JP5022184B2 - TiAl基合金の鋳塊製造方法 - Google Patents

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本発明は、コールドクルーシブル誘導溶解(CCIM)法で、TiAl基(金属間化合物系)合金で成る大型の鋳塊を製造するTiAl基合金の鋳塊製造方法に関するものである。
TiAl基(金属間化合物系)合金は、軽量・高強度であることから、航空宇宙用、自動車用のエンジン等に利用され始めており、大型の鋳塊へのニーズも高まっているが、合金成分の偏析による成分変動などの問題があり、まだ、製造技術自体が確立されるに至っていないのが現状である。
チタン(Ti)合金、ジルカロイなどの実用的に使用されている合金鋳塊は、現在、工業的には真空アーク溶解法、プラズマアーク溶解法、電子ビーム溶解法などにより製造されている。これらの溶解法は、いずれも水冷された銅材をるつぼ溶解容器として用いる溶解法である。これらの溶解法は、合金原料の全量を一括して溶解せずに、少量ずつ供給して溶解を行い、形成される溶融金属浴を下側から順次凝固させて鋳塊を製造することを特徴としている。現在、1〜10ton程度の鋳塊がこれらの溶解法を用いて製造されている。
真空アーク溶解法は、Ti原料やAl原料に、他の様々な合金成分を配合して、プレス成型や溶接などにより棒状の合金原料棒を作製し、この合金原料棒を消耗電極にして溶解を行い、合金化を行う方法である。この溶解法は、全ての合金原料を一括して溶解せずに、一部分ずつを順次溶解凝固させる溶解法である。そのため、合金原料棒に融点差の大きい元素成分が多量に含まれる場合は、低融点の元素成分が合金原料棒から先に溶解落下して、高融点の元素成分が遅れて溶解するなどの現象が起こり、製造される鋳塊の成分偏析が著しくなるという問題があった。
例えば、典型的なチタン合金であるTi−6Al4V(質量%)合金、Ti−15V3Al3Cr3Sn(質量%)合金などの合金量であれば、Al(融点:660℃)やSn(融点:232℃)などの低融点元素の含有量は僅かで、成分偏析などの問題は発生せず、均質な成分組成の合金鋳塊を製造することは可能である。
それに対して、TiAl基(金属間化合物系)合金などのように多量のAlが含有される合金の場合は、高融点のTi(融点:1680℃)と低融点のAl(融点:660℃)を組み合わせて棒状の消耗電極を製作して、真空アーク溶解を行うと、低融点のAlから先に溶解落下して、合金原料棒にTiが残ってしまうことになる。この場合、残ったTi原料の一部が強度不足となって溶解する前に落下したり、あるいはAlが全て溶解した後にTiが溶解したりするなどの状況となってしまい、合金化が不十分となって、成分偏析の大きな鋳塊が製造される可能性が高くなるといった問題がある。従って、真空アーク溶解法で、TiAl基(金属間化合物系)合金を製造すること自体が容易ではない。
また、プラズマアーク溶解法や電子ビーム溶解法では、水冷銅製のハース(皿状溶解容器)を用いる方法であれば、ハース内において溶融金属浴を合金化することは可能ではある。しかしながら、通常は溶融金属浴部の体積は、鋳塊全体の体積と比べてかなり小さいため、合金製造には原料配合の段階で、微小なサイズに調整した合金原料を配合しなければならない等の制約があり、均質な合金組成の大型鋳塊の製造には課題が残る。更には、高真空を用いる電子ビーム溶解法では、Alなどの蒸発ロスによる鋳塊の成分変動が起こりやすいという問題もあって、成分変動の少ないTiAl基(金属間化合物系)合金の鋳塊を製造するのは容易ではない。
一方、コールドクルーシブル誘導溶解(CCIM)法のように、合金原料を一括で全量溶解して合金化した後に、凝固させて鋳塊を製造する方法もある。この溶解方法であれば、融点差の大きな合金でも比較的溶解することが容易であり、成分の均質な溶湯を容易に製造することができると考えられるが、CCIM法によって大型の鋳塊を製造する技術は、現状ではまだ開発途上である。また、通常実施されている重力鋳造法により作製した鋳塊は、鋳塊中心部に凝固収縮による空孔状欠陥(引け巣)が発生しやすく、この欠陥部に合金成分が濃化偏析するなどの問題が発生しやすいという課題も残っている。
