JP7260242B2 - 系統周波数検出器 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、系統周波数検出器に関する。
電力系統の系統周波数を検出する方式として、ゼロクロス点検出型周波数演算が知られている。ゼロクロス点検出型周波数演算は、系統周波数と同期した周期でしか測定データを取ることができず、かつ系統擾乱への耐性を獲得しようとすると、200msec(ミリ秒)以上の比較的長い時定数のフィルタを設けることが通例であった。このため、例えば40msec以下の遅れでの追従など、系統周波数の変化に対する迅速な出力追従が難しい。
また、DQ変換を使用したPLL(Phase Locked Loop)による周波数演算も知られている。こうしたPLLによる周波数演算では、電力系統側にトラブルが無ければ良好な周波数検出器として用いることができ、ゼロクロス点検出型周波数演算よりも高速に系統周波数に追従することができる。しかしながら、系統電圧に位相跳躍が発生した時には、演算される周波数が一時的に大きく振動してしまうことがある。
このため、系統周波数検出器においては、系統周波数の変化に対して高速に追従できるとともに、系統擾乱が発生した際にも系統周波数の誤検出を抑制できるようにすることが望まれる。
米国特許第8704571号明細書
本発明の実施形態は、系統周波数の変化に対して高速に追従できるとともに、系統擾乱が発生した際にも系統周波数の誤検出を抑制できる系統周波数検出器を提供する。
本発明の実施形態によれば、電力系統の三相交流電力の三相の電圧信号を直交する二相の電圧信号に変換し、前記二相の電圧信号を回転座標系の電圧信号に変換し、前記回転座標系の電圧信号の移動平均を演算し、前記移動平均を演算した後の前記回転座標系の電圧信号を逆変換することにより、前記三相の電圧信号から直交する二相の電圧信号を生成する直交座標信号生成部と、前記直交座標信号生成部によって生成された前記移動平均を演算した後の前記二相の電圧信号を基に、前記電力系統の角周波数を演算する角周波数演算部と、前記角周波数に1/2πを乗算することにより、前記角周波数から前記電力系統の系統周波数を演算する演算器と、を有する周波数演算部と、を備え、前記角周波数演算部は、前記二相の電圧信号を基に、比例積分制御を行うことにより、前記角周波数を演算し、前記周波数演算部は、所定の変化率以上の前記系統周波数の変化を制限するレートリミッタを有し、前記レートリミッタの入出力差を前記角周波数演算部の前記比例積分制御の演算にフィードバックするとともに、前記レートリミッタから出力された前記角周波数及び前記角周波数の微分値を基に、所定時間経過後の前記角周波数の予測値を演算する予測演算器と、前記レートリミッタから出力された前記角周波数を前記演算器に入力する第1状態と、前記予測演算器から出力された前記予測値を前記演算器に入力する第2状態と、を選択的に切り替える切替回路と、をさらに有し、前記切替回路は、前記直交座標信号生成部によって演算された前記回転座標系の電圧信号を基に、前記電力系統の位相跳躍の検出を行い、前記電力系統の位相跳躍を検出していない状態においては、前記第1状態を選択し、前記電力系統の位相跳躍を検出した際に、前記第2状態を一定時間選択し、前記一定時間の経過の後、前記第2状態から前記第1状態に戻る系統周波数検出器が提供される。
本発明の実施形態によれば、系統周波数の変化に対して高速に追従できるとともに、系統擾乱が発生した際にも系統周波数の誤検出を抑制できる系統周波数検出器が提供される。
系統周波数検出器を模式的に表すブロック図である。 切替回路を模式的に表すブロック図である。 予測演算器を模式的に表すブロック図である。 図4(a)~図4(g)は、系統周波数検出器の動作の一例を模式的に表すグラフである。 図5(a)~図5(c)は、系統周波数検出器の動作の一例を模式的に表すグラフである。 予測演算器の変形例を模式的に表すブロック図である。 系統周波数検出器の変形例を模式的に表すブロック図である。 系統周波数検出器の変形例を模式的に表すブロック図である。
以下に、各実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、系統周波数検出器を模式的に表すブロック図である。
図1に表したように、系統周波数検出器10は、直交座標信号生成部12と、周波数演算部14と、を備える。系統周波数検出器10は、三相交流電力の電力系統の系統周波数を検出する。
系統周波数検出器10は、例えば、太陽光発電や風力発電などの分散型電源を電力系統と連系させる電力変換装置などに用いられる。但し、系統周波数検出器10の用途は、これに限定されるものではない。系統周波数検出器10は、三相交流電力の電力系統の系統周波数の検出を必要とする任意の機器に用いることができる。
