JPH10323196A - α−モノグルコシルヘスペリジン高含有物の製造方法 - Google Patents
α−モノグルコシルヘスペリジン高含有物の製造方法Info
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- JPH10323196A JPH10323196A JP10063396A JP6339698A JPH10323196A JP H10323196 A JPH10323196 A JP H10323196A JP 10063396 A JP10063396 A JP 10063396A JP 6339698 A JP6339698 A JP 6339698A JP H10323196 A JPH10323196 A JP H10323196A
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Abstract
高含有物の製造方法は、α-グルコシルヘスペリジンと
ヘスペリジンとを含有する溶液に、グルコアミラーゼと
α-L-ラムノシダーゼとを同時に、または何れか一方を
先にして順次作用させ、得られた混合物からα-モノグ
ルコシルヘスペリジンを析出分離し、これを採取するこ
とを特徴としている。 【効果】本発明によれば、α-グルコシルヘスペリジン
とヘスペリジンとを含有する溶液から、ヘスペリジン、
β-モノグルコシルヘスペレチン、ヘスペレチンなどを
ほとんど含まず、著しく水溶性に優れたα-モノグルコ
シルヘスペリジン高含有物が容易に得られる。
Description
ペリジン高含有物の製造方法に関し、さらに詳しくはα
-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する
溶液を処理してα-モノグルコシルヘスペリジンを析出
分離し、これを採取することによるα-モノグルコシル
ヘスペリジン高含有物の製造方法に関する。
下記式[I]:
3’-トリヒドロキシ-4’-メトキシフラバノン)の7
位の水酸基に、ルチノース(L-ラムノシル-(α1→
6)-グルコース)がβ-結合したものをいう。このヘス
ペリジンは柑橘類の未熟な果皮に含まれ、毛細血管の強
化、出血予防、血圧調整等の生理作用を有するビタミン
Pとして医薬品、化粧品等に供される。またこのヘスペ
リジンは、アルカリ性水溶液には可溶であるが、水、酸
に難溶であり、室温では、50リットルの水に僅かに1
g(約0.002W/V%)程度しか溶けず、このヘス
ペリジンが、例えば、缶詰の液汁に少量でも含まれてい
ると、液汁が白濁し商品価値が損なわれる。
止するとの観点から、種々の方法が提案されている。例
えば、特開平3-7593号公報には、ヘスペリジンに
澱粉部分分解物(α-グルコシル糖化合物)共存下で糖
転移酵素(α-グルコシル転移活性を有する酵素)を作
用させて、下記式[II]で示されるα-グルコシルヘス
ペリジンを生成させて、水溶性を高めた酵素処理ヘスペ
リジンの製造方法が開示されている。
式[II]に示されるように、式[I]で示されるヘスペ
リジンのグルコースの4位の位置にグルコース(G)が
α-1,4結合で順次n個(1〜20個)結合した化合
物、またはこれらグルコース数の異なるα-グルコシル
ヘスペリジンの混合物である。
るヘスペリジンの40〜80%が酵素処理によりα-グ
ルコシルヘスペリジンに変換されるが、20〜60%は
未反応ヘスペリジンとして残存してしまう。未反応ヘス
ペリジン(ヘスペリジン)は、α-グルコシルヘスペリ
ジンが共存すると、水溶液中での溶解性が高まるが、α
-グルコシルヘスペリジンに対して未反応ヘスペリジン
の比率が高いと、短時間に未反応ヘスペリジンが不溶化
して析出してくる。
の一つとして、CMC(カルボキシメチルセルロース)
等の糊料をヘスペリジン含有液に添加し、水溶液の粘性
を上げることが考えられるが、このような糊料の添加は
商品イメージ上好ましくなく、また輸出商品には使用で
きないなど、一般的な方法とは言いがたい。
過などで分離除去してα-グルコシルヘスペリジンに対
して未反応ヘスペリジンの比率を低減させることによ
り、未反応ヘスペリジンの析出を遅らせる方法がある。
するとやはり未反応ヘスペリジンが析出するとの問題点
があり、本質的な解決になっていない。また、クロマト
分離などの方法で、α-グルコシルヘスペリジンと未反
応ヘスペリジンとを含有する水溶液からα-グルコシル
ヘスペリジン区分のみを取り出して用いる方法もある
が、コストアップになり、経済的な方法とは言いがた
い。
は鋭意研究を重ねて、先に、α-グルコシルヘスペリジ
ンと未反応ヘスペリジンとを含有する溶液に、α-L-ラ
ムノシダーゼ活性を有する酵素を作用させると、α-グ
ルコシルヘスペリジンは殆ど変化せずそのままである
が、未反応ヘスペリジンは、加水分解されてラムノース
を分離して下記式[III]で示されるβ-モノグルコシル
ヘスペレチンに変換され、著しく水溶性に優れ、長期間
