JP2010116589A - 金属の真空アーク溶解装置およびこれを用いた金属の真空アーク溶解方法 - Google Patents

金属の真空アーク溶解装置およびこれを用いた金属の真空アーク溶解方法 Download PDF

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Abstract

【課題】真空アーク溶解炉を用いた金属の溶解方法において、生産速度を落とすことなく、合金成分の偏析の少ない合金インゴットを溶解する方法およびそのための装置を提供する。
【解決手段】消耗電極と鋳型との間にアークを発生させ、消耗電極を溶解して鋳型内にインゴットを形成する金属の真空アーク溶解方法であって、鋳型内に溶製されたインゴットと鋳型との間の空間にヘリウムガスを流しつつ溶解操業を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、高融点金属の溶解装置および方法に関し、とりわけ、鋳肌の優れた金属インゴットを製造する装置および方法に関する。
金属チタンは、従来航空機に多く用いられてきたが、近年、用途開発が進み、建材や道路、あるいはスポーツ用品等に広く用いられている。このような金属チタンは、クロール法で製造されたスポンジチタンを破砕整粒後、加圧成形されたブリケットを組み合わせて電極とし、これを溶解することで製造することができる。
スポンジチタンの溶解は、通常は、消耗電極式真空アーク溶解炉(以降単に、「真空アーク溶解炉」と呼ぶ場合がある。)を使用して行われるものである。即ち、クロール法で製造されたスポンジチタンを顆粒状に破砕整粒後、前記顆粒状スポンジチタンをブリケットに成形し、次いで成形されたブリケットを接合して棒状の電極を構成する。
棒状に構成された電極は、真空アーク溶解炉にて溶解されると同時に、水冷された鋳型内にて冷却されてチタンインゴットが溶製される。溶製されたチタンインゴットは、上下が反転されて再度真空アーク溶解炉にて二次溶解されて、製品インゴットを得ることができる。前記得られた製品インゴットは外観検査を経た後、ユーザーに出荷される。
前記のように溶製されたインゴットが合金の場合においては、溶製されたインゴット中の合金元素の偏析の解消が重要な課題になってくる。真空アーク溶解における合金成分の偏析は、生成インゴットの頂部に形成された溶融金属プールの深さに影響されることが知られている。
即ち、前記電極の下方に形成された溶融金属プールが深くなればなるほど、前記プールの冷却の際に溶融プールに排出される合金成分の量が増加する傾向にあり、よって、溶製されたインゴットの頂部には、合金成分が濃化または希釈された領域が形成される(以降、「合金成分変動域」と呼ぶ場合がある)。
合金成分変動域の大きさは、前記したように溶融金属プールの深さに影響され、よって、溶融金属プールが浅く維持されるような真空アーク溶解方法が望ましいと考えられている。
真空アーク溶解炉内で形成される溶融プールの深さは、電極と溶融金属プールとの間に発生するアークの大きさに比例することが知られており、前記したアークの大きさを抑制することで溶融金属プールを浅く維持することができるものと考えられる。
しかしながら、電極と溶融金属プールとの間に発生するアークの大きさを抑制することは、電極の溶解速度を抑制することを意味し、この方法はインゴットの生産性の点で改善の余地が残されている。
このような観点において、特許文献1では、ESR法による鋼の溶製方法が開示されている。特に、溶製されたインゴットと鋳型との間にヘリウムガスを流すことにより、インゴット頂部に形成される溶融金属プールを浅くすることができ、その結果、偏析が少なく、更に鋳肌の優れたインゴットを溶製することができると記載されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記文献には、ESR炉の内部に投入するヘリウムガス量が具体的に記載されておらず、また溶解状況の変動に対してどの程度対応できるのかという点についての言及もない。
また、前記特許文献1は、鋼の溶解を目的としたものであり、高融点金属である例えば金属チタンあるいはチタン合金の溶解に対してどの程度適用できるのかという点についての言及もない。
