JPH10324128A - 産業車両の車体揺動制御装置 - Google Patents

産業車両の車体揺動制御装置

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Publication number
JPH10324128A
JPH10324128A JP13371897A JP13371897A JPH10324128A JP H10324128 A JPH10324128 A JP H10324128A JP 13371897 A JP13371897 A JP 13371897A JP 13371897 A JP13371897 A JP 13371897A JP H10324128 A JPH10324128 A JP H10324128A
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JP
Japan
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tire angle
vehicle
value
lateral
axle
Prior art date
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Application number
JP13371897A
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English (en)
Inventor
Kazuo Ishikawa
和男 石川
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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Priority to KR10-1998-0013725A priority patent/KR100361242B1/ko
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2200/00Indexing codes relating to suspension types
    • B60G2200/30Rigid axle suspensions
    • B60G2200/32Rigid axle suspensions pivoted
    • B60G2200/322Rigid axle suspensions pivoted with a single pivot point and a straight axle
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2204/00Indexing codes related to suspensions per se or to auxiliary parts
    • B60G2204/40Auxiliary suspension parts; Adjustment of suspensions
    • B60G2204/46Means for locking the suspension
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2300/00Indexing codes relating to the type of vehicle
    • B60G2300/02Trucks; Load vehicles
    • B60G2300/022Fork lift trucks, Clark

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  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】タイヤ角検出器が故障した場合においても、タ
イヤ角検出器が故障しない場合と同様に安定な姿勢で産
業車両を旋回することができる。 【解決手段】フォークリフトの車体フレーム1aには、
リアアクスル10が揺動自在に連結され、リアアクスル
10と車体フレーム1a間にはダンパー13が配置され
る。ダンパー13は電磁切換弁14にてロック又はロッ
ク解除作動する。電磁切換弁14はコントローラ28か
らロック指令及びロック解除指令によりダンパー13を
ロック又はロック解除する。コントローラ28は、タイ
ヤ角センサ21が故障した場合には、ハンドル角センサ
25及び車速センサ23にて検出されたハンドル角及び
走行速度に基づいて、横G変化率を推定し、その推定し
た変化率が設定値より大となった時、ロック指令を出
す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業車両の車体に
揺動可能に設けられた車軸を、走行状況等に応じて固定
する制御を行う産業車両の車体揺動制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、フォークリフト等の産業車両で
は、走行時の車両安定化を図るため、後輪を支持する車
軸が車体に対して揺動可能に取付けられている。しか
し、フォークリフトの旋回時には、遠心力による横向き
の力を受けたことによる車軸の揺動により車体が大きく
傾くことになるため、走行安定性が却って低下する場合
がある。
【0003】そこで、特開昭58−211903号公報
には、フォークリフトに遠心力を検出する旋回検出手段
を設け、車両に働く遠心力が所定値以上になると、車軸
を車軸固定機構にて固定する技術が開示されている。こ
のフォークリフトでは、車軸が固定されることで旋回時
の車体の傾きが小さく抑えられ、安定な姿勢で旋回する
ことができる。
【0004】また、特開昭58−167215号公報に
は、フォーク上の積荷の荷重が所定重量以上になったこ
とを検知する荷重検知手段と、フォークが所定高さ以上
に上昇したことを検知する揚高検知手段とを備え、両検
知手段が共に検知状態となる重荷重かつ高揚高のとき
に、車軸を固定する技術が開示されている。
【0005】さらに本願出願人は、車両に働く横向きの
加速度(横G)を、加速度センサを用いず、操舵輪のタ
イヤ角を検出する検出器と、車速を検出する検出器から
の両検出値を用いて演算により推定し、横Gが設定値以
上となると車軸を固定する技術を提案している(特願平
8−149560号)。タイヤ角を検出する検出器とし
ては、例えば操舵輪の操舵時の回転を検出するポテンシ
ョメータ等が使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、車軸を固定す
るか否かを判定するための横G等の各種判定値を得るた
めに車両に設けられたセンサ(検出器)が故障した時に
は、その故障時の誤った入力電圧に基づく誤った横G等
の判定値によって制御が行われることになる。そのた
め、実際には横Gがかかっていない時にも車軸が固定さ
れてしまって直進走行時の走行安定性が低下したり、実
際の横Gが大きい時にも車軸が固定されず、旋回時の走
行安定性が低下するなどの不具合が生じる。このような
問題を回避するためには、センサの故障を発見する故障
診断が必要となる。
【0007】センサの故障が断線故障や短絡故障であれ
ば、入力電圧が断線時には例えば0ボルト、短絡時には
電源電圧に等しくなるので、入力電圧を監視することで
故障診断が比較的し易い。しかし、ポテンショメータ等
の検出器では、センサが取付け箇所から脱落して検出す
べき回転が入力軸に伝達されない脱落故障が起こり得
る。脱落故障時には、正常時と同じ範囲内の一定電圧が
入力されることになる。そのため、センサの入力電圧値
を監視するだけの診断方法では、脱落故障が見逃される
という問題があった。このことはポテンショメータに限
られたことではなく、例えば加速度センサ等において
も、脱落して車体に対して揺れ動けば誤った入力電圧が
入力されることになるため同様の問題はある。
【0008】そこで、本出願人は、例えばタイヤ角を検