経過しても白濁などが生じないような酵素処理ヘスペリ
ジンが得られることなどを見出している。
よるヘスペリジン配糖体生成と天然色素の安定化」と題
する米谷、寺田らの論文(日本食品科学工学会誌、第4
2巻第5号、第376〜382頁、1995年5月刊)
には、糖受容体のヘスペリジンと糖供与体のβ-CDと
糖転移酵素のCGTaseを反応させて、ヘスペリジン
配糖体(Hsp−Gn)を得た後、このヘスペリジン配
糖体の精製段階で、このヘスペリジン配糖体にα-ラム
ノシダーゼを作用させると、未反応ヘスペリジンのみが
加水分解され、セファデックスLH−20カラムクロマ
トグラフィーにより効果的にヘスペリジン配糖体(精製
物)と未反応ヘスペリジンとを分離できるとの知見を得
たことが記載され、得られたヘスペリジン配糖体(精製
物)を天然色素溶液に添加したところ、紫外線による天
然色素の退色を抑制できたことが記載されている。
ルコシルヘスペリジンについては、この米谷、寺田らの
論文に記載の方法では、含有されているヘスペレチンを
予めAmberlite XAD−16で分離し、得ら
れたβ-モノグルコシルヘスペレチンとα-モノグルコシ
ルヘスペリジンとα-ジグルコシルヘスペリジンとの混
合物から、さらにα-モノグルコシルヘスペリジンとα-
ジグルコシルヘスペリジンとを高価なカラムクロマトグ
ラフィーにより分離する方法であるため、α-モノグル
コシルヘスペリジン高含有物のみを効率よく採取するこ
とが困難であり、これをより簡単・安価に採取できれ
ば、医薬品、化粧品、食品添加物など広範な用途へのい
っそうの利用が期待できる。
は、α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンの混合
液にグルコアミラーゼ(E.C.3.2.1.3)を作用させ、
α-グルコシルヘスペリジンをα-モノグルコシルヘスペ
リジンに変え、ダイヤイオンHP-20カラムに通液し
水洗した後、エタノール水溶液中のエタノール濃度を段
階的に高めながらα-モノグルコシルヘスペリジン画分
を採取する方法が開示されている。この特開平3-75
93号公報に記載の方法においても、α-モノグルコシ
ルヘスペリジン高含有物を安価に供給することは困難で
あると思われる。
ねた結果、α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジン
とを含有する溶液に、グルコアミラーゼとα-L-ラムノ
シダーゼ(E.C.3.2.1.40)を作用させた後、α-モノ
グルコシルヘスペリジンを析出分離し、これを採取する
方法、あるいはグルコアミラーゼとα-L-ラムノシダー
ゼ、β-D-グルコシダーゼ(E.C.3.2.1.21)を作用さ
せた後、α-モノグルコシルヘスペリジンを析出分離
し、これを採取する方法のうちの何れかの方法を採用す
ることにより、得られた混合物からα-モノグルコシル
ヘスペリジンを効率良く分離・採取(分取)できること
などを見出して、本発明を完成するに至った。
ヘスペリジンを元の混合物から固液分離するだけで、極
めて効率良くα-モノグルコシルヘスペリジン高含有物
を製造することができる。
ゼ活性を有する酵素を作用させてヘスペリジンをβ-モ
ノグルコシルヘスペレチンに変換し、水溶性を向上させ
る方法はみかん缶詰シラップの白濁防止法として工業的
に行なわれている。
スペリジンと未反応ヘスペリジンとを含有する溶液にグ
ルコアミラーゼ、α-L-ラムノシダーゼを作用させる
か、またはグルコアミラーゼ、α-L-ラムノシダーゼ及
びβ-D-グルコシダーゼの各活性を有する酵素剤を作用
させて、α-グルコシルヘスペリジンのラムノースはそ
のままでグルコース4位に多数結合しているグルコース
(G)nのうちの1個のみ残して加水分解してα-モノ
グルコシルヘスペリジンとし、一方ヘスペリジンのラム
ノースを加水分解してβ-モノグルコシルヘスペレチン
(7-O-β-モノグルコシルヘスペレチン)に変える
か、さらにはβ-モノグルコシルヘスペレチンのβ-グル
コースを加水分解してヘスペレチンに変えるかすること
により、効率良くα-モノグルコシルヘスペリジンのみ
を析出分離し、これを採取する方法は示唆すらされてい
なかった。
溶化ヘスペリジンを、ヘスペリジンが含有されている水
溶液に添加するヘスペリジン結晶の析出防止方法が開示
され、この可溶化ヘスペリジンは、ヘスペリジン中のグ
ルコース基の4位の位置にグルコースがα-1,4結合
で順次1〜十数個結合した化合物であり、このような可
溶化ヘスペリジンは、糖転移酵素をサイクロデキストリ
ン等の存在下にヘスペリジンに作用させることで生産で
き、該糖転移酵素としては、例えばCGTaseすなわ
ち、1,4-α-D-グルカン;1,4-α-D-(1,4-
グルカノ)-トランスフェラーゼ(E.C.2.4.1.19)、
さらに具体的には、バチルス属のA2-5a菌株培養物
から採取された糖転移酵素を利用して生産できる旨記載
されている。
