JP3164009B2 - 産業車両の制御装置 - Google Patents

産業車両の制御装置

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JP3164009B2
JP3164009B2 JP06118297A JP6118297A JP3164009B2 JP 3164009 B2 JP3164009 B2 JP 3164009B2 JP 06118297 A JP06118297 A JP 06118297A JP 6118297 A JP6118297 A JP 6118297A JP 3164009 B2 JP3164009 B2 JP 3164009B2
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    • B60G2200/00Indexing codes relating to suspension types
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    • B60G2200/32Rigid axle suspensions pivoted
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    • B60G2200/32Rigid axle suspensions pivoted
    • B60G2200/322Rigid axle suspensions pivoted with a single pivot point and a straight axle
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    • B60G2204/40Auxiliary suspension parts; Adjustment of suspensions
    • B60G2204/46Means for locking the suspension
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2300/00Indexing codes relating to the type of vehicle
    • B60G2300/02Trucks; Load vehicles
    • B60G2300/022Fork lift trucks, Clark

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  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Forklifts And Lifting Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業車両の制御装
置に係り、詳しくは揺動可能に支持された車軸を固定す
るための制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の走行性と乗り心地を考慮し
て、車軸を車体フレームに対して揺動可能としたフォー
クリフトが提案されている。このフォークリフトでは、
当該フォークリフトの旋回時に横方向の加速度(遠心
力)が生じると、フォークリフトは遠心力に従って揺動
する。このため、旋回時の走行安定性が低下し、走行速
度を上げることができなかった。
【0003】そこで、特開昭58ー211903号公報
には、フォークリフトの旋回時に生じる遠心力を検出す
る旋回検出手段を設け、検出された遠心力の値が所定値
以上となった時、前記揺動可能に支持された車軸を車軸
固定機構にて固定される技術が提案されている。
【0004】このフォークリフトでは、フォークリフト
の旋回時に当該フォークリフトに作用する遠心力が所定
値以上となった時、車軸が固定され、フォークリフトは
安定した状態で旋回することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フォー
クリフトが例えば右旋回をした後、直ちに左旋回をする
場合、右旋回から左旋回に移行する時に遠心力が所定値
以下となる区間がある。この時、フォークリフトの旋回
動作が不安定となるという問題がある。
【0006】同様に、特開昭58−214406号公報
には、操舵輪の切れ角とフォークリフトの走行速度とに
基づいて、当該切れ角及び車速とが所定値以上となった
時、フォークリフトの車軸を固定する技術が提案されて
いる。この場合も、同様に、例えば右旋回と左旋回とを
連続して行う場合に、前記切れ角が所定値以下となる区
間が生じ、フォークリフトの旋回中において車軸の固定
が解除され、フォークリフトの旋回動作が不安定となる
という問題がある。
【0007】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、産業車両の旋回動作を
迅速に安定した状態で行わせることができる産業車両の
制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1記載の発明は、車体フレームに対して車軸
を上下方向に揺動可能に支持した産業車両において、前
記車体フレームと車軸との間に配設され、前記車体フレ
ームに対して揺動可能に支持された車軸を当該車体フレ
ームに固定させる車軸固定機構と、産業車両の操舵角を
検出する操舵角検出手段と、産業車両の走行速度を検出
する車速検出手段と、前記操舵角検出手段にて検出され
た操舵角及び車速検出手段にて検出された走行速度に基
づいてヨーレートの変化割合を推定する第1推定手段
と、前記推定手段にて推定されたヨーレートの変化割合
に基づいて、そのヨーレートの変化割合が基準割合値よ
りも大きな値となった時、前記車軸固定機構を動作させ
て車軸と車体フレームとを固定する第1制御手段とを備
えたことをその要旨とする。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記第1推定手段は、操舵角に基づいて求
めた旋回半径の逆数の変化割合と走行速度とを乗算した
値に基づいてヨーレートの変化割合を推定することをそ
の要旨とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記第1推定手段は、操舵角に基づいて求
めた旋回半径の逆数の変化割合と走行速度とを乗算した
値に対して、走行速度の変化割合と操舵角に基づいて求
めた旋回半径の逆数とを乗算した値を加算した値に基づ
いてヨーレートの変化割合を推定することをその要旨と
する。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記第1推定手段は、走行速度に対して操
舵角に基づいて求めた旋回半径の逆数を乗算した値の変
化割合に基づいてヨーレートの変化割合を推定すること
をその要旨とする。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求
項4のうちいずれかに記載の発明において、前記操舵角
検出手段にて検出された操舵角及び車速検出手段にて検
出された走行速度に基づいて横方向力を推定する第2推
定手段と、前記第2推定手段に基づいて、横方向力の値
が基準力値よりも大きな値となった時、前記車軸固定機
構を動作させて、車軸と車体フレームとを固定する第2
制御手段とを備えたことをその要旨とする。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項5記載の発
明において、前記第2推定手段は、操舵角に基づいて求
めた旋回半径の逆数と前記走行速度を2乗した値とを乗
算した値に基づいて横方向力を推定することをその要旨
とする。
【0014】請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求
項6のうちいずれかに記載の発明において、前記車軸固
定機構は、前記車体フレームと車軸とに連結された油圧
式ダンパーと、前記油圧式ダンパーに給排される作動油
