JPH10323053A - 周期性信号制御装置 - Google Patents

周期性信号制御装置

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JPH10323053A
JPH10323053A JP9143193A JP14319397A JPH10323053A JP H10323053 A JPH10323053 A JP H10323053A JP 9143193 A JP9143193 A JP 9143193A JP 14319397 A JP14319397 A JP 14319397A JP H10323053 A JPH10323053 A JP H10323053A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 商用交流電圧にインバータの出力電圧を同期
させる場合又は同期を引き外す場合に、周波数変化速度
を所定の一定値に保ってインバータの出力周波数を変え
ることは困難であった。 【解決手段】 sinテーブルメモリ41を設け、ここ
からsinデータを読み出してインバータの出力電圧波
形を決定するための出力正弦波信号を得る。商用交流電
圧の周波数と出力周波数との差に対応する周波数補正指
令値a1iを求める。周波数補正指令値a1iをリミッタ5
2で制限する。周波数補正指令値a1iがリミッタ52の
制限値より低い時には周波数補正指令値a1iをそのまま
sinデ−タを読み出し周波数修正量βとする。周波数
補正指令値a1iがリミッタ52の制限値よりも大きい時
には1サンプリング周期毎に操作量βを一定の傾きで変
化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、商用電源等の交流
電源電圧に基準正弦波電圧を同期させる際、又は同期を
解除する際の周波数変化速度の制御に好適な周期性信号
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図1に概略的に示すインバータを含む電
源装置は、商用交流電源1に接続された直流電源回路2
と、この直流電源回路2から得られた直流電圧を交流電
圧に変換するインバータ3と、スイッチ4を介してイン
バータ3に接続された交流負荷5とを備えている。イン
バータ3は出力電圧を安定化する機能を有して直流を交
流に変換し、安定化された交流電圧を負荷に供給する。
また、直流電源回路2は整流回路と蓄電池又はコンデン
サの補助電源を有してインバータ3に電力を供給する。
ところで、インバータ3が故障した時の負荷5に対する
電力供給の中断を防ぐことが要求される。このために図
1の回路は、インバータ異常検出回路6及びスイッチ制
御回路7を有する。スイッチ制御回路7はインバータ異
常検出回路6の異常検出に応答してスイッチ4の接点a
をオフにしてインバータ3を負荷5から切り離し、この
代りにスイッチ4の接点bをオンにして負荷5をスイッ
チ4の接点bを介して商用交流電源1に接続する。ま
た、インバータ3と商用電源との切換時の周波数変動及
び位相ずれを抑えるために商用交流電源1とインバータ
3の制御回路との間にスイッチ8を介して同期化回路9
が接続されている。スイッチ8は商用交流電源の正常時
には接点aを介して同期化回路9に商用交流電圧を供給
し、商用電源異常時には正常時の商用交流電圧の周波数
と同一周波数の固定周波数信号を接点bを介して同期化
回路9に供給する。商用交流電源1の異常を判定するた
めに商用周波数異常判定回路11が商用交流電源1に接
続され、異常判定時にスイッチ8を接点aからbに切換
えて同期を解除する。同期化判定回路12はインバータ
3の運転開始時においてインバータ3の出力電圧が商用
交流電圧に同期しているか否かを同期化回路9の状態に
基づいて判定するものであり、同期を判定している時に
スイッチ制御回路7にスイッチ4の接点bをaに切換え
ることが可能であることを示すを信号を与える。
【0003】図2は図1の従来の同期化回路9及びイン
バータ3を概略的に示す。インバータ3は同期化回路9
に接続されたインバータ制御回路13と変換回路14と
を有する。変換回路14は複数個のスイッチS1 、S2
、S3 、S4 を含み、図1に示した電源回路2から与
えられた直流電圧を断続して正弦波交流電圧を出力す
る。図2には変換回路として2相のブリッジインバータ
回路が示されているが、勿論6個のスイッチから成る3
相ブリッジ型インバータにすることもできる。インバー
タ制御回路13は、変換回路14のスイッチS1 〜S4
をオン・オフするための制御信号を形成する。また、制
御回路13は変換回路14の出力電圧を一定にするよう
にパルス幅が制御されたPWM信号を制御信号として出
力し、また、商用交流電源1の電圧に同期した交流電圧
が変換回路14から得られるように制御信号を形成す
る。
【0004】同期化回路9は基準正弦波発生装置と呼ぶ
こともできるものであって、PLL(フェーズ・ロック
ド・ループ)の原理を利用して構成されており、入力回
路15と、2つのエッジ検出回路16、17と、位相比
較器18と、比例積分補償器(PI補償器)として機能
するフイルタ19と、バイアス電源20と、加算回路2
1と、V/F(電圧・周波数)変換器22と、カウンタ
23と、sin( 正弦波)テーブルメモリ24と、D/
A(ディジタル・アナログ)変換器25とから成る。入
力回路15は商用交流電源1の波形Aで示される正弦波
交流電圧Vs (t)を入力させるための回路である。第
1のエッジ検出回路16は正弦波交流電圧Vs (t)を
方形波に波形整形するか、又は零点を検出し、位相を示
す波形Bを得るものである。第2のエッジ検出回路17
は、この基準正弦波発生装置の出力正弦波Cを方形波に
波形整形するか又は零点を検出して位相を示す波形Dを
得るものである。位相比較器18は2つの入力波形B、
Dの位相差に対応するパルス状の波形Eを形成する回路
である。フイルタ19は波形Eを平滑して波形F1又は
F2 に示すような出力を得るものであり、PI(比例積
分)補償器と呼ばれるものである。加算回路21はフイ