リジンを未反応ヘスペリジンに添加混合してヘスペリジ
ン含有物中のヘスペリジン結晶析出を防止するとの技術
思想の開示にとどまる。また該公報に記載の方法で得ら
れるものはα-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジン
の混合物であり、生成物には、未反応ヘスペリジンがそ
のまま含有されているため、例えばこのような方法で調
製した缶詰ではその液汁が次第に白濁しやすいという問
題点がある。この対処方法として、該公報の実施例で
は、α-モノグルコシルヘスペリジンとα-ジグルコシル
ヘスペリジン画分を採取し用いている。しかしながら、
前記2成分画分を経済的に採取することは、技術的に困
難を伴う。
問題点を解決しようとするものであって、α-グルコシ
ルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液に簡単
な処理を施すことにより、α-モノグルコシルヘスペリ
ジン高含有物を分取する方法を提供することを目的とし
ている。
リジン高含有物の製造方法では、α-グルコシルヘスペ
リジンとヘスペリジンとを含有する溶液(a)に、グルコ
アミラーゼとα-L-ラムノシダーゼとを同時にまたは別
々に作用させた後、得られた混合物(酵素反応液)(b-
1)からα-モノグルコシルヘスペリジンを析出分離する
か(第I法)、あるいは上記溶液(a)に、グルコアミラ
ーゼとα-L-ラムノシダーゼ、β-D-グルコシダーゼの各
活性とを有する酵素剤類を同時にまたは別々に作用させ
た後、得られた混合物(酵素反応液)(b-2)からα-モノ
グルコシルヘスペリジンを析出分離するか(第II
法)、の何れかの方法により、上記溶液(a)からα-モノ
グルコシルヘスペリジンを分離し、これを採取すること
を特徴としている。
ノグルコシルヘスペリジンを析出分離させる前に、上記
酵素反応液を多孔性吸着樹脂と接触させ、α-モノグル
コシルヘスペリジン、β-モノグルコシルヘスペレチ
ン、ヘスペレチン等を該樹脂に吸着させ、次いで水洗に
よりデキストリン等を流出させた後、有機溶剤(例:ア
ルコール)でα-モノグルコシルヘスペリジン、β-モノ
グルコシルヘスペレチン、ヘスペレチンを溶出させるこ
とが望ましく、さらにはこのようにして得られた溶出液
中に含まれる使用された有機溶剤を除去しておくことが
好ましい。さらに、本発明の好ましい態様においては、
低級アルコール(例:メタノール)中で、この溶出液中
に含まれるα-モノグルコシルヘスペリジンを析出さ
せ、分取することが望ましい。
ジンとヘスペリジンとを含有する溶液から、ヘスペリジ
ン、β-モノグルコシルヘスペレチン、ヘスペレチンな
どをほとんど含まず、著しく水溶性に優れたα-モノグ
ルコシルヘスペリジン高含有物が容易に得られる。
コシルヘスペリジン高含有物の製造方法について具体的
に説明する。
ジン高含有物の分取(製造)方法では、α-グルコシル
ヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液に、グル
コアミラーゼとα-L-ラムノシダーゼとβ-D-グルコシダ
ーゼとを同時にまたは別々に作用させ(但し、β-D-グ
ルコシダーゼを、グルコアミラーゼおよびα-L-ラムノ
シダーゼより先に作用させることはない)、得られた酵
素処理液からα-モノグルコシルヘスペリジンを析出分
離し、これを採取しているが、この際に用いられる「α
-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する
溶液」についてまず初めに説明する。
ジンとを含有する溶液]このような酵素処理の対象とな
る溶液としては、α-グルコシルヘスペリジンとヘスペ
リジンとを含有するものであれば、その含量比、濃度な
どは特に限定されないが、好ましくは、処理すべき溶液
中のα-グルコシルヘスペリジン濃度が、0.1〜30
重量%、好ましくは1〜10重量%であり、ヘスペリジ
ン濃度が、0.02〜15重量%、好ましくは0.2〜
5重量%であり、α-グルコシルヘスペリジン/ヘスペ
リジン(重量比)が、100/1〜200、好ましくは
100/1〜20であるものが望ましい。
ンとを含有する溶液としては、例えば、下記〜に示
すものが挙げられる。 : 特開平3-7593号公報に記載されているよう
に、ヘスペリジンに澱粉部分分解物(α-グルコシル糖
化合物)共存下で糖転移酵素(α-グルコシル転移活性
を有する酵素)を作用させてなり、α-グルコシルヘス
ペリジンと未反応のヘスペリジンとを含有しているも
の。 : 上記のようにして得られたα-グルコシルヘスペリ
ジン含有物中のヘスペリジンを析出させた後、さらにろ
過などによりヘスペリジンを分離除去してα-グルコシ
ルヘスペリジンに対してヘスペリジンの比率を低減させ
たもの。
ゼ、β-D-グルコシダーゼの各活性を有する酵素剤]本
発明においては、グルコアミラーゼ、α-L-ラムノシダ
ーゼ、β-D-グルコシダーゼは、それぞれの酵素活性を
