JP3161349B2 - 産業車両の車体揺動制御装置 - Google Patents

産業車両の車体揺動制御装置

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JP3161349B2
JP3161349B2 JP02264197A JP2264197A JP3161349B2 JP 3161349 B2 JP3161349 B2 JP 3161349B2 JP 02264197 A JP02264197 A JP 02264197A JP 2264197 A JP2264197 A JP 2264197A JP 3161349 B2 JP3161349 B2 JP 3161349B2
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    • B60G2300/00Indexing codes relating to the type of vehicle
    • B60G2300/02Trucks; Load vehicles
    • B60G2300/022Fork lift trucks, Clark

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  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業車両の車体に
揺動可能に設けられた車軸を、走行状況等に応じて固定
する制御を行う産業車両の車体揺動制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、フォークリフト等の産業車両で
は、走行時の車両安定化を図るため、後輪を支持する車
軸が車体に対して揺動可能に取付けられている。しか
し、フォークリフトの旋回時には、遠心力による横向き
の力を受けたことによる車軸の揺動により車体が大きく
傾くことになるため、走行安定性が却って低下する場合
がある。
【0003】そこで、特開昭58−211903号公報
には、フォークリフトに遠心力を検出する旋回検出手段
を設け、車両に働く遠心力が所定値以上になると、車軸
を車軸固定機構にて固定する技術が開示されている。こ
のフォークリフトでは、車軸が固定されることで旋回時
の車体の傾きが小さく抑えられ、安定な姿勢で旋回する
ことができる。
【0004】また、特開昭58−167215号公報に
は、フォーク上の積荷の荷重が所定重量以上になったこ
とを検知する荷重検知手段と、フォークが所定高さ以上
に上昇したことを検知する揚高検知手段とを備え、両検
知手段が共に検知状態となる重荷重かつ高揚高のとき
に、車軸を固定する技術が開示されている。
【0005】さらに本願出願人は、車両に働く横向きの
加速度(横G)を、加速度センサを用いず、操舵輪のタ
イヤ角を検出する検出器と、車速を検出する検出器から
の両検出値を用いて演算により推定し、横Gが設定値以
上となると車軸を固定する技術を提案している(特願平
8−149560号)。タイヤ角を検出する検出器とし
ては、例えば操舵輪の操舵時の回転を検出するポテンシ
ョメータ等が使用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、車軸を固定す
るか否かを判定するための横G等の各種判定値を得るた
めに車両に設けられたセンサ(検出器)が故障した時に
は、その故障時の誤った入力電圧に基づく誤った横G等
の判定値によって制御が行われることになる。そのた
め、実際には横Gがかかっていない時にも車軸が固定さ
れてしまって直進走行時の走行安定性が低下したり、実
際の横Gが大きい時にも車軸が固定されず、旋回時の走
行安定性が低下するなどの不具合が生じる。このような
問題を回避するためには、センサの故障を発見する故障
診断が必要となる。
【0007】センサの故障が断線故障や短絡故障であれ
ば、入力電圧が断線時には例えば0ボルト、短絡時には
電源電圧に等しくなるので、入力電圧を監視することで
故障診断が比較的し易い。しかし、ポテンショメータ等
の検出器では、センサが取付け箇所から脱落して検出す
べき回転が入力軸に伝達されない脱落故障が起こり得
る。脱落故障時には、正常時と同じ範囲内の一定電圧が
入力されることになる。そのため、センサの入力電圧値
を監視するだけの診断方法では、脱落故障が見逃される
という問題があった。このことはポテンショメータに限
られたことではなく、例えば加速度センサ等において
も、脱落して車体に対して揺れ動けば誤った入力電圧が
入力されることになるため同様の問題はある。
【0008】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その第1の目的は、車軸の揺動の規
制制御に用いる判定値を得るため車両に設けられた検出
器の故障をほぼ確実に発見できる産業車両の車体揺動制
御装置を提供することにある。また、第2の目的は、車
両の横Gもしくはヨーレート変化率を判定値として得る
ために必要な検出器の脱落故障をほぼ確実に発見するこ
とにある。また、第3の目的は、故障診断専用の検出器
を設けずに済ませることにある。第4の目的は、被診断
検出器が故障しても正常時同様に車軸規制機構を制御
し、車両の走行安定性を確保することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1及び第2の目的
を達成するため請求項1に記載の発明では、車体に対し
て上下方向に揺動可能に支持された車軸と、前記車軸の
揺動を規制するための車軸規制機構と、前記車軸規制機
構を作動すべきか否かを判定するための判定値を検出す
る判定値検出手段と、前記判定値が予め設定された所定
条件を満たしたときに、前記車軸規制機構を作動させる
制御手段と、前記判定値検出手段を構成する検出器の少
なくとも1つを被診断検出器とし、該被診断検出器の検
出値もしくは該検出値から得られる演算値である第1比
較値と対応関係にある検出値もしくは演算値を第2比較
値として得るための少なくとも1つの比較用検出器と、
前記被診断検出器から得られた前記第1比較値と、前記
比較用検出器から得られた前記第2比較値との対応関係
を比較し、その対応関係が故障時の関係であれば、前記
被診断検出器が故障であると判定する故障判定手段とを
備えた産業車両の車体揺動制御装置において、前記判定
値検出手段は、前記判定値として車両の横Gとヨーレー
ト変化率のうち少なくとも横Gを検出する走行判定値検
出手段を備え、前記制御手段は、前記走行判定値検出手
段により検出された判定値が設定値以上となると、前記
車軸規制機構を作動させるように設定されており、前記
故障判定手段は、前記走行判定値検出手段を構成する検
出器を故障診断対象とし、前記走行判定値検出手段は、
操舵輪の操舵角を検出する前記被診断検出器としての操
舵角検出器と、車速を検出する車速検出器と、前記操舵
角と前記車速から前記判定値として車両の横Gもしくは
ヨーレート変化率を算出する判定値演算手段とを備える
とともに、前記比較用検出器は、ハンドル角を検出する
ハンドル角検出器であって、前記故障判定手段は、前記
操舵角と前記ハンドル角との対応関係が故障時の関係に
あるときに前記操舵角検出器が故障であると判定する。
【0010】第1の目的を達成するための請求項2に記
載の発明では、車体に対して上下方向に揺動可能に支持
された車軸と、前記車軸の揺動を規制するための車軸規
制機構と、前記車軸規制機構を作動すべきか否かを判定
するための判定値を検出する判定値検出手段と、前記判
定値が予め設定された所定条件を満たしたときに、前記
車軸規制機構を作動させる制御手段と、前記判定値検出
手段を構成する検出器の少なくとも1つを被診断検出器
とし、該被診断検出器の検出値もしくは該検出値から得
られる演算値である第1比較値と対応関係にある検出値
もしくは演算値を第2比較値として得るための少なくと
も1つの比較用検出器と、前記被診断検出器から得られ
た前記第1比較値と、前記比較用検出器から得られた前
記第2比較値との対応関係を比較し、その対応関係が故
障時の関係であれば、前記被診断検出器が故障であると
判定する故障判定手段とを備えた産業車両の車体揺動制
御装置において、前記判定値検出手段は、前記判定値と
して車両の横Gとヨーレート変化率のうち少なくとも横
Gを検出する走行判定値検出手段を備え、前記制御手段
は、前記走行判定値検出手段により検出された判定値が
設定値以上となると、前記車軸規制機構を作動させるよ
うに設定されており、前記故障判定手段は、前記走行判
定値検出手段を構成する検出器を故障診断対象とし、
舵輪の操舵角を検出する操舵角検出器と、ヨーレートを
検出するヨーレート検出器が車両に備えられ、両検出器
のうち一方が走行判定値検出手段を構成する被診断検出
器であり、他方が前記比較用検出器であって、前記故障
判定手段は、車速を検出するための車速検出器と前記操
舵角検出器との各検出値から演算した推定ヨーレート
と、前記ヨーレート検出器により検出されたヨーレート
との対応関係が故障時の関係にあるときに前記被診断検
出器が故障であると判定する。
【0011】求項3に記載の発明では、請求項1又は
請求項2に記載の車体揺動制御装置において、前記被診
断検出器は、脱落故障時に正常範囲の検出値を出力する
検出器であって、前記故障判定手段は、前記比較用検出
器から得られた前記第2比較値が変化しているにも拘わ
らず、前記被診断検出器から得られた前記第1比較値が
変化していないときに、前記被診断検出器が故障である
と判定する。
【0012】第3の目的を達成するため請求項4に記載
の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載
の車体揺動制御装置において、前記比較用検出器は、前
記判定値検出手段を構成する検出器を兼ねている。
【0013】請求項5に記載の発明では、請求項1〜請
求項4のいずれか一項に記載の車体揺動制御装置におい
て、前記故障判定手段は、前記被診断検出器により検出
された検出値が正常範囲以外の値をとるときには、断線
故障又は短絡故障と判定する第2の故障判定手段を備え
