JPH0986036A - 記録方法 - Google Patents

記録方法

Info

Publication number
JPH0986036A
JPH0986036A JP8125820A JP12582096A JPH0986036A JP H0986036 A JPH0986036 A JP H0986036A JP 8125820 A JP8125820 A JP 8125820A JP 12582096 A JP12582096 A JP 12582096A JP H0986036 A JPH0986036 A JP H0986036A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
recording
recording method
water
receiving layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP8125820A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Fukuda
敏生 福田
Kengo Ito
謙吾 伊東
Michiko Kusano
道子 草野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP8125820A priority Critical patent/JPH0986036A/ja
Publication of JPH0986036A publication Critical patent/JPH0986036A/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 銀塩写真像に匹敵し得る彩度,解像度,耐久
性を有する画像の形成を可能とする。 【解決手段】 交換性陰イオンを有し、イオン交換作用
に基づくインターカレーション反応により染料を定着保
持させる層間化合物を含有する染料受容層に、直接染料
又は酸性染料である水溶性染料を含有する記録液を被着
させることにより記録を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持体上に層間化
合物を含有する染料受容層が形成された被記録材の染料
受容層に、水溶性染料を含有する記録液を被着させるこ
とにより記録を行う記録方法に関する。詳しくは、層間
化合物の種類及び水溶性染料の種類を特定した記録方法
に係るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータ等の普及
に伴い、該パーソナルコンピュータで作成した画像情報
等を銀塩写真と同じように記録紙に表示することが要求
されている。そして、記録紙に印刷する手段として、電
界や熱、圧力等を駆動源としてノズルより溶液状のイン
クを記録紙上に吐出させ、インクにより画像を形成して
印刷を行うインクジェット記録方式等が使用されてい
る。
【0003】上記インクジェット記録方式においては、
インクとして水性インクを使用し、記録紙として支持体
上に染料受容層の形成された記録紙を使用するのが一般
的である。
【0004】なお、上記水性インク中には水溶性染料,
水,多価アルコール等を含有させるようにしている。そ
して、上記水溶性染料としては、記録紙の構成材料とし
て一般的なセルロース系樹脂に対して十分な染着性を有
し、かつ単独でブラック色が出せる水溶性直接染料や水
溶性酸性染料(以下、これらを水溶性アニオン染料と称
する。)が主に使用されている。
【0005】また、上記記録紙の染料受容層としては、
水性インクの滲みを抑制するべく、染料との親和性に優
れた水溶性高分子中に種々の添加剤を分散した層が形成
される。
【0006】ところで、上記のようなインクジェット記
録方式において使用されている水溶性アニオン染料は、
その染色理論によると、染料受容層に移行した後におい
ては、染料受容層成分とのファンデルワールス力、水素
結合等の相互作用をすることによって染料受容層中に保
持されている。
【0007】従って、上記水溶性アニオン染料を含むイ
ンクにより形成される画像に、染料に対してより親和力
の優れた溶媒や樹脂等が接した場合、或いは染料と染料
受容層との相互作用を打ち消すだけの熱エネルギーが供
給された場合には、染料の溶出や移行が誘発されたり、
画像のボケが発生し、上記水溶性アニオン染料により形
成された画像においては銀塩写真のような完全な定着性
を確保することができない。
【0008】そこで、例えば特公昭62−798号公報
に示すように、水性インク用染料に反応性染料を用い、
染料受容層中の活性基と共有結合を形成する方法、或い
はUSP4694302に示すように、染料アニオンと
染料受容層中の有機高分子カチオン間にイオン接合を形
成させる方法、特公昭63−11158号公報に示すよ
うに、染料アニオンと染料受容層中の無機低分子カチオ
ン間にイオン結合を形成させる方法等のような化学結合
に基づく手段が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような方法では、インクや染料受容層の反応性が非常
に高くなり、インク或いは染料受容層の形成された記録
紙、又は記録紙上に記録された画像の保存性が十分では
なく、やはり銀塩写真ほどの定着性を確保することは困
難である。
【0010】また、染料と染料受容層の反応が短時間で
終了しないため、画像が安定に形成されるまで長時間を
要する、若しくは安定に画像を形成するために加熱処理
を要するといった不都合も生じている。
【0011】さらには染料の調整が困難で使用可能な色
相が限られてしまい、銀塩写真ほどの画像の彩度,解像
度が得られないという不都合も生じている。
【0012】このようなことから、従来のインクジェッ
ト記録方式により形成される画像は証明写真や屋外展示
用印刷物等の高品位な画像及び高度な画像耐久性が要求
される分野においては実用化が難しいとされている。し
かし、このような分野においてもインクジェット記録方
式により形成される画像を実用化できるように、インク
ジェット記録方式においては、画像の彩度及び解像度を
高めてより高品位な画像を形成するとともに画像の耐久
性を高めることが要求されている。
