JPH10314978A - 長寿命の溶接電極及びその固定構造、溶接ヘッド並びに溶接方法 - Google Patents
長寿命の溶接電極及びその固定構造、溶接ヘッド並びに溶接方法Info
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- JPH10314978A JPH10314978A JP10072597A JP7259798A JPH10314978A JP H10314978 A JPH10314978 A JP H10314978A JP 10072597 A JP10072597 A JP 10072597A JP 7259798 A JP7259798 A JP 7259798A JP H10314978 A JPH10314978 A JP H10314978A
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Abstract
率の向上、交換時間の短縮を図り、信頼性の高い溶接を
長時間可能とする溶接電極の固定構造、溶接ヘッドを提
供するこ。 【解決手段】 溶接電極301を挿入するための挿入部
304を有する固定台302の挿入部304に、熱伝導
性材料303を介して溶接電極301の固定部305を
挿入し、溶接電極301の固定部305の周面と固定台
302とを均一に接触させて溶接電極301を固定台3
04に固定したことを特徴とする。
Description
その固定構造、溶接ヘッド並びに溶接方法に係る。
なものと平坦なものとがあり、鋭角なものは形状の変化
が著しく耐久性が悪く、平坦なものについては形状の耐
久性は優れているがアーク放電特性の劣化が著しく両者
とも交換頻度が高く作業効率が悪かった。
平坦な電極901では、溶接電極901と被溶接物91
0との間の距離が最も短くなる点(アーク着地点:○)
が多数存在し、アーク放出がされる点(アーク放出点:
●)がさまざまな点で発生するため、溶接時のアークが
ふらついてしまうという問題点があった。
て摩耗していくため先端が鋭角(30〜60°ぐらいの
角度)のものでは摩耗が激しく長時間の安定な溶接は不
可能であることが判明した。
重量%程度のThO2(トリア)を溶接電極母材(W)
に添加する技術が試みられている。
が向上する場合があるが、必ずしも耐久性が向上すると
は限らない。すなわち、トリアの添加効果は一定してい
ない。
ある。すなわち、図2に示すように、溶接電極201
を、挿入部204を有する固定台202の挿入部204
に挿入し、固定台202の側面に設けられたネジ穴から
固定ネジ203を通すことにより溶接電極201を固定
台202に固定していた。しかし、従来のかかる固定構
造では、溶接電極の劣化を招いていた。
り、アルゴンは熱伝導度が悪く溶接に要する電流値が高
くなっていたため溶接電極の温度上昇が起こり溶接電極
の耐久性を悪くしていた。
電源内の配管は主に放出ガスの多い樹脂製の材料が用い
られており、またガス供給系、溶接電源、溶接ヘッドを
つなぐチューブも主に樹脂製の時の材料が用いられてい
たため、溶接時の雰囲気が悪くなり溶接電極の酸化が起
こり、劣化が起こっていた(図6)。
を要し、従来の交換頻度の高い電極では多くの技術者が
必要であり、また交換にかかる時間をかなり要するため
作業効率が悪く信頼性の高い溶接が不可能であった。
形状、溶接電極の材料また溶接雰囲気により溶接電極の
耐久性を向上させ、溶接電極の交換頻度が激減し、交換
に必要であった技術者の人数、時間を減らせるとともに
溶接作業の効率を向上させ信頼性の高い溶接を長時間可
能にする溶接用電極及びその固定構造、溶接ヘッド並び
に溶接方法を提供することを目的とする。
していることを特徴とする。特に、この曲面は、溶接電