ている。
【0014】第4の目的を達成するため請求項6に記載
の発明では、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載
の車体揺動制御装置において、前記被診断検出器が前記
故障判定手段により故障であると判断されたときには、
比較用検出器の検出値を用いて必要な判定値を算出する
判定値算出手段を備えている。
【0015】第1の目的を達成するため請求項7に記載
の発明では、車体に対して上下方向に揺動可能に支持さ
れた車軸と、前記車軸の揺動を規制するための車軸規制
機構と、前記車軸規制機構を作動すべきか否かを判定す
るための判定値を検出する判定値検出手段と、前記判定
値が予め設定された所定条件を満たしたときに、前記車
軸規制機構を作動させる制御手段と、前記判定値検出手
段を構成する検出器の少なくとも1つを被診断検出器と
し、該被診断検出器の検出値もしくは該検出値から得ら
れる演算値である第1比較値と対応関係にある検出値も
しくは演算値を第2比較値として得るための少なくとも
1つの比較用検出器と、前記被診断検出器から得られた
前記第1比較値と、前記比較用検出器から得られた前記
第2比較値との対応関係を比較し、その対応関係が故障
時の関係であれば、前記被診断検出器が故障であると判
定する故障判定手段とを備えた産業車両の車体揺動制御
装置において、前記被診断検出器は、脱落故障時に正常
範囲の検出値を出力する検出器であって、前記故障判定
手段は、前記比較用検出器から得られた前記第2比較値
が変化しているにも拘わらず、前記被診断検出器から得
られた前記第1比較値が変化していないときに、前記被
診断検出器が故障であると判定する。
【0016】第1及び第3の目的を達成するため請求項
8に記載の発明では、車体に対して上下方向に揺動可能
に支持された車軸と、前記車軸の揺動を規制するための
車軸規制機構と、前記車軸規制機構を作動すべきか否か
を判定するための判定値を検出する判定値検出手段と、
前記判定値が予め設定された所定条件を満たしたとき
に、前記車軸規制機構を作動させる制御手段と、前記判
定値検出手段を構成する検出器の少なくとも1つを被診
断検出器とし、該被診断検出器の検出値もしくは該検出
値から得られる演算値である第1比較値と対応関係にあ
る検出値もしくは演算値を第2比較値として得るための
少なくとも1つの比較用検出器と、前記被診断検出器か
ら得られた前記第1比較値と、前記比較用検出器から得
られた前記第2比較値との対応関係を比較し、その対応
関係が故障時の関係であれば、前記被診断検出器が故障
であると判定する故障判定手段とを備えた産業車両の車
体揺動制御装置において、前記比較用検出器は、前記判
定値検出手段を構成する検出器を兼ねている。
【0017】第1の目的を達成するため請求項9に記載
の発明では、車体に対して上下方向に揺動可能に支持さ
れた車軸と、前記車軸の揺動を規制するための車軸規制
機構と、前記車軸規制機構を作動すべきか否かを判定す
るための判定値を検出する判定値検出手段と、前記判定
値が予め設定された所定条件を満たしたときに、前記車
軸規制機構を作動させる制御手段と、前記判定値検出手
段を構成する検出器の少なくとも1つを被診断検出器と
し、該被診断検出器の検出値もしくは該検出値から得ら
れる演算値である第1比較値と対応関係にある検出値も
しくは演算値を第2比較値として得るための少なくとも
1つの比較用検出器と、前記被診断検出器から得られた
前記第1比較値と、前記比較用検出器から得られた前記
第2比較値との対応関係を比較し、その対応関係が故障
時の関係であれば、前記被診断検出器が故障であると判
定する故障判定手段とを備えた産業車両の車体揺動制御
装置において、前記故障判定手段は、前記被診断検出器
により検出された検出値が正常範囲以外の値をとるとき
には、断線故障又は短絡故障と判定する第2の故障判定
手段を備えている。
【0018】
【0019】(作用) 従って、請求項1に記載の発明によれば、判定値検出手
段により検出された判定値が所定条件を満たすと、制御
手段が車軸規制機構を作動し、車軸の揺動が規制され
る。判定値検出手段を構成する少なくとも1つの被診断
検出器の検出値もしくはその検出値から得られる演算値
である第1比較値と、少なくとも1個の比較用検出器に
より検出された検出値もしくはその検出値から得られた
演算値である第2比較値との対応関係が比較され、その
対応関係が故障時の関係であると、故障判定手段により
被診断検出器が故障であると判定される。また、判定値
検出手段においては、該判定値検出手段に備えられた走
行判定値検出手段により車両の横Gとヨーレート変化率
のうち少なくとも横Gが検出され、走行判定値検出手段
により検出された判定値が設定値以上になると、制御手
段により、車軸規制機構が作動されて車軸の揺動が規制
される。走行判定値検出手段を構成する検出器の故障診
断が故障判定手段により行われる。また、走行判定値検
出手段においては、該走行判定値検出手段を構成する操
舵角検出器により操舵輪の操舵角が検出され、車速検出
器により車速が検出される。そして、判定値演算手段に
より、操舵角と車速を用いて車両の横Gもしくはヨーレ
ート変化率が算出される。被診断検出器である操舵角検
出器の故障は、その検出値である操舵角と、比較用検出
器であるハンドル角検出器により検出されたハンドル角
との対応関係を比較し、その対応関係が故障時の関係と
なると、故障判定手段により操舵角検出器が故障である
と判定される。
【0020】請求項2に記載の発明によれば、判定値検
出手段により検出された判定値が所定条件を満たすと、
制御手段が車軸規制機構を作動し、車軸の揺動が規制さ
れる。判定値検出手段を構成する少なくとも1つの被診
断検出器の検出値もしくはその検出値から得られる演算
値である第1比較値と、少なくとも1個の比較用検出器
により検出された検出値もしくはその検出値から得られ
た演算値である第2比較値との対応関係が比較され、そ
の対応関係が故障時の関係であると、故障判定手段によ
り被診断検出器が故障であると判定される。また、判定
値検出手段においては、該判定値検出手段に備えられた
走行判定値検出手段により車両の横Gとヨーレート変化
率のうち少なくとも横Gが検出され、走行判定値検出手
段により検出された判定値が設定値以上になると、制御
手段により、車軸規制機構が作動されて車軸の揺動が規
制される。走行判定値検出手段を構成する検出器の故障
診断が故障判定手段により行われる。さらに、車速検出
器と操舵角検出器との各検出値から演算した推定ヨーレ
ートと、ヨーレート検出器により検出されたヨーレート
との対応関係が故障時の関係にあるときに、故障判定手
段により、操舵角検出器とヨーレート検出器のうち一方
の被診断検出器が故障であると判定される。
【0021】請求項3に記載の発明によれば、比較用検
出器から得られた第2比較値が変化しているにも拘わら
ず、被診断検出器から得られた第1比較値に変化がない
ときに、故障判定手段により、被診断検出器が脱落故障
であると判定される。
【0022】請求項4に記載の発明によれば、判定値検
出手段を構成する検出器が、比較用検出器を兼ねている
ので、比較用検出器を別個設けなくてよい。
【0023】請求項5に記載の発明によれば、被診断検
出器により検出された検出値が正常範囲以外の値をとる
ときには、故障判定手段に備えられた第2の故障判定手
段により、被診断検出器が断線故障又は短絡故障と判定
される。
【0024】請求項6に記載の発明によれば、被診断検
出器が故障判定手段により故障であると判断されたとき
には、判定値算出手段により、比較用検出器の検出値を
用いて必要な判定値が算出される。そのため、被診断検
出器が故障しても、正常時と同様に車軸の揺動の規制制
御が行われる。
【0025】請求項7に記載の発明によれば、判定値検
出手段により検出された判定値が所定条件を満たすと、
制御手段が車軸規制機構を作動し、車軸の揺動が規制さ
れる。判定値検出手段を構成する少なくとも1つの被診
断検出器の検出値もしくはその検出値から得られる演算
値である第1比較値と、少なくとも1個の比較用検出器
により検出された検出値もしくはその検出値から得られ
た演算値である第2比較値との対応関係が比較され、
較用検出器から得られた第2比較値が変化しているにも
拘わらず、被診断検出器から得られた第1比較値に変化
がないときに、故障判定手段により、被診断検出器が脱
落故障であると判定される。
【0026】請求項8に記載の発明によれば、判定値検
出手段により検出された判定値が所定条件を満たすと、
制御手段が車軸規制機構を作動し、車軸の揺動が規制さ
れる。判定値検出手段を構成する少なくとも1つの被診
断検出器の検出値もしくはその検出値から得られる演算
値である第1比較値と、少なくとも1個の比較用検出器
により検出された検出値もしくはその検出値から得られ
た演算値である第2比較値との対応関係が比較され、そ
の対応関係が故障時の関係であると、故障判定手段によ
り被診断検出器が故障であると判定される。また、判定
値検出手段を構成する検出器が、比較用検出器を兼ねて
いるので、比較用検出器を別個設けなくてよい。請求項
9に記載の発明によれば、判定値検出手段により検出さ
れた判定値が所定条件を満たすと、制御手段が車軸規制
機構を作動し、車軸の揺動が規制される。判定値検出手
段を構成する少なくとも1つの被診断検出器の検出値も
しくはその検出値から得られる演算値である第1比較値
と、少なくとも1個の比較用検出器により検出された検
出値もしくはその検出値から得られた演算値である第2
比較値との対応関係が比較され、その対応関係が故障時
の関係であると、故障判定手段により被診断検出器が故
障であると判定される。さらに、被診断検出器により検
出された検出値が正常範囲以外の値をとるときには、故
障判定手段に備えられた第2の故障判定手段により、被
診断検出器が断線故障又は短絡故障と判定される。
【0027】
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、本発明を具体化した第1実施形
