JPH10326920A - 磁気抵抗効果センサー及びその製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果センサー及びその製造方法

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JPH10326920A
JPH10326920A JP10070235A JP7023598A JPH10326920A JP H10326920 A JPH10326920 A JP H10326920A JP 10070235 A JP10070235 A JP 10070235A JP 7023598 A JP7023598 A JP 7023598A JP H10326920 A JPH10326920 A JP H10326920A
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magnetic
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maximum
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JP10070235A
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English (en)
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Shigeo Honda
茂男 本多
Hideyuki Yamane
秀之 山根
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Delta Kogyo Co Ltd
Delta Tooling Co Ltd
Original Assignee
Delta Kogyo Co Ltd
Delta Tooling Co Ltd
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Publication date
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    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/02Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux
    • G01R33/06Measuring direction or magnitude of magnetic fields or magnetic flux using galvano-magnetic devices
    • G01R33/09Magnetoresistive devices
    • G01R33/093Magnetoresistive devices using multilayer structures, e.g. giant magnetoresistance sensors
    • HELECTRICITY
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    • H01F10/007Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure ultrathin or granular films
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    • HELECTRICITY
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    • H01F10/325Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the spacer being noble metal
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高磁場において、大きなMR比、小ヒステリ
シス、及び高い磁場感度を有する磁気抵抗効果センサー
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 コバルトで形成された強磁性層3と、金
及び銀のいずれか一方で形成された非磁性層4とが交互
に積層された多層構造1を作製し、強磁性層3から非磁
性層4にコバルト粒子5を混入させ、さらに非磁性層4
中で不均一に分布させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気抵抗効果センサ
ー、詳細には1〜2kOeの磁場を検出する磁気抵抗効
果センサー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】外部磁場を感知することができる磁気セ
ンサーは、磁気記憶媒体のデータを読み取る磁気記憶再
生装置に利用されている。
【0003】磁気センサーの能力は、磁気センサーを構
成する磁気抵抗効果膜が保持する最大磁気抵抗変化率
(最大MR比)で評価される。
【0004】なお、MR比とは、最大磁場を印加した際
の飽和抵抗率ρs、印加磁場XkOeおける磁気抵抗効
果膜の抵抗率ρx、及び抵抗率変化Δρ=ρx−ρsから
求められる、Δρ/ρsで定義される数値であり、最大
MR比とは、印加磁場をかけない際の磁気抵抗効果膜の
最大抵抗率ρMAX、及び最大抵抗率変化ΔρMAX=ρMAX
−ρsから求められるΔρMAX/ρsで定義される数値
である。
【0005】例えば、磁気抵抗効果膜に、従来採用され
ているFe−Ni合金膜(パーマロイ膜)を用いた場
合、その最大MR比は数%であり、磁気抵抗効果センサ
ーとしては、さらに高い最大MR比が要求される。
【0006】一方、磁気抵抗効果膜に磁性体層のFeと
非磁性導電体層のCrとを、それぞれ数原子層ずつ交互
に積層させた人工格子膜を用いると、数十%の最大MR
比を得ることができることが報告されている(フィジカ
ル レビュー レター、61巻、2474ページ、19
88年)。これは、巨大磁気抵抗効果(GMR)と呼ば