【0013】そこで、本発明は従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、銀塩写真像に匹敵し得る彩度,解像
度,耐久性を有する画像の形成を可能とする記録方法を
提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明者等は鋭意検討した結果、水溶性アニオン染
料が、水吸着性若しくは水に対する膨潤性に優れかつア
ニオン交換能を有する層間化合物の親水性の層間に、イ
オン交換作用に基づくインターカレーション反応により
強固に固定されることを利用し、染料受容層中に特定構
造を有する層間化合物を含有させ、水溶性インク中に特
定構造を有する水溶性アニオン染料を含有させて上記水
溶性インクを染料受容層上に被着させれば、保存性及び
定着性が良好で耐久性の良好な画像が形成されることを
見い出した。
【0015】また、この方法によれば染料の調整も容易
で、画像の彩度,解像度が十分に確保されることも見い
出した。
【0016】すなわち本発明の記録方法は、交換性陰イ
オンを有し、イオン交換作用に基づくインターカレーシ
ョン反応により染料を定着保持させる層間化合物を含有
する染料受容層に、直接染料又は酸性染料である水溶性
染料を含有する記録液を被着させることにより記録を行
うことを特徴とするものである。
【0017】なお、上記染料受容層中の層間化合物の含
有量は染料受容層中の固形分の10重量%〜90重量%
であることが好ましく、10重量%よりも少ないと染料
固定効果が不足し、90重量%よりも多いと染料受容層
中の固形分中の例えば樹脂の含有量が相対的に小さくな
って染料受容層の柔軟性が低下するので好ましくない。
【0018】そして、上記層間化合物としては、層間に
交換性陰イオンを有する層状無機高分子材料が好まし
く、0:1型粘土鉱物のAlO6 八面体シートからなる
層状塩であるハイドロタルサイト群鉱物、中でも化7に
示される構造を有するものが好ましい。
【0019】
【化7】
【0020】また、上記染料受容層中の層間化合物の分
散性を高めるべく、該染料受容層中には樹脂が含有され
ていることが好ましく、記録液の例えば溶媒が浸透し易
い親水性樹脂が含有されていることが好ましい。
【0021】さらに、記録液中の水溶性染料が直接染料
であり、化8或いは化9で示される構造を有する染料、
若しくはC.I.ダイレクトイエロー87のうちの1種
であることが好ましい。
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】また、記録液中の水溶性染料は酸性染料で
も良く、化10或いは化11又は化12で示される構造
を有する染料、若しくはC.I.アシッドブラック2の
うちの1種であることが好ましい。
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】上述したような記録液中には、水溶性有機
溶剤を含有していても良く、上記水溶性有機溶剤として
は、脂肪族一価アルコール,多価アルコール,多価アル
コール誘導体の少なくとも1種が好ましい。
【0029】上記脂肪族一価アルコールは、記録液が被
記録材の染料受容層に付着したときの滲みを均一とし、
被記録材を形成する例えば紙への浸透能力に優れ、蒸散
能力を促進する効果を有し、上記多価アルコール及び多
価アルコール誘導体は、高沸点溶媒であり、吸湿性があ
り、ノズルの目詰まりを防止する効果を有し、記録液と
してインクを形成した場合の保存性を高める効果も有す
る。
【0030】また、上記記録液中には、界面活性剤,粘
度調整剤,消泡剤,防腐剤,pH調整剤のうちの少なく
とも1種を含有させても良い。
【0031】上記界面活性剤は、記録液としてインクを
形成した場合の表面張力を制御する、記録液としてイン
クを形成した場合の保存性を高める効果を有し、粘度調
整剤は、記録液滴の吐出安定性を高める効果を有する。
また、消泡剤は、記録液の吐出安定性を高める効果を有
し、防腐剤は、記録液としてインクを形成した場合の保
存性を高める効果を有し、pH調整剤は、使用される記
録装置を保護する、記録液としてインクを形成した場合
の保存性を高める効果を有する。
【0032】すなわち、本発明の記録方法においては、
交換性陰イオンを有し、イオン交換作用に基づくインタ
ーカレーション反応により染料を定着保持させる層間化
合物を含有する染料受容層に、直接染料又は酸性染料で
ある水溶性染料を含有する記録液を被着させることによ
り記録を行うため、水溶性染料が層間化合物により染料
受容層中に強固に定着され、形成される画像の保存性,
定着性が良好となり、耐久性も良好となる。
【0033】また、本発明の記録方法においては、染料
の調整も容易で、画像の彩度,解像度が十分に確保され
る。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について示す。すなわち本発明の記録方法は、交換性
陰イオンを有し、イオン交換作用に基づくインターカレ
ーション反応により染料を定着保持させる層間化合物を
含有する染料受容層が支持体上に形成された被記録材の
染料受容層に、直接染料又は酸性染料である水溶性染料
を含有する記録液を被着させることにより記録を行うも
のである。
【0035】なお、上記被記録材の支持体としては、例
えば記録紙の支持体として一般的に用いられるものが挙
げられ、普通紙,合成紙等の紙類、或いはポリエチレン
テレフタレート等のプラスチックフィルム類、さらには
紙類上にプラスチック類をコーティングしたもの等が挙
げられる。
【0036】水溶性直接染料或いは水溶性酸性染料であ
る水溶性アニオン染料は、水吸着性若しくは水に対する
膨潤性に優れかつアニオン交換能を有する層間化合物の
親水性の層間に、イオン交換作用に基づくインターカレ
ーション反応により強固に固定される。
【0037】従って、本発明の記録方法においては、水
溶性染料が層間化合物により染料受容層中に強固に定着
され、該染料により画像が形成され、その保存性,定着
性は良好で耐久性も良好となる。
【0038】また、本発明の記録方法においては、染料
の調整も容易で、画像の彩度,解像度が十分に確保され
る。
【0039】すなわち、これらのことから、本発明の記
