JPH10328271A - 医療用容器の製造方法 - Google Patents

医療用容器の製造方法

Info

Publication number
JPH10328271A
JPH10328271A JP9160586A JP16058697A JPH10328271A JP H10328271 A JPH10328271 A JP H10328271A JP 9160586 A JP9160586 A JP 9160586A JP 16058697 A JP16058697 A JP 16058697A JP H10328271 A JPH10328271 A JP H10328271A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
freeze
lower half
drying
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9160586A
Other languages
English (en)
Inventor
Soichi Kuroki
宗一 黒木
Tatsuo Suzuki
龍夫 鈴木
Keinosuke Isono
啓之介 磯野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Material Engineering Technology Laboratory Inc
Original Assignee
Material Engineering Technology Laboratory Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Material Engineering Technology Laboratory Inc filed Critical Material Engineering Technology Laboratory Inc
Priority to JP9160586A priority Critical patent/JPH10328271A/ja
Publication of JPH10328271A publication Critical patent/JPH10328271A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 凍結乾燥用容器を多様な凍結乾燥器ラインに
乗せることができ、医療用容器と凍結乾燥用容器との連
結時の開放時間が短縮されて無菌状態を維持することに
おける安全率を高めた医療用容器の製造方法を提供。 【構成】 可撓性の樹脂製容器本体からなり、また凍結
乾燥用容器で凍結乾燥された薬剤の溶解液を該容器本体
内で液密に収容する医療用容器の製造方法において、上
記凍結乾燥用容器を半打栓可能な開口部が形成された上
部半体と、上記薬液が貯留されて凍結乾燥される下部半
体とに分離して形成し、且つ該両半体を液密に組合せ、
分解可能に形成し、上記凍結乾燥用容器内で薬液を凍結
乾燥し、該乾燥後に無菌的雰囲気内で上記上部半体と下
部半体とを分解し、上記容器本体に該下部半体を連結
し、また上記容器本体に形成される該連結口と上記溶解
液の収容部とを使用前まで連通不能に形成しておくこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用容器の製造方法
に関するものであり、より詳細には、混注用の凍結乾燥
用容器と医療用容器の本体とを無菌的に簡単に連結で
き、また使用時まで凍結乾燥用容器内と本体内とを不連
通に維持する一方、使用時に容易に連通することができ
る医療用容器の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に抗生物質、蛋白質製剤等の凍結乾
燥物はバイアル、アンプル等に収容されている。凍結乾
燥物は、バイアル内に凍結乾燥用の溶液を除菌フィルタ
を通して無菌室或いはクリーンルームで無菌的に充填