態を図1〜図10に従って説明する。
【0029】図1,図3に示す本実施形態における産業
車両としてのフォークリフト1は、前輪駆動・後輪操舵
の四輪車である。図3に示すように、フォークリフト1
の機台前部に立設された左右一対のアウタマスト2間に
はインナマスト3が昇降可能に配設されており、このイ
ンナマスト3にフォーク4がチェーン(図示せず)を介
して昇降可能に吊下されている。アウタマスト2は車体
としての車体フレーム1aに対してティルトシリンダ5
を介して連結されており、ティルトシリンダ5のピスト
ンロッド5aが伸縮駆動されることにより傾動するよう
になっている。アウタマスト2の裏面に配設されたリフ
トシリンダ6のピストンロッド6aがインナマスト3の
上端部に連結されており、リフトシリンダ6のピストン
ロッド6aが伸縮駆動されることにより、フォーク4が
昇降するようになっている。左右の前輪7はデフリング
ギア8(図1に示す)及び変速機(図示せず)を介して
エンジン9(図3に示す)の動力によって駆動されるよ
うになっている。
【0030】図1,図2に示すように、車体フレーム1
aの後下部には、車軸としてのリアアクスル10が車幅
方向へ延びた状態でセンタピン10aを中心に上下方向
に揺動(回動)可能に支持されている。操舵輪としての
左右の後輪11は、リアアクスル10に配設されたステ
アリングシリンダ(図示せず)の左右一対のピストンロ
ッドの各先端にてリンク機構(図示せず)を介して操向
可能に連結されることにより、リアアクスル10と一体
揺動可能に支持されている。左右の後輪11はハンドル
12の操作に基づいてステアリングシリンダが駆動され
ることにより操舵される。
【0031】車体フレーム1aとリアアクスル10との
間には、1個の油圧式ダンパ(以下、単に「ダンパ」と
いう。)13が両者を連結する状態で配設されている。
このダンパ13は複動式の油圧シリンダであり、車体フ
レーム1a側にダンパ13のシリンダ13aが連結さ
れ、シリンダ13a内に収容されたピストン13bから
延出するピストンロッド13cの先端がリアアクスル1
0側に連結されている。
【0032】ダンパ13は、ピストン13bにて区画さ
れた第1室R1と第2室R2との各々に連通状態に接続
された第1管路P1と第2管路P2を介して切換弁とし
ての電磁切換弁14に接続されている。電磁切換弁14
は、消磁時に閉弁するノーマルクローズタイプの2ポー
ト2位置切換弁であり、そのスプールには止弁部15と
流弁部16とが形成されている。第2管路P2には第3
管路P3を介し、作動油を貯溜するアキュムレータ17
がチェック弁18を介して接続されている。
【0033】電磁切換弁14のスプールがボディに対し
て図2に示す遮断位置に配置されることにより、ダンパ
13は両室R1,R2における作動油の流出・流入が不
能なロック状態となり、リアアクスル10の揺動がロッ
クされる。一方、電磁切換弁14のスプールがボディに
対して連通位置(図2の状態からスプール位置が反対側
に切換えられた状態)に配置されることにより、ダンパ
13は両室R1,R2間における作動油の流出・流入が
可能なフリー状態となり、リアアクスル10の揺動が許
容されるようになっている。また、第2管路P2の経路
上には絞り弁19が設けられている。尚、ダンパ13及
び電磁切換弁14等にて車軸規制機構が構成されてい
る。
【0034】図1,図2に示すように、後輪11を回動
可能に支持するキングピン20の片側には、キングピン
20の回転量を検出して後輪11の操舵角(タイヤ角)
θを検出する判定値検出手段及び走行判定値検出手段を
構成するとともに操舵角検出器としてのタイヤ角センサ
21が設けられている。タイヤ角センサ21は例えばポ
テンショメータからなる。また、図1に示すように、デ
フリングギヤ8にはその回転を検出することによりフォ
ークリフト1の車速Vを検出する判定値検出手段及び走
行判定値検出手段を構成するとともに車速検出器として
の車速センサ22が設けられている。
【0035】また、ハンドル12を支持するステアリン
グシャフト12aには、ハンドル角Hを検出するための
ロータリエンコーダ23が設けられている。ロータリエ
ンコーダ23は、ステアリングシャフト12aに一体回
転可能に設けられた円盤24と、円盤24の周方向に等
間隔に多数形成されたスリット24aを通り抜ける光を
検出可能に配設された複数組のフォトカプラを備えた比
較用検出器及びハンドル角検出器としてのハンドル角セ
ンサ25とからなる。ハンドル角センサ25はフォトカ
プラを構成するフォトトランジスタが検出したハンドル
回転に応じたデジタル信号hを出力する。このロータリ
エンコーダ23は、他の制御(例えばハンドル12と後
輪11との舵角のずれを補正するノブ位置制御)のため
に設けられたものであり、本実施形態ではロータリエン
コーダ23を後述する故障診断にも利用している。
【0036】また、図1,図3に示すように、アウタマ
スト2には判定値としての揚高を検出する判定値検出手
段としての揚高センサ26が設けられている。揚高セン
サ26は例えばリミットスイッチからなり、アウタマス
ト2の所定高さに取付けられている。揚高センサ26は
フォーク4の揚高が設定値Do 以上でオンし、設定値D
o 未満でオフするように設定されている。本実施形態で
は設定値Do を最大揚高Dmax の2分の1の高さに設定
している。また、リフトシリンダ6にはそのシリンダ内
部の油圧を検出するための判定値検出手段としての圧力
センサ27が設けられている。圧力センサ27は判定値
としてのフォーク4の積載荷重に応じた検出値wを出力
する。図1に示すように、制御手段としてのコントロー
ラ28には、電磁切換弁14に備えられたソレノイド1
4a及び各センサ21,22,25〜27が電気的に接
続されている。
【0037】次に、フォークリフト1の電気的構成を図
4に基づいて説明する。コントローラ28には、マイク
ロコンピュータ29、AD変換回路30〜32及び励消
磁駆動回路33等が内蔵されている。マイクロコンピュ
ータ29は、判定値検出手段及び走行判定値検出手段を
構成するとともに故障判定手段、判定値演算手段、第2
の故障判定手段及び判定値算出手段としてのCPU(中
央演算処理装置)34、ROM(読出専用メモリ)3
5、RAM(読出書込可能メモリ)36、クロック回路
37、操舵カウンタ38、エラーカウンタ39,40、
入力インタフェイス41及び出力インタフェイス42を
備える。
【0038】CPU34には、各センサ21,22,2
7からの各検出値θ,V,wが各AD変換回路30〜3
2を介して入力されるとともに、ハンドル角センサ25
からのデジタル信号hと、揚高センサ26からのオン・
オフ信号とが入力されるようになっている。また、ソレ
ノイド14aはCPU34が励消磁駆動回路33に対し
て出力する制御指令信号に基づき励磁・消磁される。す
なわち、電磁切換弁14はCPU34からロック解除信
号が出力されたときに励磁されてそのスプールが連通位
置に配置され、CPU34からロック解除信号が出力さ
れないときに消磁されてそのスプールが遮断位置に配置
される。
【0039】ROM35には、図8にフローチャートで
示すスウィング制御処理のプログラムデータや、図9,
図10に示すセンサ故障診断処理プログラムデータをは
じめとする各種プログラムデータが記憶されている。こ
こで、スウィング制御とは、車両の走行状態や荷役状態
等を検出した検出結果から走行不安定となり易い所定時
期に、リアアクスル10をロックさせて車体の左右方向
の揺動を小さく抑える制御である。本実施形態では、判
定値として車両に働く横G(旋回時に機台横方向に働く
遠心加速度)Gc と、車体のヨーレート(旋回時の角速
度)ωの時間に対する変化率(ヨーレート変化率)Yと
を経時的に検出し、所定条件として各値Gc ,Yがいず
れか一方でも各々の設定値go ,yo 以上になるとリア
アクスル10がロックされるように設定されている。
【0040】但し、所定条件として重い荷を積載してフ
ォーク4を高く持ち上げた重荷重(荷重w≧wo )かつ
高揚高(揚高D≧Do )のときには、車両重心が高く相
対的に不安定なので、常にリアアクスル10をロックさ
せるようにしている。各設定値go ,yo は、走行実験
もしくは理論計算から得られた値であり、走行安定性を
図り得る必要な時期にリアアクスル10がロックされる
ように設定されたものである。
【0041】クロック回路37はCPU34にクロック
信号を出力する。CPU34はクロック信号に基づき所
定時間(例えば数10ミリ秒)毎にスウィング制御処
理,センサ故障診断処理を実行する。センサ故障診断処
理はスウィング制御処理が所定回数実行される毎に実行
される。
【0042】操舵カウンタ38は、ハンドル角に応じた
カウント値Hをカウントするためのものである。カウン
ト値Hは、CPU34がハンドル角センサ25から入力
した位相の1/4波長ずれた2種類のデジタル信号hに
よりハンドル旋回方向を検出し、ハンドル旋回方向が左
方向のときにデジタル信号hのエッジを検出する度にデ
クリメントされ、ハンドル旋回方向が右方向のときにデ
ジタル信号hのエッジを検出する度にインクリメントさ
れる。
【0043】2つのエラーカウンタ39,40は、セン
サ故障診断(図9,図10を参照)に使用されるもので
ある。エラーカウンタ39,40の各カウント値CK1,
CK2は、タイヤ角センサ21の故障を判定するために予
め設定された故障条件が成立する度に、「10」を最大
値とする範囲内でインクリメントされ、故障条件が不成
立の度に「0」を最小値とする範囲内でデクリメントさ
れる。但し、カウント値の最大値・最小値はこれに限定
されず、他の値をとってもよい。
【0044】図5は、タイヤ角センサ21の検出値(検
出電圧)θを示す。タイヤ角センサ21が正常である時
の入力値θはθmin ≦θ≦θmax の範囲をとる。そのた
め、入力値θがθ<θmin の範囲内の値であるときを、
タイヤ角センサ21の断線故障と判定し、入力値θがθ
>θmax の範囲内の値であるときを、タイヤ角センサ2
1の短絡故障と判定するように故障条件を設定してい
