JPH10317391A - 鉄塔用基礎構造及び鉄塔用基礎構築工法 - Google Patents

鉄塔用基礎構造及び鉄塔用基礎構築工法

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JPH10317391A
JPH10317391A JP12662697A JP12662697A JPH10317391A JP H10317391 A JPH10317391 A JP H10317391A JP 12662697 A JP12662697 A JP 12662697A JP 12662697 A JP12662697 A JP 12662697A JP H10317391 A JPH10317391 A JP H10317391A
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lower leg
vertical hole
leg
steel tower
upper leg
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Application number
JP12662697A
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English (en)
Inventor
Mitsuharu Kato
光春 加藤
Tsutomu Ito
伊藤  勉
Masayoshi Yasutomi
正佳 安富
Masato Watanabe
正人 渡辺
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NIPPON DENRO Manufacturing
Tohoku Electric Power Co Inc
Nippon Denro Mfg Co Ltd
Original Assignee
NIPPON DENRO Manufacturing
Tohoku Electric Power Co Inc
Nippon Denro Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の鉄塔用基礎構築工法では、鉄塔用基礎
を据付けるための縦穴の直径を大きくし、該縦穴の底部
に作業員が入って基礎材の取付けや位置調整等の作業を
行っていた。 【解決手段】 鉄塔用基礎材1を、上部に連結材22を
有する下脚材2と下部に連結材32を有する上脚材3と
に分割し、下脚材2を設置地面に形成した縦穴11内に
差し込んだ状態で下脚材2の連結材22と上脚材3の連
結材32とを地表10の高さ付近において連結・固定す
ることにより、縦穴11の底部での作業を不要にすると
ともに、該縦穴11の開口径を小さくし得るようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、送電用鉄塔の脚
部を連結するための鉄塔用基礎構造及び鉄塔用基礎構築
工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】送電用鉄塔は、一般に4本に脚部を有
し、それらの脚部をそれぞれ地中に埋設した基礎材に連
結して支持している。
【0003】各鉄塔用基礎材は、例えば図7に示すよう
に、正方形の各角部に位置するように据付けられる。即
ち、各基礎材101,101・・は、前後左右に所定間
隔Lを隔てた位置において、その各下部側大部分の長さ
範囲をコンクリート115で固めて据付けられている。
又、各基礎材101は、構築される鉄塔の中心方向に向
けてそれぞれ若干角度(転び角度)θだけ傾斜させ、さ
らに該各基礎材101の上部101aを所定小高さHだ
けコンクリート115の上面から露出させた状態で設置
される。そして、各基礎材101,101・・の上部露
出部101aには、それぞれ鉄塔の各脚部が連結される
関係上、図7における各寸法(間隔L,転び角度θ,露