し、これを凍結乾燥器内で凍結処理し、バイアルを半打
栓状態にして減圧乾燥して乾燥後に完全打栓をして凍結
乾燥物入りバイアルを得ている。バイアル内の抗生物質
等は輸液容器、透析液容器、臓器保存液容器等の医療用
容器に無菌的に混注されて用いられるケースが病院内で
多々見られる。このため、医療用容器の中にはバイアル
の口部と無菌的に連結できる連結部を備えたもの、或い
は、最初からバイアルが医療用容器の連結部に設けられ
使用時までバイアル内と医療用容器内とが非連通状態に
おかれ使用に際しては連結部の連通手段、例えば連通針
でバイアル内と医療用容器内とが連通されるもの等が提
供されている。前者はいわゆるハーフキット型医療用容
器と称され、後者はフルキット型医療用容器と称され、
これらの中でもフルキット型医療用容器は抗生物質とそ
の溶解液とがセットになっているため、病院での薬剤の
取り違えによる医療ミスが生じ難い点で特に頻用されて
きている。フルキット医療用容器としては、例えば、溶
解液容器本体の上端に設けた筒状のガイドカプセルと、
ガイドカプセル内を上下動可能に設けた両頭刺通型の連
通針と、バイアル等の薬剤容器と、その薬剤容器を保持
するホルダーと、ホルダーを収容しガイドカプセルの開
口部を回動可能に密封するキャップとからなる連結部を
具備した輸液用容器が提案されている(特開平7−27
5324号公報)。かかる輸液用容器はキャップを回転
させることにより、ホルダーが回転することなく連通針
に向かって移動し、薬剤容器の口部ゴム栓は連通針の一
端に刺通され、また溶解液容器の連結部のゴム栓は連通
針の他端に刺通され、この結果薬剤容器内と溶解液容器
内とが連通されるものである。しかし、このようなフル
キット型医療用容器における連結部に設けられる連通手
段は両頭刺通型の連通針であるため、カプセル内に無菌
状態で、しかも使用時に移動可能に配する必要がある。
特に、その移動に際しては薬剤容器の口部が可撓性容器
のゴム栓より先に連通針で刺通されなければならないと
いう構成要件が課せられるため、カプセル内の収容構造
が複雑となるおそれがある。また連通手段が両頭刺通型
の連通針であるため、可撓性容器の連結部或いは連結口
にゴム栓を設ける必要があり、また使用に際して可撓性
容器のゴム栓にも連通針を刺通する等の操作が必要であ
るため、その連通操作が必ずしもスムーズに行えるとは
限らない。そこで、最近、医療用容器を二つの室に分
け、一の室には薬液を充填し、二の室には凍結乾燥物を
充填したものがある(特開平6−14975号公報)。
そして、かかる薬液容器の各室は剥離可能な隔離シール
部で仕切られ、薬液収容室を外側から圧迫することによ
り、隔離シール部が剥離開放されて使用時に医療用容器
内の凍結乾燥物と薬液との混合できるものである。従っ
て、このよな薬液容器は容器圧迫のみで簡単に薬剤を薬
液に混注、混合することができるようになっている。こ
のためこのような薬液容器が頻用される傾向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多室型
のフルキット医療用容器においては、その凍結乾燥物の
充填に問題がある。複数の室の一の室に凍結乾燥物を充
填する方法としては以下の方法が提案されている。例え
ば、充填容器(医療用容器)への一容器単位相当混注量
の薬液を凍結乾燥し、塊状のまま充填容器に移し換え可
能とした凍結乾燥用容器であって、容器本体と栓とから
成り、容器本体は底部外側が平面状をなすと共に開口部
寄り部分がほぼ円筒状で底部がほぼ半球面状に本体内部
が形成され、また本体内の円筒部は開口に向かって拡径
してその本体内壁面はテーパ面で形成され、しかも本体
内壁面の全体が易離型性の被膜処理がなされている凍結
乾燥用容器が提案され(特許公報第2551881
号)、かかる凍結乾燥用容器を使用して複数室を有する
医療用容器の一の室に凍結乾燥物が充填されている。し
かし、このような凍結乾燥用容器にあってはその形状が
限られる。例えば、口部に向かうに従って大径化され、
