JP2018529558A - 異なる材料の二つの部材を接合する方法 - Google Patents

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Abstract

金属−プラスチック複合体の製造方法であって、次のステップ:・金属部材の接着すべき表面上に接着テープを施与するステップ、・閉鎖された、好ましくは二つの部分からなる中空型中に前記金属部材を入れるステップ、・前記中空型中に熱可塑性プラスチックを、前記接着テープがこのプラスチックによって取り囲まれるように射出するステップ、・前記中空型から金属−プラスチック複合体を取り出すステップ、を含む前記方法。

Description

本発明は、異なる材料の二つの部材、例えば金属−プラスチックまたはプラスチック−プラスチックを接合するための方法に関する。
金属−プラスチック複合材料及びプラスチック−プラスチック複合材料は、中でも(自動車用)軽量構造物として益々広く普及している。プラスチック表面は金属装飾要素によっても仕上げできる。
金属要素、例えば金属板は、完成したプラスチックパートナーに接着できるかまたは他の場合には繋ぎ合わせることができる(追加的な作業工程)。他方、金属要素は、射出成形プロセスにおいて型中に入れ、そして液状のプラスチック材料を用いてオーバーモールディングまたはインモールドコーティングを行うことができる。
射出成形についての詳細は、Chemielexikon Roemppから、詳しくは見出し「Spritzgiessen」(射出成形)(2013 Georg Thieme Velag,文献識別番号RD−19−03499,最新版: 2011年7月)から知ることができる。
一般的に、射出成形プロセスでは、プラスチックと金属との間の接着は、特に非極性プラスチックの場合には、弱い乃至非常に弱い。形ばめ(嵌合、オーバーモールディング)または圧力ばめ(プレスばめ)による接合が両材料の機械的結合を供するものであるが; これは、特に、インモールドコーティングプロセスの場合のような外側にある金属要素では困難である。射出成形プロセスの冷却ステップにおける縮小及び歪によって、金属とプラスチックとの間に応力が生じ、そして最終的には亀裂または間隙が形成する虞がある。一般的に、両材料間での力の伝達並びに液体に対する不透過性は制限される。機械的及び熱的負荷も上記の結合を弱め、そして様々な材料疲労を招く虞がある。それ故、金属とプラスチックとの間の材料ばめ(接着)接合が常に好ましい。
それ故、接着結合は、ストレスピークが分散され及び機械的/熱的に誘発された変形差が均されることによって複合体の全体的な強度、長寿及び不透過性を向上する。接着結合は、様々な方策によって達成することができる。従来技術において、金属面は、(好ましくは複合体製造の直前にまたは射出成形型中で直接)物理的または化学的方法を用いて前処理することができる。これは、一方ではプラズマ処理などであることができ、他方で、金属表面は、化学的プライマーまたは液状接着剤で処理できるか、またはワニスまたはその他の(プラスチック)コーティングを施与することができる。全ての態様は、扱いが煩雑で、投資集約的で及び/または健康上の懸念がある。プラズマを用いた場合は、弾性の/均衡化された中間層は生成されず、更に、オゾン及び他のガスの除去のための吸引が必要である。プライマーは、施与後に乾燥する必要があり(フラッスオフ時間)、そして溶媒が気化するために健康上のリスクがあり得るという欠点を持つ。液状接着剤も硬化のために一定の時間を必要とし、潜在的に健康上のリスクがあり、そして型中で過度の圧力によって「絞り出され」、所定の接着面を超えて広がる虞がある。
本発明の課題は、金属−プラスチック複合体またはプラスチック−プラスチック複合体の製造のための最適化された方法を提供することである。
この課題は、主請求項に記載されているような方法によって解決される。下位の請求項の対象は、本発明の対象の有利な発展形態である。
従って、本発明は、金属−プラスチック複合体の製造方法であって、次のステップ:
・金属部材の接着すべき表面上に接着テープを施与するステップ、
・閉鎖された、好ましくは二つの部分からなる中空型中に前記金属部材を入れるステップ、
・前記中空型中に熱可塑性プラスチックを、前記接着テープがこのプラスチックによって取り囲まれるように射出するステップ、
・前記中空型から金属−プラスチック複合体を取り出すステップ、
を含む前記方法を記載するものである。
代替的に、本発明によれば、プラスチック−プラスチック複合体も同じステップに従い製造することができる:
・プラスチック部材の接着すべき表面上に接着テープを施与するステップ、
・閉鎖された、好ましくは二つの部分からなる中空型中に前記プラスチック部材を入れるステップ、
・前記中空型中に第二の熱可塑性プラスチックを、前記接着テープがこの第二のプラスチックによって取り囲まれるように射出するステップ、
・前記中空型からプラスチック−プラスチック複合体を取り出すステップ。
以下において、金属−プラスチック複合体と言う場合には、同時にプラスチック−プラスチック複合体も意味する。
本発明では、接着テープが、金属−プラスチック射出成形プロセスにおける付着仲介体として働く。それによって、複合材料を、非常に高い製品性能、−品質、−安全性及び−経済性を兼ね備えて製造することができるようになる。またそれによって、新規の複合体部材及び形状が可能となる。該方法は、信頼性が高く、クリーンであり、排気用の装置及び後処理が無くとも済む。接着テープの施与は、時間的にかつ空間的に射出成形プロセスから切り離なすことができ、外部に委託することさえできる。
本発明では、接着テープは、接着すべき金属表面上に施与される。次いで、この金属要素を射出成形の型中に入れ(インモールドコーティングの場合には接着テープ面が型の内側を向くようにする)、そして射出成形ステップを行う。複合体部材を型から取り出した時には既に、金属とプラスチックとの間に最小の付着が存在している。好ましくは、接合の接着及び/または凝集は、一定の後硬化時間の後で及び/または後処理ステップによりなおも上昇する。