出高さH等)は、かなり高精度に維持させる必要があ
る。
【0004】ところで、この種の鉄塔用基礎材101
は、従来では図5に示すようにして据付けていた。即
ち、図5に示す従来例では、各基礎材101の設置位置
(鉄塔脚部が対応する位置)に大きな縦穴111を掘削
し、その縦穴111の底部に据付台102を設置する。
据付台102は、図6に示すように、台座103上に3
本(4本の場合もある)のボルト105を立設し、該各
ボルト105の上部にナット106で碇材104を取付
けて構成されている。そして、基礎材101を縦穴11
1内に上方から吊り降ろし、その基礎材下部を碇材10
4にボルト止めして、該基礎材101と据付台102と
を一体化させる。又、基礎材101は、その転び角度
(図7のθ)及び上部露出部101aの位置(水平方向
の位置及び高さ)を正確に設計通りに設定する必要があ
るが、該転び角度の調整は下げ振り110を垂らして行
い、高さ調整は各ボルト105に対するナット106の
締め付け高さを調節して行い、水平方向の調整は台座1
03を掛矢で叩いて移動調節するようにしている。又、
このように、基礎材101を設計通りにセットした後、
該基礎材101を上下各控え材107,108で固定す
る。そして、縦穴111内に生コンクリート(符号11
5)を充填し、その生コンクリートが固化した後、上部
の控え材108を外せば基礎材101の据付けが完了す
る。尚、このようにして据付けられた各基礎材101
(合計4基)の上部露出部101aには、それぞれ鉄塔
の脚部109が連結される。
【0005】ところで、鉄塔用基礎材101は、大重量
の鉄塔を支持する必要があることから、該基礎材101
の埋設深さを深くする必要があり、従って縦穴111を
かなりの深さまで掘削する必要がある。又、基礎材10
1の下端部と据付台102の碇材104との連結作業、
及び基礎材101の位置調節作業等は、縦穴111の底
部に作業員が入って行う必要があるために、該縦穴11
1の直径もかなり大きく形成していた。因に、現状で
は、該縦穴111を深さが3〜4m、直径が2〜3m程
度の大きさに掘削している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来の鉄塔用基礎構造及びその構築工法では、次のような
各種問題があった。
【0007】(1) 基礎材設置用の縦穴111として、大
容積(深さ3〜4m、直径2〜3m)のものを形成しな
ければならず、その土壌掘削コストが高くつく。
【0008】(2) 基礎材下部と碇材104との連結作
業、基礎材101の位置調整作業、下部控え材107の
組付作業等において、縦穴111の底部に作業員が入っ
て行う必要があるため、それらの作業に危険を伴い、且
つ劣悪な作業環境(縦穴底部には泥や湧き水がある)で
の作業となり、しかも狭隘なスペースでの作業となって
その作業がしにくく、さらに作業員が縦穴111に出入
りするのが面倒である。
【0009】(3) 基礎材101が1本の長尺もの(4〜
5mある)であり且つ転び角度θを持たせる必要がある
ことから、上部控え材108で位置保持するまでは基礎
材101の姿勢が不安定となり、その不安定な姿勢の基
礎材101を位置調整しなければならないので、その位
置調整時の取り扱いに細心の注意を払う必要がある。
【0010】(4) 据付台102は、各ボルト105に螺
合させたナット106を調整することで、基礎材101
の転び角度及び上下高さの微調整を行い得るようになっ
ているが、水平方向の調整は台座103を掛矢で叩いて
移動させるようにしているので、その水平方向の微調整
操作が難しく、その作業に熟練を要する。
【0011】本願発明は、上記した従来の鉄塔用基礎構
造及びその構築工法の問題点を改善することを目的とし
てなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記課題を