ルタ19から得られた位相差を示す直流電圧V1 にバイ
アス電圧V2 を加算し、これをV/F変換器22に供給
するものである。V/F変換器22は例えばVCO(電
圧制御発振器)から成り、入力電圧に対応した周波数信
号Gを出力するものである。カウンタ23は第1のエッ
ジ検出回路16又は第2のエッジ検出回路17の出力に
応答してリセットされ、周波数信号Gを計数し、アナロ
グ類似で示す出力Hを発生するものであり、アドレスカ
ウンタとして機能するものである。sinテーブルメモ
リ24は、正弦波データが格納されたメモリであって、
カウンタ23の出力でアドレス指定されて正弦波データ
を順次に出力するものである。D/A変換器25はメモ
リ24の出力をアナログ信号に変換して基準正弦波Cを
得るものであり、この出力はインバータ制御回路13に
送られると共に第2のエッジ検出器17に送られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、商用交流電
源1に同期させてインバータ3を運転している時に商用
交流電源1に異常が生じた時には、図1のスイッチ8の
接点aをオフし、接点bをオンにし、同期化回路9を商
用交流電源1から切離し、固定発振器10を同期化回路
9に接続する。この時、同期運転の停止前の商用交流電
圧の周波数と同期運転停止後の固定発振器10の出力周
波数(自走周波数)との間に差があれば、図2のフイル
タ19の出力波形F1 又はF2 に従って同期化回路9の
出力周波数(インバータ基準周波数)が変化し、これに
応じてインバータ3の出力周波数も変化する。フイルタ
19の出力波形はこのゲインによって変化し、波形F1
又はF2 のようになり、直線的に上昇しない。この結
果、同期化回路9の出力周波数及びインバータ3の出力
周波数は直線的に変化しない。このため、インバータ3
の出力周波数の変化速度を例えば0.5Hz/sec にする
ことが要求されても、正確にこれを満足させることがで
きない。上述のような問題は同期運転を開始する場合に
も生じる。即ち、図1においてスイッチ8によって固定
発振器10の出力から商用交流電源1の電圧に切換える
時に両者の周波数差があれば同期運転停止時と同様な問
題が生じる。なお、同期化回路9の出力周波数をステッ
プ上に急激に目標周波数にジャンプさせると、過渡期間
にインバータ3から正弦波出力電圧を得ることが不可能
になる。また、図2の同期化回路9では位相比較器18
にパルスを入力させるので、ノイズによって誤動作しや
すかった。また、ソフトウエアで同期化出力(基準波
形)を得ることができず、全体としてコスト高になり、
且つ高精度化が困難であった。
【0006】そこで、本発明の目的は、入力信号の周波
数と固定周波数との差が大きい場合にこの差を実質的に
一定の周波数変化速度で解消させることができる制御装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、上記
目的を達成するための本発明は、周期性を有する入力信
号に同期した周期性を有する出力信号と非同期の出力信
号とを択一的に発生することができるように形成され且
つ出力信号の周波数変化速度を制御することができるよ
うに構成されている装置であって、前記入力信号の周波
数と前記出力信号の周波数との差に対応する周波数補正
指令信号を作成するための周波数補正指令信号作成手段
と、前記出力信号を前記入力信号に同期させる時に前記
周波数補正指令信号作成手段から得られた前記補正指令
信号を供給し、前記出力信号と前記入力信号との同期を
解除する時に前記周波数補正指令信号の供給を停止する
スイッチと、減算手段とリミッタ手段と積分手段と遅延
手段とを有し、前記減算手段は前記スイッチの出力から
前記遅延手段の出力を減算し、前記リミッタ手段は前記
減算手段の出力を所定のレベル以下に制限し、前記積分
手段は前記リミッタ手段の出力を積分し、前記遅延手段
は前記積分手段の出力を遅延し、前記積分手段から修正
された周波数補正指令信号を出力するように構成された
修正周波数補正指令信号作成手段と、前記出力信号の周
波数を基準値にするための基準周波数指令信号を発生す
る基準周波数指令信号発生手段と、前記基準周波数指令
信号に前記修正された周波数補正指令信号を加算する加
算手段と、前記加算手段から得られた前記基準周波数指
令信号と前記修正された周波数補正指令信号との加算値
に対応した周波数を有する前記出力信号を発生させるた
めの出力信号発生手段とを備えていることを特徴とする
周期性信号制御装置に係わるものである。なお、周波数
補正指令信号作成手段を、請求項2に示すように形成す
ることが望ましい。また、請求項3に示すように入力信
号を商用交流電圧又はこれに同期した信号とし、出力信
号をインバータ制御用基準信号とすることができる。ま
た、請求項4に示すように周期性信号制御装置の少なく
とも一部をディジタル処理回路で形成することができ
る。また、請求項5に示す周波数異常判定を第2の積分
手段の出力を使用して行うことができる。また請求項6
に示すように同期判定をリミッタの入力及び第3の積分
器の出力に基づいて行うことができる。
【0008】
【発明の作用及び効果】各請求項の発明によれば、リミ
ッタ手段が設けられているので、スイッチをオンにした
時に周波数補正指令信号が大きい場合にはそのまま補正
が実行されず、リミッタ手段で制限されて補正される。
即ち、リミッタ手段における制限値を一定に保っておく
と、1回の補正動作(1サンプリング期間の補正動作)
での補正量は一定となり、複数回の補正動作によって一
定補正量の補正が複数回生じ、出力周波数は一定の傾き
を有して変化する。この結果、物理的な意味が明確なリ
ミッタ手段の制限値によって周波数変化速度を正確に一
定にすることができる。スイッチをオフにして周波数補
正指令信号を遮断した時には、積分手段及び遅延手段に
保持されている信号が巡回し、修正された補正指令値が
一定の速度で徐々に低下し、出力周波数は基準周波数
(自走周波数)に一定変化速度で近づく。また、リミッ
タ手段における制限値の変更によって周波数変化速度を
容易に変更することができる。また、各請求項の発明に
よれば、減算手段と積分手段、又は乗算手段と加算手段