有するものであれば、何れも用いることができる。
例えば、「グルクザイムNL4,2」(天野製薬(株)
製)、「セルラーゼA<アマノ>3」(天野製薬(株)
製)、「グルコチーム」(長瀬産業(株)製)、「ユニ
アーゼ30」((株)ヤクルト製)、「ナリンギナー
ゼ」(田辺製薬(株)製)などの市販の酵素剤のよう
に、α-1,4グルコシド結合をグルコース単位で切断
しうる酵素が挙げられる。
は、例えば、「ヘスペリジナーゼ」(田辺製薬(株)
製)、「ナリンギナーゼ」(田辺製薬(株)製)、「セ
ルラーゼA<アマノ>3」(天野製薬(株)製)等の市
販の酵素剤が挙げられ、好ましくは「ヘスペリジナー
ゼ」が用いられる。
は、例えば、「セルラーゼA<アマノ>3」(天野製薬
(株)製)等の市販の酵素剤が挙げられる。これらの酵
素剤のうちグルコアミラーゼ活性を有する酵素剤は、上
記α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有
する溶液中のα-グルコシルヘスペリジン100重量部
当たり、好ましくは0.01〜10重量部、さらに好ま
しくは0.1〜1重量部程度の量で用いられる。
は、上記α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジンと
を含有する溶液中のヘスペリジン100重量部当たり、
好ましくは0.05〜50重量部、さらに好ましくは
1.5〜15重量部程度の量で用いられる。
素剤は、上記α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジ
ンとを含有する溶液中のヘスペリジン100重量部当た
り、好ましくは0.01〜20重量部、さらに好ましく
は0.1〜10重量部程度の量で用いられる。なお、グ
ルコアミラーゼ活性、α-L-ラムノシダーゼ活性、β-D-
グルコシダーゼ活性のうち2つ以上の活性を有する市販
の酵素剤{例:「セルラーゼA<アマノ>3」(天野製
薬(株)製)}を用いる場合には、その量を適宜加減し
設定することができる。
ルヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液中のα
-グルコシルヘスペリジンあるいはヘスペリジンに作用
させるには、通常、pH3〜7、好ましくはpH3〜4
で、通常40〜70℃、好ましくは50〜60℃の温度
で、通常0.5〜72時間、好ましくは6〜48時間程
度保持すればよい。
ペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液を酵素処理し
た場合、α-グルコシルヘスペリジンは、上記α-L-ラム
ノシダーゼ(例:ヘスペリジナーゼ)処理によっては、
その作用を実質上受けない。
ジンは、グルコアミラーゼの加水分解作用を受けて、こ
のα-グルコシルヘスペリジンのヘスペレチン骨格7位
のグルコースにα-1,4結合でn個順次結合(n=1
〜十数個)しているグルコースが1個残して加水分解さ
れ、上記式[II]中、n=1のα-モノグルコシルヘス
ペリジンになる。
α-モノグルコシルヘスペリジン)にβ-D-グルコシダー
ゼを作用させても実質上加水分解されない。一方のヘス
ペリジンは、上記のα-L-ラムノシダーゼの作用を受け
てそのラムノース基が加水分解され、β-モノグルコシ
ルヘスペレチン(7-O-β-モノグルコシルヘスペレチ
ン)になる。
さらにβ-D-グルコシダーゼが作用すると、このβ-モノ
グルコシルヘスペレチンのヘスペレチン骨格7位に結合
しているβ-グルコース基が加水分解されて、β-モノグ
ルコシルヘスペレチンは、水に難溶性のヘスペレチンに
なる。
ヘスペリジンとヘスペリジンとを含有する溶液への上記
各酵素の添加順序としては、α-グルコシルヘスペリジ
ンとヘスペリジンとを含有する溶液に、グルコアミラー
ゼとα-L-ラムノシダーゼを作用させ、得られた混合物
(酵素反応液)からα-モノグルコシルヘスペリジンを
析出分離する第I法では、α-グルコシルヘスペリジン
のα-モノグルコシルヘスペリジン化と、ヘスペリジン
のβ-モノグルコシルヘスペレチン化の何れか一方を先
に、あるいは同時に進行させればよいため、グルコアミ
ラーゼとα-L-ラムノシダーゼの何れか一方を先に、あ
るいは同時に進行させればよい。得られた酵素反応液中
の各成分含量は、α-モノグルコシルヘスペリジン1重
量部に対してβ-モノグルコシルヘスペレチンが0.5
重量部以下で、ヘスペリジン及びヘスペレチンがそれぞ
れ0.1重量部以下である。また、糖類等その他の成分
は、該酵素反応液中のα-モノグルコシルヘスペリジン
1重量部に対して1重量部以上の量で含まれることが多
い。
ンとを含有する溶液に、グルコアミラーゼ、α-L-ラム
ノシダーゼ、β-D-グルコシダーゼを同時に、または何
れか一種を先にして順次作用させ、得られた混合物(酵
素反応液)からα-モノグルコシルヘスペリジンを析出
分離する第II法では、 グルコアミラーゼと、α-L-ラムノシダーゼと、β-D-
