JPH1031553A - ペン型入力装置 - Google Patents

ペン型入力装置

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JPH1031553A
JPH1031553A JP20275796A JP20275796A JPH1031553A JP H1031553 A JPH1031553 A JP H1031553A JP 20275796 A JP20275796 A JP 20275796A JP 20275796 A JP20275796 A JP 20275796A JP H1031553 A JPH1031553 A JP H1031553A
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pen
axis
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tilt angle
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Takao Inoue
隆夫 井上
Mitsuru Shingyouchi
充 新行内
Yasuhiro Sato
康弘 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】装置の傾斜のため筆記入力の検出結果が不正確
になる場合があった。そこで、装置の傾斜を正確に検出
して正確な筆記検出を行う。 【解決手段】静止状態判定部47は加速度センサ2が検
出した加速度の合成ベクトルと重力加速度との大きさの
差から静止状態を判定し、初期傾斜角演算部45で加速
度センサ2が検出した加速度を基にペン軸の初期傾斜角
を演算する。傾斜角変化演算部46はジャイロ3が検出
した回転角速度を基にペン軸の傾斜角変化を演算し、筆
記中傾斜角演算部48でこれらの値を基に筆記中のペン
軸の傾斜角を演算する。座標変換演算部49で筆記中の
ペン軸の傾斜角を基に加速度センサ2が検出した加速度
の座標系を重力座標系に変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は図形及び文字を入
力するペン型入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンピュータ装置等の入力装置としては
キーボード、マウス、デジタイザ、ライトペン及びタブ
レット等が用いられている。コンピュータ装置の小型化
に伴い、携帯端末装置のニーズが高まり利用者も年々増
加している。そこで、小型の入力装置が求められるよう
になった。
【0003】キーボードの小型化にはヒューマンインタ
ーフェイスの点で限界があり、携帯端末装置の入力装置
としては実用性が低い。また、マウスはポインティング
デバイスとしては小型化が可能であるが、図形及び文字
等の入力には適さない。
【0004】このため、例えば特開平6-67799号公報に
掲載されたペン型のコンピュータ入力装置、特開平7-8
4716号公報に掲載されたデータ入力装置、特開平7-200
127号公報に掲載された手書き入力装置及び特開平6-23
0886号公報に掲載されたペンシル型入力装置のようなタ
ブレットレスの入力装置が開発された。
【0005】特開平6-67799号公報に掲載されたペン型
のコンピュータ入力装置は加速度センサで移動方向と移
動距離を調べ、圧電振動ジャイロで加速度センサが検出
した移動方向及び移動距離のペン型のコンピュータ入力
装置のローテーションによる影響を補正している。さら
に、特開平7-84716号公報に掲載されたデータ入力装置
は互いに直角に配置された振動ジャイロからの極性及び
振幅を示す信号を基に装置の移動方向及び移動距離を検
出している。さらに、特開平7-200127号公報に掲載さ
れた手書き入力装置は2個の加速度センサからの信号を
基に装置の移動方向及び移動距離を求めている。さら
に、特開平6-230886号公報に掲載されたペンシル型入
力装置は2組の加速度センサをペン軸上の異なった位置
に設け、この2組の加速度センサからの出力を基に加速
度センサの取り付け位置による影響を補正したペン先部
の移動方向及び移動距離を求めている。
【0006】また、ペン型入力装置に関するものでな
く、例えばゲーム機に利用されているものであるが、特
開平7-294240号公報に掲載された位置センサは、X軸
方向,Y軸方向及びZ軸方向の加速度を検出する加速度
センサとX軸周り,Y軸周り及びZ軸周りの角速度を検
出するジャイロを備え、これらが検出した加速度及び角
速度基にストラップダウン方式の演算を行って、頭部の
移動速度、位置、姿勢及び向きを検出している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6-67799号公報に掲載されたペン型のコンピュータ入力
装置では、装置のローテーションによる影響を補正する
もので、装置がダイナミックな傾斜を伴う場合には補正
することができない。通常の筆記動作では装置のダイナ
ミックな傾斜を伴うので、検出結果が不正確になる場合
がある。
【0008】さらに、特開平7-84716号公報に掲載され
たデータ入力装置は手首の回転動作を検出して移動方向
及び移動距離を入力するものなので、図形等の入力には
適さない。
【0009】さらに、特開平7-200127号公報に掲載さ
れた手書き入力装置では、装置の傾斜及び回転に対する
補正手段がないため、検出結果が不正確になる場合があ
る。
【0010】さらに、特開平6-230886号公報に掲載さ
れたペンシル型入力装置は加速度センサが検出した加速
度に装置の回転角に対する成分が含まれていることを考
慮していないため移動距離の検出誤差が大きくなる場合
がある。
【0011】また、特開平7-294240号公報に掲載され
た位置センサは、頭部の移動速度、位置、姿勢及び向き
を空間的に検出するものなので、複雑な演算処理を採用
しているが、ペン型入力装置では装置の小型化が要求さ
れているため、簡単な演算処理で正確に被筆記面上の移
動方向及び移動距離を検出しなければならない。
【0012】この発明はかかる短所を解消するためにな
されたものであり、筆記入力を簡単な構成で正確に検出
することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係るペン型入
力装置は、3個の加速度センサが出力したペン軸をZs
軸としたペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)のXs軸方
向,Ys軸方向及びZs軸方向の加速度信号を基にペン
軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度の合成ベ
クトルを算出し、算出した合成ベクトルの大きさと重力
加速度の大きさとを比較し、その差が予め定めた値以内
のときを静止状態と判定し、静止状態と判定していると
きに3個の加速度センサが検出した加速度を基に重力座
標系(Xg,Yg,Zg)におけるペン軸の初期傾斜角
を演算して静止状態におけるペン軸の初期傾斜角の検出
誤差を一定範囲内に抑え、3個のジャイロが出力したX
s軸周り,Ys軸周り及びZs軸周りの回転角速度信号
を基にペン軸の初期傾斜角からの傾斜角の変化を演算
し、初期傾斜角と初期傾斜角からの傾斜角の変化を基に
筆記中のペン軸の重力座標系(Xg,Yg,Zg)にお
ける傾斜角を演算し、演算した筆記中のペン軸の重力座
標系(Xg,Yg,Zg)における傾斜角を基に3個の
加速度センサが検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Z
s)における加速度を重力座標系(Xg,Yg,Zg)