る。ここで「E」は電源電圧である。
【0045】また、タイヤ角センサ21がキングピン2
0の回転が入力されない状態にキングピン20から脱落
した脱落故障を、ハンドル12が操作されているにも拘
わらず、タイヤ角θが変化しないことにより判定するよ
うにしている。本実施形態では、過去複数回分のタイヤ
角データθ,ハンドル角データHをRAM36に保存す
るようにしており、ハンドル角速度ΔH(=|H−H1
|)が正であるにも拘わらず、タイヤ角速度Δθ(=|
θ−θ1|)が「0」のときを脱落故障条件(ΔH>0
かつΔθ=0)としている(但し、θ1,H1はそれぞ
れ所定時間前のデータ)。
【0046】本実施形態では、タイヤ角θと車速Vの2
つの検出値を用いて演算により横G(Gc )及びヨーレ
ート変化率Yを推定している。ROM35には、タイヤ
角θから車両の旋回半径の逆数値1/rを求めるための
マップが記憶されている。横Gの推定値Gc は、タイヤ
角θから決まる旋回半径の逆数値1/rを用い、次の
(1)式により与えられる。
【0047】Gc =V2 /r …(1) また、ヨーレート変化率Yは、次の(2)式により与え
られる。 =V・Δ(1/r)/ΔT …(2) ここで、Δ(1/r)は、旋回半径の逆数値1/rの所
定時間ΔT(例えば数10ミリ秒)当たりの差分であ
る。本実施形態ではRAM36に過去複数回分のタイヤ
角データθを保存しており、所定時間ΔT前のタイヤ角
データθ1から決まる旋回半径の逆数値1/r1を用
い、差分Δ(1/r)(=|1/r−1/r1|)を算
出する。尚、旋回半径の逆数値1/rは、タイヤ角θが
左切角のときに負の値、右切角のときに正の値をとる。
【0048】ところで、ヨーレートωはω=V/rで表
されるので、ヨーレート変化率Y(=Δω/ΔT)はこ
の式の時間微分に相当し、次式で表される。 =V・Δ(1/r)/ΔT+ΔV/ΔT・(1/r) …(3) この(3)式のうち後項は、フォークリフト1の旋回中
における車速Vをほぼ一定と見なせば無視できる(ΔV
/ΔT≒0)ので、本実施形態では、この後項を無視し
て近似した前記(2)式をYを推定する演算式として採
用している。
【0049】また、本実施形態では、リアアクスル10
が一旦ロックされた後は、このロックの基礎となった判
定値がロック時の設定値を所定値以上下回って始めてロ
ックを解除するようにしており、各検出値w,D,Y
たまたま設定値wo ,Do,yo 付近の値を取ることに
よりロック・ロック解除が頻繁に切り換わることを防止
する対策を施している。尚、図8のフローチャートにお
いて、S10,S40,S50が判定値検出手段、走行
判定値検出手段及び横G検出手段を構成し、S10,S
40,S60が判定値検出手段及び走行判定値検出手段
を構成する。S50及びS60がそれぞれ判定値演算手
段を構成している。S20,S30が検出値設定手段を
構成している。S70〜S100が制御手段を構成して
いる。また、図9,図10のフローチャートにおいて、
S210〜S280が故障判定手段及び第2の故障判定
手段を構成し、S310〜S400が故障判定手段を構
成している。
【0050】次に、フォークリフト1のスウィング制御
及びセンサ故障診断処理について図8〜図10のフロー
チャートに従って説明する。イグニションキーのオン中
は、CPU34に各センサ21,22,25〜27から
の検出信号θ,V,h,w等が入力される。CPU34
は所定時間(例えば数10ミリ秒)毎にスウィング制御
処理を実行するとともに、スウィング制御処理が所定回
数実行される度にセンサ故障診断処理を実行する。ま
た、操舵カウンタ38ではハンドル角に応じたカウント
値Hがカウントされる。
【0051】まず、センサ故障診断処理を説明する。始
めに図9に示す断線・短絡故障診断処理について説明す
る。CPU34は、まずステップ210において、タイ
ヤ角θを読み込む。ステップ220では、θ<θmin ま
たはθ>θmax の断線・短絡故障条件が成立するか否か
を判断する。タイヤ角センサ21が正常であってタイヤ
角θがθmin <θ<θmax の範囲にあるときには、ステ
ップ230に進み、エラーカウンタ39のカウント値C
K1を「0」以上の範囲でデクリメントする。そのため、
タイヤ角センサ21が正常であるときにはエラーカウン
タ39のカウント値CK1がほぼ常に「0」となる。そし
て、ステップ240において、エラーカウント値CK1=
0であるか否かを判断し、CK1=0であれば、ステップ
250において故障フラグFをクリアする。
【0052】一方、タイヤ角センサ21が断線故障した
ときにはタイヤ角θがθ<θmin の値をとり、タイヤ角
センサ21が短絡故障したときにはタイヤ角θがθ>θ
maxの値をとる。ステップ230において、θ<θmin
またはθ>θmax が成立したときには、ステップ260
に進み、エラーカウンタ39のカウント値CK1を「1
0」以下の範囲でインクリメントする。カウント値CK1
が「10」未満であれば、故障フラグFを変更すること
なく当該処理を終了し、カウント値CK1が「10」であ
れば、ステップ280において、故障フラグFに「1」
をセットする。
【0053】例えばエンジン始動時など検出電圧θが一
時的に不安定となってたまたまθ<θmin またはθ>θ
max の故障条件が成立しても、極く短時間の一時的なも
のなのでカウント値CK1が「10」に達することがな
く、故障フラグFはセットされない。これに対し、タイ
ヤ角センサ21が断線または短絡故障した時は、カウン
ト値CK1が「10」を維持し、故障フラグFがセット状
態に保持される。
【0054】次に、図10に示す脱落故障診断処理につ
いて説明する。CPU34は、まずステップ310にお
いて、タイヤ角θ,θ1、ハンドル角H,H1を読み込
む。ステップ320では、タイヤ角速度Δθ=|θ−θ
1|を算出する。ステップ330では、ハンドル角速度
ΔH=|H−H1|を算出する。
【0055】ステップ340では、タイヤ角速度Δθ=
0かつハンドル角速度ΔH>0の脱落故障条件が成立す
るか否かを判断する。タイヤ角センサ21が正常である
ときには、ハンドル角速度ΔH>0のときには必ずタイ
ヤ角速度Δθ>0となるので、脱落故障条件は成立せ
ず、この場合はステップ350に進み、エラーカウンタ
40のカウント値CK2を「0」以上の範囲でデクリメン
トする。
【0056】そのため、タイヤ角センサ21が正常であ
るときにはエラーカウンタ40のカウント値CK2がほぼ
常に「0」となる。そして、ステップ360において、
エラーカウント値CK2=0であるか否かを判断し、CK2
=0であれば、ステップ370において故障フラグFを
クリアする。
【0057】一方、タイヤ角センサ21が脱落故障した
ときには、ハンドル操作されて後輪11が操舵されて
も、その入力軸にキングピン20の回転が伝わらないた
め、タイヤ角センサ21からの入力値θが一定となる。
この場合、ステップ340において、ΔH>0かつΔθ
=0の脱落故障条件が成立するため、ステップ380に
進み、エラーカウンタ40のカウント値CK2を「10」
以下の範囲でインクリメントする。次のステップ390
において、カウント値CK2が「10」未満であれば、故
障フラグFを変更することなく当該処理を終了し、カウ
ント値CK2が「10」であれば、ステップ400に進ん
で、故障フラグFに「1」をセットする。
【0058】例えばハンドル操作に対する後輪11の動
作遅れ等が原因で、仮にタイヤ角センサ21が正常なと
きにΔH>0かつΔθ=0の故障条件が成立しても、極
く短時間の一時的なものでカウント値CK2が「10」に
達することはまずないため、故障フラグFは「0」のま
まとなる。これに対し、タイヤ角センサ21がキングピ
ン20から脱落した脱落故障時には、カウント値CK2が
「10」に達してそのまま維持されるため、故障フラグ
Fがセット状態に保持される。
【0059】次に、スウィング制御処理について図8に
従って説明する。リアアクスル10をロックさせる必要
がある後述する特定の場合を除き、CPU34はリアア
クスル10をフリー状態に保持しておくためのロック解
除指令を行っており、このときCPU34からはロック
解除信号が出力されている。圧力センサ27からの入力
値wが設定値wo 以上のときに、揚高センサ26がオン
すると、CPU34からロック解除信号が出力されなく
なり、電磁切換弁14が遮断位置に切換えられ、ダンパ
13の伸縮がロックされる。つまり、荷重wo 以上の荷
を積載したフォーク4を設定値Do 以上の高さに上昇さ
せて重心が高くなったときには、常にリアクスル10が
ロックされる。そのため、重荷重かつ高揚高で車両重心
が高いときの走行安定性が確保される。
【0060】そして、w≧wo かつD≧Do の条件が成
立するときを除いて、図8に示す処理を実行する。CP
U34は、まずステップ10において、タイヤ角θ,車
速Vを読み込む。ステップ20では、故障フラグF=1
であるか否かを判断する。タイヤ角センサ21が正常で
あって故障フラグF=0のときには、ステップ40に移
行する。一方、タイヤ角センサ21が断線・短絡故障も
しくは脱落故障した状態にあって故障フラグF=1のと
きには、ステップ30に進み、タイヤ角θを最大タイヤ
角θmax に置き換える。
【0061】ステップ40では、タイヤ角θからROM
35に記憶されたマップを用いて旋回半径の逆数値1/
rを求める。ステップ50では、車速値Vと旋回半径の
逆数値1/rとを用いて(1)式より、横Gの推定値G
c を演算する。次にステップ60では、ヨーレート変化
率Yを演算する。すなわち、RAM36の所定記憶領域
から所定時間ΔT前のタイヤ角データθ1を読出し、こ
のθ1値に対応する旋回半径の逆数値1/r1を求め、
(2)式によりYを演算する。
【0062】ステップ70では、ヨーレート変化率Y
設定値yo 以上であるか否かを判断する。Y≧yo であ
れば、ステップ90に進んでロック指令を行う。すなわ
ち、電磁切換弁14のスプールを遮断位置に配置すべく
ロック解除信号の出力を行わない。Y<yo であれば、
ステップ80に進む。
【0063】ステップ80では、横Gの推定値Gc が設
