JPH10323475A - プログラム式電子ミシン - Google Patents

プログラム式電子ミシン

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Publication number
JPH10323475A
JPH10323475A JP13390297A JP13390297A JPH10323475A JP H10323475 A JPH10323475 A JP H10323475A JP 13390297 A JP13390297 A JP 13390297A JP 13390297 A JP13390297 A JP 13390297A JP H10323475 A JPH10323475 A JP H10323475A
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JP
Japan
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sewing
coordinate value
sewing machine
needle
programmable electronic
Prior art date
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Pending
Application number
JP13390297A
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English (en)
Inventor
Kazuji Inoue
和司 井上
信次 ▲吉▼田
Shinji Yoshida
Yoshihiro Hara
由浩 原
Minoru Yamaguchi
稔 山口
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の方法よりも、容易かつ正確に針落点を
指定可能なプログラム式電子ミシンを提供すること。 【解決手段】 矢印キーが操作された場合(S202:
YES)、操作されている間は(S206:NO)、矢
印キーの指す方向へ縫針を移動させる(S204)。+
(プラス)または−(マイナス)キーが操作された場合
(S208:YES)、座標値が入力されるのを待ち
(S210)、座標値が示す位置へ縫針を移動させる
(S212)。座標値は、X座標、Y座標とも、常に現
在の縫針の直下位置を原点とする相対座標、縫製開始時
の縫針の直下位置を原点とする絶対座標のいずれをも指
定できる。その後、数字キーおよびLキーの操作により
(S214〜S220)、変曲点または縫製終了点が指
定されたら、縫針の直下の位置を記憶しておき(S22
2〜S224)、縫製プログラム作製時に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プログラム式電子
ミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、事前に作製された縫製プログ
ラムに従って、布送り機構や縫針駆動機構の動作を自動
制御するプログラム式電子ミシンが知られている。この
種のプログラム式電子ミシンは、動作モードとして、実
際に縫製を行うための縫製モードの他に、縫製プログラ
ムを作製するためのプログラム作製モードを備えてい
る。そして、このプログラム作製モードにおいて、例え
ば、利用者がキー入力装置などを使って、縫い方の種類
(例えば、直線縫い、曲線縫い、千鳥縫いなど)、いく
つかの針落点(例えば、縫製開始点および縫製終了点、
必要に応じて中間点)、あるいは縫目のピッチなど、始
点から終点に至る縫製経路を特定するのに必要な諸条件
を指定すると、それらの諸条件に基づいて、縫製時に必
要な縫製プログラムが作製される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
なプログラム式電子ミシンで、縫製プログラムを作製す
る際には、上述の通り、いくつかの針落点を指定しなけ
ればならないが、この針落点を指定するのに、従来は、
キー入力装置上に配置されている4つの矢印キーを操作
することにより、縫製経路となる元図が描かれた布を保
持する支持体を、実際に前後左右に移動させるととも
に、縫製経路上の指定すべき針落点が縫針の直下に移動
したところで、針落点指定キーを操作することにより、
縫針の直下位置が針落点として記憶されるようになって
いた。
【0004】しかしながら、このような方法で針落点を
指定するには、縫製経路となる元図を正確に描かない
