JPH10315612A - 記録方法 - Google Patents

記録方法

Info

Publication number
JPH10315612A
JPH10315612A JP9128397A JP12839797A JPH10315612A JP H10315612 A JPH10315612 A JP H10315612A JP 9128397 A JP9128397 A JP 9128397A JP 12839797 A JP12839797 A JP 12839797A JP H10315612 A JPH10315612 A JP H10315612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
recording
receiving layer
recording method
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9128397A
Other languages
English (en)
Inventor
Michiko Kusano
道子 草野
Kengo Ito
謙吾 伊東
Masayoshi Kojima
正好 小島
Noriko Kajiura
典子 梶浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Sony Corp
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd, Sony Corp filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP9128397A priority Critical patent/JPH10315612A/ja
Publication of JPH10315612A publication Critical patent/JPH10315612A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 銀塩写真に匹敵し得る耐久性を有する画像の
形成を可能とする記録方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に少なくとも層間化合物を含有
する染料受容層が形成されてなる被記録材の染料受容層
に、少なくとも水溶性染料を含有する記録液を被着させ
ることにより記録を行う記録方法において、層間化合物
が、交換性陰イオンを有し、イオン交換作用に基づくイ
ンターカレーション反応により水溶性染料を定着保持さ
せるものであり、水溶性染料が、下記の化1等に示され
る反応性染料であることを特徴とする記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持体上に層間化
合物を含有する染料受容層が形成された被記録材の染料
受容層に、水溶性染料を含有する記録液を被着させるこ
とにより画像形成を行う記録方法に関する。詳しくは、
層間化合物の種類及び水溶性染料の種類を特定した記録
方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピューター等の普
及に伴い、パーソナルコンピューターで作製した画像情
報を銀塩写真と同じように記録紙に表示することが要求
されている。
【0003】これら画像情報を記録紙に印刷する手段と
しては、これまで、電解や熱、圧力等を駆動源としてノ
ズルより溶液状のインクを記録紙上に吐出させ、インク
により画像を形成して印刷を行うインクジェット記録方
式が採られている。
【0004】このインクジェット記録方式においては、
インクとして水性インクを使用し、記録紙として支持体
上に染料受容層が形成されたものを使用するのが一般的
である。この水性インクは、水溶性染料、水、多価アル
コール等を含有し、水溶性染料としては、記録紙の構成
材料として一般的なセルロース系樹脂に対して十分な染
着性を有し、かつ単独でブラック色を出せる水溶性直接
染料や水溶性酸性染料(以下、これらを水溶性アニオン
染料と称する。)が主に使用されている。
【0005】また、上記記録紙の染料受容層としては、
上記水溶性インクの滲みを抑制するべく、染料との親和
性に優れた水溶性高分子中に種々の添加剤を分散した層
が使用さている。
【0006】しかしながら、インクジェット記録方式に
おいて使用される上記水溶性染料は、その染色理論によ