と減算手段と積分手段とで同期化した周波数信号を形成
するので、従来のエッジ検出器及び比較器を使用するも
のに比べてノイズによる妨害が少なくなる。また、請求
項3によれば、インバータの商用交流電源に対する同期
運転及びこの解除を円滑に達成することが可能となる。
また、請求項4の発明によれば、ソフトウエア処理によ
って同期及び同期解除を容易に達成することができる。
また、請求項5の発明によれば周波数異常判定を容易に
達成することができる。また、請求項6の発明によれば
同期判定を容易に行うことができる。
【0009】
【実施例】次に、図3〜図18を参照して本発明の実施
例に係わるインバータを含む電源装置及びこの同期化回
路を説明する。但し、図3において図1と実質的に同一
の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。図
3において同期化回路9a、商用周波数異常判定回路1
1a、及び同期判定回路12aは図1の同期化回路9、
商用周波数異常判定回路11、及び同期判定回路12と
同様な目的に使用されているが、これ等の構成は図1の
ものと相違している。また、図1のスイッチ8及び固定
発振器10に相当するものは図3において同期化回路9
aの中に設けられている。従って、図3において、同期
化回路9aは商用交流電源1に直接に接続されている。
また、商用周波数異常判定回路11aは同期化回路9a
の中の信号に基づいて商用周波数の異常を判定し、この
出力を同期化回路9aに送るように構成されている。
【0010】図4は図3の同期化回路9aを詳しく示す
ものである。この同期化回路9aは図2の従来の同期化
回路9と同様にインバータ3のインバータ制御回路13
で使用するための正弦波信号を形成するものであり、図
4の上半分のcos制御器と下半分のsin制御器とか
ら成る。cos制御器は入力信号に同期したcos信号
を形成するためのものであって、入力回路30とROM
から成るcosテーブルメモリ31と、第1の乗算器3
2と、第1の積分器33と、第2の積分器34と、第2
の乗算器35と、第1の加算器36と、第2の加算器3
7と、第1の基準信号発生器38と、第1のアドレス用
積分器(積分手段)39とから成る。sin制御器は、
cos信号に同期したsin信号を形成するためのもの
であって、cos制御器のcosテーブルメモリ31の
出力を受け入れるライン40と、ROMから成るsin
テーブルメモリ41と、第3の乗算器42と、第3の積
分器43と、第4の乗算器44と、第3の加算器45
と、引き込み及び引き外し制御器46と、第4の加算器
47と第2の基準周波数信号発生器48と、第2のアド
レス用積分器49と、出力D/A変換回路55とから成
る。なお、引き込み及び引き外し制御器46はスイッチ
50、減算器51、リミッタ52、第4の積分器53、
1サンプル遅延回路54とから成る。cos制御器及び
sin制御器から成る同期化回路9aはCPU、RA
M、ROMを含むマイクロコンピュータで構成されてい
る。従って、図3はマイクロコンピュータの等価回路図
又は機能ブロック図である。
【0011】cos制御器の動作概要は、次のようにな
る。アドレス用積分器39とcosテーブルメモリ31
とでcos信号を発生させる。cos信号の周波数αは
アドレス用積分器39の入力α′に比例する。入力回路
30から入ってきた入力信号とcos信号を用いてフー
リエ級数の余弦項第1係数a1 を第1の乗算器32と第
1の積分器33とによって求める。このa1 はcos信
号と入力信号との位相差の関数となるので、a1 が零に
収束するように、線形制御理論で使われる比例−積分補
償器を用い、cos信号の周波数を自動調整する。この
補償器は第2の積分器34と第2の乗算器35で構成さ
れる。これら補償器の出力(a1pとΔf)は、第1の加
算器36で加算され、この出力に更に第2の加算器37
で基準周波数信号f0 が加算され、α′(n)=Δf+
1p+f0 が第1のアドレス用積分器39に入力する。
アドレス用積分器39は周波数指令α′(n)に従う速
度でcosテーブルメモリ31のデータを読み出すため
のアドレス信号θ(n)を出力する。cosテーブルメ
モリ31から読み出されたcos信号は第1の乗算器3
2に帰還されると同時にsin制御器の第3の乗算器4
2に入力する。次に、cos制御器の各ブロックを更に
詳しく説明する。
【0012】入力回路30は、例えば50Hzの正弦波交
流電圧(商用交流電圧)から成る周期性を有する入力信
号Vs (t)=Vmsin 2πft(ここで、Vmは最大振
幅、fは周波数、tは時間を示す。)を所定のサンプリ
ング周期Ts でサンプリングし、これをアナログ・ディ
ジタル変換してVs (n)=Vmsin ωf n Ts (ここ
でωf =2πf 、n=0、1、2、・・・・)を送出す
るものである。なお、ここでは入力信号Vs (t)を正
弦波から成る基本波のみで示しているが、実際にはノイ
ズ及び高調波成分が混入してひずみ波交流になることが
ある。
【0013】cos(余弦波)テーブルメモリ31は、
余弦波データのテーブルが格納されたリード・オンリー
・メモリ(ROM)であり、読み出しアドレスθ(n)
の指定に従ってcos信号Vr (n)=cos ωαn Ts
(ここで、ωα=2πα、αはcos信号の周波数)か
ら成るcos θ(n)のデータを出力する。読み出しアド
レスθ(n)は位相量に相当し、その変化量(微分量)
はcos信号の周波数となる。ここでは、cosデータ
の代りに、正弦波を90度シフトした波形に対応する正
弦波sin θのデータをROMに格納させてもよい。この
実施例では余弦波の360度区間が2048分割され、
2048個の標本(データ)がROMに格納されてい
る。例えばアドレスθ(n)=0を指定するとcos 0°
=1を示すデータがROMから出力され、またアドレス
θ(n)=512を指定するとcos 90°=0を示すデ
ータが出力される。なお、ROMに余弦波の90度から
450度に相当するデータ即ち正弦波(sin )のデータ
を格納することもできる。この場合にはアドレス0を指