出する検出器が脱落故障した場合、その脱落故障検出を
行うために、ステアリングシャフトの操作角度(ハンド
ル角度)を検出するハンドル角検出器を設け、このハン
ドル角度の検出信号と、タイヤ角検出器からの検出信号
の両信号に基づいて、タイヤ角検出器が脱落故障した
か、否かを判定する故障判定装置を提案している。
【0009】ところで、一方、上記のようにタイヤ角検
出器が故障した場合、旋回時には、タイヤ角検出器から
の検出信号の結果によらず、タイヤ角を最大タイヤ角に
したものとし、即ち、旋回半径を最小と見做して制御す
るようにしている。これは最も過酷な最大タイヤ角で制
御するようにしておけば、実際のタイヤ角がどのように
なっていようとも安定な姿勢で旋回することができるか
らである。
【0010】しかし、このようにすると、車軸を車軸固
定機構にて固定(ロック)する頻度が多くなる問題があ
る。従って、タイヤ角検出器が故障した場合において
も、車軸を車軸固定機構にて固定(ロック)する頻度が
多くならず、タイヤ角検出器が故障しない場合と同様に
安定な姿勢で旋回することができる産業車両の車体揺動
制御装置が要望されている。
【0011】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、タイヤ角検出器が故障
した場合においても、タイヤ角検出器が故障しない場合
と同様に安定な姿勢で旋回することができる産業車両の
車体揺動制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため請求項1に記載の発明では、車体に対して上下方
向に揺動可能に支持された車軸と、前記車軸の揺動を規
制するための車軸規制機構と、産業車両のタイヤ角を検
出するタイヤ角検出手段と、産業車両のハンドル角を検
出するハンドル角検出手段と、産業車両の走行速度を検
出する車速検出手段と、タイヤ角検出手段が正常時に
は、同タイヤ検出手段にて検出されたタイヤ角及び車速
検出手段にて検出された走行速度に基づく判定値を割り
出す第1判定値検出手段と、タイヤ角検出手段が故障時
にはハンドル角検出手段にて検出されたハンドル角及び
車速検出手段にて検出された走行速度に基づく判定値を
割り出す第2判定値検出手段と、前記いずれかの判定値
検出手段にて割り出された判定値が予め設定された所定
条件を満たしたときに、前記車軸規制機構を作動させて
車軸と車体とを固定制御する制御手段とを備えた産業車
両の車体揺動制御装置をその要旨としている。
【0013】請求項2の発明は、請求項1において、判
定値は、車両に加わる横Gと、横G変化率であり、制御
手段は、横G或いは、横G変化率が設定値以上になる
と、前記車軸規制機構を作動させるように設定されたも
のであることを要旨とするものである。
【0014】請求項3の発明は、請求項1において、判
定値は、車両に加わる横Gと、ヨーレート変化率であ
り、制御手段は、横G或いは、ヨーレート変化率が設定
値以上になると、前記車軸規制機構を作動させるように
設定されたものであることを要旨とするものである。
【0015】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3
のうちいずれかにおいて、ハンドル角検出手段から得ら
れたハンドル角と、前記タイヤ角検出手段から得られた
タイヤ角とを比較し、ハンドル角が変化しているにもか
かわらずタイヤ角が変化していないとき、タイヤ角検出
手段を故障と判定する故障判定手段を備えたことを要旨
とするものである。
【0016】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
のうちいずれかにおいて、タイヤ角検出手段により検出
された検出値が正常範囲以外の値をとるときには、断線
故障又は短絡故障と判定する故障判定手段を備えている
ことを要旨とするものである。
【0017】(作用)従って、請求項1に記載の発明に
よれば、タイヤ角検出手段は産業車両のタイヤ角を検出
し、ハンドル角検出手段は、産業車両のハンドル角を検
出する。又、車速検出手段は産業車両の走行速度を検出
する。第1判定値検出手段は、タイヤ角検出手段が正常
時には、同タイヤ検出手段にて検出されたタイヤ角及び
車速検出手段にて検出された走行速度に基づく判定値を
割り出す。第2判定値検出手段は、タイヤ角検出手段が
故障時にはハンドル角検出手段にて検出されたハンドル
角及び車速検出手段にて検出された走行速度に基づく判
定値を割り出す。
【0018】そして、制御手段は、前記いずれかの判定
値検出手段にて割り出された判定値が予め設定された所
定条件を満たしたときに、前記車軸規制機構を作動させ
て車軸と車体とを固定制御する。
【0019】請求項2に記載の発明によれば、判定値
は、車両に加わる横Gと、横G変化率とされている。従
って、制御手段は、横G或いは、横G変化率が設定値以
上になると、前記車軸規制機構を作動させる。
【0020】請求項3に記載の発明によれば、判定値
は、車両に加わる横Gと、ヨーレート変化率とされてい
る。従って、制御手段は、横G或いは、ヨーレート変化
率が設定値以上になると、前記車軸規制機構を作動させ
る。
【0021】請求項4に記載の発明によれば、故障判定
手段は、ハンドル角検出手段から得られたハンドル角
と、前記タイヤ角検出手段から得られたタイヤ角とを比
較し、ハンドル角が変化しているにもかかわらずタイヤ
角が変化していないとき、タイヤ角検出手段を故障と判
定する。この故障判定手段の故障判定により、第2判定
値検出手段は、タイヤ角検出手段が故障時にはハンドル
角検出手段にて検出されたハンドル角及び車速検出手段
にて検出された走行速度に基づく判定値を割り出す。
【0022】請求項5に記載の発明によれば、故障判定
手段は、タイヤ角検出手段により検出された検出値が正
常範囲以外の値をとるときには、断線故障又は短絡故障
と判定する。この故障判定手段の故障判定により、第2
判定値検出手段は、タイヤ角検出手段が故障時にはハン
ドル角検出手段にて検出されたハンドル角及び車速検出
手段にて検出された走行速度に基づく判定値を割り出
す。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明を具体化した第1実施形
態を図1〜図10に従って説明する。
【0024】図1,図3に示す本実施形態における産業
車両としてのフォークリフト1は、前輪駆動・後輪操舵
の四輪車である。図3に示すように、フォークリフト1
の機台前部に立設された左右一対のアウタマスト2間に
はインナマスト3が昇降可能に配設されており、このイ
ンナマスト3にフォーク4がチェーン(図示せず)を介
して昇降可能に吊下されている。アウタマスト2は車体
としての車体フレーム1aに対してティルトシリンダ5
を介して連結されており、ティルトシリンダ5のピスト
ンロッド5aが伸縮駆動されることにより傾動するよう
になっている。アウタマスト2の裏面に配設されたリフ
トシリンダ6のピストンロッド6aがインナマスト3の
上端部に連結されており、リフトシリンダ6のピストン
ロッド6aが伸縮駆動されることにより、フォーク4が
昇降するようになっている。左右の前輪7はデフリング
ギア8(図1に示す)及び変速機(図示せず)を介して
エンジン9(図3に示す)の動力によって駆動されるよ
うになっている。
【0025】図1,図2に示すように、車体フレーム1
aの後下部には、車軸としてのリアアクスル10が車幅
方向へ延びた状態でセンタピン10aを中心に上下方向
に揺動(回動)可能に支持されている。左右の後輪11
は、リアアクスル10に配設されたステアリングシリン
ダ(図示せず)の左右一対のピストンロッドの各先端に
てリンク機構(図示せず)を介して操向可能に連結され
ることにより、リアアクスル10と一体揺動可能に支持
されている。左右の後輪11はハンドル12の操作に基
づいてステアリングシリンダが駆動されることにより操
舵される。
【0026】車体フレーム1aとリアアクスル10との
間には、1個の油圧式ダンパ(以下、単に「ダンパ」と