解決するための手段として次の構成を有している。
【0013】本願請求項1の発明 本願請求項1の発明は、鉄塔用基礎材の下部側を地中に
埋設してなる鉄塔用基礎構造を対象にしている。そし
て、本願請求項1の鉄塔用基礎構造では、基礎材とし
て、下脚材と上脚材に分割したものを使用している。下
脚材及び上脚材は、それぞれ縦長であるが、分割されて
いるので各脚材1本当たりの長さはそれぞれ従来の1本
ものの基礎材より短くなる。
【0014】下脚材の上部及び上脚材の下部には、それ
ぞれ連結材が取付けられている。この下脚材の連結材と
上脚材の連結材とは、例えばボルト・ナットで連結・固
定可能である。
【0015】又、この請求項1の鉄塔用基礎構造は、下
脚材を設置地面に形成した縦穴内に差し込んだ状態で、
下脚材の連結材と上脚材の連結材とを地表の高さ付近に
おいて連結・固定しているとともに、下脚材及び上脚材
の周囲をコンクリートで固めて構成されている。
【0016】このように、下脚材の連結材と上脚材の連
結材とを地表高さ付近で連結・固定していると、下脚材
と上脚材との組付け作業を地表高さ付近で行える。又、
基礎材の据付け作業全般に亘って、作業員が縦穴内に入
る必要がなくなる。
【0017】本願請求項2の発明 本願請求項2の発明は、上記請求項1の鉄塔用基礎構造
において、上脚材の連結材と下脚材の連結材との間に、
上脚材を下脚材に対して上下方向、水平方向及び傾斜方
向にそれぞれ移動可能とした調整機構を介在させてい
る。この調整機構は、ボルト、ナット、長穴等によって
構成可能である。
【0018】この請求項2の鉄塔用基礎構造では、上記
調整機構により、上脚材を下脚材に対して地表付近で位
置調整及び姿勢調整することができ、しかも下脚材をコ
ンクリートで固めた後でも、上脚材の位置調整及び姿勢
調整が行える。
【0019】本願請求項3の発明 本願請求項3の発明は、鉄塔用基礎の構築工法を対象に
している。この請求項3の鉄塔用基礎構築工法では、上
部に連結材を有する下脚材と下部に連結材を有する上脚
材とに分割し且つ下脚材の連結材と上脚材の連結材とを
連結し得るようにした鉄塔用基礎材を使用して行う。
【0020】そして、この請求項3の構築工法は、鉄塔
用基礎材の据付け位置に基礎据付け用の縦穴を形成する
縦穴形成工程と、下脚材を縦穴内に吊り込む下脚材吊り
込み工程と、縦穴内において下脚材の連結材が地表の高
さ付近に位置する状態で該下脚材を仮固定する下脚材仮
固定工程と、縦穴内に下脚材の連結材部分が露出する状
態で該下脚材の上部寄り高さに達するまで生コンクリー
トを充填する生コンクリート充填工程と、縦穴内に充填
した生コンクリートが固化した後に下脚材の連結材に上
脚材の連結材を連結する上下脚材連結工程と、上下両連
結材の連結部分の周囲を生コンクリートで固める根巻工
程、とを順次行うものである。
【0021】上記縦穴形成工程で形成する縦穴は、下脚
材をほぼ全長に亘って立て込み得る深さは必要である
が、開口径はさほど大きくする必要はない(該開口径
は、例えば1〜1.5m程度あればよい)。又、この縦穴
は、掘削機で土壌を掘削・排土した中空のものでも、土
壌を泥水化させた状態のものでもよい。尚、土壌を泥水
化させた縦穴では、下脚材を上方から吊り込んだとき
に、該下脚材が自重で沈下するような柔らかい状態にす
ることが好ましい。
【0022】上記下脚材吊り込み工程では、下脚材を縦
穴の上方からクレーン等で吊り込むようにする。この場
合、下脚材はほぼ鉛直姿勢(連結材が上側)で吊り込む
が、該下脚材が厳密に鉛直姿勢でなくても(若干角度傾
斜していても)さほど差し支えはない。
【0023】上記下脚材仮固定工程では、縦穴の開口縁
部において下脚材の上部付近を仮保持台で固定する。こ
のとき、下脚材の連結材部分は、地表付近の高さで且つ
水平方向の所定位置(連結予定位置)に位置合わせして
おく。
【0024】上記生コンクリート充填工程では、縦穴内
に生コンクリートを充填して、縦穴内に立て込まれてい
