JP2002316475A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JP2002316475A JP2001299633A JP2001299633A JP2002316475A JP 2002316475 A JP2002316475 A JP 2002316475A JP 2001299633 A JP2001299633 A JP 2001299633A JP 2001299633 A JP2001299633 A JP 2001299633A JP 2002316475 A JP2002316475 A JP 2002316475A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録用シートの欠点であった
長期保存での変色、とりわけシアンインク用染料として
フタロシアニン系染料を用いた場合、その褪色に伴う変
色を著しく減少させたインクジェット記録用シートを提
供する。 【解決手段】 液体インクを用いて記録画像を形成する
インクジェット記録用シートにおいて、記録用シート中
に一般式(1)で表わされる化合物および一般式(2)
で表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種と、一
般式(3)で表されるジアリルアミン系化合物のホモポ
リマーおよび一般式(3)と共重合可能なエチレン性不
飽和化合物とのコポリマーから選ばれる少なくとも一種
を含有せしめたことを特徴とするインクジェット記録用
シート。 【化1】 【化2】 【化3】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インク、油性
インク等の液体インクを用いて記録画像を形成するイン
クジェット記録用シートに関するものであり、特に、イ
ンクジェット記録用シート上にフルカラーで印字された
画像の印字濃度が高く、インクの吸収性に優れるという
特徴を維持しつつ、従来のインクジェット記録用シート
の欠点であった長期保存での変色のないインクジェット
記録用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体インクを微細なノズルから記録体に
噴出して画像を形成させるインクジェット記録方式は、
記録時の騒音が少なく、カラー化が容易であること、高
速記録が可能であること、また、他の印刷装置より安価
であること等の理由から端末用プリンタ、ファクシミ
リ、プロッタ、あるいは帳票印刷などで広く利用されて
いる。一方、プリンタの急速な普及や高精細・高速化、
さらにはデジタルカメラの登場により、記録体側にも高
度な特性が要望されるようになった。すなわち、吸収
性、記録濃度、耐水性、および保存性に優れた、銀塩方
式の写真に匹敵する画質と保存性を兼ね備えた記録体の
実現が強く求められている。
【0003】このような要求に答えるため、支持体上に
顔料および接着剤を主体とするインク受容層を設けたシ
ートに関する提案が多数なされてきた。例えば、非晶質
シリカおよび高分子バインダーからなる塗布層(特開昭
55−51583号公報、同57−157786号公
報、同62−158084号公報)、ゼオライト等のイ
ンク吸着顔料を有する塗布層(特開昭56−14417
2号公報)、微粉ケイ酸および水溶性樹脂からなる塗布
層(特開昭56−148583号公報)、多孔質のカチ
オン性アルミナ水和物を有する塗布層(特開昭60−2
32990号公報)等を支持体上に設ける方法が提案さ
れている。
【0004】また、印字の耐水性改善の観点から、カチ
オン性ポリマー(特開昭56−84992号公報、同6
0−49990号公報、同61−125878号公
報)、塩基性ラテックス(特開昭57−36692号公
報)等をインク受容層に含有させる方法が提案されてい
る。
【0005】さらに、印字の保存性改善の観点から、リ
ンタングステン酸、リンモリブデン酸、塩化第二クロム
等の金属酸化物、金属塩化物またはタンニン酸のうちの
少なくとも一つを添加する方法(特開昭57−8798
7号公報)、ヒンダードフェノール類等の酸化防止剤を
添加する方法(特開昭57−74192号公報)、ヒン
ダードアミン類を添加する方法(特開昭61−1465
91号公報)、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系やフェニルサリチル酸系等の紫外線吸収剤を添加する
方法(特開昭57−74193号公報、同57−879
88号公報、同63−222885号公報)、チオ尿素
系化合物を添加する方法(特開昭61−163886号
公報)、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカ
プトベンズイミダゾール等の特定のメルカプト化合物を
添加する方法(特開昭61−177279)、ジチオカ
ルバミン酸塩、チウラム塩、チオシアン酸エステルまた
はチオシアン酸塩を添加する方法(特開平7−3148
82号公報)等が提案されている。
【0006】しかしながら、これらの技術を用いて形成
されるフルカラーインクジェット記録画像は長期保存中
での変色、とりわけシアンインク用染料としてフタロシ
アニン系染料を用いた場合、その褪色に伴う変色に対し
てはまだまだ不十分であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
