JP2010101581A - アーク溶解用電極およびアーク溶解炉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アークの熱エネルギーにより金属材料を溶解するアーク溶解炉1の溶解室20の室内に配置された水冷電極保持材23cに取り付けられるアーク溶解用電極であって、円柱状に形成され、その軸芯部に貫通孔23b2が形成されていると共に、水冷電極保持材23cに着脱自在に取り付けられる接続部材23bと、棒状に形成されていると共に、その後端部が接続部材23bの貫通孔23b2に挿入されて接続部材23bに接合される電極材(タングステン電極)23aとを備え、電極材23aと接続部材23bとがビス23dにより機械的に接合されている。
【選択図】図2
Description
図示するアーク溶解炉200において、溶解室210の下面に銅鋳型201が密着し、溶解室210は密閉容器となされている。また、銅鋳型201の下方には、冷却水が循環する水槽202が設けられ、銅鋳型201は水冷鋳型となされている。
また、図示するように棒状の水冷電極(アーク溶解用電極)203が、溶解室210の上方から室内に挿設され、陰極としてのタングステン電極203aが形成されたその先端は、ハンドル部204の操作によって溶解室210を上下、前後、左右に移動できるようになされている。
また、前記溶解室210の室内に挿設された水冷電極203は、図12に示すように、棒状のタングステン電極(電極材)203aと、タングステン電極203aの後端部に取り付けられた接続部材203bと、接続部材203bを介して、タングステン電極203aを着脱自在に保持する水冷電極保持材203cとを有する。
また、接続部材203bは、円柱状になされ、その軸心部にタングステン電極203aの後端が挿入される貫通孔が形成されている。
そして、タングステン電極203aおよび接続部材203bは、接続部材203bの前記貫通孔に、タングステン電極20の後端部を挿入した状態で銀ロー等のロー材300によりロー付けされて接合される。
なお、図11に示したようなアーク溶解炉の構成は、例えば、特許文献1に開示されている。
具体的には、金属溶解工程中に、水冷電極保持部材の底部と、タングステン電極の上端面との間に入り込んだガスが熱膨張する。この熱膨張により、水冷電極保持部材に保持されているタングステン電極の上端面に圧力が加わり、タングステン電極が脱落することがあった。
その結果、上述した従来技術のアーク溶解炉にあっては、金属溶解の回数を重ねるにつれて、タングステン電極が脱落する可能性が増加していた。
そのため、本発明によれば、金属溶解を行っている最中に、水冷電極保持部材と、電極材(および接続部材)との間に入り込んだガスが熱膨張した場合であっても、電極材と接続部材との接合強度が高いため、電極材が脱落する可能性が軽減される。
また、本発明によれば、上述した従来技術のようにロー付けをすることなく、電極材と接続部材とが機械的に接合されているため、熱の影響によりロー材が溶けることにより、接続部材から電極材が外れることがない。
また、本発明では、電極材と接続部材とをビスにより機械的に接合するようにしているため、従来技術のものと比べて(ロー付けにより固定する場合に比べて)、電極材の交換作業の手間が軽減される。
さらに、本発明では、ロー材が用いられていないため、ロー材が溶けて揮発することにより生じる製品汚染が防止される。
このように本発明によれば、水冷電極保持部材と、電極材(および接続部材)との間に入り込んだガスが熱膨張しても、ガス抜き溝からガスが抜けるため、金属溶解の際に、熱膨張による電極材に加わる圧力が軽減される。
そのため、本発明によれば、金属溶解をしている最中に、水冷電極保持部材から電極材が脱落する可能性を低減させることができる。
また、前記ガス抜き溝は、前記接続部材の外周縁に形成されていることが望ましい。
このように、接続部材にガス抜き用の貫通孔が形成されることにより、上記同様、水冷電極保持材と、電極材(および接続部材)との間に入り込んだガスが熱膨張しても、ガス抜き用の貫通孔(或いはガス抜き溝)からガスを逃がすことができるため、金属溶解の際に、熱膨張による電極材に加わる圧力が軽減される。
このように本発明によれば、金属溶解を行っている最中に、水冷電極保持材から電極材が脱落する可能性を低減させたアーク溶解炉を提供することができる。
なお、本実施形態のアーク溶解炉は、上述した従来技術のもの(図11参照)と、水冷電極の構造が異なる以外は、略同様に構成されている。また、アーク溶解炉を搭載したアーク溶解装置は、既存の技術のものと同じである。
そのため、以下の説明では、上述した従来技術によるアーク溶解炉と異なる部分を中心に説明し、同様の構成については簡略化して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のアーク溶解炉の断面図である。
図示するように、アーク溶解炉1は、下方が開口した溶解室20と、溶解室20の下方開口に密着されたプレート状の銅鋳型30(鋳型)とを有し、それらにより溶解室20は密閉容器となる。