直交座標信号生成部12は、電力系統の三相交流電力の三相の電圧信号V、V、Vから直交する二相の電圧信号Vα´、Vβ´を生成する。三相の電圧信号V、V、Vは、例えば、電圧検出器などによって検出され、直交座標信号生成部12に入力される。三相の電圧信号V、V、Vは、例えば、所定のサンプリング周期で入力される三相交流電圧の瞬時値である。
直交座標信号生成部12は、三相二相変換部20と、回転座標変換部21と、移動平均フィルタ22、23と、逆変換部24と、を有する。
三相二相変換部20は、三相の電圧信号V、V、Vをαβ変換(クラーク変換)により、α相とβ相の二相の電圧信号Vα、Vβに変換する。
回転座標変換部21には、二相の電圧信号Vα、Vβが入力されるとともに、電力系統の公称の角周波数ωを積分して得られる公称の位相θが入力される。回転座標変換部21は、いわゆるdq変換(パーク変換)により、直交二軸座標の電圧信号Vα、Vβを位相θに同期した座標系(dq座標)の電圧信号V、Vに回転座標変換する。電圧信号Vは、電力系統の三相交流電力(電圧信号V、V、V)のd軸成分を表す電圧信号であり、電圧信号Vは、電力系統の三相交流電力(電圧信号V、V、V)のq軸成分を表す電圧信号である。
移動平均フィルタ22は、電圧信号Vの移動平均を演算することにより、移動平均演算後の電圧信号V´を出力する。同様に、移動平均フィルタ23は、電圧信号Vの移動平均を演算することにより、移動平均演算後の電圧信号V´を出力する。このように、移動平均フィルタ22、23は、電圧信号V、Vの移動平均を演算することにより、電圧信号V、Vの高周波成分を抑制する。移動平均フィルタ22、23は、例えば、電圧信号V、Vに含まれる高調波成分を抑制する。これにより、例えば、三相の電圧不平衡、高調波、及びノイズなどの電力系統側のトラブルが、系統周波数の検出に影響を与えてしまうことを抑制することができる。
逆変換部24は、回転座標系の電圧信号V´、V´を直交二軸座標系に逆変換することにより、電圧信号V´、V´から移動平均演算後の直交二軸座標の電圧信号Vα´、Vβ´に変換する。これにより、直交座標信号生成部12は、三相の電圧信号V、V、Vから直交する二相の電圧信号Vα´、Vβ´を生成する。
周波数演算部14は、直交座標信号生成部12によって生成された二相の電圧信号Vα´、Vβ´を基に、電力系統の系統周波数fを演算する。周波数演算部14は、PLL(Phase-Locked-Loop)の演算を用いることにより、二相変換後の電圧信号Vα´、Vβ´に同期した同期位相θαβPLLを検出するとともに、同期位相θαβPLLの検出過程で得られる角周波数ωから電力系統の系統周波数fを演算する。
周波数演算部14は、角周波数演算部AFPを有する。角周波数演算部AFPは、例えば、演算器30、31、32と、乗算器33、34と、減算器35と、演算器36、37と、積分器38と、加算器39、40と、積分器41と、演算器42と、減算器43と、を有する。
演算器30は、二相の電圧信号Vα´、Vβ´からcosθとsinθとを演算する。演算器30は、Vα´/√(Vα´+Vβ´)の式により、cosθを演算し、Vβ´/√(Vα´+Vβ´)の式により、sinθを演算する。演算器30は、演算したcosθを乗算器33に入力し、演算したsinθを乗算器34に入力する。
演算器31は、検出された同期位相θαβPLLを基に、sinθαβPLLを演算し、sinθαβPLLを乗算器33に入力する。
演算器32は、検出された同期位相θαβPLLを基に、cosθαβPLLを演算し、cosθαβPLLを乗算器34に入力する。
乗算器33は、入力されたcosθとsinθαβPLLとを乗算し、乗算結果を減算器35に入力する。
乗算器34は、入力されたsinθとcosθαβPLLとを乗算し、乗算結果を減算器35に入力する。
減算器35は、sinθ・cosθαβPLL-cosθ・sinθαβPLLを演算することにより、電力系統の位相θと同期位相θαβPLLとの誤差位相Δθを演算する。周波数演算部14は、
Δθ=θ-θαβPLL≒sinθ・cosθαβPLL-cosθ・sinθαβPLL
として、誤差位相Δθを演算する。
演算器36は、誤差位相Δθに比例ゲインKを乗算し、乗算結果を加算器39に入力する。
演算器37は、誤差位相Δθに積分ゲインKを乗算し、乗算結果を積分器38に入力する。
積分器38は、誤差位相Δθと積分ゲインKとの乗算結果を積分し、積分値を加算器39に入力する。
加算器39は、演算器36の乗算結果と積分器38の積分値とを加算する。演算器36、37、積分器38、及び加算器39は、いわゆる比例積分制御により、誤差位相Δθをゼロにするための角周波数の指令値Δωを演算する。