による加速度に変換し、変換した重力座標系(Xg,Y
g,Zg)による加速度を基にペン先部の移動方向及び
移動距離を算出する。
【0014】また、ペン型入力装置は、座標変換後の重
力座標系(Xg,Yg,Zg)の加速度のZg軸方向の
成分と重力加速度とを比較し、その差が予め定めた値以
内のときを静止状態と判定し、静止状態と判定している
ときに3個の加速度センサが検出した加速度を基に重力
座標系(Xg,Yg,Zg)におけるペン軸の初期傾斜
角を演算し、3個のジャイロが検出した回転角速度を基
にペン軸の初期傾斜角からの傾斜角の変化を演算し、演
算した初期傾斜角と初期傾斜角からの傾斜角の変化を基
に筆記中のペン軸の重力座標系(Xg,Yg,Zg)に
おける傾斜角を演算して、静止状態における誤差を一定
範囲内に抑え、ペン先部の移動方向及び移動量の正確な
検出を行うとともに、演算量を減らし静止状態判定に要
する時間を短縮する。
【0015】さらに、予め定めた期間内にペン軸の初期
傾斜角の演算を完了しなかったときは入力を無効とし、
その旨をユーザに知らせ、センサドリフト等の影響を少
なくするとともに、入力を無効とすることをユーザが知
らずに入力を続けて、入力エラーを起こすことを防止す
る。
【0016】さらに、ペン軸の初期傾斜角の演算指示を
入力すると静止状態か否かを判定し、静止状態であれば
ペン軸の初期傾斜角を演算して、ユーザの要求により初
期傾斜角をリセットする。
【0017】さらに、Xg軸方向及びYg軸方向の加速
度が予め定めた閾値以下になったときに、3個の加速度
センサが検出した加速度を基にペン軸座標系(Xs,Y
s,Zs)における加速度の合成ベクトルを算出し、算
出した合成ベクトルの大きさと重力加速度の大きさとを
比較し、その差が予め定めた値以内のときを静止状態と
判定し、静止状態と判定しているときに3個の加速度セ
ンサが検出した加速度を基に再度重力座標系(Xg,Y
g,Zg)におけるペン軸の初期傾斜角を演算して、ペ
ン軸の初期傾斜角を校正することによりさらに正確に静
止状態を判定する。
【0018】さらに、3個の加速度センサが検出した加
速度を記憶し、記憶した加速度を基に静止状態の判定及
びペン軸の初期傾斜角の演算を行って、確実に静止状態
の判定を行った加速度と同一の加速度を基にペン軸の初
期傾斜角の演算を行う。
【0019】さらに、重力座標系(Xg,Yg,Zg)
におけるXg軸方向の加速度が予め定めた閾値以下とな
り、かつ、Yg軸方向の加速度も予め定めた閾値以下と
なる場合にのみ静止状態と判定して、静止状態か否かの
判定を迅速に行う。
【0020】さらに、筆記中に重力座標系(Xg,Y
g,Zg)におけるZg軸方向の加速度と重力加速度と
の差が予め定めた値より大きくなると、静止状態か否か
の判定を行い、誤差が大きくなる前に校正をするように
する。
【0021】さらに、筆記中に重力座標系(Xg,Y
g,Zg)におけるZg軸方向の加速度が予め定めた値
以上になると入力データを無効としその旨を通知して、
誤差が大きくなることを防止する。
【0022】さらに、静止状態と判定した後校正対象時
点までに3個のジャイロが検出した回転角速度を積分し
てペン軸の重力座標系(Xg,Yg,Zg)における傾
斜角の変化を演算し、求めた傾斜角と静止状態と判定し
ているときに演算した重力座標系(Xg,Yg,Zg)
におけるペン軸の初期傾斜角を比較し、その差を基に校
正対象時点のペン軸の傾斜角を補正し、補正後の傾斜角
を基に校正対象時点に3個の加速度センサが検出したペ
ン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度を重力
座標系(Xg,Yg,Zg)による加速度に再度変換し
て、加速度を校正し入力誤差を少なくする。
【0023】また、静止状態と判定した後校正対象時点
までに3個の加速度センサが検出した加速度の重力座標
系(Xg,Yg,Zg)における変化分と校正対象時点
の重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度とを
基にペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度
のオフセット値を求め、求めたオフセット値を基に校正
対象時点における重力座標系における加速度を校正し
て、入力誤差を少なくする。
【0024】さらに、静止状態と判定してから次に静止
状態と判定するまでの3個の加速度センサが検出した加
速度と3個のジャイロが検出した回転角速度を記憶し
て、記憶した加速度と回転角速度を基に重力座標系(X
g,Yg,Zg)における加速度を校正して、前回静止
状態と判定したときに遡って加速度を補正する。
【0025】さらに、静止状態と判定すると、加速度セ
ンサ及びジャイロによるサンプリングの周期を短くし
て、屈曲点における高周波数成分を検出し再現性を向上
する。
【0026】さらに、静止状態及び静止状態に近づいた
ことを判定すると加速度センサ及びジャイロによるサン
プリングの周期を短くして、3個の加速度センサが検出
した加速度と3個のジャイロが検出した回転角速度を記
憶して、屈曲点前後及び屈曲点における高周波数成分を
検出し再現性を向上する。
【0027】
【発明の実施の形態】この発明のペン型入力装置は、ペ
ン軸をZs軸としたペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)
のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸方向の加速度を基
に重力加速度方向に伸びる軸をZg軸とした重力座標系
(Xg,Yg,Zg)におけるペン軸の初期傾斜角を求
め、Xs軸周り,Ys軸周り及びZs軸周りの回転角速
度を基に初期傾斜角からの傾斜角の変化を求め、ペン軸
の初期傾斜角とペン軸の初期傾斜角からの傾斜角の変化
を基に筆記中のペン軸の傾斜角を演算し、演算した筆記
中のペン軸の重力座標系(Xg,Yg,Zg)における
傾斜角を基にペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)におけ
る加速度を重力座標系(Xg,Yg,Zg)による加速
度に変換し、変換した重力座標系(Xg,Yg,Zg)
による加速度を基にペン先部の移動方向及び移動距離を
算出してコンピュータ装置等に文字、記号及び図形等を
入力するものである。
【0028】ペン型入力装置は、例えば3個の加速度セ
ンサと3個のジャイロと演算部と記憶部を有する。3個
の加速度センサは、例えばペン軸座標系(Xs,Ys,
Zs)のZs軸近傍で、それぞれXs軸方向,Ys軸方
向及びZs軸方向の加速度を検出し、検出した加速度を
示す信号を出力する。3個のジャイロはそれぞれXs軸
周り,Ys軸周り及びZs軸周りの回転角速度を検出
し、検出した回転角速度を示す信号を出力する。
【0029】演算部は、例えば静止状態判定部と初期傾
斜角演算部と傾斜角変化演算部と筆記中傾斜角演算部と
座標変換演算部と移動量演算部を備える。静止状態判定
部は3個の加速度センサが出力した加速度信号を基にペ
ン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度の合成
ベクトルを算出し、算出した合成ベクトルの大きさと重
力加速度の大きさとを比較し、その差が予め定めた値以
内のときを静止状態と判定する。これは、筆記中であれ
ばXs軸方向及びYs軸方向の加速度が発生し、合成ベ
クトルが大きくなることを利用したものである。ここ
で、算出した合成ベクトルの大きさと重力加速度の大き
さとの差に一定の幅を設けたのはユーザの手の振動等に
よる影響を考慮したものである。
【0030】初期傾斜角演算部は静止状態判定部が静止
状態と判定しているときに3個の加速度センサが検出し