いう。)13が両者を連結する状態で配設されている。
このダンパ13は複動式の油圧シリンダであり、車体フ
レーム1a側にダンパ13のシリンダ13aが連結さ
れ、シリンダ13a内に収容されたピストン13bから
延出するピストンロッド13cの先端がリアアクスル1
0側に連結されている。
【0027】ダンパ13は、ピストン13bにて区画さ
れた第1室R1と第2室R2との各々に連通状態に接続
された第1管路P1と第2管路P2を介して切換弁とし
ての電磁切換弁14に接続されている。電磁切換弁14
は、消磁時に閉弁するノーマルクローズタイプの2ポー
ト2位置切換弁であり、そのスプールには止弁部15と
流弁部16とが形成されている。第2管路P2には第3
管路P3を介し、作動油を貯溜するアキュムレータ17
がチェック弁18を介して接続されている。
【0028】電磁切換弁14のスプールがボディに対し
て図2に示す遮断位置に配置されることにより、ダンパ
13は両室R1,R2における作動油の流出・流入が不
能なロック状態となり、リアアクスル10の揺動がロッ
クされる。一方、電磁切換弁14のスプールがボディに
対して連通位置(図2の状態からスプール位置が反対側
に切換えられた状態)に配置されることにより、ダンパ
13は両室R1,R2間における作動油の流出・流入が
可能なフリー状態となり、リアアクスル10の揺動が許
容されるようになっている。また、第2管路P2の経路
上には絞り弁19が設けられている。尚、ダンパ13及
び電磁切換弁14等にて車軸規制機構が構成されてい
る。
【0029】図1,図2に示すように、後輪11を回動
可能に支持するキングピン20の片側には、キングピン
20の回転量を検出して後輪11の操舵角(タイヤ角)
θを検出するタイヤ角検出手段としてのタイヤ角センサ
21が設けられている。タイヤ角センサ21は例えばポ
テンショメータからなる。また、図1に示すように、デ
フリングギヤ8にはその回転を検出することによりフォ
ークリフト1の車速(走行速度)Vを検出する車速検出
手段としての車速センサ22が設けられている。
【0030】また、ハンドル12を支持するステアリン
グシャフト12aには、ハンドル角Hθを検出するため
のロータリエンコーダ23が設けられている。ロータリ
エンコーダ23は、ステアリングシャフト12aに一体
回転可能に設けられた円盤24と、円盤24の周方向に
等間隔に多数形成されたスリット24aを通り抜ける光
を検出可能に配設された複数組のフォトカプラを備えた
比較用検出器及びハンドル角検出手段としてのハンドル
角センサ25とからなる。ハンドル角センサ25はフォ
トカプラを構成するフォトトランジスタが検出したハン
ドル回転(ハンドル角)に応じたデジタル信号hを出力
する。このロータリエンコーダ23は、他の制御(例え
ばハンドル12と後輪11との舵角のずれを補正するノ
ブ位置制御)のために設けられたものであり、本実施形
態ではロータリエンコーダ23を後述する故障診断にも
利用している。
【0031】また、図1,図3に示すように、アウタマ
スト2には揚高を検出する揚高センサ26が設けられて
いる。揚高センサ26は例えばリミットスイッチからな
り、アウタマスト2の所定高さに取付けられている。揚
高センサ26はフォーク4の揚高が設定値Do 以上でオ
ンし、設定値Do 未満でオフするように設定されてい
る。本実施形態では設定値Do を最大揚高Dmax の2分
の1の高さに設定している。また、リフトシリンダ6に
はそのシリンダ内部の油圧を検出するための圧力センサ
27が設けられている。圧力センサ27はフォーク4の
積載荷重に応じた検出値wを出力する。図1に示すよう
に、制御手段としてのコントローラ28には、電磁切換
弁14に備えられたソレノイド14a及び各センサ2
1,22,25〜27が電気的に接続されている。
【0032】次に、フォークリフト1の電気的構成を図
4に基づいて説明する。コントローラ28には、マイク
ロコンピュータ29、AD変換回路30〜32及び励消
磁駆動回路33等が内蔵されている。マイクロコンピュ
ータ29は、第1及び第2判定値検出手段を構成すると
ともに故障判定手段としてのCPU(中央演算処理装
置)34、ROM(読出専用メモリ)35、RAM(読
出書込可能メモリ)36、クロック回路37、操舵カウ
ンタ38、エラーカウンタ39,40、入力インタフェ
イス41及び出力インタフェイス42を備える。
【0033】CPU34には、各センサ21,22,2
7からの各検出値θ,V,wが各AD変換回路30〜3
2を介して入力されるとともに、ハンドル角センサ25
からのデジタル信号hと、揚高センサ26からのオン・
オフ信号とが入力されるようになっている。また、ソレ
ノイド14aはCPU34が励消磁駆動回路33に対し
て出力する制御指令信号に基づき励磁・消磁される。す
なわち、CPU34は励消磁駆動回路33に対してロッ
ク解除指令信号(制御指令信号)又はロック指令信号
(制御指令信号)を出力するようになっている。励消磁
駆動回路33は、ロック解除指令信号を入力すると、電
磁切換弁14に対して励磁電流を供給する。電磁切換弁
14は、ソレノイド14aが前記励磁電流により励磁さ
れてそのスプールが連通位置に配置され、ダンパ13に
おける作動油の流出・流入はフリーな状態となる。
【0034】又、励消磁駆動回路33は、ロック指令信
号を入力すると、電磁切換弁14のソレノイド14aを
消磁する。電磁切換弁14は、この消磁によりそのスプ
ールが遮断位置に配置され、ダンパ13における作動油
の流出・流入が不能なロック状態となる。すなわち、リ
アアクスル10の揺動がロックされる。
【0035】ROM35には、図8にフローチャートで
示すスウィング制御処理のプログラムデータや、図9,
図10に示すセンサ故障診断処理プログラムデータをは
じめとする各種プログラムデータが記憶されている。こ
こで、スウィング制御とは、車両の走行状態や荷役状態
等を検出した検出結果から走行不安定となり易い所定時
期に、リアアクスル10をロックさせて車体の左右方向
の揺動を小さく抑える制御である。本実施形態では、判
定値として車両に働く横G(旋回時に機台横方向に働く
遠心加速度)Gc と、同じく判定値として車体のヨーレ
ート(旋回時の角速度)ωの時間に対する変化率(ヨー
レート変化率)Yとを経時的に検出し、所定条件として
各値Gc ,Yがいずれか一方でも各々の設定値go ,y
o 以上になるとリアアクスル10がロックされるように
設定されている。
【0036】但し、重い荷を積載してフォーク4を高く
持ち上げた重荷重(荷重w≧wo )かつ高揚高(揚高D
≧Do )のときには、車両重心が高く相対的に不安定な
ので、常にリアアクスル10をロックさせるようにして
いる。各設定値go ,yo は、走行実験もしくは理論計
算から得られた値であり、走行安定性を図り得る必要な
時期にリアアクスル10がロックされるように設定され
たものである。
【0037】クロック回路37はCPU34にクロック
信号を出力する。CPU34はクロック信号に基づき所
定時間(例えば数10ミリ秒)毎にスウィング制御処
理,センサ故障診断処理を実行する。センサ故障診断処
理はスウィング制御処理が所定回数実行される毎に実行
される。
【0038】操舵カウンタ38は、ハンドル角Hθに応
じたカウント値Hをカウントするためのものである。カ
ウント値Hは、CPU34がハンドル角センサ25から
入力した位相の1/4波長ずれた2種類のデジタル信号
hによりハンドル旋回方向を検出し、ハンドル旋回方向
が左方向のときにデジタル信号hのエッジを検出する度
にデクリメントされ、ハンドル旋回方向が右方向のとき
にデジタル信号hのエッジを検出する度にインクリメン
トされる。
【0039】2つのエラーカウンタ39,40は、セン
サ故障診断(図9,図10を参照)に使用されるもので
ある。エラーカウンタ39,40の各カウント値CK1,
CK2は、タイヤ角センサ21の故障を判定するために予
め設定された故障条件が成立する度に、「10」を最大
値とする範囲内でインクリメントされ、故障条件が不成