定値go 以上であるか否かを判断する。Gc ≧go であ
れば、ステップ90に進んでロック指令を行う。すなわ
ち、電磁切換弁14のスプールを遮断位置に配置すべく
ロック解除信号の出力を行わない。一方、Gc <go で
あれば、ステップ100に進んでロック解除指令を行
う。すなわち、電磁切換弁14のスプールを連通位置に
配置すべくロック解除信号を出力する。
【0064】その結果、ヨーレート変化率Yと横G(G
c )のうちいずれか一方でも各々の設定値yo ,go 以
上になると、電磁切換弁14が遮断位置に切換えられて
リアアクスル10がロックされる。ここで、故障フラグ
Fがセットされているときには、ステップ30におい
て、タイヤ角θを最も過酷な最大タイヤ角θmax と見な
して、このθmax 値に基づく旋回半径の逆数値1/rmi
n (但し、rmin は最小旋回半径)がステップ40で求
められる。その結果、次のS50において、タイヤ角θ
を最大タイヤ角θmaxと見なしたときの横Gの推定値Gc
がその時の車速Vに応じてGc =V2 /rmin と算出
される。そして、ステップ80において、Gc ≧go が
成立したときには常にリアアクスル10がロックされる
が、Gc <go が成立したときには、タイヤ角センサ2
1が故障であってもリアアクスル10はロックされな
い。尚、タイヤ角センサ21の故障時には、旋回半径r
=rmin (一定)となって差分Δ(1/r)=0となる
ため、ステップ60において算出されるヨーレート変化
率Yは常に「0」となり、ステップ70からステップ8
0へと進む。
【0065】図6は、ロック条件が成立するための旋回
半径rと車速Vの関係を示すグラフである。タイヤ角セ
ンサ21が故障した時には、旋回半径rが最小旋回半径
rmin と見なされるが、車速Vが車速Vo =√(go ・
rmin )未満となる低速走行時には、Gc <go が成立
してリアアクスル10がロックされない。つまり、タイ
ヤ角センサ21の故障時であっても、低速走行(V<V
o )時には、リアアクスル10が揺動可能なフリー状態
となる。そのため、例えばフォークリフト1が後輪11
に車重がかかった状態で起伏のある路面を走行していて
も、その走行速度が低速(V<Vo )であれば、フリー
状態であるリアアクスル10が揺動して駆動輪である前
輪7が二輪とも路面にしっかり接地することになるの
で、スリップすることがない。
【0066】図7は、旋回時における横G(Gc )とヨ
ーレート変化率Yの変化を示すグラフである。例えば走
行中に直進から左旋回したときには、まずヨーレート変
率Yが設定値yo を越えることで早めにリアアクスル
10がロックされる。そして、タイヤ角θが一定切角に
落ちついてきてヨーレート変化率Yが設定値yo 未満と
なるが、この時点までに横G(Gc )が設定値go 以上
に達しているので、フォークリフトの旋回中において、
リアアクスル10はロック状態に保持される。
【0067】また、左旋回から右旋回へハンドル12を
切返すときには、横Gの向きが右から左に切り換わる際
に、横Gが一時的に設定値go 未満となる区間ができ
る。しかし、この区間ではヨーレート変化率Yが設定値
yo 以上となるため、切返し中もリアアクスル10はロ
ック状態に保持される。
【0068】以上詳述したように本実施形態によれば、
以下の効果が得られる。 (a)タイヤ角センサ21の故障診断をするに当たり、
タイヤ角θと同期して変化するハンドル角Hを検出可能
なハンドル角センサ25を使用し、ハンドル角速度ΔH
とタイヤ角速度Δθとの対応関係が故障時の関係(ΔH
>0かつΔθ=0)であるか否かの判断を故障診断方法
に採用したので、タイヤ角センサ21の脱落故障を発見
することができる。
【0069】(b)タイヤ角センサ21からの検出電圧
θを監視し、その入力電圧θがタイヤ角センサ21の正
常時の検出範囲外であるか否かを判断するようにしたの
で、タイヤ角センサ21の断線・短絡故障を発見するこ
とができる。
【0070】(c)タイヤ角センサ21の故障時には、
タイヤ角θを最大タイヤ角θmax と見なしてその時の車
速Vに対して最も過酷と考えられる横Gの推定値Gc を
採用し、このGc 値が設定値go 未満となる低速走行時
(V<Vo )にはリアアクスル10がロックされないよ
うにしたので、タイヤ角センサ21が故障したときであ
っても、フォークリフト1を低速走行させる限りにおい
てはスリップの発生を極力抑えることができる。従っ
て、横Gの算出用のセンサが故障したときに後輪の車軸
が強制的にロックされたために駆動輪である前輪の片側
が浮き上がって起こるスリップを防止できる。
【0071】(d)ヨーレート変化率Yが設定値yo 以
上となったときにもリアアクスル10をロックする構成
であるので、ハンドル12の旋回開始後速やかにリアア
クスル10をロックできるとともに、ハンドル12の切
返し途中でリアアクスル10のロックが解除されて走行
不安定になることを防止できる。
【0072】(e)ヨーレート変化率Yを演算するに当
たり、機台の振動等に影響され難いタイヤ角センサ21
の検出値θから求めた1/r値を差分(微分)する方法
を採ったので、差分(微分)処理によるノイズの増幅の
心配がなく、信頼性の高い推定値Yを得ることができ
る。
【0073】(f)フォークリフト1に元々他の制御等
のために備えられたハンドル角センサ25をスウィング
制御用のセンサの故障診断に利用しているので、センサ
類の共用により装置コストを低く抑えることができる。
【0074】(第2実施形態)以下、本発明を具体化し
た第2実施形態を図11,図12に従って説明する。本
実施形態ではハンドル角センサ25に代え、ヨーレート
ジャイロスコープを比較用検出器として採用している。
【0075】図11に示すように、コントローラ28に
はハンドル角センサ25に代えて、ヨーレート検出器と
してのヨーレートジャイロスコープ(以下、ヨーレート
ジャイロという)45が接続されている。ヨーレートジ
ャイロ45は、図12に示すように車体フレーム1aの
後部上面に取付けられている。
【0076】図9,図10のセンサ故障診断処理では、
タイヤ角速度Δθとハンドル角速度ΔHとを脱落故障診
断のための2つの比較値としたが、本実施形態では、C
PU34が2通りの方法で得たヨーレートの単位時間当
たりの偏差(ヨーレート変化率)を脱落故障診断のため
の2つの比較値として採用する。
【0077】ヨーレートを得る方法は、まず1つが、ヨ
ーレートジャイロ45の検出値として、CPU34にA
D変換回路46を介して入力される車両のヨーレートω
s である。もう1つが、タイヤ角センサ21と車速セン
サ22の各検出値を用いて演算により推定したヨーレー
ト(推定ヨーレートという)ωc である。推定ヨーレー
トωc は、ωc =V/rで求められる。ここで、Vは車
速,rはタイヤ角θから決まる旋回半径である。
【0078】センサ故障診断処理(脱落故障診断)で
は、CPU34は、ωc が一定のときに(単位時間当た
りのωc の偏差Δωc =0(Δωc は第1実施形態の
(2)式で算出されるYに同じ))、検出ヨーレートω
s が変化すれば(単位時間当たりのωs の偏差Δωs >
0)、エラーカウンタ40をインクリメントする。そし
て、そのカウント値が予め設定された「10」に達する
と、タイヤ角センサ21が脱落故障であると判定し、故
障フラグFをセットする。なお、断線・短絡故障診断
は、θ<θmin またはθ>θmax により判定する。ま
た、故障フラグFがセットされているときには、第1実
施形態と同様にタイヤ角θを最も過酷なθmaxとして取
り扱う。脱落故障の診断には、車速センサ22の脱落故
障の場合もある。
【0079】この実施形態のように、ヨーレートジャイ
ロ45を比較用検出器として採用しても、タイヤ角セン
サ21の脱落故障を発見することができる。また、車速
センサ22の故障も併せて発見できる。
【0080】なお、2つの比較値は、ヨーレートωs ,
ωc を直接比較することに限定されず、2つのヨーレー
トωs ,ωc を間接的に比較することになる他の比較値
を比較して行ってよいことはいうまでもない。例えば旋
回半径の逆数1/rとωs /Vとを比較してもよい。さ
らに、センサ故障診断においては、ヨーレートの変化Δ
ωs ,Δωc を見る時間(単位時間)が十分短いので、
その時間内において車速Vを一定とみなしてもよい。つ
まり、1/r値が一定(Δ(1/r)=0)のときに、
検出したヨーレートωs が変化すれば(Δωs >0)、
タイヤ角センサ21の脱落故障と診断する。この構成で
は、Δωc を求める演算を不要にでき、CPU34の負
担を軽減できる。
【0081】(第3実施形態)以下、本発明を具体化し
た第3実施形態を図13,図14に従って説明する。本
実施形態では、ヨーレートジャイロ45に代え、加速度
センサを比較用検出器として採用している。
【0082】図13に示すように、コントローラ28に
は加速度検出器としての加速度センサ50が接続されて
いる。加速度センサ50は、図14に示すように車体フ
レーム1aの前部中央に横Gを検出可能な状態で取付け
られている。
【0083】本実施形態のセンサ故障診断処理では、C
PU34が2通りの方法で得た横Gの単位時間当たりの
偏差(横G変化率)を脱落故障診断のための2つの比較
値として採用する。横Gを得る方法は、まず1つが、加
速度センサ50の検出値として、CPU34にAD変換
回路51を介して入力される車両の横Gである入力値G
s である。もう1つが、タイヤ角センサ21と車速セン
サ22の各検出値を用いて演算により推定した横G(推
定横Gという)Gc である。推定横G値Gc は、Gc =
2 /r(第1実施形態における(1)式)により求め
られる。
【0084】センサ故障診断処理(脱落故障診断)で
は、CPU34は、推定横Gである算出値Gc が一定の
ときに(単位時間当たりのGc の偏差ΔGc =0)、横
Gの検出値Gs が変化すれば(単位時間当たりのGs の
偏差ΔGs >0)、エラーカウンタ40をインクリメン
トする。そして、そのカウント値が予め設定された「1