極と溶接される物質との間に発生する電気力線に対し
て、垂直な等電位面の形状であることが好ましい。
ように、アーク放出点は一定しており、溶接電極から発
生する電流を均一に発生させることで電極の磨耗を抑え
ることができ、溶接電極の耐久性を向上させることが可
能となる。
mm未満の円弧状の曲面であることが溶接電極の耐久性
をより一層高める上から好ましい。
母材にランタナ、イットリア及びセリアから選ばれる1
種以上の酸化物を添加したことを特徴とする。
決定されるかを鋭意探求した。その結果、溶接電極の寿
命は、半導体業界で用いられる配線寿命(τ)が適用で
き、配線寿命(τ)の式は、 τ= (E0 /(ρJ2 ))exp(Ea/kT) で表されことがわかった。 J:電流密度、ρ:配線抵抗率、E0:配線固有の定数、
k:ボルツマン定数、T:配線温度、Ea:活性化エネ
ルギーである。
極の抵抗率:ρ、E0、Ea、kは不変であり、溶接電極
と被溶接物間の距離を固定し、被溶接物の溶融面積を同
一にし、溶接ガス種、溶接電流を変化させた時の溶接電
極にかかる温度:Tを一定であると仮定すると溶接電極
の寿命(τ)は、 τ=( 1/ J2 )A ただし、A=( E0/ρ)exp(Ea /kT) で表され、寿命は電流密度の2乗に反比例することが分
かる。ここで、溶接電極の形状を例えば図1に示すよう
な形状とすることにより同一なものにしておけば電流密
度は、電流値と置き換えることが可能であり、また、後
述する図3に示すように、溶接電極と被溶接物間の距離
を固定し、被溶接物の溶融面積を同一にし、かつ溶接電
極の形状を同一にすれば、溶接電極の寿命は、電流値の
みによって決まる。
ガス(主に水素やヘリウム)を添加することにより、サ
ーマルピンチ効果によりアーク柱が絞られ被溶接物への
電子密度が高まるため、溶接電流値が下げられる。
り決まるが、電流密度が小さいほど寿命は長くなる。
T)で示される。このとき、Jは電流密度で、Aは熱電
子放出定数、Tは電極温度、kはBoltzman定数、Φは仕
事関数である。従って、アーク放電時の熱電子放出特性
を向上させるため、仕事関数値の小さい材料とすればよ
い。そのためには、溶接電極母材に仕事関数の小さな酸
化物を添加すればよい。しかし、添加した酸化物の融点
が低い場合には、溶接時に酸化物が蒸発してしまい、使
用回数が増えるにつれ電極の劣化を招いてしまう。そこ
で、仕事関数が小さい値を持つとともに融点ないし沸点
の高い酸化物を用いることにより電子放出特性を向上さ
せるとともに繰り返し使用による蒸発を防止して溶接電
極の耐久性を高める。ここで、各材料の融点、沸点、仕
事関数を表1に示す。
ことにより耐久性の向上を図ることが試みられていた。
しかし、トリアの添加と耐久性の向上との上述したよう
な関係は解明されていなかった。また、表1に示すよう
にトリアの仕事関数は幅が広い。これがトリアの添加効
果が一定しない理由と考えられる。
が高い酸化物を溶接母材に添加するものである。仕事関
数がタングステンより小さく、かつ、融点が2000℃
以上の酸化物が用いられる。具体的には、ランタナ、イ
ットリア、ジルコニアを添加する。
%が好ましく、2重量%〜5重量%がより好ましい。1
重量%以上において、電極の耐久性向上が一層顕著とな
る。5重量%を超えると、融点が母材であるタングステ
ンより低いため電極自体が減ってしまうことがある。従
って、2重量%〜5重量%が好ましい。。
命は溶接時の電流値と相関性があり、電流値を低減する
ことで耐久性を向上させることが出来るため、溶接用ガ
スに熱伝導度の高いガスを添加しサーマルピンチ効果に
より、溶接時の電極にかかる電流値を低下させ、溶接電
極の温度を低下させ溶接電極の耐久性を向上させる。
μm以下が好ましい。溶接電極の表面を滑らかにした場
合、溶接電極からの放出ガスを抑制し、電極の劣化を防