薬剤の移し換えに支障のない形状に制限される。このた
め、形状の限られた凍結乾燥用容器を従来からの凍結乾
燥器ラインに乗せることが困難な場合がある。また、か
かる容器はその形状と易離型性被膜処理と相まって一部
に透明壁を構成することが難しく、内部の薬液の凍結、
乾燥等の処理の確認がし難いという問題が依然残る。ま
た、本体内壁面は易離型性被膜が施されるが、凍結乾燥
用容器自身は再使用されるため、易離型性内壁面は汚染
されやすく徐々に離型機能を失うおそれがある。このた
め、凍結乾燥物が凍結乾燥用容器から医療用容器に完全
に移らず、一容器単位相当量の容量不足となる場合や全
く医療用容器に乾燥物が移らず製造ラインをストップさ
せる場合がある。更に、凍結乾燥用容器から医療用容器
への移し換えの操作において、凍結乾燥用容器を開口し
てから医療用容器に移し換えて医療用容器を密封するま
での手間、時間がかなりあるため、その間の開放された
無菌状態を維持することにおける安全率が低いという問
題がある。従って、本発明は、凍結乾燥用容器を多様な
凍結乾燥器ラインに乗せることができ、医療用容器と凍
結乾燥用容器との連結時の開放時間が短縮されて無菌状
態を維持することにおける安全率を高めた医療用容器の
製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、可撓性の樹脂
製容器本体からなり、また凍結乾燥用容器で凍結乾燥さ
れた薬剤の溶解液を該容器本体内で液密に収容する医療
用容器の製造方法において、上記凍結乾燥用容器を半打
栓可能な開口部が形成された上部半体と、上記薬液が貯
留されて凍結乾燥される下部半体とに分離して形成し、
且つ該両半体を液密に組合せ、分解可能に形成し、上記
凍結乾燥用容器内で薬液を凍結乾燥し、該乾燥後に無菌
的雰囲気内で上記上部半体と下部半体とを分解し、上記
容器本体に該下部半体を連結し、また上記容器本体に形
成される該連結口と上記溶解液の収容部とを使用前まで
連通不能に形成しておくことを特徴とする医療用容器の
製造方法を提供することにより、上記目的を達成したも
のである。
【0005】上記可撓性の樹脂製容器本体は、少なくと
も可撓性壁を有した非定容積性の容器である。上記容器
本体は、インフレーションフィルム、チューブ、シート
及びフィルムから成形したもの、押出成形、射出成形、
又はブロー成形したものである。医療用容器の樹脂素材
としてはポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコ
ール系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリアクリ
ル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂等の汎用樹脂である。ま
た樹脂容器は単層又は多層で形成されていても良い。容
器内の薬剤と接触する最内層は、薬剤に影響を与えな
い、また溶出物が生じない樹脂層であるあることが望ま
しい。このような樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂
が望ましく、例えば、低、中、高−密度ポリエチレン、
ポリプロピレン等の低級オレフィン樹脂等が挙げられ
る。
【0006】上記容器壁にはガスバリアー性層が形成さ
れていることが望ましい。特に、酸素等を容易に透過し
ない層であることが望ましい。このようなガスバリアー
性層としては、殆ど、又は全くガスを透過させないアル
ミニウム等の金属層や酸化珪素、酸化マグネシウム、酸
化チタン等の無機蒸着層であり、またポリ塩化ビニリデ
ン、ポリエステル、ナイロン、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、フッ素系樹脂等のようにガスバリアー性
の高い樹脂層である。ガスバリアー性層の酸素透過量は
40cc・20μ/m2・day・atm(温度:20