CCIM法により比較的大型で長尺の鋳塊を製造する方法として、非特許文献1に記載の製造方法が知られている。この製造方法は、水冷銅るつぼを用いて、その外周部に設置した高周波コイルに高周波電流を通電して、水冷銅るつぼ内に供給した合金原料を誘導溶解し、水冷銅るつぼの底部を下方に引き抜いて大型で長尺の鋳塊を製造する方法である。この製造方法は、水冷銅るつぼと溶湯プールの間にフッ化カルシウム(CaF)などのフッ化物系スラグを、精錬効果、電気的絶縁効果、或いは引き抜き時の潤滑効果などを狙って添加することを特徴としている。この方法により、溶解原料としてスポンジTiを用いて、直径5インチの長尺鋳塊が製造できることが示されているが、Ti溶湯に溶融フッ化カルシウム(CaF)が接触することとなるため、鋳塊中にフッ素(F)が数十ppmほど混入する結果となっており、高清浄な鋳塊を製造するには問題がある。よって、TiAl基(金属間化合物系)合金の鋳塊製造にそのまま適用することは不可能である。
また、CCIM法によって大型で長尺の鋳塊を製造する方法として、フッ化カルシウム(CaF)などの精錬材を添加せずに、コイルからの電磁気力により溶融金属浴を保持して、水冷銅るつぼの底部を引き抜くことにより、長尺鋳塊を製造する方法も考えることはできる。しかしながら、たとえこの製造方法で長尺鋳塊を製造したとしても、不適切な操業条件を用いると、図3及び図4に示すような、表面欠陥が発生した鋳塊や、著しく合金成分の偏析した鋳塊が製造されることとなり、歩留まりが大幅に悪化するなどの問題が発生し、健全な鋳塊を製造することは困難である。
発明者らは、CCIM法で塊状の合金原料を供給しつつ、水冷銅製るつぼのるつぼ底を下方に引き抜くことで、溶解鋳造の操業条件を最適化することにより、合金原料などの解け残りのない健全な大型の鋳塊を製造する方法について特許出願している(特許文献1,2)。
しかしながら、これらの製造方法においても、TiAl基(金属間化合物系)合金の鋳塊を製造した場合は、少しでも不適切な操業条件を用いると、図3及び図4に示すような、鋳塊の表面に著しく大きな凹凸が形成されてしまうという課題が残されていた。
特開2006−122920号公報 特開2006−281291号公報 P.G.Clites,「Inductslag Melting Process」,US,Bureau of Mines Bulletin 673,1982
本発明は、上記従来の問題を解消せんとしてなされたもので、表面欠陥を始めとした様々な鋳造欠陥が発生することを抑制でき、健全な大型の鋳塊を製造することができるTiAl基合金の鋳塊製造方法を提供することを課題とするものである。
請求項1記載の発明は、円形のるつぼ底が上下方向に移動自在に形成された円筒形の水冷銅製るつぼの内部に供給した溶解原料を、その水冷銅製るつぼの周囲を取り巻く高周波コイルによる誘導加熱で溶解して溶湯プールとし、前記るつぼ底を下方に移動させることにより、そのるつぼ底上の前記溶湯プールを前記高周波コイルによる誘導加熱領域外に引き抜いて凝固させ、TiAl基合金で成る鋳塊を製造するTiAl基合金の鋳塊製造方法であって、製造される鋳塊の直径を200mm以上、1000mm以下、直径に対する高さ寸法を1.5倍以上とし、前記溶解原料を溶解して溶湯プールとする際に投入する電力(P)を、以下の式を満たす範囲内として鋳塊を製造することを特徴とするTiAl基合金の鋳塊製造方法である。
5600×D<P<8000×D
上式で、Pは溶解原料を溶解する際に投入する電力(単位:kW)
Dは水冷銅製るつぼの内径(単位:m)
請求項2記載の発明は、円形のるつぼ底が上下方向に移動自在に形成された円筒形の水冷銅製るつぼの内部に供給した溶解原料を、その水冷銅製るつぼの周囲を取り巻く高周波コイルによる誘導加熱で溶解して溶湯プールとし、前記るつぼ底を下方に移動させることにより、そのるつぼ底上の前記溶湯プールを前記高周波コイルによる誘導加熱領域外に引き抜いて凝固させ、TiAl基合金で成る鋳塊を製造するTiAl基合金の鋳塊製造方法であって、製造される鋳塊の直径を200mm以上、1000mm以下、直径に対する高さ寸法を1.5倍以上とし、前記溶解原料を溶解して溶湯プールとする際に投入する電力(P)を、以下の式を満たす範囲内として鋳塊を製造することを特徴とするTiAl基合金の鋳塊製造方法である。