このように真空アーク溶解して生成されたチタン合金インゴットにおいて成分偏析の少ない合金インゴットの溶製技術が望まれている。
特開平09−029420号
本発明は、真空アーク溶解炉を用いた金属の溶解方法において、生産速度を落とすことなく、合金成分の偏析の少ない合金インゴットを溶解する方法およびそのための装置の提供を目的としている。
かかる実情に鑑みて鋭意検討を重ねてきたところ、真空アーク溶解炉を用いた金属の溶解時に、鋳型および鋳型内で溶製されたインゴットとの空間部にヘリウムガスを供給することにより、前記した課題を効果的に解決できることを見出し、本願発明を完成するに至った。
即ち、本願発明は、消耗電極と鋳型との間にアークを発生させ、消耗電極を溶解して鋳型内にインゴットを形成する金属の真空アーク溶解方法であって、鋳型内に溶製されたインゴットと鋳型との間の空間にヘリウムガスを流しつつ溶解操業を行うことを特徴としている。
本願発明の溶製の初期においては、インゴットと鋳型との間の空間は、インゴット頂部に形成された溶融金属プールが鋳型に密着することで閉じられているので、ヘリウムガスの供給圧力を増加させることによって前記密着部の少なくとも一部を破った後に到達する平衡圧力にてヘリウムガスを供給し続けることを好ましい態様としている。
本願発明の溶解方法においては、前記ヘリウムガスは、真空アーク溶解開始後に供給を開始することを好ましい態様としている。
本願発明の溶解方法においては、前記ヘリウムガスは、溶融金属プールの深さが下記式(1)で規定されるプール深さP(m)よりも小さい範囲に維持されるように供給することを好ましい態様としている。
P=5(1−0.25D)M …(1)
ここで、D:鋳型の内径(m) 、M:インゴットの溶解速度(kg/秒)を表す。
本願発明の溶解方法においては、前記プール深さPは、鋳型内に供給している冷却水に吸収される熱量変化または鋳型内に挿入されている熱伝対の温度変化により検知することを好ましい態様としている。
本願発明の溶解方法においては、前記平衡圧力が、10〜50Paであることを好ましい態様としている。
本願発明の溶解方法においては、前記溶製されたインゴットを鋳型内で冷却する際に、インゴットと鋳型との間にヘリウムガスを流しつつ冷却することを好ましい態様としている。
また、本願発明は、消耗電極と鋳型との間にアークを発生させ、消耗電極を溶解して鋳型内にインゴットを形成する金属の真空アーク溶解装置であって、鋳型の底部にヘリウムガス供給ノズルを配設したことを特徴としている。
本願発明の溶解装置においては、鋳型の壁面に、熱電対を内装したことを好ましい態様としている。
さらに、本願発明の溶解方法および溶解装置においては、前記金属が、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、またはこれらのうち少なくとも1種を含む合金であることを好ましい態様としている。
本発明によれば、真空アーク溶解時に形成される溶融金属プールの深さを従来の方法に比べて浅く形成かつ維持することができるので、合金の溶製に本願発明を適用することで、成分偏析の少ない合金インゴットを溶製することができるという効果を奏するものである。
また、溶製されたインゴットを冷却する際においても、前記インゴットと鋳型との間にヘリウムガスを流すことにより、溶製されたインゴットの冷却時間を短縮することができるという効果も奏するものである。
本発明の最良の実施形態について図面を用いて以下に説明する。図1は本発明を実施するために用いるための好適な真空アーク溶解炉M(以下、単に「溶解炉M」と呼ぶ場合がある。)の構成例を表している。本実施態様では、高融点金属がチタン合金である場合を例にとり以下に説明する。
溶解炉Mは、インゴットを鋳造するための水冷銅鋳型1からなり、その底部にはヘリウムガス導入ノズル6、頂部にはヘリウムガス排気ノズル7が設けられている。水冷銅鋳型1の頂部には、先端にスタブ3を係合した電極昇降装置4が設けられており、スタブ3には消耗電極8が接続されている。