れる、磁場をかけない状態では、非磁性層を挟んだ磁性
層のスピンが反平行に結合しているが、磁場をかけるこ
とで磁性層のスピンが平行になることで、抵抗が減少す
る現象が原因とされる。
【0007】GMR効果を有する反強磁性結合型多層膜
の磁気抵抗効果膜は、最大MR比が高い反面、磁気抵抗
曲線のヒステリシスが大きいという不具合がある。
【0008】上記不具合に対処する材料としては、コバ
ルトを均一に含有する銀からなるCo−Ag均一グラニ
ュラー膜が挙げられる。適切な温度でアニールすること
で、均一グラニュラー膜は、最大磁場約2.6%を示
す。数十から数百Oeの範囲の低磁場においては、均一
グラニュラー膜からなる磁気抵抗効果膜は、磁気抵抗曲
線のヒステリシスがほとんどなく、異方性を持たず、か
つMR比が大きいという利点を有する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、永久磁
石を備えた磁気記憶装置に利用される磁気抵抗効果膜
は、永久磁石が有する1〜2kOeの高磁場を検出する
必要である。均一グラニュラー膜からなる磁気抵抗効果
膜は、1〜2kOeといった高い磁場範囲では、そのM
R比が1〜2%にすぎず、また磁場感度は小さく、上記
高磁場を検出するのには不都合である。
【0010】本発明の目的は、1〜2kOeといった高
磁場において、小ヒステリシス、及び高い磁場感度を有
する磁気抵抗効果センサー及びその製造方法を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為
に、強磁性体において、隣り合う原子が電子を交換しあ
うことで、強磁性層のスピンを平行に保つ交換相互作用
を利用する。詳細には、互いに完全非固溶である強磁性
材料と非磁性材料とを交互に積層させ、両材料を界面付
近で互いに拡散させる。こうして、GGMR効果と呼ば
れる、非磁性層内に混入した超常磁性粒子と強磁性層と
の間に交換相互作用を発生させ、非高磁場において高い
磁場感度を有する磁気抵抗センサーを製作する。
【0012】本発明の磁気抵抗効果センサーは、コバル
トで形成された強磁性層と、金又は銀で形成された非磁
性層とを交互に積層させ、非磁性層内に磁性粒子を拡散
させたものである。
【0013】本発明の磁気抵抗効果センサーの製造方法
は、コバルトで形成された強磁性層と、金又は銀のいず
れかで形成された非磁性層とを交互に積層して積層体を
形成し、該積層体をアニールするものである。
【0014】別の解決手段として、上記課題を解決する
為に、軟磁性層と磁性粒子を含有するグラニュラー層と
を交互に積層させ、積層体を作製し、磁性粒子と軟磁性
層との間に交換相互作用を発生させ、高磁場において高
い磁場感度を保持させた。
【0015】本発明の磁気抵抗効果センサーは、鉄−コ
バルト合金、ニッケル−鉄合金及びニッケル−鉄−コバ
ルト合金のいずれか一つから形成された軟磁性層と、不
均一に分布する磁性コバルト粒子を含有し、銀、金及び
銅のいずれか一つからなるグラニュラー層とを交互に積
層したものである。
【0016】本発明の磁気抵抗効果センサーの製造方法
は、鉄−コバルト合金、ニッケル−鉄合金及びニッケル
−鉄−コバルト合金のいずれか一つから形成された上記
軟磁性層と、不均一に分布する磁性コバルト粒子を含有
し、銀、金及び銅のいずれか一つからなるグラニュラー
層とを交互に積層して積層体を形成し、該積層体をアニ
ールするものである。
【0017】本発明の磁気抵抗効果センサーは、鉄−コ
バルト合金からなる軟磁性層と、不均一に分布する鉄粒
子を含有する二酸化ケイ素からなるグラニュラー層とを
交互に積層したものである。
【0018】本発明の磁気抵抗効果センサーは、鉄粒子
を含有する二酸化ケイ素から形成された軟磁性層と、不
均一に分布するコバルト粒子を含有する銀から形成され
た非磁性グラニュラー層とを交互に積層したものであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、具体的に本発明について説
明する。本発明の第1の実施の形態にかかる磁気抵抗効
果膜は、図1(a)で示すように、強磁性コバルト(C
o)から形成させた磁性層3と、銀(Ag)から形成さ
れた非磁性層4とを、ガラス基板2上に交互に積層させ
たCo/Agからなる積層体1である。
【0020】上記磁気抵抗効果膜の製造方法は、スパッ
タ法や真空蒸着法により、CoとAgとをそれぞれ所定
の膜厚で、交互にガラス基板上に積層させることを数十
回繰り返し、積層体Co/Agを製作し、さらに、該C
o/Ag積層体を真空中でアニールを行うものである。
【0021】上記積層体Co/Agにおいて、Co層と
Ag層の境界面付近において、超磁性Co粒子が非磁性
Ag層に混入されている。図1(b)で示すように、非
磁性Ag層4内の超磁性Co粒子5と強磁性Co層3と
の間に、発生する交換相互作用によって、印加磁場範囲
1〜2kOeにおいて高い磁場感度が得られる。
【0022】また、真空アニールすることで、Ag層中
に拡散している超磁性Co粒子が結晶成長し、超常磁性
Co粒子の磁化が容易となるので、最大MR比、及び印
加磁場範囲1〜2kOeにおける磁場感度が、さらに増
大する。
【0023】次に本発明にかかる第2の実施の形態につ
いて説明する。本発明の第2の実施の形態にかかる磁気
抵抗効果膜は、図1(a)で示すように、強磁性コバル
ト(Co)からなる磁性層3と、金(Au)からなる非
磁性層4とを、ガラス基板2上に交互に積層させたCo
/Auからなる積層体1である。
【0024】上記磁気抵抗効果膜の製造方法は、磁性C
o層と非磁性Au層とをそれぞれ所定の膜厚で、スパッ
タ法や真空蒸着法により、交互にガラス基板上に積層さ
せることを数十回繰り返し、積層体Co/Auを形成
し、該積層体を真空中でアニールするものである。
【0025】上記Co/Ag同様に、図1(b)で示す
ように、非磁性Au層4内の超磁性Co粒子5と強磁性
Co層3との間に発生する交換相互作用によって、印加
磁場範囲1〜2kOeにおいて高い磁場感度が得られ
る。
【0026】また、真空アニールすることで、上記Au
層中で拡散している超常磁性Co粒子が結晶成長し、超
常磁性Co粒子の磁化が容易となるので、最大MR比、
及び印加磁場範囲1〜2kOeにおける磁場感度が、さ