0」に達すると、タイヤ角センサ21が脱落故障である
と判定し、故障フラグFをセットする。なお、断線・短
絡故障診断は、θ<θmin またはθ>θmax により判定
する。また、故障フラグFがセットされているときに
は、第1実施形態と同様にタイヤ角θを最も過酷なθma
x として取り扱う。
【0085】この実施形態のように、加速度センサ50
を比較用検出器として採用しても、タイヤ角センサ21
の脱落故障を発見することができる。また、車速センサ
22の故障も併せて発見できる。
【0086】なお、2つの比較値は、横Gの値Gs ,G
c を直接比較することに限定されず、2つの値Gs ,G
c を間接的に比較してよいことはいうまでもない。例え
ば旋回半径の逆数1/rとGs /V2 とを比較してもよ
い。さらに、センサ故障診断においては、横Gの変化Δ
Gs ,ΔGc を見る時間(単位時間)が十分短いので、
その時間内において車速Vを一定とみなし、1/r値が
一定(Δ(1/r)=0)のときに、横Gの検出値Gs
が変化すれば(ΔGs >0)、タイヤ角センサ21の脱
落故障と診断することもできる。この構成では、ΔGc
値を求める演算を不要にでき、CPU34の負担を軽減
できる。
【0087】(第4実施形態)以下、本発明を具体化し
た第4実施形態を図15,図16に従って説明する。本
実施形態では、左右のキングピン20の両方にタイヤ角
センサを取付け、一方を被診断用検出器、もう一方を比
較用検出器として採用している。
【0088】図15に示すように、コントローラ28に
は操舵角検出器としてのタイヤ角センサ21,55が接
続されている。タイヤ角センサ21,55は、図16に
示すように左右のキングピン20にその回転を検出可能
な状態でそれぞれ取付けられている。一方のタイヤ角セ
ンサ21(同図における右側)は、横G(Gc )とヨー
レート変化率Yを求めるために使用されるものであり、
故障診断の対象とされる被診断検出器を構成する。これ
に対し、同図における左側のタイヤ角センサ55は、タ
イヤ角センサ21の故障診断のために使用される比較用
検出器を構成する。
【0089】本実施形態のセンサ故障診断処理では、C
PU34が左右のタイヤ角センサ21,55により検出
される各タイヤ角θR ,θL の単位時間当たりの偏差
(タイヤ角速度)を、脱落故障診断のための2つの比較
値として採用する。なお、タイヤ角θL はAD変換回路
56を介してCPU34に入力される。
【0090】センサ故障診断処理(脱落故障診断)で
は、CPU34は、タイヤ角θR が一定のときに(単位
時間当たりのθR の偏差ΔθR =0)、タイヤ角θL が
変化すれば(単位時間当たりのθL の偏差ΔθL >
0)、エラーカウンタ40をインクリメントする。そし
て、そのカウント値が予め設定された「10」に達する
と、タイヤ角センサ21が脱落故障であると判定し、故
障フラグFをセットする。なお、断線・短絡故障診断
は、タイヤ角センサ21の検出値θR を用いて、θR <
θmin またはθR >θmax により判定する。また、故障
フラグFがセットされているときには、第1実施形態と
同様にタイヤ角θR を最も過酷なθmax として取り扱
う。
【0091】この実施形態のように、他方(左側)のキ
ングピン20に取付けたタイヤ角センサ55を比較用検
出器として採用しても、タイヤ角センサ21の脱落故障
を発見することができる。また、第2及び第3実施形態
のような推定値を求めるための演算が不要であるため、
CPU34の負担を軽減できる。
【0092】尚、本発明は上記実施形態に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば次
のように実施することもできる。 (1)被診断検出器は車両の旋回等の走行状態を検出す
るための走行判定用検出器に限定されず、車軸の揺動の
規制制御に使用される検出器であれば何でもよい。例え
ば車両の荷役状態(荷重や揚高)を検出するための荷役
判定用検出器(揚高センサ,圧力センサ)を被診断検出
器としてもよい。揚高センサ26を診断する場合はリフ
トシリンダ6のストロークを検出するセンサを比較用検
出器として設けるなどし、両センサの各検出値の対応関
係を故障時の関係でないか否か、つまり比較用検出器の
検出値が変化しているにも拘わらず、被診断検出器の検
出値が一定でないかを判断すればよい。また、圧力セン
サ27を診断する場合、荷重を異なる方式で検出する検
出器を比較用検出器として設けるなどし、両センサの各
検出値の対応関係が故障時の関係でないか否かを判断す
ればよい。
【0093】(2)各実施形態において、2つの比較値
の単位時間当たりの偏差の差が、所定値を越えたとき
を、被診断検出器の脱落故障であると判定する故障診断
方法を採用してもよい。例えば脱落故障条件として、第
1実施形態ではΔθ<ΔH−ho 、第2実施形態ではΔ
ωc <Δωs −ωo 、第3実施形態ではΔGc <ΔGs
−Go 、第4実施形態ではΔθR <ΔθL −θo (但
し、ho ,ωo ,Go ,θo は予め設定した定数)を採
用する。この構成によれば、タイヤ角センサ21の入力
軸がキングピン20からその回転を全く伝えられない状
態に完全に脱落した脱落故障(Δθ,Δωc ,ΔGc ,
ΔθR =0)を発見できるばかりでなく、入力軸にキン
グピン20の回転が少し伝えられる脱落し始めの状態を
も発見できる。
【0094】(3)被診断検出器が故障と診断されたと
きに、一時的な応急処置として比較用検出器の検出値を
被診断検出器の検出値の代用として用いてもよい。例え
ば第1実施形態では、ハンドル角センサ25の検出値
(ハンドル角)Hから予め用意したマップを用いて旋回
半径の逆数値1/rを求め、横Gの推定値Gc やヨーレ
ート変化率Yを算出する。また、第2実施形態では、ヨ
ーレートジャイロ45の検出値(ヨーレート)ωs から
横Gの推定値Gc =V・ωs やヨーレート変化率Y(=
Δωs )を算出する。さらに第3実施形態では、加速度
センサ50の検出値(横G)Gs をそのまま横Gとして
使用し、ヨーレート変化率Y=ΔGs /Vを算出する。
また、第4実施形態では、タイヤ角センサ55の検出値
(タイヤ角)θL を使用して旋回半径の逆数値1/rを
求め、横Gの推定値Gc やヨーレート変化率Yを算出す
る。これらの構成によれば、タイヤ角センサ21の脱落
故障時でも、正常時とほぼ同様にフォークリフト1の走
行安定性を確保することができる。また、特にタイヤ角
センサ55の検出値θL を応急処置で一時的に利用する
場合、タイヤ角θR から旋回半径の逆数値1/rを求め
るためのマップをこの応急処置時にそのまま共用でき
る。なお、これらの構成において、CPU34により判
定値算出手段が構成される
【0095】(4)第1〜第3実施形態において比較用
検出器として用いた検出器をスウィング制御の判定値を
求めるための検出器(被診断検出器)として使用し、こ
のとき前記各実施形態で被診断検出器として用いた検出
器を比較用検出値とした、つまりそれぞれの役割を逆転
させて各検出器を用いる構成を採ってもよい。すなわ
ち、前記(3)において応急処置として採用するとして
述べた構成をそのまま通常の判定値算出のための処理と
し、タイヤ角センサ21を比較用検出器として使用す
る。この構成によっても、スウィング制御の判定値を得
るための検出器の脱落故障を発見することができる。
【0096】(5)横Gを得るための検出器と、ヨーレ
ート変化率ΔYを得るための検出器を異なるものを使用
する構成とし、両検出器の検出値もしくはその検出値か
ら得られる演算値をそれぞれ比較することで、両検出器
のうち少なくとも一方を被診断検出器としてその脱落故
障を診断する構成としてもよい。
【0097】加速度検出器としての加速度センサの検出
値(横G)をそのまま判定値に使用し、ヨーレート変化
率Yをその他の検出器からの検出値から算出する構成に
おいて、これらの走行判定値を検出するためのいずれか
の検出器の脱落故障診断を診断してもよい。例えばヨー
レート変化率Yをタイヤ角センサと車速センサからの各
検出値から演算する構成とし、加速度センサを比較用検
出器、タイヤ角センサを被診断検出器とする。またはこ
の逆にしてタイヤ角センサを比較用検出器、加速度セン
サを被診断検出器とする。また、ヨーレートジャイロを
ヨーレート変化率Yを得るための検出器として使用し、
タイヤ角センサと車速センサからの各検出値から横Gを
演算する構成において、ヨーレートジャイロを比較用検
出器、タイヤ角センサを被診断検出器としてもよい。こ
れらの構成によれば、比較用検出器がスウィング制御の
判定値を得るための判定値検出手段を構成する検出器で
あるため、故障診断専用の検出器を設けなくて済む。
【0098】(6)前記(5)で述べたような被診断検
出器と比較用検出器が共にスウィング制御のための判定
値を得るための検出器である構成において、それぞれ相
手側の検出器を比較用検出器とすることで、共通の比較
値の比較処理から両検出器の脱落故障を共に診断する構
成としてもよい。例えば加速度センサから横G(Gs)
を、タイヤ角センサと車速センサとからヨーレート変化
率Yを得る構成で、ΔGs とΔGc (=V2 /Δr)を
比較し、ΔGs −ΔGc >Go の成立時にタイヤ角セン
サの脱落故障、ΔGs −ΔGc <−Go (但し、Go は
正の定数)の成立時に加速度センサの脱落故障とする。
この構成によれば、共通の比較値の比較処理で2つの検
出器の脱落故障診断を行えるので、故障診断の効率が良
い。
【0099】(7)横Gだけを判定値とするスウィング
制御において、横G算出用の各検出器の少なくとも1個
について脱落故障診断を行ってもよい。 (8)車軸の揺動を規制すべきか否かの判定のための判
定値として、横G変化率ΔG(=V・ΔY)を採用して
もよい。
【0100】(9)パワーステアリング装置を構成する
ステアリングシリンダのピストン又はロッドの位置を検
出する検出器をタイヤ角センサとして採用してもよい。 (10)本発明をバッテリ式フォークリフトに適用して
もよい。さらに、本発明をフォークリフト以外の産業車
両に適用してもよい。