止し電極の耐久性を向上させることが可能となる。その
ためには10μm以下が好ましい。また、10μmを超
えると凸部からアークが飛んでしまいアークがふらつく
という欠点が生じてしまが、10μm以下とすることに
より溶接時のアークを安定させることができる。なお、
Rmaxで3μm以下としても効果は飽和し、逆にコスト
を高めてしまう。
接電極を挿入するための挿入部を有する固定台の該挿入
部に、熱伝導性材料を介して溶接電極の固定部を挿入
し、溶接電極の該固定部の周面と固定台とを均一に接触
させて溶接電極を固定台に固定したことを特徴とする。
は固定台202にネジ止め式で止めていたが、かかる止
め方では溶接電極201の劣化が生じていたことは前述
したとおりである。
ろ、その原因は溶接電極201と固定台202との間の
100μm程度の隙間が存在し、その隙間が溶接電極の
劣化の原因であることを見いだした。すなわち、この隙
間が溶接電極201からの放熱を妨げており、そのため
に劣化を招いていることを見いだした。
溶接電極301を挿入するための挿入部304を有する
固定台302の挿入部304に、熱伝導性材料303を
溶接電極301と固定台302との間に介在せしめるこ
とにより、溶接電極301と固定台302との接触面積
を大きくし、溶接により発生する熱の放熱を容易たらし
め溶接電極301の温度上昇を抑制し、電極の形状変化
を防止し、電極の劣化を防止する。これにより、溶接電
極の耐久性の向上が可能となる。
u,Ag,Ptなどが用いられる。熱伝導性材料を介在
せしめるためには、溶接電極と固定台との隙間に、有機
溶媒に溶かした粉末状の熱伝導性材料を溶接電極と固定
台との間に流し込んだ後乾燥することにより行えばよ
い。
定台が分割されており、溶接電極の固定部を該分割固定
台で挟み込んで溶接電極を固定台に固定したことを特徴
とする。
した固定台で溶接電極を挟み込んで固定している。その
ため溶接電極と固定台とは隙間なく接触接触しており、
溶接電極からの放熱特性は向上する。すなわち、溶接に
より発生する熱の放熱を容易たらしめ溶接電極の温度上
昇を抑制し、電極の形状変化を防止し、電極の劣化を防
止する。これにより、溶接電極の耐久性の向上が可能と
なる。
台との間に熱伝導性材料を介在せしめることが好まし
い。熱伝導性材料を介在せしめる方法は、例えば、有機
溶媒に溶かした粉末状の熱伝導性材料を溶接電極と固定
台との間に塗布しておきその後乾燥することにより行え
ばよい。
ンとヘリウムとの混合ガス、(2)ヘリウムと水素との
混合ガス、又は、(3)アルゴンとヘリウムと水素との
混合ガスからなる溶接ガスを用いて溶接を行うことを特
徴とする。
有量は1〜90%とすることが好ましい。
ヘリウムの添加、あるいは水素とヘリウムの添加により
溶接電流の低下を可能にし、溶接電極の耐久性の向上が
可能となる。また、水素は還元性のガスであるため溶接
電極の酸化を防止するため溶接電極の劣化を防ぐ。
く、1〜20%がより好ましく、0.5〜10%がさら
に好ましい。
酸化タングステンはアーク放出特性を劣化させる。
純物(主に水分)を含まないように溶接用ガスの供給管
に放出ガス多い樹脂を使用せず全て金属(ステンレス)
で構成されたガス供給系を用いて溶接電極の耐久性の向
上が可能となる。特に、最表面にクロム酸化物からなる
不働態が形成されたステンレスは放出ガスが極めて少な
いため、かかるステンレスを用いることが好ましい。
極と溶接ヘッドおよび溶接用ガス供給系の説明をする
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
(SPB-100-T4)及び溶接機(K8752T)を用いて行った。
溶接電極の先端部を図1に示すような等電位面に類似し