加算器40には、加算器39によって演算された角周波数の指令値Δωが入力されるとともに、電力系統の公称の角周波数ωが入力される。加算器40は、角周波数の指令値Δωと電力系統の公称の角周波数ωとを加算することにより、電力系統の角周波数ωを演算する。このように、角周波数演算部AFPは、二相の電圧信号Vα´、Vβ´を基に、比例積分制御を行うことにより、角周波数ωを演算する。
積分器41は、加算器40によって演算された角周波数ωを積分することにより、角周波数ωから同期位相θを演算する。積分器41は、演算した同期位相θを減算器43に入力する。
演算器42は、積分器38の積分結果に定数Kφを乗算することにより、補正値を演算する。定数Kφは、Kφ=(Tω-TSP)/2によって求められる。TSPは、電圧信号V、V、Vのサンプリング周期を表す。Tωは、移動平均フィルタ22、23の窓長を表す。Tωは、移動平均フィルタ22、23の平均数をNとするとき、N・TSPで表される。演算器42は、演算した補正値を減算器43に入力する。
減算器43は、同期位相θから補正値を減算することにより、同期位相θを補正する。この補正により、減算器43は、同期位相θαβPLLを演算する。
角周波数演算部AFPは、検出した同期位相θαβPLLを演算器31、32にフィードバックすることにより、同期位相θαβPLLを電力系統の位相θと同期させる。このように、角周波数演算部AFPは、角周波数ωを基に、移動平均を演算した後の二相の電圧信号Vα´、Vβ´に同期した同期位相θαβPLLを検出するとともに、電力系統の公称の位相θと同期位相θαβPLLとの誤差位相Δθを演算し、誤差位相Δθをゼロにするように角周波数ωを演算する。この例の角周波数演算部AFP(周波数演算部14)のPLLの構成は、例えば、αβEPMAFPLL(αβ Enhanced Pre-filtering Moving Average Filter PLL)と呼ばれる場合がある。
周波数演算部14は、演算器45と、レートリミッタ46と、減算器47、48と、予測演算器50と、スイッチング素子51と、切替回路52と、をさらに有する。周波数演算部14は、演算した角周波数ωから電力系統の系統周波数fを演算する。加算器40は、演算した角周波数ωを積分器41に入力するとともに、角周波数ωをレートリミッタ46に入力する。
レートリミッタ46は、所定の変化率以上の角周波数ωの変化を制限することにより、所定の変化率以上の系統周波数fの変化を制限する。レートリミッタ46は、例えば、4Hz/sec以上の系統周波数fの変化を抑制する。
このように、レートリミッタ46を設けることにより、電力系統に位相跳躍などが発生した場合にも、系統周波数fの急激な変動を抑制し、系統周波数fの演算の誤差を小さくすることができる。
減算器47は、レートリミッタ46の入力側及び出力側と接続されている。減算器47は、レートリミッタ46の入力値からレートリミッタ46の出力値を減算する。すなわち、減算器47は、レートリミッタ46の入力値と出力値との差分を演算する。角周波数ωの演算値が急に大きくなり、レートリミッタ46によって角周波数ωが制限され、レートリミッタ46の出力値がレートリミッタ46の入力値よりも小さくなると、その差分が減算器47によって演算される。減算器47は、差分の演算結果を減算器48に入力する。
減算器48は、角周波数演算部AFPの演算器37と積分器38との間に設けられる。減算器48は、誤差位相Δθに積分ゲインKを乗算した演算器37の乗算結果から減算器47の差分の演算結果を減算する。すなわち、減算器48は、レートリミッタ46が角周波数ωを制限した際に、レートリミッタ46によって制限された分を比例積分制御の積分動作の演算から減算する。
このように、周波数演算部14は、減算器47、48を設け、レートリミッタ46の入出力差を角周波数演算部AFPの比例積分制御の演算にフィードバックする。これにより、電力系統に位相跳躍などが発生した場合にも、系統周波数fの急激な変動をより確実に抑制し、系統周波数fの演算の誤差をより小さくすることができる。こうしたフィードバックの制御は、例えば、Anti reset wind upと呼ばれる場合がある。
予測演算器50は、レートリミッタ46と直列的に設けられる。予測演算器50は、レートリミッタ46から出力された角周波数ω及びその角周波数ωの微分値を基に、所定時間経過後の角周波数ωの予測値ω´を演算する。
スイッチング素子51は、レートリミッタ46のみを演算器45に直列に接続する状態と、レートリミッタ46と予測演算器50と演算器45とを直列に接続する状態と、を選択的に切り替える。この際、スイッチング素子51は、どちらの状態においてもレートリミッタ46の出力を減算器47に入力し、レートリミッタ46の入出力差が、角周波数演算部AFPの比例積分制御の演算にフィードバックされるようにする。