る下脚材の下方部分を埋め固める。このとき、該生コン
クリートは、下脚材の連結材部分が上方に露出するよう
に、該連結材のやや下方位置まで充填する。尚、泥水が
充満している縦穴内に生コンクリートを充填する場合に
は、生コンクリート注入管を縦穴の底部付近まで差し込
んで、該注入管の下端から生コンクリートを吐出させる
ことにより、縦穴内の泥水を生コンクリートと置換させ
るようにする。そして、縦穴内に充填した生コンクリー
トが固化すると、下脚材が強固に姿勢保持される。又、
該生コンクリートが固化した後、下脚材の上部を保持し
ていた仮保持台を取り除く。
【0025】上記上下脚材連結工程では、上脚材をクレ
ーン等で上方から吊下げて、該上脚材の連結材を下脚材
の連結材に位置合わせし、該両連結材を例えばボルト・
ナットで連結する。尚、このとき、上脚材は、正確に設
計位置に固定する。
【0026】上記根巻工程では、下脚材の連結材と上脚
材の連結材との連結部分の外側に型枠を組立てて、該型
枠内に生コンクリートを充填する。尚、このとき、上脚
材の上部は、所定長さだけ生コンクリート上面より上方
に突出するように生コンクリートの充填量を設定する。
そして、該生コンクリートが固化した後、型枠を解体さ
せると、鉄塔用基礎の構築作業は完了する。
【0027】この請求項3の構築工法によれば、下脚材
の連結材と上脚材の連結材とを地表高さ付近で連結・固
定するので、下脚材と上脚材との組付け作業を地表高さ
付近で行え、基礎材の据付け作業全般に亘って、作業員
が縦穴内に入る必要がなくなる。
【0028】本願請求項4の発明 本願請求項4の発明は、請求項3の鉄塔用基礎構築工法
において、鉄塔用基礎材として、上脚材の連結材と下脚
材の連結材との間に上脚材を下脚材に対して上下方向、
水平方向及び傾斜方向にそれぞれ調整可能な位置調整機
構を介在させたものを使用し、上下脚材連結工程におい
て、上脚材を所定位置及び所定姿勢に調整する調整作業
を行うようにしている。
【0029】この請求項3の構築工法では、上記調整機
構により、上脚材を下脚材に対して地表付近で位置調整
及び姿勢調整することができ、しかも下脚材をコンクリ
ートで固めた後でも、上脚材の位置調整及び姿勢調整が
行える。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して本願
の実施形態を説明すると、図1に示す鉄塔用基礎構造
は、基礎材1の下部側大部分の長さ範囲を、地中におい
てコンクリート15,16で固めて構成している。尚、
この鉄塔用基礎構造は、通常、図7に示すように4基を
1組とし、それぞれの基礎材上部31aに鉄塔の各脚部
9(合計4本)を連結して使用される。
【0031】基礎材1は、それぞれ鉄鋼製で、縦長の下
脚材2と同じく縦長の上脚材3とに2分割したものを使
用している。下脚材2は、柱状体21の上部にブラケッ
ト23を介して連結材22を取付けて構成している。
又、上脚材3も、柱状体31の下部にブラケット33を
介して連結材32を取付けて構成している。
【0032】この実施形態では、下脚材2及び上脚材3
の各柱状体21,31として、図2に示すようにそれぞ
れ所定長さのアングル材を使用しているが、該各柱状体
にパイプ材を使用してもよい。尚、図示例(図1)の基
礎材1では、下脚材2の柱状体21の長さを2〜2.5m
とし、上脚材3の柱状体31を下脚材柱状体21の約半
分長さに設定しているが、これら柱状体21,31の長
さ(及び太さ)は、鉄塔の規模、地盤の性質等によって
適宜に設定できるものである。
【0033】下脚材2及び上脚材3の各連結材22,3
2は、それぞれ一辺が400〜450mm程度の正方形状
で厚さ50mm程度の鋼板が使用されている。尚、この各
連結材22,32の大きさ・形状は、自由に設定でき
る。又、下脚材2側の柱状体21は、連結材(鋼板)2
2の下面に対して直角方向に指向する姿勢で連結固定し