℃)以下、特に、30cc・20μ/m2・day・a
tm以下、また好ましくは5cc・20μ/m2・da
y・atm以下、更には1cc・20μ/m2・day
・atm以下であることが望ましい。上記容器壁は内部
の薬剤が確認できる程度に透明性を有することが望まれ
る。このため、ガスを全く透過させない優れた機能を有
する上記アルミニウム層等の金属層から成る壁は少なく
とも一部においてその金属層が剥離可能に形成されてい
ることが望ましい。かかる層を有した医療用容器におい
ては高圧蒸気滅菌時に内部の薬剤の熱による変質を十分
に防止することができる一方、冷却後はアルミニウム層
の一部又は全部を剥離して容器壁に透明性を持たせるこ
とができる。
【0007】上記容器本体内には凍結乾燥用容器内で凍
結乾燥された薬剤のための溶解液を液密に収容する。溶
解液は、輸液、透析液、臓器保存剤等の電解質を含む電
解質溶液或いは単純な生理食塩水、無菌水等でも良い。
溶解液を上記容器本体に液密に収容した後、通常、容器
本体と共に蒸気滅菌処理する。蒸気滅菌処理は温度10
0℃〜140℃、特に温度105℃〜115℃の範囲で
滅菌処理することが望ましい。上記範囲を下回る滅菌温
度では、時間がかかり、また滅菌が不十分となるおそれ
がある。一方、上記範囲上回る滅菌温度ではプラスチッ
ク容器や包装材が熱変形、熱変質等を起こして好ましく
ない。尚、上記容器本体には連結口が形成してある。連
結口は容器本体のブロー成形時に一体として形成してあ
っても良く、またインフレーションシートからの成形容
器であれば、その裁断端部の熱溶着シール時に連結ポー
トなどを取り付けて形成しても良い。上記容器本体にお
いて上記連結口と上記溶解液の収容部とは使用時まで連
通不能にして形成してある。従って、上記容器本体には
連結口と上記収容部との間に連通手段が通常配してな
る。連通手段としては容器壁越しの操作により連結口と
収容部とを連通しうるものである。かかる連通手段と
は、閉鎖型管の端部を容器壁越しに破断して該管を連通
管とするもの、隔離部分を挟持クリップ等で止めたも
の、或いは、隔離する部分を外側からの操作により剥離
可能なピールシール部とするもの等、その他公知の無菌
的連通が可能な手段である。
【0008】上記凍結乾燥用容器に用いる薬液はその媒
質が抗生物質、生理活性物質、血液製剤、ビタミン、そ
の他の薬剤等であり、その溶媒は主に水であるが、アル
コール等のその他の有機溶媒を含ませても良い。上記凍
結乾燥用容器を上部半体と下部半体とに分けて形成す
る。上部半体の上部開口部は通常のバイアルの口部と同
様な形状に成形し、ゴム栓等の栓体が半打栓可能に取り
付けられるように成形する。上部半体の下部開口を下部
半体の上部開口と気密に組合わさり分解可能に成形す
る。下部半体内の容量は上記薬液の充填量より大きい形
状であり、薬液の全てが下部半体に貯留できるように成
形する。各半体の開口部同士は弾性リング材等のシール
部材を介して接続することが望ましい。また開口部同士
には互いに係合する雄雌の螺合部や係合用突起、フック
等を形成しても良い。上記上部半体及び下部半体はステ
ンレス、アルミニウム等の金属、ガラス、陶器等のセラ
ミック、及び樹脂等の種々の材料から成形されていても
良いが、好ましくは、成形加工性があり、熱伝導性の高
い材料であることが望ましい。
【0009】上記凍結乾燥用容器内で薬液を凍結乾燥
し、その乾燥後に無菌的雰囲気内で上記上部半体と下部
半体とを分解し、上記容器本体にその下部半体を開口で
連結する。凍結乾燥用容器内での薬液の凍結乾燥は無菌
的に行うが、通常、凍結乾燥器内で行う。凍結乾燥用容
器に薬液を充填する前に凍結乾燥用容器の各部材につい
ては洗滌、滅菌処理を行う。滅菌処理はエチレンオキサ
イド等の化学滅菌処理や熱滅菌処理である。各部材を組
合せバイアル状の凍結乾燥用容器とし、上部半体の開口
から薬液を除菌フィルタを通して充填して下部半体内に
貯留させる。ゴム栓をその開口に挿入し半打栓状態にす