録方法により形成された画像は銀塩写真像に匹敵し得る
彩度,解像度,耐久性を有するものとなり、証明写真や
屋外展示用印刷物等として十分使用し得るものとなる。
【0040】なお、上記染料受容層中の層間化合物の含
有量は染料受容層中の固形分の10重量%〜90重量%
であることが好ましく、40重量%〜80重量%である
ことがより好ましい。10重量%よりも少ないと染料固
定効果が不足し、90重量%よりも多いと染料受容層中
の固形分中の例えば後述の樹脂の含有量が相対的に小さ
くなって染料受容層の柔軟性が低下するので好ましくな
い。
【0041】すなわち、被記録材を製造する場合、支持
体上に層間化合物,樹脂等を含有する染料受容層形成溶
液を塗布し皮膜を形成して染料受容層を形成し、被記録
材を製造するが、層間化合物の含有量があまり多いと染
料受容層に柔軟性を与えるために染料受容層形成溶液中
に添加される樹脂等の含有量が相対的に小さくなり、柔
軟性に富んだ皮膜を形成することが困難となる。
【0042】そして、上記層間化合物としては、層間に
交換性陰イオンを有する層状無機高分子材料であること
が好ましく、0:1型粘土鉱物のAlO6 八面体シート
からなる層状塩であるハイドロタルサイト群鉱物、中で
も化13に示される構造を有するものが好ましい。
【0043】
【化13】
【0044】上記層間化合物としては、上記化13に示
されるハイドロタルサイト群鉱物の天然鉱物の他、若干
組成の異なる合成品が挙げられる。この合成品の微粉末
は天然品のように夾雑物を含まず純白色を呈し、結晶そ
のものが光学的に透明である。従って、このような合成
品の微粉末を層間化合物として被記録材の染料受容層中
に含有させて本発明の記録方法に使用すれば、銀塩写真
に十分匹敵し得る彩度を有する画像を形成することが十
分可能である。
【0045】さらには、ハイドロタルサイト群鉱物のイ
オン交換部位に水やアルコール等の高誘電率媒体に溶媒
和し易い無機イオン、例えばNO3 - ,SO4 2 - ,C
lO4 - ,Fe(CN)6 4 - ,ヘテロポリリン酸イオ
ン等或いは低級カルボキシレートイオンのような親水性
有機アニオンを有するものが挙げられる。これに対し、
高級カルボキシレートイオンは上述のようなイオンに比
べ溶媒和し難い層間を与える傾向があり好ましくない。
【0046】さらに上記層間化合物としては、後述の樹
脂への分散性を改善するとともに、アルコールなどの非
水溶媒に対する膨潤性を改善するために、交換性陰イオ
ンの一部を有機アニオンで置換させ、層間距離を広げる
効果(ピラー効果)や層間を部分的に疎水化する効果を
付与しているものも挙げられる。この有機アニオンとし
て好適なものは、カルボン酸アニオン類,スルホン酸ア
ニオン類,エステルアニオン類,燐酸エステルアニオン
類が挙げられる。
【0047】上記ハイドロタルサイト類以外にも交換性
陰イオンを有する層間化合物としては、チタンやジルコ
ニウム,ランタン,ビスマス等の含水酸化物或いは水酸
化燐酸塩等が存在するが、その光学的隠ぺい性若しくは
固有の着色のために透明性,光沢性,白色性が同時に要
求されない被記録材の染料受容層中に含有させる場合に
は使用可能である。
【0048】また、上記記録方法に使用される被記録材
においては、染料受容層中に樹脂が含有されていること
が好ましく、染料受容層中の層間化合物の分散性を高め
る作用を有し、本発明の記録方法で使用される水溶性染
料を含有する記録液である例えば水性インクの溶媒であ
る水やアルコール等が浸透する親水性樹脂が含有されて
いることが好ましい。
【0049】上記樹脂としては、一般的な熱可塑性樹脂
が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂などのビニルア
ルコールのアセタール化物,ヒドロキシプロピルセルロ
ース樹脂等のセルロース系樹脂,ポリビニルピロリドン
−酢酸ビニル共重合体等のポリビニルピロリドン系樹
脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール
樹脂等が挙げられる。このとき、上記樹脂中に凝集を引
き起こしたり画像の定着作用を阻害するような置換基、
例えば水溶性染料よりも相対的に層間にイオン交換し易
く、保持されやすい基を含むものは好ましくない。
【0050】また、上記のような親水性樹脂を使用する
場合、上述のような親水性樹脂の他に、画像形成後の皮
膜の耐水性を確保するべく、ウレタン系架橋剤等により
架橋させることが好ましい。従って、樹脂としてはOH
基、カルボキシル基等の架橋反応に寄与できる置換基
を、層間化合物の染料定着性を阻害しない範囲で有する
ものを使用することが好ましい。
【0051】さらに、本発明において使用される水溶性
染料のうち、直接染料としては、化14或いは化15で
示される構造を有する染料、若しくはC.I.ダイレク
トイエロー87が挙げられる。
【0052】
【化14】
【0053】
【化15】
【0054】このとき、上記化14で示される構造を有
する染料としては上記化14中のP1 のみを有し、P1
として(SO3 Na)2 を有するC.I.ダイレクトブ
ルー86及び上記化14中のP1 及びP2 を有し、P1
として(SO3 Na)12を有し、P2 として(SO
2 NH223 を有するC.I.ダイレクトブルー
199が挙げられ、上記化15で示される構造を有する
染料としては、化16で示されるC.I.ダイレクトグ
リーン1、化17で示されるC.I.ダイレクトグリー
ン6、化18で示されるC.I.ダイレクトブラウン5
9、化19で示されるC.I.ダイレクトブラック3
8、化20で示されるC.I.ダイレクトブラック15
4が挙げられる。
【0055】
【化16】
【0056】
【化17】
【0057】
【化18】
【0058】
【化19】
【0059】
【化20】
【0060】さらにまた、本発明で使用される水溶性染
料のうち酸性染料としては、化21或いは化22又は化
23で示される構造を有する染料、若しくはC.I.ア
シッドブラック2が挙げられる。
【0061】
【化21】
【0062】
【化22】
【0063】
【化23】
【0064】このとき、上記化21で示される構造を有
する染料としては、化24に示される構造を有するC.