クジェット記録用シート上にフルカラーで印字された場
合に、従来のインクジェット記録用シートの欠点であっ
た長期保存での変色、とりわけシアンインク用染料とし
てフタロシアニン系染料を用いた場合、その褪色に伴う
変色を著しく減少させたインクジェット記録用シートに
関するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は下記態様を含
む。 [1]液体インクを用いて記録画像を形成するインクジ
ェット記録用シートにおいて、記録用シート中に一般式
(1)で表わされる化合物および一般式(2)で表わさ
れる化合物から選ばれる少なくとも一種と、一般式
(3)で表されるジアリルアミン系化合物のホモポリマ
ーおよび一般式(3)と共重合可能なエチレン性不飽和
化合物とのコポリマーから選ばれる少なくとも一種を含
有せしめたことを特徴とするインクジェット記録用シー
ト。
【化4】
【化5】
【化6】 〔式中、R、R、Rはそれぞれ、C〜Cのア
ルキル基、C〜Cのヒドロキシアルキル基またはC
〜Cのジヒドロキシアルキル基を、pは1〜3の整
数を、qは1〜6の整数を、r、tはそれぞれ1または
2を示す。R、Rはそれぞれ水素原子またはメチル
基を、Rは水素原子またはC〜Cのアルキル基
を、HXは酸を表す。〕R、Rは水素原子が好まし
い。またRも水素原子が好ましい。
【0009】[2]一般式(1)で表わされる化合物が
1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタンであ
る[1]記載のインクジェット記録用シート。 [3]一般式(2)で表わされる化合物が1,4−ビス
(2−ヒドロキシエチルチオ)ブタンである[1]記載
のインクジェット記録用シート。 [4]インクジェット記録用シート上にキャスト処理し
た光沢層を設けた[1]〜[3]のいずれかに記載のイ
ンクジェット記録用シート。 [5]インクジェット記録用シートがキャスト処理した
インク受容層を有する[1]〜[3]記載のインクジェ
ット記録用シート。 [6]液体インクに用いられるシアン染料がフタロシア
ニン系染料である[1]〜[5]のいずれかに記載のイ
ンクジェット記録用シート。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、水性インク等の液
体インクを用いて記録画像を形成するインクジェット記
録用シートにおいて、該記録用シート中に一般式(1)
で表わされる化合物および一般式(2)で表わされる化
合物から選ばれる少なくとも一種と、一般式(3)で表
されるジアリルアミン系化合物のホモポリマーおよび一
般式(3)と共重合可能なエチレン性不飽和化合物との
コポリマーから選ばれる少なくとも一種を含有させるこ
とにより、インクジェット記録用シート上にフルカラー
で印字された場合に、従来のインクジェット記録用シー
トの欠点であった長期保存中での変色、とりわけシアン
インク用染料としてフタロシアニン系染料を用いた場
合、その褪色に伴う変色を著しく減少させたインクジェ
ット記録用シートが得られることを見出し本発明を完成
するに至った。
【化7】
【化8】
【化9】 〔式中、R、R、Rはそれぞれ、C〜Cのア
ルキル基、C〜Cのヒドロキシアルキル基またはC
〜Cのジヒドロキシアルキル基を、pは1〜3の整
数を、qは1〜6の整数を、r、tはそれぞれ1または
2を示す。R、Rはそれぞれ水素原子またはメチル
基を、Rは水素原子またはC〜Cのアルキル基
を、HXは酸を表す。〕
【0011】一般式(1)で表わされる化合物および一
般式(2)で表わされる化合物の具体例としては、2,
2'−チオジエタノール、2,2'−ジチオジエタノー
ル、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタ
ン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチルジチオ)エタ
ン、2,2'−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ジエ
チルスルフィド、2,2'−ビス(2−ヒドロキシエチ
ルチオ)ジエチルジスルフィド、ビス(2−ヒドロキシ
エチルチオ)メタン、ビス(2−ヒドロキシエチルジチ
オ)メタン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチルチ
オ)プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエチルジ
チオ)プロパン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチル
チオ)ブタン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエチルジ
チオ)ブタン、1,6−ビス(2−ヒドロキシエチルチ
オ)ヘキサン、1,6−ビス(2−ヒドロキシエチルジ
チオ)ヘキサン、エチルチオエタノール、エチルジチオ
エタノール、n−プロピルチオエタノール、イソプロピ
ルチオエタノール、イソプロピルジチオエタノール、n
−ブチルチオエタノール、1−エチルチオ−1−(2−
ヒドロキシエチルチオ)メタン、1−エチルチオ−2−
(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン、1−エチルチオ