を流す管路を、遮断状態及び連通状態との間で切換し、
当該管路を遮断状態とすることで車軸を車体フレームに
固定し、連通状態とすることで車軸を車体フレームに対
して揺動可能に支持する切換弁とを備えたことをその要
旨とする。
【0015】請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求
項7のうちいずれかに記載の発明において、前記車軸は
産業車両の後輪である操舵輪を連結することをその要旨
とする。
【0016】従って、請求項1記載の発明によれば、本
産業車両では、車軸は車体フレームに対して揺動可能と
なっている。この車軸は、車軸固定機構が動作すること
によって固定され、その動作を解除することによって揺
動状態となる。この場合、操舵角検出手段は産業車両の
操舵角を検出し、車速検出手段は産業車両の走行速度を
検出する。そして、第1推定手段は前記操舵角検出手段
にて検出された操舵角及び車速検出手段にて検出された
走行速度に基づいてヨーレートの変化割合を推定する。
第1制御手段は前記第1推定手段にて推定されたヨーレ
ートの変化割合に基づいて、そのヨーレートの変化割合
が基準割合値よりも大きな値となった時、前記車軸固定
機構を動作させて車軸と車体フレームとを固定する。
【0017】請求項2記載の発明によれば、前記第1推
定手段は、操舵角に基づいて求めた旋回半径の逆数の変
化割合と走行速度とを乗算した値に基づいてヨーレート
の変化割合を推定する。
【0018】請求項3記載の発明によれば、前記第1推
定手段は、操舵角に基づいて求めた旋回半径の逆数の変
化割合と走行速度とを乗算した値に対して、走行速度の
変化割合と操舵角に基づいて求めた旋回半径の逆数とを
乗算した値を加算した値に基づいてヨーレートの変化割
合を推定する。
【0019】請求項4記載の発明によれば、前記第1推
定手段は、走行速度に対して操舵角に基づいて求めた旋
回半径の逆数を乗算した値の変化割合に基づいてヨーレ
ートの変化割合を推定する。
【0020】請求項5記載の発明によれば、第2推定手
段は前記操舵角検出手段にて検出された操舵角及び車速
検出手段にて検出された走行速度に基づいて横方向力を
推定する。第2制御手段は、前記第2推定手段の推定結
果に基づいて、横方向力の値が基準力値よりも大きな値
となった時、前記車軸固定機構を動作させて、車軸と車
体フレームとを固定する。
【0021】請求項6記載の発明によれば、前記第2推
定手段は、操舵角に基づいて求めた旋回半径の逆数と前
記走行速度を2乗した値とを乗算した値に基づいて横方
向力を推定する。
【0022】請求項7記載の発明によれば、切換弁が管
路を遮断状態としたときには、油圧式ダンパーに対して
作動油の給排が不能となり、車軸は固定される。又、切
換弁は管路を連通状態となったときには、油圧式ダンパ
ーに作動油が給排可能な状態となり、車軸は揺動可能と
なる。
【0023】請求項8記載の発明によれば、前記車軸は
産業車両の後輪である操舵輪を連結している。従って、
産業車両の旋回性及び操作性を向上させることができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1〜図9に従って説明する。図1は、産業車
両としてのフォークリフト1を示す側面図である。
【0025】フォークリフト1は、その前部に左右一対
のアウタマスト2を備え、各アウタマスト2間にはイン
ナマスト3が昇降可能に配設されている。インナマスト
3にはフォーク4が昇降可能に配設されている。即ち、
フォーク4はアウタマスト2に沿って昇降するようにな
っている。
【0026】前記アウタマスト2とフォークリフト1の
車体フレーム1aとの間にはティルトシリンダ5が連結
されている。ティルトシリンダ5のボディ5aは車体フ
レーム1aに連結され、ティルトシリンダ5のピストン
ロッド5bはアウタマスト2に連結されている。即ち、
ティルトシリンダ5のピストンロッド5bの伸縮に従っ
てアウタマスト2を傾動させ、フォーク4を傾動させる
ようになっている。
【0027】前記インナマスト3にはボディ6aがアウ
タマスト2に固定されたリフトシリンダ6のピストンロ
ッド6bが連結されている。即ち、リフトシリンダ6の
ピストンロッド6bの伸縮に基づいてインナマスト3が
昇降し、そのインナマスト3の昇降に従って、フォーク
4が昇降するようになっている。
【0028】フォークリフト1の車体フレーム1aの前
部には、左右一対の前輪7が設けられている。各前輪7
はデフリングギアG及び変速機D(図3参照)を介して
エンジンEが連結され、各前輪7は当該エンジンEによ
って駆動される。即ち、前輪7は駆動輪である。又、フ
ォークリフト1の車体フレーム1aの後部には、左右一
対の後輪8が設けられている。
【0029】図2は、前記後輪8を連結する連結構造を
示している。フォークリフト1の車体フレーム1aの後
下部には、車幅方向へ延びるリアアクスル11がセンタ
ーピン11aを中心に揺動(回動)可能に設けられてい
る。そして、リアアクスル11の左右両端に前記後輪8
が連結されている。後輪8は運転室9内のハンドル10
の操作に基づいて操舵される操舵輪である。尚、このリ
アアクスル11は両後輪8を連結する車軸を構成してい
る。
【0030】車体フレーム1aとリアアクスル11との
間には油圧式ダンパー(以下、単に「ダンパー」とい
う。)12が連結されている。このダンパー12は複動
式の油圧シリンダである。即ち、ダンパー12は後輪8
に作用する力を吸収するようになっている。
【0031】ダンパー12は円筒状のボディ12aと、
当該ボディ12a内に配設されたピストン12bとを備
えている。ピストン12bには、ピストンロッド12c
が連結されている。ピストンロッド12cの先端には、
前記リアアクスル11が連結されている。
【0032】ダンパー12内はピストン12bにて第1
室R1と第2室R2とに区画されている。第1室R1に
は第1油圧管P1が、第2室R2には第2油圧管P2が
連結されている。第1油圧管P1及び第2油圧管P2は
電磁切換弁14に接続されている。この電磁切換弁14
は例えば消磁時に閉弁するノーマルクローズタイプの2
ポート2位置切換弁であり、そのスプールには止弁部1
5と流弁部16とが形成されている。第2油圧管P2に
は第3油圧管P3を介し、作動油を貯留するアキューム
レータ13がチェック弁18を介して接続されている。
前記第1油圧管P1及び第2油圧管P2は本発明の管路
に相当する。
【0033】消磁時において電磁切換弁14のスプール
がボディに対して図2に示す遮断位置に配置されること
により、ダンパー12は両室R1,R2における作動油
の流出・流入が不能なロック状態となり、リアアクスル
11の揺動がロックされる。一方、励磁時において、電
磁切換弁14のスプールがボディに対して連通位置(図
2の状態からスプール位置が反対側に切換えられた状
態)に配置されることにより、ダンパー12は両室R
1,R2間における作動油の流出・流入が可能なフリー
状態となり、リアアクスル11の揺動が許容されるよう
になっている。また、第2油圧管P2の経路上には絞り
弁17が設けられている。 なお、ダンパー12及び電磁
切換弁14等にて車軸固定機構が構成されている。
【0034】又、図2に示すように、後輪8には、当該
後輪8の操舵角θを検出する操舵角検出手段としての操
舵角センサ21が設けられている。図3に示すように、
フォークリフト1には、前記デフリングギアGの回転を
検出することによりフォークリフト1の走行速度vを検
出する車速検出手段としての車速センサ22が設けられ
ている。
【0035】次に、上記のように構成した産業車両の制
御装置の電気的構成について図4に示す電気ブロック図
に従って説明する。産業車両の制御装置は第1制御手段
及び第2制御手段並びに第1及び第2推定手段としての
コントローラ31を備えている。コントローラ31はC
PU(中央演算処理装置)等からなり、当該コントロー
ラ31にはRAM等からなるメモリ31a及びタイマ3
1bが設けられている。
【0036】コントローラ31には、前記操舵角センサ