ると、染料受容層成分とのファンデルワールス力、水素
結合等の相互作用により染料受容層中に保持されてい
る。そのため、画像形成後に上記染料より親和力の優れ
た溶剤や樹脂が接した場合、或いは染料と染料受容層と
の相互作用を打ち消すだけの熱エネルギーが供給された
場合には、染料の溶出や移行が誘発されたり、画像のボ
ケが発生してしまう。したがって、水溶性アニオン染料
により形成された画像においては、銀塩写真のような完
全な定着性を確保することができない。
【0007】そこで、例えば、特公昭62−798号公
報に示すように、水性インク用染料に反応性染料を用
い、染料受容層中の活性基と共有結合を形成させる方
法、或いは米国特許4694302号明細書に示すよう
に、水溶性アニオン染料と染料受容層中の有機高分子カ
チオン間にイオン結合を形成させる方法、特公昭63−
11158号公報に示すように、水溶性アニオン染料と
染料受容層中の無機低分子カチオン間にイオン結合を形
成させる方法等のような化学結合に基づく手段が提案さ
れている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような方法においても、インクや染料受容層中の反応
性が非常に高くなり、インクや記録紙自体や記録紙に記
録された画像の保存性が十分でなく、やはり銀塩写真ほ
どの定着性を確保することが困難である。
【0009】また、染料と染料受容層との反応が短時間
で終了しないため、画像が安定に形成されるまで長時間
を要する、もしくは安定に画像を形成するために加熱処
理を要するといった不都合も生じている。
【0010】このようなことから、従来のインクジェッ
ト記録方式により形成される画像は、証明写真や屋外展
示用印刷物等の高度な画像耐久性が要求される分野にお
いて実用が難しいとされている。しかし、このような分
野においてもインクジェット記録方式により形成される
画像を実用化出来るように、画像の耐久性の向上が要求
されている。
【0011】本発明は、このような課題を解決しようと
するものであり、銀塩写真に匹敵し得る耐久性を有する
画像の形成を可能とする記録方法を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、染料受容
層中に特定構造を有する層間化合物を含有させ、特定構
造を有する水溶性染料を含有する水溶性インクを染料受
容層上に被着させることにより、水溶性染料がイオン交
換作用に基づくインターカレーション反応により層間化
合物の層間に強固に固定され、耐久性に優れた画像が形
成されることを見いだした。
【0013】すなわち、本発明に係る記録方法は、支持
体上に少なくとも層間化合物を含有する染料受容層が形
成されてなる被記録材の染料受容層に、少なくとも水溶
性染料を含有する記録液を被着させることにより記録を
行う記録方法において、層間化合物が、交換性陰イオン
を有し、イオン交換作用に基づくインターカレーション
反応により水溶性染料を定着保持させるものであり、水
溶性染料が、下記の化6〜化10にて示される反応性染
料の少なくとも1種であることを特徴とする。なお、カ
ルボン酸基、スルホン酸基の塩としては、Na+の他、
Li+、K+等の通常のカチオンであってもよい。
【0014】
【化6】
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
【0019】本発明に係る記録方法においては、化6〜
化10にて示される反応性染料が層間化合物により染料
受容層中に強固に定着される。その結果、形成される画
像の保存性、定着性が良好となり、耐久性に優れたもの
となる。
【0020】なお、上記染料受容層中の層間化合物の含
有量は、染料受容層中の固形分の10重量%〜90重量
%であることが好ましい。層間化合物の含有量が10重
量%よりも少ないと染料固定効果が不足し、90重量%
よりも多いと染料受容層中の固形分中の例えば樹脂の含
有量が相対的に小さくなって染料受容層の柔軟性が低下
するので好ましくない。
【0021】そして、上記層間化合物としては、層間に
交換性陰イオンを有する層状無機高分子材料を用いるこ
とが好ましい。
【0022】また、層状無機高分子材料としては、ハイ
ドロタルサイト群鉱物を用いることが好ましい。
【0023】さらに、上記染料受容層中の層間化合物の
分散性を高めるべく、該染料受容層中には樹脂が含有さ
れていることが好ましく、記録液の例えば溶媒が浸透し