−3−(2−ヒドロキシエチルチオ)プロパン、1−エ
チルチオ−4−(2−ヒドロキシエチルチオ)ブタン、
1,1−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルチオ)メ
タン、1,2−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルチ
オ)エタン、1,2−ビス(2,3−ジヒドロキシプロ
ピルチオ)エタン、1,3−ビス(2,3−ジヒドロキ
シプロピルジチオ)プロパン、1,4−ビス(2,3−
ジヒドロキシプロピルチオ)ブタン、1,6−ビス
(2,3−ジヒドロキシプロピルチオ)ヘキサン、1−
エチルチオ−2−(2,3−ジヒドロキシプロピルチ
オ)エタン等が挙げられる。
【0012】これらの化合物のうちでも、1,2−ビス
(2−ヒドロキシエチルチオ)エタン、1,4−ビス
(2−ヒドロキシエチルチオ)ブタンはとりわけ変色防
止効果が高く、かつ安全性も高いため、特に好ましく用
いられる。
【0013】一般式(3)のHXで表される酸は、無機
酸、有機酸のいずれでもよく、無機酸としては、塩酸、
硫酸、硝酸、リン酸、ピロリン酸、メタリン酸等が、有
機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、メタンスル
ホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。これ
らの酸のうちでも、塩酸、硫酸は特に変色防止に効果的
であり、好んで用いられる。
【0014】一般式(3)で表されるジアリルアミン系
化合物のホモポリマーおよびコポリマーとしては、例え
ば、ポリジアリルアミン塩酸塩、ポリジアリルアミン硫
酸塩、ポリジアリルアミンのリン酸塩、ポリジアリルア
ミンの酢酸塩、ポリジアリルアミンのプロピオン酸塩、
ポリジアリルアミンのメタンスルホン酸塩、ポリジアリ
ルメチルアミン塩酸塩、ポリジアリルメチルアミン硫酸
塩、ポリジアリルエチルアミン塩酸塩、ポリジアリルエ
チルアミン硫酸塩、ポリジアリル−n−プロピルアミン
塩酸塩、ポリジアリル−n−ブチルアミン塩酸塩、ポリ
(ジ−2−メチルアリルアミン塩酸塩)、ポリ(ジ−2
−メチルアリルアミン硫酸塩)、ジアリルアミン塩酸塩
・アクリルアミド共重合体、ジアリルアミン硫酸塩・ア
クリルアミド共重合体、ジアリルアミンのリン酸塩・ア
クリルアミド共重合体、ジアリルメチルアミン塩酸塩・
アクリルアミド共重合体、ジアリルメチルアミン硫酸塩
・アクリルアミド共重合体、ジアリルメチルアミンのリ
ン酸塩・アクリルアミド共重合体、ジアリルエチルアミ
ン塩酸塩・アクリルアミド共重合体、ジアリルアミン塩
酸塩・二酸化イオウ共重合体、ジアリルアミン硫酸塩・
二酸化イオウ共重合体、ジアリルメチルアミン塩酸塩・
二酸化イオウ共重合体、ジアリルエチルアミン塩酸塩・
二酸化イオウ共重合体等が挙げられる。R4、は水
素原子が好ましい。Rも水素原子が好ましい。これら
を用いることにより耐水性が向上するだけでなく、変色
防止に相乗効果がある。
【0015】フルカラーインクジェット記録画像が長期
保存中で変色、とりわけシアンインク用染料としてフタ
ロシアニン系染料を用いた場合、その褪色に伴う変色が
著しい要因は、フタロシアニン骨格を有するシアン染料
が、空気中のガス、とりわけオゾンのような酸化力の強
いガスにより容易に、かつ選択的に酸化されるためと考
えられる。
【0016】今回、見出した一般式(1)で表わされる
化合物および一般式(2)で表される化合物が、とりわ
け変色防止に効果的であった理由は明らかではないが、
一般式(1)で表わされる化合物および一般式(2)で
表される化合物自体がオゾンのような酸化力の強いガス
により酸化されやすいため、シアン染料が酸化される前
に酸化され、結果的にシアン染料の酸化を防止するもの
と考えられる。
【0017】また、一般式(1)で表わされる化合物お
よび一般式(2)で表わされる化合物が酸化されて生じ
る化合物は無色のため、地肌が黄変する等の問題点を生
じないことも大きな特徴である。
【0018】前記一般式(1)で表わされる化合物およ
び一般式(2)で表される化合物のインクジェット記録
用シート中の含有量としては、0.1〜4g/m
度、好ましくは0.2〜2g/m程度である。因み
に、0.1g/mより少ないと保存性改善効果が不十
分で印字耐水性、印字濃度等の向上効果も十分得られな
い恐れがあり、また4g/mより多いと画質の低下を
招く恐れがある。一般式(3)で表される化合物のホモ
ポリマーおよびコポリマーの含有量は、一般に顔料10
0重量部に対して1〜100重量部、 好ましくは5〜
50重量部の範囲で調節される。配合量が少ないと印字
耐水性、印字濃度等の向上効果が得られにくく、多いと
逆に印字濃度が低下したり、画像のにじみが発生しやす
い。
【0019】前記一般式(1)で表わされる化合物およ
び一般式(2)で表される化合物と一般式(3)で表さ
れる化合物のホモポリマーあるいはコポリマーを含むイ
ンクジェット記録用シートの作成方法としては、例えば
抄紙工程中でサイズプレス等によって特定の化合物を含
む塗液を原紙に塗布または含浸させる方法、インク吸収
性顔料、接着剤、特定の化合物を混合して得たインク受
容層用塗液を、紙(酸性紙、中性紙)、合成紙、プラス
チックフィルム、不織布等の支持体に塗工機を用いて塗
布乾燥してインク受容層を形成する方法、顔料、接着
剤、さらには特定のポリマーからなるインク受容層上に