21及び車速センサ22が接続されている。又、コント
ローラ31は電磁切換弁14を駆動する図示しない電磁
弁駆動回路を含み、電磁切換弁14を駆動制御するため
に、前記図示しない電磁弁駆動回路を介して励磁電流の
出力及び励磁電流の出力停止を行う。
【0037】操舵角センサ21は、操舵輪である後輪8
の操舵角を検出し、その操舵角θを示す操舵角信号をコ
ントローラ31に出力するようになっている。車速セン
サ22は、フォークリフト1の走行速度vを検出し、そ
の走行速度vを示す走行速度信号をコントローラ31に
出力するようになっている。
【0038】コントローラ31は、操舵角センサ21か
らの操舵角信号に基づいてフォークリフト1の操舵角θ
を判断するようになっている。そして、コントローラ3
1は操舵角θに基づいてフォークリフト1の旋回半径r
の逆数を求めるようになっている。即ち、コントローラ
31は前記メモリ31aに記憶された操舵角θと旋回半
径rの逆数との対応を示すマップに基づいて操舵角θに
対応する旋回半径rの逆数を判断するようになってい
る。
【0039】コントローラ31は、車速センサ22から
の走行速度信号に基づいてフォークリフト1の走行速度
vを判断するようになっている。コントローラ31は、
旋回半径rの逆数と走行速度vとに基づいてヨーレート
変化割合Δω/ΔTを推定するようになっている。即
ち、コントローラ31は推定ヨーレート変化割合Δωx
1 /ΔTを演算するようになっている。この場合、コン
トローラ31は次式(1)に従って推定ヨーレート変化
割合Δωx1/ΔTを演算するようになっている。
【0040】 Δωx1/ΔT=v・Δ(1/r)/ΔT …(1) 本実施の形態において、ヨーレートωとはフォークリフ
ト1の旋回時における路面に垂直な軸回りの角速度を意
味し、そのヨーレートωの変化割合(ヨーレート変化割
合)Δω/ΔTとは角加速度を意味している。この場
合、コントローラ31はヨーレート変化割合Δω/ΔT
の近似値であって、当該ヨーレート変化割合Δω/ΔT
を推定することが可能な推定ヨーレート変化割合Δωx1
/ΔTを演算する。
【0041】コントローラ31は走行速度v及び旋回半
径rに基づいてフォークリフト1の旋回時等に横方向に
作用する力、即ち、横方向力としての遠心力を次式
(2)に従って推定するようになっている。即ち、コン
トローラ31は推定遠心力Fxを演算するようになって
いる。
【0042】Fx=(v^2 )/r …(2) 尚、v^2 は、vの2乗を意味する。通常、フォークリ
フト1に作用するヨーレートωを検出する場合にはジャ
イロスコープ等を使用して、当該フォークリフト1に実
際に作用するヨーレートωを直接検出することができ
る。即ち、実ヨーレートωaを検出する。そして、実ヨ
ーレートωaからヨーレート変化割合Δω/ΔTを演算
する。
【0043】しかしながら、本実施の形態に示すフォー
クリフト1はジャイロスコープを備えていない。そこ
で、ヨーレート変化割合Δω/ΔTを実ヨーレートωa
に従って求めないで、走行速度vと旋回半径rとによっ
て、ヨーレートωを推定する。この推定によるヨーレー
ト(推定ヨーレート)ωxは次式(3)にて求められ
る。
【0044】ωx=v/r …(3) この場合、この推定ヨーレートωxの変化割合が推定ヨ
ーレート変化割合Δωx/ΔTとなる。通常、推定ヨー
レート変化割合Δωx/ΔTは、推定ヨーレートωxを
微分することにより求められる。次式(4)に推定ヨー
レートωxを微分することによって求めた基準推定ヨー
レート変化割合Δωx0/ΔTを示す。
【0045】 Δωx0/ΔT=v・Δ(1/r)/ΔT+Δv/ΔT・(1/r) …(4) 式(4)から明らかなように、前記式(1)に示す推定
ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTは、式(4)の前項
{v・Δ(1/r)/ΔT}と同一である。又、式
(4)の後項{Δv/ΔT・(1/r)}のΔv/ΔT
は走行速度vの変化割合である。通常、フォークリフト
1は、その旋回を略一定の走行速度vで行うので、旋回
半径rの逆数の変化割合Δ(1/r)/ΔTに比較し
て、走行速度vの変化割合Δv/ΔTは十分小さい値と
なる。従って、(4)式の前項に比較して、後項は、十
分小さな値となり、前記推定ヨーレート変化割合Δωx1
/ΔTで、基準推定ヨーレート変化割合Δωx0/ΔTを
推定することができる。即ち、前記推定ヨーレート変化
割合Δωx1/ΔTは基準推定ヨーレート変化割合Δωx0
/ΔTの近似値である。
【0046】そして、この基準推定ヨーレート変化割合
Δωx0/ΔTから実際に作用するヨーレート変化割合Δ
ω/ΔTを推定できることから、基準推定ヨーレート変
化割合Δωx0/ΔTの近似値である前記推定ヨーレート
変化割合Δωx1/ΔTによってヨーレート変化割合Δω
/ΔTを推定することが可能となる。
【0047】一方、フォークリフト1に作用する遠心力
はヨーレートωと走行速度vとを乗算することによって
求めることができる。従って、前記式(2)に示す推定
遠心力Fxは、推定ヨーレートωxと走行速度vとを乗
算することによって求められる値である。
【0048】コントローラ31のメモリ31aには推定
ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTの基準となる基準割合
値が記憶されている。基準割合値は、推定ヨーレート変
化割合Δωx1/ΔTが増加している時に基準とされる上
基準割合値K1と、推定ヨーレート変化割合Δωx1/Δ
Tが減少している時に基準とされる下基準割合値K2と
からなる。即ち、メモリ31aには上基準割合値K1と
下基準割合値K2とが記憶されている。
【0049】更に、コントローラ31のメモリ31aに
は、フォークリフト1に作用する推定遠心力の基準とな
る基準力値としての基準遠心力値が記憶されている。基
準遠心力値は、遠心力が増加している時に基準とされる
上基準遠心力値H1と遠心力が減少している時に基準と
される下基準遠心力値H2とからなる。即ち、メモリ3
1aには上基準遠心力値H1と下基準遠心力値H2とが
記憶されている。
【0050】図6に示すように、コントローラ31は、
前記推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTと上基準割合
値K1とを比較し、推定ヨーレート変化割合Δωx1/Δ
Tが上基準割合値K1以下の値から当該上基準割合値K
1より大きな値となった時、リアアクスル11が固定さ
れるように制御を行う。即ち、本実施の形態において
は、前記電磁切換弁14はノーマルクローズタイプであ
るため、コントローラ31は該電磁切換弁14への励磁
電流の出力を停止する。すなわち、電磁切換弁14を消
磁する。
【0051】コントローラ31は、励磁電流の出力を停
止している状態(消磁状態)において、前記推定ヨーレ
ート変化割合Δωx1/ΔTと下基準割合値K2とを比較
し、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTが下基準割合
値K2以上の値から当該下基準割合値K2より小さい値
となった時、励磁電流を出力するようになっている。
【0052】尚、本実施の形態では、コントローラ31
は、励磁電流の出力制御として直ちに励磁電流を出力す
るのではなく、所定時間Tの経過後に励磁電流の出力を
する制御を行っている。即ち、コントローラ31は推定
ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTが下基準割合値K2以
上の値から当該下基準割合値K2より小さい値となる
と、その時からタイマ31bに計時を開始させ、タイマ
31bがその所定時間Tを計時すると、励磁電流を出力
する。この計時中において、コントローラ31は、推定
ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTが下基準割合K2以上
となった時、その計時を中止する。即ち、コントローラ