切替回路52は、レートリミッタ46から出力された角周波数ωを演算器45に入力する第1状態と、予測演算器50から出力された予測値ω´を演算器45に入力する第2状態と、を選択的に切り替える。切替回路52は、例えば、スイッチング素子51による経路の切り替えを制御することにより、第1状態と第2状態とを選択的に切り替える。
但し、第1状態と第2状態との切り替えは、これに限定されるものではない。例えば、レートリミッタ46のみを動作させることによって第1状態とし、レートリミッタ46と予測演算器50とを動作させることによって第2状態としてもよい。この場合、スイッチング素子51は、省略可能である。
切替回路52には、直交座標信号生成部12の回転座標変換部21によって演算されたd軸成分の電圧信号Vと、q軸成分の電圧信号Vと、が入力される。切替回路52は、入力された電圧信号V、Vを基に、電力系統の位相跳躍の検出を行う。切替回路52は、電力系統の位相跳躍を検出していない状態においては、第1状態を選択し、角周波数ωを演算器45に入力する。そして、切替回路52は、電力系統の位相跳躍を検出した際に、第2状態を一定時間選択し、予測値ω´を演算器45に一定時間入力する。切替回路52は、一定時間の経過の後、第2状態から第1状態に戻る。
演算器45は、角周波数ω又は角周波数ωの予測値ω´に1/2πを乗算することにより、角周波数ω又は予測値ω´から系統周波数fを演算する。
このように、周波数演算部14は、二相の電圧信号Vα´、Vβ´から電力系統の系統周波数fを演算する。系統周波数検出器10は、三相の電圧信号V、V、Vから電力系統の系統周波数fを検出する。
図2は、切替回路を模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、切替回路52は、微分回路60と、絶対値演算回路61と、微分回路62と、絶対値演算回路63と、加算器64と、判定回路65と、を有する。切替回路52には、回転座標変換部21によって演算された電圧信号V、Vが入力される。
微分回路60は、電圧信号Vの微分値を演算する。換言すれば、微分回路60は、電圧信号Vの傾きを演算する。絶対値演算回路61は、微分回路60によって演算された電圧信号Vの微分値の絶対値を演算する。
同様に、微分回路62は、電圧信号Vの微分値を演算する。換言すれば、微分回路62は、電圧信号Vの傾きを演算する。絶対値演算回路63は、微分回路62によって演算された電圧信号Vの微分値の絶対値を演算する。
加算器64は、電圧信号Vの微分値の絶対値と、電圧信号Vの微分値の絶対値と、の合計値を演算し、演算した合計値を判定回路65に入力する。
判定回路65は、入力された合計値が所定値以上か否かを判定する。電力系統に位相跳躍が発生すると、電力系統の三相交流電力のd軸成分を表す電圧信号V及びq軸成分を表す電圧信号Vは、急激に変化する(図4(d)参照)。このため、電圧信号Vの微分値の絶対値と電圧信号Vの微分値の絶対値との合計値が所定値以上になった場合には、電力系統に位相跳躍が発生したと考えることができる。
判定回路65は、スイッチング素子51の経路の切り替えを行う。判定回路65は、合計値が所定値未満である場合には、スイッチング素子51をレートリミッタ46の出力を演算器45に入力する状態とする。すなわち、判定回路65は、電力系統に位相跳躍が発生していないと判断した場合には、第1状態を選択する。
判定回路65は、合計値が所定値以上である場合には、スイッチング素子51を予測演算器50の出力を演算器45に入力する状態とする。すなわち、判定回路65は、電力系統に位相跳躍が発生していると判断した場合には、第2状態を選択する。
このように、切替回路52は、電圧信号Vの微分値の絶対値と電圧信号Vの微分値の絶対値との合計値が所定値未満である場合に第1状態を選択し、合計値が所定値以上である場合に第2状態を選択する。
判定回路65は、第1状態から第2状態に切り替えた場合、例えば、第1状態から第2状態への切り替えのタイミングから一定時間が経過したか否かを判定し、一定時間が経過した後に、第2状態から第1状態に戻す。
すなわち、周波数演算部14は、レートリミッタ46から出力された角周波数ωを基に系統周波数fを演算するとともに、電力系統に位相跳躍が発生していると判断した場合には、予測演算器50から出力された予測値ω´に一定時間切り替え、位相跳躍の発生の判断から一定時間については、予測値ω´を基に系統周波数fを演算する。
なお、系統周波数検出器10は、位相跳躍の発生の検出結果を外部に出力する機能を有してもよい。これにより、例えば、系統周波数検出器10を備えた電力変換装置などにおいて、位相跳躍の発生の検出結果を活用することが可能となり、系統周波数検出器10の機能性をより高めることができる。
図3は、予測演算器を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、予測演算器50は、加算器70と、微分回路71と、積分回路72と、を有する。