易い親水性樹脂が含有されていることが好ましい。
【0024】また、記録液中には、水溶性有機溶剤を含
有していても良く、上記水溶性有機溶剤としては、脂肪
族一価アルコール、多価アルコール、多価アルコール誘
導体の少なくとも1種が好ましい。
【0025】上記脂肪族一価アルコールは、記録液が被
記録材の染料受容層に付着したときの滲みを均一とし、
被記録材を形成する例えば紙への浸透能力に優れ、蒸散
能力を促進する効果を有する。上記多価アルコール及び
多価アルコール誘導体は、高沸点溶媒であり、吸湿性が
あり、ノズルの目詰まりを防止する効果を有し、記録液
としてインクを形成した場合の保存性を高める効果も有
する。
【0026】さらに、上記記録液中には、界面活性剤、
粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、pH調整剤のうちの少な
くとも1種を含有させても良い。
【0027】上記界面活性剤は、記録液としてインクを
形成した場合の表面張力を制御するとともに、記録液と
してインクを形成した場合の保存性を高める効果を有す
る。また、粘度調整剤は、記録液滴の吐出安定性を高め
る効果を有する。消泡剤は、記録液の吐出安定性を高め
る効果を有し、防腐剤は、記録液としてインクを形成し
た場合の保存性を高める効果を有する。pH調整剤は、
使用される記録装置を保護するとともに、記録液として
インクを形成した場合の保存性を高める効果を有する。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る記録方法の好
適な実施の形態について説明する。
【0029】すなわち、本発明に係る記録方法は、支持
体上に少なくとも層間化合物を含有する染料受容層が形
成されてなる被記録材の染料受容層に、少なくとも水溶
性染料を含有する記録液を被着させることにより記録を
行うものである。そして、層間化合物として、交換性陰
イオンを有するとともに、イオン交換作用に基づくイン
ターカレーション反応により水溶性染料を定着保持させ
るものを用いる。また、水溶性染料として、下記に示さ
れる化11〜化15にて示される反応性染料の少なくと
も1種を用いることを特徴とする。
【0030】
【化11】
【0031】
【化12】
【0032】
【化13】
【0033】
【化14】
【0034】
【化15】
【0035】上述した反応性染料は、水吸着性若しくは
水に対する膨潤性に優れ、かつアニオン交換能を有する
層間化合物の親水性の層間に、イオン交換作用に基づく
インターカレーション反応により強固に固定される。
【0036】従って、本発明に係る記録方法において
は、水溶性染料が層間化合物により染料受容層中に強固
に定着され、該染料により画像が形成され、その保存
性、定着性が良好となり、特に耐久性に優れたものとな
る。すなわち、本発明に係る記録方法により形成された
画像は、銀塩写真像に匹敵し得る耐久性を有するものと
なり、証明写真や屋外展示用印刷物等として十分使用し
得るものとなる。
【0037】なお、本発明で使用される被記録材の染料
受容層中の層間化合物の含有量は、染料受容層中の固形
分の10重量%〜90重量%であることが好ましく、4
0重量%〜80重量%であることがより好ましい。層間
化合物の含有量が10重量%より少ないと染料固定効果
が不足し、90重量%より多いと染料受容層中の固形分
中の例えば後述の樹脂の含有量が相対的に小さくなり、
染料受容層の柔軟性が低下するので好ましくない。すな
わち、層間化合物の含有量があまり多い場合には、染料
受容層に柔軟性を与えるために染料受容層形成溶液中に
添加される樹脂等の含有量が相対的に小さくなり、柔軟
性に富んだ皮膜を形成することが困難となる。
【0038】そして、上記層間化合物としては、層間に
交換性陰イオンを有する層状無機高分子材料であること
が好ましく、0:1型粘土鉱物のAlO6 八面体シート
からなる層状塩であるハイドロタルサイト群鉱物、中で
も下記の化学式(a)に示される構造を有するものが好
ましい。
【0039】Mg0.7Al0.31.15 ・・・(a) さらには、ハイドロタルサイト群鉱物のイオン交換部位
に水やアルコール等の高誘電率媒体に溶媒和し易い無機
イオン、例えばNO3 - 、SO4 2 - 、ClO4 - 、F
e(CN)6 4 - 、ヘテロポリリン酸イオン等、或いは
リンゴ酸等の低級カルボキシレートイオンのような親水
性有機アニオンを有するものが挙げられる。これに対