31は、たとえ推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTが
下基準割合値K2以下となっても、所定時間Tの間は励
磁電流の出力を停止する。
【0053】図7に示すように、コントローラ31は、
推定遠心力Fxの絶対値が上基準遠心力H1以下の値か
ら当該上基準遠心力値H1より大きな値となった時、励
磁電流の出力を停止する、即ち、電磁切換弁14を消磁
するようになっている。
【0054】コントローラ31は、励磁電流の出力を停
止している状態において、推定遠心力Fxの絶対値が下
基準遠心力値H2より小さな値となった時、励磁電流を
出力するようになっている。
【0055】即ち、本実施の形態においてコントローラ
31は、以下、1)〜5)に示す条件の内、少なくとも
いずれか1つの条件を満たす時、励磁電流の出力を停止
する。
【0056】1)推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔT
が上基準割合値K1より大きな値である時。 2)推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTが、上基準割
合値K1より大きな値から当該上基準割合値K1以下の
値となって、下基準割合値K2よりも大きな値である
時。
【0057】3)上記2)に示す状態から推定ヨーレー
ト変化割合値Δωx1/ΔTが下基準変化割合値K2より
小さな値となり、その下基準変化割合値K2より小さな
値となった時点から所定時間T以内である時。
【0058】4)推定遠心力Fxの絶対値が上基準遠心
力値H1より大きな値である時。 5)推定遠心力Fxの絶対値が上基準遠心力値H1より
も大きな値から当該上基準遠心力値H1以下の値となっ
て、下基準遠心力値H2よりも大きな値である時。
【0059】電磁切換弁14は、励磁電流の出力が停止
されると、即ち、消磁されると、止弁部15を選択し、
第1,第2油圧管P1,P2を遮断し、ダンパー12を
ロックする。従って、リアアクスル11は揺動できない
状態となり、ダンパー12はリアアクスル11を固定す
る。
【0060】電磁切換弁14は、励磁電流が出力される
と、流弁部16を選択し、ダンパー12の第1室R1及
び第2室R2を、作動油が流入・流出可能な状態とす
る。従って、リアアクスル11は揺動可能な状態とな
る。
【0061】次に、上記産業車両の制御装置の作用及び
効果について説明する。図5は、リアアクスル11を固
定させる制御を行うためのフローチャートである。但
し、説明の便宜上、このフローチャートによる制御の開
始時には、励磁電流が出力されており、リアアクスル1
1は揺動可能な状態に保持されているものとする。尚、
明細書中の「ステップ」の記載は図5中「S」と略記す
る。
【0062】まず、コントローラ31は、ステップ10
1にて、車速センサ22からの走行速度信号に基づいて
フォークリフト1の走行速度vの読み取りを行う。ステ
ップ102にて、コントローラ31は操舵角センサ21
からの角速度信号に基づいて操舵角θの読み取りを行
う。
【0063】ステップ103にて、コントローラ31は
メモリ31aに記憶されたマップに基づき、検出した操
舵角θに対する旋回半径rの逆数を求める。即ち、コン
トローラ31は操舵角θ及びマップに基づいて旋回半径
rの逆数を割り出す。
【0064】ステップ104にて、コントローラ31は
走行速度vと旋回半径rの逆数に基づいて推定遠心力F
xを演算する。即ち、コントローラ31は式(2)に従
って推定遠心力Fxを演算する。
【0065】ステップ105にて、コントローラ31は
走行速度と旋回半径rの逆数に基づいて推定ヨーレート
変化割合Δωx1/ΔTを演算する。即ち、コントローラ
31は式(1)に従って推定ヨーレート変化割合Δωx
/ΔTを演算する。
【0066】ステップ106にて、コントローラ31は
推定遠心力Fxの絶対値が上基準演算遠心力値H1より
も大きな値であるか否かを判断する。そして、推定遠心
力Fxの絶対値が上基準遠心力値H1よりも大きい時に
は、ステップ107に移り、ステップ107にて、コン
トローラ31は励磁電流の出力を停止し、電磁切換弁1
4を消磁する。すると、電磁切換弁14は止弁部15を
選択し、ダンパー12をロックし、リアアクスル11を
固定する。このため、リアアクスル11は揺動不可能な
状態に保持される。そして、コントローラ31は、再
度、ステップ101からの処理を行う。
【0067】又、ステップ106にて、推定遠心力Fx
の絶対値が上基準遠心力値H1以下である場合には、ス
テップ108に移り、コントローラ31は、そのステッ
プ108にて、推定遠心力Fxの絶対値が下基準遠心力
値H2未満であるか否かを判断する。推定遠心力Fxの
絶対値が下基準遠心力値H2未満である場合には、コン
トローラ31は、ステップ109に移り、励磁電流を出
力する。即ち、コントローラ31は励磁電流の出力状態
を継続する。そして、コントローラ31はその処理をス
テップ110に移る。
【0068】又、ステップ108にて、推定遠心力Fx
が下基準遠心力値H2以上である場合には、その状態を
保持したまま、ステップ110へ移る。即ち、ステップ
108においてコントローラ31は励磁電流の出力状態
のままステップ110へ移る。
【0069】ステップ110にて、コントローラ31
は、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTが上基準割合
値K1よりも大きいか否かを判断する。コントローラ3
1は、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTが上基準割
合値K1よりも大きい時には、ステップ111に移り、
励磁電流の出力を停止し、電磁切換弁14を消磁する。
すると、ダンパー12はロックされ、リアアクスル11
は固定される。そして、コントローラ31は、再度、ス
テップ101からの処理を行う。又、ステップ110に
て、コントローラ31は、推定ヨーレート変化割合Δω
x1/ΔTが上基準割合値K1以下の時には、ステップ1
12へ移る。
【0070】ステップ112にて、コントローラ31
は、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTが下基準割合
値K2未満であるか否かを判断する。推定ヨーレート変
化割合Δωx1/ΔTが下基準割合値K2未満である場合
には、コントローラ31は、ステップ113にて、タイ
マ31bの計時に基づいてヨーレート変化割合Δω/Δ
Tが下基準割合値K2未満となった時点から所定時間T
を経過したか否かを判断する。所定時間Tを経過してい
ない場合には、コントローラ31は、再度、ステップ1
01からの処理を行う。又、コントローラ31は、所定
時間Tの経過後であれば、ステップ114に移り、励磁
電流の出力状態を保持したまま、再度、ステップ101
からの処理を行う。尚、ステップ112〜114の各処
理は、後記するようにステップ113の処理を行う時点
でコントローラ31が励磁電流の出力を停止している時
にその効果を発揮する処理であり、励磁電流を出力して
いる現時点ではその効果を発揮していない。
【0071】このようにステップ112〜114にて、
励磁電流を出力している状態のまま、再度ステップ10
1に移った場合、コントローラ31は前記した励磁電流
を出力している場合の処理と同様の処理を行う。
【0072】一方、ステップ107又はステップ111
にて、励磁電流が出力されていない状態(電磁切換弁1
4が消磁状態)から、再度ステップ101からの処理を
行う場合には、ステップ101〜105までは、前記励
磁電流が出力されている場合と同様の処理を行う。
【0073】そして、ステップ106にて、推定遠心力
Fxが上基準遠心力H1よりも大きい時には、コントロ
ーラ31は、ステップ107にて励磁電流の出力停止状
態を続行し、リアアクスル11を固定し続ける。そし
て、コントローラ31は、再度、その処理をステップ1
01へと移る。
【0074】ステップ106にて、推定遠心力Fxが上