らに増大する。
【0027】次に本発明にかかる第3の実施の形態につ
いて説明する。本発明の第3の実施の形態にかかる磁気
抵抗効果膜は、図1(a)で示すように、磁性コバルト
粒子を不均一に含有する非磁性銀(Co−Ag)で形成
されたグラニュラー層4と、軟磁性である鉄−コバルト
合金(FeCO)から形成された強磁性層3とが、ガラ
ス基板2上に交互に積層されたFeCo/Co−Agか
らなる積層体1である。なお、以下、グラニュラー層と
は、非磁性体中に磁性粒子を散在させたものとする。
【0028】上記磁気抵抗効果膜の製造方法は、マグネ
トロンスパッタ法によって、FeCo合金ターゲットを
スパッタリングすることで所定の膜厚の軟磁性FeCo
層を積層させることと、Agターゲット上にCoチップ
を設置したものをスパッタリングすることでCo−Ag
層を積層させることを繰り返して、積層体FeCo/C
o−Agを形成し、該積層体をアニールするものであ
る。
【0029】上記磁気抵抗効果膜FeCo/Co−Ag
においては、図1(b)で示すように、グラニュラー層
4内の超磁性Co粒子5と軟磁性層3との間に発生する
交換相互作用によって、最大MR比、及び印加磁場範囲
1〜2kOeにおける磁場感度が増大する。
【0030】なお、軟磁性材料として、ニッケル−鉄合
金(NiFe)又はニッケル−鉄−コバルト合金(Ni
FeCo)を、グラニュラー層として、不均一に分布す
る磁性コバルト粒子を含有する金(Co−Au)又は銅
(Co−Cu)を用いてもよい。
【0031】続いて、本発明にかかる第4の実施の形態
について説明する。本発明の第4の実施の形態にかかる
磁気抵抗効果膜は、図1(a)で示すように、不均一に
分布する磁性鉄粒子を含有する、非磁性かつ絶縁性二酸
化ケイ素(Fe−SiO2)から形成されたグラニュラ
ー層4と、軟磁性材料である鉄−コバルト合金(FeC
o)から形成された磁性層3とをガラス基板2上に交互
に積層させたFeCo/Fe−SiO2からなる積層体
1である。
【0032】上記磁気抵抗効果膜の製造方法は、マグネ
トロンスパッタ法によって、SiO2ターゲット上にF
eチップを設置したものをスパッタリングして、所定膜
厚のグラニュラーFe−SiO2層を積層させること
と、FeCoターゲットをスパッタリングすることで軟
磁性FeCo層を積層させることを、交互に繰り返すも
のである。
【0033】上記磁気抵抗効果膜においては、図1
(b)で示すように、グラニュラー層4内の超磁性粒子
5と軟磁性層3との間で発生する交換相互作用によっ
て、最大MR比、及び印加磁場範囲1〜2kOeにおけ
る磁場感度が増大する。
【0034】続いて、本発明にかかる第5の実施の形態
について説明する。本発明の第5の実施の形態にかかる
磁気抵抗効果膜は 図1(a)で示すように、磁性鉄粒
子を含有する二酸化ケイ素(Fe−SiO2)から形成
された磁性層2と、不均一に分布するコバルトを含有す
る銀(Co−Ag)から形成されたグラニュラー層3と
をガラス基板1上に交互に積層させた積層体Fe−Si
2/Co−Agである。
【0035】上記磁気抵抗効果膜の製造方法は、マグネ
トロンスパッタ法によって、Feターゲット上にSiO
2を設置したものをスパッタリングして、所定膜厚の軟
磁性Fe−SiO2層を積層させることと、Agターゲ
ット上にCoチップを設置したものをスパッタリングす
ることでCo−Ag層を積層させることを、交互繰り返
すものである。
【0036】上記磁気抵抗効果膜においては、1(b)
で示すように、グラニュラー層4内の超磁性粒子5と軟
磁性層3との間に発生する交換相互作用によって、超常
磁性Co粒子の磁化が容易となり、最大MR比、及び印
加磁場範囲1〜2kOeにおける磁場感度が増大する。
【0037】実施例1 実施例1として、上記第1の実施の形態にかかる磁気抵
抗効果膜を製作した。具体的には、磁性Co層の膜厚を
3Å、非磁性Ag層の膜厚を5Å、7Å、10Å、12
Å、14Å、16Åとし、該Co層とAg層とをそれぞ
れ交互に40回ずつ積層させた6種類の積層体[Co
(3Å)/Ag(tAg)]40を製作し、該積層体のアニ
ール前のMR特性を測定した。
【0038】最大MR比と非磁性Ag層の膜厚tAgとの
関係をグラフにしたものを図2(a)に示す。図2
(a)からは、非磁性Ag層の膜厚tAgが約10Åの場
合に、最大MR比は最大値20.7%を示すこと、及び
15%以上の最大MR比を得るには、非磁性Ag層の膜
厚を、7〜16Åにする必要があることが判る。
【0039】次に、磁性Co層の膜厚を3Å、非磁性A
g層の膜厚を7Åとする磁気抵抗効果膜[Co(3Å)
/Ag(7Å)]40を、350℃及び400℃で真空中
でアニールし、各アニール後のMR特性を測定した。
【0040】図3(a)〜(c)のグラフから、磁気抵
抗効果膜[Co(3Å)/Ag(7Å)]40を350℃
でアニールすることによって、該磁気抵抗効果膜の最大
MR比が増加し、矢印で示された半値幅を小さくなりこ
とが判る。また、350℃アニールによって、特に印加
磁場範囲−3〜3kOeにおけるMR比曲線の勾配が大
きくなっていることが理解できる。
【0041】また、400℃アニールすることで、得ら
れる最大MR比、及び印加磁場範囲−3〜3kOeにお
けるMR比曲線の勾配は、350℃アニールで得られる
ものと比較して小さい。
【0042】この原因は、アニールを350℃で行う
と、非磁性Ag層中の磁性Co粒子が増加し、わずかに
結晶成長することで、磁化が容易になり最大MR比は増
加する一方、アニールを400℃で行うと、Co粒子の
結晶成長がさらに促進され、Co粒子が強磁性化するこ
とで、ヒステリシスが発生し、最大MR比が減少する為
と考えられる。
【0043】次に磁性Co層の膜厚を3Åとし、非磁性
Ag層の膜厚を7Å、10Åとする2種類の磁気抵抗効
果膜[Co(3Å)/Ag(7Å)]40及び[Co(3
Å)/Ag(10Å)]40を製作し、両磁気抵抗効果膜
を、200℃、300℃、350℃及び400℃で真空
中でアニールし、各アニール後の磁気抵抗効果膜のMR
特性を測定する。
【0044】測定したMR特性から、最大MR比及び最
大MR比/半値幅で定義される磁場感度を求めた。図4
(a)から、両磁気抵抗効果膜[Co(3Å)/Ag