予測演算器50は、レートリミッタ46から出力された角周波数ωを加算器70に入力するとともに、微分回路71に入力する。予測演算器50は、より詳しくは、電力系統に位相跳躍が発生していると判断された時点t0における角周波数ω(t0)を加算器70及び微分回路71に入力する。
微分回路71は、入力された角周波数ω(t0)を時間で微分した微分値dω(t0)/dtを演算する。積分回路72は、微分値dω(t0)/dtを積分することにより、位相跳躍が発生していると判断された時点t0から所定時間t経過した後の角周波数ωの予測変化量(t-t0)×dω(t0)/dtを演算し、予測変化量(t-t0)×dω(t0)/dtを加算器70に入力する。
加算器70は、位相跳躍が発生していると判断された時点t0における角周波数ω(t0)と、予測変化量(t-t0)×dω(t0)/dtと、を加算することにより、角周波数ωの予測値ω´を演算する。すなわち、予測演算器50は、以下の(1)式により、予測値ω´を演算する。
Figure 0007260242000001

このように、予測演算器50は、角周波数ω及びその角周波数ωの微分値を基に、所定時間経過後の角周波数ωの予測値ω´を演算する。予測演算器50は、例えば、(1)式に表したように、予測値ω´の演算に用いる角周波数ω及び微分値を、位相跳躍が発生していると判断された時点t0における角周波数ω(t0)、及び微分値dω(t0)/dtに固定する。
図4(a)~図4(g)は、系統周波数検出器の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図4(a)~図4(g)の横軸は、時間である。
図4(a)の縦軸は、三相の電圧信号Vの一例である。
図4(b)の縦軸は、三相の電圧信号Vの一例である。
図4(c)の縦軸は、三相の電圧信号Vの一例である。
図4(d)の縦軸は、回転座標系の電圧信号Vの一例である。
図4(e)の縦軸は、加算器40によって演算された角周波数ωからレートリミッタ46などを通すことなく、そのまま演算器45で演算した参考の系統周波数fの一例である。
図4(f)の縦軸は、系統周波数検出器10の構成において、位相跳躍が発生した場合にも、予測演算器50に切り替えることなく、レートリミッタ46から出力された角周波数ωを演算器45に入力して演算した参考の系統周波数fの一例である。
図4(g)の縦軸は、系統周波数検出器10の構成によって演算した系統周波数fの一例である。
図4(a)~図4(g)では、時刻T1において約30度の位相跳躍が発生した場合の一例を表している。また、図4(a)~図4(g)では、電力系統の実際の系統周波数を50Hzに設定している。
図4(d)に表したように、位相跳躍が発生すると、電力系統の三相交流電力のd軸成分を表す電圧信号Vは、急激に変化する。同様に、q軸成分を表す電圧信号Vも、急激に変化する。
図4(e)に表したように、レートリミッタ46などを用いることなく系統周波数fを演算した場合には、位相跳躍の発生時に5Hz程度の誤計測が発生している。
これに対して、図4(f)に表したように、レートリミッタ46の入出力差を比例積分制御の演算にフィードバックする構成では、位相跳躍が発生した時の誤計測を1Hz程度に抑えることができている。
そして、位相跳躍の発生を検出した時にレートリミッタ46の角周波数ωから予測演算器50の予測値ω´に切り替える系統周波数検出器10では、位相跳躍が発生した時の誤計測をさらに抑えることができている。系統周波数検出器10では、誤計測を0.01Hz程度に抑えることができている。
例えば、図4に表した例のように、電力系統の実際の系統周波数が実質的に一定である場合、位相跳躍が発生していると判断された時点t0における角周波数ω(t0)の微分値dω(t0)/dtは、実質的に0である。従って、この場合には、ω´≒ω(t0)となり、系統周波数fの変動を抑制することができる。
図5(a)~図5(c)は、系統周波数検出器の動作の一例を模式的に表すグラフである。
図5(a)~図5(c)の横軸は、時間である。
図5(a)及び図5(b)の縦軸は、系統周波数検出器10の構成において、位相跳躍が発生した場合にも、予測演算器50に切り替えることなく、レートリミッタ46から出力された角周波数ωを演算器45に入力して演算した参考の系統周波数fの一例である。 図5(c)の縦軸は、系統周波数検出器10の構成によって演算した系統周波数fの一例である。
図5(a)~図5(c)では、電力系統の実際の系統周波数Fが、レートリミッタ46の変化率よりも小さい変化率で変動している条件において、演算された系統周波数fの一例を模式的に表してる。また、図5(a)では、時刻T2において正の方向に位相跳躍が発生した場合の一例を表している。図5(b)では、時刻T2において負の方向に位相跳躍が発生した場合の一例を表している。