基準遠心力値H1以下である時には、ステップ108に
移り、推定遠心力Fxが下基準遠心力値H2未満である
か否かを判断する。推定遠心力Fxが下基準遠心力値H
2未満である時には、ステップ109に移り、コントロ
ーラ31は励磁電流を出力する。そして、前記した励磁
電流が出力されている場合のステップ110以下の処理
を行う。
【0075】ステップ108にて、コントローラ31
は、推定遠心力Fxが下基準遠心力値H2以上である場
合には、励磁電流の出力を停止した状態(電子時切換弁
14が消磁状態)を保持したまま、ステップ110へ移
る。
【0076】ステップ110にて、推定ヨーレート変化
割合Δωx1 /ΔTが上基準割合値K1よりも大きい時
には、ステップ111に移り、励磁電流の出力を停止し
た状態を続行する。従って、リアアクスル11の固定が
続行される。そして、コントローラ31は、再度、ステ
ップ101からの処理を行う。
【0077】ステップ110にて、推定ヨーレート変化
割合Δωx1 /ΔTが上基準割合値K1以下である場合
には、ステップ112に移り、推定ヨーレート変化割合
Δωx1 /ΔTが下基準割合値K2未満となった時、コ
ントローラ31は、ステップ113へ移行する。ステッ
プ113にて、コントローラ31は、タイマ31bの計
時に基づいて推定ヨーレート変化割合Δωx1 /ΔTが
下基準割合値K2未満となった時点から所定時間Tが経
過したか否かを判断し、所定時間Tを経過していなけれ
ば、励磁電流の出力を停止したまま、コントローラ31
は、再度、ステップ101からの処理を行う。
【0078】又、ステップ113にて、所定時間Tを計
時したと判断した場合には、コントローラ31は、ステ
ップ114にて励磁電流の出力を行い、リアアクスル1
1を揺動可能な状態とする。そして、コントローラ31
は、再度、ステップ101からの処理を行う。
【0079】次に、前記フローチャートの制御に基づい
てフォークリフト1が直進から右旋回する場合について
図8に従って説明する。尚、本実施の形態において操舵
角θは右旋回を行う方向が正方向であり、左旋回を行う
方向が負方向である。同様に、推定ヨーレートωx及び
推定遠心力Fxも、右旋回時に作用する方向が正方向で
あり、左旋回時に作用する方向が負方向である。ただ
し、左右で正負を逆に設定してもよい。
【0080】フォークリフト1の運転者がハンドル10
を操作し、フォークリフト1が右旋回を開始して、操舵
角θが増加すると、その操舵角θの増加に従って推定ヨ
ーレートωx、推定遠心力Fx及び推定ヨーレート変化
割合Δωx1/ΔTが増加する。この場合、推定ヨーレー
ト変化割合Δωx1/ΔTが最先に立ち上がり、上基準割
合値K1より大きな値となる。コントローラ31は推定
ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTが上基準割合値K1よ
り大きな値となった時点で、コントローラ31は励磁電
流の出力を停止し、リアアクスル11を固定する。即
ち、リアアクスル11は、推定ヨーレート変化割合Δω
x1/ΔTに従って固定される。この時点では、未だ推定
遠心力Fxは上基準遠心力値H1より大きな値となって
いない。従って、旋回を開始する場合には、推定遠心力
値Fxにてリアアクスル11を固定する場合よりも、速
くリアアクスル11が固定される。
【0081】更に、操舵角θが増加すると、推定ヨーレ
ートωx及び推定遠心力Fxが増加する。やがて、推定
遠心力Fxが上基準遠心力値H1より大きな値となる。
この時点では、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTは
上基準割合値K1より大きな値であり、リアアクスル1
1は固定された状態が保持されている。そして、運転者
はハンドル10の操作を中止し、操舵角θを所定角度に
保持した状態で、旋回を続ける。この時、推定ヨーレー
トωx及び推定遠心力Fxは所定の一定値に保持され
る。
【0082】この操舵角θが所定角度に保持されるまで
の間において、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔT
は、増加から減少に転じ、やがて、下基準割合値K2よ
りも小さくなる。この時点では、推定遠心力Fxが上基
準遠心力値H1より大きな値となっているので、コント
ローラ31は、推定遠心力Fxが上基準遠心力値H1よ
り大きな値であることに基づいて励磁電流の出力を停止
する。従って、リアアクスル11の固定は保持される。
【0083】なお、この作用は、フォークリフト1が直
進から左旋回を行った場合も同様である。即ち、直進し
ていたフォークリフト1が左旋回を開始した場合には、
まず、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTが上基準変
化割合値K1より大きな値となったことに基づいてリア
アクスル11が固定され、次に、推定ヨーレート変化割
合Δωx1/ΔTが下基準変化割合値K2より小さな値と
なった後も、推定遠心力Fxが上基準遠心力値H1より
大きな値となったことに基づいて、リアアクスル11の
固定状態が保持される。
【0084】続いて、右旋回から左旋回を連続して行う
場合について図9に従って説明する。右旋回を行ってい
る状態からハンドル10を操作して、操舵角θが一定の
状態から操舵角θを減少させると、やがて、推定ヨーレ
ートωx及び推定遠心力Fxは所定の一定値から減少を
開始する。推定遠心力Fxが所定の一定値の時には上基
準遠心力値H1を越えているので、コントローラ31は
励磁電流の出力を停止し、リアアクスル11を固定して
いる。
【0085】又、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔT
は、操舵角θの減少とともに、増加を開始する。やが
て、上基準割合値K1より大きな値となる。この時、前
記推定遠心力Fxは下基準遠心力値H2より大きな値と
なっている。
【0086】更に、操舵角θが減少すると、推定遠心力
Fxは下基準遠心力H2よりも小さな値となる。しかし
ながら、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTが上基準
割合値K1より大きな値となっているので、コントロー
ラ31は励磁電流の出力を停止した状態を保持し、リア
アクスル11を固定し続ける。そして、操舵角θの略
「0」付近で、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTは
最大となる。
【0087】操舵角θが「0」となり、操舵角θが更に
減少すると、即ち、フォークリフト1が左旋回を開始す
る。この操舵角θの減少時において推定遠心力Fx及び
推定ヨーレートωxは更に減少を続け、やがて、負の値
となり、更に減少を続ける。この負の値となった時か
ら、推定遠心力Fxの絶対値及び推定ヨーレートωxの
絶対値は増加に転じる。
【0088】やがて、推定遠心力Fxの絶対値は、上基
準遠心力値H1を超える。この時、推定ヨーレート変化
割合Δωx1 /ΔTは下基準割合値K2以上の値となっ
ている。従って、コントローラ31は励磁電流の出力を
停止する状態を保持し続け、リアアクスル11を固定し
た状態を保持し続ける。
【0089】更に、操舵角θが減少すると、推定ヨーレ
ート変化割合Δωx1 /ΔTは下基準割合値K2より小
さな値となる。しかしながら、コントローラ31は推定
ヨーレート変化割合Δωx1 /ΔTが下基準割合値K1
より小さい値となってから所定時間Tを経過していない
こと及び推定遠心力Fxの絶対値が上基準遠心力H1よ
り大きな値であることから励磁電流の出力を停止し続
け、リアアクスル11を固定し続ける。
【0090】運転者がハンドル10の操作を中止して、
操舵角θを所定の一定角度に保持すると、やがて、推定
ヨーレートωx及び推定遠心力Fxは所定の一定値に保
持される。又、前記推定ヨーレート変化割合Δωx1/Δ
Tは、やがて、「0」となる。そして、前記所定時間T
が経過すると、コントローラ31は推定ヨーレート変化