(7Å、10Å)]40の最大MR比は、アニール温度3
50℃までは、ほぼ一定であり、アニール温度350℃
〜400℃において、最大MR比が急激に減少している
ことが判る。
【0045】一方、図4(b)からは、磁気抵抗効果膜
[Co(3Å)/Ag(7Å)]40の磁場感度は、アニ
ール温度範囲200℃〜350℃において、急激に増加
し、アニール温度350℃において、磁場感度は最大値
約7.3%/kOeをとり、アニール温度範囲350℃
〜400℃においては、磁場感度が減少していることが
理解できる。
【0046】このように、磁気抵抗効果膜[Co(3
Å)/Ag(7Å)]40を200〜350℃の温度範囲
でアニールすることで、優れた最大MR及び磁場感度を
得ることができる。
【0047】実施例2 実施例2として、上記第2の実施の形態にかかる磁気抵
抗効果膜を製作した。具体的には、磁性Co層の膜厚を
2Å、非磁性Au層の膜厚を6Å、8Å、10Å、12
Å、14Å、16Åとし、該Co層とAu層とをそれぞ
れ交互に50回ずつ積層させた6種類の積層体[Co
(2Å)/Au(tAu)]50を製作し、該積層体のアニ
ール前のMR特性を測定した。
【0048】最大MR比と非磁性Au層の膜厚tAuとの
関係をグラフにしたものを図2(b)に示す。図2
(b)からは、[Co(2Å)/Au(tAu)]50にお
いては、非磁性Au層の膜厚tAuが約8Åで最大MR比
は最大値約7%を示すこと、及び5%以上の最大MR比
を得るには、非磁性Au層の膜厚を、6〜11Åにする
必要があることが判る。
【0049】次に磁性Co層の膜厚を2Åとし、非磁性
Au層の膜厚を6Åとした磁気抵抗効果膜[Co(2
Å)/Au(6Å)]50を、300℃及び350℃で真
空中でアニールし、各アニール後のMR特性を測定し
た。
【0050】図3(d)〜(f)から、磁気抵抗効果膜
[Co(2Å)/Au(6Å)]50を300℃アニール
することで、該磁気抵抗効果膜の最大MR比が増加し、
矢印で示された半値幅を小さくなる。また、300℃ア
ニールによって、特に印加磁場範囲−3〜3kOeにお
けるMR比曲線の勾配が大きくなることが判る。
【0051】また、これを350℃アニールすること
で、得られる最大MR比、及び印加磁場範囲−3〜3k
OeにおけるMR比曲線の勾配は、300℃アニールで
得られるものより小さい。
【0052】この原因は、アニールを300℃で行う
と、非磁性層中の磁性Co粒子が増加し、わずかに結晶
成長することで、磁化が容易になり最大MR比は増加す
る一方、真空アニールを350℃で行うとCo粒子の結
晶成長がさらに促進され、Co粒子が強磁性化すること
で、ヒステリシスが発生し、逆に最大MR比が減少する
為と考えられる。
【0053】次に、磁性Co層の膜厚を2Åとし、非磁
性Au層の膜厚を6Åとする磁気抵抗効果膜[Co(2
Å)/Au(6Å)]50を製作し、該磁気抵抗効果膜
を、200℃、250℃、300℃及び350℃で真空
アニールし、アニール後の各磁気抵抗効果膜のMR特性
を測定した。
【0054】測定したMR比から、前述と同様に最大M
R比及び磁場感度を求めた。図5(a)から、両磁気抵
抗効果膜[Co(2Å)/Au(6Å)]50の最大MR
比は、アニール温度範囲200℃〜300℃において増
大し、アニール温度範囲300℃〜350℃で減少して
いることが判る。
【0055】一方、図5(b)からは、磁気抵抗効果膜
[Co(2Å)/Au(6Å)]50の磁場感度は、アニ
ール温度範囲200℃〜300℃において、急激に増加
し、アニール温度350℃において、磁場感度は最大値
約2.8%/kOeを示し、アニール温度範囲300℃
〜350℃においては、磁場感度が減少していることが
判る。
【0056】実施例3 実施例3として、第3の実施の形態にかかる磁気抵抗効
果膜を製作した。具体的には、軟磁性材料である鉄−コ
バルト合金からなる、膜厚が3Åの磁性FeCo層と、
磁性コバルト粒子を含有する銀から形成されたグラニュ
ラーCo−Ag層とを、それぞれ交互に十回ずつ積層さ
せた積層体[FeCo(3Å)/Co−Ag
(tCo-Ag)]10を、上記グラニュラー層の膜厚を変え
て数種類製作し、各積層体のアニール前のMR特性を測
定した。
【0057】Co−Ag層の膜厚tCo-Agと、最大MR
比との関係を、グラフにしたものを図6に示す。なお、
グラフ中のTransは磁気抵抗効果膜の試料面内で流
れる電流に垂直に外部磁場を印加した場合、Longi
は上記電流と平行に外部磁場を印加した場合、Perp
enは、試料面の法線方向に外部磁場を印加した場合を
示す。
【0058】最大MR比は外部磁場を印加する方向には
依存しないこと、すなわち磁気抵抗効果膜FeCo/C
o−Agには異方性がないこと、及びグラニュラーCo
−Ag層の膜厚が170Åで、最大MR比は最大値1
4.7%を示すことが、図6から理解できる。
【0059】また、上記グラフからCo−Ag層の膜厚
を80〜200Åとすることで、約7〜15%の最大M
R比が得られることも判る。
【0060】さらに、膜厚が3Åの磁性FeCo層と、
膜厚が80ÅのグラニュラーCo−Ag層とから形成さ
れる第1のサンプル[FeCo(3Å)/Co−Ag
(80Å)]10、及び膜厚が3Åの磁性FeCo層と膜
厚が200ÅのグラニュラーCo−Ag層とから形成さ
せる第2のサンプル[FeCo(3Å)/Co−Ag
(200Å)]10とを製作し、両サンプルを350℃及
び400℃で真空中でアニールし、MR特性と磁気特性
とを測定した。
【0061】アニール前、350℃アニール後の上記第
1のサンプルの印加磁場−磁化曲線を、図7(a)、
(b)のグラフに示す。印加磁場範囲−3〜3kOeに
おいて、上記サンプルの磁化が急激に変化していること
が判る。また、アニール後のサンプルの方が、アニール
前のサンプルよりも弱い印加磁場で飽和磁化Msに達
し、磁化されやすいことも理解できる。
【0062】同様にアニール前、350℃アニール後及
び400℃アニール後の第1のサンプルの印加磁場−M
R比を、図8(a)〜(c)のグラフに示す。このグラ
フは、印加磁場範囲−3〜3kOeおいて、上記サンプ
ルのMR比が急激に変化していることを示している。ま
た、350℃アニールすることで、最大MR比は、8.