た形状、詳しくは直径0.12mmの半球状に作成し
た。
接電極と被溶接部との距離が変化し、溶接不可能になっ
たときの回数を比較した結果を表2に示す。
タングステン電極を使用し、溶接条件は比較電極それぞ
れすべて同条件で溶接を行った。
は、従来の先端部が鋭角のもの、あるいは平坦なものと
比較すると電極の耐久性が著しく向上していることが明
らかである。
けは生じていなかった。また、溶接部の引っ張り強度、
曲げ強度等の機械的特性は従来例に比べ遜色なかった。
耐久性を向上させるため、接電極中に融点が高くかつ仕
事関数値の低い酸化物La2O3を2重量%添加した。
表3に示す。ただし、電極の形状は等電位面に類似した
形状、詳しくは直径0.12mmの半球状のものを使用
し、溶接条件はそれぞれ同条件とした。
りも、高融点で低仕事関数値を持つLa2O3を添加した
溶接電極の方が溶接電極の劣化が少なく耐久性が向上し
ていることが明らかになった。
融点で低仕事関数値を持つY2O3などでも耐久性が向上
する。
けは生じていなかった。また、溶接部の引張り強度、曲
げ強度等の機械的特性は従来例に比べ遜色なかった。
化物が、溶接電極に.どのような効果をもたらしている
かを調査するため、様々な酸化物を添加させ、YOKOGAWA
社製LR4110 RecorderMODElL371136を用いて、溶接時の
電圧−電流特性を調べた。尚、溶接には、Astro Arc社
製溶接電源(SPB-10O-T4)、溶接機(K8752T)を用いた。
子放出特性を向上させるため、仕事関数値の低い材料
で、かつ溶接の際に溶接時の温度により物性的に変化し
ないように融点の高い酸化物を添加することが望まし
く、今回は、トリア、ランタナ、セリア、イットリア、
ジルコニアを添加した電極を用いた。
す。図10は、それぞれの電極を用いたときの、電圧−
電流特性を示しており、電流値が増加するとともに電圧
の減少が確認される。
J2))exp(Ea/kT)と定義され、このときの
Jは電流密度であり、溶接電極の形状を同一にすれば電
流値と置き換えることが可能で、電流値を固定した時、
そのときにかかる電圧が低い方が、電極寿命は長くなる
ことが分かる。
電圧値を比較すると、ジルコニアの電圧が突出して高い
ことが分かり、ジルコニアは電極添加材料に適していな
いことが分かる。
の溶接と100回目の溶接時の電圧を測定した結果を示
している。
より電極中から蒸発し、電極中の酸化物の濃度が低下
し、電子放出特性の劣化につながる。逆に、酸化物の融
点が高く溶接時に蒸発せず、電極中に保持されていれば
回数を重ねて溶接を行っても、電圧のばらつきが少ない
と推測される。
00回目ともに電圧値に変化は見られないが、セリア、
イットリアに関しては、電圧値に変化が見られ、ともに
100回目の方が電圧値が高くなっている。これは溶接
時に、アークの温度により酸化物が蒸発し、酸化物濃度
が低下し電子放出特性が劣化しているためだと推測され
る。
用いた溶接時の電圧を測定した結果を示している。
回目にかけて電圧が上昇しているのに対し、ランタナ入
りでは、600回から800回にかけて電圧が上昇して
いる。これは、酸化物が溶接時に蒸発し、従来の熱電子
放出特性の向上が得られずに電圧が上昇するためであ
り、融点の高いランタナの方がこの試験では優れている
ことが明らかになった。
は、ランタナが最適であると考えられる。
上昇することが判明し、この電圧上昇と溶接電極の寿命
との相関性が明らかになったので、溶接時のアーク放出
における電圧を監視することにより、電極の寿命が確認
でき、信頼性の高い溶接が行えることが可能となった。
影響する溶接時の電極温度を測定した。
の保持方法が溶接電極にどのような効果をもたらしてい
るか調査した。溶接には、Astro Arc社製溶接電源(SPBー