特定の化合物を含む塗液を塗布する方法等が挙げられ
る。
【0020】なかでも、インク受容層中に前記特定の化
合物を含有させる方法は、画像の変色防止により効果的
であるため好ましい。
【0021】前記一般式(1)で表わされる化合物およ
び一般式(2)で表される化合物が水溶性の場合には、
水溶液をインク受容層用塗液中に添加あるいはインク受
容層上に塗工して用いる。一方、水への溶解性が低い場
合には、水を分散媒体とし、ボールミル、アトライタ
ー、サンドミル、コロイドミル等の撹拌・粉砕機により
微粉砕した後用いる。
【0022】インクジェット記録用紙の支持体として
は、紙(酸性紙、中性紙)、合成紙、プラスチックフィ
ルム、不織布あるいはプラスチックフィルムをコート紙
や上質紙等と接着剤を介して貼合せたもの、または紙に
プラスチックをラミネートしたもの等が使用される。か
かるプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエス
テル、ポリプロピレン、ナイロン等のフィルムが挙げら
れる。
【0023】インク受理層中に含有せしめる顔料として
は、例えばゼオライト、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、
硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、ケイ酸アルミニ
ウム、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシ
ウム、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、
アルミナ水和物、リトポン、尿素−ホルマリン樹脂フィ
ラー等が挙げられる。これらは単独または二種以上を混
合して用いられる。
【0024】これらのなかでも、非晶質シリカ、アルミ
ナおよびアルミナ水和物は、インク吸収性に優れている
ため、好ましく用いられる。
【0025】インク受容層中の顔料の使用量としては、
インク受容層の固形分に対して20〜90重量%程度、
好ましくは30〜80重量%程度である。なお、90重
量%を越えるとインク受容層の塗膜強度が低下し、また
20重量%未満になるとインクの吸収性が低下し、記録
後のインク乾燥性が不充分となり画質が低下する恐れが
ある。
【0026】本発明において、さらにカチオン性ポリマ
ーとして、水に溶解あるいは乳化したときに解離してカ
チオン性を呈するポリマーを併用することも可能であ
る。このようなカチオン性ポリマーとしては、例えば、
ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリ
ルジメチルアンモニウムクロライド・アクリルアミド共
重合体、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・二
酸化イオウ共重合体、ポリアリルアミン塩酸塩、アリル
アミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩共重合体、N−ビ
ニルアクリルアミジン塩酸塩・アクリルアミド共重合
体、ジアルキルアミン・エピクロロヒドリン付加重合
物、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン重合物、
ジシアンジアミド・ホルマリン重縮合物、ポリエチレン
ポリアミン・ジシアンジアミド重縮合物、ポリエチレン
イミン塩酸塩、ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキ
ルジアルキルアミン塩酸塩、(メタ)アクリロイルオキ
シアルキルジアルキルアミン塩酸塩・アクリルアミド共
重合体、ポリ(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリ
アルキルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリロイ
ルオキシアルキルトリアルキルアンモニウムクロライド
・アクリルアミド共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミ
ドアルキルジアルキルアミン塩酸塩、(メタ)アクリル
アミドアルキルジアルキルアミン塩酸塩・アクリルアミ
ド共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミドアルキルトリ
アルキルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルア
ミドアルキルトリアルキルアンモニウムクロライド・ア
クリルアミド共重合体等が挙げられる。
【0027】インク受容層には、接着剤として、例えば
酸化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉誘導体、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセ
ルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、
完全(部分)ケン化ポリビニルアルコール、ケイ素変性
ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニ
ルアルコール、スチレン−無水マレイン酸共重合体の