割合Δωx1/ΔTに基づく励磁電流の出力を停止する条
件は解除されたが、推定遠心力値Fxに基づく励磁電流
の出力を停止するための条件は満たされているとして励
磁電流の出力の停止を続け、リアアクスル11を固定し
続ける。
【0091】即ち、右旋回から左旋回を連続して行う場
合、操舵角θが「0」となる付近で、例えば推定遠心力
Fxによる励磁電流の出力を停止する条件の解除される
区間Y1が生じるが、推定ヨーレート変化割合Δωx1/
ΔTによる励磁電流の出力を停止する条件が満たされて
いる。従って、右旋回から左旋回へ移行する場合には、
常にリアアクスル11を固定した状態で行われる。更
に、左旋回のために操舵角θを所定の一定角度に保持し
た後、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTによる励磁
電流の出力を停止する条件を満たす区間Y2が終了して
も、推定遠心力Fxによる励磁電流の出力を停止する条
件が満たされているので、リアアクスル11は固定され
続ける。従って、右旋回から左旋回を連続して行う場合
には、常にリアアクスル11を固定した状態で行われ
る。
【0092】この作用は、左旋回から右旋回を行う場合
も同様であって、常にリアアクスル11を固定した状態
で旋回動作が行われる。尚、図9に示すロール角はフォ
ークリフト1のローリング状態を示す角度であって、車
体フレーム1aに設けられた図示しないローリングセン
サによって検出される。
【0093】本実施の形態によれば、以下(イ)〜
(ワ)に示す効果を有する。 (イ)コントローラ31は推定ヨーレート変化割合Δω
x1/ΔTに基づいて励磁電流の出力を停止し、リアアク
スル11を固定するので、例えばフォークリフト1の直
線走行時から右又は左方向への旋回走行を開始する旋回
開始時にて素早くリアアクスル11を固定することがで
きる。従って、フォークリフト1の旋回を安定した状態
で開始させることができる。
【0094】(ロ)この推定ヨーレート変化割合Δωx1
/ΔTは、車速センサ22にて検出される走行速度v及
び操舵角センサ21にて検出される操舵角θに従って求
められる旋回半径rの逆数に基づいて演算され、その推
定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTにてフォークリフト
1に作用するヨーレート変化割合Δω/ΔTを推定して
いる。これらのセンサは他の制御のために既設のもので
ある。従って、フォークリフト1に例えば当該フォーク
リフト1に作用するヨーレートωを検出するためのジャ
イロスコープを設置し、ジャイロスコープにて検出され
たヨーレートωに基づいてヨーレート変化割合Δω/Δ
Tを求める必要がない。このため、ヨーレート変化割合
Δω/ΔTに基づいてリアアクスル11を固定する制御
を行うための構成機器を減らし、簡単な構成でヨーレー
ト変化割合Δω/ΔTに基づいてリアアクスル11を固
定することができる。即ち、既存のフォークリフト1の
構成機器で、ヨーレート変化割合Δω/ΔTに基づいて
リアアクスル11を固定することができる。
【0095】(ハ)コントローラ31は、走行速度vと
旋回半径rの逆数の変化割合Δ(1/r)/ΔTとを乗
算するという簡単な演算を行うことによって推定ヨーレ
ート変化割合Δωx1/ΔTを容易に求めることができ
る。即ち、コントローラ31は、容易にヨーレート変化
割合Δω/ΔTを推定することができる。
【0096】(ニ)コントローラ31は推定ヨーレート
変化割合Δωx1/ΔTに基づいて励磁電流の出力を停止
するのに加えて、推定遠心力Fxに基づいて励磁電流の
出力を停止する。従って、旋回開始時に推定ヨーレート
変化割合Δωx1/ΔTに基づいて励磁電流の出力を停止
した後、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTに基づい
て励磁電流を出力する状態となっても、コントローラ3
1は推定遠心力Fxに基づいて励磁電流の出力を停止す
るので、旋回開始時からフォークリフト1を安定した状
態で旋回させることができる。
【0097】(ホ)更に、コントローラ31は推定ヨー
レート変化割合Δωx1/ΔTに基づいて励磁電流の出力
を停止するのに加えて、推定遠心力Fxに基づいて励磁
電流の出力を停止する。従って、フォークリフト1が例
えば右旋回から左旋回(或いはその逆)を連続して行う
場合に操舵角θが「0」となる付近で生じる推定遠心力
Fxに基づく励磁電流を出力する区間(図9に示す区間
Y1)となっても、推定ヨーレート変化割合Δωx1/Δ
Tに基づいて励磁電流の出力が停止される。このため、
フォークリフト1が右旋回から左旋回を連続して行う場
合(或いはその逆を行う場合)、常にリアアクスル11
が固定された状態で行われ、その旋回動作を安定した状
態で行わせることができる。
【0098】(ヘ)この推定遠心力Fxは、車速センサ
22にて検出される走行速度v及び操舵角センサ21に
て検出される操舵角θに従って求められる旋回半径rの
逆数に基づいて演算され、その推定遠心力Fxにてフォ
ークリフト1に作用する遠心力を推定している。従っ
て、フォークリフト1に例えば当該フォークリフト1に
作用する遠心力を検出するための加速度センサを設置
し、その加速度センサにて検出された信号に基づいて遠
心力を判断する必要がない。このため、遠心力に基づい
てリアアクスル11を固定する制御を行うための構成機
器を減らし、簡単な構成で遠心力に基づいてリアアクス
ル11を固定することができる。即ち、既存のフォーク
リフト1の構成機器で、遠心力に基づいてリアアクスル
11を固定することができる。
【0099】本実施の形態では、車速センサ22にて検
出された走行速度vと操舵角センサ21にて検出された
操舵角θに基づいて推定ヨーレート変化割合Δωx1/Δ
T及び推定遠心力Fxを演算できる。つまり、ヨーレー
ト変化割合Δω/ΔT及び遠心力を推定できる。従っ
て、ジャイロスコープ及び加速度センサ等のヨーレート
ω及び遠心力を直接検出する検出機器を使用しないで、
ヨーレート変化割合Δω/ΔT及び遠心力に基づくリア
アクスル11の固定を行うことができる。即ち、既存の
構成機器で容易にヨーレート変化割合Δω/ΔT及び遠
心力に基づくリアアクスル11の固定を行うことができ
る。
【0100】(ト)コントローラ31は、走行速度vの
2乗と旋回半径rの逆数(1/r)とを乗算するという
簡単な演算を行うことによって推定遠心力Fxを容易に
求めることができる。即ち、コントローラ31は、容易
に遠心力を推定することができる。
【0101】(チ)コントローラ31は、推定ヨーレー
ト変化割合Δωx1/ΔTが上基準割合値K1より大きな
値となった時、励磁電流の出力を停止してリアアクスル
11を固定し、下基準割合値K2より小さな値となった
時、励磁電流を出力するための処理を開始する。従っ
て、例えば1つの上基準割合値K1のみを使用して、リ
アアクスル11を固定する場合に比べてより安定した状
態でリアアクスル11を固定できる。即ち、例えば1つ
の上基準割合値K1のみを使用して、推定ヨーレート変
化割合Δωx1/ΔTが上基準割合値K1より大であれ
ば、励磁電流の出力を停止し、上基準割合値K1より小
であれば、励磁電流を出力する制御を行う場合、推定ヨ
ーレート変化割合Δωx1/ΔTが上基準割合値K1付近
で推移するような旋回が行われると、励磁電流の出力停
止及び励磁電流の出力が頻繁に繰り返される。このた
め、リアアクスル11の固定及び固定の解除が頻繁に繰
り返されることになる。しかしながら、上基準割合値K
1及び下基準割合値K2に基づいて励磁電流の出力を停
止することによって、たとえ推定ヨーレート変化割合Δ
ωx1/ΔTが上基準割合値K1付近で推移するような旋
回が行われていても、一度推定ヨーレート変化割合Δω
x1/ΔTが上基準割合値K1よりも大きな値となれば、
推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTが下基準割合値K
2より小さな値となるまでは励磁電流の出力の停止が続