また、銅鋳型30は、水槽22の上面に装着されて水冷鋳型とされ、水槽22には図示しない冷却水循環手段により常に冷却水が循環し、銅鋳型30の温度を一定に調整するようになされている。
また、溶解室20の頂部には、陰極保持用の保持管24が設けられ、保持管24内に設けられたユニバーサルジョイント(図示せず)によって、棒状の水冷電極(アーク溶解用電極)23が溶解室20内を上下、前後、左右に移動可能になされている。水冷電極23の上部にはハンドル25が設けられ、作業者は溶解室20に形成された明かり窓、覗き窓(図示せず)を利用し、目視により確認しながらハンドル25により水冷電極23を操作することができる。
また、ハンドル25の操作により水冷電極23の先端、即ちタングステン電極(陰極)23aは、銅鋳型30上の任意の場所に移動できるようになされている。したがって、銅鋳型30上に置かれた金属材料は、どの位置であってもハンドル25の操作によりすぐに溶解することができる。
なお、本実施形態では、電極材23aがタングステン電極である場合を例にしているが特にこれに限定されるものではない。
図2は、本発明の第1実施形態の水冷電極の模式図である。また、図3は、本発明の第1実施形態の水冷電極を構成するタングステン電極の側面図である。また、図4は、本発明の第1実施形態の水冷電極を構成する接続部材の上面図である。また、図5は、図4に示す接続部材のA−A断面図である。
また、図6は、本発明の第1実施形態のタングステン電極に、接続部材を取り付ける手順を示した模式図であり、図6(a)は、接続部材の貫通孔にタングステン電極を挿入する前の状態を示し、図6(b)は、接続部材の貫通孔にタングステン電極を挿入した状態を示し、図6(c)は、タングステン電極に接続部材が取り付けられた状態を示している。
また、接続部材23bおよび前記接続部材23bを保持する水冷電極保持材23cは、例えば、銅材により形成されている。また、ビス23dは、例えば、ステンレスにより形成されている。
また、図4および図5に示すように、接続部材23bは、円柱状に形成され、その軸心部にタングステン電極23aが挿入される貫通孔23b2が形成されている。また、接続部材23bの側面には、側面を貫通するビス穴23b1(図5参照)が設けられている。また、接続部材23bの外周側面には、水冷電極保持材23cの保持部23c2の内周側面に形成されたネジ溝(メスネジ)23c3(図2参照)に螺合するネジ溝(オスネジ)23b3が形成されている。
具体的には、先ず、図6(a)および図6(b)に示すように、接続部材23bの貫通孔23b2にタングステン電極23aの後端を挿入する。
つぎに、図6(b)に示すように、タングステン電極23aの上面と、接続部材23bの上面とを合わせると共に、タングステン電極23aのビス穴23a1の位置と、接続部材23bのビス穴23b1の位置とを合わせ、ビス穴23b1およびビス穴23a1にビス23dを挿入してビス止めをする。
これにより、図6(c)に示すように、タングステン電極23aの後端に接続部材23bが取り付けられ機械的に接合される。
そのため、第1実施形態によれば、金属溶解を行っている最中に、水冷電極保持材23cの底部23c1と、タングステン電極23a(および接続部材23b)の上面との間に入り込んだガスが熱膨張した場合においても、タングステン電極23aと接続部材23bとの接合強度が高いため、タングステン電極23aが脱落する可能性が軽減される。
また、第1実施形態は、タングステン電極23aと接続部材23bとをビス23dにより機械的に接合するようにしているため、従来技術のものと比べて(ロー付けにより固定する場合に比べて)、タングステン電極23aの交換作業の手間が軽減される。
図7は、本発明の第2実施形態の冷却電極を構成するタングステン電極の側面図である。また、図8は、本発明の第2実施形態の冷却電極を構成する接続部材の平面図である。また、図9は、図8に示した接続部材のB−B断面図である。また、図10は、本発明の第2実施形態において、タングステン電極に接続部材が取り付けられた状態の模式図である。
なお、第2実施形態にあっては、冷却電極を構成するタングステン電極および接続部材以外は、上述した第1実施形態のものと同じである。そのため、以下では、第1実施形態と異なる部分を説明し、第1実施形態と同じ構成については、その説明を省略する。
なお、ガス抜き溝53a1の長さ寸法(h1(mm))は、少なくとも、接続部材53b(図9、図10参照)の高さ寸法(h2(mm))よりも大きいものとする。
また、図8および図9に示すように、接続部材53bは、円柱状に形成され、その軸心部にタングステン電極53aが挿入される貫通孔53b2が形成されている。また、接続部材53bの外周縁には、上面から下面を貫通する、軸方向と平行方向な凹状のガス抜き溝(貫通孔)53b1が形成されている。
なお、接続部材53bの外周側面には、水冷電極保持材23cの保持部23c2の内周側面に形成されたネジ溝(メスネジ)23c3に螺合するネジ溝(オスネジ)53b3が形成されている。