本願発明者は、鋭意の検討の結果、図5(a)及び図5(b)に表したように、電力系統の実際の系統周波数Fが、レートリミッタ46の変化率よりも小さい変化率で変動している場合に、レートリミッタ46から出力された角周波数ωを用いて系統周波数fを演算すると、系統周波数fの誤計測が発生し、レートリミッタ46の変化率に応じて系統周波数fが変動してしまうことを見出した。また、本願発明者は、図5(a)及び図5(b)に表したように、位相が正の方向に跳躍した場合には、系統周波数fが高くなる方向に変動し、位相が負の方向に跳躍した場合には、系統周波数fが低くなる方向に変動することを見出した。
これに対し、予測演算器50の予測値ω´を用いて系統周波数fを演算する場合には、位相跳躍が発生していると判断された時点t0における角周波数ω(t0)の微分値dω(t0)/dtを基に、電力系統の実際の系統周波数Fの変動(傾き)を予測することができる。
従って、系統周波数検出器10では、図5(c)に表したように、電力系統の実際の系統周波数Fが、レートリミッタ46の変化率よりも小さい変化率で変動している状態で位相跳躍が発生した場合においても、位相跳躍が発生した時の系統周波数fの誤計測を抑制することができる。
以上、説明したように、本実施形態に係る系統周波数検出器10は、レートリミッタ46から出力された角周波数ωを基に系統周波数fを演算するとともに、電力系統に位相跳躍が発生していると判断した場合には、予測演算器50から出力された予測値ω´に一定時間切り替え、位相跳躍の発生の判断から一定時間については、予測値ω´を基に系統周波数fを演算する。これにより、電力系統に位相跳躍などが発生した場合にも、系統周波数fの急激な変動を抑制し、系統周波数fの演算の誤差を小さくすることができる。また、系統周波数fの演算は、オープンループのため、系統周波数fを演算する部分にレートリミッタ46を設けたとしても、PLLによる系統電圧位相追従の速度に影響を与えることを抑制することができる。従って、系統周波数fの変化に対して高速に追従できるとともに、系統擾乱が発生した際にも系統周波数fの誤検出を抑制できる系統周波数検出器10を提供することができる。
予測演算器50に切り替える一定時間は、例えば、10msec以上300msec以下程度である。一定時間が短すぎると、例えば、図5(a)や図5(b)などに表したように、レートリミッタ46によって演算される系統周波数fが変動している状態で、レートリミッタ46を用いた系統周波数fの演算に戻ってしまうことが懸念される。このため、一定時間は、10msec以上であることが好ましい。一方、一定時間が長すぎると、電力系統の実際の系統周波数Fの変化の傾きが変動した際に、系統周波数fの誤検出が発生してしまうことが懸念される。このため、一定時間は、300msec以下であることが好ましい。一定時間は、例えば、100msec以上200msec以下程度であることがより好適である。これにより、系統周波数fの誤検出をより適切に抑制することができる。
図6は、予測演算器の変形例を模式的に表すブロック図である。
なお、上記実施形態と機能・構成上実質的に同じものについては、同符号を付し、詳細な説明は省略する。
図6に表したように、予測演算器50aは、移動平均フィルタ73と、演算器74と、をさらに有する。
移動平均フィルタ73は、レートリミッタ46から出力された角周波数ωの移動平均を演算し、移動平均演算後の角周波数ωを加算器70及び微分回路71に入力する。
微分回路71は、移動平均フィルタ73から入力された移動平均演算後の角周波数ω(t0)を基に微分値dω(t0)/dtを演算し、微分値dω(t0)/dtを積分回路72及び演算器74に入力する。
積分回路72は、上記と同様に、微分値dω(t0)/dtを積分することにより、角周波数ωの予測変化量(t-t0)×dω(t0)/dtを演算し、予測変化量(t-t0)×dω(t0)/dtを加算器70に入力する。
演算器74は、微分回路71から入力された微分値dω(t0)/dtに所定の係数delaycompを乗算することにより、積分回路72で演算される予測変化量の補正値を演算する。演算器74は、演算した補正値を加算器70に入力する。
加算器70は、位相跳躍が発生していると判断された時点t0における角周波数ω(t0)と、予測変化量(t-t0)×dω(t0)/dtと、補正値と、を加算することにより、角周波数ωの予測値ω´を演算する。すなわち、予測演算器50aは、以下の(2)式により、予測値ω´を演算する。
Figure 0007260242000002

このように、予測演算器50aは、角周波数ω(t0)と、予測変化量(t-t0)×dω(t0)/dtと、補正値と、を基に、予測値ω´を演算する。