立の度に「0」を最小値とする範囲内でデクリメントさ
れる。但し、カウント値の最大値・最小値はこれに限定
されず、他の値をとってもよい。
【0040】図5は、タイヤ角センサ21の検出値(検
出電圧)θを示す。タイヤ角センサ21が正常である時
の入力値θはθmin ≦θ≦θmax の正常範囲をとる。そ
のため、入力値θがθ<θmin の範囲内の値であるとき
を、タイヤ角センサ21の断線故障と判定し、入力値θ
がθ>θmax の範囲内の値であるときを、タイヤ角セン
サ21の短絡故障と判定するように故障条件を設定して
いる。ここで「E」は電源電圧である。
【0041】また、タイヤ角センサ21がキングピン2
0の回転が入力されない状態にキングピン20から脱落
した脱落故障を、ハンドル12が操作されている(ハン
ドル角が変化している)にも拘わらず、タイヤ角θが変
化しないことにより判定するようにしている。本実施形
態では、過去複数回分のタイヤ角データθ,ハンドル角
データHθをRAM36に保存するようにしており、ハ
ンドル角速度ΔHθ(=|Hθ−Hθ1|)が正である
にも拘わらず、タイヤ角速度Δθ(=|θ−θ1|)が
「0」のときを脱落故障条件(ΔHθ>0かつΔθ=
0)としている(但し、θ1,Hθ1はそれぞれ所定時
間前のデータ)。
【0042】本実施形態では、タイヤ角センサ21が故
障していない場合(正常時)には、タイヤ角θと車速V
の2つの検出値を用いて演算により横G(Gc )及びヨ
ーレート変化率Yを推定している。又、タイヤ角センサ
21が故障している場合(故障時)には、タイヤ角θの
代わりにハンドル角センサ25が検出したハンドル角H
θと車速Vの2つの検出値を用いて演算により横G(G
c )及びヨーレート変化率Yを推定している。すなわ
ち、後記する図8のフローチャートでは、タイヤ角θの
代わりにハンドル角Hθを使用して、横G(Gc )及び
ヨーレート変化率Yを推定している。
【0043】ROM35には、タイヤ角θ(ハンドル角
Hθ)から車両の旋回半径の逆数値1/rを求めるため
のマップが記憶されている。横Gの推定値Gc は、タイ
ヤ角θ(ハンドル角Hθ)から決まる旋回半径の逆数値
1/rを用い、次の(1)式により与えられる。
【0044】Gc =V2 /r …(1) また、ヨーレート変化率Yは、次の(2)式により与え
られる。 Y=V・Δ(1/r)/ΔT …(2) ここで、Δ(1/r)は、旋回半径の逆数値1/rの所
定時間ΔT(例えば数10ミリ秒)当たりの差分であ
る。本実施形態ではRAM36に過去複数回分のタイヤ
角データθ及びハンドル角データHθを保存しており、
所定時間ΔT前のタイヤ角データθ1(ハンドル角デー
タHθ1)から決まる旋回半径の逆数値1/r1を用
い、差分Δ(1/r)(=|1/r−1/r1|)を算
出する。尚、旋回半径の逆数値1/rは、タイヤ角θ
(ハンドル角Hθ)が左切角のときに負の値、右切角の
ときに正の値をとる。
【0045】ところで、ヨーレートωはω=V/rで表
されるので、ヨーレート変化率Y(=Δω/ΔT)はこ
の式の時間微分に相当し、次式で表される。 Y=V・Δ(1/r)/ΔT+ΔV/ΔT・(1/r) …(3) この(3)式のうち後項は、フォークリフト1の旋回中
における車速Vをほぼ一定と見なせば無視できる(ΔV
/ΔT≒0)ので、本実施形態では、この後項を無視し
て近似した前記(2)式をYを推定する演算式として採
用している。
【0046】また、本実施形態では、リアアクスル10
が一旦ロックされた後は、このロックの基礎となった判
定値がロック時の設定値を所定値以上下回って始めてロ
ックを解除するようにしており、各検出値w,D,Yが
たまたま設定値wo ,Do ,yo 付近の値を取ることに
よりロック・ロック解除が頻繁に切り換わることを防止
する対策を施している。
【0047】尚、図8のフローチャートにおいて、S1
0,S40,S50が第1及び第2判定値検出手段及び
横G検出手段を構成し、S10,S40,S60が第1
及び第2判定値検出手段を構成する。S50及びS60
がそれぞれ判定値演算手段を構成している。S20,S
30が検出値設定手段を構成している。S70〜S10
0が制御手段を構成している。また、図9,図10のフ
ローチャートにおいて、S210〜S280が故障判定
手段を構成し、S310〜S400が故障判定手段を構
成している。
【0048】次に、フォークリフト1のスウィング制御
及びセンサ故障診断処理について図8〜図10のフロー
チャートに従って説明する。イグニションキーのオン中
は、CPU34に各センサ21,22,25〜27から
の検出信号θ,V,h,w等が入力される。CPU34
は所定時間(例えば数10ミリ秒)毎にスウィング制御
処理を実行するとともに、スウィング制御処理が所定回
数実行される度にセンサ故障診断処理を実行する。ま
た、操舵カウンタ38ではハンドル角Hθに応じたカウ
ント値Hがカウントされる。
【0049】まず、センサ故障診断処理を説明する。始
めに図9に示す断線・短絡故障診断処理について説明す
る。CPU34は、まずステップ210において、タイ
ヤ角θを読み込む。ステップ220では、θ<θmin ま
たはθ>θmax の断線・短絡故障条件が成立するか否か
を判断する。タイヤ角センサ21が正常であってタイヤ
角θがθmin <θ<θmax の範囲にあるときには、ステ
ップ230に進み、エラーカウンタ39のカウント値C
K1を「0」以上の範囲でデクリメントする。そのため、
タイヤ角センサ21が正常であるときにはエラーカウン
タ39のカウント値CK1がほぼ常に「0」となる。そし
て、ステップ240において、エラーカウント値CK1=
0であるか否かを判断し、CK1=0であれば、ステップ
250において故障フラグFをクリアする。
【0050】一方、タイヤ角センサ21が断線故障した
ときにはタイヤ角θがθ<θmin の値をとり、タイヤ角
センサ21が短絡故障したときにはタイヤ角θがθ>θ
maxの値をとる。ステップ220において、θ<θmin
またはθ>θmax が成立したときには、ステップ260
に進み、エラーカウンタ39のカウント値CK1を「1
0」以下の範囲でインクリメントする。カウント値CK1
が「10」未満であれば、故障フラグFを変更すること
なく当該処理を終了し、カウント値CK1が「10」であ
れば、ステップ280において、故障フラグFに「1」
をセットする。
【0051】例えばエンジン始動時など検出電圧θが一
時的に不安定となってたまたまθ<θmin またはθ>θ
max の故障条件が成立しても、極く短時間の一時的なも
のなのでカウント値CK1が「10」に達することがな
く、故障フラグFはセットされない。これに対し、タイ
ヤ角センサ21が断線または短絡故障した時は、カウン
ト値CK1が「10」を維持し、故障フラグFがセット状
態に保持される。
【0052】次に、図10に示す脱落故障診断処理につ
いて説明する。CPU34は、まずステップ310にお
いて、タイヤ角θ,θ1、ハンドル角Hθ,Hθ1を読
み込む。ステップ320では、タイヤ角速度Δθ=|θ
−θ1|を算出する。ステップ330では、ハンドル角
速度ΔHθ=|Hθ−Hθ1|を算出する。
【0053】ステップ340では、タイヤ角速度Δθ=
0かつハンドル角速度ΔHθ>0の脱落故障条件が成立
するか否かを判断する。タイヤ角センサ21が正常であ
るときには、ハンドル角速度ΔHθ>0のときには必ず
タイヤ角速度Δθ>0となるので、脱落故障条件は成立
せず、この場合はステップ350に進み、エラーカウン
タ40のカウント値CK2を「0」以上の範囲でデクリメ
ントする。
【0054】そのため、タイヤ角センサ21が正常であ
るときにはエラーカウンタ40のカウント値CK2がほぼ
常に「0」となる。そして、ステップ360において、
エラーカウント値CK2=0であるか否かを判断し、CK2
=0であれば、ステップ370において故障フラグFを
クリアする。
【0055】一方、タイヤ角センサ21が脱落故障した