ており、他方、上脚材3側の柱状体31は、連結材(鋼
板)32の上面に対して若干角度(鉄塔脚部9の転び角
度)だけ傾斜させた姿勢で連結固定している。
【0034】下脚材2の連結材22と上脚材3の連結材
32とは、図2に示すように、4本のボルト41,41
・・と、該各ボルト41に螺合されたナット25,25
及びナット35,35で連結されている。
【0035】又、下脚材側連結材22と上脚材側連結材
32の間には、上脚材3を下脚材2に対して上下方向、
水平方向及び傾斜方向にそれぞれ調整可能とした調整機
構が設けられている。この調整機構は、各連結材22,
32における各角部に対応する位置にそれぞれ形成した
4個づつの長穴24及び長穴34と、上記4本のボルト
41と、上記各ナット25,35と、各連結材22,3
2に対して各ボルト41を左右又は前後に移動させる調
整ボルト26,36とを有している。
【0036】下脚材側連結材22の各長穴24(合計4
個ある)と、上脚材側連結材32の各長穴34(合計4
個ある)とは、平面視において上下同位置にあり且つ相
互に直角方向に指向する形態で形成されている。又、各
調整ボルト26,36は、各連結材22,32の対向位
置に一対づつ設けられていて、該調整ボルト26,26
又は調整ボルト36,36を操作することにより、各ボ
ルト41をそれぞれ長穴24,34の範囲内で各連結材
22,32に対して長穴長さ方向に移動せしめ得るよう
になっている。
【0037】そして、この調整機構は、各ボルト41
(4本)を下脚材側連結材22に対してそれぞれ上下か
らナット25,25で固定した状態で、上脚材側連結材
32側の各ナット35,35(4セット)の螺合高さを
調整することにより、上脚材3を上下方向に移動調整す
ることができ、又、該各ナット35,35(4セット)
を個別に調整することにより、下脚材2の傾斜角度(転
び角度)を調整でき、さらに、ナット25又はナット3
5を緩めた状態で調整ボルト26又は調整ボルト36を
回転させると上脚材3を下脚材2に対して水平面内で左
右方向又は前後方向に移動調整できるようになってい
る。即ち、この調整機構では、上脚材3を下脚材2に対
して、上下方向、水平方向、傾斜方向の何れの方向にも
移動調整し得るようになっている。
【0038】又、図1に示す鉄塔用基礎構造では、下脚
材2と上脚材3とが各連結材22,32部分で連結され
た状態(一連の基礎材1とした状態)で、縦穴11内に
おいて基礎材1の周囲をコンクリート15,16で固め
て構成している。又、各連結材22,32部分は、地表
10の高さ付近に位置させている。尚、図1において、
符号13は下脚材2の周囲に設置した下部側鉄筋籠、1
4は両連結材22,32部分及び上脚材柱状体31の下
部側部分の周囲に設置した上部側鉄筋籠を示している。
【0039】この図1に示す鉄塔用基礎構造では、下脚
材側連結材22と上脚材側連結材32との連結部分が、
縦穴11における地表10の高さ付近に位置する状態で
据付けられているので、後述の構築工法で説明するよう
に、上脚材3の位置及び姿勢の調整を地表10の高さ付
近で行える。従って、従来(図5)の縦穴底部で基礎材
の位置及び姿勢を調整していたものに比して、縦穴11
の直径が小さくてもよく(例えば1〜1.5m程度の直径
でよい)、又、上脚材3の調整作業が容易となる。
【0040】次に、図1に示す鉄塔用基礎構造の構築工
法を図3及び図4を併用して説明する。尚、図3には、
鉄塔用基礎を設置するための縦穴11として、土壌を掘
削・排土した場合(第1実施形態)を示し、図4には、
該縦穴11内を泥水化させた場合(第2実施形態)を示
している。
【0041】図3に示す第1実施形態の鉄塔用基礎構築
工法では、基礎材1を下脚材2と上脚材3に分離させた
状態で鉄塔用基礎設置位置の近傍に運んでおく。
【0042】そして、まず図3(A)に示すように、鉄
塔用基礎設置位置に掘削機で土壌を掘削して縦穴11を
形成する(縦穴形成工程)。この縦穴形成工程で形成さ
