JPH10328203A - 内視鏡用焼灼具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】管腔状臓器の内壁面に対する焼灼処置等をシン
プルな装置構成によって容易かつ確実に行うことができ
る内視鏡用焼灼具を提供すること。 【解決手段】吸引チャンネル１６の先端が開口する内視
鏡の挿入部先端１１に対して少なくとも上記吸引開口１
３を囲む状態に着脱自在に取り付けられる先端フード５
１と、上記先端フード５１の外表面に配置された電極５
２と、上記電極５２と外部の高周波電源とを電気的に接
続するために上記吸引チャンネル１６に挿脱自在に挿通
される電線５３とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、内視鏡を利用し
て粘膜面の高周波焼灼処置を行うための内視鏡用焼灼具
に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年内視鏡を用いた各種の外科的治療が
行われており、管腔状臓器内における毛細血管からのに
じみ出るような出血や全周性の潰瘍等に対する治療を行
う場合には、管腔状臓器の内壁面に焼灼プローブを押し
つけるためにバルーンを用いた処置具が用いられてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、内視鏡を用い
た処置にバルーンを用いると、バルーンを膨縮させるた
めの装置や操作が極めて煩苛になってしまうので、処置
に時間と手間がかかって処置を受ける患者の負担が大き
いだけでなく、使いこなせるようになるまでに相当の熟
練を必要とする。

【０００４】そこで本発明は、管腔状臓器の内壁面に対
する焼灼処置等をシンプルな装置構成によって容易かつ
確実に行うことができる内視鏡用焼灼具を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の内視鏡用焼灼具は、吸引チャンネルの先端
が開口する内視鏡の挿入部先端に対して少なくとも上記
吸引開口を囲む状態に着脱自在に取り付けられる先端フ
ードと、上記先端フードの外表面に配置された電極と、
上記電極と外部の高周波電源とを電気的に接続するため
に上記吸引チャンネルに挿脱自在に挿通される電線とを
有することを特徴とする。

【０００６】なお、上記電線を上記挿入部の外面に沿っ
て配置してもよい。また、上記先端フードが、上記挿入
部先端の外周部分に着脱自在であってもよい。また、上
記電極が、上記先端フードの外表面を周方向に連続的に
被覆する状態に配置されていてもよく、上記電極が、上
記先端フードの軸線方向に細長く形成されて、上記先端
フードの周方向に間隔をあけて複数配置されていてもよ
い。

【０００７】また、上記電極が正極電極と負極電極とに
分けて配置されていて、上記電線が上記両電極に別々に
接続された正極導線と負極導線とを含んでいてもよい。

【０００８】

【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形
態を説明する。図３は、内視鏡の挿入部１０の先端部分
を示しており、断面形状が円形に形成された先端部本体
１１の先端面に観察窓１２、吸引口１３及び図示されて
いない照明窓などが配置されている。

【０００９】観察窓１２の内側には対物光学系１４が配
置されていて、その対物光学系１４による被写体の結像
位置に固体撮像素子の受像面１５（又は、イメージガイ
ドファイババンドルの像入射端面）が配置されている。

【００１０】１６は、処置具挿通チャンネルを兼用する
吸引チャンネルであり、挿入部１０内に全長にわたって
挿通配置されている。この吸引チャンネル１６の先端部
本体１１における開口部が吸引口１３である。なお、こ
の先端部本体１１には吸引口１３が一つだけ設けられて
いるが、複数設けてもよい。

【００１１】図１及び図２は、本発明の第１の実施の形
態の焼灼装置５０が先端部本体１１に組み付けられた状
態を示しており、図１は側面断面図、図２は正面図であ
る。なお、電極５２は外観図において判別し易いよう
に、網目のハッチングを施してある（以下同じ）。

【００１２】焼灼装置５０は、先端部本体１１に着脱自
在に取り付けられる先端フード５１と、先端フード５１
に取り付けられた電極５２と、電極５２に電気的に接続
されて吸引チャンネル１６内に挿脱自在に挿通される電
線５３とによって構成されている。

【００１３】先端フード５１は、電気絶縁性のあるプラ
スチック材によって外表面が球面状に形成されており、
その基部側の部分に先端部本体１１が圧入されて焼灼装
置５０が先端部本体１１に取り付けられている。ただ
し、螺合その他の手段によって焼灼装置５０を先端部本
体１１に着脱自在に取り付けてもよい。