I.アシッドイエロー11、化25に示される構造を有
するC.I.アシッドイエロー23、化26に示される
構造を有するC.I.アシッドイエロー25、化27に
示される構造を有するC.I.アシッドイエロー29、
化28に示される構造を有するC.I.アシッドイエロ
ー40、化29に示される構造を有するC.I.アシッ
ドイエロー76が挙げられる。
【0065】
【化24】
【0066】
【化25】
【0067】
【化26】
【0068】
【化27】
【0069】
【化28】
【0070】
【化29】
【0071】また、上記化22に示される構造を有する
染料としては、化30に示される構造を有するC.I.
アシッドレッド52、化31に示される構造を有する
C.I.アシッドレッド51、化32に示される構造を
有するC.I.アシッドレッド87、化33に示される
構造を有するC.I.アシッドレッド92、化34に示
される構造を有するC.I.アシッドレッド94が挙げ
られる。
【0072】
【化30】
【0073】
【化31】
【0074】
【化32】
【0075】
【化33】
【0076】
【化34】
【0077】さらに、上記化23に示される構造を有す
る染料としては、化35に示されるC.I.アシッドブ
ルー7、化36に示されるC.I.アシッドブルー9、
化37に示されるC.I.アシッドブルー104、化3
8に示されるC.I.アシッドグリーン3、化39に示
されるC.I.アシッドグリーン9が挙げられる。
【0078】
【化35】
【0079】
【化36】
【0080】
【化37】
【0081】
【化38】
【0082】
【化39】
【0083】なお、上記C.I.アシッドブラック2
は、化40に示される構造を有すると推定されている。
【0084】
【化40】
【0085】本発明で使用する記録液中には、水溶性有
機溶剤を含有させても良く、上記水溶性有機溶剤として
は脂肪族一価アルコール,多価アルコール,多価アルコ
ール誘導体の少なくとも1種が好ましい。
【0086】上記脂肪族一価アルコールは、記録液が被
記録材の染料受容層に付着したときの滲みを均一とし、
被記録材を形成する例えば紙への浸透能力に優れ、蒸散
能力を促進する効果を有する。そして、上記脂肪族一価
アルコールとしては、エチルアルコール,イソプロピル
アルコール,M−ブチルアルコール等が使用し易いこと
から好ましく、中でもイソプロピルアルコールが他のア
ルコールに比較して適度な乾燥性を有し、臭気も少な
く、ドット形成性を向上させることが可能であり好まし
い。また、この脂肪族一価アルコールの含有量である
が、記録液全体量に対して1重量%以上であれば良く、
上限は記録液としてインクを使用した場合におけるイン
クの表面張力及び染料の溶解性を考えて30重量%程度
であり、1重量%〜20重量%とすることがより好まし
い。
【0087】上記多価アルコール及び多価アルコール誘
導体は、高沸点溶媒であり、吸湿性があり、ノズルの目
詰まりを防止する効果を有し、記録液としてインクを形
成した場合の保存性を高める効果も有する。そして、上
記多価アルコールのうち、ジエチレングリコールやグリ
セリン等は染料の優れた溶剤ともなる。さらにこれらに
おいては、記録液としてインクを形成する場合に母体と
なる水の氷点を低下させてインクの保存性を高める効果
も有する。また、上記多価アルコール及び多価アルコー
ル誘導体の含有量であるが、記録液全体量に対して1重
量%以上であれば良く、上限は記録液としてインクを使
用した場合におけるインクの粘性及び乾燥性を考えて4
0重量%程度であり、5重量%〜30重量%とすること
がより好ましい。
【0088】さらに、上記記録液中には、界面活性剤,
粘度調整剤,消泡剤,防腐剤,pH調整剤のうちの少な
くとも1種を含有させても良い。
【0089】上記界面活性剤は、記録液としてインクを
形成した場合の表面張力を制御する、記録液としてイン
クを形成した場合の保存性を高める効果を有する。上記
界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩類等のア
ニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル類,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類等のノニオ
ン界面活性剤が挙げられ、使用目的により1種以上使用
すれば良い。また、上記界面活性剤の含有量であるが、
界面活性剤の種類により異なるものの、記録液全体量に
対して0.01重量%〜5重量%が好ましい。
【0090】粘度調整剤は、記録液滴の吐出安定性を高
める効果を有し、一般的な粘度調整剤を使用すれば良
い。
【0091】また、上記消泡剤は、例えば記録液のイン
ク中に気泡が発生すると、吐出安定性に影響を及ぼし、
最悪の場合吐出不可能となってしまうため、気泡の発生
を抑え、記録液の吐出安定性を高めるために添加し、一
般的な消泡剤を使用すれば良い。
【0092】上記防腐剤は、記録液としてインクを形成
した場合の腐敗を防止し、カビの発生を防止して保存性
を高める効果を有し、一般的な防腐剤を使用すれば良
い。
【0093】さらに、上記pH調整剤は、記録液のpH
が該記録液の接する部分の材料に及ぼす影響をなくし、
使用される記録装置を保護する、記録液としてインクを
形成した場合の保存性を高める効果を有し、一般的なp
H調整剤を使用すれば良い。また、上記pH調整剤は、
記録液がpH7.0〜11.0の範囲となる程度、好ま
しくはpH7.5〜9.0の範囲となる程度、ややアル
カリ性を示す程度に添加すれば良い。
【0094】
【実施例】以下、本発明を適用した好適な実施例につい
て実験結果に基づいて説明する。
【0095】実験例1 本実験例においては、被記録材として記録紙を用意し、
水溶性染料として直接染料を含有した記録液としてイン
クを用意し、これらを用いて本発明の記録方法により形
成した画像の耐久性を調査した。
【0096】〔サンプルの作製〕 〈記録紙実施サンプル1〉先ず、エタノール90gに層
間化合物として合成ハイドロタルサイト(商品名:DH
T−4A 協和化学工業(株)社製)9gと樹脂として
ポリビニルブチラール樹脂(商品名:エスレックBL−
S 積水化学工業(株)社製)1gを加えて2週間ロー