図示しない初期状態においては、スタブ3に係合保持した消耗電極8と空の水冷銅鋳型1の底部との間にアークを発生させ、この熱で消耗電極8は溶解して落下し、水冷銅鋳型1内に溶融チタンプールを形成し、冷却されてインゴット3を形成する。溶解が進行してインゴット3が形成するに従って、インゴット頂部に形成される溶融チタンプール2の位置は上昇するので、それに伴って電極昇降装置4を動作させて消耗電極8を上昇させ、消耗電極8と溶融チタンプール2との間のアークを適切に維持しつつ溶解を継続する。図1は、このような溶解段階にある溶解炉Mを示している。
本願発明においては、このような溶解炉Mにヘリウムガスを供給することを特徴としているが、その供給位置は、チタンインゴット3の生成する水冷銅鋳型1の底部に、ヘリウムガス導入ノズル6を設けることが好ましい。また、ヘリウムガス導入ノズル6は、図1においては1箇所に設けているが、水冷銅鋳型1の円周方向に複数箇所設けることが好ましい。
消耗電極8の先端部と溶融チタンプール2との間にアークが生成して、溶解工程が安定したところで、水冷銅鋳型1の底部に設けたヘリウムガス導入ノズル6から水冷銅鋳型1の内部にヘリウムガスを導入することが好ましい。
前記ヘリウムガス導入ノズル6より導入されたヘリウムガスは、生成インゴット3と水冷銅鋳型1との間に形成された空隙に前記ヘリウムガスが充填される。
本願発明においては、更にヘリウムガスの導入を継続すると生成インゴット3の頂部に形成されている溶融チタンプール2と水冷銅鋳型1との間を押し広げた形で溶融チタンプール2の上方空間に前記ヘリウムガスが通り抜けた後、系外に排出されるように運転することが好ましい。
前記のような形でヘリウムガスを導入することで、溶融チタンプール2およびインゴット3と水冷銅鋳型1との空間部にヘリウムガスが満たされる。
ヘリウムガスは、熱伝導度が空気や他の不活性ガスに比べて大きいため、溶融チタンプール2およびインゴット3から水冷銅鋳型1への伝熱を促進することができ、その結果、インゴット3の頂部に形成される溶融チタンプール2を浅く形成することができる。
溶融チタンプール2が浅くなると、インゴット3が合金の場合には溶製後のインゴット中の偏析を抑制することができる。その結果、合金組成の均一なインゴットを溶製することができるという効果を奏するものである。
また、前記インゴット3の冷却速度も増加するために、生成インゴットの冷却時間を短縮することができ、その結果、インゴットの生産性を高めることができるという効果を奏するものである。
図2に示すように、消耗電極8の先端部と溶融チタンプール2との間に形成されるアーク10によって溶解した消耗電極8の先端部が落下して形成される溶融チタンプール2は、水冷銅鋳型1内で広がって、溶融チタンプール2と水冷銅鋳型1とは密着した状態で保持されている。
一方、溶融チタンプール2の下方に形成されているインゴット3は冷却によって収縮するため、インゴット3と水冷銅鋳型1との間には空間部が形成される。
図3は、本願発明の溶解炉内へのヘリウムガスの導入圧力とヘリウムガス流量との関係を表している。水冷銅鋳型1の底部に設けたヘリウムガス導入ノズル6から導入されたヘリウムガスは、前記空間部に充填される。しかしながら、溶融チタンプール2と水冷銅鋳型1とは密着しているため、ヘリウムガスの導入を継続するとヘリウムガス供給ラインの背圧が上昇する。
これは、図3のグラフにおいて点OからPへの増加で示されている。更に、ヘリウムガスの供給を継続してVに達すると、ヘリウムガスの圧力は最大値Pを示した直後、前記溶融チタンプール2と水冷銅鋳型1との密着面の一部が破れて、前記ヘリウムガスが溶融チタンプール2の上方空間に開放され、圧力は僅かに低下する。ここからさらにヘリウムガスの供給を継続して供給量がVとなるとヘリウムガス供給ラインの背圧が低下し、平衡圧力Pに達する。
本願発明においては前記平衡圧力が10〜50Pa の範囲にあり、よって真空アーク溶解炉にHeガスを供給した後の炉内の圧力も10〜50Paの範囲になるように前記Heガスの供給量を制御することが好ましい。
本願発明においては、前記平衡圧力に達した後、前記の圧力にて溶解終了までヘリウムガスの投入を継続させることが好ましい。
また、本願発明においては、前記の平衡状態に到達後、更にヘリウムガスの流量を増加させてもよい。その結果、溶融チタンプール2から水冷銅鋳型1への抜熱量が増加し、その結果、溶融チタンプール2の深さを更に浅くすることができる。