【００１４】電極５２は、先端フード５１の先端面から
先側の半部の外表面を隙間なく被覆する状態に配置され
ており、先端フード５１の内周面の中間位置に内方に向
けて突設された接続部５４において電線５３の導線５３
ａと電気的に接続されている。

【００１５】電線５３は、導線５３ａを絶縁被覆５３ｃ
で被覆して構成されており、吸引チャンネル１６内に全
長にわたって挿通されている。ただし、電線５３が挿通
された状態でも吸引チャンネル１６の内腔を通じて吸引
が行えるように、電線５３の外径寸法は吸引チャンネル
１６の内径寸法に比べて十分に小さくなっている。

【００１６】また、接続部５４は吸引口１３に面して位
置しているが、吸引口１３を通じて外部から吸引チャン
ネル１６に吸引が行えるように、吸引口１３との間に隙
間をあけて配置されている。

【００１７】図示されていない電線５３の手元側端部
は、内視鏡の操作部において外部に引き出されて、高周
波電源装置の正極端子に接続されている。なお、高周波
電源装置の負極端子には、患者の体表面に密着するよう
に取り付けられた対極板（図示せず）が接続されてい
る。

【００１８】図４及び図５は、上述の実施の形態の内視
鏡用焼灼具５０によって、管腔状臓器１０２にできた全
周性潰瘍１０３に対する焼灼処置を行う状態の一例を示
している。図４に示されるように、管腔状臓器１０２は
先端フード５１の外径より太く、電極５２を全周性潰瘍
１０３に対して全体的に接触させることはできない。

【００１９】そこで、図５に示されるように、電極５２
を全周性潰瘍１０３の内側に位置させた状態で、吸引口
１３から吸引を行う。すると、その吸引力によって管腔
状臓器１０２が引きつけられてすぼまり、電極５２の外
周全面に全周性潰瘍１０３が密着する状態になる。

【００２０】したがって、そこで電線５３を介して電極
５２に高周波電流を流すことによって、電極５２に密着
している全周性潰瘍１０３を一挙に焼灼処理することが
できる。

【００２１】図６は本発明の第２の実施の形態の内視鏡
用焼灼具５０を示しており、電極５２を、先端フード５
１の軸線方向に細長い形状に形成して、先端フード５１
の外周面の例えば２か所に１８０°対称に配置したもの
である。

【００２２】電極５２の表面は先端フード５１の球面状
の表面と合致しているが、電極５２が設けられた部分で
は、先端フード５１の外表面を少し削除してあり、電極
５２が先端フード５１の表面から突出した状態になって
いる。

【００２３】図７及び図８は、第２の実施の形態の内視
鏡用焼灼具５０を用いて、管腔状臓器１０２にできた狭
窄部１０４を広げる切開を目的とする焼灼を行う状態の
一例を示している。

【００２４】図７に示されるように、先端フード５１部
分が狭窄部１０４部分にさしかかったら、電極５２に高
周波電流を流して挿入部１０を前方に押し進めることに
よって、図８に示されるように、電極５２部分で狭窄部
１０４が焼灼されて、止血されながら切り開かれる。

【００２５】その際に、吸引口１３から吸引を行うこと
によって、先端フード５１に比べて狭窄部１０４が太い
場合であっても、狭窄部１０４を内方に引きつけながら
焼灼を行って確実に焼灼処置を行うことができる。

【００２６】図９は、本発明の第３の実施の形態の内視
鏡用焼灼具の正面図であり、先端フード５１に設けられ
た電極５２を正極用電極５２ａと負極用電極５２ｂとに
分けて設けたものである。

【００２７】それに合わせて、図１０に断面が示される
ように、電線５３は、単独で絶縁被覆５３ｄによって被
覆された正極用導線５３ａと負極用導線５３ｂの二本の
導線を絶縁被覆５３ｃ内に配置して構成されていて、図
９に示されるように、正極用導線５３ａが正極用電極５
２ａに接続され、負極用導線５３ｂが負極用電極５２ｂ
に接続されている。

【００２８】このように構成することにより、対極板を
用いることなく、患者の身体には正極用電極５２ａと負
極用電極５２ｂとの間だけで高周波電流を流して、より
安全に焼灼処置を行うことができる。