ルミルで分散させて懸濁溶液を得た。
【0097】続いて、厚さ125μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムを用意し、この上に上記懸濁溶液
を乾燥厚10μmとなるようにバーコーターを使用して
塗布して染料受容層を形成して記録紙を製造し、記録紙
実施サンプル1とした。
【0098】〈記録紙実施サンプル2〉次に、エタノー
ル90gに層間化合物として合成ハイドロタルサイト
(商品名:DHT−4C 協和化学工業(株)社製)6
gと樹脂としてヒドロキシプロピルセルロース樹脂(商
品名:HPC−L 日本曹達(株)社製)4gを加えて
2週間ロールミルで分散させて懸濁溶液を得た。
【0099】続いて、厚さ125μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムを用意し、この上に上記懸濁溶液
を乾燥厚10μmとなるようにバーコーターを使用して
塗布して染料受容層を形成して記録紙を製造し、記録紙
実施サンプル2とした。
【0100】〈記録紙実施サンプル3〉さらに、イソプ
ロピルアルコール90gに層間化合物として焼成ハイド
ロタルサイト(商品名:KW2000 協和化学工業
(株)社製)7gと樹脂としてポリビニルブチラール樹
脂(商品名:エスレックBL−S 積水化学工業(株)
社製)1.5gとポリビニルピロリドン−酢酸ビニル共
重合体(商品名:ルビスコールVA64 BASF
(株)社製)1.5gを加えて2週間ロールミルで分散
させて懸濁溶液を得た。
【0101】続いて、厚さ125μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムを用意し、この上に上記懸濁溶液
を乾燥厚10μmとなるようにバーコーターを使用して
塗布して染料受容層を形成して記録紙を製造し、記録紙
実施サンプル3とした。
【0102】〈記録紙実施サンプル4〉記録紙実施サン
プル1で使用した懸濁溶液中の合成ハイドロタルサイト
の含有量を5gとし、ポリビニルブチラール樹脂の含有
量を5gに変更した懸濁溶液を用意し、これを記録紙実
施サンプル1と同様にしてポリエチレンテレフタレート
フィルムに塗布して記録紙を製造し、記録紙実施サンプ
ル4とした。
【0103】〈記録紙実施サンプル5〉記録紙実施サン
プル1で使用した懸濁溶液中の合成ハイドロタルサイト
の含有量を4gとし、ポリビニルブチラール樹脂の含有
量を6gに変更した懸濁溶液を用意し、これを記録紙実
施サンプル1と同様にしてポリエチレンテレフタレート
フィルムに塗布して記録紙を製造し、記録紙実施サンプ
ル5とした。
【0104】〈記録紙比較サンプル1〜3〉記録紙実施
サンプル1〜3で使用したそれぞれの懸濁溶液中から合
成ハイドロタルサイト或いは焼成ハイドロタルサイトを
除いた懸濁溶液をそれぞれ用意し、これらを記録紙実施
サンプル1と同様にしてポリエチレンテレフタレートフ
ィルムにそれぞれ塗布して記録紙を製造し、記録紙比較
サンプル1〜3とした。
【0105】〈インクサンプル〉下記に示すような配合
のインクサンプルを用意した。なお、染料としては前述
の構造を有するC.I.ダイレクトイエロー87,前述
の構造を有するC.I.ダイレクトブルー199,前述
の構造を有するC.I.ダイレクトブラック154の3
種類を用意し、各色に応じたインクサンプル1〜3をそ
れぞれ用意した。
【0106】 (インク配合) 染料 5部 水 74.9部 イソプロピルアルコール 5部 ジエチレングリコール 15部 非イオン性界面活性剤 0.1部 (商品名:ノイゲンEA120 第一工業製薬(株)社製) 〔画像耐久性試験〕次に、上記のようにして得られたイ
ンクサンプルと記録紙サンプルを使用して印字サンプル
の記録を行い、得られた印字サンプルの耐光性及び耐水
性を調査して画像耐久性を調査した。
【0107】すなわち、上記のようにして得られたイン
クサンプル1〜3をヒューレッドパッカード社製のプリ
ンター(機種名:DESKJET1200C)のインク
として詰め替えておき、これを使用して記録紙実施サン
プル1〜5及び記録紙比較サンプル1〜3に印字サンプ
ルを記録し、画像を形成した。
【0108】次に、耐光性を調査すべく、記録紙実施サ
ンプル1〜5と記録紙比較サンプル1〜3にインクサン
プル1〜3により記録された各印字サンプルの濃度をマ
クベス社製濃度計(機種名:TR−924)により測定
した。
【0109】次に、上記記録紙実施サンプル1〜5と記
録紙比較サンプル1〜3にキセノンアークフェードメー
ター(スガ試験機(株)社製)により72時間かけて9
0000kJ/m2 のエネルギーを照射した。
【0110】続いて、エネルギー照射後の記録紙実施サ
ンプル1〜5と記録紙比較サンプル1〜3のインクサン
プル1〜3により記録された各印字サンプルの濃度を上
述のように測定した。そして、エネルギー照射後の各印
字サンプルにおける濃度残存率を数1により求めた。結
果を表1に示す。
【0111】
【数1】
【0112】
【表1】
【0113】表1の結果から、少なくとも層間に陰イオ
ンを有する層間化合物であるハイドロタルサイト群鉱物
を含有する染料受容層が支持体上に形成されている記録
紙実施サンプル1〜5に少なくとも特定構造を有する直
接染料を含有するインクサンプル1〜3を使用して記録
した印字サンプルにおいては、染料受容層中に層間化合
物を含有しない記録紙比較サンプル1〜3にインクサン
プル1〜3を使用して記録した印字サンプルよりも濃度
残存率が大幅に向上していることが確認された。
【0114】さらに、耐水性を調査するべく、印字サン
プルの記録された記録紙実施サンプル1〜5と記録紙比
較サンプル1〜3を画像形成面が水に接するように蒸留
水中に12時間浸漬させ、染料の溶出の有無を調査し、
水中への染料の溶出がなく、画像の滲みも生じていない
ものを○とし、水中への染料の溶出は無いが、画像の滲
みが生じているものを△とし、水中への染料の溶出が生
じているものを×として評価した。結果を表2に示す。
【0115】
【表2】
【0116】表2の結果から、少なくとも層間に陰イオ
ンを有する層間化合物であるハイドロタルサイト群鉱物
を含有する染料受容層が支持体上に形成されている記録
紙実施サンプル1〜5に少なくとも特定構造を有する直