た加速度を基に重力座標系(Xg,Yg,Zg)におけ
るペン軸の初期傾斜角を演算する。ここで、初期傾斜角
とは、筆記中のペン軸の傾斜角検出の基準となる傾斜角
であり、筆記開始の際に求める場合と筆記中に一旦筆記
を中断して求める場合とがある。傾斜角変化演算部は3
個のジャイロが検出した回転角速度を基にペン軸の初期
傾斜角からの傾斜角の変化を演算する。筆記中傾斜角演
算部は初期傾斜角演算部が演算した初期傾斜角と傾斜角
変化演算部が演算した初期傾斜角からの傾斜角の変化を
基に筆記中のペン軸の重力座標系(Xg,Yg,Zg)
における傾斜角を演算する。座標変換演算部は筆記中傾
斜角演算部が検出した筆記中のペン軸の重力座標系(X
g,Yg,Zg)における傾斜角を基に3個の加速度セ
ンサが検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)にお
ける加速度を重力座標系(Xg,Yg,Zg)による加
速度に変換する。移動量演算部は座標変換演算部が変換
した重力座標系(Xg,Yg,Zg)による加速度を基
にペン先部の移動方向及び移動距離を算出して、装置の
傾斜角による影響のない正確な筆記入力を行う。
【0031】また、ペン型入力装置の静止状態判定部
は、座標変換後の重力座標系(Xg,Yg,Zg)の加
速度のZg軸方向の成分と重力加速度とを比較し、その
差が予め定めた値以内のときを静止状態と判定するよう
にしても良い。これにより、静止状態判定部は3個の加
速度センサが検出した加速度信号を基にペン軸座標系
(Xs,Ys,Zs)における加速度の合成ベクトルを
算出する必要がなく、演算時間を短縮することができ
る。
【0032】さらに、例えば無効判定部を備えるように
しても良い。無効判定部は、例えば静止状態判定部が静
止状態と判断開始してから一定時間を計時するまでに、
初期傾斜角演算部がペン軸の初期傾斜角の演算を完了し
なかったときは筆記入力を無効とし、その旨を表示部の
LED等を点灯することによって示す。ここで、演算時
間が予め定めた一定時間以上になった場合に入力を無効
とするのは演算時間があまり長いとセンサドリフト等の
影響を受けやすくなるためである。また、その場合に筆
記入力を無効とする旨を示すのは、ユーザが入力を無効
とすることを知らずに入力を続けることを防止するため
である。
【0033】さらに、ペン軸の初期傾斜角の演算指示を
入力する演算指示入力部を備え、演算指示入力部がペン
軸の初期傾斜角の演算指示を入力し、静止状態判定部が
静止状態と判定すると、初期傾斜角演算部は上記のよう
に初期傾斜角を演算するようにしても良い。これによ
り、ユーザが任意の位置で初期傾斜角をリセットでき、
検出した傾斜角に大きな累積誤差が生じることを防止で
きる。ここで、筆記中に初期傾斜角の演算を行うと演算
速度が遅くなるので、演算期間を制限した方が効率が良
い。一方、サンプリングのたびにペン先部の移動方向及
び移動量を演算し、その際に前回サンプリングの際の傾
斜角を基準として次のサンプリングの際の傾斜角を演算
するために傾斜角に累積誤差が発生する可能性がある。
そのため、初期傾斜角の演算期間を制限するとともにそ
の累積誤差をなくすために初期傾斜角をリセットできる
ようにしたものである。
【0034】また、静止状態判定部は座標変換演算部が
変換した重力座標系(Xg,Yg,Zg)におけるXg
軸方向の加速度及びYg軸方向の加速度が予め定めた閾
値以下となる場合にのみ、3個の加速度センサが検出し
た加速度信号を基にペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)
における加速度の合成ベクトルを算出し、算出した合成
ベクトルの大きさと重力加速度の大きさとを比較し、そ
の差が予め定めた値以内のときを静止状態と判定しても
良い。初期傾斜角演算部は静止状態判定部が静止状態と
判定しているときに3個の加速度センサが検出した加速
度信号を基に再度重力座標系(Xg,Yg,Zg)にお
けるペン軸の初期傾斜角を演算する。これにより、自動
的に初期傾斜角をリセットすることができ、さらに確実
に傾斜角に大きな累積誤差が生じることを防止すること
ができる。
【0035】さらに、記憶部は3個の加速度センサが検
出した加速度を記憶し、静止状態判定部及び初期傾斜角
演算部は記憶部に記憶した加速度を基に静止状態の判定
及びペン軸の初期傾斜角の演算を行うようにしても良
い。これは、上記のように、静止状態判定部がXg軸方
向及びYg軸方向の加速度が予め定めた閾値以下になっ
たときに、3個の加速度センサが検出した加速度信号を
基にペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度
の合成ベクトルを算出し、算出した合成ベクトルの大き
さと重力加速度の大きさとを比較し、その差が予め定め
た値以内のときを静止状態と判定する場合、静止状態判
定部及び初期傾斜角演算部は同じ加速度を基に演算処理
を行わなければならないため、処理速度を高速にする必
要があり、処理が間に合わないために演算ができなくな
ることを防止するためである。
【0036】さらに、静止状態判定部は重力座標系(X
g,Yg,Zg)におけるXg軸方向の加速度が予め定
めた閾値以下になり、かつ、Yg軸方向の加速度も予め
定めた閾値以下になったときにのみ静止状態と判定し
て、静止状態の判定を迅速に行うようにしても良い。
【0037】さらに、筆記中に重力座標系(Xg,Y
g,Zg)におけるZg軸方向の加速度と重力加速度と
の差が予め定めた値より大きくなると、3個の加速度セ
ンサが検出した加速度信号を基にペン軸座標系(Xs,
Ys,Zs)における加速度の合成ベクトルを算出し、
算出した合成ベクトルの大きさと重力加速度の大きさと
を比較し、その差が予め定めた値以内のときを静止状態
と判定して、誤差が大きくなる前に初期傾斜角を再演算
するようにしても良い。
【0038】さらに、無効判定部は筆記中に重力座標系
(Xg,Yg,Zg)におけるZg軸方向の加速度が予
め定めた値以上になると入力データを無効として、筆記
検出誤差が一定以上になることを防止しても良い。
【0039】さらに、補正部を有しても良い。記憶部は
静止状態と判定してから次に静止状態と判定するまでの
3個の加速度センサが検出した加速度と3個のジャイロ
が検出した回転角速度を記憶する。補正部はセンサ出力
記憶部から静止状態と判定した後校正対象時点までに3
個のジャイロが検出した回転角速度を読み出し、読み出
した回転角速度を積分してペン軸の重力座標系(Xg,
Yg,Zg)における傾斜角の変化を求め、求めた傾斜
角と差分と静止状態と判定しているときに演算した重力
座標系(Xg,Yg,Zg)におけるペン軸の初期傾斜
角とを比較し、その差を基に校正対象時点のペン軸の傾
斜角を補正する。座標変換演算部は補正後の傾斜角を基
に校正対象時点に3個の加速度センサが検出したペン軸
座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度を重力座標
系(Xg,Yg,Zg)による加速度に再度変換して加
速度を校正して、筆記入力検出誤差を少なくする。これ
は、検出した傾斜角に累積誤差がない場合は校正対象時
点のペン軸の傾斜角から静止状態と判定した後校正対象
時点までの傾斜角の変化の差分が静止状態と判定したと
きの傾斜角となり、誤差が生じている場合は静止状態と
判定したときのペン軸の傾斜角との違いが生じることか
ら、この違いを基に校正対象時点における傾斜角を補正
し、誤差を少なくするものである。
【0040】また、補正部は静止状態と判定した後校正
対象時点までに3個の加速度センサが検出した加速度の
重力座標系(Xg,Yg,Zg)における変化分と校正
対象時点の重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加