し、高級カルボキシレートイオンは、上述のようなイオ
ンに比べ溶媒和し難い層間を与える傾向があり好ましく
ない。
【0040】また、上記層間化合物には、後述する樹脂
への分散性を改善するとともに、アルコール等の非水溶
媒に対する膨潤性を改善するために、交換性陰イオンの
一部を有機アニオンで置換させ、層間距離を広げる効果
(ピラー効果)や層間を部分的に疎水化する効果を付与
してもよい。この有機アニオンとして好適なものは、カ
ルボン酸アニオン類、スルホン酸アニオン類、エステル
アニオン類、燐酸エステルアニオン類が挙げられる。
【0041】なお、上記層間化合物としては、上記化学
式(a)に示されるハイドロタルサイト群鉱物の天然鉱
物の他、若干組成の異なる合成品が挙げられる。この合
成品の微粉末は、天然品のように夾雑物を含まず純白色
を呈し、結晶そのものが光学的に透明である。従って、
このような合成品の微粉末を層間化合物として被記録材
の染料受容層中に含有させて本発明の記録方法に使用す
れば、銀塩写真に十分匹敵し得る彩度を有する画像を形
成することが十分可能である。
【0042】また、上記ハイドロタルサイト群鉱物以外
にも交換性陰イオンを有する層間化合物としては、チタ
ンやジルコニウム、ランタン、ビスマス等の含水酸化物
或いは水酸化燐酸塩等が挙げられる。これらは、光学的
隠ぺい性若しくは固有の着色を有するため、透明性、光
沢性、白色性が同時に要求されない被記録材の染料受容
層中に含有させる場合に使用可能である。
【0043】また、上記記録方法に使用される被記録材
においては、染料受容層中に樹脂が含有されていること
が好ましい。樹脂は、染料受容層中の層間化合物の分散
性を高める作用を有する。
【0044】さらに、上記樹脂には、例えば水性インク
の溶媒である水やアルコール等を浸透させる親水性樹脂
が含有されていることが好ましい。
【0045】上記親水性樹脂としては、一般的な熱可塑
性樹脂が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂等のビニ
ルアルコールのアセタール化物、ヒドロキシプロピルセ
ルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルピロリ
ドン−酢酸ビニル共重合体等のポリビニルピロリドン系
樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセター
ル樹脂等が挙げられる。このとき、上記樹脂中に凝集を
引き起こしたり画像の定着作用を阻害するような置換
基、例えば水溶性染料よりも相対的に層間にイオン交換
し易く、保持されやすい基を含むものは好ましくない。
【0046】また、上述のような親水性樹脂を用いる場
合には、画像形成後の皮膜の耐水性を確保するべく、親
水性樹脂の他にウレタン系架橋剤等を添加して架橋させ
ることが好ましい。従って、樹脂としては、OH基、カ
ルボキシル基等の架橋反応に寄与できる置換基を、層間
化合物の染料定着性を阻害しない範囲で使用することが
好ましい。
【0047】このように、本発明で使用される被記録材
は、上述した層間化合物と樹脂とを含有する染料受容層
形成溶液を支持体上に塗布成膜することで、染料受容層
が形成される。なお、この染料受容層は、通常の溶剤を
用いて、キャスト塗工等のプロセスにより、その厚みが
2〜100μmで形成されればよい。
【0048】ところで、本発明で使用する記録液中に
は、上述した化11〜化15で示される反応性染料の少
なくとも1種を含有することを特徴とするが、これら反
応性染料の含有量は、1.0〜5.0重量%が好まし
い。反応性染料の含有量が、この範囲より多い場合に
は、記録液中での沈澱を誘発し、少ない場合には、画像
の光学濃度が不足するため好ましくない。
【0049】さらに、この記録液中には、上述した反応
性染料の他に、水溶性有機溶剤を含有させるとよい。上
記水溶性有機溶剤としては、脂肪族一価アルコール、多
価アルコール、多価アルコール誘導体の少なくとも1種
を用いるのが好ましい。
【0050】上記脂肪族一価アルコールは、記録液が被
記録材の染料受容層に付着したときの滲みを均一とし、
被記録材を形成する例えば紙への浸透能力に優れ、蒸散
能力を促進する効果を有する。そして、上記脂肪族一価
アルコールとしては、エチルアルコール、イソプロピル
アルコール、M−ブチルアルコール等が使用し易いこと
から好ましく、中でもイソプロピルアルコールが他のア