100-T4)、溶接機(K8752T)を用いた溶接電極の温度測
定は光ファイバ型の放射温度計(チノー製 IR-FBWS)で
検出し、オシロスコープ(IWATU-LeCroy 9362)にて測
定を行った。
on-Dashmanの式で表わされ、J=AT2exp(−Φ/
kT)で示される。このとき、Jは電流密度で、Aは熱
電子放出定数、Tは電極温度、kはBoltzman定数、Φは
仕事関数である。従って、アーク放電時の熱電子放出特
性を向上させるため、仕事関数値の小さい材料で、溶接
電極の温度が高い方望ましい。しかしながら、溶接時の
温度上昇により電極先端からの添加酸化物の蒸発を抑え
るために、電極温度を低くし、融点の高い酸化物を添加
することが、長寿命化電極として望ましいと考えられ
る。
た、トリア、ランタナ、セリア、イットリアを添加した
溶接電極の温度を測定した。尚、アークシールドガスは
10%H2/Arで流した。
は、溶接電極の温度測定に用いた装置の概略図を示して
いる。ステンレス製の密閉容器内に溶接ホルダーを差し
込み、ステンレス製の板材上にアーク放電を起こした時
の溶接電極の温度を光ファイバ式の放射型温度計で測定
している。光ファイバはXYZ軸ステージに固定し、溶
接電極先端の各ポイントについて計測可能である。
卜リアを添加したタングステン溶接電極の溶接時の先端
温度の結果である。溶接時の電流値は30アンぺアと
し、2秒間アーク放電した時の溶接電極の温度を示して
いる。この図から、溶接電極の先端ほど温度が高く、ま
た、溶接電極の材質によって明らかに電極温度は異な
り、イットリア、卜リア、ランタナ、セリアの順で電極
先端の温度は低くなっていることが分かる。これは、溶
接時の電流電圧特性の結果と一致しており、仕事関数の
大きい材質ほど溶接時の電流値が大きくなり、これに伴
って溶接電極の温度が上昇すると考えられる。
上昇が激しいため、溶接時の温度により添加酸化物が溶
接電極中から蒸発し、溶接電極中の酸化物の濃度が低下
し、電子放出特性の劣化につながっていると考えられ
る。
リア自体の融点が低いため、トリア、イットリア同様に
溶接時に酸化物が蒸着し、電子放出特性の劣化がランタ
ナの場合よりも大きくなっていると考えられる。
数が小さく、溶接電極の温度上昇が比較的低く、また、
ランタナ自体の沸点も高いため、溶接時の温度上昇に伴
う酸化物の蒸発が他のものに比べ少なく、溶接電極中の
酸化物濃度が低くなりにくいと考えられる。従って、長
寿命化溶接電極としてはランタナ電極が最もふさわしい
と考えられる。
を向上させるため、従来は図2に示されるように溶接電
極201と固定台202とをネジ203で固定する方法
ではなく、図3に示すような溶接電極301と固定台3
02の間に熱伝導率の良い銀303を埋め込むことで、
溶接時の電極の温度を短時間で逃がし、電極の温度によ
る劣化を低減させた。
し、結果を表4に示す。ただし、電極の材料は2重量%
Th2O3添加タングステン電極で形状は先端を鋭角にし
たものを使用し、溶接条件はそれぞれ同条件とした。
の高い銀を挿入した固定方法の方が電極の耐久性が向上
していることが明らかになった。
02の間に銀303を挿入したが、熱伝導度の高い材料
であれば銀と同等の結果が得られ、また溶接電極301
と固定台302の間の接触面積を増大させることによっ
ても同様の結果が得られる。
けは生じていなかった。また、溶接部の引っ張り強度、
曲げ強度等の機械的特性は従来例に比べ遜色なかった。
持方法を変化させた時の溶接電極温度を示している。す
なわち、本例では、図3に示すように、溶接電極301
を挿入するための挿入部304を有する固定台302の
該挿入部304に、熱伝導性材料303を介して溶接電
極301の固定部305を挿入し、溶接電極301の該
固定部305の周面と固定台302とを均一に接触させ