8%から12.4%へ、半値幅は、5.6kOeから1.
6kOeへと向上し、印加磁場範囲−3〜3kOeにお
けるMR比曲線の勾配が大きくなる。他方、400℃ア
ニールによって得られる最大MR比は、350℃アニー
ルで得られる最大MR比よりも劣る。
【0063】この原因は、アニールを350℃で行う
と、グラニュラー層中の磁性Co粒子が増加し、わずか
に結晶成長することでサンプルの磁化が容易になり最大
MR比は増加する一方、アニールを400℃で行うとC
o粒子の結晶成長がさらに促進され、Co粒子が強磁性
化することで、ヒステリシスが発生し、逆に最大MR比
が減少する為と考えられる。
【0064】次に、第2のサンプルの印加磁場−磁化曲
線を図9(a)、(b)のグラフに示す。このグラフ
は、印加磁場範囲−3〜3kOeにおいて、上記サンプ
ルの磁化が急激に変化していること、及びアニールによ
って上記サンプルの磁化が容易になったことを示す。
【0065】さらに、第2のサンプルの印加磁場−MR
比を、図10(a)〜(c)のグラフに示す。上記グラ
フからは、印加磁場範囲−3〜3kOeにおいて、上記
サンプルのMR比が急激に変化していることが理解でき
る。また、350℃真空アニールすることで、最大MR
比は14.5%から22.8%へ、半値幅は6.2kOe
から3.4kOeへと向上する。さらに、350℃アニ
ールによって、印加磁場範囲−3〜3kOeにおけるM
R比曲線の勾配が大きくなるが判る。
【0066】他方、400℃アニールすると、350℃
アニールほど大きなMR比を得ることができないのは、
上記第1のサンプルと同じ原因による。
【0067】続いて、上記第1と第2のサンプルを、そ
れぞれ200℃、250℃、300℃で真空中でアニー
ルし、各アニール後の各サンプルの最大MR比及び半値
幅を求めた。
【0068】図11(a)から、両サンプル共、アニー
ル温度350℃までは、温度とともに最大MR比が増大
し、350℃でピーク値を示し、350℃以上では減少
していることが判る。詳細には、第2のサンプルを35
0℃でアニールすることによって、最大MR比は最大値
22.8%を示す。
【0069】また、図11(b)から、両サンプル共、
アニール温度350℃までは、温度とともに磁場感度が
増大し、350℃でピーク値を示し、350℃以上では
減少していることが判る。詳細には、第1のサンプルを
350℃アニールすることによって、最大磁場感度7.
8%/kOeを達成する。
【0070】実施例4 実施例4として、第4の実施の形態にかかる磁気抵抗効
果膜を製作する。具体的には、磁性FeCo層の膜厚を
3Å、グラニュラーFe−SiO2層の膜厚tFe-SiO2
50Å、60Å、70Å、80Å、100Å、120
Å、150Å及び170Åとし、上記FeCo層とFe
−SiO2層とを交互にそれぞれ十回ずつ積層させた合
計7種類の積層体[Fe(3Å)/Fe−SiO2(t
Fe-SiO2)]10を製作し、該積層体のMR特性を測定し
た。
【0071】測定したMR特性から求めた半値幅を図1
2に、飽和抵抗率ρsを図13(a)に、最大抵抗率変
化Δρ=ρMAX−ρsを図13(b)に示した。
【0072】図12からは、半値幅はグラニュラー層の
膜厚tFe-SiO2に対して周期的に変化していることが理
解でき、図13(a)、(b)からは、非磁性層の膜厚
が大きくなると、ρs、Δρは共に増加する傾向が判
る。
【0073】さらに、最大MR比を図14(a)に、磁
場感度を図14(b)に示す。
【0074】最大MR比は、グラニュラー層の膜厚にほ
とんど依存することなく約4.5%である一方、磁場感
度は、非磁性層の膜厚が50〜100Åで高い数値を示
す。
【0075】膜厚が3ÅのFeCo層と膜厚が70Åの
Fe−SiO2層とから形成された磁気抵抗効果膜[F
e(3Å)/Fe−SiO2(70Å)]10のアニール
前のMR特性及び抵抗値を、図15に示す。図15か
ら、上記磁気抵抗効果膜は、印加磁場範囲−3〜3kO
eでMR比(抵抗率)が、大きく変化していることが理
解できる。
【0076】実施例5 実施例5として、第5の実施の形態にかかる磁気抵抗効
果膜を製作した。具体的には、磁性Fe−SiO2層の
膜厚tFe-SiO2を3Å、5Å、グラニュラーCo−Ag
層の膜厚tCo-Agを50Å、80Å、100Å及び15
0Åとし、上記磁性層とグラニュラー層とをそれぞれ十
回ずつ積層させた合計8種類の積層体[Fe−SiO2
/Co−Ag]10を製作し、MR特性を測定した。
【0077】次に、上記MR特性から求めた半値幅を図
16に、最大抵抗率ρsを図17(a)に、最大抵抗率
変化Δρ=ρMAX−ρsを図17(b)に示す。
【0078】図16、図17(a)から、Co−Ag層
の膜厚が大きくなると、半値幅が大きくなり、飽和抵抗
率は小さくなる傾向が理解できる。また、図17(b)
は、Co−Ag層の膜厚が、50〜80Å又は100〜
150Åの間で、Δρが、比較的大きな数値をとること
を示す。
【0079】さらに、最大MR比、及び磁場感度を求
め、最大MR比を図18(a)に、磁場感度を18
(b)に示す。
【0080】Co−Ag層の膜厚が100〜150Åで
ある場合、最大MR比が向上する一方、磁場感度は、C
o−Ag層の膜厚が50〜80Å又は100〜150Å
である場合に、磁場感度は比較的高い数値を示す。