ルコールに比較して適度な乾燥性を有し、臭気も少な
く、ドット形成性を向上させることが可能であり好まし
い。これら脂肪族一価アルコールの含有量は、記録液全
体量に対して1重量%以上であれば良く、上限は記録液
としてインクを使用した場合におけるインクの表面張力
及び染料の溶解性を考えて30重量%程度であり、1重
量%〜20重量%とすることがより好ましい。
【0051】上記多価アルコール及び多価アルコール誘
導体は、高沸点溶媒であり、吸湿性があり、ノズルの目
詰まりを防止する効果を有する。そして、上記多価アル
コールのうち、ジエチレングリコールやグリセリン等は
染料の優れた溶剤ともなる。さらに、多価アルコール及
び多価アルコール誘導体においては、記録液としてイン
クを形成する場合に母体となる水の氷点を低下させてイ
ンクの保存性を高める効果も有する。これら多価アルコ
ール及び多価アルコール誘導体の含有量は、記録液全体
量に対して1重量%以上であれば良く、上限は記録液と
してインクを使用した場合におけるインクの粘性及び乾
燥性を考えて40重量%程度であり、5重量%〜30重
量%とすることがより好ましい。
【0052】さらに、上記記録液中には、界面活性剤、
粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、pH調整剤等を含有させ
てもよい。
【0053】上記界面活性剤は、記録液としてインクを
形成した場合の表面張力を制御するとともに、記録液と
してインクを形成した場合の保存性を高める効果を有す
る。この界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩
類等のアニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類等
のノニオン界面活性剤が挙げられ、使用目的により1種
以上使用すれば良い。また、界面活性剤の含有量は、界
面活性剤の種類により異なるものの、記録液全体量に対
して0.01重量%〜5重量%が好ましい。
【0054】上記粘度調整剤は、記録液滴の吐出安定性
を高める効果を有し、一般的な粘度調整剤を使用すれば
良い。
【0055】上記消泡剤は、例えば記録液のインク中に
気泡が発生した場合、気泡の発生を抑え、記録液の吐出
安定性を高める効果を有する。この消泡剤としては、一
般的な消泡剤を使用すれば良い。
【0056】上記防腐剤は、記録液としてインクを形成
した場合の腐敗を防止し、カビの発生を防止して保存性
を高める効果を有する。この防腐剤としては、一般的な
防腐剤を使用すれば良い。
【0057】上記pH調整剤は、記録液のpHが該記録
液の接する部分の材料に及ぼす影響をなくし、使用され
る記録装置を保護する、或いは記録液としてインクを形
成した場合の保存性を高める効果を有する。このpH調
整剤としては、一般的なpH調整剤を使用すれば良い
が、記録液がpH7.0〜11.0の範囲となる程度、
好ましくはpH7.5〜9.0の範囲となる程度、やや
アルカリ性を示す程度に添加すると良い。
【0058】なお、上記被記録材の支持体としては、例
えば記録紙の支持体として一般的に用いられるものが挙
げられ、普通紙、合成紙等の紙類、或いはポリエチレン
テレフタレート等のプラスチックフィルム類、さらには
紙類上にプラスチック類をコーティングしたもの等が挙
げられる。
【0059】また、上記被記録材の構成は、支持体、染
料受容層からなる2層構造に限定されるものではなく、
染料受容層上に水性インクの溶媒を吸収するインク吸収
層を設けた構成であってもよく、特に限定されるもので
はない。
【0060】
【実施例】以下、本発明を適用した好適な実施例につい
て実験結果に基づいて説明する。
【0061】記録紙サンプルの作製 被記録材として、染料受容層に層間化合物を含有する記
録紙を以下のように作製した。
【0062】先ず始めに、エチルアルコール64gと水
14gとの混合溶媒中に、層間化合物として有機酸処理
ハイドロタルサイト(ハイドロタルサイト(商品名:K
W2200、協和化学工業(株)社製)16gにリンゴ
酸10mgを当量吸着処理したもの)と、樹脂としてポ
リアミド(商品名:M−1276、プラーテ・ボン社
製)/ポリビニルピロリドン(商品名:K−90、BA
SF(株)社製)8gを加えて、ビーズミルで8時間分
散させて懸濁溶液を得た。
【0063】続いて、厚さ125μmの透明ポリエステ
ルフィルム(商品名:ルミラーT−60 東レ社製)を