ただし、溶融チタンプール2の深さが過度に浅くなると溶融チタンプール2の鋳肌が劣化する場合があり、所定の深さの溶融チタンプール2は維持しておくことが好ましい。
本願発明においては、溶融チタンプール2の深さは、水冷銅鋳型1の内径よりも小さい範囲に維持することが好ましく、投入するヘリウムガスの流量と水冷銅鋳型1の径により予備試験により前記の好ましい範囲を選択することができる。
前記好ましい具体的な範囲は、溶融金属プールの深さが下記式(1)で規定されるプール深さP(m)よりも小さい範囲に維持されるように供給することが好ましい。
P=5(1−0.25D)M …(1)
ここで、D:鋳型の内径(m) 、M:インゴットの溶解速度(kg/秒)を表す。
(1)式は、溶解が定常状態に達した時点でのプール深さを表しており、この際に吸収される冷却水への熱量を基準として、その変化をモニターすることでプール深さPの変動を追うことができる。あるいは、鋳型内面に埋設する形で装着した熱電対の温度変化よりプール深さの動きをモニターすることもできる。
前記した範囲に溶融チタンプール2の深さを制御することで、偏析の少ないチタンインゴットを溶製することができるという効果を奏するものである。また、鋳肌も健全に維持できるという効果を奏するものである。
以上述べたような溶解方法を採用することで、生成したインゴットの鋳肌が良好に維持されるのみならず、偏析が抑制されたインゴットを生成することができるという効果を奏するものである。
更に、前記方法で溶解生成されたインゴットの冷却過程においてもヘリウムガスを鋳型内に導入することで、生成インゴットの冷却時間も短縮することができ、その結果、インゴットの生産性を高めることができるという効果を奏するものである。
本願発明の溶解装置においては、鋳型の壁面に、熱電対を内装することが好ましい。このような構成によれば、インゴットの温度を直接的に検知することができるので、インゴットの冷却完了時を把握することができ、インゴット製造の効率化を図ることができる。
[実施例1]
図1に示した溶解炉Mを用い、スタブ3に純チタンスポンジチタンとチタン−アルミ合金で構成した電極(15t)を配置して、直径1.3m、長さ2.7mのチタン合金(6Ti−4Al)インゴットを水冷銅鋳型1内で溶解した。溶解中においては、前記ヘリウムガス導入ノズル6よりヘリウムガスを導入してヘリウムガス供給ラインの背圧が平衡状態に達したことを確認後、前記の圧力にて前記電極の溶解を継続した。本実施例では平行状態の圧力は、30Paであった。前記電極の溶製が終わった後、ヘリウムガスの存在下で排気バルブ7を閉にして炉内を減圧状態に封じ切り、室温まで冷却した。この際、冷却水へ吸収される熱量変化は把握しないで溶解を終了した。
溶製されたチタン合金インゴットをインゴットの長手方向に沿ってからサンプルを採取して、前記合金インゴット中のアルミニウムの偏析状況を調査した。また、前記インゴットの溶製開始から、インゴットの冷却終了までの時間を測定した。
[比較例1]
実施例1において、前記ヘリウムガスを導入しない以外は同じ条件下にてチタンインゴットを溶製した。溶製したチタンインゴットを実施例1と同様にアルミニウムの偏析状況を調査した。また、前記インゴットの溶製開始からインゴットの冷却終了までの時間を測定した。
実施例1および比較例1において溶製されたチタンインゴット中のアルミニウムの長手方向の偏析状況を表1に整理した。なお、表の数値は、インゴット中央部のアルミニウムの濃度を100とした場合のインゴット底部と頂部の偏析状況を示す。その結果、本願発明に係る方法で溶製したインゴット中のアルミニウムの偏析状況は、従来の方法に従った比較例1に比べて、大幅に改善されていることが確認された。
Figure 2010116589
また、溶解時間については、表2に同様に整理した。なお、表2の数値は、比較例1の溶製開始から冷却終了までの時間を100とした場合の割合を示している。その結果、ヘリウムガスを導入しない場合に比べて大幅に時間短縮されることが確認された。
Figure 2010116589
[実施例2]