けられる。従って、より安定した状態でリアアクスル1
1を固定することができる。
【0102】(リ)コントローラ31は、推定遠心力F
xが上基準遠心力値H1より大きな値となった時、励磁
電流の出力を停止してリアアクスル11を固定し、下基
準遠心力値H2より小さな値となった時、励磁電流を出
力するための処理を開始する。従って、上記効果(チ)
に示す推定ヨーレート変化割合Δωx1の場合と同様に、
例えば1つの上基準遠心力値H1のみを使用して、リア
アクスル11を固定する場合に比べてより安定した状態
でリアアクスル11を固定できる。
【0103】(ヌ)コントローラ31は、例えば推定ヨ
ーレート変化割合Δωx1/ΔTが上基準割合値K1より
大きな値となって励磁電流の出力を停止し、下基準割合
値K2より小さな値となった後も、直ちに励磁電流を出
力せず、所定時間Tの経過後に励磁電流を出力する。従
って、より安定した状態でフォークリフト1の旋回動作
を行わせることができる。
【0104】例えば推定ヨーレート変化割合Δωx1/Δ
Tが下基準割合値K2より小さな値となった時点では、
推定遠心力Fxによる励磁電流の出力を停止する条件が
満たされていなくても、所定時間Tの間にその推定遠心
力Fxによる励磁電流の出力を停止する条件が満たされ
る場合がある。この場合、リアアクスル11を固定した
まま旋回動作を続けることができ、より安定した状態で
フォークリフト1の旋回動作を行わせることができる。
【0105】又、例えば短時間(1秒以下)でフォーク
リフト1の旋回方向を左右に切り返す高周波切り返しを
行いながらフォークリフト1を走行させる場合には、通
常、推定遠心力値Fxは上基準遠心力値H1を超えるこ
とはなく、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTに基づ
いて励磁電流の出力が停止される。この際、高周波切り
返し走行中に、たとえ推定ヨーレート変化割合Δωx1/
ΔTが下基準割合値K2よりも小さな値となっても、コ
ントローラ31は直ちに励磁電流を出力せず、所定時間
Tの間は励磁電流の出力を停止し続ける(すなわち、電
磁切換弁14を消磁し続ける)。このため、安定した状
態で高周波切り返しを行わせながらフォークリフト1を
走行させることができる。
【0106】(ル)車軸固定機構はダンパー12と電磁
切換弁14とからなる。従って、コントローラ31は励
磁電流の出力を停止して、電磁切換弁14がダンパー1
2連通する各油圧管P1,P2を遮断することによっ
て、ダンパー12をロックすることにより、容易にリア
アクスル11を固定できる。
【0107】(ヲ)本フォークリフト1では、操舵輪で
ある後輪8を連結するリアアクスル11を揺動可能に設
け、当該リアアクスル11を推定ヨーレート変化割合Δ
ωx1/ΔT及び推定遠心力Fxに基づいて固定するよう
に構成したので、よりフォークリフト1の旋回性及び操
作性を向上させることができる。
【0108】(ワ)フォークリフト1の旋回中は横スベ
リが生じるため、タイヤ角から決まる旋回半径rより
も、実際の旋回半径rの方が大きく、推定遠心力Fx、
推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔT共に、実際の値よ
りも大きくなるが、これは安全側に作用するので、問題
はない。従って、本願は安全な制御が可能となる。
【0109】尚、本発明の実施の形態は上記実施の形態
に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない
範囲で、適宜に変更して次のように実施することもでき
る。 (1)上記実施の形態では、コントローラ31はメモリ
31aに記憶されたマップに基づいて操舵角センサ21
が検出した操舵角θから旋回半径rの逆数を判断した。
これを、コントローラ31は操舵角θから旋回半径rの
逆数を演算して求めてもよい。
【0110】(2)上記実施の形態において、コントロ
ーラ31は、ステップ105の処理後、推定ヨーレート
変化割合Δωx1/ΔTにローパスフィルタをかけ、ノイ
ズを除去するようにしてもよい。
【0111】(3)上記実施の形態において、推定ヨー
レート変化割合Δωx/ΔTとして、推定ヨーレート変
化割合Δωx1/ΔTに代えて基準推定ヨーレート変化割
合Δωx0/ΔTを使用してもよい。こうすると、(4)
式の後項{Δv/ΔT・(1/r)}は走行速度vの変
化割合とされているため、旋回中において走行速度が変
化した場合においては、より精度良くヨーレート変化割
合Δω/ΔTを推定することができ、より精度良くリア
アクスル11の固定制御を行わせることができる。
【0112】(4)又、(3)に代えて、推定ヨーレー
ト変化割合Δωx/ΔTとして、Δ(V/r)/ΔTを
算出しても良い。こうすると、コントローラ31は、推
定ヨーレート変化割合Δωx/ΔTとして、Δ(V/
r)/ΔTを算出するとき、その時々のV/rを算出し
て、前回制御時におけるV/rとの差分Δ(V/r)を
求めることになる。従って、この場合においても、旋回
中において走行速度が変化した場合においては、より精
度良くヨーレート変化割合Δω/ΔTを推定することが
でき、より精度良くリアアクスル11の固定制御を行わ
せることができる。
【0113】(5)上記実施の形態のステップ113に
おいて、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTが下基準
割合値K2よりも小さな値となった時、直ちに励磁電流
を出力してもよい。
【0114】(6)上記実施の形態では、コントローラ
31は推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTを上基準割
合値K1及び下基準割合値K2の2つの基準割合値と比
較して励磁電流の出力を停止制御した。これを、コント
ローラ31は1つの基準割合値に基づいて励磁電流の出
力の停止を制御してもよい。例えばコントローラ31
は、推定ヨーレート変化割合Δωx1/ΔTが基準割合値
よりも大きな値である時、励磁電流の出力を停止し、基
準割合値以下の値である時、励磁電流を出力する。
【0115】同様に、コントローラ31は1つの基準遠
心力値に基づいて励磁電流の出力の停止を制御してもよ
い。この場合、コントローラ31は、推定遠心力Fxが
基準遠心力値よりも大きな値である時、励磁電流の出力
を停止し、基準遠心力値以下の値である時、励磁電流を
出力する。
【0116】(7)上記実施の形態において、推定遠心
力Fxに基づく条件のみで励磁電流の出力が停止されて
いる状態から、推定遠心力Fxが下基準遠心力値H2よ
りも小さな値となっても、所定時間だけ、励磁電流の出
力を停止するように制御してもよい。
【0117】(8)上記実施の形態では、前輪7をエン
ジンEにて駆動したが、走行モータにて駆動してもよ
い。 (9)上記実施の形態において、上記励磁電流の出力を
停止するための条件5)の状態から、推定遠心力Fxが
下基準遠心力値H2よりも小さな値となり、その下基準
遠心力値H2より小さな値となった時から所定時間T以
内にある場合には、励磁電流の出力を停止するように構
成してもよい。この場合、例えば図9に示す例えば推定
遠心力Fxによる励磁電流の出力を停止する条件の解除
される区間Y1を短く又は無くすことができるので、よ
り安定した状態でフォークリフト1を走行及び旋回させ
ることができる。なお、前記実施の形態では切換弁14
は消磁時に閉弁するノーマルクローズタイプの2ポート
2位置切換弁としたが、ノーマルクローズタイプの切換
弁限定するものではなく、他の型の切換弁に代えてもよ
い。
【0118】上記実施の形態から把握できる請求項以外
の技術思想について、以下にその効果とともに記載す
る。 (1)請求項1記載の発明において、基準割合値は上基
準割合値K1及び下基準割合値K2からなり、コントロ
ーラ31(第1制御手段)は推定ヨーレート変化割合Δ
ωx1/ΔTが上基準割合値K1より大きな値となった
時、車軸固定機構を動作させて車軸と車体フレームとを