定すると、sin 0°=0のデータがROMから出力さ
れ、アドレス512を指定すると、sin 90°=1のデ
ータが出力される。アドレス手段としてのアドレス用積
分器39はパルス伝達関数K3 Z/(Z−1)で示され
る積分器と等価なものであり、周波数量として入力され
るα′(n)を位相量θ(n)に変換する。前述したよ
うに位相の微分が周波数なので、周波数の積分が位相と
なる。従って、α′(n)を積分してθ(n)を求める
ことができる。α′(n)値が大きくなると(周波数が
高くなると)θ(n)の傾きは急になる。α′(n)の
値を調整することにより、cos信号Vr (n)の周波
数を変えることができる。実際、アドレス用積分器39
では、アドレスθ(n)は次の式でTs =256μsec
毎に演算されている。 θ(n)=θ(n−1)+α′ ここで、nはサンプリング時点を示す序数である。θ
(n−1)は1つ前のサンプリング時点のアドレスを示
す。cos信号の周波数αを50Hzとしたい場合α′は
次のように計算できる。 α′=2048Ts 50=26.44 前述のθ(n)の式に従いTs 周期毎にθ(n−1)に
26.44を加えていくと、20msec (1/50Hz)
後にθ(n−1)は余弦波データの一周期のアドレスで
ある2048となる。α′を26.44より大きくすれ
ば、20msecより前にθ=2048になるので、周波
数が高くなる。α′を26.44より小さくすれば、2
0msec より後にθ=2048になるので、周波数が低
くなる。
【0014】第1の乗算手段としての第1の乗算器32
は入力信号Vs (n)とcos信号Vr (n)とを乗算
してVs (n)・Vr (n)の出力V0 (n)を得るも
のである。
【0015】第1の積分手段としての積分器33は、第
1の乗算器32の出力を定積分して次の式(1)を求め
るものである。
【0016】
【数1】
【0017】この式(1)は、フーリエ級数の余弦項の
係数ak を求める式においてak のkを1にした場合に
相当する。余弦項及び係数ak の式を次に示す。
【0018】
【数2】
【0019】第1の積分器33をパルスに伝達関数で示
すとK1 Z(Z−1)になる。a1 の値は入力信号Vs
とcos信号Vr との位相差φの関数となる。ここで、
Vs =Vmsin (ωαt +φ)とし、これを式(1)に
代入して計算すると、 a1 =Vmcos φ となり、a1 は、位相差の余弦関数となることがわか
る。以下、位相差が90°、0°、180°の時のa1
の波形例を示す。
【0020】図6(A)に示す入力信号Vs (t)と図
6(B)に示すcos信号Vr (t)とが同一周波数で
90度の位相差を有する時には、第1の乗算器32の出
力V0 (t)が図6(C)に示すように周波数2ωα
正弦波となり、図6(C)の乗算出力V0 (t)を0か
ら2πまで定積分した出力a1 は零となる。
【0021】入力信号Vs (t)とcos信号Vr
(t)とが図7(A)(B)に示すように同一周波数且
つ同一位相の場合には、第1の乗算器32の出力V0
(t)は図7(C)に示すように周波数2ωαを有し、
最小値が零の正弦波となり、これを0〜2π区間で第1
の積分器33で定積分した出力a1 は図7(D)に示す
ように正の値(cos信号の最大値が1の場合は入力信
号の最大値Vm)となる。
【0022】入力信号Vs (t)とcos信号Vr
(t)とが図8(A)(B)に示すように互いに周波数
が同一で逆相の場合には、第1の乗算器32の出力V0
(t) は図8(C)に示すように周波数2ωαを有し、最
大値が零の正弦波となる。従って、図8(C)の波形を
第1の積分器33で0〜2π区間で定積分すると、図8
(D)に示す負の値の出力a1 が得られる。なお、入力
信号Vs とcos信号Vr との間に周波数の相違がある
場合つまり両者の位相差が時間的に変化した場合には、
第1の積分器33の出力はa1 (n)Vmcos (2πΔ
ft)となり時間的に変化する。
【0023】入力信号Vs (n)とcos 信号Vr (n)
とを図6(A)(B)に示す位相差90度の同期状態と
してa1 の値を零に収束させるためにはcosテーブル
メモリ31の読み出し速度(周波数)を操作する必要が
ある。本実施例ではa1 を自動的に零にするために線形
制御系のフィードバック自動制御でよく使われる比例−
積分(PI)補償器を使用する。第2の積分手段として
の第2の積分器34はパルス伝達関数KipZ/(Z−
1)で示される積分補償器であって周波数差を補償する
ためのものである。第2の乗算器35は比例補償器であ
って位相差を補償するものである。
【0024】第2の積分手段としての積分器34はa1
が時間的に変化した場合(Vr とVs とに周波数差があ
る場合)でもa1 を零に収束させるためにあり、周波数
補償量を示す出力Δfを得るものである。ソフトウエア
で作る場合には次の式(2)に従う処理を実行するよう
に作る。 Δf(n)=Δf(n−1)+Kip・a1 (n) (2) この式(2)においてΔf(n−1)は1つ前のサンプ
リング時点の第2の積分器34の出力であり、Kip・a
1 (n)は現在のa1 の値にゲインKipを乗算したもの
である。従って、ある時点で図6に示す状態が成立して
1 が零になってもΔf(n)即ちΔfは零にならない
で一定値になる。a1 が零の時の第2の積分器34の出
力Δfは入力信号Vs (n)の基本波周波数fと基準周
波数信号f0 との差に比例した値である。
【0025】第2の乗算手段としての乗算器35は位相
補償量を示す出力a1pを得るものであって、ゲインがK
ppの増幅器と呼ぶこともできるものであり、次の式
(3)の演算を実行するように形成される。 a1p(n)=Kpp・a1 (n) 即ち、第2の乗算器35は第1の積分器33の出力a1
に係数Kppを乗算した値を出力する。従って、図4の状
態の場合には第2の乗算器35の出力a1pは零となる。
線形制御系と同じように、この比例補償器はフィードバ
ック系の安定性と速応性を改善する役割をはたしてい
る。なお、図6に示す状態ではa1pは零となる。cos
信号Vr (t)の周波数及び位相は前述した第2の積分