と、正しい縫製経路を指定することができず、また、縫
製経路となる元図を正確に描いたとしても、指定すべき
針落点と縫針の位置を目測で正確に一致させないと、正
しい縫製経路を指定することができないため、元図の作
製や、元図をトレースして針落点を指定するのに、かな
りの手間がかかるという欠点があった。
【0005】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、従来の方法よりも、容易
かつ正確に針落点を指定可能なプログラム式電子ミシン
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段、および発明の効果】上述
の目的を達成するために、本発明は、請求項1記載の通
り、被縫製物を保持する支持体を縫針の移動方向と交差
する面内で縦横に移動させ、必要な針落点を記憶させる
ことにより、該針落点を結ぶ縫いパターンを描くような
縫製プログラムを作製可能で、該縫製プログラムに従っ
て縫製時の動作が制御されるプログラム式電子ミシンに
おいて、前記支持体の移動先を表す座標値を入力可能な
座標値入力手段と、該座標値入力手段にて入力された座
標値に基づいて、前記支持体を指定された移動先へ移動
させる第1の移動制御手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0007】このプログラム式電子ミシンによれば、座
標値入力手段にて入力された座標値に基づいて、第1の
移動制御手段が、支持体を指定された移動先へ移動させ
るので、針落点として指定すべき位置の座標が判明して
いれば、きわめて容易且つ正確に針落点を指定すること
ができる。したがって、例えば、針落点の座標が判明し
ていれば、指定すべき針落点と縫針の位置を目測で正確
に一致させてから針落点を指定する必要はなく、指定す
べき針落点の座標がすべて判明していれば、トレースす
るための元図も不要となる。また、矢印キーを操作して
いる間だけ縫針を移動させる場合とは異なり、到達目標
位置が移動開始時に判明しているので、縫針を迅速に移
動させることができる。
【0008】また、請求項2に記載のプログラム式電子
ミシンは、上記構成に加えて、前記支持体の移動方向を
指示可能な移動方向指示手段と、該移動方向指示手段に
て指示された移動方向および指示状態に基づいて、前記
支持体を指定された移動先へ移動させる第2の移動制御
手段とを備えることを特徴とする。
【0009】この請求項2記載のプログラム式電子ミシ
ンにおいて、第2の移動制御手段は、移動方向指示手段
にて指示された移動方向および指示状態に基づいて、支
持体を指定された移動先へ移動させるが、ここでいう指
示状態は、少なくとも移動量に換算できるような指示状
態である。具体的には、移動方向指示手段がキー入力装
置であれば、矢印キーの向きが移動方向になり、この矢
印キーの指示状態(例えば、押圧された状態にある時
間、押圧操作された回数、押圧操作の繰り返しにおける
ピッチなど)を移動量に換算することができる。
【0010】また、指示状態を移動量に換算するに当た
っては、必ずしもある比例関係をもって換算する必要は
ない。具体的には、キーが押圧された状態にある時間を
移動量に換算する場合、押圧時間と移動量とが特定の比
例関係にあっても構わないが、押圧時間が長くなるほど
単位時間当りの移動量が加速的に増加するものや、移動
に伴って縫製不能な範囲が近づくと移動量が減少するも
の、一定量だけ移動するたびに一時停止を繰り返すもの
など、操作時間とは比例関係にない移動量になるもので
あってもよい。
【0011】このように構成されたプログラム式電子ミ
シンにおいては、座標値入力手段にて座標値が入力され
た場合は、その座標値に基づいて、第1の移動制御手段
が支持体を指定された移動先へ移動させ、一方、移動方
向指示手段にて移動方向が指示された場合は、その移動
方向および指示状態に基づいて、第2の移動制御手段が
支持体を指定された移動先へ移動させる。
【0012】したがって、針落点として指定すべき位置
の座標が判明している部分については、座標値によって
針落点を容易且つ正確に指定することができ、一方、針
落点として指定すべき位置の座標が判明していない部分
については、移動方向を指定して針落点を指定すること
ができ、これら2つの指定方法を任意に使い分けなが
ら、針落点を指定することができる。
【0013】また、請求項3記載のプログラム式電子ミ
シンは、前記座標値入力手段として、縫針の直下位置が
常に特定座標値となる相対座標値にて、前記移動先の座
標値を入力可能な相対座標値入力手段を備えているの