レートリミッタ46から出力された角周波数ωには、電源ノイズや計測ノイズなどのノイズが乗っている可能性がある。微分回路71で微分値dω(t0)/dtを演算する際に、角周波数ω(t0)にノイズが乗っていると、ノイズに応じた傾きを誤って演算し、系統周波数fの誤検出を起こしてしまう可能性がある。
このため、予測演算器50aは、移動平均フィルタ73をさらに有し、角周波数ωの移動平均を演算する。これにより、角周波数ωに乗るノイズの影響を抑制することができる。
一方で、移動平均フィルタ73を設けると、移動平均フィルタ73による位相遅れにより、予測値ω´に基づく系統周波数fの予測値に遅れが生じてしまう可能性がある。例えば、電力系統の実際の系統周波数Fが変動している状態で位相跳躍が発生した場合に、系統周波数fの予測値に遅れが生じてしまう可能性がある。
このため、予測演算器50aは、演算器74をさらに有し、予測変化量の補正値を演算し、角周波数ω(t0)と、予測変化量(t-t0)×dω(t0)/dtと、補正値と、を基に、予測値ω´を演算する。
演算器74は、移動平均フィルタ73による位相遅れを抑制するように補正値を演算する。演算器74の係数delaycompは、例えば、移動平均フィルタ73の窓長Tωに応じて設定される。係数delaycompは、例えば、窓長Tωの半分程度(0.4倍~0.6倍程度)の値に設定される。例えば、移動平均フィルタ73の窓長Tωが、40msecである場合には、係数delaycompは、20msec(0.02)の値に設定される。これにより、移動平均フィルタ73による位相遅れを抑制することができる。
なお、移動平均フィルタ73の窓長Tωは、例えば、10msec以上100msec以下である。移動平均フィルタ73の窓長Tωを10msec以上に設定することにより、角周波数ωに乗るノイズを適切に抑制することができる。移動平均フィルタ73の窓長Tωを100msec以下に設定することにより、移動平均フィルタ73による位相遅れが過度に長くなってしまうことを抑制することができる。
このように、予測演算器50aは、移動平均フィルタ73によって角周波数ωに乗るノイズの影響を抑制するとともに、演算器74によって移動平均フィルタ73による位相遅れを抑制する。これにより、角周波数ωにノイズが乗っている場合においても、ノイズの影響を抑制し、系統周波数fの誤検出をより適切に抑制することができる。系統周波数fをより正確に検出することができる。
例えば、直交座標信号生成部12に設けられた移動平均フィルタ22、23などで角周波数ωに乗るノイズを適切に抑制できる場合などには、移動平均フィルタ73及び演算器74を省略してもよい。すなわち、図3に表した予測演算器50の構成で系統周波数fを予測してもよい。
図7は、系統周波数検出器の変形例を模式的に表すブロック図である。
図7に表したように、系統周波数検出器10aでは、周波数演算部14が、レートリミッタ53(制限部)さらに有する。
レートリミッタ53は、演算器45とレートリミッタ46との間、及び演算器45と予測演算器50との間に設けられる。換言すれば、レートリミッタ53は、演算器45とスイッチング素子51との間に設けられる。これにより、レートリミッタ53には、レートリミッタ46から出力された角周波数ω及び予測演算器50から出力された予測値ω´のいずれか一方が選択的に入力される。
レートリミッタ53は、所定の変化率以上の角周波数ω又は予測値ω´の変化を制限することにより、所定の変化率以上の系統周波数fの変化を制限する。レートリミッタ53は、例えば、4Hz/sec以上の系統周波数fの変化を抑制する。
このように、レートリミッタ53を設けることにより、切替回路52が第1状態と第2状態とを切り替えた際の系統周波数fの急激な変化を抑制することができる。すなわち、角周波数ωから予測値ω´に切り替わったタイミング、又は予測値ω´から角周波数ωに切り替わったタイミングにおいて、系統周波数fが急激に変化してしまうことを抑制することができる。
図8は、系統周波数検出器の変形例を模式的に表すブロック図である。
図8に表したように、系統周波数検出器10bでは、周波数演算部14が、ローパスフィルタ54をさらに有する。ローパスフィルタ54は、演算器45と直列に設けられる。ローパスフィルタ54は、例えば、演算器45とレートリミッタ53との間に設けられる。
ローパスフィルタ54は、角周波数ω又は予測値ω´の高周波成分を抑制する。ローパスフィルタ54は、角周波数ω又は予測値ω´の所定の周波数よりも高い周波数の成分を減衰させる。換言すれば、ローパスフィルタ54は、角周波数ω又は予測値ω´の急激な変動を抑制する。ローパスフィルタ54は、例えば、移動平均フィルタを用いてもよい。ローパスフィルタ54は、高周波成分を抑制した後の角周波数ω又は予測値ω´を演算器45に入力する。