【0081】Fe−SiO2層の膜厚を3Åとし、Co
−Ag層の膜厚を50Å、150Åとして、製作した磁
気抵抗効果膜[Fe−SiO2(3Å)/Co−Ag
(50Å)]10及び[Fe−SiO2(3Å)/Co−
Ag(150Å)]10のMR比及び抵抗率を、図19
(a)及び(b)に示す。図19(a)からは、[Fe
−SiO2(3Å)/Co−Ag(50Å)]10の最大
MR比は、約13%、最大抵抗率が約10.8オームで
あること、図19(b)、[Fe−SiO2(3Å)/
Co−Ag(150Å)]10の最大MR比は、約17
%、最大抵抗率が約3.45オームであることが理解で
きる。また、両磁気抵抗効果膜とも、印加磁場範囲−3
〜3kOeにおけるMR比曲線の勾配は大きい。
【0082】同様に、Fe−SiO2層の膜厚を5Åと
し、Co−Ag層の膜厚を50Å、150Åとして、製
作した磁気抵抗効果膜[Fe−SiO2(5Å)/Co
−Ag(50Å)]10及び[Fe−SiO2(5Å)/
Co−Ag(150Å)]10のMR比及び抵抗率を、図
19(c)、(d)に示す。図19(c)からは、[F
e−SiO2(5Å)/Co−Ag(50Å)]10の最
大MR比は、約13%、最大抵抗率が約10.3オーム
であること、図19(d)からは、[Fe−SiO
2(3Å)/Co−Ag(150Å)]10の最大MR比
は、約17%、最大抵抗率が約2.6オームであること
が理解できる。また、両磁気抵抗効果膜とも、印加磁場
範囲−3〜3kOeにおけるMR比曲線の勾配は、大き
い。
【0083】なお、上記実施例1〜5においては、室温
で最大印加磁場を15kOeとして、直流四端子法を用
いてMR特性を、振動試料型磁力計を用いて磁気特性を
測定した。
【0084】さらに、測定したMR特性から、印加磁場
をかけない際の磁気抵抗効果膜の最大抵抗率ρMAX、最
大磁場15kOeをかけた際の各磁気抵抗効果膜の飽和
抵抗率ρs、及び最大抵抗率変化ΔρMAX=ρMAX−ρs
を求めた。
【0085】また、グラフにおける印加磁場XkOEに
対するMR比とは、印加磁場XkOeおける磁気抵抗効
果膜の抵抗率ρx、及び抵抗率変化Δρ=ρx−ρsから
求められる、Δρ/ρsで定義される数値であり、最大
MR比とは、ΔρMAX/ρsで定義される数値である。
【0086】
【発明の効果】本発明にかかる磁気抵抗効果センサー
は、非磁性層にコバルト粒子を拡散させたものである。
こうすることで、強磁性層とコバルト粒子との間に発生
する交換相互作用によって、高磁場において優れたMR
比と磁場感度を得ることができる。
【0087】本発明の磁気抵抗効果センサーは、非磁性
層を銀で形成し、その膜厚を5〜9Åにするものであ
る。こうすることで、優れた最大MR比を得ることがで
きる。
【0088】本発明の磁気抵抗効果センサー製造方法
は、熱処理によって、非磁性層内に拡散されたCo粒子
を結晶成長させるものである。こうすることで、強磁性
層とコバルト粒子との間に発生する交換相互作用によっ
て、高磁場において優れたMR比と磁場感度を得ること
ができる。
【0089】本発明の磁気抵抗効果センサー製造方法
は、非磁性層を金とし、多層構造を200℃〜350℃
で熱処理するものである。こうすることで、非磁性層中
でコバルト粒子を適切に結晶成長させ、優れたMR比及
び磁場感度を提供することができる。
【0090】本発明の磁気抵抗効果センサー製造方法
は、非磁性層を銀とし、多層構造を200℃〜400℃
で熱処理するものである。こうすることで、非磁性層中
でコバルト粒子を適切に結晶成長させ、優れたMR比及
び磁場感度を提供することができる。
【0091】本発明の磁気抵抗効果センサーは、軟磁性
層とコバルト粒子を含有するグラニュラー層とを交互に
積層させ、グラニュラー層中にコバルト粒子を結晶成長
させたものである。こうすることで、軟磁性層とコバル
ト粒子との間に発生する交換相互作用によって、高磁場
において優れたMR比と磁場感度を得ることができる。
【0092】本発明の磁気抵抗効果センサーは、軟磁性
層を鉄−コバルト合金とし、グラニュラー層をコバルト
を不均一に含有する銀から形成し、さらに該グラニュラ
ー層の膜厚を80〜200Åとするものである。こうす
ることで、優れたMR比を得ることができる。
【0093】本発明の磁気抵抗効果センサーの製造方法
は、鉄−コバルトで形成される軟磁性層と、コバルトを
不均一に含有する銀から形成されたグラニュラー層とか
らなる積層体を200〜400℃でアニールするもので
ある。こうすることで、グラニュラー層中で磁性粒子を
適切に成長させ、優れたMR比を得ることができる。
【0094】本発明の磁気抵抗効果センサーは、鉄−コ
バルト合金からなる磁性層と、鉄粒子を含有する二酸化
ケイ素からなるグラニュラー層とが交互に積層されたも
のである。こうすることで、高磁場範囲で高いMR比と
磁場感度を得ることができる。
【0095】本発明にかかる磁気抵抗効果センサーは、
鉄粒子を含有する二酸化ケイ素からなるグラニュラー層
の膜厚を、50〜100Åとしたものである。こうする
ことで、高磁場範囲でさらに高いMR比と磁場感度を得
ることができる。
【0096】本発明にかかる磁気抵抗効果センサーは、
鉄粒子を含有する二酸化ケイ素からなる軟磁性鉄層と、
コバルト粒子を含有する銀で形成されるグラニュラー層
とが交互に積層されたものである。こうすることで、高