で、指定すべき針落点間の相対距離が判明している場合
には、ある針落点を指定した後に、次の針落点を容易且
つ正確に指定することができる。
【0014】また、請求項4記載のプログラム式電子ミ
シンは、前記座標値入力手段として、被縫製物上の特定
位置が常に特定座標値となる絶対座標値にて、前記移動
先の座標値を入力可能な絶対座標値入力手段を備えてい
るので、指定すべき針落点の被縫製物上での絶対的な位
置が判明している場合には、その位置の座標値により、
針落点を容易且つ正確にを指定することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
一例を挙げて説明する。図1に示すように、プログラム
式電子ミシン1(以下、単にミシン1ともいう)は、ミ
シンテーブル3の上面側に配置されたベッド部5、およ
びアーム部6を備えている。
【0016】上記ベッド部5の上面前部には、針板7が
固定され、その針板7の上には、布押え装置8が設けら
れている。布押え装置8は、縫製対象となる布を保持し
つつ、その布を前後左右に移動させるもので、図2に詳
細に示すように、針板7上を前後左右に移動可能な送り
板10と、送り板10上に設けられた押え腕11と、そ
の押え腕11の前端部に昇降可能に取り付けられた布押
え板12などから構成されている。布押え板12は、常
時はバネにより付勢されて上昇し、送り板10から離れ
た位置にあるが、アーム部6に取り付けられた押えソレ
ノイド14によって付勢され時には、送り板10に接触
する位置まで下降して、送り板10との間に布Cを狭持
することができる。
【0017】一方、上記アーム部6には、上下に往復移
動する針棒16が設けられ、針棒16の下端には縫針1
8が装着されている。また、図1に示したように、ミシ
ンテーブル3の上面側には、利用者によって操作される
操作パネル20が立設され、さらに、この操作パネル2
0とは別に、利用者によって操作されるプログラマー2
2が、ケーブル24を介して接続されている。
【0018】操作パネル20は、ミシン1に対して固定
されたもので、主にミシン1に対する各種指令を入力す
る際に操作される。一方、プログラマー22は、ミシン
1から脱着して、他のミシンにも装着可能なもので、主
に縫製プログラムに関連する操作を行う際に操作され
る。このプログラマー22は、図3に示すように、多数
のキーを有するキー入力装置によって構成された操作部
26を備え、操作部26のキーの内、「?」、「F」、
「M]、「C]、「LI」の各キーには、操作可能な場
合等に点灯するLED27も配設されている。また、プ
ログラマー22は、ドットマトリクス方式にて最大で横
248×縦60ドットの画像を表示可能な液晶ディスプ
レイ装置28(以下、LCD28という)を備え、この
LCD28の画面上に任意の文字や図形等を表示可能に
なっている。
【0019】さらに、図1に示したように、ミシンテー
ブル3の一側面には、制御装置等を内蔵する筐体30が
配設されている。この筐体30には、フレキシブルディ
スク装置32(以下、FDD32という)なども備え付
けられ、利用者が作製した縫製プログラムを、磁気記憶
媒体に記録して保存することができる。また、ミシンテ
ーブル3の下方には、縫製動作の開始/終了、および布
押え板12の上昇/下降の切替操作を行うためのペダル
スイッチ34が配置されている。
【0020】次に、このプログラム式電子ミシン1の制
御系について説明する。このプログラム式電子ミシン1
の制御系は、図4に示すように、互いに独立した2つの
制御系40、60によって構成され、さらに両者が相互
に通信可能に構成されている。
【0021】一方の制御系40は、ミシン本体側の制御
系であり、周知のCPU41を中心にして、ROM4
2、RAM43、操作部45、LED47、通信部5
0、ブザー52、X軸モータ54、Y軸モータ55、ミ
シンモータ56、および上記FDD32などから構成さ
れている。
【0022】これらの内、CPU41は、ミシン1全体
の動作を制御するものである。ROM42には、CPU
41が実行する各種制御プログラム等が記憶され、RA
M43には、CPU41の動作時に一時的に各種データ
等が記憶される。このRAM43には、その一部に縫製
プログラムを格納するための記憶領域が確保されてお
り、縫製動作時には、このRAM43に格納された縫製
プログラムを、CPU41が参照して縫製処理を行う。
【0023】操作部45は、多数のキーを有するキー入
力装置によって構成され、LED47とともに、上記操
作パネル20上に配置されている。LED47は、各種