る。これを凍結乾燥器内に搬入して凍結乾燥処理する。
一方、上記容器本体には溶解液を充填し液密収容する。
これを上述のように高圧蒸気滅菌処理し、その冷却後に
無菌、無塵室等の無菌的雰囲気内に搬入する。無菌的雰
囲気内とは通常クリーンルームや無菌、無塵室等であ
る。かかる無菌的雰囲気内で上部半体と下部半体とを分
解し、下部半体の開口を上記容器本体に形成された連結
口に気密に連結する。その連結にあっては弾性シール材
等を挟んで口部同士を液密に連結しても良く、また下部
半体の開口が樹脂等で形成されていれば、熱溶着等によ
り液密に連結しても良い。
【0010】このような医療用容器の製造方法にあって
は、上記凍結乾燥物である薬剤を上記凍結乾燥用容器の
下部半体内で無菌的に製造することができ、しかも薬剤
を既存の凍結乾燥器ラインから製造し、その下部半体を
そのまま容器本体に容易に連結できる。特に、下部半体
は従来のバイアルと同様な熱伝導性を持つ部材の使用が
でき、その凍結乾燥の設定条件を全く換える必要がな
い。また容器本体の連結口と下部半体の開口とが接合容
易な形状とすることにより、その連結も無菌的維持を一
層図ることができる。
【0011】本発明に係る請求項2記載の医療用容器の
製造方法は、上記容器本体の内壁同士を熱シールした隔
離シール部により上記連結口と溶解液の収容部とを連通
不能に形成し、上記隔離シール部は剥離可能なピールシ
ールで形成することを特徴とする。通常ピールシールは
弱シールとも称され、外部から室或いは容器を圧迫し、
内部が一定の昇圧状態にさせたときに剥離することがで
きるシール部、或いは容器外壁のそれぞれを把持して引
っ張ったときに剥離することのできるシール等である。
上記ピールシール部の剥離強度は、室内の圧が0.01
〜1.0Kgf/cm2、特に、0.05〜0.5Kg
f/cm2の昇圧で剥離する強度が望ましい。上記範囲
を下回る強度であれば、製造、運搬、保存時等の隔離状
態を保つための安全性に欠ける。上記範囲を上回る強度
であれば、用時に室と室同士の連通操作を容易にするこ
とができなくなるおそれがある。容器の内層同士のピー
ルシールの形成或いは完全密封シールを形成する場合
に、これらを確実に異ならせて形成するためには、容器
の内層は異なる樹脂のブレンド物であることが望まし
い。特に、異なる樹脂は、熱溶融開始温度、或いはピカ
ッド軟化点が異なり、相溶性のあまりない樹脂ブレンド
物からなることが望ましい。かかるブレンド物層を有す
ることより、同一の内層で、完全な密封シール接着のシ
ール温度条件設定が簡単にできる一方、ピールシール接
着のシール温度条件設定も簡単にできる。また、ピール
シール接着に求められるシール強度、即ち、使用時の外
力による易剥離性と、保存時に剥離が生じないシール強
度との関係を厳密に設定することができる。即ち、内層
に相溶性の異なる樹脂を溶融混合し、これをシート状に
成形することによって、ミクロ的に熱接着性の異なる部
分に分離した表面としたものである。そして、任意の温
度におけるそのシートの表面相互のミクロ的な部分の熱
溶融性を決めることにより、シール強度の強弱を正確に
付け、上記効果を容易に達成するものである。このよう
なピールシールの隔離シール部を上記連結口と溶解液の
収容部との間に形成するれば、その保存の際には連結口
内が溶解液で満たされることがないため、下部半体を直
接連結口に連結させておくことができ、連通針等の連通
手段が不要である。一方、医療用容器の使用の際には、
容器本体を圧迫するのみで、隔離シール部を容易に剥離
させ、連結口を介して下部半体内の薬液と溶解液とを混
合させることができる。
【0012】本発明に係る請求項3記載の医療用容器の
製造方法は、請求項1又は2記載の医療用容器の製造方
法において、上記上部半体と上記下部本体とに互いに係
合する係合部を形成すると共に、上記下部半体の係合部
を上記容器本体の連結口の係合部とも係合させることを
特徴とする。上記凍結乾燥用容器の組立にあっては上部
半体と下部半体とは気密状態を維持して組合わさること