グルコシダーゼを同時に添加する方法、 グルコアミラーゼとα-L-ラムノシダーゼとを添加し
て作用させた後、β-D-グルコシダーゼを添加して作用
させる方法、 グルコアミラーゼとα-L-ラムノシダーゼを任意の順
序で添加して作用させた後、β-D-グルコシダーゼを作
用させる方法、 ヘスペリジンのヘスペレチン化を先に進めるべく、α
-L-ラムノシダーゼとβ-D-グルコシダーゼとを作用させ
た後、グルコアミラーゼを作用させる方法等が挙げられ
る。何れの場合も、これらの各酵素は一度にあるいは少
量ずつ添加することができる。
-モノグルコシルヘスペリジン1重量部に対して、ヘス
ペレチンが0.4重量部以下で、β-モノグルコシルヘ
スペレチンとヘスペリジンがそれぞれ0.1重量部以下
の量である。そして、糖類等のその他の成分は、該酵素
反応液中のα-モノグルコシルヘスペリジン1重量部に
対して、1重量部以上の量で含まれることが多い。
は、α-L-ラムノシダーゼを先に作用させた後、グルコ
アミラーゼを作用させることが望ましい。また、第II
法では、α-L-ラムノシダーゼを作用させた後、グルコ
アミラーゼとβ-D-グルコシダーゼを作用させることが
反応効率の点から望ましい。
取]本発明では、上記のように、α-グルコシルヘスペ
リジンとヘスペリジンとを含有する溶液を酵素処理して
得られる、α-モノグルコシルヘスペリジンを含有する
酵素処理液(酵素処理α-モノグルコシルヘスペリジン
含有液とも言う)から、α-モノグルコシルヘスペリジ
ンを分取する。
シルヘスペリジンを分取するには、第I法では、低級ア
ルコールに、下記酵素処理液すなわち、「α-モノグル
コシルヘスペリジン1重量部に対して、β-モノグルコ
シルヘスペレチンが0.5重量部以下で、ヘスペリジン
及びヘスペレチンがそれぞれ0.1重量部以下であり、
そして糖類その他の成分が多くの場合1重量部以上の量
で含まれる酵素処理液」を混合し、第II法では、下記
酵素処理液すなわち、「α-モノグルコシルヘスペリジ
ン1重量部に対して、ヘスペレチンが0.4重量部以下
で、β-モノグルコシルヘスペレチンとヘスペリジンが
それぞれ0.1重量部以下であり、そして糖類等その他
の成分が多くの場合1重量部以上の量で含まれる酵素処
理液」を混合するが、本操作に先だって酵素処理液中の
遊離糖分を除去しておくことが望ましい。遊離糖分の除
去方法は、酵素処理液中の遊離糖分を効率良く除去出き
る方法であればどんな方法でもよいが、多孔性吸着樹脂
を用いる方法が簡便である。
えば、HP−20、HP−50、XAD−2等の非極性
樹脂、XAD−7等の中間極性樹脂が好ましく用いられ
る。これらの方法では、カラムに多孔性吸着樹脂を充填
し、高濃度のエタノール水溶液等で活性化しておいたカ
ラムに上記酵素処理α-モノグルコシルヘスペリジン含
有液を10〜60℃の温度で通液する等の方法で、該樹
脂に上記酵素処理α-モノグルコシルヘスペリジン含有
液を接触させ、α-モノグルコシルヘスペリジン、β-モ
ノグルコシルヘスペレチン、ヘスペレチン等を吸着させ
る。
水で洗浄して遊離糖を主体とする夾雑物を除去した後、
アルコール、アルコール−水(アルコール/水=50〜
100/25〜1)等の溶離液を10〜60℃の温度で
通液する等の方法で、該樹脂に吸着しているα-モノグ
ルコシルヘスペリジン、β-モノグルコシルヘスペレチ
ン、ヘスペレチン等を溶出させる。
コシルヘスペリジン1重量部に対して、β-モノグルコ
シルヘスペレチンが0.5重量部以下で、ヘスペリジン
及びヘスペレチンがそれぞれ0.1重量部以下であり、
そして糖類等のその他の成分が0.1重量部以下の量で
ある溶出液が得られ、また第II法では、本操作により
α-モノグルコシルヘスペリジン1重量部に対して、ヘ
スペレチンが0.4重量部以下で、β-モノグルコシル
ヘスペレチンとヘスペリジンとがそれぞれ0.1重量部
以下であり、そして糖類等その他の成分が0.1重量部
以下の量である溶出液が得られる。
タノール、プロパノール、ブタノール等の炭素数が1〜
5の低級アルコールが挙げられる。次いで上記溶出液中
のα-モノグルコシルヘスペリジンを低級アルコール中
で析出させ、固液分離し、これを採取することにより、
α-モノグルコシルヘスペリジン高含有物を得ることが
できる。
ンが、加温された低級アルコール中には容易に溶解する
一方、それを室温(例:15〜25℃)以下の温度に下
げるとα-モノグルコシルヘスペリジンが容易に析出し
てくる現象と、β-モノグルコシルヘスペレチンは低級
アルコール中に溶解しやすく、室温以下の温度に下げて
もβ-モノグルコシルヘスペレチンは析出しにくい現象
を見出して、完成させたものである。
毎に詳述するが、第I法、第II法とも、酵素処理され
た上記溶出液を上記低級アルコールに溶解するに先立
ち、乾燥物としておくことが好ましい。
して、β-モノグルコシルヘスペレチンが0.5重量部
以下で、ヘスペリジン及びヘスペレチンがそれぞれ0.