なお、接続部材53bを取り付けられたタングステン電極53aは、上述した第1実施形態と同様、接続部材53bの外周に形成されたネジ溝53b3と、水冷電極保持材23cの保持部23c2に形成されたネジ溝23c3とを螺合させることにより、水冷電極保持材23cに接続される。
そのため、第2実施形態によれば、金属溶解をしている際に、水冷電極保持材23cからタングステン電極53aが脱落する可能性を低減させることができる。
タングステン電極53a(又は接続部材53b)にだけガス抜き溝53a1(又はガス抜き溝53b1)が設けられていてもよい。この場合も、上記と同様、水冷電極保持材23cの底部23c1と、タングステン電極53a(および接続部材53b)の上面との間に入り込んだガスの熱膨張による、タングステン電極53aの脱落を防止することができる。
また、上述した第2実施形態では、接続部材53bの外周縁にガス抜き溝53b1を設けることにより、ガスを逃がす流路を形成しているが特にこれに限定されるものではない。例えば、ガス抜き溝53b1が、接続部材53bの上面から下面を貫通する貫通孔であってもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなくその要旨の範囲において種々の変形が可能である。
例えば、上述した第1実施形態の水冷電極23において、さらに、上述した第2実施形態のガス抜き溝53a1、53b1の構成を設けるようにしてもよい。
また、上記第2実施形態において、冷却電極保持材23cに、ガス抜き用の溝を設けるようにしてもよい。
20 溶解室
22 水槽
23 水冷電極
23a タングステン電極(電極材)
23a1 ビス穴
23b 接続部材
23b1 ビス穴
23b2 貫通孔
23b3 ネジ溝
23c 水冷電極保持材
23c1 底部
23c2 保持部
23c3 ネジ溝
23d ビス
24 保持管
25 ハンドル
26 保持管
27 材料ハンドリングスティック
27a フック
30 銅鋳型(鋳型)
53a タングステン電極(電極材)
53a1 ガス抜き溝
53b 接続部材
53b1 ガス抜き溝
53b2 貫通孔
53b3 ネジ溝
300 ロー材
Claims (5)
- アークの熱エネルギーにより金属材料を溶解するアーク溶解炉の溶解室内に配置された水冷電極保持材と、水冷電極保持材に接続部材を介して保持される電極材とを備えたアーク溶解用電極であって、
前記接続部材は、円柱状に形成され、その軸芯部に貫通孔が形成されていると共に、前記水冷電極保持材に着脱自在に取り付けられ、
前記電極材は、棒状に形成されていると共に、その後端部が前記接続部材の貫通孔に挿入されて前記接続部材に接合され、
前記電極材と前記接続部材とがビスにより機械的に接合されていることを特徴とするアーク溶解用電極。 - アークの熱エネルギーにより金属材料を溶解するアーク溶解炉の溶解室内に配置された水冷電極保持材と、水冷電極保持材に接続部材を介して保持される電極材とを備えたアーク溶解用電極であって、
前記接続部材は、円柱状に形成され、その軸芯部に貫通孔が形成されていると共に、前記水冷電極保持材に着脱自在に取り付けられ、
前記電極材は、棒状に形成されていると共に、その後端部が前記接続部材の貫通孔に挿入されて前記接続部材に接合され、
前記電極材は、その後端部の外周縁に、後端部から軸方向と平行方向に延びるガス抜き溝が形成されていることを特徴とするアーク溶解用電極材。 - アークの熱エネルギーにより金属材料を溶解するアーク溶解炉の溶解室内に配置された水冷電極保持材と、水冷電極保持材に接続部材を介して保持される電極材とを備えたアーク溶解用電極であって、
前記接続部材は、円柱状に形成され、その軸芯部に貫通孔が形成されていると共に、前記水冷電極保持材に着脱自在に取り付けられ、
前記電極材は、棒状に形成されていると共に、その後端部が前記接続部材の貫通孔に挿入されて前記接続部材に接合され、
前記接続部材には、上面から下面を貫通するガス抜き用の貫通孔、或いは凹状のガス抜き溝が形成されていることを特徴とするアーク用電極。 - 前記ガス抜き溝は、前記接続部材の外周縁に形成されていることを特徴とする請求項3に記載にアーク用電極。
- 前記請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載されたアーク溶解用電極を備えていることを特徴とするアーク溶解炉。
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JP2008274651A JP2010101581A (ja) | 2008-10-24 | 2008-10-24 | アーク溶解用電極およびアーク溶解炉 |
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2008
- 2008-10-24 JP JP2008274651A patent/JP2010101581A/ja active Pending
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