塩、スチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリル系ラ
テックス、ポリエステルポリウレタン系ラテックス、酢
酸ビニル系ラテックス等の水性接着剤、或いはポリメチ
ルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエス
テル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビ
ニルブチラール、アルキッド樹脂等の有機溶剤可溶性樹
脂が、単独あるいは複数を混合して用いられる。これら
の接着剤は、一般に顔料100質量部に対して1〜20
0質量部程度、好ましくは10〜100質量部程度の範
囲で使用される。
【0028】更に、インク受容層中には、顔料分散剤、
増粘剤、架橋剤、流動性変性剤、消泡剤、抑泡剤、離型
剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白
剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤等を適宜添加すること
もできる。
【0029】インク受容層は、インク受容層用塗液をバ
ーコーター、ブレードコーター、エアナイフコーター、
グラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター等
の塗工方式で支持体上の少なくとも片面に乾燥後の塗布
量が2〜30g/m程度となるように塗布乾燥して形
成される。因みに、塗布量が2g/mより少ないと記
録画質が低下する恐れがあり、また30g/mより多
いと塗膜強度が低下する恐れがある。
【0030】インク受容層形成後、高光沢を付与する等
の目的のために例えばスーパーカレンダー、グロスカレ
ンダーなどで加圧下のロールニップ間を通して表面の平
滑性を与えることも可能である。
【0031】上述したインク受容層上にさらに光沢層を
設けることができる。この光沢層は、樹脂を主成分とす
ることができる。また顔料および樹脂を含有させて構成
することもできる。光沢層はインクを速やかに通過また
は吸収できるよう、光沢を阻害しない範囲で多孔性もし
くは通液性にするのが好ましい。このようにするために
は、顔料を配合するか、光沢を落とさない範囲で、樹脂
が完全に成膜しないような乾燥条件を選択すると良い。
【0032】光沢層に用いる顔料は、インク受容層に用
いたものと同様のものが挙げられるが、光沢、透明性、
インク吸収性の点で、コロイダルシリカ、非晶質シリ
カ、酸化アルミニウム、アルミノシリケート、ゼオライ
ト、合成スメクタイト等が好ましい。これらの顔料は光
沢層中に10〜80重量%含まれることが望ましい。顔
料のBET式比表面積が大きいほど、インクの吸収性に
優れるため、150m2/g以上が好ましい。顔料の平
均粒子径は、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜
1μmのものがより好ましい。粒子径が0.01μm未
満になると、インク吸収性の改良効果に乏しく、5μm
を超えると、光沢や印字濃度の低下が起こる恐れがあ
る。顔料として一次粒子の平均粒子径が3nm以上40
nm以下で、二次粒子の平均粒子径が10nm以上50
0nm以下であるシリカ微細粒子を使用すると、光沢、
インクの吸収性に特に優れたものとなる。光沢層が顔料
を主成分(10〜80%)として形成する場合、インク
の吸収性が特に好ましい。
【0033】この場合、光沢層がインク吸収性および透
明性に優れるため、光沢層にカチオン性化合物を配合す
ると、インク染料が効率よく光沢層に定着し、光沢層の
透明性とあいまって印字濃度の極めて優れたものとなり
易い。光沢層の樹脂としては、水溶性樹脂(例えばポリ
ビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコー
ル、シリル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルア
ルコール類、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白質類、でん
ぷん、カルボキシルメチルセルロースやメチルセルロー
ス等のセルロース誘導体)、スチレン−ブタジエン共重
合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の
共役ジエン系重合体ラテックス、スチレン−酢酸ビニル
共重合体等のビニル系共重合体ラテックス等の水分散性
樹脂、水性アクリル樹脂、水性ポリウレタン樹脂、水性
ポリエステル樹脂等、その他一般に塗工紙分野で公知公
用の各種樹脂(接着剤)が単独あるいは併用して使用さ
れる。
【0034】なお、樹脂を主体に光沢層を形成する場
合、特にエチレン性不飽和結合を有するモノマー(以下
エチレン性モノマーという)を重合させてなる重合体あ
るいは共重合体(以下一括して重合体と称する)を主成
分として構成されるのが好ましい。さらに、これら重合
体の置換誘導体でも良い。また、上記のエチレン性モノ
マーをコロイダルシリカの存在下で重合させ、Si−O
−R(R:重合体成分)結合によって複合体になった
形、あるいは上記重合体にSiOH基等のコロイダルシ
リカと反応するような官能基を導入しておき、コロイダ
ルシリカと反応させて複合体になった形で使用すること
も可能である。この複合体を使用した場合、光沢、イン