1重量部以下であり、そして糖類等のその他の成分が
0.1重量部以下の量で含まれることのある乾燥物を低
級アルコール、好ましくはメタノールに溶解する。該乾
燥物1gに対して、メタノールを0.2〜20ml、好
ましくは1〜10ml加え、20〜120℃、好ましく
は60〜90℃の温度に加熱して溶解する。
下〜上記アルコールの融点以上の温度に冷却しあるいは
室温下に放置すると、ほとんどα-モノグルコシルヘス
ペリジンのみが析出してくる。このように溶液を冷却す
る際には、予め微粉末状に調製しておいたα-モノグル
コシルヘスペリジンを該溶液に種晶として少量加える等
の操作を行えば、より迅速にα-モノグルコシルヘスペ
リジンが析出してくる。
-モノグルコシルヘスペリジン高含有物を得ることがで
きる。固液分離に際しては、析出したα-モノグルコシ
ルヘスペリジン結晶を低級アルコールで洗浄すれば、よ
りα-モノグルコシルヘスペリジン含有率の高いα-モノ
グルコシルヘスペリジン高含有物が得られる。
グルコシルヘスペリジン1重量部に対して、ヘスペレチ
ンが0.4重量部以下で、β-モノグルコシルヘスペレ
チンとヘスペリジンがそれぞれ0.1重量部以下であ
り、そして糖類等のその他の成分が0.1重量部以下の
量で含まれることのある乾燥物を用いる以外は、第I法
と同様に操作すれば、該乾燥物からα-モノグルコシル
ヘスペリジン高含有物が得られる。
ルヘスペリジン高含有物((a)、(b))中には、α-モノ
グルコシルヘスペリジンが85重量%以上、好ましくは
95重量%以上の量で含有され、またこのα-モノグル
コシルヘスペリジンと共存するヘスペリジン、β-モノ
グルコシルヘスペレチン(7-O-β-モノグルコシルヘ
スペレチン)、ヘスペレチンは、何れも全く含まれない
ことが最も望ましいが、これらを含む場合には、このα
-モノグルコシルヘスペリジンと共存するヘスペリジン
の含有量は、このα-モノグルコシルヘスペリジン1重
量部に対して0.10重量部以下、好ましくは0.05
重量部以下、特に好ましくは0〜0.01重量部の量で
あり、またβ-モノグルコシルヘスペレチン(7-O-β-
モノグルコシルヘスペレチン)の含有量は、0.10重
量部以下、好ましくは0.05重量部以下、特に好まし
くは0〜0.02重量部の量であることが望ましい。し
かも、ヘスペレチン含有量は、0.10重量部以下、好
ましくは0.05重量部以下、特に好ましくは0〜0.
01重量部の量であることが望ましい。
ン高含有物((a)(b))は、水溶性に優れ、例えば、固形
分濃度が30重量%のα-モノグルコシルヘスペリジン
高含有物溶液を室温(例:25℃)で4週間保持して
も、肉眼ではヘスペリジン、ヘスペレチン等の析出な
ど、フロック(floc:凝集塊)の生成が殆ど見られ
ない。
ルヘスペリジン高含有物中のα-モノグルコシルヘスペ
リジンは、体内に摂取されると生体内酵素の作用を受け
て元のヘスペリジンに戻り、ビタミンPとしての諸機能
を発揮することができる。この場合、α-モノグルコシ
ルヘスペリジン(あるいはその高含有物)をビタミンC
と併用すれば、毛細血管の抵抗性の増強等のビタミンP
作用において相乗効果を発揮することができる。
ペリジン高含有物は、天然色素の退色防止剤等の用途に
好適に使用できる。このようにα-モノグルコシルヘス
ペリジン高含有物を天然色素の退色防止に用いる場合、
天然色素で着色された試料重量当たり、0.001〜
0.2重量%、好ましくは0.005〜0.1重量%、
より好ましくは0.01〜0.05重量%の量で使用す
ることが望ましい。
特有の紫外部吸収スペクトルを持ち、可視部に目立った
吸収がないためほとんど無色であり、従来、紫外線で退
色の起きやすい色素、特に天然色素の退色防止に利用が
試みられてきたが、ヘスペリジンは水にほとんど溶けな
かったため効果を発揮するまでに至らなかった。また水
溶性を高めた酵素処理ヘスペリジンであっても、従来品
では、未反応ヘスペリジンの析出・沈澱が発生する恐れ
があり、その場合商品イメージを損ねるためその利用に
は問題があった。
シルヘスペリジン高含有物は、沈澱発生の恐れのほとん
どない水溶性のものであるため、天然色素の退色防止に
幅広く利用できる。特にパプリカ、β-カロチン、アス
タキサンチン等のカロチノイド系色素に有効であるが、
ブドウ果皮、ベニバナ黄等のフラボノイド色素、ビート
レッド、ウコン色素、クチナシ青、紅麹色素等にも効果
的に使うことができる。
ビン酸(またはL-アスコルビン酸ソーダ)の何れか1
つまたは両方を併用することにより、上記天然色素の退
色防止に相乗効果が得られる。
ン高含有物をみかん缶詰の白濁防止に用いる場合、該α
-モノグルコシルヘスペリジン高含有物は、みかんおよ
び溶液(みかん缶詰の内の溶液)中に存在するヘスペリ
ジン(未反応ヘスペリジン)1重量部に対して、0.1
〜10重量部、好ましくは0.1〜2重量部、より好ま
しくは0.1〜1重量部の量であることが望ましい。
ジン高含有物は、ヘスペリジンを含有するカンキツ類飲
料(例:温州みかん、ネーブル、オレンジなど。)の白
濁防止に使用することができ、この場合、用いるα-モ
ノグルコシルヘスペリジン高含有物の使用量は、溶液中
に存在するヘスペリジン(未反応ヘスペリジン)1重量
部に対して0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜
2重量部、より好ましくは0.1〜1重量部であること
が望ましい。