速度とを基に加速度のオフセット値を求め、求めたオフ
セット値を基に校正対象時点における重力座標系におけ
る加速度を校正するようにしても良い。
【0041】さらに、静止状態及びその前後の加速度セ
ンサ及びジャイロによるサンプリングの周期を短くし
て、屈曲点における高周波数成分を検出し再現性を向上
するようにしても良い。ここで、静止状態の前後の判定
には、例えば加速度センサ及びジャイロの出力データを
記憶し、その記憶したデータを用いて行う。
【0042】
【実施例】図1はこの発明の一実施例のペン型入力装置
1の構成図である。図に示すように、ペン型入力装置1
は加速度センサ2a,2b,2c、ジャイロ3a,3
b,3c、演算部4、記憶部5及び電源部6を有する。
加速度センサ2a,2b,2cは、それぞれペン軸7を
Zs軸とした場合のZs軸と直交するXs軸方向,Ys
軸方向及びZs軸方向に向けて設けられ、Xs軸方向,
Ys軸方向及びZs軸方向の加速度を検出し、検出した
加速度を示す信号を出力する。加速度センサ2a,2
b,2cは、ピエゾ抵抗方式のもの以外に圧電方式のも
の又は静電容量方式のものでも良い。ジャイロ3a,3
b,3cはそれぞれXs軸周り,Ys軸周り及びZs軸
周りの回転角速度を検出し、検出した回転角速度を示す
信号を出力する。以下の説明では、ペン軸7をZs軸と
した座標系をペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)とい
う。また、重力加速度方向に伸びる軸をZg軸とする座
標系を重力座標系(Xg,Yg,Zg)という。さら
に、Xs軸,Ys軸,Zs軸とXg軸,Yg軸,Zg軸
とが成す角度をそれぞれφ,θ,ψとする。
【0043】演算部4は、図2に示すようにA/D変換
器41a〜41f、ローパスフィルタ42a〜42f、
ハイパスフィルタ43a〜43f、筆記検出部44、初
期傾斜角演算部45、傾斜角変化演算部46、静止状態
判定部47、筆記中傾斜角演算部48、座標変換演算部
49、移動量演算部50及び無効判定部51を備える。
A/D変換器41a〜41fは、それぞれ加速度センサ
2a,2b,2c及びジャイロ3a,3b,3cからの
アナログ信号をデジタル信号に変換する。ローパスフィ
ルタ42a〜42fはペン先部8と被筆記面との摩擦力
により生じる加速度センサ2a,2b,2c及びジャイ
ロ3a,3b,3cからの信号の高周波成分を遮断す
る。ハイパスフィルタ43a〜43fは加速度センサ2
a,2b,2c及びジャイロ3a,3b,3cからの信
号の摩擦による高周波数成分を抽出する。筆記検出部4
4はハイパスフィルタ43a〜43fを経由した3個の
加速度センサ2a,2b,2c及び3個のジャイロ3
a,3b,3cからの信号のうちいずれか最初に高周波
成分を含んだ信号を基に筆記開始を判断する。これは、
筆記加速度成分は比較的に周波数が低い部分に表れ、ペ
ン先部8と被筆記面との摩擦による成分は比較的周波数
が高い部分に表れることを利用して筆記中か否かを判断
するものである。
【0044】初期傾斜角演算部45は3個の加速度セン
サ2a,2b,2cが検出したペン軸座標系(Xs,Y
s,Zs)での加速度を基にペン軸7の重力座標系(X
g,Yg,Zg)おける傾斜角の初期値φ0,θ0及びψ
0を演算する。以後、この傾斜角の初期値φ0,θ0,ψ0
を初期傾斜角φ0,θ0,ψ0という。傾斜角変化演算部
46は3個のジャイロ3a,3b,3cが検出した回転
角速度を基にペン軸7の重力座標系(Xg,Yg,Z
g)における初期傾斜角φ0,θ0,ψ0からの傾斜角の
変化Δφ,Δθ,Δψを演算する。静止状態判定部47
は3個の加速度センサ2a,2b,2cが検出した加速
度信号を基にペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)におけ
る加速度の合成ベクトルを算出し、算出した合成ベクト
ルの大きさと重力加速度の大きさとを比較し、その差が
予め定めた値以内のときを静止状態と判定する。これ
は、筆記中であればXs軸方向及びYs軸方向の加速度
が発生し、合成ベクトルが大きくなることを利用したも
のである。ここで、合成ベクトルの大きさと重力加速度
の大きさとの差に一定の幅を設けたのはペン型入力装置
1を握るユーザの手の振動等の影響があるためである。
【0045】筆記中傾斜角演算部48は静止状態判定部
47が静止状態と判定しているときに初期傾斜角演算部
45が演算したペン軸7の重力座標系(Xg,Yg,Z
g)における初期傾斜角φ0,θ0,ψ0と傾斜角変化演
算部46が演算したペン軸7の重力座標系(Xg,Y
g,Zg)における傾斜角の変化Δφ,Δθ,Δψを基
に、筆記中のペン軸8の重力座標系(Xg,Yg,Z
g)における傾斜角φ,θ,ψを求める。座標変換演算
部49は筆記中傾斜角演算部48が検出した筆記中のペ
ン軸7の重力座標系(Xg,Yg,Zg)における傾斜
角φ,θ,ψを基に加速度センサ2a,2b,2cが検
出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速
度を重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度に
変換する。移動量演算部50は座標変換演算部49が変
換した重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度
を基にペン先部8の移動方向及び移動距離を算出する。
【0046】ここで、演算部4の演算について説明す
る。重力座標系(Xg,Yg,Zg)からペン軸座標系
(Xs,Ys,Zs)への座標変換式は次式のようにな
る。
【0047】
【数1】
【0048】この式をペン軸座標系(Xs,Ys,Z
s)から重力座標系(Xg,Yg,Zg)への座標変換
式に変形すると、次式のようになる。
【0049】
【数2】
【0050】ここで、加速度センサ2a,2b,2cが
検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加
速度をAxs,Ays,Azs、重力座標系(Xg,Y
g,Zg)における加速度をAxg,Ayg,Azgと
して、上記式を一時的な近似式で近似し、加速度の変換
式とすると次式のようになる。
【0051】
【数3】
【0052】ここで、上式においては加速度センサ2
a,2b,2c及びジャイロ3a,3b,3cがペン先
部7の先端にあることを仮定している。実際の製作にお
いては各速度センサ2a,2b,2c等をペン先部7の
先端の同位置に設けることは不可能であるので、その位
置のずれの分を補正しなければならないが、ここではそ
の説明を省略する。
【0053】上式により、ペン軸座標系(Xs,Ys,
Zs)における加速度Axs,Ays,Azsとペン軸
8の重力座標系(Xg,Yg,Zg)における傾斜角
φ,θ及びψが分かれば、重力座標系(Xg,Yg,Z
g)における加速度Axg,Ayg,Azgを演算する
ことができる。
【0054】ここで、静止状態における重力座標系(X
g,Yg,Zg)における加速度Axg,Ayg,Az
gは次式で表わすことができる。
【0055】
【数4】
【0056】上式を前記座標変換式に代入すると、次式
のようになる。
【0057】
【数5】
【0058】これにより、静止状態における初期平均傾
斜角θa,φaを求めることができる。ここで、上記の
ように静止時の初期平均傾斜角θa,φaについて3本
の方程式を得ることができるので、重力加速度gについ
ても未知数として演算することも可能であり、重力加速
度gの値を定義しなくとも初期平均傾斜角θa,φaを
算出することができる。
【0059】さらに、ペン軸座標系(Xs,Ys,Z
s)の各軸Xs,Ys,Zsの回転角速度をP、Q、R