用意した。そして、このフィルム上に、上記懸濁溶液を
乾燥厚10μmとなるようにワイヤーバーを使用して塗
布し、100℃・1分の条件で乾燥させ、染料受容層を
形成し、これを記録紙サンプルとした。
【0064】記録紙比較サンプルの作製 記録紙サンプルで使用した懸濁溶液中から有機酸処理ハ
イドロタルサイトを除いた懸濁溶液を用意した。そし
て、記録紙サンプルと同様に、懸濁溶液を透明ポリエス
テルフィルムに塗布して染料受容層を形成し、これを記
録紙比較サンプルとした。
【0065】インクサンプル1の調製 下記に示すような配合のインクサンプル1を調製した。
なお、染料としては、化16にて示される反応性染料を
使用した。
【0066】
【化16】
【0067】 インク配合 反応性染料 3重量部 水 84.8重量部 ジグリセリンボラート 0.5重量部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 9.5重量部 非イオン性界面活性剤 0.02重量部 (商品名:LB−120、ボロンインターナショナル社製)インクサンプル2〜5の調製 インクサンプル1の化16にて示される反応性染料を、
化17〜化20で示される反応性染料にそれぞれ置き換
え、これらをインクサンプル2〜5とした。
【0068】
【化17】
【0069】
【化18】
【0070】
【化19】
【0071】
【化20】
【0072】インク比較サンプルの調製 インクサンプル1の染料をローダミン60に置き換え、
これをインク比較サンプルとした。
【0073】画像耐久性試験 上記のようにして得られた記録紙サンプル、記録紙比較
サンプル、及びインクサンプル1〜5、インク比較サン
プルを使用して、印字サンプルの記録を行い、得られた
画像の耐光性及び耐温湿性を調査した。
【0074】すなわち、始めに、上記のようにして得ら
れたインクサンプル1〜5及びインク比較サンプルを、
インクジェット方式のプリンター(機種名:MJ−80
0C、エプソン社製)のインクとして詰め替えた。そし
て、これを使用して記録紙サンプル及び記録紙比較サン
プルに印字サンプルを記録し、画像を形成した。
【0075】次に、耐光性を調査すべく、記録紙サンプ
ルと記録紙比較サンプルに記録された各印字サンプルの
濃度を濃度計(機種名:TR−924、マクベス社製)
により測定した。
【0076】次に、上記画像が形成された記録紙サンプ
ルと記録紙比較サンプルにキセノンアークフェードメー
ター(スガ試験機社製)により72時間をかけて900
00kJ/m2のエネルギーを照射した。
【0077】続いて、エネルギー照射後の記録紙サンプ
ルと記録紙比較サンプルに記録された各印字サンプルの
濃度をエネルギー照射前と同様に測定した。そして、エ
ネルギー照射後の各印字サンプルにおける濃度依存率を
下記の数1により、また、エネルギー照射後の色差を数
2より求めた。その結果を表1に示す。
【0078】なお、残存率の評価は、100%の場合、
画像に全く濃度変化がなく変質していないことを示し、
100%より大若しくは小なる場合、ぼけて色が濃くな
ったり、若しくはあせて薄くなっていることを示すもの
である。また、色差の評価は、数値が小さいほど色の変
化がなく変質していないことを示す。
【0079】
【数1】
【0080】
【数2】
【0081】
【表1】
【0082】表1の結果から、染料受容層に層間化合物
を含有する記録紙サンプルにインクサンプル1〜5を用
いて記録された印字サンプルにおいては、染料受容層に
層間化合物を含有しない記録紙比較サンプル、及びイン
ク比較サンプルを用いて記録された印字サンプルと比べ
て、残存率が100%に近く、色差が小さい。このこと
から、染料受容層中の層間化合物は、特定構造を有する
反応性染料(インクサンプル1〜5)を強固に定着保持
していることがわかる。
【0083】つまり、化16〜化20で示される反応性
染料を用いることにより、この反応性染料(インクサン
プル1〜5)が層間化合物に強固に定着保持され、定着
性及び保存性が良好で、特に耐光性に優れる画像を得る
ことができる。
【0084】さらに、高温高湿度における画像の耐温湿
性を調査すべく、印字サンプルが記録された記録紙サン
プルと記録紙比較サンプルを、60℃相対湿度85%の
条件下で48時間保存した。
【0085】続いて、保存後の記録紙サンプルと記録紙
比較サンプルに記録された各印字サンプルの濃度を上述
したように測定した。そして、上述したように、保存後