て溶接電極301を固定台302に固定した。
との間の約100μmの隙間に、有機溶媒に溶かした粉
末状の銀を溶接電極301と固定台302との間に流し
込んだ後乾燥した。
位面形状とした。かかる固定構造を用い実施例2−2と
同様に方法で電極温度の測定を行った。なお、比較のた
め図2に示す固定構造を用いた場合の電極温度の測定も
行った。その結果を図15に示す。
比較例である。図15に示すように、溶接電極部(距離
が0)における電極温度は、実施例の場合は比較例の場
合に比べ約500℃低くなっている。これは、熱伝導率
の高い銀ペーストで固定することによって、溶接電極と
固定台間の接触面積が増大し、アーク放電時に発生する
熱を溶接電極先端から逃しているため考えられる。
接電極の固定構造を用いた。すなわち、 固定台が80
2a,802bに分割されており、溶接電極801の固
定部を該分割固定台802a,802bで挟み込んで溶
接電極801を固定台802a,802bに固定した固
定構造である。
た。本例では、溶接電極部(距離が0)における電極温
度は、実施例の場合は比較例の場合に比べ約400℃低
くなっていた。これは、溶接電極と固定台間の接触面積
が増大し、アーク放電時に発生する熱を溶接電極先端か
ら逃しているためと考えられる。
ン)中にヘリウムを添加させることにより、溶接時の電
流値を低下させた。
相関性があり、電流値を低下させることにより、長寿命
化が可能となる。本例では、YOKOGAWA LR4110のレコー
ダーを使用し、電流値を測定した。
加タングステン電極で形状は先端を鋭角にしたものを使
用した。
添加することでサーマルピンチ効果により電極にかかる
電流値の低下が得られ、電極の耐久性が向上することが
明らかになった。
に添加ガスとして水素などの熱伝導率の高いガスを加え
ることにより電流値の低下が望めるのでさらに向上す
る。特に水素を添加した場合には、水素の還元作用によ
り電極の酸化が防止され、電極の耐久性が向上する。
けは生じていなかった。また、溶接部の引っ張り強度、
曲げ強度等の機械的特性は従来例に比べ遜色なかった。
ゴンからヘリウムに変え、さらに水素を添加させること
により、溶接時の電流値を低下させた。評価方法は実施
例4と同じにした。ただし、電極の材料は2重量%Th
2O3添加タングステン電極で形状は先端を鋭角にしたも
のを使用した。
り熱伝導度の高いヘリウムを用いることにより、実施例
4で得られた電流値より水素を添加しなくても低電流の
溶接が可能で、さらに実施例4と同様に水素を添加する
ことでサーマルピンチ効果により電極にかかる電流値の
低下が得られ、水素の還元作用により電極の酸化ば防止
され電極の耐久性が向上することが明らかになった。
けは生じていなかった。また、溶接部の引っ張り強度、
曲げ強度等の機械的特性は従来例に比べ遜色なかった。
純物(酸素、水分)の除去目的のため図6に示すよう
に、従来は、溶接電源601を介し、放出ガスの多い樹
脂製のチューブ602を用いて溶接ヘッド603に供給
されていたものを、図7に示すような、溶接電源701
を介さずに供給系に樹脂等放出ガスが多い材料を使用せ
ず、全て金属(ステンレス)で構成されたガス供給系7
02、チューブ703を使用し、溶接ヘッド704に供
給し、溶接雰囲気の向上を図った。
の多い材料を使用しないガス供給系では明らかに違いが
分かった。
果を表6に示す。評価方法は、実施例1、2および3と
同じである。
加タングステン電極で形状は先端を鋭角にしたものを使
用し、溶接条件はそれぞれ同条件とした。
濃度の低いガス供給系の方が電極の耐久性が向上してい
ることが明らかになった。
L材の電解研磨品を用いているが、放出ガス特性に優れ
ている酸化クロム不働態処理品を用いても同様の結果が
得られる。
けは生じていなかった。また、溶接部の引っ張り強度、