器34の出力Δfとゲイン乗算器35の出力a1pによっ
て操作される。Δfとa1pとの加算値が1の場合、1/
2048Ts =1.9073Hzだけ周波数が高くなり、
αは51.9073Hzになる。Δfとa1pとの加算値が
負の場合は周波数αは1.9073Hz低下し、48.0
927Hzとなる。なお、1/2048Υs =1.907
3は次のようにして求められる。 Δf+a1p=1 同期中はa1p=0であるからΔf=1 Δf/(2048.Ts ) =(2048.Ts ) 上述から明らかなように基本周波数50HZを中心にco
s信号Vr (t)の周波数αを上下させることが可能に
なる。
【0026】第1の加算手段として第1及び第2の加算
器36、37が設けられている。第1の加算器36は積
分器34の出力Δfと積分器35の出力a1pを加算し、
補正指令信号を得るものである。第2の加算器37は第
1の加算器36の出力と基準周波数信号発生器38の出
力f0 とを加算し、次の(4)式の周波数指令信号を得
るものである。 α′(n)=Δf(n)+a1p(n)+f0 (n) (4) (4)式のα′(n)は周波数指令値としてアドレス用
積分器39に送られ、アドレス用積分器39は周波数指
令値に対応した速度でアドレス信号θ(n)を出力す
る。
【0027】基準周波数信号発生器38は、入力信号V
s (t)の基本波周波数fと同一又は近い基準周波数
(例えば50Hz)f0 を示す信号を発生するものであ
る。
【0028】図4の下半分のsin制御器におけるsi
nテーブルメモリ41、第3の乗算器42、第3の積分
器43、第4の乗算器44、第3の加算器45、第4の
加算器47、基準周波数信号発生器48、及び第2のア
ドレス用積分器49は、上半分のcos制御器における
cosテーブルメモリ31、第1の乗算器32、第1の
積分器33、第2の乗算器35、第1の加算器36、第
2の加算器37、基準周波数信号発生器38、及び第1
のアドレス用積分器39とそれぞれ同様な機能を有する
ものである。即ち、下半分のsin制御器は第3の乗算
器42の一方の入力をcosテーブルメモリ31の出力
としている点、第3の加算器45に第2の積分器34の
出力を入力させている点、引き込み及び引き外し制御器
46を設けた点で上半分のcos制御器と相違し、その
他はcos制御器と実質的に同一である。従って、si
n制御器の内でcos制御器と実質的に同一の部分の詳
しい説明を省略する。
【0029】出力周波数信号発生手段としてのsinテ
ーブルメモリ41は、正弦波信号(データ)を格納した
ものであって、第2のアドレス用積分器49のアドレス
指定に従って正弦波信号sin2πβ1 tを出力信号と
して出力するものであり、アドレス指定の速度を変える
ことによって出力信号(正弦波信号)の周波数β1 を変
えることができるように形成されている。
【0030】第3の乗算手段としての乗算器42はco
sテーブルメモリ31から得られたライン40の参照信
号とsinテーブルメモリ41から得られた出力信号と
を乗算して第1の乗算器32の出力と同様な内容を含む
出力を得るものである。なお、ライン40の参照信号は
入力信号(商用交流電圧)に同期した信号である。
【0031】第3の積分手段としての積分器43は、第
1の積分器33と同様な積分処理を乗算器42の出力に
施すものである。
【0032】第4の乗算手段としての乗算器44は積分
器43の出力に基づいて乗算器35と同様に位相補償量
を求めるものである。
【0033】第2の加算手段としての加算器45は、第
2の積分器34の出力Δfと乗算器44の出力(位相補
償量)とを加算して周波数補正指令値即ち周波数調整量
1iを得るものである。従って、第3の加算器45及び
この入力側の回路手段を周波数補正指令信号作成手段と
呼ぶことができる。
【0034】図4の同期化回路9aにおいては、第3の
加算器45から得られた周波数補正指令値a1iをそのま
ま第4の加算器47に供給しないで、引き込み及び引き
外し制御器46で修正して供給する。引き込み及び引き
外し制御器46のスイッチ50の接点aは加算器45に
接続され、接点bはグランドに接続され、共通出力端子
は減算手段としての減算器51に接続されている。スイ
ッチ50は図3の商用周波数異常判定回路11aの出力
で制御され、sinテーブルメモリ41から出力させる
出力周波数信号を入力周波数信号(商用交流電圧)に同
期させる時に接点aがオンになり、出力周波数信号と入
力周波数信号との同期を解除する時に接点bがオンにな
るものである。なお、出力周波数信号を入力周波数信号
に同期させるか否かを決定するための商用周波数異常判
定回路11aは図5に示すように絶対値回路60と基準
電圧源61と電圧コンパレータ62とから成る。絶対値
回路60は図4の第2の積分回路34に接続されてお
り、周波数補正指令値Δfの絶対値を検出する。コンパ
レータ62は絶対値回路60の出力と基準電圧源61の
電圧とを比較し、絶対値が基準電圧よりも大きくなった
時に同期解除を示す出力を発生し、図4のスイッチ50
の接点aをオフ、接点bをオンにする。また、絶対値が
基準電圧よりも小さい時には同期を示す出力を発生し、
図4のスイッチ50の接点aをオンにし、接点bをオフ
にする。周波数補正指令値は基準周波数信号発生器38
の基準周波数f0 即ち固定の自走周波数と入力周波数と
の差に対応しているので、コンパレータ62は入力周波
数の変化分を監視していることになる。
【0035】図4の減算回路51は1サンプリング周期
Ts だけ前に積分器53から得られた修正周波数補正指
令値(周波数補正操作量)を周波数補正指令値から減算
し、補正残量を示す値を出力する。
【0036】リミッタ52は、図16に示すように正の
制限値+fa と負の制限値−fa とで周波数補正指令値
(補正周波数量f)を制限するものである。従って、周
波数補正指令値が大きい場合にはこれがそのまま出力さ
れずに制限レベルfa 又は−fa の値が出力される。積
分器53はリミッタ52の出力を積分するものであっ
て、この出力は第3の加算手段としての第4の加算器4
7に送られる。なお、制限値fa 、−fa を変えること