が望ましく、その組立も簡単であることが望まれる。こ
のため、上部半体と下部半体との間に係合関係を有する
係合部を形成すれば、組立が容易にできる。また、下部
半体は医療用容器の本体の連結口とも連結されるが、か
かる連結の際にも下部半体の開口と連結口との間に係合
関係のある係合部を有することが望ましい。このため、
下部半体の開口の係合部が上部半体と連結口との両者に
係合関係を有すれば、より簡単且つ作業性に優れた形状
を採ることができる。係合部は突起と穴との関係を有す
るもの、フック等の鍵状関係を有するもの、ネジ等の螺
合関係を有するもの等を挙げることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る医療用容器の製造方法の
好ましい実施例を添付図面を参照しながら詳述する。図
1は本実施例に係る医療用容器の製造方法に用いる凍結
乾燥用容器の断面図である。図2は図1に示す凍結乾燥
用容器の分解断面図である。図3は本実施例に係る医療
用容器の製造方法に用いる容器本体の断面図である。図
4は本実施例に係る医療用容器の製造方法で製造した医
療用容器の断面図である。
【0014】図1〜図4に示す医療用容器1の製造方法
は、可撓性の樹脂製容器本体2からなり、また凍結乾燥
用容器3で凍結乾燥された薬剤4の溶解液5を容器本体
2内で液密に収容する医療用容器の製造方法である。か
かる製造方法において、上記凍結乾燥用容器3を栓体1
4の半打栓可能な開口部6が形成された上部半体7と、
薬液が貯留されて凍結乾燥される下部半体8とに分離し
て形成し、且つ両半体7、8を液密に組合せ、分解可能
に形成し、凍結乾燥用容器3内で薬液を凍結乾燥し、乾
燥後に無菌的雰囲気内で上部半体7と下部半体8とを分
解し、容器本体2に下部半体8を連結し、また容器本体
2に形成される連結口9と溶解液5の収容部10とを使
用前まで連通不能に形成しておくものである。上記容器
本体2の内壁同士を熱シールした隔離シール部11によ
り連結口9と溶解液の収容部10とを連通不能に形成
し、隔離シール部11は剥離可能なピールシールで形成
する。上記下部半体8と上記上部本体7とに互いに係合
する係合部12、13を形成すると共に、上記下部半体
8の係合部12を容器本体2の連結口9の係合部14と
も係合させるものである。
【0015】本実施例の医療用容器1の製造方法を更に
詳しく説明すると、凍結乾燥用容器3は上部半体7と下
部半体8とからなる。上部半体7は透明なポリカーボネ
ート材料の射出成形物からなり、上部にゴム栓14で気
密に閉止される開口部6が形成され、下部に下部半体8
との接続口15が形成されている。接続口15には下部
半体8の接続口16が挿入される拡大内径部15Aが形
成され、拡大内径部15Aの内壁面には係合用の周条突
部13が形成されている。尚、ゴム栓14は半打栓可能
な状態で開口部6に取付られることができる。下部半体
8は透明でカップ状のポリプロピレン射出成形物からな
る。下部半体8の接続口16の外側壁には係合用の周条
穴部12が形成され、穴部12に上記周条突部13が係
合されると共に、後述の容器本体2連結口9と連結され
る際に連結口9の周条内顎部14に密着して係合され
る。上部半体7と下部半体8との間にはリング状のガス
ケット17が設けられ、ガスケット17はシリコンゴム
からなる。
【0016】図3に示す如く容器本体2は樹脂製のブロ
ー成形容器からなる。ブロー成形物の胴壁の厚みは25
0μmで、その容量は160mlで、長さが150mm
で、幅が80mmである。ブロー成形物の胴壁は外層と
内層との二層に成形され、外層は厚みが220μmの直
鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.935g/c
3、MI:2、融点:121℃)からなる。内層は厚
みが30μmの直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.