【００２９】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、例えば先端フード５１の形状は、図１
１及び図１２に示される第４及び第５の実施の形態に示
されるように、ラッパの先状又は円筒形状等どのような
形状であっても差し支えない。また、図１３に示される
ように、電線５３を挿入部１０の外表面に沿って配置し
てもよい。

【００３０】

【発明の効果】本発明によれば、吸引チャンネルの先端
が開口する内視鏡の挿入部先端に対して少なくとも吸引
開口を囲む状態に着脱自在に取り付けられる先端フード
の外表面に電極を配置したことにより、管腔状臓器の内
壁面に対する焼灼処置等をシンプルな装置構成によって
容易かつ確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態の内視鏡用焼灼具が
内視鏡に組み付けられた状態の先端部分の側面断面図で
ある。

【図２】本発明の第１の実施の形態の内視鏡用焼灼具が
内視鏡に組み付けられた状態の先端部分の正面図であ
る。

【図３】本発明の実施の形態の内視鏡用焼灼具が用いら
れる内視鏡の挿入部先端の側面断面図である。

【図４】本発明の第１の実施の形態の内視鏡用焼灼具の
使用状態の先端部分の側面断面図である。

【図５】本発明の第１の実施の形態の内視鏡用焼灼具の
使用状態の先端部分の側面断面図である。

【図６】本発明の第２の実施の形態の内視鏡用焼灼具の
先端部分の斜視図である。

【図７】本発明の第２の実施の形態の内視鏡用焼灼具の
使用状態の先端部分の側面断面図である。

【図８】本発明の第２の実施の形態の内視鏡用焼灼具の
使用状態の先端部分の側面断面図である。

【図９】本発明の第３の実施の形態の内視鏡用焼灼具が
内視鏡に組み付けられた状態の先端部分の正面図であ
る。

【図１０】本発明の第３の実施の形態の内視鏡用焼灼具
の電線部分の正面断面図である。

【図１１】本発明の第４の実施の形態の内視鏡用焼灼具
の先端フード部分の側面図である。

【図１２】本発明の第５の実施の形態の内視鏡用焼灼具
の先端フード部分の側面図である。

【図１３】本発明の第６の実施の形態の内視鏡用焼灼具
が内視鏡に組み付けられた状態の先端部分の側面断面図
である。

【符号の説明】

１１ 先端部本体 １３ 吸引口 １６ 吸引チャンネル ５０ 焼灼装置 ５１ 先端フード ５２ 電極 ５３ 電線

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】吸引チャンネルの先端が開口する内視鏡の
   挿入部先端に対して少なくとも上記吸引開口を囲む状態
   に着脱自在に取り付けられる先端フードと、 上記先端フードの外表面に配置された電極と、 上記電極と外部の高周波電源とを電気的に接続するため
   に上記吸引チャンネルに挿脱自在に挿通される電線とを
   有することを特徴とする内視鏡用焼灼具。
2. 【請求項２】吸引チャンネルの先端が開口する内視鏡の
   挿入部先端に対して少なくとも上記吸引開口を囲む状態
   に着脱自在に取り付けられる先端フードと、 上記先端フードの外表面に配置された電極と、 上記電極と外部の高周波電源とを電気的に接続するため
   に上記挿入部の外面に沿って配置される電線とを有する
   ことを特徴とする内視鏡用焼灼具。
3. 【請求項３】上記先端フードが、上記挿入部先端の外周
   部分に着脱自在である請求項１又は２記載の内視鏡用焼
   灼具。
4. 【請求項４】上記電極が、上記先端フードの外表面を周
   方向に連続的に被覆する状態に配置されている請求項
   １、２又は３記載の内視鏡用焼灼具。
5. 【請求項５】上記電極が、上記先端フードの軸線方向に
   細長く形成されて、上記先端フードの周方向に間隔をあ
   けて複数配置されている請求項１、２又は３記載の内視
   鏡用焼灼具。
6. 【請求項６】上記電極が正極電極と負極電極とに分けて
   配置されていて、上記電線が上記両電極に別々に接続さ
   れた正極導線と負極導線とを含んでいる請求項１、２又
   は３記載の内視鏡用焼灼具。