接染料を含有するインクサンプル1〜3を使用して記録
した印字サンプルにおいては、染料受容層中に層間化合
物を含有しない記録紙比較サンプル1〜3にインクサン
プル1〜3を使用して記録した印字サンプルよりも耐水
性が大幅に向上していることが確認された。
【0117】すなわち、これらのことから上記のように
記録紙実施サンプル1〜5の染料受容層中のハイドロタ
ルサイト群鉱物がインクサンプル1〜3の特定構造を有
する直接染料をイオン交換作用に基づくインターカレー
ション反応により定着保持し、直接染料が層間化合物に
より染料受容層中に強固に定着されることが確認され
た。
【0118】従って、本発明の記録方法によれば、画像
の保存性,定着性が良好となり、耐久性も良好となるこ
とが確認された。
【0119】また、本発明の記録方法により形成された
画像は銀塩写真像に匹敵し得る耐久性を有するものとな
り、証明写真や屋外展示用印刷物等として十分使用し得
るものとなることが確認された。
【0120】実験例2 本実験例においては、被記録材として記録紙を用意し、
水溶性染料として酸性染料を含有した記録液としてイン
クを用意し、これらを用いて本発明の記録方法により形
成した画像の耐久性を調査した。
【0121】〔サンプルの作製〕記録紙として実験例1
で述べた記録紙実施サンプル1〜5及び記録紙比較サン
プル1〜3を用意した。また、インクとしては、実験例
1で述べたインクサンプルの各染料の代わりに、前述の
構造を有するC.I.アシッドイエロー11、前述の構
造を有するC.I.アシッドイエロー23、前述の構造
を有するC.I.アシッドレッド52、前述の構造を有
するC.I.アシッドブルー7、前述の構造を有する
C.I.アシッドブルー9をそれぞれ使用したインクサ
ンプル4〜8の5種類を用意した。
【0122】〔画像耐久性試験〕次に、実験例1と同様
に上記インクサンプルと記録紙サンプルを使用して印字
サンプルの記録を行い、得られた印字サンプルの耐光性
及び耐水性を調査して画像耐久性を調査した。
【0123】すなわち、上記のようにして得られたイン
クサンプル4〜8を実験例1と同様にヒューレッドパッ
カード社製のプリンター(機種名:DESKJET12
00C)のインクとして詰め替えておき、これを使用し
て記録紙実施サンプル1〜5及び記録紙比較サンプル1
〜3に印字サンプルを記録し、画像を形成した。
【0124】そして記録紙実施サンプル1〜5と記録紙
比較サンプル1〜3にインクサンプル4〜8を用いて記
録された各印字サンプルの耐光性及び耐水性を実験例1
と同様にして調査した。耐光性試験の結果を表3に示
し、耐水性試験の結果を表4に示す。
【0125】
【表3】
【0126】
【表4】
【0127】表3及び表4の結果から、少なくとも層間
に陰イオンを有する層間化合物であるハイドロタルサイ
ト群鉱物を含有する染料受容層が支持体上に形成されて
いる記録紙実施サンプル1〜5に少なくとも特定構造を
有する酸性染料を含有するインクサンプル4〜8を使用
して記録した印字サンプルにおいては、染料受容層中に
層間化合物を含有しない記録紙比較サンプル1〜3にイ
ンクサンプル4〜8を使用して記録した印字サンプルよ
りも耐光性及び耐水性が大幅に向上していることが確認
された。
【0128】すなわち、これらのことから上記のように
記録紙実施サンプル1〜5の染料受容層中のハイドロタ
ルサイト群鉱物がインクサンプル4〜8の特定構造を有
する酸性染料をイオン交換作用に基づくインターカレー
ション反応により定着保持し、酸性染料が層間化合物に
より染料受容層中に強固に定着されることが確認され
た。
【0129】従って、本発明の記録方法によれば、画像
の保存性,定着性が良好となり、耐久性も良好となるこ
とが確認された。
【0130】また、本発明の記録方法により形成された
画像は銀塩写真像に匹敵し得る耐久性を有するものとな
り、証明写真や屋外展示用印刷物等として十分使用し得
るものとなることが確認された。
【0131】実験例3 本実験例においては、水溶性染料として、実験例2にて
示した酸性染料とは異なる種類の酸性染料を用いた。
【0132】〔サンプルの作製〕 〈記録紙実施サンプル6〉先ず、エタノール64gと水
14gとの混合溶媒中に、層間化合物として有機酸処理
を施したハイドロタルサイト(商品名:KW−2200
協和化学工業(株)社製 16gいリンゴ酸10mg
を当量吸着処理したもの)と、樹脂としてポリアミド
(商品名:M−1276 プラーテ・ボン社製)/ポリ
ビニルピロリドン(商品名:K−90 BASF(株)
社製)8gを加えてビーズミルにて8時間分散させて懸
濁溶液を得た。
【0133】続いて、厚さ125μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルム(商品名:ルミラートT−60
東レ社製)を用意し、この上に上記懸濁溶液を乾燥厚6
μmとなるようにワイヤーバーを使用して塗布し、その
後、100℃にて1分間乾燥させることにより、染料受
容層を形成して記録紙を製造し、記録紙実施サンプル6
とした。
【0134】〈記録紙比較サンプル4〉記録紙実施サン
プル6で使用した懸濁溶液中から有機酸処理が施された
ハイドロタルサイトを除いた懸濁溶液を用意し、これら
を記録紙実施サンプル6と同様にしてポリエチレンテレ
フタレートフィルムに塗布して記録紙を製造し、記録紙
比較サンプル4とした。
【0135】〈インクサンプル9〉下記に示すような配
合のインクサンプルを用意した。なお、染料としては前
述の構造を有すると推定されるC.I.アシッドブラッ
ク2を用意した。
【0136】 (インク配合) 染料 5部 水 84.9部 ジグリセリンボラート 0.5部 ジエチレングリコールモノメチルエーテル 9.5部 非イオン性界面活性剤 0.01部 (商品名:ノイゲンEA120 第一工業製薬(株)社製) これにより、黒色のインクサンプル9が得られた。
【0137】〔画像耐久性試験〕次に、実験例1と同様
に上記インクサンプルと記録紙サンプルを使用して印字
サンプルの記録を行い、得られた印字サンプルの耐光性
及び耐水性を調査して画像耐久性を調査した。
【0138】すなわち、上記のようにして得られたイン
クサンプル9をエプソン社製のプリンター(機種名:M
J−800C)のインクとして詰め替えておき、これを