この際、本発明の意味では接着テープとしては、片面または両面が接着剤でコーティングされた平坦なまたはテープ状のキャリア形成物の全てのことと解され、すなわち旧来のテープの他、ラベル、断片、ダイカット品(接着剤がコーティングされた平坦なキャリア形成物のダイカット品)、二次元に広がる形成物(例えばフィルム)及び類似物、並びに多層構成物のことと解される。
更に「接着テープ」という表現には、いわゆる「転写式接着テープ」、つまりキャリアのない接着テープも含まれる。転写式接着テープの場合、接着剤はむしろ施用前に、剥離層を備えかつ/または抗付着特性を有する柔軟なライナーの間に施される。施用するためには、通常はまず1枚のライナーを取り除き、そして接着剤を施用し、その後、第2のライナーを取り除く。
該接着テープは、一定の長さで、例えば反物状品として、またはロール(アルキメデス螺旋)上の連続製品として提供できる。
該接着テープは、金属表面に対する所望の付着性を有する必要があり、かつ過度のマイナスの変化無く射出成形プロセスに耐える必要がある。基本的に、片面接着テープ、両面接着テープのどちらも使用できる。片面接着テープは、好ましくは、(機械的接着のために)粗い及び/または含開孔表面を有するか、または射出されるプラスチックに対する最小限の適合性を示すキャリアを有する。しかし、両面またはキャリアレス接着テープが好ましい。いわゆる反応性接着テープが特に好ましいが、キャリアを有するかまたは持たない熱可塑性接着テープも可能である。反応性接着テープは、型中の射出成形条件(圧力、温度、時間)の下に互いに及び/またはプラスチック/金属と反応して、互いに及び/または基材に対して分子ネットワークを構築する、化学的に反応性の潜在的な分子基を含む。代替的に、接着テープの反応は、射出成形ステップの前に、外部刺激(特に、光、UV放射線、プラズマ、溶液の形のまたは第二の相補的な接着テープの形の開始剤の供給など)によって開始することもできる。
接着テープの処方及び構成、それ故それの極性(プラスチック/金属親和性)、反応条件及び反応ケミストリーを、所望の射出成形条件/プラスチック及び金属の選択に合わせて適合することができる。理想的には、該接着テープは、接着すべき両基材と適合しておりかつそれ故、金属とプラスチックとの間の大きな相違間で仲介的に作用する極性/ケミストリーを有する。
可能な反応性接着テープの部類は、例えばエポキシ含有、アクリレート含有、フェノールホルムアルデヒド樹脂含有またはイソシアネート含有接着テープである。該接着テープは、それぞれ一方の基材に対する最適な付着をそれぞれ可能にする二種の部類の化学品の混合物からなることもできる。
可能な金属要素は、鋼またはアルミニウムからできていることができる。
可能な射出成形用プラスチックは、任意の熱可塑性または熱硬化性プラスチック、中でもABS、PP、PA、PURであることができる。
該接着テープは、場合により:
−発泡可能なように用意することができる。
−追加的に応力を均すため、弾性及び/または粘弾性特性を示すことができる。
−例えば流動現象を阻止するためのキャリアまたはノンクリンプ織物(Gelege)を含むことができる。
−複数の層、例えば機能性層から、並びに(各次元方向に)対称的にもしくは非対称的に構築することができる。
−接着面内での様々な厚さ、及び平らなもしくは凹凸のある、構造化または非構造化(表面)トポグラフィーを有することができる。
−完全に平坦かもしくは部分的に平坦に、並びにプロセスの前または最中に時間的に任意に施与することができる。
開示される接着テープの使用は、既知の表面前処理、例えばプラズマ前処理またはプライマー前処置と組み合わせることができる。
上記の原則は、金属−プラスチック複合体材料に使用できる他、本発明により確認されたように、例えば非常に異なる二種のプラスチックを射出成形プロセスにおいて接合させるべき場合にも適している。
以下には、本発明を、幾つかの例に基づいてより詳しく説明するが、それによって本発明を如何様にも限定することを意図するものではない。
金属−プラスチック複合体
部材全体をネジ止め及び溶接できるように、ポリアミドでできた射出成形プラスチックプレート(4)に鋼フレームを装備する。この部材の一例は、車体に機械的に溶接されるべき、トランクルームの下にあるプラスチックでできたスペアタイヤ保持具である。
tesa(登録商標)HAF8400、すなわち反応性付着仲介体接着テープ(3)を、前記鋼フレームの片面に予め施与し、そしてこの接着テープを備えた鋼フレームを(接着テープ側が内側を向くように)適切な射出成形型中に入れる。
tesa(登録商標)HAF8400は、キャリアは含まずかつニトリルゴム及びフェノール樹脂をベースとする熱活性化可能なフィルムである。これを堅固なペーパーライナーで覆う。室温では、前記材料は接着性ではない。予固定のための活性化温度は約90℃である。第二の加工ステップにおいて、この製品を圧力及び熱の供給下に施与する。
閉鎖した型(1)中に、熱い高温のポリアミドを単独で射出する(2)。いまや満たされた型中での高温及び高圧によって、前記のtesa(登録商標)HAF8400は架橋し、そして金属境界層ともポリアミド境界層とも固定される。ポリアミドの固化の後に、部材を型から取り出すことができる。鋼フレームと硬化したポリアミドは、今や、tesa(登録商標)HAF8400によって、HAF付着仲介体を使用しない場合よりもより大きな力を吸収できるように接合される。
代替的な実施形態の一つでは、接着テープ付着仲介体(3)を備えた管状の金属要素(5)を型中でオーバーモールディングに付す。
以下に記載の図面に基づいて、本発明の特に有利な実施形態をより詳しく説明する。
図1は、型中でインモールドコーティングした、接着テープ付着仲介体を備えた平坦なプラスチック要素を示す。 図2は、型中でオーバーモールディングした、接着テープ付着仲介体を備えた管状の金属要素を示す。