れる縦穴11は、従来(図5)と同程度の深さ(例えば
3〜4m)を有するものの、直径が1〜1.5m程度とか
なり小径のものでよい。尚、この縦穴11は、1つの鉄
塔の各脚部(4本)に対応する位置にそれぞれ形成され
る。
【0043】次に、図3(B)に示すように、縦穴11
内に下部鉄筋籠13を吊り込んだ後、下脚材2をその連
結材22が上側となる姿勢で縦穴11内に吊り込む(下
脚材吊り込み工程)。この下脚材吊り込み工程では、下
脚材2を縦穴11の上方からクレーン4等で吊り込むよ
うにする。この場合、下脚材2は、その連結材22を上
側にしてほぼ鉛直姿勢で吊り込むが、該下脚材2が厳密
に鉛直姿勢でなくても(若干角度傾斜していても)さほ
ど差し支えはない。尚、縦穴11内に吊り込まれる下脚
材2の連結材22には、予めボルト41(4本)を取付
けておく。
【0044】次に、下脚材2をクレーン4で吊り下げた
ままで、図3(C)に示すように、仮保持台51を縦穴
11の開口縁部にセットして、該仮保持台51に連結材
22部分の各ボルト41をそれぞれナット35で固定す
る(下脚材仮固定工程)。このとき、下脚材2の連結材
22部分は、地表10付近の高さで且つ水平方向の所定
位置(上脚材3を連結する位置)に位置合わせしてお
く。
【0045】次に、図3(C)に2点鎖線(符号15)
で示すように、縦穴11内に下脚材2の連結材22部分
が露出する状態で該下脚材2の上部寄り高さに達するま
で生コンクリート15を充填する(生コンクリート充填
工程)。この生コンクリート充填工程では、生コンクリ
ート15を下脚材2の連結材22のやや下方位置まで充
填するが、下脚材2の上部は仮保持台51で保持されて
いるので、該生コンクリート打設時に下脚材2が位置ず
れすることがない。
【0046】次に、縦穴11内に充填した生コンクリー
トが固化した後、下脚材2の上部を保持していた仮保持
台51を取り除く。そして、図3(D)に示すように、
クレーン4で上脚材3を吊り下げて、該上脚材3の連結
材32を下脚材2の連結材22に連結する(上下脚材連
結工程)。この上下脚材連結工程では、上脚材3の連結
材32に形成している各長穴34(4つ)を、それぞれ
下脚材側連結材22上に立設している各ボルト41(4
本)に嵌合させ、該各ボルト41の上端からそれぞれナ
ット35を螺合させる。又、この上下脚材連結工程で
は、両連結材22,32間に介在させた調整機構(ボル
ト41、下脚材側連結材22側の長穴24・ナット25
・調整ボルト26、上脚材側連結材32側の長穴34・
ナット35・調整ボルト36等で構成されている)によ
り、上脚材3の高さ及び水平位置の調整や転び角度(傾
斜角度)を設計通りに調整する。
【0047】次に、図3(E)に示すように、上脚材3
の下半部外側に上部鉄筋籠14を設置し、且つその外側
に型枠5を組立てて、該型枠5内に生コンクリート16
を充填する(根巻工程)。尚、このとき、上脚材3の上
部31aは、所定長さだけ生コンクリート16の上面よ
り上方に突出している。そして、該生コンクリート16
が固化した後、型枠5を解体させると、図1に示す鉄塔
用基礎を構築することができる。
【0048】図4に示す第2実施形態の鉄塔用基礎構築
工法では、縦穴11を泥水12が充満した状態で形成す
るようにしている関係上、上記第1実施形態の構築工法
とは次の点で異なる。
【0049】まず、縦穴形成工程では、例えば図4
(A)に示すように、オーガスクリュー6の下端から高
圧水を噴出させながら、該オーガスクリュー6を地中に
進入させて、所定深さ(3〜4m)で所定径(1〜1.5
m)の縦穴11を形成する。尚、この縦穴11内には泥
水12が充満しているが、この泥水12は非常に柔らか
い性状となっている。
【0050】次に、図4(B)に示すように、縦穴11
内に下部鉄筋籠13を吊り込んだ後、クレーン4により
下脚材2を縦穴11内に吊り込む(下脚材吊り込み工