とすると、回転角速度P、Q、Rと傾斜角変化Δθ、Δ
φ、ΔΨの関係は次式で示される。
【0060】
【数6】
【0061】次に、静止状態の判定について説明する。
ペン型入力装置1を用いて、実際に円を描くと、Xs軸
方向の加速度波形は、図3に示すようになる。ここで、
点線で囲んだ部分Aが静止状態と考えられる部分であ
る。この部分を拡大すると、図4に示すようになり、静
止状態としている部分にも実際には加速度の変動が表れ
る。これは、例えばペン型入力装置1を握るユーザの手
の振動などに影響によるものである。任意の一点の加速
度を取り、静止状態を判定してペン軸7の傾斜角を求め
ると、手の振動等が加わった量を求める可能性があり、
誤差が生じたり、再現性が悪くなることがある。そこ
で、入力加速度の妥当性を判断し、もし条件に合わない
場合は再度入力するようにする。以下にその原理の説明
をする。
【0062】完全に静止している状態においては筆記加
速度、傾斜角変化による加速度などは検知されず、3軸
の加速度センサ2a,2b,2cの出力にはそれぞれ重
力加速度gの成分が表れる。つまり、これらの検出加速
度より、上記のようにオイラー角θa,φa,Ψaが求
まると同時にその合成加速度Aの二乗の絶対値も以下の
式で求まる。
【0063】
【数7】
【0064】上記合成加速度Aの二乗の絶対値は完全に
静止している状態においては重力加速度gの二乗と一致
するはずである。仮にδの二乗だけ不一致が生じたと
し、これがペン軸8の動きによるものならば、約δだけ
加速度のオフセットが残った事に相当する。入力座標値
に対する影響は次式により表わすことができる。
【0065】
【数8】
【0066】仮に一文字の筆記時における許容入力誤差
を2mm、筆記時間を0.5秒とすれば約0.0016Gのオフセ
ット値しか許容されない。実際は完全に一軸方向にオフ
セットがのることが少なく、かつ、重力加速度の影響を
受けやすいのが筆記に関係のないZs軸方向の加速度の
ため、入力座標に対する影響は少なく、δに対する許容
値はもう少し大きくなる。そこで、初期傾斜角演算の際
に次の判定式を用いて入力加速度の妥当性を検証でき
る。
【0067】
【数9】
【0068】次に、上記構成のペン型入力装置1の動作
を図5のフローチャートを参照して説明する。
【0069】演算部4は一定周期で加速度センサ2a,
2b,2c及びジャイロ3a,3b,3cからXs軸方
向、Ys軸方向、Zs軸方向の加速度信号Axs,Ay
s,Azs及びXs軸周り、Ys軸周り、Zs軸周りの
回転角速度信号P、Q、Rを入力する。静止状態判定部
47は加速度センサ2a,2b,2cからXs軸方向、
Ys軸方向、Zs軸方向の加速度信号Axs,Ays,
Azsを入力し、入力した加速度信号Axs,Ays,
Azsを基にペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)におけ
るペン先部8の加速度の合成ベクトルを算出し、算出し
た合成ベクトルの大きさと重力加速度の大きさとを比較
し、その差が予め定めた値以内の場合は静止状態と判定
する(ステップS1)。静止状態判定部47が静止状態
と判定すると、初期傾斜角演算部45は加速度センサ2
a,2b,2cから入力した加速度信号Axs,Ay
s,Azsを基に初期傾斜角θ0,φ0,Ψ0を算出する
(ステップS2)。このように、ペン軸座標系(Xs,
Ys,Zs)におけるペン先部8の加速度の合成ベクト
ルの大きさと重力加速度の大きさとを比較し、その差が
予め定めた値以内の場合は静止状態と判定するので、手
の振動等による加速度の影響が予め定めた一定以上に初
期傾斜角θ0,φ0,Ψ0に影響することを防止でき、ま
た、手の振動等による加速度Axs,Ays,Azsへ
の影響をなくすために平均を取るなどの動作をする必要
がなく、初期傾斜角θ0,φ0,Ψ0の演算処理速度を速
くすることができる。
【0070】ユーザが筆記を開始して筆記検出部44が
加速度センサ2a,2b,2cからの加速度信号Ax
s,Ays,Azs及びジャイロ3a,3b,3cから
の回転角速度信号P、Q、Rのいずれかから高周波数成
分を検出し、筆記開始を検出すると、無効判定部51は
初期傾斜角演算済みか否かを調べる(ステップS4)。
ここで、初期傾斜角が演算済みでないときは筆記中の傾
斜角の演算をすることができないので、無効判定部51
は以後の入力を無効にすることとし、エラーが発生した
旨を表示する(ステップS5)。
【0071】ユーザが筆記を開始した直後は静止状態で
はないので(ステップS6)、傾斜角変化演算部46は
ジャイロ3a,3b,3cからの回転角速度信号P、
Q、Rを基に傾斜角の変化Δθ,Δφ,ΔΨを演算する
(ステップS7)。筆記中傾斜角演算部48は初期傾斜
角演算部45が演算した初期傾斜角θ0,φ0,Ψ0と傾
斜角変化演算部46が演算した傾斜角の変化Δθ,Δ
φ,ΔΨを基に筆記中の傾斜角θ,φ,Ψを演算する
(ステップS8)。座標変換演算部49は筆記中傾斜角
演算部48が演算した筆記中のペン軸7の傾斜角θ,
φ,Ψを基に加速度センサ2a,2b,2cが検出した
ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)の加速度Axs,A
ys,Azsを重力座標系(Xg,Yg,Zg)におけ
る加速度Axg,Ayg,Azgに変換する(ステップ
S9)。移動量演算部50は座標変換演算部49が変換
した重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度A
xg,Ayg,Azgを基にペン先部8の移動方向及び
移動量を算出し(ステップS10)、記憶部5に記憶す
る(ステップS11)。ここで、加速度Axg,Ay
g,Azgから移動量を求めるには、例えば加速度Ax
g,Ayg,Azgを2回積分することにより行う。
【0072】ペン型入力装置1は上記動作(ステップS
6〜S11)を入力終了信号を検出するまでの間繰り返
す(ステップS12)。ここで、入力終了信号の発生
は、例えば、加速度の変動量又はイネーブルスイッチ9
等を用いて行う。また、上記繰り返し動作(ステップS
6〜S11)を行っている間、ペン先部8が筆記面に当
接して移動しているか当接せずに移動しているかを加速
度の高周波成分の有無により検出する。また、上記繰り
返し動作(ステップS6〜S11)を行っている間に、
静止状態判定部47が静止状態と判定すると(ステップ
S6)、初期傾斜角演算部45は加速度センサ2a,2
b,2cから入力した加速度信号Axs,Ays,Az
sを基に再び初期傾斜角θ0,φ0,Ψ0を算出する(ス
テップS13)。これにより、傾斜角に検出値の累積誤
差が大きくなる前に初期傾斜角をリセットし、より正確
に筆記中の傾斜角検出を行うことができる。
【0073】また、上記実施例では筆記入力中であって
も、静止状態判定部47は加速度センサ2a,2b,2
cから入力した加速度信号Axs,Ays,Azsを基
にペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)におけるペン先部
の加速度Aの合成ベクトルを算出し、算出した合成ベク
トルの大きさと重力加速度の大きさとを比較し、その差
が予め定めた値以内の場合は静止状態と判定している
が、筆記入力中は重力座標系(Xg,Yg,Zg)のZ
g軸方向の加速度Azgを算出するので、これを用いて
静止状態か否かを判断するようにしても良い。例えば、
静止状態判定部47は、座標変換演算部49が変換した
Zg軸方向の加速度Azgと重力加速度とを比較し、そ
の差が予め定めた値以内の場合は静止状態と判定する。
これにより、加速度信号Axs,Ays,Azsを基に
ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)におけるペン先部8