磁場範囲で高いMR比と磁場感度を得ることができる。
【0097】本発明にかかる磁気抵抗効果センサーは、
コバルト粒子を含有する銀で形成されるグラニュラー層
の膜厚を、50〜80Å又は100〜150Åとしたも
のである。こうすることで、高磁場範囲でさらに高いM
R比と磁場感度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜を示すもので
あり、(a)は、磁気抵抗効果膜の概略図を、(b)
は、磁気抵抗効果膜中の磁性粒子の状態を示す拡大図で
ある。
【図2】 本発明にかかるアニール前の磁気抵抗効果膜
[Co(2Å)/Au(tAu)]50及び[Co(3Å)
/Ag(tAg)]40に関するものであり、(a)は、
[Co(3Å)/Ag(tAg)]40のAg膜厚tAgとそ
の最大MR比との関係を、(b)は、[Co(3Å)/
Au(tAu)]50のAu膜厚tAuとその最大MR比との
関係を示すグラフである。
【図3】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[Co(2
Å)/Au(6Å)]50及び[Co(3Å)/Ag(7
Å)]40の印加磁場とMR比との関係を示すグラフで、
(a)はアニール前の[Co(3Å)/Ag(7Å)]
40を、(b)は350℃アニール後の[Co(3Å)/
Ag(7Å)]40を、(c)は、400℃アニール後の
[Co(3Å)/Ag(7Å)]40を、(d)はアニー
ル前の[Co(2Å)/Au(6Å)]50を、(e)は
300℃アニール後の[Co(2Å)/Au(6Å)]
50を、(f)は350℃アニール後の[Co(2Å)/
Au(6Å)]50を示す。
【図4】 (a)は、磁気抵抗効果膜[Co(3Å)/
Ag(7Å)]40、及び[Co(3Å)/Ag(10
Å)]40のアニール温度とその最大MR比との関係を示
すグラフであり、(b)は、上記磁気抵抗効果膜のアニ
ール温度とその磁場感度との関係を示すグラフである。
【図5】 (a)は、磁気抵抗効果膜[Co(2Å)/
Au(6Å)]50のアニール温度とその最大MR比との
関係を示すグラフであり、(b)は、上記磁気抵抗効果
膜のアニール温度とその磁場感度(MR比/半値幅)と
の関係を示すグラフである。
【図6】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[FeCo
(3Å)/Co−Ag(tCo-Ag)]10のCo−Agの
膜厚とその最大MR比を示すグラフである。
【図7】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[FeCo
(3Å)/Co−Ag(80Å)]10の印加磁場−磁化
を示すグラフであり、(a)はアニール前を、(b)は
350℃アニール後を示す。
【図8】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[FeCo
(3Å)/Co−Ag(80Å)]10の印加磁場−MR
比を示すものであり、(a)はアニール前を、(b)は
350℃アニール後を、(c)は400℃アニール後を
示す。
【図9】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[FeCo
(3Å)/Co−Ag(200Å)]10の印加磁場−磁
化を示すものであり、(a)はアニール前を、(b)は
350℃アニール後を示す。
【図10】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[FeCo
(3Å)/Co−Ag(200Å)]10の印加磁場−M
R比を示すものであり、(a)はアニール前を、(b)
は350℃アニール後を、(c)は400℃アニール後
を示す。
【図11】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[FeCo
(3Å)/Co−Ag(80Å)]10及び[FeCo
(3Å)/Co−Ag(200Å)]10の最大MR比及
び磁場感度を示すもので、(a)は、アニール温度と最
大MR比との関係を、(b)は、アニール温度と磁場感
度との関係をグラフにしたものである。
【図12】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[FeCo
(3Å)/Fe−SiO2(tFe-SiO2)]10のFe−S
iO2膜厚と半値幅との関係をグラフにしたものであ
る。
【図13】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[FeCo
(3Å)/Fe−SiO2(tFe-SiO2)]10のρs及び
Δρを示すもので、(a)は、Fe−SiO2膜厚とρ
sとの関係を、(b)は、Fe−SiO2膜厚とΔρと
の関係をグラフにしたものである。
【図14】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[FeCo
(3Å)/Fe−SiO2(tFe-SiO2)]10の最大MR
比及び磁場感度を示すもので、(a)は、Fe−SiO
2膜厚とMR比との関係を、(b)は、Fe−SiO2
厚と磁場感度との関係をグラフにしたものである。
【図15】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[FeCo