【0101】上記実施形態から把握され、特許請求の範
囲に記載していない技術思想(発明)を、その効果とと
もに以下に記載する。(イ)請求項1〜請求項のいず
れか一項に記載の発明において、前記故障判定手段によ
り前記被診断検出器が故障であると判定されたときに
は、当該被診断検出器の検出値として検出範囲の中で最
も判定値を過酷な値とし得る検出値を設定する検出値設
定手段を備えている。この構成によれば、被診断検出器
が故障であっても、その検出値としてその検出範囲の中
で最も判定値を過酷な値とする検出値が設定され、車軸
が明らかに揺動しても差し支えのないときには、車軸の
規制が解除されるので、車軸の揺動が規制されたための
駆動輪が浮き上がって引き起こる車両のスリップを防止
できる。
【0102】(ロ)請求項1又は請求項2に記載の発明
において、前記故障判定手段は、前記比較用検出器から
得られた前記第2比較値の変化量に対し、前記被診断検
出器から得られた前記第1比較値の変化量が一定値以上
少ないときに、前記被診断検出器が脱落故障であると判
定する。この構成によれっても、被診断検出器の脱落故
障をほぼ確実に発見でき、しかも脱落し始めの状態でも
脱落故障として発見できる。
【0103】(ハ)請求項に記載の発明において、前
記操舵角検出器が前記被診断検出器であり、前記ヨーレ
ート検出器が前記比較用検出器である。この構成によれ
ば、車軸の揺動規制のための判定値を得るために使用さ
れる操舵角検出器の脱落故障を発見できる。
【0104】
【0105】(ホ)請求項4又は請求項8に記載の発明
において、前記故障判定手段は、少なくとも2つの前記
被診断検出器の故障診断を、それぞれ互いの検出器を比
較用検出器として利用し合って行う。この構成によれ
ば、判定値検出手段を構成する少なくとも2つの被診断
検出器の故障診断を、それぞれ互いの検出器を比較用検
出器として見なして利用し合うことで、共通の判断処理
で2つの被診断検出器の故障診断を行うことができる。
【0106】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1に記載の発
明によれば、車軸の揺動を規制すべきか否かに使用する
判定値を得るための検出器の故障を、その検出値もしく
はその検出値から得られる演算値である第1比較値と対
応関係にある検出値もしくは演算値である第2比較値を
得るための比較用検出器を設けることにより、双方の検
出器から得られる両比較値の対応関係が故障時の関係で
あるか否かの判断によって判定するようにしたので、検
出器の脱落故障をほぼ確実に発見できる。また、車両の
横Gとヨーレート変化率のうち少なくとも横Gを検出す
る走行判定値検出手段を構成する検出器の故障診断を行
うようにしたので、検出器の故障による旋回時の走行不
安定が放置されることを防止できる。さらに、車両の横
Gもしくはヨーレート変化率を操舵角検出器及び車速検
出器からの各検出値から演算する構成において、操舵角
検出器により検出される操舵輪の操舵角と対応関係にあ
るハンドル角を検出するためのハンドル角検出器を比較
用検出器として備えたので、操舵角とハンドル角との対
応関係の比較により操舵角検出器の脱落故障をほぼ発見
することができる。
【0107】請求項2に記載の発明によれば、車軸の揺
動を規制すべきか否かに使用する判定値を得るための検
出器の故障を、その検出値もしくはその検出値から得ら
れる演算値である第1比較値と対応関係にある検出値も
しくは演算値である第2比較値を得るための比較用検出
器を設けることにより、双方の検出器から得られる両比
較値の対応関係が故障時の関係であるか否かの判断によ
って判定するようにしたので、検出器の脱落故障をほぼ
確実に発見できる。また、車両の横Gとヨーレート変化
率のうち少なくとも横Gを検出する走行判定値検出手段
を構成する検出器の故障診断を行うようにしたので、検
出器の故障による旋回時の走行不安定が放置されること
を防止できる。さらに、車速検出器と操舵角検出器との
各検出値から演算される推定ヨーレートと、ヨーレート
検出器により検出されるヨーレートとの対応関係が故障
時の関係にあるときを被診断検出器の故障であると判定
するので、被診断検出器の脱落故障をほぼ確実に発見す
ることができる。
【0108】請求項3に記載の発明によれば、比較用検
出器から得られた第2比較値が変化しているにも拘わら
ず、被診断検出器から得られた第1比較値に変化がない
ときを脱落故障と判定するようにしたので、脱落故障時
に正常範囲の検出値を出力する被診断検出器であって
も、脱落故障をほぼ確実に発見することができる。
【0109】請求項4に記載の発明によれば、判定値検
出手段を構成する検出器を比較用検出器として採用して
いるので、故障診断専用の検出器を設けなくて済む。
【0110】請求項5に記載の発明によれば、被診断検
出器の検出値が正常範囲以外の値をとるときを断線故障
又は短絡故障と判定するようにしたので、被診断検出器
の断線故障又は短絡故障を発見することができる。
【0111】請求項6に記載の発明によれば、被診断検
出器が故障判定手段により故障であると判断されたとき
には、比較用検出器の検出値を用いて必要な判定値が算
出されるようにしたので、被診断検出器が故障しても正
常時と同様に車両の走行安定性を確保することができ
る。
【0112】請求項7に記載の発明によれば、車軸の揺
動を規制すべきか否かに使用する判定値を得るための検
出器の故障を、その検出値もしくはその検出値から得ら
れる演算値である第1比較値と対応関係にある検出値も
しくは演算値である第2比較値を得るための比較用検出
器を設けることにより、双方の検出器から得られる両比
較値の対応関係が故障時の関係であるか否かの判断によ
って判定するようにしたので、検出器の脱落故障をほぼ
確実に発見できる。さらに、比較用検出器から得られた
第2比較値が変化しているにも拘わらず、被診断検出器
から得られた第1比較値に変化がないときを脱落故障と
判定するようにしたので、脱落故障時に正常範囲の検出
値を出力する被診断検出器であっても、脱落故障をほぼ
確実に発見することができる。
【0113】請求項8に記載の発明によれば、車軸の揺
動を規制すべきか否かに使用する判定値を得るための検
出器の故障を、その検出値もしくはその検出値から得ら
れる演算値である第1比較値と対応関係にある検出値も
しくは演算値である第2比較値を得るための比較用検出
器を設けることにより、双方の検出器から得られる両比
較値の対応関係が故障時の関係であるか否かの判断によ
って判定するようにしたので、検出器の脱落故障をほぼ
確実に発見できる。さらに、判定値検出手段を構成する
検出器を比較用検出器として採用しているので、故障診
断専用の検出器を設けなくて済む。請求項9に記載の発
明によれば、車軸の揺動を規制すべきか否かに使用する
判定値を得るための検出器の故障を、その検出値もしく
はその検出値から得られる演算値である第1比較値と対
応関係にある検出値もしくは演算値である第2比較値を
得るための比較用検出器を設けることにより、双方の検
出器から得られる両比較値の対応関係が故障時の関係で
あるか否かの判断によって判定するようにしたので、検
出器の脱落故障をほぼ確実に発見できる。さらに、被診
断検出器の検出値が正常範囲以外の値をとるときを断線
故障又は短絡故障と判定するようにしたので、被診断検
出器の断線故障又は短絡故障を発見することができる。
【0114】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態における車体揺動制御装置の模式
図。
【図2】車軸規制機構を示す模式図。
【図3】フォークリフトの側面図。
【図4】車体揺動制御装置の電気的構成を示すブロック
図。
【図5】タイヤ角の検出電圧を説明するための説明図。
【図6】旋回半径と車速に対するロック領域を示すグラ
フ。
【図7】旋回時における横G,ヨ−レ−ト変化率の変化
を示すグラフ。
【図8】スウィング制御処理のフローチャート。
【図9】断線・短絡故障診断処理のフローチャート。
【図10】脱落故障診断処理のフローチャート。
【図11】第2実施形態の車体揺動制御装置の電気的構
成ブロック図。
【図12】フォークリフトの平面図。
【図13】第3実施形態の車体揺動制御装置の電気的構
成ブロック図。
【図14】フォークリフトの平面図。
【図15】第4実施形態の車体揺動制御装置の電気的構
成ブロック図。
【図16】フォークリフトの部分背面図。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、1a…車体とし
ての車体フレーム、10…車軸としてのリアアクスル、
11…操舵輪としての後輪、13…車軸規制機構を構成
する油圧式ダンパ、14…車軸規制機構を構成する電磁
切換弁、21…判定値検出手段及び走行判定値検出手段
を構成するとともに操舵角検出器としてのタイヤ角セン
サ、22…判定値検出手段及び走行判定値検出手段を構
成するとともに車速検出器としての車速センサ、25…
比較用検出器及びハンドル角検出器としてのハンドル角
センサ、26…判定値検出手段としての揚高センサ、2
7…判定値検出手段としての圧力センサ、28…制御手
段としてのコントローラ、34…判定値検出手段及び走
行判定値検出手段を構成するとともに故障判定手段、判
定値演算手段、第2の故障判定手段及び判定値算出手段
としてのCPU、45…比較用検出器及びヨーレート検
出器としてのヨーレートセンサ、50…比較用検出器及
び加速度検出器としての加速度センサ、55…比較用検
出器及び操舵角検出器としてのタイヤ角センサ、Gc …
判定値としての横G、Y…判定値としてのヨーレート変
化率、Δθ…第1比較値としてのタイヤ角速度、ΔH…
第2比較値としてのハンドル角速度、Δωc …第1比較
値としてのヨーレート変化率、Δωs …第2比較値とし
てのヨーレート変化率、ΔGc …第1比較値としての横
G変化率、ΔGs …第2比較値としての横G変化率、Δ
θR …第1比較値としてのタイヤ角速度、ΔθL …第2
