5. 【請求項5】 インサートAと成形材料Bとが、相互に
    異種の重合体系成形材料である請求項1に記載のインサ
    ート成形体。
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