使用して記録紙実施サンプル6及び記録紙比較サンプル
4に印字サンプルを記録し、画像を形成した。
【0139】次に、耐光性を調査すべく、記録紙実施サ
ンプル6と記録紙比較サンプル4にインクサンプル9に
より記録された各印字サンプルの濃度をマクベス社製濃
度計(機種名:TR−924)により測定した。
【0140】次に、上記記録紙実施サンプル6と記録紙
比較サンプル4にキセノンアークフェードメーター(ア
トラス試験機社製)により72時間かけて90kJ/m
2 のエネルギーを照射した。
【0141】続いて、エネルギー照射後の記録紙実施サ
ンプル6と記録紙比較サンプル4のインクサンプル9に
より記録された各印字サンプルの濃度を上述のように測
定した。そして、エネルギー照射後の各印字サンプルに
おける濃度残存率を前述した数1により求めた。
【0142】さらに、耐水性を調査するべく、印字サン
プルの記録された記録紙実施サンプル6と記録紙比較サ
ンプル4を画像形成面が水に接するように蒸留水中に1
0分間浸漬させ、染料の溶出の有無を調査し、水中への
染料の溶出がなく、画像の滲みも生じていないものを○
とし、水中への染料の溶出は無いが、画像の滲みが生じ
ているものを△とし、水中への染料の溶出が生じている
ものを×として評価した。これらの結果を表5に示す。
【0143】
【表5】
【0144】表5の結果から、少なくとも層間に陰イオ
ンを有する層間化合物であるハイドロタルサイト群鉱物
を含有する染料受容層が支持体上に形成されている記録
紙実施サンプル6にC.I.アシッドブラック2なる酸
性染料を含有するインクサンプル9を使用して記録した
印字サンプルにおいては、染料受容層中に層間化合物を
含有しない記録紙比較サンプル4にインクサンプル9を
使用して記録した印字サンプルよりも濃度残存率が大幅
に向上していることが確認された。
【0145】また、少なくとも層間に陰イオンを有する
層間化合物であるハイドロタルサイト群鉱物を含有する
染料受容層が支持体上に形成されている記録紙実施サン
プル6にC.I.アシッドブラック2なる酸性染料を含
有するインクサンプル9を使用して記録した印字サンプ
ルにおいては、染料受容層中に層間化合物を含有しない
記録紙比較サンプル4にインクサンプル9を使用して記
録した印字サンプルよりも耐水性が大幅に向上している
ことが確認された。
【0146】すなわち、これらのことから上記のように
記録紙実施サンプル6の染料受容層中のハイドロタルサ
イト群鉱物がインクサンプル9中のC.I.アシッドブ
ラック2なる酸性染料をイオン交換作用に基づくインタ
ーカレーション反応により定着保持し、酸性染料が層間
化合物により染料受容層中に強固に定着されることが確
認された。
【0147】従って、本発明の記録方法によれば、画像
の保存性,定着性が良好となり、耐久性も良好となるこ
とが確認された。
【0148】また、本発明の記録方法により形成された
画像は銀塩写真像に匹敵し得る耐久性を有するものとな
り、証明写真や屋外展示用印刷物等として十分使用し得
るものとなることが確認された。
【0149】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の記録方法においては、交換性陰イオンを有し、イオ
ン交換作用に基づくインターカレーション反応により染
料を定着保持させる層間化合物を含有する染料受容層
に、直接染料又は酸性染料である水溶性染料を含有する
記録液を被着させることにより記録を行うため、水溶性
染料が層間化合物により染料受容層中に強固に定着さ
れ、形成される画像の保存性,定着性が良好となり、耐
久性も良好となる。
【0150】また、本発明の記録方法においては、染料
の調整も容易で、画像の彩度,解像度が十分に確保され
る。
【0151】すなわち、これらのことから、本発明の記
録方法により形成された画像は銀塩写真像に匹敵し得る
彩度,解像度,耐久性を有するものとなり、証明写真や
屋外展示用印刷物等として十分使用し得るものとなり、
その工業的価値は非常に高い。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 11/10 PSZ C09D 11/10 PSZ D21H 19/38 D21H 1/22 B

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも層間化合物を含有
    する染料受容層が形成されてなる被記録材の染料受容層
    に、少なくとも水溶性染料を含有する記録液を被着させ
    ることにより記録を行う記録方法において、 層間化合物が交換性陰イオンを有し、イオン交換作用に
    基づくインターカレーション反応により染料を定着保持
    させるものであり、水溶性染料が直接染料又は酸性染料
    であることを特徴とする記録方法。
  2. 【請求項2】 染料受容層中の層間化合物の含有量は染
    料受容層中の固形分の10重量%〜90重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の記録方法。
  3. 【請求項3】 層間化合物が層間に交換性陰イオンを有
    する層状無機高分子材料であることを特徴とする請求項
    1記載の記録方法。
  4. 【請求項4】 層状無機高分子材料がハイドロタルサイ
    ト群鉱物であることを特徴とする請求項3記載の記録方
    法。
  5. 【請求項5】 ハイドロタルサイト群鉱物が下記化1で
    示される構造を有することを特徴とする請求項4記載の
    記録方法。 【化1】
  6. 【請求項6】 染料受容層中に樹脂が含有されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の記録方法。
  7. 【請求項7】 樹脂が親水性樹脂であることを特徴とす
    る請求項6記載の記録方法。
  8. 【請求項8】 記録液中の水溶性染料が直接染料であ
    り、下記化2或いは化3で示される構造を有する染料、
    若しくはC.I.ダイレクトイエロー87のうちの1種
    であることを特徴とする請求項1記載の記録方法。 【化2】 【化3】
  9. 【請求項9】 記録液中に水溶性有機溶剤を含有してい