Claims (5)

  1. 金属−プラスチック複合体の製造方法であって、次のステップ:
    ・金属部材の接着すべき表面上に接着テープを施与するステップ、
    ・閉鎖された、好ましくは二つの部分からなる中空型中に前記金属部材を入れるステップ、
    ・前記中空型中に熱可塑性プラスチックを、前記接着テープがこのプラスチックによって取り囲まれるように射出するステップ、
    ・前記中空型から金属−プラスチック複合体を取り出すステップ、
    を含む前記方法。
  2. プラスチック−プラスチック複合体の製造方法であって、次のステップ:
    ・プラスチック部材の接着すべき表面上に接着テープを施与するステップ、
    ・閉鎖された、好ましくは二つの部分からなる中空型中に前記プラスチック部材を入れるステップ、
    ・前記中空型中に第二の熱可塑性プラスチックを、前記接着テープがこの第二のプラスチックによって取り囲まれるように射出するステップ、
    ・前記中空型からプラスチック−プラスチック複合体を取り出すステップ、
    を含む前記方法。
  3. 接着テープが、両面接着テープであるかまたはキャリアレス接着テープであることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 接着テープが反応性接着テープであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. 接着テープが、生じ得る応力に対してまたは縮小によって起こる空洞形成に対して発泡によって反作用することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
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