ク吸収性に優れたものとなりやすい。
【0035】更に加熱鏡面ドラムを用いるキャスト方式
で光沢層を得る態様では、 上記の重合体は、そのガラ
ス転移点が40℃以上のものが好ましく、50〜100
℃の範囲であるものがより望ましい。ガラス転移点が低
いと乾燥の際に成膜が進みすぎ、表面の多孔性が低下す
る結果、インクの吸収速度が低下するおそれが生じる。
また、乾燥温度が重要であり、乾燥温度が高すぎると成
膜が進みすぎ、表面の多孔性が低下する結果、インクの
吸収速度が低下し、逆に乾燥温度が低すぎると、光沢に
乏しくなる傾向が有り、生産性も低下する。光沢層では
キャスト方式を用いることもできる。この態様では、キ
ャストドラムからの離型性に優れたものとなり易い。複
合体粒子は特に限定しないが、例えば平均粒径が20〜
200nm程度である。
【0036】ウェット法は、基紙上に塗工した光沢発現
層が湿潤状態にあるうちに該光沢発現層を加熱された鏡
面ドラム面に圧接して強光沢仕上げを行うものである。
ゲル化法は、基紙上に塗工した光沢発現層が湿潤状態に
あるうちにこの光沢発現層をゲル化剤浴に接触させ、ゲ
ル化状態にした光沢発現層を加熱ドラム面に圧接して強
光沢仕上げを行うものである。リウェット法は、湿潤状
態の光沢発現層を一旦乾燥してから再度湿潤液に接触さ
せた後、加熱ドラム面に圧接して強光沢仕上げを行うも
のである。
【0037】光沢層用塗工組成物中には白色度、粘度、
流動性等を調節するために、一般の印刷用塗工紙やイン
クジェット用紙に使用されている顔料、消泡剤、着色
剤、帯電防止剤、防腐剤及び分散剤、増粘剤等の各種助
剤が適宜添加される。また、前記のカチオン樹脂等のカ
チオン化合物を配合し、光沢層にもインク染料定着性を
付与させることが可能である。光沢層の塗工量は、乾燥
固形分で0.2〜30g/m2 、好ましくは、1〜20
g/m2である。ここで、0.2g/m2未満では光沢が
十分に出ない場合があり、30g/m2を越えて多いと
インク乾燥性が劣ったり、記録濃度が低下する恐れがあ
る。
【0038】また、支持体の裏面に保護層を設けたり、
支持体とインク受容層の間に中間層を設けることももち
ろん可能で、インクジェット記録用シート製造分野にお
ける各種の公知技術が付加し得るものである。
【0039】記録画像を形成するための水性インクと
は、着色剤および液媒体、その他の添加剤からなる記録
液体である。着色剤としては直接染料、酸性染料、反応
性染料等の各種水溶性染料が挙げられる。また、水性イ
ンク等の液媒体としては、水単独、あるいは水および水
溶性有機溶剤の併用がある。水溶性有機溶剤としては、
例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール等の
一価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、グリセリン等の多価
アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多
価アルコールの低級アルキルエーテル等が挙げられる。
さらに添加剤としては、例えばpH調整剤、金属封鎖
剤、防ばい剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、界面活性
剤、および防錆剤等が挙げられる。
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、もちろんこれらに限定されるものではな
い。なお、例中の「部」および「%」は、特に断わらな
い限りそれぞれ重量部および重量%を示す。 実施例1
【0041】(インク受容層用塗液Aの調整)合成非晶
質シリカ(商品名:ファインシールX60、(株)トクヤ
マ製)100部、ケイ素変性ポリビニルアルコール(商
品名:R1130、(株)クラレ製)の10%水溶液25
0部、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルアミド共重合体
(商品名:スミレーズレジン 1001、住友化学(株)
製)の40%水溶液75部、1,2−ビス(2−ヒドロ
キシエチルチオ)エタンの5%水溶液 200部および
少量の消泡剤、分散剤および水からなる固形分濃度15
%のインク受容層用塗液Aを得た。
【0042】(インクジェット記録用シートの作成)6
5g/mの上質紙上にインク受容層用塗液Aを固形分
で12g/mとなるようにワイヤーバーにて塗布乾燥
してインク受理層を設けた後、スーパーキャレンダー処
理してインクジェット記録用シートを作成した。
【0043】実施例2〜10 実施例1において、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチ
ルチオ)エタンの代わりに、以下の化合物を用いた以外
は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シート
を作成した。 実施例2:1,4−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)
ブタン 実施例3:2,2'−チオジエタノール 実施例4:2,2'−ジチオジエタノール 実施例5:ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)メタン 実施例6:1,6−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)