比較値としてのタイヤ角速度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−211903(JP,A) 特開 昭61−282110(JP,A) 特開 平2−278157(JP,A) 特開 平2−175404(JP,A) 特開 平3−45412(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/005

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体に対して上下方向に揺動可能に支持
    された車軸と、 前記車軸の揺動を規制するための車軸規制機構と、 前記車軸規制機構を作動すべきか否かを判定するための
    判定値を検出する判定値検出手段と、 前記判定値が予め設定された所定条件を満たしたとき
    に、前記車軸規制機構を作動させる制御手段と、 前記判定値検出手段を構成する検出器の少なくとも1つ
    を被診断検出器とし、該被診断検出器の検出値もしくは
    該検出値から得られる演算値である第1比較値と対応関
    係にある検出値もしくは演算値を第2比較値として得る
    ための少なくとも1つの比較用検出器と、 前記被診断検出器から得られた前記第1比較値と、前記
    比較用検出器から得られた前記第2比較値との対応関係
    を比較し、その対応関係が故障時の関係であれば、前記
    被診断検出器が故障であると判定する故障判定手段とを
    備えた産業車両の車体揺動制御装置において、 前記判定値検出手段は、前記判定値として車両の横Gと
    ヨーレート変化率のうち少なくとも横Gを検出する走行
    判定値検出手段を備え、前記制御手段は、前記走行判定
    値検出手段により検出された判定値が設定値以上となる
    と、前記車軸規制機構を作動させるように設定されてお
    り、 前記故障判定手段は、前記走行判定値検出手段を構成す
    る検出器を故障診断対象とし、 前記走行判定値検出手段は、操舵輪の操舵角を検出する
    前記被診断検出器としての操舵角検出器と、車速を検出
    する車速検出器と、前記操舵角と前記車速から前記判定
    値として車両の横Gもしくはヨーレート変化率を算出す
    る判定値演算手段とを備えるとともに、前記比較用検出
    器は、ハンドル角を検出するハンドル角検出器であっ
    て、 前記故障判定手段は、前記操舵角と前記ハンドル角との
    対応関係が故障時の関係にあるときに前記操舵角検出器
    が故障であると判定する産業車両の車体揺動制御装置。
  2. 【請求項2】 車体に対して上下方向に揺動可能に支持
    された車軸と、 前記車軸の揺動を規制するための車軸規制機構と、 前記車軸規制機構を作動すべきか否かを判定するための
    判定値を検出する判定値検出手段と、 前記判定値が予め設定された所定条件を満たしたとき
    に、前記車軸規制機構を作動させる制御手段と、 前記判定値検出手段を構成する検出器の少なくとも1つ
    を被診断検出器とし、該被診断検出器の検出値もしくは
    該検出値から得られる演算値である第1比較値と対応関
    係にある検出値もしくは演算値を第2比較値として得る
    ための少なくとも1つの比較用検出器と、 前記被診断検出器から得られた前記第1比較値と、前記
    比較用検出器から得られた前記第2比較値との対応関係
    を比較し、その対応関係が故障時の関係であれば、前記
    被診断検出器が故障であると判定する故障判定手段とを
    備えた産業車両の車体揺動制御装置において、 前記判定値検出手段は、前記判定値として車両の横Gと
    ヨーレート変化率のうち少なくとも横Gを検出する走行
    判定値検出手段を備え、前記制御手段は、前記走行判定
    値検出手段により検出された判定値が設定値以上となる
    と、前記車軸規制機構を作動させるように設定されてお
    り、 前記故障判定手段は、前記走行判定値検出手段を構成す
    る検出器を故障診断対象とし、 操舵輪の操舵角を検出する操舵角検出器と、ヨーレート
    を検出するヨーレート検出器が車両に備えられ、両検出
    器のうち一方が走行判定値検出手段を構成する被診断検
    出器であり、他方が前記比較用検出器であって、 前記故障判定手段は、車速を検出するための車速検出器
    と前記操舵角検出器との各検出値から演算した推定ヨー
    レートと、前記ヨーレート検出器により検出されたヨー
    レートとの対応関係が故障時の関係にあるときに前記被
    診断検出器が故障であると判定する 産業車両の車体揺動
    制御装置。
  3. 【請求項3】 前記被診断検出器は、脱落故障時に正常
    範囲の検出値を出力する検出器であって、前記故障判定
    手段は、前記比較用検出器から得られた前記 第2比較値
    が変化しているにも拘わらず、前記被診断検出器から得
    られた前記第1比較値が変化していないときに、前記被
    診断検出器が故障であると判定する請求項1又は請求項
    2に記載の産業車両の車体揺動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記比較用検出器は、前記判定値検出手
    段を構成する検出器を兼ねている請求項1〜請求項3の
    いずれか一項に記載の産業車両の車体揺動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記故障判定手段は、前記被診断検出器
    により検出された検出値が正常範囲以外の値をとるとき
    には、断線故障又は短絡故障と判定する第2の故障判定
    手段を備えている請求項1〜請求項4のいずれか一項
    記載の産業車両の車体揺動制御装置。
  6. 【請求項6】 前記被診断検出器が前記故障判定手段に
    より故障であると判断されたときには、比較用検出器の
    検出値を用いて必要な判定値を算出する判定値算出手段
    を備えている請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載
    の産業車両の車体揺動制御装置。
  7. 【請求項7】 車体に対して上下方向に揺動可能に支持
    された車軸と、 前記車軸の揺動を規制するための車軸規制機構と、 前記車軸規制機構を作動すべきか否かを判定するための
    判定値を検出する判定値検出手段と、 前記判定値が予め設定された所定条件を満たしたとき
    に、前記車軸規制機構を作動させる制御手段と、 前記判定値検出手段を構成する検出器の少なくとも1つ
    を被診断検出器とし、該被診断検出器の検出値もしくは
    該検出値から得られる演算値である第1比較値と対応関
    係にある検出値もしくは演算値を第2比較値として得る
    ための少なくとも1つの比較用検出器と、 前記被診断検出器から得られた前記第1比較値と、前記
    比較用検出器から得られた前記第2比較値との対応関係
    を比較し、その対応関係が故障時の関係であれば、前記
    被診断検出器が故障であると判定する故障判定手段とを
    備えた産業車両の車体揺動制御装置において、 前記被診断検出器は、脱落故障時に正常範囲の検出値を
    出力する検出器であって、前記故障判定手段は、前記比
    較用検出器から得られた前記第2比較値が変化している
    にも拘わらず、前記被診断検出器から得られた前記第1
    比較値が変化していないときに、前記被診断検出器が故
    障であると判定する産業車両の車体揺動制御装置。
  8. 【請求項8】 車体に対して上下方向に揺動可能に支持
    された車軸と、 前記車軸の揺動を規制するための車軸規制機構と、 前記車軸規制機構を作動すべきか否かを判定するための
    判定値を検出する判定値検出手段と、 前記判定値が予め設定された所定条件を満たしたとき
    に、前記車軸規制機構を作動させる制御手段と、 前記判定値検出手段を構成する検出器の少なくとも1つ
    を被診断検出器とし、該被診断検出器の検出値もしくは
    該検出値から得られる演算値である第1比較値と対応関
    係にある検出値もしくは演算値を第2比較値として得る
    ための少なくとも1つの比較用検出器と、 前記被診断検出器から得られた前記第1比較値と、前記
    比較用検出器から得られた前記第2比較値との対応関係
    を比較し、その対応関係が故障時の関係であれば、前記
    被診断検出器が故障であると判定する故障判定手段とを
    備えた産業車両の車体揺動制御装置において、 前記比較用検出器は、前記判定値検出手段を構成する検
    出器を兼ねている産業車両の車体揺動制御装置。
  9. 【請求項9】 車体に対して上下方向に揺動可能に支持
    された車軸と、 前記車軸の揺動を規制するための車軸規制機構と、 前記車軸規制機構を作動すべきか否かを判定するための
    判定値を検出する判定値検出手段と、 前記判定値が予め設定された所定条件を満たしたとき
    に、前記車軸規制機構を作動させる制御手段と、 前記判定値検出手段を構成する検出器の少なくとも1つ
    を被診断検出器とし、該被診断検出器の検出値もしくは
    該検出値から得られる演算値である第1比較値と対応関
    係にある検出値もしくは演算値を第2比較値として得る
    ための少なくと も1つの比較用検出器と、 前記被診断検出器から得られた前記第1比較値と、前記
    比較用検出器から得られた前記第2比較値との対応関係
    を比較し、その対応関係が故障時の関係であれば、前記
    被診断検出器が故障であると判定する故障判定手段とを
    備えた産業車両の車体揺動制御装置において、 前記故障判定手段は、前記被診断検出器により検出され
    た検出値が正常範囲以外の値をとるときには、断線故障
    又は短絡故障と判定する第2の故障判定手段を備えてい
    る産業車両の車体揺動制御装置。
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