ときには、ハンドル操作されて後輪11が操舵されて
も、その入力軸にキングピン20の回転が伝わらないた
め、タイヤ角センサ21からの入力値θが一定となる。
この場合、ステップ340において、ΔHθ>0かつΔ
θ=0の脱落故障条件が成立するため、ステップ380
に進み、エラーカウンタ40のカウント値CK2を「1
0」以下の範囲でインクリメントする。次のステップ3
90において、カウント値CK2が「10」未満であれ
ば、故障フラグFを変更することなく当該処理を終了
し、カウント値CK2が「10」であれば、ステップ40
0に進んで、故障フラグFに「1」をセットする。
【0056】例えばハンドル操作に対する後輪11の動
作遅れ等が原因で、仮にタイヤ角センサ21が正常なと
きにΔHθ>0かつΔθ=0の故障条件が成立しても、
極く短時間の一時的なものでカウント値CK2が「10」
に達することはまずないため、故障フラグFは「0」の
ままとなる。これに対し、タイヤ角センサ21がキング
ピン20から脱落した脱落故障時には、カウント値CK2
が「10」に達してそのまま維持されるため、故障フラ
グFがセット状態に保持される。
【0057】次に、スウィング制御処理について図8に
従って説明する。リアアクスル10をロックさせる必要
がある後述する特定の場合を除き、CPU34はリアア
クスル10をフリー状態に保持しておくためにロック解
除指令信号を励消磁駆動回路33に対して出力してい
る。このとき、励消磁駆動回路33は電磁切換弁14に
対して励磁電流を供給する。
【0058】圧力センサ27からの入力値wが設定値w
o 以上のときに、揚高センサ26がオンすると、CPU
34からロック指令信号が出力され、励消磁駆動回路3
3はこのロック指令信号に基づいて電磁切換弁14を消
磁する。この結果、電磁切換弁14は遮断位置に切換え
られ、ダンパ13の伸縮がロックされる。つまり、荷重
wo 以上の荷を積載したフォーク4を設定値Do 以上の
高さに上昇させて重心が高くなったときには、常にリア
クスル10がロックされる。そのため、重荷重かつ高揚
高で車両重心が高いときの走行安定性が確保される。
【0059】そして、w≧wo かつD≧Do の条件が成
立するときを除いて、図8に示す処理を実行する。CP
U34は、まずステップ10において、タイヤ角θ,ハ
ンドル角Hθ、車速Vを読み込む。ステップ20では、
故障フラグF=1であるか否かを判断する。タイヤ角セ
ンサ21が正常であって故障フラグF=0のときには、
ステップ40に移行する。
【0060】一方、タイヤ角センサ21が断線・短絡故
障もしくは脱落故障した状態にあって故障フラグF=1
のときには、ステップ30に進み、ステップ10におい
て、読み込んだハンドル角Hθをタイヤ角θに置き換え
る。
【0061】従って、タイヤ角センサ21が断線・短絡
故障もしくは脱落故障した状態にあって故障フラグF=
1のときにはステップ40以後のタイヤ角は、ハンドル
角Hθが使用される。
【0062】又、タイヤ角センサ21が断線・短絡故障
もしくは脱落故障した状態でなく、故障フラグF=0の
ときにはステップ40以後のタイヤ角は、そのままタイ
ヤ角θが使用される。
【0063】なお、ステップ40以降では、ハンドル角
Hθを使用する場合も、説明の便宜上タイヤ角θとい
う。ステップ40では、タイヤ角θからROM35に記
憶されたマップを用いて旋回半径の逆数値1/rを求め
る。図6は、ハンドル角Hθ(タイヤ角θ)と、旋回半
径の逆数値1/rとの関係を示すマップである。
【0064】ステップ50では、車速値Vと旋回半径の
逆数値1/rとを用いて(1)式より、横Gの推定値G
c を演算する。次にステップ60では、ヨーレート変化
率Yを演算する。すなわち、RAM36の所定記憶領域
から所定時間ΔT前のタイヤ角データθ1を読出し、こ
のθ1値に対応する旋回半径の逆数値1/r1を求め、
(2)式によりYを演算する。
【0065】ステップ70では、ヨーレート変化率Yが
設定値yo 以上であるか否かを判断する。Y≧yo であ
れば、ステップ90に進んで、電磁切換弁14のスプー
ルを遮断位置に配置すべくロック指令信号を励消磁駆動
回路33に対して出力する。この結果、電磁切換弁14
のソレノイド14aが消磁されるとともに、そのスプー
ルが遮断位置に移動され、ダンパ13における作動油の
流出・流入が不能なロック状態となる。すなわち、リア
アクスル10の揺動がロックされる。
【0066】Y<yo であれば、ステップ80に進む。
ステップ80では、横Gの推定値Gc が設定値go 以上
であるか否かを判断する。Gc ≧go であれば、CPU
34はステップ90に進んで、電磁切換弁14のスプー
ルを遮断位置に配置すべくロック指令信号を励消磁駆動
回路33に対して出力する。従って、上記したようにス
テップ90において、リアアクスル10の揺動がロック
される。
【0067】一方、Gc <go であれば、CPU34
は、ステップ100に進んで、電磁切換弁14のスプー
ルを連通位置に配置すべくロック解除指令信号を励消磁
駆動回路33に対して出力する。この結果、励消磁駆動
回路33は電磁切換弁14に対して励磁電流を供給し、
リアアクスル10をフリー状態に保持する。
【0068】その結果、ヨーレート変化率Yと横G(G
c )のうちいずれか一方でも各々の設定値yo ,go 以
上になると、電磁切換弁14が遮断位置に切換えられて
リアアクスル10がロックされる。
【0069】図7は、旋回時における横G(Gc )とヨ
ーレート変化率Yの変化を示すグラフである。例えば走
行中に直進から左旋回したときには、まずヨーレート変
化率Yが設定値yo を越えることで早めにリアアクスル
10がロックされる。そして、タイヤ角θが一定切角に
落ちついてきてヨーレート変化率Yが設定値yo 未満と
なるが、この時点までに横G(Gc )が設定値go 以上
に達しているので、フォークリフトの旋回中において、
リアアクスル10はロック状態に保持される。
【0070】また、左旋回から右旋回へハンドル12を
切返すときには、横Gの向きが右から左に切り換わる際
に、横Gが一時的に設定値go 未満となる区間ができ
る。しかし、この区間ではヨーレート変化率Yが設定値
yo 以上となるため、切返し中もリアアクスル10はロ
ック状態に保持される。
【0071】以上詳述したように本実施形態によれば、
以下の効果が得られる。 (a)タイヤ角センサ21の故障診断をするに当たり、
タイヤ角θと同期して変化するハンドル角Hθを検出可
能なハンドル角センサ25を使用し、ハンドル角速度Δ
Hθとタイヤ角速度Δθとの対応関係が故障時の関係
(ΔHθ>0かつΔθ=0)であるか否かの判断を故障
診断方法に採用したので、タイヤ角センサ21の脱落故
障を発見することができる。
【0072】(b)タイヤ角センサ21からの検出電圧
θを監視し、その入力電圧θがタイヤ角センサ21の正
常時の検出範囲外であるか否かを判断するようにしたの
で、タイヤ角センサ21の断線・短絡故障を発見するこ
とができる。
【0073】(c)タイヤ角センサ21の故障時には、
ハンドル角Hθを代わりに使用するようにした。このた
め、タイヤ角センサ21の故障時においても、タイヤ角
センサ21が故障しない場合と同等の制御を行うことが
できる。
【0074】(d)ヨーレート変化率Yが設定値yo 以
上となったときにもリアアクスル10をロックする構成
であるので、ハンドル12の旋回開始後速やかにリアア
クスル10をロックできるとともに、ハンドル12の切
返し途中でリアアクスル10のロックが解除されて走行
不安定になることを防止できる。
【0075】(e)ヨーレート変化率Yを演算するに当
たり、タイヤ角センサ21が故障していない場合には、
機台の振動等に影響され難いタイヤ角センサ21の検出
値θから求めた1/r値を差分(微分)する方法を採っ
たので、差分(微分)処理によるノイズの増幅の心配が
なく、信頼性の高い推定値Yを得ることができる。 (f)フォークリフト1に元々他の制御等のために備え
られたハンドル角センサ25をスウィング制御用のセン