程)。このとき、縦穴11内に泥水12が充満している
が、この泥水12は非常に柔らかいので、下脚材2を上
方から吊り込むと該下脚材2の自重で沈下するようにな
る。尚、下脚材2が自重で沈下しない場合には、下脚材
2の上部を適宜の押圧機材で下方に押込むようにしても
よい。又、この第2実施形態の場合は、縦穴11の開口
部の高さまで泥水12が充満しているので、下脚材2
は、その連結材22部分が地表10よりやや高くなる位
置まで吊り込むようにするとよい。
【0051】次に、下脚材2をクレーン4で吊り下げた
状態で、図4(C)に示すように、仮保持台51を縦穴
11の開口縁部にセットする(下脚材仮固定工程)。
【0052】次に、図4(C)に示すように、生コンク
リート注入管7を縦穴11の底部付近まで差し込んで、
該注入管7の下端から生コンクリートを吐出させ、縦穴
11内の泥水12を生コンクリート15と置換させる
(生コンクリート充填工程)。この場合、泥水12の比
重より生コンクリートの比重が大きいので、縦穴11の
底部付近に生コンクリートを注入すると、該生コンクリ
ートで泥水12を押し上げる(泥水12が縦穴11の開
口部から溢れる)ようになる。尚、この場合、生コンク
リートは、縦穴11の開口高さまで充填してもよい。
又、生コンクリートを所定量だけ充填した後、注入管7
を縦穴11から抜き出す。
【0053】次に、縦穴11内に充填した生コンクリー
トが固化した後、下脚材2の上部を保持していた仮保持
台51を取り除く。
【0054】そして、以下、第1実施形態の図3(D)
及び図3(E)の各工程と同様に、図4(D)の上下脚
材連結工程と、図4(E)の根巻工程を行えば、図1に
示すような鉄塔用基礎を構築することができる。
【0055】
【発明の効果】本願請求項1の鉄塔用基礎構造及び請求
項3の鉄塔用基礎構築工法では、基礎材1として下脚材
2と上脚材3に分割したものを使用し、該下脚材側連結
材22と上脚材側連結材32とを地表10の高さ付近に
おいて連結するようにしているので、次のような効果が
ある。
【0056】まず、基礎材1を据付けるのに、基礎材設
置用の縦穴11内に作業員が入る必要がないので、該縦
穴11として、従来(図5)の縦穴より開口面積の小さ
いものでよく(例えば従来の1/4程度の容積でよ
い)、従って縦穴11の形成コストが安価になる。
【0057】又、基礎材1の据付け作業を全て地表10
部分から行えるので、従来のように作業員が縦穴底部に
入って各種作業を行う場合に発生する各種問題点を解消
できる。即ち、縦穴底部での危険な作業・劣悪な環境で
の作業等が不要となり、しかも下脚材2と上脚材3との
連結作業を地表10部分で行えるので、その連結作業
や、上脚材3の位置及び姿勢の調整作業が容易となる。
【0058】本願請求項2の鉄塔用基礎構造及び請求項
4の鉄塔用基礎構築工法では、下脚材側連結材22と上
脚材側連結材32との間に、上脚材3を下脚材2に対し
て上下方向、水平方向及び傾斜方向にそれぞれ調整可能
な調整機構を介在させているので、上記各効果に加えて
次の効果がある。即ち、下脚材2をコンクリート15で
固定した後にも、鉄塔脚部9を連結するための上脚材3
の位置及び姿勢を自由に調整でき、しかもその調整作業
を地表10付近で行えるので、該調整作業が簡単となる
(さほどの熟練を要しない)という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願実施形態にかかる鉄塔用基礎構造の断面図
である。
【図2】図1の鉄塔用基礎構造の一部拡大斜視図であ
る。
【図3】本願第1実施形態の鉄塔用基礎構築工法の工程
図である。
【図4】本願第2実施形態の鉄塔用基礎構築工法の工程
図である。
【図5】従来の鉄塔用基礎構築工法の説明図である。
【図6】図5の一部拡大斜視図である。
【図7】鉄塔用基礎の配置を示す斜視図である。
【符号の説明】 1は基礎材、2は下脚材、3は上脚材、10は地表、1