の加速度の合成ベクトルを算出する必要がなくなり、静
止状態判定部47の演算時間を短縮することができる。
【0074】また、静止状態判定部47は、図6(a)
及び図6(b)に示すようにXg軸方向及びYg軸方向
の加速度がともに予め定めた閾値以下になると静止状態
と判定して、静止状態の判定をさらに迅速に行うように
しても良い。初期傾斜角演算部45は静止状態判定部4
7が静止状態と判定しているときに3個の加速度センサ
が検出した加速度信号を基に再度重力座標系(Xg,Y
g,Zg)におけるペン軸の初期傾斜角θ0,φ0,Ψ0
を演算する。これにより、静止状態をさらに正確に判定
できるとともに自動的に初期傾斜角θ0,φ0,Ψ0をリ
セットすることができ、累積誤差が生じることを自動的
に防止することができるとともに、ユーザの負荷を軽減
することができる。
【0075】なお、上記実施例では、無効判定部51は
筆記開始するまでに初期傾斜角θ0,φ0,Ψ0の演算が
完了していれば筆記入力を無効としない旨の判定を行っ
たが、例えば静止状態になった後予め定めた一定期間内
に初期傾斜角θ0,φ0,Ψ0の演算が終了していなけれ
ばエラーが発生したと判断しても良い。これにより、演
算時間が長いためセンサドリフト等の影響を受けること
を防止する。
【0076】また、筆記入力中サンプリングのたびに静
止状態か否かを判定し、静止状態であるときに初期傾斜
角θ0,φ0,Ψ0の演算を行うと、演算部4の負荷が大
きくなるので、ユーザがペン型入力装置1の移動を中断
したときにユーザが演算指示入力部10のスイッチ等を
用いて初期傾斜角θ0,φ0,Ψ0の演算を指示すると、
初期傾斜角演算部47が既に説明したようにペン軸7の
初期傾斜角θ0,φ0,Ψ0を演算するようにしても良
い。
【0077】また、筆記中に重力座標系(Xg,Yg,
Zg)におけるZg軸方向の加速度と重力加速度との差
が予め定めた値より大きくなると、静止判定部47は3
個の加速度センサ2a,2b,2cが検出した加速度A
xs,Ays,Azsを基にペン軸座標系(Xs,Y
s,Zs)における加速度の合成ベクトルを算出し、算
出した合成ベクトルの大きさと重力加速度の大きさとを
比較し、その差が予め定めた値以内のときを静止状態と
判定して、図7に示すように誤差が一定値δより大きく
なる前に校正をかけるようにしても良い。このように、
傾斜角等の演算の累積誤差が大きくなり変換後のZg軸
方向の加速度と重力加速度との差が大きくなることを検
出し、累積誤差が一定以上大きくなる前に初期傾斜角θ
0,φ0,Ψ0をリセットすることにより、筆記入力検出
誤差の範囲を少なくすることができる。図中t1は静止
判定部47による静止判定を開始する時点を示す。
【0078】さらに、無効判定部51は筆記中に重力座
標系(Xg,Yg,Zg)におけるZg軸方向の加速度
Azgが予め定めた値以上になると入力データを無効と
し、その旨を表示部11を介してユーザに通知して、誤
差が一定以上大きくなり大きな入力誤差が生じることを
防止しても良い。
【0079】さらに、3個の加速度センサ2a,2b,
2cが検出した加速度Axs,Ays,Azsを記憶部
5に記憶し、静止状態判定部47及び初期傾斜角演算部
45は記憶部5に記憶した加速度Axs,Ays,Az
sを基に静止状態の判定及びペン軸7の初期傾斜角θ
0,φ0,Ψ0の演算を行っても良い。これは、上記のよ
うに、Xg軸方向及びYg軸方向の加速度AxG,Ay
gが予め定めた閾値以下になったときに、静止状態判定
部47が3個の加速度センサ2a,2b,2cが検出し
た加速度Axs,Ays,Azsを基にペン軸座標系
(Xs,Ys,Zs)における加速度の合成ベクトルを
算出し、算出した合成ベクトルのおおきさと重力加速度
の大きさとを比較し、その差が予め定めた値以内のとき
を静止状態と判定する場合、静止状態判定部47及び初
期傾斜角演算部45は同じサンプリングによる加速度A
xs,Ays,Azsを基に演算処理を行わなければな
らず、処理が間に合わないために演算ができなくなるこ
とを防止するためである。
【0080】さらに、ペン型入力装置1は、補正部52
を有しても良い。記憶部5は静止状態と判定してから次
に静止状態と判定するまでの3個の加速度センサ2a,
2b,2cが検出した加速度Axs,Ays,Azsと
3個のジャイロ3a,3b,3cが検出した回転角速度
P,Q,Rを記憶する。補正部52は記憶部5から静止
状態と判定した後校正対象時点までに3個のジャイロ3
a,3b,3cが検出した回転角速度P,Q,Rを読み
出し、読み出した回転角速度P,Q,Rを積分してペン
軸7の重力座標系(Xg,Yg,Zg)における傾斜角
の変化Δθ,Δφ,ΔΨを求め、求めた傾斜角変化Δ
θ,Δφ,ΔΨと校正対象時点の傾斜角θ,φ,Ψとの
差分を求める。求めた傾斜角の差分と静止状態と判定し
ているときに演算したペン軸7の初期傾斜角θ0,φ0,
Ψ0とを比較し、図8(a)に示すようにその差を基に
校正対象時点のペン軸7の傾斜角θ,φ,Ψを補正す
る。座標変換演算部49は補正後の傾斜角θ,φ,Ψを
基に校正対象時点に3個の加速度センサ2a,2b,2
cが検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)におけ
る加速度Axs,Ays,Azsを重力座標系(Xg,
Yg,Zg)による加速度Axg,Ayg,Azgに再
度変換して誤差を校正する。これは、検出した傾斜角
θ,φ,Ψに累積誤差がない場合は校正対象時点のペン
軸の傾斜角θ,φ,Ψから静止状態と判定した後校正対
象時点までの傾斜角の変化Δθ,Δφ,ΔΨの差分が静
止状態と判定したときのペン軸の初期傾斜角θ0,φ0,
Ψ0となり、誤差が生じている場合は静止状態と判定し
たときのペン軸の初期傾斜角θ0,φ0,Ψ0との違いが
生じることから、この違いを基に傾斜角θ,φ,Ψを補
正し、誤差を少なくするものである。また、これによ
り、過去の軌跡を補正することができるとともに、累積
誤差により初期傾斜角θ0,φ0,Ψ0を演算するたびに
不連続点が発生することを防止できる。ここで、図8
(a)中Bは補正前の傾斜角を表わし、図8(a)中C
は補正後の傾斜角を表わす。また、図8(b)中のDは
傾斜角の補正量を表わす。
【0081】また、補正部52は静止状態と判定した後
校正対象時点までに3個の加速度センサが検出した加速
度の重力座標系(Xg,Yg,Zg)における変化分と
校正対象時点の重力座標系(Xg,Yg,Zg)におけ
る加速度とを基に加速度のオフセット値を求め、求めた
オフセット値を基に校正対象時点における重力座標系
(Xg,Yg,Zg)における加速度Axg,Ayg,
Azgを補正するようにしても良い。これは、上記のよ
うに傾斜角を補正する代わりに加速度を補正するように
したもので、同様の効果を得ることができる。
【0082】さらに、静止判定部47が静止状態と判定
すると、演算部4は加速度センサ2a,2b,2c及び
ジャイロ3a,3b,3cによるサンプリングの周期を
短くしても良い。図9で示すように筆記軌跡に屈曲点E
が生じた場合、図10に示すように加速度に中立点Fが
存在する。このような屈曲点Eにおいては加速度信号な
どの周波数が高くなることから、サンプリング周期を短
くして再現性を良くする。ここで、この部分だけサンプ
リング周期を短くするのは全体のサンプリング周期を短
くするとデータ量が膨大になるからである。
【0083】さらに、静止状態判定部47は、静止状態
及び静止状態でない一定範囲内を静止状態近傍を判定
し、演算部4は静止状態判定部47が静止状態及び静止
状態近傍を判定すると加速度センサ2a,2b,2c及
びジャイロ3a,3b,3cによるサンプリングの周期
を短くして、3個の加速度センサ2a,2b,2cが検
出した加速度Azs,Ays,Azsと3個のジャイロ