サの故障診断、及びタイヤ角センサ21故障時の代替セ
ンサとして利用しているので、センサ類の共用により装
置コストを低く抑えることができる。
【0076】(第2実施形態)以下、本発明を具体化し
た第2実施形態を図11に従って説明する。なお、この
実施形態では、第1実施形態とハード構成は同一のた
め、同一構成については、同一符号を付し、異なるとこ
ろを中心に説明する。
【0077】この第2実施形態では、ヨーレート変化率
Yの代わりに横G変化率ηを判定値として使用し、第1
実施形態とはセンサ故障診断処理は同一の処理にてセン
サ故障の診断が行われ、スウィング制御処理が異なって
いる。
【0078】すなわち、ROM35には、各種プログラ
ムデータが記憶されており、その中の一つに図11にフ
ローチャートで示すスウィング制御処理のプログラムデ
ータがある。本実施形態では車両に働く横G(旋回時に
機台横方向に働く遠心加速度)Gc と、横Gの経時的な
変化率ηとを測定した測定値を判定値とし、Gc 値とη
値のいずれか一方が各々の設定値以上になるとリアアク
スル10の揺動をロックさせるように設定されている。
【0079】なお、図11のフローチャートにおいて、
S10,S40,S50が第1及び第2判定値検出手段
及び横G検出手段を構成し、S10,S40,S60A
が第1及び第2判定値検出手段を構成する。S50及び
S60Aがそれぞれ判定値演算手段を構成している。S
20,S30が検出値設定手段を構成している。又、R
OM35には、横G変化率ηの設定値ηo が記憶されて
いる。各設定値go ,ηo は走行実験もしくは理論計算
から求められた値であり、走行安定性を図るべく必要な
時期にリアアクスル10がロックされるように設定され
たものである。
【0080】又、横Gの時間差分ΔG/ΔT、すなわち
横G変化率ηは、次の(4)式で示される。 η=ΔG/ΔT=V2 ・Δ(1/r)/ΔT … (4) 本実施形態では、横G変化率ηを、この(4)式の関係
に基づいて2つの検出値θ(又はHθ),Vを用いて次
式により算出している。
【0081】 η=ΔG/ΔT=V2 ・|1/r−1/r1| ここで、ηは所定時間ΔT(例えば数10ミリ秒)当た
りの横Gの変化量、1/r,1/r1は、それぞれ所定
時間ΔTを経過する前と後の旋回半径の逆数値である。
【0082】ところで、横G変化率ηは前記第1実施形
態の(1)式の時間微分に相当し、次式で表される。 η=V2 ・Δ(1/r) /ΔT+ (1/r)・2V・ΔV/ΔT … (5) この(5)式のうち後項のΔV/ΔTは車速Vの経時的
な変化率を示し、通常、フォークリフト1では、その旋
回中における車速Vをほぼ一定と見なせるため、ΔV/
ΔT値は前項中のΔ(1/r)/ΔT値に比べて十分小
さな値となる。そのため、本実施形態では、(5)式中
の後項を無視して近似した前記(4)式をηを推定する
ために採用している。
【0083】次に、図11のフローチャートを説明す
る。このフローチャートは、第1実施形態の図8のフロ
ーチャートとはステップ60がステップ60Aに変更さ
れ、ステップ70がステップ70Aに変更されていると
ころが異なっており、それ以外のスウィング処理制御の
他のステップ、他の図9及び図10のフローチャートは
同一である。
【0084】従って、スウィング処理制御を行うべく、
図11のフローチャートが実行されると、ステップ50
の処理が終了後、ステップ60Aに移行すると、ステッ
プ60Aでは横G変化率ηを演算する。すなわち、RA
M36の所定記憶領域から所定時間ΔT前のタイヤ角デ
ータθ1を読出し、このθ1値に対応する旋回半径の逆
数値1/r1を求め、(4)式によりηを演算する。こ
の後、ステップ70Aに移行する。
【0085】ステップ70Aでは、横G変化率ηが設定
値ηo 以上であるか否かを判断する。η≧ηo であれ
ば、ステップ90に進んで、電磁切換弁14のスプール
を遮断位置に配置すべくロック指令信号を励消磁駆動回
路33に対して出力する。η<ηo であれば、ステップ
80に進む。このように、第2実施形態ではヨーレート
変化率Yを見る代わりに、横G変化率ηを見ることでロ
ックをすべきか否かの判定を行っている。横G変化率η
は、前記(4)式から明らかなようにV2 を因数に持
つ。これに対し、ヨーレート変化率Yは(2)式で表さ
れる。すなわち、ヨーレート変化率YはVを因数に持
つ。従って、図12のグラフで示すように、横G変化率
ηは高速走行時と低速走行時とでは大きく異なる(図1
2において、ηH は高速走行時、ηL は低速走行時を表
している)。これに対し、ヨーレート変化率Yは横G変
化率η程には車速により変化しない(YH は高速走行
時、YL は低速走行時を表している)。そのため、ヨー
レート変化率Yを採用した場合には、設定値yo を高速
時に合わせて相対的に低めに設定しなければならなかっ
た。
【0086】しかし、本実施形態では、車速の影響が考
慮された横G変化率ηを採用しているので、車速変化に
も対応した適切な設定値ηo を設定することができる。
例えば図12に示すように、高速走行時には横G変化率
ηH が設定値ηo 以上となってリアアクスル10がロッ
クされるタイヤ角変化であっても、低速走行時には横G
変化率ηL が設定値ηo 未満となってリアアクスル10
がロックされない。
【0087】よって、ヨーレート変化率Yをロック制御
の判定に採用した場合に比べ、低速走行時において無駄
なロックが減ることになる。そのため、車両重心が後輪
11側にあるときにリアアクスル10の揺動がロックさ
れたために、駆動輪である前輪7のうち片輪の接地圧が
低下したり、その片輪が路面から浮き上がり、これが原
因で起こるスリップが極力減らされることになる。な
お、図12中のGSH,GSLは各々高速走行時と低速走行
時の横Gを表す。
【0088】従って、この第2実施形態では、下記の作
用効果を奏する。 (a)この第2実施形態では、第1実施形態の(a)乃
至(c)、(f)の作用効果を奏する。
【0089】(b)この第2実施形態では、横G変化率
ηを演算するに当たり、機台の振動等に影響され難いタ
イヤ角センサ21の検出値θ、或いはハンドル角センサ
25の検出値Hθから求めた1/r値を差分(微分)す
る方法を採ったので、差分(微分)処理によるノイズの
増幅の心配がなく、信頼性の高い推定値であるηを得る
ことができる。
【0090】(c)横Gの立ち上がり変化である横G変
化率ηを、リアアクスル10をロックすべきか否かの判
定値の一つに採用したので、旋回開始時に素早くリアア
クスル10をロックできるとともに、切返し時にリアア
クスル10をロック状態に保持して車体の安定性を確保
することができる。
【0091】(d)V2 を因数に持つ横G変化率ηを採
用したので、ヨーレート変化率Yを採用したときに問題
となる低速走行時の無駄なロックを減らすことができ
る。例えば車量重心が後輪11側にある状態で凹凸路面
を走行しているときに、リアアクスル10がロックされ
たために前輪7がスリップする不具合の発生を極力減ら
すことができる。
【0092】(e)タイヤ角θと車速Vとの各検出値を
用いた演算により、ロックをすべきか否かの判定のため
に用いる各判定値η,Gc を算出するようにしたので、
横Gを直接検出できる加速度センサ等の検出器を設けな
くて済む。特にフォークリフト1における他の制御等の
ために備えられたタイヤ角センサ21や車速センサ22
をスウィング制御に利用できるので、センサ類の共用に
より装置コストを相対的に安価にすることができる。
【0093】(f)横Gを加速度センサにより直接検出
する構成では、検出した横G値を直接差分(微分)処理
して横G変化率ηを求めればよいと考えがちであるが、
加速度センサの検出値は車体の振動等の影響を受け易
く、その検出値には振動等に起因するノイズが混入す
る。そのため、横G値に差分(微分)処理を施すと、そ
のノイズが増幅されてしまい、得られる推定値ηが信頼
性の乏しい値となる。これに対して本実施形態によれ
ば、η値を演算するに当たり、機台の振動等に影響され