状態表示や警告表示用のものである。ブザー52は、動
作中あるいは各種エラー発生等の情報をブザー音で報知
するものである。また、X軸モータ54、およびY軸モ
ータ55は、それぞれ上述の布押え装置8(図2参照)
を左右方向、および前後方向に移動させるもので、ミシ
ンモータ56は、上述の針棒16や図示しない釜等を含
む縫製機構を駆動するものである。
【0024】また、もう一方の制御系60は、プログラ
マー22の制御系であり、周知のCPU61を中心にし
て、ROM62、RAM63、上記操作部26、上記L
ED27、通信部70、ブザー72、上記LCD28、
およびバックライト75などを配して構成されている。
【0025】これらの内、CPU61は、プログラマー
22全体の動作を制御するものである。ROM62に
は、CPU61が実行する各種制御プログラム等が記憶
され、RAM63には、CPU61の動作時に一時的に
各種データ等が記憶される。このRAM63にも、その
一部に縫製プログラムを格納するための記憶領域が確保
されている。但し、RAM63の記憶領域は、縫製プロ
グラムを一時的に保存するために確保されたもので、C
PU61は、ミシン本体側の制御系40から伝送されて
くる縫製プログラムを通信部70を介して受信して、R
AM63に格納したり、逆に、RAM63に格納された
縫製プログラムを読み出して、通信部70を介してミシ
ン本体側の制御系40へ送信することはできるが、RA
M63に記憶された縫製プログラムを参照しながら縫製
処理が行われることはない。なお、プログラマー22の
電源スイッチをOFFにした状態でも、RAM63には
電力が供給されるように構成されているため、プログラ
マー22の電源スイッチをOFFにしても、RAM63
に格納された縫製プログラムが失われることはない。
【0026】また、ブザー72は、動作中あるいは各種
エラー発生等の情報をブザー音で報知するものである。
また、バックライト75は、LCD28の明暗差を大き
くするために、LCD28の背面側から光を照射するも
のである。さらに、各制御系が備える通信部50、70
は、データを相互にシリアル伝送するためのインターフ
ェイス装置であり、通信部50と通信部70の間に、上
述のケーブル24を介在させて、双方の制御系40、6
0が互いに通信可能に接続されている。
【0027】なお、図4には明示していないが、ROM
42、RAM43、および通信部50は、バスを介して
CPU41に直接接続され、一方、操作部45、LED
47、ブザー52、X軸モータ54、Y軸モータ55、
ミシンモータ56、およびFDD32などは、いずれ
も、それぞれ専用のインターフェイス装置(ドライバ回
路等)に接続され、それらのインターフェイス装置がバ
スを介してCPU41に接続されている。また、ROM
62、RAM63、および通信部70は、バスを介して
CPU61に直接接続され、一方、操作部26、LED
27、ブザー72、LCD28、およびバックライト7
5などは、いずれも、それぞれ専用のインターフェイス
装置に接続され、それらのインターフェイス装置がバス
を介してCPU61に接続されている。
【0028】次に、上記のように構成されたプログラム
式電子ミシン1における縫製プログラム作製処理につい
て、千鳥縫いを行う場合を例にして、図5および図6の
フローチャートを参照しながら説明する。なお、図5お
よび図6に示す処理は、利用者の操作により、ミシン1
の動作モードが縫製プログラム作製モードになった場合
に、CPU41によって実行される処理である。
【0029】本処理を開始すると、CPU41は、ま
ず、コマンドが入力されるまで待機する(S102)。
ここで、利用者は、プログラマー22の操作部26を操
作して、あらかじめ定められた形式のコマンドを入力す
ることができ、例えば、千鳥縫いを行う場合は、千鳥縫
いコマンドとして、「7**M(但し、*は0〜9)」
と入力する。この時、「**」で指定した2桁の数値
は、0.1mmを単位とする千鳥幅(千鳥縫いの振幅)
を示しており、例えば、千鳥幅5.5mmの場合には
「755M」と入力する。
【0030】S102においてコマンドが入力された
ら、続いて、CPU41は、そのコマンドが上述の千鳥
縫いコマンドであるか否かをチェックする(S10
4)。そして、千鳥縫いコマンドであれば(S104:
YES)、引き続いて、指定された千鳥幅が「00」で
あるか否かをチェックし(S106)、「00」であれ
ば(S106:YES)、あらためて千鳥幅が入力され
るまで待機する(S108)。ここで、利用者は、「*