ヘキサン 実施例7:エチルチオエタノール 実施例8:イソプロピルチオエタノール 実施例9:1−エチルチオ−2−(2−ヒドロキシエチ
ルチオ)エタン 実施例10:1,2−ビス(2,3−ジヒドロキシプロ
ピルチオ)エタン
【0044】実施例11〜12 実施例1において、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルア
ミド共重合体(商品名:スミレーズレジン1001、住
友化学(株)製)の代わりに、以下の化合物を用いた以
外は、実施例1と同様にしてインクジェット記録用シー
トを作成した。 実施例11:ジアリルアミン塩酸塩・二酸化イオウ共重
合体(商品名:PAS−92、日東紡績(株)製) 実施例12:ポリジアリルメチルアミン塩酸塩(商品
名:PAS−M−1、日東紡績(株)製)
【0045】実施例13 (インク受容層用塗液Bの調整)合成非晶質シリカ(商
品名:ファインシールX60、(株)トクヤマ製)100
部、ケイ素変性ポリビニルアルコール(商品名:R11
30、(株)クラレ製)の10%水溶液250部、ジアリ
ルアミン塩酸塩・アクリルアミド共重合体(商品名:ス
ミレーズレジン 1001、住友化学(株)製)の40%
水溶液75部および少量の消泡剤、分散剤および水から
なる固形分濃度15%のインク受容層用塗液Bを得た。
【0046】(インクジェット記録用シートの作成)6
5g/mの上質紙上にインク受容層用塗液Bを固形分
で12g/mとなるようにワイヤーバーにて塗布乾燥
しインク受理層を設けた後、さらに1,2−ビス(2−
ヒドロキシエチルチオ)エタンの5%水溶液を固形分で
1.0g/m となるようにワイヤーバーにて塗布乾燥
し、スーパーキャレンダー処理してインクジェット記録
用シートを作成した。
【0047】実施例14 (光沢発現層用塗液Cの調整)ガラス転移点75℃のス
チレン−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体とコ
ロイダルシリカの複合体(共重合体とコロイダルシリカ
は、重量比で40:60)100部、増粘・分散剤とし
てアルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重合体
5部、離型剤としてレシチン3部よりなる固形分濃度3
0%の光沢発現層用塗液を得た。 (インクジェット記録用シートの作成)65g/m
上質紙上に実施例1のインク受容層用塗液Aを固形分で
12g/mとなるようにワイヤーバーにて塗布乾燥し
てインク受理層を設けた後、光沢発現層用塗液Cを塗工
した後、ただちに表面温度が85℃の鏡面ドラムに圧接
し、乾燥後離型させ、光沢層を有する光沢タイプのイン
クジェット記録用シートを作成した。このときの光沢層
の塗工量は固形分で8g/mであった。
【0048】実施例15 (光沢発現層用塗液Dの調整)ガラス転移点75℃のス
チレン−2−エチルヘキシルアクリレート共重合体とコ
ロイダルシリカの複合体(共重合体とコロイダルシリカ
は、重量比で40:60)100部、1,2−ビス(2
−ヒドロキシエチルチオ)エタン10部、増粘・分散剤
としてアルキルビニルエーテル・マレイン酸誘導体共重
合体5部、離型剤としてレシチン3部よりなる固形分濃
度30%の光沢発現層用塗液を得た。 (インクジェット記録用シートの作成)65g/m
上質紙上に実施例1のインク受容層用塗液Aを固形分で
12g/mとなるようにワイヤーバーにて塗布乾燥し
てインク受理層を設けた後、光沢発現層用塗液Dを塗工
した後、ただちに表面温度が85℃の鏡面ドラムに圧接
し、乾燥後離型させ、光沢層を有する光沢タイプのイン
クジェット記録用シートを作成した。このときの光沢層
の塗工量は固形分で8g/mであった。
【0049】比較例1 実施例1において、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチ
ルチオ)エタンを用いなかった以外は、実施例1と同様
にしてインクジェット記録用シートを作成した。
【0050】比較例2 実施例1において、1,2−ビス(2−ヒドロキシエチ
ルチオ)エタンの5%水溶液200部の代わりに、以下
のようにして得られた3,3'−チオジプロピオン酸ジ
ラウリルの20%分散液50部を用いた以外は、実施例
1と同様にしてインクジェット記録用シートを作成し
た。 (3,3'−チオジプロピオン酸ジラウリル分散液の調
製)3,3'−チオジプロピオン酸ジラウリル100
部、スルホン基変性ポリビニルアルコール(商品名:ゴ
ーセランL−3266、日本合成化学(株)製)5部、少
量の界面活性剤、消泡剤よび水からなる固形分濃度20
%の組成物をサンドグラインダーで平均粒子径が0.5
μmとなるまで粉砕し、分散液を得た。
【0051】比較例3 比較例2において、3,3'−チオジプロピオン酸ジラ
ウリルの代わりに、2,6−ジ−tert−ブチル−p
−クレゾールを用いた以外は、比較例2と同様にしてイ
ンクジェット記録用シートを作成した。
【0052】比較例4 実施例1において、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルア
ミド共重合物(商品名:スミレーズレジン 1001、
住友化学(株)製)の代わりに、ポリジアリルジメチルア
ンモニウムクロライド(商品名:ユニセンスCP−10
3、センカ(株)製)を用いた以外は、実施例1と同様に