の各印字サンプルにおける濃度依存率を数1により、ま
た保存後の色差を数2より求めた。その結果を表2に示
す。
【0086】
【表2】
【0087】表2の結果から、染料受容層に層間化合物
を含有する記録紙サンプルにおいては、染料受容層に層
間化合物を含有しない記録紙比較サンプル、及びインク
比較サンプルを用いた印字サンプルと比べて、高温高湿
による染料の滲みがなく、残存率が100%に近く、色
差が小さいことがわかる。このことから、染料受容層中
の層間化合物が、反応性染料(インクサンプル1〜5)
を強固に定着保持していることがわかる。
【0088】つまり、化16〜化20で示される反応性
染料を用いることにより、この反応性染料(インクサン
プル1〜5)が層間化合物に強固に定着保持され、定着
性及び保存性が良好で、高温高湿による染料の滲みがな
く、耐温湿性に優れる画像を得ることができる。
【0089】このように、本実施の形態で示される記録
方法は、層間化合物として、交換性陰イオンを有し、イ
オン交換作用に基づくインターカレーション反応により
水溶性染料を定着保持させるハイドロタルサイト群鉱物
を用い、水溶性染料として、化16〜化20で示される
反応性染料を用いてなることから、水溶性染料が層間化
合物により染料受容層中に強固に定着される。そして、
このように形成された画像は、耐光性、耐温湿性等の耐
久性に優れたものとなることが確認された。また、この
ように形成された画像は、銀塩写真に匹敵し得る耐久性
を有するものとなり、証明写真や屋外展示用印刷物とし
て十分使用し得るものとなることが確認された。
【0090】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る記録方法によれば、特定の水溶性染料を用いて
なることから、この水溶性染料が層間化合物により染料
受容層中に強固に定着されるため、保存性、定着性が良
好となり、耐久性に優れた画像を得ることができる。
【0091】すなわち、本発明に係る記録方法により形
成された画像は、銀塩写真像に匹敵し得る耐久性を有す
るものとなり、証明写真や屋外展示用印刷物等として十
分使用し得るものとなり、その工業的価値は非常に高
い。
フロントページの続き (72)発明者 小島 正好 埼玉県与野市八王子4丁目6番20号 (72)発明者 梶浦 典子 東京都葛飾区東金町7丁目5番17号

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも層間化合物を含有
    する染料受容層が形成されてなる被記録材の染料受容層
    に、少なくとも水溶性染料を含有する記録液を被着させ
    ることにより記録を行う記録方法において、 層間化合物が、交換性陰イオンを有し、イオン交換作用
    に基づくインターカレーション反応により水溶性染料を
    定着保持させるものであり、 水溶性染料が、下記の化1〜化5に示される反応性染料
    の少なくとも1種であることを特徴とする記録方法。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】
  2. 【請求項2】 染料受容層中の層間化合物の含有量は、
    染料受容層中の固形分の10重量%〜90重量%である
    ことを特徴とする請求項1記載の記録方法。
  3. 【請求項3】 層間化合物は、層間に交換性有機陰イオ
    ンを有する層状無機高分子材料であることを特徴とする
    請求項1記載の記録方法。
  4. 【請求項4】 層状無機高分子材料は、ハイドロタルサ
    イト群鉱物であることを特徴とする請求項3記載の記録
    方法。
  5. 【請求項5】 染料受容層は、樹脂を含有することを特
    徴とする請求項1記載の記録方法。
  6. 【請求項6】 樹脂は、親水性樹脂であることを特徴と
    する請求項5記載の記録方法。
  7. 【請求項7】 記録液は、水溶性有機溶剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の記録方法。
  8. 【請求項8】 水溶性有機溶剤は、脂肪族一価アルコー
    ル、多価アルコール、多価アルコール誘導体の少なくと
    も1種であることを特徴とする請求項7記載の記録方
    法。
  9. 【請求項9】 記録液は、界面活性剤、粘度調整剤、消