**M(但し、*は0〜9)」と入力でき、この時、
「***」で指定した3桁の数値が千鳥幅となる。例え
ば、千鳥幅15.5mmの場合には「155M」と入力
する。
【0031】このように、千鳥幅が2桁の場合は千鳥縫
いコマンド中において千鳥幅を直接指定できるので、よ
り迅速に入力を終えることができ、一方、千鳥幅が3桁
の場合でも、別途千鳥幅を指定できるので問題はない。
なお、例えば、千鳥縫い作製コマンド中で3桁の千鳥幅
を直接指定できるようにしてもよいが、その場合は、2
桁の千鳥幅を指定する際にも必ず3桁の入力が必要にな
るので、2桁の指定で足りることが多い場合は、本処理
のように構成する方が、多くの場合は、迅速な入力がで
きることになる。
【0032】そして、S102において千鳥縫いコマン
ド中に2桁の数値が入力されているか、S108におい
て3桁の数値が入力されたら、その数値を千鳥幅として
メモリに記憶する(S110)。続いて、千鳥ピッチが
入力されるまで待機する(S112)。ここで、利用者
は、千鳥縫いピッチコマンドとして、「***M(但
し、*は0〜9)」と入力することができ、この時、
「***」で指定した3桁の数値が、千鳥ピッチ(千鳥
縫いの繰り返し単位の長さ)となる。例えば、千鳥ピッ
チ2.5mmの場合には「025M」と入力する。そし
て、S112において数値が入力されたら、その値を千
鳥ピッチとしてメモリに記憶する(S114)。
【0033】続いて、現在の縫針18の直下の位置(座
標値)を縫製開始点としてメモリに記憶し(S11
6)、利用者に変曲点または縫製終了点を指定させるた
め、針落点指定処理を実行する(S118)。ここで、
このS118の針落点指定処理は、詳しくは図6に示す
ような処理になる。
【0034】すなわち、この針落点指定処理を開始する
と、CPU41は、プログラマー22の操作部26にお
いてキー入力があるまで待機し(S201:NO)、キ
ー入力があれば(S201:YES)、「矢印キー」が
操作されたか否かをチェックする(S202)。
【0035】そして、「矢印キー」が操作された場合は
(S202:YES)、その「矢印キー」の指す方向
(前後左右のいずれか)へ縫針18を移動させ(S20
4)、「矢印キー」が操作されなくなるまで(S20
6:NO)、S204〜S206の処理を続け、「矢印
キー」が操作されなくなったら(S206:YES)、
S201の処理へ戻る。なお、縫針18自体は、実際は
前後左右には移動不能であり、S204の処理では、
「矢印キー」の指す方向とは反対方向へ布押え装置8を
移動させる処理を行い、それにより、布を基準にして見
た場合の縫針18の相対位置を「矢印キー」の指す方向
へ移動させているのであるが、以下の説明も含め、本説
明においては、単に「矢印キー」の指す方向へ縫針18
を移動させる、という。
【0036】一方、S202の処理で「矢印キー」が操
作されていない場合は(S202:NO)、「+(プラ
ス)キー」または「−(マイナス)キー」が操作された
か否かをチェックして(S208)、これらのキーが操
作されている場合は(S208:YES)、続いて座標
値が入力されるのを待つ(S210)。ここでは、S2
08の処理における分岐条件にもなった「±」を含め
て、「±****F」、「±****C」、「±***
*M」、または「±****LI」(但し、いずれも*
は0〜9)と入力して座標値を指定することができ、こ
の時、「+」または「−」が原点からの方向、「*」で
指定した数値が座標値となる。また、末尾が「F」の場
合は、常に現在の縫針18の直下位置を原点とする相対
座標でX座標値が指定されたことになり、末尾が「C」
の場合は、縫製開始時の縫針18の直下位置を原点とす
る絶対座標でX座標値が指定されたことになる。また、
末尾が「M」の場合は、上記相対座標でY座標値が指定
されたことになり、末尾が「LI」の場合は、上記絶対
座標でY座標値が指定されたことになる。
【0037】こうしてS210の処理で座標値が指定さ
れたら、その座標値が示す位置へ縫針18を移動させ
(S212)、S201の処理へ戻る。また一方、S2
08の処理で「+キー」および「−キー」が操作されて
いない場合は(S208:NO)、「数字キー」が操作
されたか否かをチェックして(S214)、「数字キ
ー」が操作された場合は(S214:YES)、指定さ
れた数字を記憶して(S216)、S201の処理へ戻
る。ここで、S201からS216に至る処理を繰り返
した場合、先にS216の処理で記憶した数字は全体に
1桁分だけ桁位置が繰り上げられ、新たにS216の処
理で記憶する数字は常に1の位となる桁位置に繰り入れ