してインクジェット記録用シートを作成した。
【0053】比較例5 実施例1において、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルア
ミド共重合物(商品名:スミレーズレジン 1001、
住友化学(株)製)の代わりに、ポリエチレンポリアミン
・ジシアンジアミド重縮合物(商品名:ネオフィックス
RP−70、日華化学(株)製)を用いた以外は、実施例
1と同様にしてインクジェット記録用シートを作成し
た。
【0054】比較例6 実施例14において、1,2−ビス(2−ヒドロキシエ
チルチオ)エタンを用いなかった以外は、実施例14と
同様にしてインクジェット記録用シートを作成した。
【0055】実施例および比較例で得たインクジェット
記録用シートについて、エプソンインクジェットプリン
ターPM−800Cを用いて、シアン、マゼンタ、イエ
ロー混色によるミックスブラックおよびシアンインクの
ベタ印字およびISO−400の画像(「高精細カラー
ディジタル標準画像データISO/JIS−SCI
D」、p13、画像名称:ポートレート、財団法人日本
企画協会発行)を印字し、以下の評価を行い、結果を表
1に示した。なお、PM−800Cには、シアン染料と
してフタロシアニン系染料が使用されている。
【0056】〔印字濃度〕シアン、マゼンタ、イエロー
混色によるミックスブラックおよびシアンインクのベタ
印字部の濃度をマクベス濃度計(形式:RD−914、
マクベス製)を用いて測定した。
【0057】〔画質〕ISO−400の画像を目視で観
察し、その画質を評価した。 (評価基準) ◎ :非常に優れている ○ :優れている × :劣っている
【0058】〔耐オゾン性〕長期保存性との相関の高い
耐オゾン性を評価した。シアン、マゼンタ、イエロー混
色によるミックスブラックおよびシアンインクのベタ印
字およびISO−400の画像を、オゾン濃度 10p
pmの容器に12時間放置した。ベタ印字の場合には試
験後のマクベス濃度を測定し、次の式により画像残存率
を算出した。一方、画像の場合には目視により変色の度
合いを観察し、評価した。 画像残存率(%)=〔(処理後の濃度)/(処理前の濃
度)〕×100 (評価基準) ◎ :変褪色がみられない ○ :変褪色がややみられるものの、実用上問題なし × :変褪色が著しく、実用上問題あり
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明のイン
クジェット記録用シートは、画像の印字濃度が高く、画
質にも優れ、かつオゾンガスに暴露された場合でも画像
の変褪色が非常に少なく、長期保存性に優れた記録用シ
ートであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA13 FC06 2H086 BA12 BA15 BA37 BA38 BA56 4J038 CG171 CR071 DK001 GA03 JC02 4J100 AN14P CA01 CA04 JA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液体インクを用いて記録画像を形成するイ
    ンクジェット記録用シートにおいて、記録用シート中に
    一般式(1)で表わされる化合物および一般式(2)で
    表わされる化合物から選ばれる少なくとも一種と、一般
    式(3)で表されるジアリルアミン系化合物のホモポリ
    マーおよび一般式(3)と共重合可能なエチレン性不飽
    和化合物とのコポリマーから選ばれる少なくとも一種を
    含有せしめたことを特徴とするインクジェット記録用シ
    ート。 【化1】 【化2】 【化3】 〔式中、R、R、Rはそれぞれ、C〜Cのア
    ルキル基、C〜Cのヒドロキシアルキル基またはC
    〜Cのジヒドロキシアルキル基を、pは1〜3の整
    数を、qは1〜6の整数を、r、tはそれぞれ1または
    2を示す。R、Rはそれぞれ水素原子またはメチル
    基を、Rは水素原子またはC〜Cのアルキル基
    を、HXは酸を表す。〕
  2. 【請求項2】一般式(1)で表わされる化合物が1,2
    −ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)エタンである請求
    項1記載のインクジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】一般式(2)で表わされる化合物が1,4
    −ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ブタンである請求
    項1記載のインクジェット記録用シート。
  4. 【請求項4】インクジェット記録用シート上にキャスト
    処理した光沢層を設けた請求項1〜3のいずれかに記載
    のインクジェット記録用シート。
  5. 【請求項5】インクジェット記録用シートがキャスト処
    理したインク受容層を有する請求項1〜3記載のインク
    ジェット記録用シート。
  6. 【請求項6】液体インクに用いられるシアン染料がフタ
    ロシアニン系染料である請求項1〜5のいずれかに記載
    のインクジェット記録用シート。
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