ン高含有物は、特有の視外部吸収特性を持つと共に、色
が極めて薄い等の特質を持つため、UVカット剤などと
して化粧品などに利用することができる。
リジンとヘスペリジンとを含有する溶液から、ヘスペリ
ジン、β-モノグルコシルヘスペレチン、ヘスペレチン
などをほとんど含まず、著しく水溶性に優れ、白濁(結
晶析出)が生じないようなα-モノグルコシルヘスペリ
ジン高含有物が収率よく簡単に得られる。
ペリジン高含有物の分取(製造)方法について実施例に
基づいてさらに具体的に説明するが、本発明は、このよ
うな実施例により何等限定されるものではない。
その趣旨に反しない限り「重量%」の意味である。
性ソーダ(NaOH)0.9リットルに溶解し、そこに
DE8のデキストリン150gを加え溶解した。
ス・ステアロサーモフィルス由来のシクロデキストリン
グルカノトランスフィラーゼ(株式会社 林原生物化学
研究所 販売)をデキストリン1g当たり15単位加
え、60℃まで加温しながらさらに4N-硫酸を滴下し
てpH8.3に調整し、6時間反応させた。
7.0に調整し、68℃に加温して40時間反応させ
た。反応終了後、酵素を加熱失活させた後、濾過して酵
素処理ヘスペリジン溶液(A液)を得た。
ろ、反応前液中のヘスペリジンの72%がα-グルコシ
ルヘスペリジンになっており、残り28%は未反応のま
まであった。
モノグルコシルヘスペリジン、α-グルコシルヘスペリ
ジンなどの確認]ヘスペリジン、β-モノグルコシルヘ
スペレチン、α-モノグルコシルヘスペリジン、α-グル
コシルヘスペリジンなどの確認は以下の方法で行った。 1.ヘスペリジン: 試薬ヘスペリジン(東京化成)を
用いて同一であることを確認した。 2.β-モノグルコシルヘスペレチン:試薬ヘスペリジ
ン(東京化成)にα-L-ラムノシダーゼを作用させ、高
速液体クロマトグラフィーで分析(上記分析条件)す
る。次いで、ヘスペリジンのR.T.(=10.90)
の後の単一ピーク(R.T.=12.13)画分を採取
し加水分解しグルコースを検出する。さらに本ピークの
紫外部吸収スペクトルがヘスペリジンと一致することを
確認し、このピークをβ-モノグルコシルヘスペレチン
(ヘスペレチン−7−グルコシド)とした。 3.α-モノグルコシルヘスペリジン、α-グルコシルヘ
スペリジン:試薬ヘスペリジン(東京化成)を用いての
反応物を高速液体クロマトグラフィーで分析(上記分析
条件)する。各ピークの紫外部吸収スペクトルがヘスペ
リジンと一致することを確認する。またグルコアミラー
ゼを作用させ、高速液体クロマトグラフィーで分析(上
記分析条件)する。その結果、いずれもヘスペリジンの
R.T.(=10.90)の前の単一ピーク(R.T.
=10.34)になった。
採取し、α-グルコシダーゼ(E.C.3.2.1.20)を作用
させて加水分解するとグルコースとヘスペリジンが生成
することを確認する。R.T.=10.34のピークを
α-モノグルコシルヘスペリジンとし、本ピーク及び本
ピークよりR.T.の小さいピーク群をα-グルコシル
ヘスペリジン画分とした。
ペレチン、α-モノグルコシルヘスペリジン、α-グルコ
シルヘスペリジンなどの重量の測定]またヘスペリジ
ン、β-モノグルコシルヘスペレチン、α-モノグルコシ
ルヘスペリジン、α-グルコシルヘスペリジンなどの重
量の測定は以下の方法で行った。 1.ヘスペリジン: 高速液体クロマトグラフィーで分
析し、試薬ヘスペリジン(東京化成)をもとに算出し
た。 2.β-モノグルコシルヘスペレチン:高速液体クロマ
トグラフィーで分析し、試薬ヘスペリジン(東京化成)
をもとに分子量換算し算出した。 3.α-モノグルコシルヘスペリジン:高速液体クロマ
トグラフィーで分析し、試薬ヘスペリジン(東京化成)
をもとに分子量換算し算出した。 4.α-グルコシルヘスペリジン画分:本品(試料)の
乾燥品1.0gを水50mlに溶解し、この溶液を予め
高濃度のエタノール水溶液で活性化し水で充分水洗して
おいたXAD-7樹脂100mlにSV=1で通液し、
その後水洗し、50%エタノール水溶液200mlで溶
出する。この液(溶出液)からエタノールを除いてから
濃縮・乾燥し重量を求める。高速液体クロマトグラフィ
ーで分析し、もしヘスペリジン、β-モノグルコシルヘ
スペレチンが含まれていたならば、前述の1,2に基づ
いて算出した値を減じてα-グルコシルヘスペリジン画
分重量を算出する。
液)に、ヘスペリジナーゼ(ヘスペリジナーゼ2号,田
辺製薬 製)2gを加え、4N-硫酸でpH4に調整し、
55℃で24時間反応させた後、グルコアミラーゼ(グ
ルコチーム,長瀬産業 製)1.0gを加え、さらに5
5℃で24時間反応を継続させた。
0分間保持して酵素を加熱失活させてから濾過して酵素
処理ヘスペリジン溶液(B液)を得た。B液を参考例1
に記載の条件でHPLC分析したところ、B液中のα-
グルコシルヘスペリジンはその殆どがα-モノグルコシ
ルヘスペリジンに変化し、またB液中の未反応ヘスペリ
ジンは、殆ど(99%以上)がβ-モノグルコシルヘス
ペレチン(ヘスペレチン−モノグルコサイド)に変わっ
ていた。
(XAD-7)が充填され、高濃度のエタノール水溶液
で活性化しておいたカラムに上記酵素処理ヘスペリジン
溶液(B液)を通過させ、次いで、カラム容量の2倍量
の水で洗浄してから80(V/V)%エタノール水溶液
3リットルで樹脂への吸着成分を脱着した。脱着液中の
エタノールを除去してから、凍結乾燥し固形物(B−