2400×D<P<4000×D
上式で、Pは溶解原料を溶解する際に投入する電力(単位:kW)
Dは水冷銅製るつぼの内径(単位:m)
本発明の請求項1記載のTiAl基合金の鋳塊製造方法によると、溶解原料を溶解する際に投入する電力を、重力鋳造法を用いた通常のコールドクルーシブル誘導溶解に適用する電力と比較して高い領域とすることで、溶湯プール側面に形成される凝固層が電磁気力により再溶解されるため、凝固層の水冷銅製るつぼ内壁面への付着を抑制することができる。従って、るつぼ底上の溶湯プールを引き抜く際に、凝固層が引っ張り応力を受けて亀裂することで、くびれ状欠陥が生成することを防止できる。更には、溶湯プールからの伝熱により形成される凝固層自体の肉厚が薄くなるため、万が一その凝固層に亀裂が入ったとしても、その亀裂が小さいうちに亀裂内に溶湯プールから溶湯が直ちに充填され、その亀裂が巨大なくびれ状欠陥に成長することはない。
本発明の請求項2記載のTiAl基合金の鋳塊製造方法によると、溶解原料を溶解する際に投入する電力を、通常のコールドクルーシブル誘導溶解に適用する電力よりも低い領域とすることで、形成される溶湯プールが浅くなり、溶湯プール側面に形成される凝固層が上方に成長することはなくなるため、水冷銅製るつぼの内壁面へ付着する凝固層の領域を少なくすることができ、凝固層が引っ張り応力を受けて亀裂することによりくびれ状欠陥を生成するということを抑制できる。更には、凝固層自体が肉厚となるため、凝固層が強固になって亀裂が発生しにくくなり、亀裂の発生によるくびれ状欠陥の生成そのものを防止することができる。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて更に詳細に説明する。
本発明によると、TiAl基 (金属間化合物系) 合金の鋳塊は、図1及び図2に示すような、るつぼ底1が上下方向に移動自在に形成された水冷銅製るつぼ2と、その水冷銅製るつぼ2の周囲を取り巻くように配置された高周波コイル4で成るコールドクルーシブル誘導溶解(CCIM)装置Aを用いて製造することができる。
このコールドクルーシブル誘導溶解装置Aを構成する水冷銅製るつぼ2は、複数本の銅製セグメント7を円筒状に組み合わせて構成されており、底部には円形で銅製のるつぼ底1が配置されている。複数本の銅製セグメント7、7、…の間には、0.05〜2mmのスリットが設けられており、それらスリットには、電気的絶縁のため、イットリア(Y)系セメント、或いはアルミナ(Al)系セメント等の絶縁材が埋め込まれている。高周波コイル4は、水冷銅製るつぼ2の周囲をその上下端をある程度残し、螺旋状に取り巻くように水冷銅製るつぼ2の表面より僅かに離れて設けられており、大出力の高周波電源8に接続されている。銅製セグメント7、るつぼ底1、高周波コイル4は夫々中空状であり、中空内部には冷却水が注入されている。るつぼ底1は、下方のシリンダ等の引き抜き機構9に連結されて上下方向に移動自在に構成されており、水冷銅製るつぼ2の銅製セグメント7で成る円筒状の本体から下方に引き抜くように移動させることができる。
このコールドクルーシブル誘導溶解装置Aを用いてTiAl基合金(金属間化合物系)で成る鋳塊6の製造は行われるが、このコールドクルーシブル誘導溶解装置Aは、真空チャンバーB内に設けられている。また、るつぼ底1の上面には、溶解開始時のスタート材となる底盤10が取り付けられている。この底盤10は、純チタン材やチタン合金材等で形成されている。
尚、本発明が対象とする大型の鋳塊6については、特にその大きさを限定しないが、例えば、その寸法は、直径200mm以上、その直径に対する高さ寸法が1.5倍以上、即ち300mm以上とすることが好ましい。前記した寸法に達しない小型の鋳塊6であれば、特にコールドクルーシブル誘導溶解装置Aを用いなくても比較的容易に製造することができると共に、30kg以下の小型であって特に実用性もないからである。また、鋳塊6の直径は1000mm以下、直径に対する高さ寸法の倍率は5倍以下とすることが好ましい。