固定し、推定ヨーレート変化割合Δωx1が下基準割合値
K2より小さな値となった時、車軸固定機構を動作させ
て車軸と車体フレームとの固定を解除させる制御を行う
産業車両の制御装置。この制御装置によれば、より安定
した状態でフォークリフトを旋回させることができる。
【0119】(2)請求項5記載の発明において、基準
力値は上基準遠心力値H1及び下基準遠心力値H2から
なり、第2制御手段は推定遠心力値Fxが上基準遠心力
値H1より大きな値となった時、車軸固定機構を動作さ
せて車軸と車体フレームとを固定し、推定遠心力値Fx
が下基準遠心力値H2より小さな値となった時、車軸固
定機構を動作させて車軸と車体フレームとの固定を解除
させる制御を行う産業車両の制御装置。この制御装置に
よれば、より安定した状態でフォークリフトを旋回させ
ることができる。この場合、コントローラ31が第2制
御手段を構成する。
【0120】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1記載の発明
によれば、操舵角検出手段にて検出された操舵角と車速
検出手段にて検出された走行速度とに基づいてヨーレー
ト変化割合を推定できるので、簡単な構成でその推定さ
れたヨーレート変化割合に基づいて車軸を固定する制御
を行うことができる。この推定されたヨーレート変化割
合に基づいて車軸を固定する制御を行うことにより、旋
回開始時において車軸を迅速に固定できる。
【0121】請求項2記載の発明によれば、操舵角に基
づいて求めた旋回半径の逆数の変化割合と走行速度とを
乗算することによって、容易にヨーレート変化割合を推
定できる。
【0122】請求項3記載の発明によれば、操舵角に基
づいて求めた旋回半径の逆数の変化割合と走行速度とを
乗算した値に対して、走行速度の変化割合と操舵角に基
づいて求めた旋回半径の逆数とを乗算した値を加算する
ことによって、旋回中に走行速度が変化しても、ヨーレ
ートの変化割合を容易にしかも正確にヨーレートの変化
割合を推定できる。
【0123】請求項4記載の発明によれば、走行速度に
対して操舵角に基づいて求めた旋回半径の逆数を乗算し
た値の変化割合を算出することによって、旋回中に走行
速度が変化しても、ヨーレートの変化割合を容易にしか
も正確にヨーレートの変化割合を推定できる。
【0124】請求項5記載の発明によれば、操舵角検出
手段にて検出された操舵角と車速検出手段にて検出され
た走行速度とに基づいて車両に作用する遠心力を推定で
きるので、簡単な構成でその推定された遠心力に従って
車軸を固定する制御を行うことができる。この場合、推
定されたヨーレート変化割合及び遠心力によって車軸を
固定する制御を行うことによって、より安定した状態で
産業車両を旋回させることができる。
【0125】請求項6記載の発明によれば、操舵角に基
づいて求めた旋回半径rの逆数と走行速度を2乗した値
とを乗算した値に基づいて横方向力を容易に推定でき
る。請求項7記載の発明によれば、油圧式ダンパー及び
切換弁によって容易に車軸を固定できる。
【0126】請求項8記載の発明によれば、産業車両の
操舵輪側の車軸の揺動を制御しているので、旋回性及び
操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 フォークリフトを示す側面図。
【図2】 後輪を連結する連結構造を示す概略構成図。
【図3】 フォークリフトの両前輪を連結する機構を示
す概略構成図。
【図4】 フォークリフトのリアアクスルの揺動を制御
し、当該リアアクスルを固定するための電気的構成を示
す電気ブロック図。
【図5】 フォークリフトのリアアクスルの揺動を制御
し、当該リアアクスルを固定するためのフローチャー
ト。
【図6】 推定ヨーレート変化割合にてリアアクスルの
揺動を制御する場合の説明図。
【図7】 推定遠心力にてリアアクスルの揺動を制御す
る場合の説明図。
【図8】 フォークリフトが直線走行から右旋回走行を
開始した場合の説明図。
【図9】 フォークリフトが右旋回走行から左旋回走行
を連続して行う場合の説明図。
【符号の説明】
1…産業車両としてのフォークリフト、1a…車体フレ
ーム、12…車軸固定機構を構成する油圧式ダンパー、
14…車軸固定機構を構成する切換弁としての電磁切換
弁、21…操舵角検出手段としての操舵角センサ、22
…車速検出手段としての車速センサ、31…第1及び第
2推定手段並びに第1及び第2制御手段としてのコント
ローラ、P1〜P2…管路としての第1及び第2油圧
管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/00 B60G 1/02 B66F 9/22 B66F 9/24

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体フレームに対して車軸を上下方向に
    揺動可能に支持した産業車両において、 前記車体フレームと車軸との間に配設され、前記車体フ
    レームに対して揺動可能に支持された車軸を当該車体フ
    レームに固定させる車軸固定機構と、 産業車両の操舵角を検出する操舵角検出手段と、 産業車両の走行速度を検出する車速検出手段と、 前記操舵角検出手段にて検出された操舵角及び車速検出
    手段にて検出された走行速度に基づいてヨーレートの変
    化割合を推定する第1推定手段と、 前記推定手段にて推定されたヨーレートの変化割合に基
    づいて、そのヨーレートの変化割合が基準割合値よりも
    大きな値となった時、前記車軸固定機構を動作させて車
    軸と車体フレームとを固定する第1制御手段とを備えた
    産業車両の制御装置。
  2. 【請求項2】 前記第1推定手段は、操舵角に基づいて
    求めた旋回半径の逆数の変化割合と走行速度とを乗算し
    た値に基づいてヨーレートの変化割合を推定する請求項
    1記載の産業車両の制御装置。
  3. 【請求項3】 前記第1推定手段は、操舵角に基づいて
    求めた旋回半径の逆数の変化割合と走行速度とを乗算し
    た値に対して、走行速度の変化割合と操舵角に基づいて
    求めた旋回半径の逆数とを乗算した値を加算した値に基
    づいてヨーレートの変化割合を推定する請求項1記載の
    産業車両の制御装置。
  4. 【請求項4】 前記第1推定手段は、走行速度に対して
    操舵角に基づいて求めた旋回半径の逆数を乗算した値の
    変化割合に基づいてヨーレートの変化割合を推定する請
    求項1記載の産業車両の制御装置。
  5. 【請求項5】 前記操舵角検出手段にて検出された操舵
    角及び車速検出手段にて検出された走行速度に基づいて
    横方向力を推定する第2推定手段と、 前記第2推定手段に基づいて、横方向力の値が基準力値
    よりも大きな値となった時、前記車軸固定機構を動作さ
    せて、車軸と車体フレームとを固定する第2制御手段と
    を備えた請求項1乃至請求項4のうちいずれかに記載の
    産業車両の制御装置。
  6. 【請求項6】 前記第2推定手段は、操舵角に基づいて
    求めた旋回半径の逆数と前記走行速度を2乗した値とを
    乗算した値に基づいて横方向力を推定する請求項5記載
    の産業車両の制御装置。
  7. 【請求項7】 前記車軸固定機構は、 前記車体フレームと車軸とに連結された油圧式ダンパー
    と、 前記油圧式ダンパーに給排される作動油を流す管路を、
    遮断状態及び連通状態との間で切換し、当該管路を遮断
    状態とすることで車軸を車体フレームに固定し、連通状
    態とすることで車軸を車体フレームに対して揺動可能に
    支持する切換弁とを備えた請求項1乃至請求項6のうち
    いずれかに記載の産業車両の制御装置。
  8. 【請求項8】 前記車軸は産業車両の後輪である操舵輪
    を連結する請求項1乃至請求項7のうちいずれかに記載
    の産業車両の制御装置。
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