ができるようにリミッタ52は構成されている。引き込
み及び引き外し制御器46の動作の詳細は後述する。
【0037】引き込み及び引き外し制御器46から得ら
れた修正された周波数補正指令値βは第3の加算手段と
しての第4の加算器47に入力し、第2の基準周波数信
号発生器48から得られた基準周波数信号f0 に加算さ
れる。第2の基準周波数信号発生器48は第1の基準周
波数信号発生器38と同一の周波数f0 (50Hz)の指
令信号を発生するものであるから、第1及び第2の基準
周波数発生器48を省いていずれか一方を共用すること
ができる。加算器47の出力はsinテーブルメモリ4
1から出力される周波数信号の周波数を決定する情報で
ある。第2のアドレス用積分器49は第1のアドレス用
積分器39と同様な機能を有するものであり、加算器4
7の出力に基づいてsinテーブルメモリ41のアドレ
スを指定する。
【0038】次に、引き込み及び引き外し制御器46の
動作を図9〜図18を参照して説明する。図9は入力周
波数信号と出力周波数信号との比較的大きな周波数差を
解消する場合の周波数補正指令値a1iに対応した修正補
正指令値(周波数操作量)βの理想的な変化を示す。こ
のように周波数操作量βが直線的に徐々に変化すると、
一定の周波数変化速度を正確に得ることができ、出力周
波数が円滑に変化するので、インバータ3の出力周波数
も円滑に変化し、且つインバータ3の出力波形を近似正
弦波に保つことができる。
【0039】図4の引き込み及び引き外し制御器46の
変形として、もしスイッチ50のみの制御器46aを図
10に示すように設けると、周波数操作量βが図11に
示すようにステップ状に変化し、円滑な制御が不可能に
なる。
【0040】また、図12に示すようにスイッチ50の
出力段にローパスフイルタ(LPF)を設けた引き込み
及び引き外し制御器46bを設けると、図13に示すよ
うに時定数を有して変化する周波数操作量βが得られ
る。しかし、所定の周波数を得るまでの所要時間が長く
なるばかりでなく、図9に示すように直線的に周波数操
作量βを変化させることができない。
【0041】図14は図12のローパスフイルタ56を
変形したフイルタ56aを有する引き込み及び引き外し
制御器46cを示す。ここでのローパスフイルタ56a
は本実施例に従う加算器51、積分器53、及び遅延回
路54の他にゲインK1 、K2 を乗算する第1及び第2
の係数器57、58が設けられている。図14の制御器
46cにおいては1サンプリング周期Ts 毎に処理が実
行されるので、図13のβを段階的に増大させる特性が
得られる。しかし、図14においてもβは直線的に増大
しない。
【0042】図15は図14にリミッタ52を本実施例
と同様に付加したものである。図15の引き込み及び引
き外し制御器46dにおいては、βが次式に従って変化
する。 β(n)=K1 ・a1i(n)−K2 ・β(n−1)+β
(n−1) 図15のリミッタ52は上記β(n)の式のK1 ・a1i
(n)−K2 ・β(n−1)の大きさをfa 及び−fa
で制限する。図15の制御器46dにおいてリミッタ5
2が制限動作していない場合に、βがフイルタ定数の遅
れを伴なって変化する。入力信号の周波数が規定変化速
度以内で変化した場合、入力信号と正弦波信号の同期は
保たれる必要があるが、このフィルタ遅れのため、a1i
(△f)の変化が迅速にβに伝わらず、同期は保たれな
い。
【0043】そこで、本実施例の制御器46では図4及
び図16に示すように図15のゲインK1 、K2 がそれ
ぞれ1に設定されている。これにより、図16ではリミ
ッタ52が動作していない時にa1i=βとなり、周波数
補正指令値a1iが周波数操作量βとして遅れを伴なわな
いで出力する。
【0044】図17は同期引き込みのためにスイッチ5
0の接点aをオンにした時に入力周波数信号が出力周波
数信号よりも高い場合の動作を示す。スイッチ50の接
点aのオン時の両周波数信号の周波数差即ち周波数補正
指令値a1iがリミッタ52の制限値fa よりも大きい場
合は、t0 〜t1 、t1 〜t2 、t2 〜t3 の1サンプ
リング周期Ts 毎にfa だけ周波数操作量βが変化す
る。即ちβ(n)=fa+β(n−1)の出力が得られ
る。リミッタ動作期間t0 〜t3 における各段の変化幅
はそれぞれfa であるので、t0 〜t3 期間の包絡線は
図9の理想特性と同様に直線になる。t3 以後のリミッ
タ非動作期間には補正指令値a1iが操作量βとして直ち
に出力される。
【0045】図18は例えば入力周波数がインバータ3
の出力周波数よりも大幅に上昇したために制御器46の
スイッチ50の接点aをオフにし、接点bをオンにした
場合(同期引き外しの場合)の動作を示す。この場合に
は、t0 〜t3 のリミッタ動作期間に周波数操作量βが
1サンプリング周期Ts 毎にfa 低下し、β=−fa+
β(n−1)に従う出力が得られ、基準周波数発生器3
8、48で決定された基準周波数(自走周波数)に徐々
に近づく。またリミッタ非動作期間には、β(n)=−
β(n−1)+β(n−1)となり、β(n)=0で引
き外しが完了し、自走周波数状態になる。
【0046】周波数変化量に対するリミッタ制限値fa
は例えば次のように決定することができる。βが1の時
の周波数変化量は、等価的にTse/(Z−1)で示され
る積分器から成るアドレス回路49における計算周期T
seを256μsec 、sinのデータ数を2048とした
時、1/(2048Tse)=1.9073Hzである。ま
た、積分器53の計算周期Ts が20msec の場合、β
が1変化すると、その変化速度は(1.9073Hz)/
20msec =95.365Hz/sec となる。従って、周
波数変化速度を0.5Hz/sec としたい場合、fa を次
のような値にする。 fa =[所望周波数変化量/{1/(sin データ数・T
se・Ts )}]・[0.5/95.365]=52.4
3×10-3Hz/sec
【0047】図19は図3の同期判定回路12aをソフ
トウエアで構成する場合のステップを示す。まず、ステ
ップ71に示すようにリミッタ52の入力の絶対値が制