次に、コールドクルーシブル誘導溶解装置Aを用い、るつぼ底1を下方に移動させることにより大型の鋳塊6を製造する方法について説明する。
コールドクルーシブル誘導溶解装置A等を用いて鋳塊6を製造する作業を始める前に、溶解原料3を準備する。溶解原料3は、所定のTiAl基合金で成る鋳塊6を製造するために必要な配合割合を考慮し、Ti、Alのほか、適宜Cr、V、Nb、Mn等を配合したものとする。溶解原料3には、水冷銅製るつぼ2内に初期に供給される塊状の溶解原料3と、初期の溶解が終了した後、水冷銅製るつぼ2内に供給する複数本の棒状の溶解原料3がある。尚、溶解原料3は、必ずしも初期に供給する塊状の溶解原料3と追加供給する複数本の棒状の溶解原料3に分ける必要はなく、棒状の溶解原料3だけであっても良いし、初期に供給する原料と、追加供給する原料に分ける場合であっても、その形状、数量は問わない。
まず、溶解開始時のスタート材となる底盤10を上面に取り付けたるつぼ底1を所定の高さ位置に配置した状態で、水冷銅製るつぼ2の内部に、初期の溶解原料3を供給する。この状態で、高周波コイル4に高周波電流を通電することにより、高周波コイル4による誘導発熱領域にある底盤10の上部と初期の溶解原料3を同時に溶解する。溶解された底盤10の上部と初期の溶解原料3は、初期の溶湯プール5を形成する。
次にるつぼ底1を下方に引き下げれば、るつぼ底1上の溶湯プール5は、高周波コイル4による誘導発熱領域から徐々に下方に抜き出されることとなり、その下方から凝固を開始する。尚、溶湯プール5のうち水冷銅製るつぼ2の内壁面に接触した外表面から、水冷により事前に凝固を開始して凝固層12となっているため、溶湯プール5は下方に抜き出しても流れ出すことはない。
溶湯プール5を徐々に下方に引き抜くにつれて、水冷銅製るつぼ2内の溶湯プール5の量が減少するため、その引き抜き量と見合う量の棒状の溶解原料3を上方より追加供給して溶解することにより、溶湯プール5の量を常に一定に保つことができる。この引き抜きによって凝固した部位が目的の鋳塊6となる。尚、上方より供給する棒状の溶解原料3は、複数本を束にして、真空チャンバーBの上部に設けた吊り下げ機構11に吊り下げた状態で、その下端部から溶湯プール5の減少量に見合った量だけ徐々に供給される。
この引き抜き鋳造法によって作製される鋳塊6には、一般に行われている重力鋳造法で作製する鋳塊6のように中心部に引け巣欠陥が発生することはなく、健全な鋳塊6を製造することができる。TiAl基合金のように特に割れやすい合金材料の鋳塊製造方法としては、引け巣欠陥を起因とする割れが発生しないので、この引き抜き鋳造法は適したものということができる。
以上の製造方法で製造されるTiAl基(金属間化合物系) 合金で成る鋳塊6には、強度や延性などの機械的特性を改善するため、種々の合金元素を添加することが一般的であり、その成分組成をTiAl−X系と表記する場合、合金成分XとしてCr、V、Nb、Mn等が配合される。そのTiAl基合金の一例として、Ti−30Al−2Cr−2V−6Nb(質量%)合金や、Ti−30Al−3Cr−3V−4Mn(質量%)合金を掲げることができる。
単に、以上の製造方法で、TiAl基合金で成る鋳塊6を製造した場合、製造条件によれば、図3に示すように、鋳塊6の表面に表面欠陥が生成される可能性がある。aはその深さが20mmにも及ぶ深いくびれ状欠陥、bはその深いくびれ状欠陥aに溶湯が流入して二重の凝固組織となった二重肌欠陥である。このような深いくびれ状欠陥aや二重肌欠陥bのような表面欠陥が鋳塊6に生成されると、鋳塊6の表面の切削(皮削り)が必要となり、鋳塊6の歩留まりが著しく低下してしまう。一般的なチタン合金やステンレス鋼で成る鋳塊6の場合は、このような表面欠陥が生成される可能性は少ないが、TiAl基合金で成る鋳塊6の場合は深いくびれ状欠陥aや二重肌欠陥bが生成される可能性が高くなる。