1は縦穴、15,16はコンクリート、21は下脚材の
柱状体、22は下脚材の連結材、24は下脚材側連結材
の長穴、25は下脚材側のナット、26は下脚材側の調
整ボルト、31は上脚材の柱状体、32は上脚材の連結
材、34は上脚材側連結材の長穴、35は上脚材側のナ
ット、36は上脚材側の調整ボルト、41はボルト、5
1は仮保持台である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安富 正佳 大阪市東成区深江北2丁目11番17号 日本 電炉株式会社内 (72)発明者 渡辺 正人 仙台市青葉区本町2丁目9番5号 日本電 炉株式会社仙台事務所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄塔用基礎材(1)の下部側を地中に埋
    設してなる鉄塔用基礎構造であって、 前記鉄塔用基礎材(1)を、上部に連結材(22)を有
    する下脚材(2)と下部に連結材(32)を有する上脚
    材(3)とに分割し、 前記下脚材(2)を設置地面に形成した縦穴(11)内
    に差し込んだ状態で前記下脚材(2)の連結材(22)
    と前記上脚材(3)の連結材(32)とを地表(10)
    の高さ付近において連結・固定しているとともに、 前記下脚材(2)及び前記上脚材(3)の周囲をコンク
    リート(15,16)で固めた、 ことを特徴とする鉄塔用基礎構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上脚材(3)の連結
    材(32)と下脚材(2)の連結材(22)との間に、
    前記上脚材(3)を下脚材(2)に対して上下方向、水
    平方向及び傾斜方向にそれぞれ移動可能とした調整機構
    (25,26,35,36,41)を介在させているこ
    とを特徴とする鉄塔用基礎構造。
  3. 【請求項3】 上部に連結材(22)を有する下脚材
    (2)と下部に連結材(32)を有する上脚材(3)と
    に分割し且つ下脚材(2)の連結材(22)と上脚材
    (3)の連結材(32)とを連結し得るようにした鉄塔
    用基礎材(1)を使用し、 該鉄塔用基礎材(1)の据付け位置に基礎据付け用の縦
    穴(11)を形成する縦穴形成工程と、 前記下脚材(2)を前記縦穴(11)内に吊り込む下脚
    材吊り込み工程と、 該縦穴(11)内において下脚材(2)の連結材(2
    2)が地表(10)の高さ付近に位置する状態で該下脚
    材(2)を仮固定する下脚材仮固定工程と、 前記縦穴(11)内に、前記下脚材(2)の連結材(2
    2)部分が露出する状態で該下脚材(2)の上部寄り高
    さに達するまで生コンクリートを充填する生コンクリー
    ト充填工程と、 前記縦穴(11)内に充填した生コンクリートが固化し
    た後に、前記下脚材(2)の連結材(22)に前記上脚
    材(3)の連結材(32)を連結する上下脚材連結工程
    と、 該両連結材(22,32)の連結部分の周囲を生コンク
    リートで固める根巻工程、 とを順次行うことを特徴とする鉄塔用基礎構築工法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、鉄塔用基礎材(1)
    として、上脚材(3)の連結材(32)と下脚材(2)
    の連結材(22)との間に前記上脚材(3)を下脚材
    (2)に対して上下方向、水平方向及び傾斜方向にそれ
    ぞれ移動可能とした調整機構(25,26,35,3
    6,41)を介在させたものを使用し、上下脚材連結工
    程において、前記上脚材(3)を所定位置及び所定姿勢
    に調整する調整作業を行うことを特徴とする鉄塔用基礎
    構築工法。
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