られる。なお、こうしてS216の処理で記憶された数
字は、後の処理で終了点の指定か変曲点の指定かを判別
するのに用いられる。
【0038】すなわち、S214の処理で「数字キー」
が操作されていない場合は(S214:NO)、「Lキ
ー」が操作されたか否かをチェックして(S218)、
「Lキー」が操作された場合は(S218:YES)、
終了点の指定か否かをチェックする(S220)。ここ
では、先にS216の処理で記憶した数字が「78*
(但し、*は7〜9)」でなければ、終了点の指定では
ないと判断し(S220:NO)、その時の縫針18の
直下の位置を変曲点として記憶して(S222)、S2
01の処理へ戻る。
【0039】一方、先にS216の処理で記憶した数字
が「78*(但し、*は7〜9)」であれば、終了点の
指定であると判断し(S220:YES)、その時の縫
針18の直下の位置を縫製終了点として記憶し(S22
4)、さらに、振分方向をメモリに記憶して(S22
6)、本処理を終了する。なお、S226の処理で記憶
される振分方向は、先にS216の処理で記憶した数字
の末尾によって特定されるパラメータであり、指定され
た針落点を結ぶ基準線に対し、どの位置に千鳥縫いを形
成すべきかを規定している。具体的には、先にS216
の処理で記憶した数字の末尾が「9」の場合は、基準線
を中心に左右均等に振幅が振り分けられる千鳥縫いとな
り、末尾が「8」の場合は、基準線の左側に形成される
千鳥縫いとなり、末尾が「7」の場合は、基準線の右側
に形成される千鳥縫いとなる。
【0040】以上のS201〜S226の処理により、
変曲点および縫製終了点を記憶したら、図5におけるS
118の処理を終えたことになり、このS118の処理
に続いて、上記の処理において指定された各条件に基づ
いて、千鳥縫いを行うのに必要な縫製プログラムを作製
する(S120)。なお、この縫製プログラムを作製す
る処理自体は、この種のミシンにおいて公知の技術であ
り、また、本発明の要部ではないので、ここでは具体的
な説明を省略する。
【0041】なお、S104の処理において、千鳥縫い
コマンドでなかった場合は(S104:NO)、他の処
理へと移行する(S199)。この他の処理は、具体的
には、さらに別のコマンドであるか否かをチェックする
処理、別のコマンドであった場合の当該コマンドに対応
する処理、不正なコマンドに対するエラー処理、処理の
中断指示がなされた場合の処理等であるが、これらの個
々の処理内容自体は、本発明の要部に関係ないので、こ
れらの詳細な説明も省略する。
【0042】以上説明したように、このプログラム式電
子ミシン1によれば、縫製プログラムを作製する際、変
曲点や縫製終了点といった針落点を指定するに当たっ
て、相対座標または絶対座標を表す数値を入力すること
によって、当該位置まで縫針18を移動させることがで
きるので、針落点として指定すべき位置の座標が判明し
ていれば、きわめて容易且つ正確に針落点を指定するこ
とができる。したがって、例えば、針落点の座標が判明
していれば、指定すべき針落点と縫針の位置を目測で正
確に一致させてから針落点を指定する必要はなく、指定
すべき針落点の座標がすべて判明していれば、トレース
するための元図も不要となる。また、矢印キーを操作し
ている間だけ縫針を移動させる場合とは異なり、到達目
標位置が移動開始時に判明しているので、縫針を迅速に
移動させることができる。
【0043】また、針落点として指定すべき位置の座標
が判明していない部分については、矢印キーを操作して
でも針落点を指定することができるので、これらの指定
方法を任意に使い分けながら、針落点を指定することが
できる。以上、本発明の実施形態について説明したが、
本発明の実施形態については上記のもの以外にも種々の
具体的形態が考えられる。
【0044】例えば、上記ミシン1は、座標値を指定し
て縫針を移動させることも、矢印キーで縫針を移動させ
ることもできたが、この他にも、座標値の指定で縫針が
移動する構成だけを採用しても、容易且つ正確に針落点
を指定できるミシンを構成することができる。
【0045】また、上記ミシン1は、座標値として、相
対座標および絶対座標の両方を指定できるように構成さ
れていたが、いずれか一方しか指定できないものであっ
てもよい。但し、相対座標および絶対座標の両方を指定
できる方が、座標値を指定するに当たっての自由度が高
い点で望ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態として例示したプログラム
式電子ミシンの全体の斜視図である。
【図2】 上記プログラム式電子ミシンの布押え装置付