一方、本発明による適正な製造方法で、TiAl基合金で成る鋳塊6を製造した場合、図4に示すように、比較的軽微(深さ5mm以内)で、使用上問題のないくびれ状欠陥aしか生成されず、製造される鋳塊6は、鋳塊6として使用可能なものとなる。
従来から行われることのなかったコールドクルーシブル誘導溶解法−引き抜き鋳造法で、TiAl基合金で成る鋳塊6を製造するにあたり、図3に示すような深いくびれ状欠陥aや二重肌欠陥bの発生を防止するためには、適正な溶解鋳造の操業条件を選択することが不可欠である。そこで発明者らは、数多くの溶解鋳造試験を行うことで、その適正な溶解鋳造の操業条件を見出すことに成功した。その操業条件とは、溶解原料3を溶解して溶湯プール5とする際に投入する電力を、一般的なチタン合金やステンレス鋼で成る鋳塊6を製造する際のコールドクルーシブル誘導溶解法−重力鋳造法に適用される電力と比較して、比較的高めの電力領域とするか、或いは低い電力領域とすることである。
以下、本発明が完成するまでの経緯について詳細に説明する。
コールドクルーシブル誘導溶解法で、TiAl基合金で成る鋳塊6を製造する際の原料となる溶解原料3を溶解する場合、まず、高周波コイル4に高周波電流を通電し、その溶解原料3に発生する誘導電流の抵抗発熱によって、その溶解原料3を加熱し、その加熱温度を溶解原料3の融点(液相線)以上まで上昇させて、溶解原料3を溶解することにより溶湯プール5とする。その際、図5に示すように、その溶湯プール5内では、誘導磁場による中心方向への磁気力(横向き矢印で示す)が作用して、溶湯静圧(下向き矢印で示す)と釣り合うようになると想定される。原理的には、磁気力と溶湯静圧が釣り合う位置で、溶湯プール5の溶湯が、水冷銅製るつぼ2の内壁面に接触して凝固層12が形成され始めることになるが、投入する電力を、一般的なチタン合金やステンレス鋼で成る鋳塊6をコールドクルーシブル誘導溶解法−重力鋳造法で製造する際の電力と同等とした場合、溶湯プール5は電磁気力によりその中央部で盛り上がり、表面を溶湯が流れ落ちるような激しい流動をする可能性がある。その結果、溶湯の一部は、前記した釣り合いの位置より更に上方で水冷銅製るつぼ2の内壁面に接触して上下に長い凝固層12となり、凝固層12で囲まれた内側に溶湯プール5が形成されたような状態となる。
このような状態で、水冷銅製るつぼ2のるつぼ底1を下方に移動させると、表層に形成された凝固層12と共に、溶湯プール5が下方に引き抜かれることになるが、図6に示すように、表層の凝固層12の一部が水冷銅製るつぼ2を構成する銅製セグメント7、7間に形成されたスリットに食い込んだような状態等となり、強固に固着していると(○で示す)、固着した部位は引き下げられないことになる。その結果、凝固層12の下部に引っ張り応力が作用することとなり、特にスリットに食い込む等で固着が強固な場合は、凝固層12の下部に亀裂が発生し、その亀裂が成長して大きく深いくびれ状欠陥aとなってしまう。凝固層12が上下に長いほど、スリットに食い込んだ固着部等、強固な固着部が形成される可能性が高くなり、深いくびれ状欠陥aが生成される可能性も高くなる。従って、この凝固層12が上下に長く成長しないようにすることが、深いくびれ状欠陥aが生成される可能性を低くすることにつながると考えた。
また、溶湯プール5の直下で大きく深いくびれ状欠陥aが生成された場合、図6に示すように、溶湯プール5とくびれ状欠陥aとの間の凝固層12の比較的薄い部分が破壊されることがある。その場合、溶湯プール5の溶湯が、くびれ状欠陥a内に流入することとなり、くびれ状欠陥a内に充填された溶湯が凝固し、二重肌欠陥bとなる。二重肌欠陥bを形成する溶湯は、元のくびれ状欠陥aの内面には完全には溶着しないため、浸透探傷試験を行うと欠陥部として検出されることとなる。
発明者らは、大きく深いくびれ状欠陥aや二重肌欠陥bのような表面欠陥を発生させないようにするためには、まず、くびれ状欠陥aを発生させないことが重要と考え、その条件を探求した。
前記したように、くびれ状欠陥aは、溶湯プール5の表層に形成された凝固層12が水冷銅製るつぼ2の内壁面に強固に固着される結果、その凝固層12の下方が引っ張り応力を受けることで亀裂が発生し、その亀裂が成長することにより形成される。