3a,3b,3cが検出した回転角速度P,Q,Rを記
憶して、屈曲点前後における高周波数成分による影響を
少なくし再現性を向上しても良い。ペン型入力装置1
は、例えば図11に示すように高サンプリング部53a
と低サンプリング部53bを有し、高サンプリングデー
タを記憶部5に一時記憶し、通常は低サンプリングのデ
ータを用い演算を行う。ここで、図12に屈曲点におけ
る高サンプリング部53aと低サンプリング部53bの
サンプリングデータの例を示す。一旦、加速度の中立点
が検出されると静止状態前の高サンプリングデータを記
憶部5から読み出し、屈曲点データとして採用する。こ
こで、高サンプリング部53aと低サンプリング部53
bを別に設けたが、高サンプリング出力をサンプリング
して低サンプリングデータを得てもよい。図12の縦線
はサンプリングしたデータを表わす。
【0084】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、3個の
加速度センサが検出した加速度の合成ベクトルの大きさ
と重力加速度の大きさとを比較し、その差が予め定めた
値以内のときを静止状態と判定し、静止状態と判定して
いるときに3個の加速度センサが検出した加速度信号を
基に重力座標系におけるペン軸の初期傾斜角を演算し、
3個のジャイロが検出した回転角速度信号を基にペン軸
の重力座標系における傾斜角の変化を演算し、初期傾斜
角と傾斜角の変化を基に筆記中のペン軸の重力座標系に
おける傾斜角を演算するので、筆記検出の際の傾斜角検
出の基準となる初期傾斜角の検出誤差を一定範囲内に抑
え、ペン先部の移動方向及び移動量の正確な検出を行う
ことができる。
【0085】また、加速度のZg軸方向の成分と重力加
速度とを比較し、その差が予め定めた値以内のときを静
止状態と判定するので、静止状態における誤差を一定範
囲内に抑え、ペン先部の移動方向及び移動量の正確な検
出を行うことができるとともに、演算量を減らし静止状
態判定に要する時間を短縮することができる。
【0086】さらに、予め定めた期間内にペン軸の初期
傾斜角の演算を完了しなかったときは入力を無効とし、
その旨をユーザに知らせるので、センサドリフト等の影
響を少なくすることを防止できる。
【0087】さらに、ペン軸の初期傾斜角の演算指示を
入力すると静止状態か否かを判定し、ペン軸の初期傾斜
角を演算するので、通常の筆記中は初期傾斜角の演算を
行わず筆記中傾斜角の演算速度を速めることができると
ともにユーザがいつでも初期傾斜角をリセットでき、誤
差の発生を防止できる。
【0088】さらに、ペン軸座標系における加速度を変
換して求めた重力座標系におけるXg軸方向の加速度が
予め定めた閾値以下になり、かつ、Yg軸方向の加速度
も予め定めた閾値以下になったときに、静止状態か否か
を判定し、静止状態と判定しているときに3個の加速度
センサが検出した加速度信号を基に再度重力座標系(X
g,Yg,Zg)におけるペン軸の初期傾斜角を演算す
るので、さらに正確に静止状態を判定することができ
る。
【0089】さらに、3個の加速度センサが検出した加
速度を記憶し、記憶した加速度を基に静止状態の判定及
びペン軸の初期傾斜角の演算を行うので、確実に静止状
態の判定を行った加速度と同一の加速度を基にペン軸の
初期傾斜角の演算を行うことができ、連続筆記において
も正確な演算を行うことができる。
【0090】さらに、重力座標系におけるXg軸方向及
びYg軸方向の加速度が予め定めた閾値以下になると静
止状態と判定するので、迅速に静止状態の判定をでき
る。
【0091】さらに、筆記中に重力座標系におけるZg
軸方向の加速度と重力加速度との差が予め定めた値より
大きくなると、静止状態か否かの判定を行うので、誤差
が一定以上大きくなる前に校正をすることができる。
【0092】さらに、筆記中に重力座標系におけるZg
軸方向の加速度が予め定めた値以上になると入力データ
を無効としその旨を通知するので、誤差が大きくなり誤
検出を行うことを防止することができる。
【0093】さらに、静止状態と判定した後校正対象時
点までに3個のジャイロが検出した回転角速度を積分し
てペン軸の重力座標系における傾斜角の変化を演算し、
求めた傾斜角と静止状態と判定しているときに演算した
重力座標系におけるペン軸の初期傾斜角を比較し、その
差を基に校正対象時点のペン軸の傾斜角を補正し、補正
後の傾斜角を基に校正対象時点のペン軸座標系における
加速度を重力座標系による加速度に再度変換するので、
累積誤差の発生を少なし、また、不連続点の発生を防止
できる。
【0094】また、静止状態と判定した後校正対象時点
までに3個の加速度センサが検出した加速度の重力座標
系(Xg,Yg,Zg)における変化分と校正対象時点
の重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度とを
基にペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度
のオフセット値を求め、求めたオフセット値を基に校正
対象時点における重力座標系における加速度を補正する
ので、傾斜角を補正する場合と同様に累積誤差の発生を
少なくできる。
【0095】さらに、静止状態と判定してから次に静止
状態と判定するまでの3個の加速度センサが検出した加
速度と3個のジャイロが検出した回転角速度を記憶し
て、記憶した加速度と回転角速度を基に重力座標系(X
g,Yg,Zg)における加速度を補正するので、遡っ
て加速度を補正することができる。
【0096】さらに、静止状態と判定すると、加速度セ
ンサ及びジャイロのサンプリングの周期を短くするの
で、屈曲点における高周波数成分に対応することができ
る。
【0097】さらに、静止状態及び静止状態に近づいた
ことを判定すると、加速度センサ及びジャイロのサンプ
リングの周期を短くするので、屈曲点前後における高周
波数成分に対応し、正確に傾斜角の演算を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す構成図である。
【図2】演算部の構成図である。
【図3】円を描いた場合の加速度の波形図である。
【図4】静止状態とみなした部分の加速度の拡大波形図
である。
【図5】筆記入力動作を示すフローチャートである。
【図6】変換後の加速度を基に静止判定する場合の加速
度の波形図である。
【図7】累積誤差の推移を示す波形図である。
【図8】累積誤差の補正を行う場合の傾斜角の波形図で
ある。
【図9】屈曲点を表わす説明図である。
【図10】屈曲点前後の加速度を表わす波形図である。
【図11】サンプリングを行う部分の構成図である。
【図12】サンプリング例を示す加速度の波形図であ
る。
【符号の説明】
1 ペン型入力装置 2 加速度センサ 3 ジャイロ 4 演算部 43 ハイパスフィルタ 44 筆記検出部 45 初期回転角演算部 46 回転角変化演算部 47 静止状態判定部 48 筆記中回転角演算部 49 座標変換演算部 50 移動量演算部 51 無効判定部 52 補正部 5 記憶部 7 ペン軸 8 ペン先部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペン軸をZs軸としたペン軸座標系(X
    s,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸
    方向の加速度を示す信号を出力する3個の加速度センサ
    とXs軸周り,Ys軸周り及びZs軸周りの回転角速度
    を示す信号を出力する3個のジャイロを有し、3個の加
    速度センサが出力した加速度信号を基に重力加速度方向
    に伸びる軸をZg軸とした重力座標系(Xg,Yg,Z
    g)におけるペン軸の初期傾斜角を求め、3個のジャイ