935g/cm3、融点:121℃)とポリプロピレン
(密度:0.900g/cm3、MI:0.7、融点:
165℃)とを2:1の割合で混合したブレンド物の層
からなる。ブロー成形物はブロー成形時のブロー吹出口
が医療用容器における排出ポート18として形成され、
また下端部に連結口9が形成されている。容器本体2の
胴部には内壁面同士を密着シールした隔離シール部11
が形成され、隔離シール部11はインパルスシーラーに
より温度150℃で形成され、剥離可能なピールシール
として形成されている。隔離シール部11は容器本体2
の内部圧を0.2Kgf/cm2のにした時に剥離する
ように形成されている。容器本体2は隔離シール部11
により液収容室10と連結口9側の室19とに区分さ
れ、液収容室10には溶解液5が収容される。排出ポー
ト18には点滴針の刺通が可能な密栓20が取付られ、
溶解液5は液収容室10に液密に収容されている。
【0017】次に、このような容器本体2と凍結乾燥用
容器3を使用する医療用容器1の製造方法について詳述
する。先ず、図2に示す凍結乾燥用容器3の各部材を洗
滌、滅菌処理して無塵、無菌室に搬入する。上部半体7
の拡大内径部15Aにガスケット17を装着する。下部
半体8の開口16を拡大内径部15Aに挿入して上部半
体7と下部半体8を気密に接続する。上部半体7の開口
部6から薬液を充填して下部半体8内に貯留させる。開
口部6に半打栓状態でゴム栓14をセットする。上記凍
結乾燥用容器3を凍結乾燥器内に搬入し、薬液を下部半
体8内で凍結させる。凍結後、凍結乾燥器内を減圧して
薬液中の水分の蒸散、昇華を行い凍結乾燥薬剤4を製造
する。乾燥後、凍結乾燥器内を常圧に戻した後、開口部
6にゴム栓2を完全に打栓する。これにより凍結乾燥用
容器1内に薬剤4を製造しておくことができる。また上
記容器本体2の排出ポート18から溶解液5を液収容室
10に100ml充填し、排出ポート18に密栓20を
取り付ける。連結口9の開口には水分を十分に透過させ
る滅菌維持シール21が貼り付けられ、連結室19が密
封状態にされる。次に、溶解液5をかかる本体2と共に
温度110℃のオートクレーブ内で高圧蒸気滅菌処理す
る。滅菌処理後、医療用容器12の本体を上記無塵、無
菌室に搬入する。
【0018】容器本体2の組立及び凍結乾燥処理後、凍
結乾燥用容器1にあっては下部半体8をガスケット17
を付けた状態で上部半体7から取り外す。容器本体2の
連結口9から滅菌維持シールを剥がす。そして、図4に
示す如く下部半体8の開口16と連結口9とを無菌、無
塵雰囲気中で液密に連結する。連結は、周条穴部12に
連結口9の周条内顎部14を係合させて行い、開口同士
の接合面をガスケット17で液密にシールすることによ
り連結する。これにより、本実施例におけるフルキット
型の医療用容器1を得る。尚、保存時は医療用容器1の
連結室19の外側を水分又はガスバリアー性の包装材料
で気密に包装して提供される。このような医療用容器の
製造方法において、凍結乾燥用容器3は通常のバイアル
と同様な形態を採るため、凍結乾燥条件を換えることな
く、既存の凍結乾燥ラインに乗せることができる。また
凍結乾燥時にあっては各半体7、8は透明樹脂からなる
ため、その凍結状態の確認ができ不良凍結乾燥物のチェ
ックも簡単にできる。一方、凍結乾燥した薬剤4を貯留
した下部半体8は連結口9に簡単に取り付けることがで
き汚染される危険時間が極めて短時間となる。かかる製
造方法により得られる医療用容器1にあっては、その使
用時に隔離シール部11を剥離するのみで、薬剤4を溶
解液5に無菌的に溶解させることができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る医療用
容器の製造方法は、上記凍結乾燥用容器を半打栓可能な
開口部が形成された上部半体と、上記薬液が貯留されて
凍結乾燥される下部半体とに分離して形成し、且つ該両
半体を液密に組合せ、分解可能に形成し、上記凍結乾燥
用容器内で薬液を凍結乾燥し、該乾燥後に無菌的雰囲気
内で上記上部半体と下部半体とを分解し、上記容器本体
に該下部半体を連結し、また上記容器本体に形成される
該連結口と上記溶解液の収容部とを使用前まで連通不能
に形成しておくので、凍結乾燥用容器を多様な凍結乾燥
器ラインに乗せることができ、医療用容器と凍結乾燥用
容器との連結時の開放時間が短縮されて無菌状態を維持
することにおける安全率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本実施例に係る医療用容器の製造方法に
用いる凍結乾燥用容器の断面図である。
【図2】図2は図1に示す凍結乾燥用容器の分解断面図
である。
【図3】図3は本実施例に係る医療用容器の製造方法に
用いる容器本体の断面図である。
【図4】図4は本実施例に係る医療用容器の製造方法で
製造した医療用容器の断面図である。
【符号の説明】
1 医療用容器 2 容器本体 3 凍結乾燥用容器 4 薬剤(凍結乾燥物) 5 溶解液 7 上部半体 8 下部半体 9 連結口 10 収容室 11 隔離シール部 12 周条穴部 13 周条突部 14 周条内顎部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性の樹脂製容器本体からなり、また