近の斜視図である。
【図3】 上記プログラム式電子ミシンが備えるプログ
ラマーの正面図である。
【図4】 上記プログラム式電子ミシンの制御系のブロ
ック図である。
【図5】 縫製プログラム作製処理を示すフローチャー
トである。
【図6】 針落点指定処理を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1・・・プログラム式電子ミシン、3・・・ミシンテー
ブル、5・・・ベッド部、6・・・アーム部、7・・・
針板、8・・・布押え装置、10・・・送り板、11・
・・押え腕、12・・・布押え板、14・・・押えソレ
ノイド、16・・・針棒、18・・・縫針、20・・・
操作パネル、22・・・プログラマー、24・・・ケー
ブル、26・・・操作部、27・・・LED、28・・
・液晶ディスプレイ装置、30・・・筐体、32・・・
フレキシブルディスク装置、34・・・ペダルスイッ
チ、40・・・ミシン本体側の制御系、60・・・プロ
グラマー側の制御系、41,61・・・CPU、42,
62・・・ROM、43,63・・・RAM、45・・
・操作部、47・・・LED、50,70・・・通信
部、52,72・・・ブザー、54・・・X軸モータ、
55・・・Y軸モータ、56・・・ミシンモータ、75
・・・バックライト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 稔 愛知県名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブ ラザー工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被縫製物を保持する支持体を縫針の移動
    方向と交差する面内で縦横に移動させ、必要な針落点を
    記憶させることにより、該針落点を結ぶ縫いパターンを
    描くような縫製プログラムを作製可能で、該縫製プログ
    ラムに従って縫製時の動作が制御されるプログラム式電
    子ミシンにおいて、 前記支持体の移動先を表す座標値を入力可能な座標値入
    力手段と、 該座標値入力手段にて入力された座標値に基づいて、前
    記支持体を指定された移動先へ移動させる第1の移動制
    御手段とを備えたことを特徴とするプログラム式電子ミ
    シン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプログラム式電子ミシン
    において、 前記支持体の移動方向を指示可能な移動方向指示手段
    と、 該移動方向指示手段にて指示された移動方向および指示
    状態に基づいて、前記支持体を指定された移動先へ移動
    させる第2の移動制御手段とを備えたことを特徴とする
    プログラム式電子ミシン。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のプログラ
    ム式電子ミシンにおいて、 前記座標値入力手段として、縫針の直下位置が常に特定
    座標値となる相対座標値にて、前記移動先の座標値を入
    力可能な相対座標値入力手段を備えたことを特徴とする
    プログラム式電子ミシン。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の
    プログラム式電子ミシンにおいて、 前記座標値入力手段として、被縫製物上の特定位置が常
    に特定座標値となる絶対座標値にて、前記移動先の座標
    値を入力可能な絶対座標値入力手段を備えたことを特徴
    とするプログラム式電子ミシン。
JP13390297A 1997-05-23 1997-05-23 プログラム式電子ミシン Pending JPH10323475A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1119367A (ja) * 1997-07-07 1999-01-26 Tokai Ind Sewing Mach Co Ltd ミシン
JP2001129276A (ja) * 1999-11-04 2001-05-15 Juki Corp 電子ミシン
JP2008522358A (ja) * 2004-11-29 2008-06-26 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 多色光源の光の設定を調節するための方法及びシステム

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