    ロが出力した回転角速度信号を基に初期傾斜角からの傾
    斜角の変化を求め、ペン軸の初期傾斜角と初期傾斜角か
    らの傾斜角の変化を基に筆記中のペン軸の傾斜角を演算
    し、演算した筆記中のペン軸の重力座標系(Xg,Y
    g,Zg)における傾斜角を基に3個の加速度センサが
    検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加
    速度を重力座標系(Xg,Yg,Zg)による加速度に
    変換し、変換した重力座標系(Xg,Yg,Zg)によ
    る加速度を基にペン先部の移動方向及び移動距離を算出
    するペン型入力装置であって、3個の加速度センサが検
    出した加速度を基にペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)
    における加速度の合成ベクトルを算出し、算出した合成
    ベクトルの大きさと重力加速度の大きさとを比較し、そ
    の差が予め定めた値以内のときを静止状態と判定し、静
    止状態と判定しているときに3個の加速度センサが検出
    した加速度を基に重力座標系(Xg,Yg,Zg)にお
    けるペン軸の初期傾斜角を演算することを特徴とするペ
    ン型入力装置。
  2. 【請求項2】 ペン軸をZs軸としたペン軸座標系(X
    s,Ys,Zs)のXs軸方向,Ys軸方向及びZs軸
    方向の加速度を示す信号を出力する3個の加速度センサ
    とXs軸周り,Ys軸周り及びZs軸周りの回転角速度
    を示す信号を出力する3個のジャイロを有し、3個の加
    速度センサが出力した加速度信号を基に重力加速度方向
    に伸びる軸をZg軸とした重力座標系(Xg,Yg,Z
    g)におけるペン軸の初期傾斜角を求め、3個のジャイ
    ロが出力した回転角速度信号を基に初期傾斜角からの傾
    斜角の変化を求め、ペン軸の初期傾斜角と初期傾斜角か
    らの傾斜角の変化を基に筆記中のペン軸の傾斜角を演算
    し、演算した筆記中のペン軸の重力座標系(Xg,Y
    g,Zg)における傾斜角を基に3個の加速度センサが
    検出したペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加
    速度を重力座標系(Xg,Yg,Zg)による加速度に
    変換し、変換した重力座標系(Xg,Yg,Zg)によ
    る加速度を基にペン先部の移動方向及び移動距離を算出
    するペン型入力装置であって、座標変換後の重力座標系
    (Xg,Yg,Zg)の加速度のZg軸方向の成分と重
    力加速度とを比較し、その差が予め定めた値以内のとき
    を静止状態と判定し、静止状態と判定しているときに3
    個の加速度センサが検出した加速度を基に重力座標系
    (Xg,Yg,Zg)におけるペン軸の初期傾斜角を演
    算することを特徴とするペン型入力装置。
  3. 【請求項3】 予め定めた期間内にペン軸の初期傾斜角
    の演算を完了しなかったときは入力を無効とし、その旨
    をユーザに知らせる請求項1又は2記載のペン型入力装
    置。
  4. 【請求項4】 ペン軸の初期傾斜角の演算指示を入力す
    ると静止状態か否かを判定し、静止状態であるとペン軸
    の初期傾斜角を演算する請求項1又は2記載のペン型入
    力装置。
  5. 【請求項5】 ペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)にお
    ける加速度を変換して求めた重力座標系(Xg,Yg,
    Zg)におけるXg軸方向及びYg軸方向の加速度が予
    め定めた閾値以下になったときに、3個の加速度センサ
    が検出した加速度を基にペン軸座標系(Xs,Ys,Z
    s)における加速度の合成ベクトルを算出し、算出した
    合成ベクトルの大きさと重力加速度の大きさとを比較
    し、その差が予め定めた値以内のときを静止状態と判定
    し、静止状態と判定しているときに3個の加速度センサ
    が検出した加速度を基に再度重力座標系(Xg,Yg,
    Zg)におけるペン軸の初期傾斜角を演算する請求項1
    記載のペン型入力装置。
  6. 【請求項6】 3個の加速度センサが検出した加速度を
    記憶し、記憶した加速度を基に静止状態の判定及びペン
    軸の初期傾斜角の演算を行う請求項5記載のペン型入力
    装置。
  7. 【請求項7】 重力座標系(Xg,Yg,Zg)におけ
    るXg軸方向の加速度が予め定めた閾値以下となり、か
    つ、Yg軸方向の加速度も予め定めた閾値以下となる場
    合にのみ静止状態と判定する請求項5記載のペン型入力
    装置。
  8. 【請求項8】 筆記中に重力座標系(Xg,Yg,Z
    g)におけるZg軸方向の加速度と重力加速度との差が
    予め定めた値より大きくなると、静止状態か否かの判定
    を行う請求項1記載のペン型入力装置。
  9. 【請求項9】 筆記中に重力座標系(Xg,Yg,Z
    g)におけるZg軸方向の加速度が予め定めた値以上に
    なると入力データを無効としその旨を通知する請求項1
    又は2記載のペン型入力装置。
  10. 【請求項10】 静止状態と判定した後校正対象時点ま
    でに3個のジャイロが検出した回転角速度を積分してペ
    ン軸の重力座標系(Xg,Yg,Zg)における傾斜角
    の変化を演算し、求めた傾斜角と静止状態と判定してい
    るときに演算した重力座標系(Xg,Yg,Zg)にお
    けるペン軸の初期傾斜角を比較し、その差を基に校正対
    象時点のペン軸の傾斜角を補正し、補正後の傾斜角を基
    に校正対象時点に3個の加速度センサが検出したペン軸
    座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度を重力座標
    系(Xg,Yg,Zg)による加速度に再度変換して加
    速度の校正を行う請求項1又は2記載のペン型入力装
    置。
  11. 【請求項11】 静止状態と判定した後校正対象時点ま
    でに3個の加速度センサが検出した加速度の重力座標系
    (Xg,Yg,Zg)における変化分と校正対象時点の
    重力座標系(Xg,Yg,Zg)における加速度とを基
    にペン軸座標系(Xs,Ys,Zs)における加速度の
    オフセット値を求め、求めたオフセット値を基に校正対
    象時点における重力座標系における加速度を校正する請
    求項1又は2記載のペン型入力装置。
  12. 【請求項12】 静止状態と判定してから次に静止状態
    と判定するまでの3個の加速度センサが検出した加速度
    と3個のジャイロが検出した回転各速度を記憶して、記
    憶した加速度と回転角速度を基に重力座標系(Xg,Y
    g,Zg)における加速度を校正する請求項10又は1
    1記載のペン型入力装置。
  13. 【請求項13】 静止状態と判定すると、加速度センサ
    及びジャイロによるサンプリングの周期を短くする請求
    項1又は2記載のペン型入力装置。
  14. 【請求項14】 静止状態及び静止状態に近い状態であ
    ることを判定すると加速度センサ及びジャイロによるサ
    ンプリングの周期を短くして、3個の加速度センサが検
    出した加速度と3個のジャイロが検出した回転角速度を
    記憶する請求項12記載のペン型入力装置。
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