    ることを特徴とする請求項8記載の記録方法。
  10. 【請求項10】 水溶性有機溶剤が脂肪族一価アルコー
    ル,多価アルコール,多価アルコール誘導体の少なくと
    も1種であることを特徴とする請求項9記載の記録方
    法。
  11. 【請求項11】 記録液中に界面活性剤,粘度調整剤,
    消泡剤,防腐剤,pH調整剤のうちの少なくとも1種を
    含有することを特徴とする請求項9記載の記録方法。
  12. 【請求項12】 記録液中の水溶性染料が酸性染料であ
    り、下記化4或いは化5又は化6で示される構造を有す
    る染料、若しくはC.I.アシッドブラック2のうちの
    1種であることを特徴とする請求項1記載の記録方法。 【化4】 【化5】 【化6】
  13. 【請求項13】 記録液中に水溶性有機溶剤を含有して
    いることを特徴とする請求項12記載の記録方法。
  14. 【請求項14】 水溶性有機溶剤が脂肪族一価アルコー
    ル,多価アルコール,多価アルコール誘導体の少なくと
    も1種であることを特徴とする請求項13記載の記録方
    法。
  15. 【請求項15】 記録液中に界面活性剤,粘度調整剤,
    消泡剤,防腐剤,pH調整剤のうちの少なくとも1種を
    含有することを特徴とする請求項13記載の記録方法。
JP8125820A 1995-07-19 1996-05-21 記録方法 Abandoned JPH0986036A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8125820A JPH0986036A (ja) 1995-07-19 1996-05-21 記録方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18285395 1995-07-19
JP7-182853 1995-07-19
JP8125820A JPH0986036A (ja) 1995-07-19 1996-05-21 記録方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0986036A true JPH0986036A (ja) 1997-03-31

Family

ID=26462136

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8125820A Abandoned JPH0986036A (ja) 1995-07-19 1996-05-21 記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0986036A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018044029A (ja) * 2016-09-12 2018-03-22 戸田工業株式会社 白色顔料溶剤系分散体、および、それを用いた塗膜体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018044029A (ja) * 2016-09-12 2018-03-22 戸田工業株式会社 白色顔料溶剤系分散体、および、それを用いた塗膜体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3451718B2 (ja) 印画紙、その製造のための染料受容層形成用組成物及びそれらを使用する画像形成方法
DE10020346C2 (de) Tintenstrahl-Aufzeichnungsblatt
DE60128046T2 (de) Tintenstrahlaufzeichnungsblatt
DE19952356C2 (de) Tintenstrahlaufzeichnungsblatt/bogen und Verfahren zu seiner Herstellung
JP3772403B2 (ja) 顔料およびこれを用いた顔料インク
DE60104718T2 (de) Beschichtungszusammensetzungen auf guanidinbasis und aufzeichnungsmaterialien, die diese zusammensetzungen enthalten
DE3510538A1 (de) Aufzeichnungsmaterial fuer den tintenstrahldruck
JPH08156399A (ja) インクジェット記録用インクとシート及びインクジェット記録方法
JP3699859B2 (ja) インクジェット記録シート及びその製造方法
JPH0986036A (ja) 記録方法
US20100233391A1 (en) Ink- Jet Recording Medium
JPH1067167A (ja) 記録方法
JPH09316374A (ja) 記録液およびこれを用いた記録方法
JPH1128857A (ja) 記録方法
DE60226002T2 (de) Tintenstrahlaufzeichnungsmedium
JPH10315612A (ja) 記録方法
JP3750245B2 (ja) プリンタ用記録媒体
DE10309705A1 (de) Ink-Jet Aufzeichnungsblatt mit verbesserter Ozon-und Lichtstabilität
US20030049419A1 (en) Inkjet recording material having improved light fastness
JP2007076034A (ja) インクジェット記録方法及び記録物
JP7362353B2 (ja) 記録方法、記録装置、及び記録物
JPH10264504A (ja) 記録方法
JP3921824B2 (ja) インクジェット方式のプリンタ用記録媒体
JPH1060336A (ja) 水性記録液
JP2621096B2 (ja) 記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050705

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20050905