(3Å)/Fe−SiO2(70Å)]10のアニール前
のMR特性及び抵抗値を示すグラフである。
【図16】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[Fe−S
iO2/Co−Ag]10のCo−Ag膜厚と半値幅との
関係をグラフにしたものである。
【図17】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[Fe−S
iO2(tFe-SiO2)/Co−Ag(tCo-Ag)]10のρ
s及びΔρを示すもので、(a)は、Co−Ag膜厚と
ρsとの関係を、(b)は、Co−Ag膜厚とΔρとの
関係をグラフにしたものである。
【図18】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[Fe−S
iO2(tFe-SiO2)/Co−Ag(tCo-Ag)]10の最
大MR比及び磁場感度を示すもので、(a)は、Co−
Ag膜厚と最大MR比との関係を、(b)は、Co−A
g膜厚と磁場感度との関係をグラフにしたものである。
【図19】 本発明にかかる磁気抵抗効果膜[Fe−S
iO2(tFe-SiO2)/Co−Ag(tCo-Ag)]10のア
ニール前のMR特性及び抵抗値を示すグラフで、(a)
は、[Fe−SiO2(3Å)/Co−Ag(50
Å)]10を、(b)は、[Fe−SiO2(3Å)/C
o−Ag(150Å)]1を、(c)は、[Fe−Si
2(5Å)/Co−Ag(50Å)]10を、(d)
は、[Fe−SiO2(5Å)/Co−Ag(150
Å)]10を示す。
【符号の説明】
1…積層体、 2…ガラス基板、 3…磁性層、 4…非磁性層、 5…磁性粒子。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コバルトからなる強磁性層と、金又は銀
    からなる非磁性層とが交互に積層された多層構造を有す
    る磁気抵抗効果センサーにおいて、 コバルト粒子が、非磁層中で不均一に分布することを特
    徴とする磁気抵抗効果センサー。
  2. 【請求項2】 非磁性層が銀から形成され、その膜厚
    が、7〜16Åである請求項1記載の磁気抵抗効果セン
    サー。
  3. 【請求項3】 強磁性層と非磁性層とが交互に積層され
    た多層構造を有する磁気抵抗効果センサー製造方法にお
    いて、 コバルトからなる強磁性層と非磁性層とを交互に積層し
    て、積層体を形成し、 上記積層体をアニールすることを特徴とする磁気抵抗効
    果センサー製造方法。
  4. 【請求項4】 非磁性層を銀から形成し、アニールを2
    00℃〜400℃で行う請求項3記載の磁気抵抗効果セ
    ンサー製造方法。
  5. 【請求項5】 非磁性層を金から形成し、アニールを2
    00℃〜350℃で行う請求項3記載の磁気抵抗効果セ
    ンサー製造方法。
  6. 【請求項6】 軟磁性層とグラニュラー層とが、交互に
    積層された多層構造を有する磁気抵抗効果センサーにお
    いて、 軟磁性層が、鉄−コバルト合金、ニッケル−鉄合金及び
    ニッケル−鉄−コバルト合金のいずれか一つから形成さ
    れ、 グラニュラー層が、不均一に分布するコバルト粒子を含
    有する、銀、金及び銅のいずれか一つから形成されてい
    ることを特徴とする磁気抵抗効果センサー。
  7. 【請求項7】 軟磁性層が、鉄−コバルト合金から形成
    され、 グラニュラー層が、不均一に分布するコバルト粒子を含
    有する銀から形成され、 該グラニュラー層の膜厚が、80〜200Åである請求
    項6記載の磁気抵抗効果センサー。
  8. 【請求項8】 軟磁性層とグラニュラー層とが交互に積
    層された多層構造を有する磁気抵抗効果センサー製造方
    法において、 鉄−コバルト合金から形成された軟磁性層と、不均一に
    分布するコバルトを含有する銀からなるグラニュラー層
    とを、交互に積層して、積層体を形成し、 積層体を、200〜400℃でアニールすることを特徴
    とする磁気抵抗効果センサー製造方法。
  9. 【請求項9】 軟磁性層とグラニュラー層とが交互に積
    層された多層構造を有する磁気抵抗効果センサーにおい
    て、 軟磁性層が、鉄−コバルト合金から形成され、 グラニュラー層が、不均一に分布する鉄粒子を含有する
    二酸化ケイ素から形成されていることを特徴とする磁気
    抵抗効果センサー。
  10. 【請求項10】 グラニュラー層の膜厚が50〜100
    Åである請求項9記載の磁気抵抗効果センサー。
  11. 【請求項11】 軟磁性層とグラニュラー層とが交互に
    積層された多層構造を有する磁気抵抗効果センサーにお
    いて、 軟磁性層が、鉄粒子を含有する二酸化ケイ素から形成さ
    れ、 グラニュラー層が、不均一に分布するコバルト粒子を含
    有する銀から形成されていることを特徴とする磁気抵抗
    効果センサー。
  12. 【請求項12】 グラニュラー層の膜厚が、50〜80
    Å又は100〜150Åである請求項11記載の磁気抵
    抗効果センサー。
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