実施例1において上記(1)式で計算されるプール深さが形成されている考えられる時点を基準にして、冷却水に吸収される熱量を測定しつつ前記熱量が一定になるようにヘリウムの供給量を調節しつつ溶解を行った。ついで、溶製されたインゴット中の長手方向に対するアルミニウムの偏析状況を確認した。その結果を表3に示した。
表3に示されるように、アルミニウムの偏析状況は、実施例1に比べて小さく、組成の均一なインゴットを溶製することができることが確認された。
Figure 2010116589
本発明によれば、鋳肌が良好で成分偏析の少ない金属インゴットの製造および冷却を効率良く実施することができる。
本発明の消耗電極式真空アーク溶解炉Mを示す模式断面図である。 図1の消耗電極式真空アーク溶解炉Mのインゴットおよび溶融チタンプール部分の拡大図である。 本発明の消耗電極式真空アーク溶解炉Mにヘリウムガスを供給した場合におけるガス導入圧力とガス流量の関係を示すグラフである。
符号の説明
M…消耗電極式真空アーク溶解炉、1…水冷銅鋳型、2…溶融チタンプール、3…インゴット、4…電極昇降装置、5…アーク、6…ヘリウムガス導入ノズル、7…ヘリウムガス排気ノズル、8…消耗電極。

Claims (11)

  1. 消耗電極と鋳型との間にアークを発生させ、上記消耗電極を溶解して上記鋳型内にインゴットを形成する金属の真空アーク溶解方法であって、
    上記鋳型内に溶製されたインゴットと上記鋳型との間の空間にヘリウムガスを流しつつ溶解操業を行うことを特徴とする金属の真空アーク溶解方法。
  2. 前記インゴットと鋳型との間の空間は、インゴット頂部に形成された溶融金属プールが鋳型に密着することで閉じられており、
    前記ヘリウムガスの供給圧力を増加させることによって前記密着部の少なくとも一部を破った後に到達する平衡圧力にて上記ヘリウムガスを供給し続けることを特徴とする請求項1に記載の金属の真空アーク溶解方法。
  3. 前記ヘリウムガスは、真空アーク溶解開始後に供給を開始することを特徴とする請求項2に記載の金属の真空アーク溶解方法。
  4. 前記ヘリウムガスは、前記溶融金属プールの深さが下記式(1)で規定されるプール深さP(m)よりも小さい範囲に維持されるように供給することを特徴とする請求項3に記載の金属の真空アーク溶解方法。
    P=5(1−0.25D)M …(1)
    ここで、D:鋳型の内径(m) 、M:インゴットの溶解速度(kg/秒)を表す。
  5. 前記プール深さPは、鋳型内に供給している冷却水に吸収される熱量変化または鋳型内に挿入されている熱伝対の温度変化により検知することを特徴とする請求項4に記載の金属の真空アーク溶解方法。
  6. 前記平衡圧力が、10〜50Paであることを特徴とする請求項2に記載の金属の真空アーク溶解方法。
  7. 前記溶製されたインゴットを前記鋳型内で冷却する際に、上記インゴットと上記鋳型との間に前記ヘリウムガスを流しつつ冷却することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属の真空アーク溶解方法。
  8. 前記金属が、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、またはこれらのうち少なくとも1種を含む合金であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の金属の真空アーク溶解方法。
  9. 消耗電極と鋳型との間にアークを発生させ、上記消耗電極を溶解して上記鋳型内にインゴットを形成する金属の真空アーク溶解装置であって、上記鋳型の底部にヘリウムガス供給ノズルを配設したことを特徴とする金属の真空アーク溶解装置。
  10. 前記鋳型の壁面に熱電対を内装されていることを特徴とする請求項9に記載の金属の真空アーク溶解装置。
  11. 前記金属が、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、またはこれらのうち少なくとも1種を含む合金であることを特徴とする請求項9または10に記載の金属の真空アーク溶解装置。
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