曲げ強度等の機械的特性は従来例に比べ遜色なかった。
溶接電極の耐久性が向上し、溶接の作業効率が向上し、
今まで必要であった交換時間、技術者の削減ができ、信
頼性の高い溶接が長時間可能になる。
式的な図面である。
例を示し、(a)は模式的な側断面図、(b)上面図で
ある。
構造の一例を示し、(a)は模式的な側断面図、(b)
上面図である。
ウムを添加したときのヘリウム濃度と溶接電流値の関係
を示すグラフである。
を添加したときの水素濃度と電流値の関係を示すグラフ
である。
ある。
である。
る構造の一例を示す上面図である。
あり、(a)は従来例を示し、(b)は本発明を示す。
である。
を比較したときの電圧測定結果を示すグラフである。
した溶接電極を用いた溶接時の電圧都回数の関係を示す
グラフである。
いた装置の概略図である。
極先端からの距離と温度分布の関係を示すグラフであ
る。
端からの距離と温度分布の関係を示すグラフである。
Claims (16)
- 【請求項1】 先端部の形状が曲面をなしていることを
特徴とする長寿命の溶接電極。 - 【請求項2】 前記曲面は、溶接電極と溶接される物質
との間に発生する電気力線に対し、垂直な等電位面の形
状であることを特徴とする請求項1記載の溶接電極。 - 【請求項3】 前記曲面は、直径0.05mm以上0.
3mm未満の円弧状の曲面であることを特徴とする請求
項1又は2記載の長寿命の溶接電極。 - 【請求項4】 電極用材料の母材にランタナ、イットリ
ア及びセリアから選ばれる1種以上の酸化物を添加した
ことを特徴とする長寿命の溶接電極。 - 【請求項5】 前記酸化物の添加量は1重量%〜5重量
%であることを特徴とする請求項4記載の長寿命の溶接
電極。 - 【請求項6】 溶接電極の前記表面はRmaxで3μm以
上10μm以下であることを特徴とする請求項1ないし
5のいずれか1項記載の長寿命の溶接電極。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項記載の
溶接用電極を用いた溶接ヘッド。 - 【請求項8】 溶接電極を挿入するための挿入部を有す
る固定台の該挿入部に、熱伝導性材料を介して溶接電極
の固定部を挿入し、溶接電極の該固定部の周面と固定台
とを均一に接触させて溶接電極を固定台に固定したこと
を特徴とする溶接電極の固定構造。 - 【請求項9】 溶接電極は、請求項1ないし6のいずれ
か1項記載の溶接電極であることを特徴とする請求項8
記載の溶接電極の固定構造。 - 【請求項10】 固定台が分割されており、溶接電極の
固定部を該分割固定台で挟み込んで溶接電極を固定台に
固定したことを特徴とする溶接電極の固定構造。 - 【請求項11】 溶接電極と固定台との間に熱伝導性材
料を介在せしめることを特徴とする請求項10記載の溶
接電極の固定構造。 - 【請求項12】 溶接電極は、請求項1ないし6のいず
れか1項記載の溶接電極であることを特徴とする請求項
10または11記載の溶接電極の固定構造。 - 【請求項13】 請求項8ないし12のいずれか1項記
載の溶接電極の固定構造を有することを特徴とする溶接
ヘッド。 - 【請求項14】 (1)アルゴンとヘリウムとの混合ガ
ス、(2)ヘリウムと水素との混合ガス、又は、(3)
アルゴンとヘリウムと水素との混合ガスからなる溶接ガ
スを用いて溶接を行うことを特徴とする溶接方法。 - 【請求項15】 溶接ガスの供給は酸化クロム不働態化
処理を施した供給管により行うことを特徴とする請求項
14記載の溶接方法。 - 【請求項16】 混合ガス中におけるヘリウムの含有量
は1〜90%とすることを特徴とする請求項15記載の
溶接方法。
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