    泡剤、防腐剤、pH調整剤の少なくとも1種を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の記録方法。
JP9128397A 1997-05-19 1997-05-19 記録方法 Withdrawn JPH10315612A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9128397A JPH10315612A (ja) 1997-05-19 1997-05-19 記録方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9128397A JPH10315612A (ja) 1997-05-19 1997-05-19 記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10315612A true JPH10315612A (ja) 1998-12-02

Family

ID=14983800

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9128397A Withdrawn JPH10315612A (ja) 1997-05-19 1997-05-19 記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10315612A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001348506A (ja) * 2000-06-09 2001-12-18 Sumitomo Chem Co Ltd 反応染料組成物およびその繊維材料への適用
CN112480708A (zh) * 2020-10-26 2021-03-12 苏州澳缘盛新材料科技有限公司 一种活性染料红及其制备方法和应用

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001348506A (ja) * 2000-06-09 2001-12-18 Sumitomo Chem Co Ltd 反応染料組成物およびその繊維材料への適用
CN112480708A (zh) * 2020-10-26 2021-03-12 苏州澳缘盛新材料科技有限公司 一种活性染料红及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3451718B2 (ja) 印画紙、その製造のための染料受容層形成用組成物及びそれらを使用する画像形成方法
JP3635376B2 (ja) インクジェット記録用インクとシート及びインクジェット記録方法
DE60128046T2 (de) Tintenstrahlaufzeichnungsblatt
JPH1046049A (ja) 顔料およびこれを用いた顔料インク
JPH08174996A (ja) 記録媒体及びこれを用いた画像形成方法
JPH07179029A (ja) インクジェット記録シート
JPH09314991A (ja) インクジェット用被記録材
JPH11321086A (ja) インクジェット記録媒体
JPH10315612A (ja) 記録方法
JPH1067167A (ja) 記録方法
JPH1128857A (ja) 記録方法
JPH0755580B2 (ja) インクジェット記録媒体
JPH0986036A (ja) 記録方法
JP3921824B2 (ja) インクジェット方式のプリンタ用記録媒体
JP2000355158A (ja) インクジェット式記録方法及び記録装置
JPH09316374A (ja) 記録液およびこれを用いた記録方法
JPH1060336A (ja) 水性記録液
JP2003034072A (ja) インクジェット記録用記録紙およびそれを用いたインクジェット記録方法
EP1170146B1 (en) Ink jet printing method
JPH10264504A (ja) 記録方法
JP3809671B2 (ja) インクジェット記録用印画紙
JPH1178209A (ja) 画像形成材料
JP4019237B2 (ja) インクジェット用記録媒体
JP2003200659A (ja) インクジェット記録要素
JP2002316475A (ja) インクジェット記録用シート

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040803