ローパスフィルタ54は、演算器45と直列に設けられる。ローパスフィルタ54は、角周波数ω又は予測値ω´の高周波成分を抑制することにより、系統周波数fの高周波成分を抑制する。ローパスフィルタ54は、系統周波数fの急激な変動を抑制する。
このように、ローパスフィルタ54を設けることにより、電力系統に位相跳躍などが発生した場合にも、系統周波数fの急激な変動を抑制し、系統周波数fの演算の誤差をより小さくすることができる。
なお、ローパスフィルタ54は、演算器45とレートリミッタ53との間に限ることなく、レートリミッタ53の前に設けてもよいし、演算器45の後に設けてもよい。ローパスフィルタ54の構成は、演算器45と直列に設けられ、系統周波数fの高周波成分を抑制可能な任意の構成でよい。
なお、上記各実施形態では、周波数演算部14の角周波数演算部AFPとしてαβEPMAFPLLの構成を模式的に表している。角周波数演算部AFPの構成は、これに限定されるものではない。角周波数演算部AFPの構成は、例えば、EPMAFPLL(Enhanced Pre-filtering Moving Average Filter PLL)の構成、PMAFPLL(Pre-filtering Moving Average Filter PLL)の構成、あるいはEPMAFPLL Type2の構成などでもよい。
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、系統周波数検出器10、10a、10bに含まれる各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した系統周波数検出器10、10a、10bを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての系統周波数検出器も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。

Claims (4)

  1. 電力系統の三相交流電力の三相の電圧信号を直交する二相の電圧信号に変換し、前記二相の電圧信号を回転座標系の電圧信号に変換し、前記回転座標系の電圧信号の移動平均を演算し、前記移動平均を演算した後の前記回転座標系の電圧信号を逆変換することにより、前記三相の電圧信号から直交する二相の電圧信号を生成する直交座標信号生成部と、
    前記直交座標信号生成部によって生成された前記移動平均を演算した後の前記二相の電圧信号を基に、前記電力系統の角周波数を演算する角周波数演算部と、前記角周波数に1/2πを乗算することにより、前記角周波数から前記電力系統の系統周波数を演算する演算器と、を有する周波数演算部と、
    を備え、
    前記角周波数演算部は、前記二相の電圧信号を基に、比例積分制御を行うことにより、前記角周波数を演算し、
    前記周波数演算部は、
    所定の変化率以上の前記系統周波数の変化を制限するレートリミッタを有し、前記レートリミッタの入出力差を前記角周波数演算部の前記比例積分制御の演算にフィードバックするとともに、
    前記レートリミッタから出力された前記角周波数及び前記角周波数の微分値を基に、所定時間経過後の前記角周波数の予測値を演算する予測演算器と、
    前記レートリミッタから出力された前記角周波数を前記演算器に入力する第1状態と、前記予測演算器から出力された前記予測値を前記演算器に入力する第2状態と、を選択的に切り替える切替回路と、
    をさらに有し、
    前記切替回路は、前記直交座標信号生成部によって演算された前記回転座標系の電圧信号を基に、前記電力系統の位相跳躍の検出を行い、前記電力系統の位相跳躍を検出していない状態においては、前記第1状態を選択し、前記電力系統の位相跳躍を検出した際に、前記第2状態を一定時間選択し、前記一定時間の経過の後、前記第2状態から前記第1状態に戻る系統周波数検出器。
  2. 前記予測演算器は、前記レートリミッタから出力された前記角周波数の移動平均を演算し、移動平均後の前記角周波数の微分値を演算するとともに、前記微分値に所定の係数を乗算した補正値を演算し、移動平均後の前記角周波数と前記微分値と前記補正値とを基に、前記予測値を演算する請求項1記載の系統周波数検出器。
  3. 前記周波数演算部は、前記レートリミッタから出力された前記角周波数及び前記予測演算器から出力された前記予測値のいずれか一方が選択的に入力され、所定の変化率以上の前記角周波数又は前記予測値の変化を制限することにより、所定の変化率以上の前記系統周波数の変化を制限する制限部をさらに有する請求項1記載の系統周波数検出器。
  4. 前記周波数演算部は、前記演算器と直列に設けられ、前記系統周波数の高周波成分を抑制するローパスフィルタをさらに有する請求項1記載の系統周波数検出器。
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