限値fa 以上か否かを判定する。ステップ71でYES
の出力が得られたらステップ72でリミッタ52の出力
がfa に設定され、ステップ73で非同期を示す信号を
作成し、図3のスイッチ4の切換えを禁止する。ステッ
プ71の出力がNOの時にはステップ74で入力信号と
出力信号との位相ずれを示す値即ち積分器43の出力b
1 がある定められた許容値△φ1im よりも小さいか否か
を判定し、小さいことを示すYESの出力が得られた時
にはステップ55に示すように同期していることを示す
信号を出力する。ステップ55の同期していることを示
す信号は例えば図3のスイッチ4の切換許可信号として
使用する。ステップ74で位相ずれが大きいことを示す
NOの出力が得られた時にはステップ73で非同期を示
す信号を発生させる。
【0048】上述から明らかなように本実施例は次の利
点を有する。 (イ) 物理的意味が明確なリミッタ52の制限値fa
を計算で求めることができ、周波数引き込み及び引き外
し時に出力周波数変化速度を正確に一定にすることがで
きる。 (ロ) 周波数変化速度をリミッタ52の制限値fa の
変更で簡単に変えることができる。 (ハ) 乗算と加算と減算だけを使用しているので、ソ
フトウエアでの実現が簡単になる。 (ニ) エッジ検出器等が不要になるので、ノイズによ
る誤動作が少なくなる。
【0049】
【変形例】本発明は上述の実施例に限定されるものでな
く、例えば次の変形が可能なものである。 (1) ディジタル処理で出力周波数信号を形成してD
/A変換する代りに、図4の一部又は全部をアナログ回
路にすることができる。 (2) 実施例では図4の各演算器は個々に設けない
で、1台のマイクロコンピュータによって時分割処理し
ているが、これ等を個々に設けることもできる。 (3) 図2のインバータ制御回路13をディジタル回
路で形成する場合は、図4のD/A変換器55を省くこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の電源装置を示すブロック図である。
【図2】図1の同期化回路を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例に係わる電源装置を示すブロッ
ク図である。
【図4】図3の同期化回路を示すブロック図である。
【図5】図3の周波数異常判定回路を示すブロック図で
ある。
【図6】入力信号と参照信号とが90度の位相差を有す
る場合のVs (t)、Vr (t) V0 (t)、a1
アナログ状態で示す波形図である。
【図7】入力信号と参照信号とが同相の場合のVs
(t)、Vr (t)、V0 (t)、aをアナログ状態
で示す波形図である。
【図8】入力信号と参照信号とが逆相の場合のVs
(t)、Vr (t)、V0 (t)、a1 をアナログ状態
で示す波形図である。
【図9】理想的な周波数操作量βの変化を示す図であ
る。
【図10】スイッチのみの制御器を示す回路図である。
【図11】図10の制御器の出力を示す波形図である。
【図12】スイッチとフイルタの制御器を示すブロック
図である。
【図13】図12の制御器の出力を示す波形図である。
【図14】図12のフイルタを変形した制御器を示すブ
ロック図である。
【図15】図12のフイルタを変形した別の制御器を示
すブロック図である。
【図16】実施例の制御器を示すブロック図である。
【図17】図16の制御器の出力を示す波形図である。
【図18】図16の制御器の別の状態の出力を示す波形
図である。
【図19】図3の同期判定回路の動作を示す流れ図であ
る。
【符号の説明】
41 sinテーブルメモリ 46 引き込み及び引き外し制御器 52 リミッタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期性を有する入力信号に同期した周期
    性を有する出力信号と非同期の出力信号とを択一的に発
    生することができるように形成され且つ出力信号の周波
    数変化速度を制御することができるように構成されてい
    る装置であって、 前記入力信号の周波数と前記出力信号の周波数との差に
    対応する周波数補正指令信号を作成するための周波数補
    正指令信号作成手段と、 前記出力信号を前記入力信号に同期させる時に前記周波
    数補正指令信号作成手段から得られた前記補正指令信号
    を供給し、前記出力信号と前記入力信号との同期を解除
    する時に前記周波数補正指令信号の供給を停止するスイ
    ッチと、 減算手段とリミッタ手段と積分手段と遅延手段とを有
    し、前記減算手段は前記スイッチの出力から前記遅延手
    段の出力を減算し、前記リミッタ手段は前記減算手段の
    出力を所定のレベル以下に制限し、前記積分手段は前記
    リミッタ手段の出力を積分し、前記遅延手段は前記積分
    手段の出力を遅延し、前記積分手段から修正された周波
    数補正指令信号を出力するように構成された修正周波数
    補正指令信号作成手段と、 前記出力信号の周波数を基準値にするための基準周波数
    指令信号を発生する基準周波数指令信号発生手段と、 前記基準周波数指令信号に前記修正された周波数補正指
    令信号を加算する加算手段と、 前記加算手段から得られた前記基準周波数指令信号と前
    記修正された周波数補正指令信号との加算値に対応した
    周波数を有する前記出力信号を発生させるための出力信
    号発生手段とを備えていることを特徴とする周期性信号
    制御装置。
  2. 【請求項2】 周期性を有する入力信号に同期した周期
    性を有する出力信号と非同期の出力信号とを択一的に発
    生することができるように形成され且つ出力信号の周波
    数変化速度を制御することができるように構成されてい
    る装置であって、 周期性を有する入力信号(Vmsin 2πft)を入力させ
    るための入力手段と、 正弦波又は余弦波からなる周期性を有する参照信号(co
    s 2παt )が格納された参照信号用メモリとこのメモ
    リのアドレスを出力する第1のアドレス用積分手段とを
    有して前記参照信号用メモリから前記参照信号(cos 2