難いタイヤ角センサ21の検出値θから求めた1/r値
を差分する方法を採ったので、元々ノイズの影響が極め
て少ない1/r値に差分(微分)処理を施してもノイズ
の増幅による誤差が生じ難く、信頼性の高い推定値ηを
得ることができる。
【0094】(第3実施形態)次に第3実施形態を説明
する。前記第2実施形態においては、横G変化率ηを式
η=ΔG/ΔT=V2 ・Δ(1/r)/ΔTを用いて、
車速Vを一定とみなして算出した。これに対し、この実
施形態では、車速Vの変化を考慮している。横G変化率
ηの算出式が異なる以外は、前記第2実施形態と同様の
構成である。
【0095】まず、検出器としてタイヤ角センサ21、
ハンドル角センサ25と車速センサ22を備えた第2実
施形態の構成において、横G変化率η(=ΔG/ΔT)
に車速Vの時間変化を考慮した場合、前記(4)式に代
え、車速Vの時間変化が考慮された例えば先に記した
(5)式に基づいて行う。つまり、以下の式である。
【0096】 η=V2 ・Δ(1/r) /ΔT+ (1/r)・2V・ΔV/ΔT … (5) ROM35には(5)式に基づいて横G変化率ηを算出
する式として、次式が記憶されている。
【0097】η=V2 ・|1/r−1/r1|+(1/
r)・2V・|V−V1|ここで、V1,Vは、所定時
間ΔT(=n・ΔTo )を経過する前と後の車速。1/
r1,1/rは、所定時間ΔTを経過する前と後のタイ
ヤ角θ1,θからマップを用いてそれぞれ求められた旋
回半径の逆数値である。CPU34は、本実施形態では
RAM36に過去複数回分のタイヤ角データθ及び車速
データVを保存するようにしている。
【0098】なお、前記(5)式に代えて、横G変化率
ηの算出式として、例えば次の(6)式を採用すること
もできる。 η=ΔG/ΔT=Δ(V2 /r)/ΔT … (6) ROM35には(6)式に基づいて横G変化率ηを算出
する式として、次式が記憶されている。
【0099】 η=|Gc −Gc1|(=|V2 /r−V12 /r1|) ここで、Gc1,Gc は、所定時間ΔTを経過する前と後
の横Gデータであり、Gc1=V12 /r1,Gc =V2
/rで示される。但し、V1,r1とV,rは、所定時
間ΔTを経過する前と後のそれぞれ車速、旋回半径の逆
数値である。CPU34は、RAM36に過去複数回分
の横GデータGc を保存するようにしている。また、車
速の検出値Vを差分するとノイズが増えるため、本実施
形態では、ノイズ除去をするためのフィルタ処理をソフ
トウェア的に行って、ノイズの増加をできるだけ抑える
ようにしている。
【0100】CPU31は、今回のデータV,1/r
と、所定時間ΔT前の旧データV1,1/r1とを用い
て、(5)式あるいは(6)式に基づく算出式を使用し
てηを算出する。この実施形態によれば、(5)式ある
いは(6)式に基づいて算出される車速の時間変化が考
慮された横G変化率ηが使用されるため、加速時や減速
時(例えば制動時)などのように車速Vの時間変化を無
視できないときでも、正確なη値を得ることができる。
そのため、車速の変化時でも、本当に必要なときにだ
け、リアアクスル10がロックされ、不要なロックを極
力回避できる。
【0101】(第4実施形態)次に第4実施形態を説明
する。前記第1実施形態においては、ヨーレート変化率
Yを(2)式、即ち、式Y=V・Δ(1/r)/ΔTを
用いて、車速Vを一定とみなして算出した。これに対
し、この実施形態では、車速Vの変化を考慮している。
ヨーレート変化率Yの算出式が異なる以外は、前記第1
実施形態と同様の構成である。
【0102】まず、検出器としてタイヤ角センサ21、
ハンドル角センサ25と車速センサ22を備えた第1実
施形態の構成において、ヨーレート変化率Y(=Δω/
ΔT)に車速Vの時間変化を考慮した場合、前記(2)
式に代え、車速Vの時間変化が考慮された例えば先に記
した(3)式に基づいて行う。つまり、以下の式であ
る。
【0103】 Y=V・Δ(1/r)/ΔT+ΔV/ΔT・(1/r) …(3) ROM35は(3)式に基づいてヨーレート変化率Yを
算出する式として、次式が記憶されている。
【0104】 Y=V・|1/r−1/r1|+(1/r)・|V−V1| ここで、V1,Vは、所定時間ΔT(=n・ΔTo )を
経過する前と後の車速。1/r1,1/rは、所定時間
ΔTを経過する前と後のタイヤ角θ1,θからマップを
用いてそれぞれ求められた旋回半径の逆数値である。C
PU34は、本実施形態ではRAM36に過去複数回分
のタイヤ角データθ及び車速データVを保存するように
している。
【0105】なお、前記(3)式に代えて、ヨーレート
変化率Yの算出式として、例えば次の(7)式を採用す
ることもできる。 Y=Δ(V/r)/ΔT … (7) ROM35には(7)式に基づいてヨーレート変化率Y
を算出する式として、次式が記憶されている。
【0106】 Y=|Ys −Ys1|(=|V/r−V1/r1|) ここで、Ys1,Ys は、所定時間ΔTを経過する前と後
のヨーレートデータであり、Ys1=V1/r1,Ys =
V/rで示される。但し、V1,r1とV,rは、所定
時間ΔTを経過する前と後のそれぞれ車速、旋回半径の
逆数値である。CPU34は、RAM36に過去複数回
分の横GデータGc を保存するようにしている。また、
車速の検出値Vを差分するとノイズが増えるため、本実
施形態では、ノイズ除去をするためのフィルタ処理をソ
フトウェア的に行って、ノイズの増加をできるだけ抑え
るようにしている。
【0107】CPU34は、今回のデータV,1/r
と、所定時間ΔT前の旧データV1,1/r1とを用い
て、(3)式あるいは(7)式に基づく算出式を使用し
てYを算出する。この実施形態によれば、(3)式ある
いは(7)式に基づいて算出される車速の時間変化が考
慮されたヨーレート変化率Yが使用されるため、加速時
や減速時(例えば制動時)などのように車速Vの時間変
化を無視できないときでも、正確なY値を得ることがで
きる。そのため、車速の変化時でも、本当に必要なとき
にだけ、リアアクスル10がロックされ、不要なロック
を極力回避できる。
【0108】なお、本発明の実施形態は上記各実施形態
に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範
囲で適宜変更し、例えば次のように実施することもでき
る。 (1) 各センサからの検出値や、検出値を用いて算出
した判定値等にローパスフィルタをかけるなどのノイズ
除去処理を施してもよい。
【0109】(2) タイヤ角θを検出する方式は、キ
ングピン20の回動量を検出する方式に限定されない。
例えば、パワーステアリング装置を構成するステアリン
グシリンダのピストンの位置を検出する検出器をタイヤ
角センサとして採用してもよい。
【0110】(3)判定値を算出するために用いる各検
出値を検出するための検出器の種類は2種類に限定され
ない。例えば検出対象の異なる3つ以上の検出器から得
られた各検出値を用いて判定値を推定してもよい。
【0111】(4)車軸の揺動の規制は、車軸を完全に
固定するロックに限定されない。車軸が規制状態におい
て揺動範囲が狭くなるような規制であっても構わない。
車軸の規制時に揺動範囲が小さく抑えられれば、本発明
の効果は得られる。
【0112】(5)本発明をバッテリ式フォークリフト
に適用してもよい。さらに、本発明をフォークリフト以
外の産業車両に適用してもよい。上記各実施形態から把
握され、特許請求の範囲に記載していない技術思想(発
明)を、その効果とともに以下に列記する。
【0113】(イ) 請求項1乃至請求項5のうちいず
れかにおいて、前記車軸規制機構は、前記車体フレーム
と車軸とに連結された油圧式ダンパーと、前記油圧式ダ
ンパーに給排される作動油を流す管路を、遮断状態及び
連通状態との間で切換制御し、当該管路を遮断状態とす
ることで車軸を車体フレームに固定し、連通状態とする
ことで車軸を車体フレームに対して揺動可能に支持する
切換弁とを備えた請求項1乃至請求項5のうちいずれか