    凍結乾燥用容器で凍結乾燥された薬剤の溶解液を該容器
    本体内で液密に収容する医療用容器の製造方法におい
    て、上記凍結乾燥用容器を半打栓可能な開口部が形成さ
    れた上部半体と、上記薬液が貯留されて凍結乾燥される
    下部半体とに分離して形成し、且つ該両半体を液密に組
    合せ、分解可能に形成し、上記凍結乾燥用容器内で薬液
    を凍結乾燥し、該乾燥後に無菌的雰囲気内で上記上部半
    体と下部半体とを分解し、上記容器本体に該下部半体を
    連結し、また上記容器本体に形成される該連結口と上記
    溶解液の収容部とを使用前まで連通不能に形成しておく
    ことを特徴とする医療用容器の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記容器本体の内壁同士を熱シールした
    隔離シール部により上記連結口と溶解液の収容部とを連
    通不能に形成し、上記隔離シール部は剥離可能なピール
    シールで形成することを特徴とする請求項2記載の医療
    用容器の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記上部半体と上記下部本体とに互いに
    係合する係合部を形成すると共に、上記下部半体の係合
    部を上記容器本体の連結口の係合部とも係合させること
    を特徴とする請求項1又は2記載の医療用容器の製造方
    法。
JP9160586A 1997-06-03 1997-06-03 医療用容器の製造方法 Pending JPH10328271A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9160586A JPH10328271A (ja) 1997-06-03 1997-06-03 医療用容器の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9160586A JPH10328271A (ja) 1997-06-03 1997-06-03 医療用容器の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10328271A true JPH10328271A (ja) 1998-12-15

Family

ID=15718167

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9160586A Pending JPH10328271A (ja) 1997-06-03 1997-06-03 医療用容器の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10328271A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006111532A (ja) * 2004-10-12 2006-04-27 Yoshindo:Kk パニペネム含有ダブルバッグ型製剤

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006111532A (ja) * 2004-10-12 2006-04-27 Yoshindo:Kk パニペネム含有ダブルバッグ型製剤

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0554988B1 (en) Mixing apparatus
EA038014B1 (ru) Многокамерный гибкий пакет и способ приготовления в нем фармацевтического препарата
JPH11128315A (ja) 医療用容器
WO1999006089A1 (fr) Contenant medical
JP3607464B2 (ja) 薬液注入器具
JP4004106B2 (ja) 薬液注入器具
JPH10328271A (ja) 医療用容器の製造方法
JP2000316973A (ja) 薬剤入り注射器
JPH10328270A (ja) 凍結乾燥用容器及びそれを使用する医療用容器の製造方法
JP4615165B2 (ja) 液体用袋の製造方法
JP2004313708A (ja) 可撓性薬剤容器及び固形薬剤を内封した可撓性薬剤容器の製造方法
JPH10165480A (ja) 凍結乾燥物入り容器及びその製造方法
JPH10234822A (ja) 凍結乾燥用容器
JP2000254208A (ja) 輸液用容器
JPH10218252A (ja) 多成分収容用容器
JPH0919480A (ja) 医療用容器
JPH1176367A (ja) 医療用容器
JPH10314273A (ja) 医療用容器
JPH11313871A (ja) 輸液容器
JP2000334042A (ja) 医療用注射器
JPH1156970A (ja) 医療用容器
JPH10328269A (ja) 医療用容器
JPH10165479A (ja) 医療用容器
JPH11169434A (ja) 医療用容器
JPH11276549A (ja) 医療用容器