r)を得た。
コシルヘスペリジンが81重量%、β-モノグルコシル
ヘスペレチンが18重量%、その他の成分が1重量%の
量で含まれており、またヘスペリジンとヘスペレチンは
検出されなかった。
メタノール100mlを加えて80℃で加熱溶解後、室
温下に放置し結晶を析出させた。析出した結晶は、99
%(V/V)メタノールで洗浄してから乾燥させて固形
物(B−r−c)12gを得た。この固形物(B−r−
c)には、α-モノグルコシルヘスペリジンが98重量
%、β-モノグルコシルヘスペレチンが1重量%、その
他の成分が1重量%の量で含まれており、またヘスペリ
ジンとヘスペレチンは検出されなかった。
液(A液)にグルコアミラーゼ(グルコチーム,長瀬産
業 製)1g、ヘスペリジナーゼ(ヘスペリジナーゼ2
号,田辺製薬 製)2g、セルラーゼA<アマノ>3
[天野製薬(株)製]10gを加え、4N-硫酸でpH
4.0に調整し、55℃で48時間反応させた。
過して酵素処理ヘスペリジン溶液(C液)を得た。C液
を参考例1に記載の条件でHPLC分析したところ、A
液中に存在していたα-グルコシルヘスペリジンは、C
液中では、ほとんどがα-モノグルコシルヘスペリジン
に変化し、またA液中に存在していた未反応ヘスペリジ
ンは、C液中ではほとんど(99%以上)がヘスペレチ
ンに変わっていた。
5リットルの中間極性多孔性吸着樹脂(XAD-7)で
処理し、凍結乾燥して固形物(C−r)を得た。この固
形物(C−r)には、α-モノグルコシルヘスペリジン
が85重量%、β-モノグルコシルヘスペレチンが2重
量%、ヘスペレチンが12重量%、その他の成分が1重
量%の量で含まれ、ヘスペリジンは検出されなかった。
メタノール200mlを加え80℃で加熱溶解した後、
室温下に放置し、結晶を析出させた。析出した結晶は、
99%(V/V)メタノールで洗浄してから乾燥させ固
形物(C−r−c)8gを得た。
グルコシルヘスペリジンが96重量%、β-モノグルコ
シルヘスペレチンが2重量%、ヘスペレチンが1重量
%、その他の成分が1重量%の量で含有され、ヘスペリ
ジンは含まれていなかった。
液)にグルコアミラーゼ(グルコチーム,長瀬産業
製)1gを加え、4N-硫酸でpH4.0に調整し、5
5℃で48時間反応させた。
過して酵素処理ヘスペリジン溶液(D液)を得た。D液
を参考例1に記載の条件でHPLC分析したところ、A
液中には存在していたα-グルコシルヘスペリジンは、
D液中では、ほとんどがα-モノグルコシルヘスペリジ
ンに変化し、またA液中には存在していた未反応ヘスペ
リジンは、D液中でも変化はなかった。
1.5リットルの中間極性多孔性吸着樹脂(XAD-
7)で処理し、凍結乾燥して固形物(D−r)を得た。
この固形物(D−r)には、α-モノグルコシルヘスペ
リジンが76重量%、ヘスペリジンが23重量%、その
他の成分が1重量%の量で含まれ、β-モノグルコシル
ヘスペレチンとヘスペレチンは検出されなかった。
同様に99%(V/V)メタノール100mlを加え、
80℃で加熱したが、固形物(D−r)は一部しか溶解
せず、結晶を析出させて分取するのは困難であった。さ
らに、99%(V/V)メタノール100mlを追加し
80℃で加熱したが、固形物(D−r)は一部しか溶解
せず、結晶を析出させてα-モノグルコシルヘスペリジ
ンを分取するのは困難であった。
Claims (4)
- 【請求項1】α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジ
ンとを含有する溶液に、グルコアミラーゼとα-L-ラム
ノシダーゼとを同時に、または何れか一方を先にして順
次作用させ、 得られた混合物からα-モノグルコシルヘスペリジンを
析出分離し、これを採取することを特徴とするα-モノ
グルコシルヘスペリジン高含有物の製造方法。 - 【請求項2】α-グルコシルヘスペリジンとヘスペリジ
ンとを含有する溶液に、グルコアミラーゼとα-L-ラム
ノシダーゼとβ-D-グルコシダーゼを同時に、または何
れか一種を先にして順次作用させ、 得られた混合物からα-モノグルコシルヘスペリジンを
析出分離し、これを採取することを特徴とするα-モノ
グルコシルヘスペリジン高含有物の製造方法。 - 【請求項3】低級アルコール中で析出させることにより
α-モノグルコシルヘスペリジン高含有物を分離し、こ
れを採取することを特徴とする請求項1または2に記載
の方法。 - 【請求項4】α-モノグルコシルヘスペリジン高含有物
がα-モノグルコシルヘスペリジンを85重量%以上の
量で含むことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載
の方法。
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JP6958897 | 1997-03-24 | ||
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WO2022107735A1 (ja) | 2020-11-17 | 2022-05-27 | 株式会社林原 | 水晶体硬度調節剤 |
-
1998
- 1998-03-13 JP JP06339698A patent/JP3833811B2/ja not_active Expired - Lifetime
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