に記載の産業車両の車体揺動制御装置。こうすることに
より、油圧式ダンパー及び切換弁によって容易に車軸を
固定できる。 (ロ) 前記(イ)において、前記車軸は産業車両の後
輪である操舵輪を連結する車体揺動制御装置。こうする
ことにより、産業車両の操舵輪側の車軸の揺動を制御し
ているので、旋回性及び操作性を向上させることができ
る。
【0114】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1乃至請求項
5に記載の発明によれば、タイヤ角検出器が故障した場
合においても、タイヤ角検出器が故障しない場合と同様
に安定な姿勢で旋回することができる。
【0115】請求項2に記載の発明によれば、判定値
は、横Gの立ち上がり変化である横G変化率を、判定値
の一つに採用したので、旋回開始時に素早く車軸と車体
とを固定できるとともに、切返し時に車軸と車体とをロ
ック状態に保持して車体の安定性を確保することができ
る。
【0116】請求項3に記載の発明によれば、判定値
は、車両に加わるヨーレート変化率でを判定値の一つに
採用し、ヨーレート変化率が設定値以上となったときに
も車軸と車体とをロックする構成であるため、ハンドル
の旋回開始後速やかに車軸と車体とをロックできるとと
もに、ハンドルの切返し途中で車軸と車体とのロックが
解除されて走行不安定になることが防止できる。
【0117】請求項4に記載の発明によれば、ハンドル
角検出手段から得られたハンドル角と、前記タイヤ角検
出手段から得られたタイヤ角とが非対応のとき、タイヤ
角検出手段を故障と判定するため、故障判定を容易に行
うことができる。
【0118】請求項5に記載の発明によれば、タイヤ角
検出手段により検出された検出値が正常範囲以外の値を
とるときには、断線故障又は短絡故障と容易に判定する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における車体揺動制御装置の模式
図。
【図2】車軸規制機構を示す模式図。
【図3】フォークリフトの側面図。
【図4】車体揺動制御装置の電気的構成を示すブロック
図。
【図5】タイヤ角の検出電圧を説明するための説明図。
【図6】ハンドル角Hθ(タイヤ角θ)と、旋回半径の
逆数値1/rとの関係を示すマップの説明図。
【図7】旋回時における横G,ヨ−レ−ト変化率の変化
を示すグラフ。
【図8】スウィング制御処理のフローチャート。
【図9】断線・短絡故障診断処理のフローチャート。
【図10】脱落故障診断処理のフローチャート。
【図11】第2実施形態のウィング制御処理のフローチ
ャート。
【図12】旋回時における横G,横G変化率、ヨ−レ−
ト変化率の変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、1a…車体とし
ての車体フレーム、10…車軸としてのリアアクスル、
11…操舵輪としての後輪、13…車軸規制機構を構成
する油圧式ダンパ、14…車軸規制機構を構成する電磁
切換弁、21…判定値検出手段及び走行判定値検出手段
を構成するとともに操舵角検出器としてのタイヤ角セン
サ、22…判定値検出手段及び走行判定値検出手段を構
成するとともに車速検出手段としての車速センサ、25
…比較用検出器及びハンドル角検出器としてのハンドル
角センサ、26…揚高センサ、27…圧力センサ、28
…第1判定値検出手段、第2判定値検出手段を構成する
とともに制御手段としてのコントローラ、34…第1判
定値検出手段、第2判定値検出手段及び故障判定手段を
構成するCPU、θ…操舵角(タイヤ角)、Hθ…ハン
ドル角、Gc …判定値としての横G、Y…判定値として
のヨーレート変化率、Δθ…タイヤ角速度、ΔHθ…ハ
ンドル角速度。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に対して上下方向に揺動可能に支持
    された車軸と、 前記車軸の揺動を規制するための車軸規制機構と、 産業車両のタイヤ角を検出するタイヤ角検出手段と、 産業車両のハンドル角を検出するハンドル角検出手段
    と、 産業車両の走行速度を検出する車速検出手段と、 タイヤ角検出手段が正常時には、同タイヤ検出手段にて
    検出されたタイヤ角及び車速検出手段にて検出された走
    行速度に基づく判定値を割り出す第1判定値検出手段
    と、 タイヤ角検出手段が故障時にはハンドル角検出手段にて
    検出されたハンドル角及び車速検出手段にて検出された
    走行速度に基づく判定値を割り出す第2判定値検出手段
    と、 前記いずれかの判定値検出手段にて割り出された判定値
    が予め設定された所定条件を満たしたときに、前記車軸
    規制機構を作動させて車軸と車体とを固定制御する制御
    手段とを備えた産業車両の車体揺動制御装置。
  2. 【請求項2】 判定値は、車両に加わる横Gと、横G変
    化率であり、制御手段は、横G或いは、横G変化率が設
    定値以上になると、前記車軸規制機構を作動させるよう
    に設定されたものである請求項1に記載の産業車両の車
    体揺動制御装置。
  3. 【請求項3】 判定値は、車両に加わる横Gと、ヨーレ
    ート変化率であり、制御手段は、横G或いは、ヨーレー
    ト変化率が設定値以上になると、前記車軸規制機構を作
    動させるように設定されたものである請求項1に記載の
    産業車両の車体揺動制御装置。
  4. 【請求項4】 ハンドル角検出手段から得られたハンド
    ル角と、前記タイヤ角検出手段から得られたタイヤ角と
    を比較し、ハンドル角が変化しているにもかかわらずタ
    イヤ角が変化していないとき、タイヤ角検出手段を故障
    と判定する故障判定手段を備えたことを特徴とする請求
    項1乃至請求項3のうちいずれかに記載の産業車両の車
    体揺動制御装置。
  5. 【請求項5】 タイヤ角検出手段により検出された検出
    値が正常範囲以外の値をとるときには、断線故障又は短
    絡故障と判定する故障判定手段を備えている請求項1乃
    至請求項4のうちいずれかに記載の産業車両の車体揺動
    制御装置。
JP13371897A 1997-04-23 1997-05-23 産業車両の車体揺動制御装置 Pending JPH10324128A (ja)

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JP13371897A JPH10324128A (ja) 1997-05-23 1997-05-23 産業車両の車体揺動制御装置
TW090211068U TW482129U (en) 1997-04-23 1998-04-16 A rock controller for industrial vehicle body
US09/061,389 US6266594B1 (en) 1997-04-23 1998-04-16 Body swing control apparatus for industrial vehicles
EP98107081A EP0873893B1 (en) 1997-04-23 1998-04-17 Body swing control apparatus for industrial vehicles
KR10-1998-0013725A KR100361242B1 (ko) 1997-04-23 1998-04-17 산업차량의차체요동제어장치
CNB981094120A CN1151039C (zh) 1997-04-23 1998-04-17 工业车辆的车体摆动控制装置
DE69822358T DE69822358T2 (de) 1997-04-23 1998-04-17 System zur Regelung der Aufbauneigung für Industriefahrzeuge

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