    παt )を発生させるものであり、前記参照信号(cos
    2παt )の周波数(α)を前記第1のアドレス用積分
    手段の入力(α′)によって変えることができるように
    構成された参照信号発生手段と、 前記入力信号(Vmsin 2πft)と前記参照信号(cos
    2παt )とを乗算する第1の乗算手段と、 前記第1の乗算手段から得られた出力(Vmsin 2πft
    ・cos 2παt ))を積分してフーリエ級数の余弦項又
    は正弦項の第1係数に相当する出力(a1 )を得る第1
    の積分手段と、 前記第1の積分手段から得られた出力(a1 )を積分し
    て周波数補償量を示す出力(Δf)を得る第2の積分手
    段と、 前記第1の積分手段から得られた前記出力(a1 )に係
    数(Kpp)を乗算して位相補償を示す出力(a1p)を得
    る第2の乗算手段と、 一定の基準周波数(f0 )を得るための基準周波数指令
    信号を発生する基準周波数信号発生手段と、 前記第2の積分手段の前記出力(Δf)と前記第2の乗
    算手段の前記出力(a1p)と前記基準周波数指令信号発
    生手段の前記出力(f0 )との加算値に対応した第1の
    アドレス用出力(α′=f0 +△f+a1p)を得、この
    第1のアドレス用出力(α′)を前記第1のアドレス用
    積分手段に供給する第1の加算手段と、 正弦波又は余弦波からなる周期性を有する出力信号(si
    n 2πβ1 t)が格納された出力用メモリとこのメモリ
    のアドレスを出力する第2のアドレス用積分手段とを有
    して前記出力用メモリから前記出力信号を発生させるも
    のであり、前記出力信号の周波数(β1 )を前記第2の
    アドレス用積分手段の入力(β′)によって変えること
    ができるように形成された出力信号発生手段と、 前記参照信号発生手段の出力と前記出力信号とを乗算す
    る第3の乗算手段と、 前記第3の乗算手段から得られた出力に対して前記第1
    の積分手段と同様な積分処理を施すための第3の積分手
    段と、 前記第3の積分手段から得られた出力に係数(Kpp1 )
    を乗算して位相補償を示す出力を得る第4の乗算手段
    と、 前記第2の積分手段の出力と前記第4の乗算手段の出力
    との加算によって補正指令信号を得るための第3の加算
    手段と、 前記出力信号を前記入力信号に同期させる時に前記第3
    の加算手段から得られた前記補正指令信号を供給し、前
    記出力信号と前記入力信号との同期を解除する時に前記
    周波数補正指令信号の供給を停止するスイッチと、 減算手段とリミッタ手段と第4の積分手段と遅延手段と
    を有し、前記減算手段は前記スイッチの出力から前記遅
    延手段の出力を減算し、前記リミッタ手段は前記減算手
    段の出力を所定のレベル以下に制限し、前記第4の積分
    手段は前記リミッタ手段の出力を積分し、前記遅延手段
    は前記第4の積分手段の出力を遅延し、前記第4の積分
    手段から修正された周波数補正指令信号を出力するよう
    に構成された修正周波数補正指令信号作成手段と、 前記基準周波数指令信号発生手段又は別に設けた基準周
    波数指令信号発生手段から得られた前記基準周波数指令
    信号に前記修正された周波数補正指令信号を加算して第
    2のアドレス用出力(β′)を得、この第2のアドレス
    用出力(β′)を前記第2のアドレス用積分手段に供給
    する第4の加算手段とを備えていることを特徴とする周
    期性信号制御装置。
  3. 【請求項3】 前記入力信号は商用交流電源電圧又はこ
    れに同期した信号であり、 前記出力信号はインバータの出力電圧波形を決定するた
    めのインバータ制御用基準信号であることを特徴とする
    請求項1又は2記載の周期性信号制御装置。
  4. 【請求項4】 前記周期性信号制御装置の少なくとも一
    部がディジタル処理回路で形成されていることを特徴と
    する請求項1又は2又は3記載の周期性信号制御装置。
  5. 【請求項5】 前記スイッチを制御するために周波数異
    常判定手段が設けられており、この周波数異常判定手段
    は、前記第2の積分手段の出力の絶対値と基準電圧とを
    比較し、前記絶対値が前記基準電圧よりも高くなった時
    に同期を解除するように前記スイッチを制御するもので
    ある請求項2記載の周期性信号制御装置。
  6. 【請求項6】 更に、前記入力信号を与えるための商用
    交流電源と、前記出力信号で制御されるインバ−タと、
    前記商用交流電源と前記インバ−タとを負荷に択一的に
    接続するためのスイッチと、前記インバ−タの出力電圧
    が前記商用交流電源の電圧に同期しているか否かを判定
    し、同期している時に前記インバ−タを前記負荷に接続
    するように前記スイッチを制御する同期判定手段とを有
    し、 前記同期化判定手段が、 前記リミッタの入力の絶対値が前記リミッタの制限値
    (fa )以上か否かを判定するリミッタ入力判定手段
    と、 前記入力信号と前記出力信号との位相ずれを示す前記第
    3の積分手段(43)の出力(b1 )が所定許容値(△
    φ1im )よりも小さいか否かを判定する位相ずれ判定手
    段とを有し、前記絶対値が前記制限値(fa )以上の時
    及び前記第3の積分手段(43)の出力(b1 )が所定
    許容値(△φ1im )よりも小さくない時には非同期を示
    す出力を発生し、前記絶対値が前記制限値(fa )以上
    でなく且つ前記第3の積分手段(43)の出力(b1 )
    が前記所定許容値(△φ1im )よりも小さい時には同期
    を示す出力を発生するように構成されていることを特徴
    とする請求項2又は5記載の周期性信号制御装置。
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