そこで、このようなくびれ状欠陥aの生成を防止する有効な方法として、図7に示すように、凝固層12を薄くさせて、万が一その凝固層12に亀裂が入ったとしても、その亀裂が小さいうちに亀裂に溶湯プール5から直ちに溶湯が充填されて、巨大なくびれ状欠陥に成長に至らせない方法、図8に示すように、溶湯プール5を浅くすることにより、凝固層12の上方への成長を防止し、水冷銅製るつぼの内壁面へ付着する凝固層12の領域を少なくすると共に、更に凝固層12を肉厚にしてその凝固層12の強度を上げることで亀裂の発生を抑制し、くびれ状欠陥aの発生を防止する方法を夫々考え出した。
図7に示す方法では、一般的なチタン合金やステンレス鋼で成る鋳塊6を製造する際のコールドクルーシブル誘導溶解法−重力鋳造法に適用される投入電力の範囲と比較して、比較的高めの電力を投入して、溶湯プール5の側面に形成される凝固層12を再溶解して、凝固層12の水冷銅製るつぼ2の内壁面への付着を抑制すると共に、凝固層12の厚み自体を薄くすることが有効と考えた。また、図8に示す方法では、逆に投入電力を、一般的なチタン合金やステンレス鋼で成る鋳塊6を製造する際のコールドクルーシブル誘導溶解法−重力鋳造法に適用される電力よりも低い投入電力として、溶湯プール5を浅くすることで、溶湯プール5の側面に形成される凝固層12に上下に短くし、その凝固層12の水冷銅製るつぼ2の内壁面への付着領域を少なくすると共に、その凝固層12自体の厚みを厚く強固にすることが有効と考えた。
一般的なチタン合金やステンレス鋼で成る鋳塊6を製造する際のコールドクルーシブル誘導溶解法−重力鋳造法で、溶湯プール5を形成するために投入する電力(P)は、次式で示す範囲内である。
4800×D<P<7500×D
上式で、Pは溶解原料を溶解する際に投入する電力(単位:kW)
Dは水冷銅製るつぼの内径(単位:m)
この投入電力の範囲は、水冷銅製るつぼ2の内径と同じ高さの円柱体容積に相当する溶解原料3を溶解して、溶湯プール5を形成する際に適用される電力の範囲である。尚、投入電力を求めるに際し、水冷銅製るつぼの内径の2乗から計算するのは、これまでのコールドクルーシブル誘導溶解法−重力鋳造法を用いた溶解操業の際の知見に基づく経験式である。
まず、発明者らは、一般的なチタン合金やステンレス鋼で成る鋳塊6を製造する際のコールドクルーシブル誘導溶解法−重力鋳造法で、溶湯プール5を形成するために投入する電力と同じ範囲の電力を投入して、TiAl基合金で成る鋳塊6を、コールドクルーシブル誘導溶解法−引き抜き鋳造法で製造した。その結果、投入する電力によれば、鋳塊6の表面に、図3に示すような、巨大なくびれ状欠陥aや二重肌欠陥b等の表面欠陥が生成されてしまった。そこで、コールドクルーシブル誘導溶解法−引き抜き鋳造法で、TiAl基合金で成る鋳塊6を製造する場合に、表面欠陥が生成しにくい投入電力の範囲を調べることとした。
試行錯誤を繰り返して試験を行った結果、図7に示す方法で、表面欠陥が生成しにくくするためには、投入電力(P)を、次式で示す範囲内とすることが有効であることを見出した。
5600×D<P<8000×D
上式で、Pは溶解原料を溶解する際に投入する電力(単位:kW)
Dは水冷銅製るつぼの内径(単位:m)
投入電力(P)を、P=5600×Dより高くすることにより、溶湯プール5が電磁気力により十分に保持されるため、溶湯プール5の周囲に凝固層12が形成されにくくなり、巨大な表面欠陥が発生しにくくなると考えられる。一方、過度に高電力を投入することは、溶湯プール5への磁気力の付与が大きくなり、溶湯攪拌による溶湯プール5表面の湯流れの乱れが大きくなりすぎて、操業自体が不安定となる。P=8000×Dを超えない範囲で操業を行う必要がある。
また、図8に示す方法で、表面欠陥が生成しにくくするためには、投入電力(P)を、次式で示す範囲内とすることが有効であることを見出した。
2400×D<P<4000×D
上式で、Pは溶解原料を溶解する際に投入する電力(単位:kW)
Dは水冷銅製るつぼの内径(単位:m)
投入電力(P)を、P=4000×Dより高くすると、図3に示すような、巨大なくびれ状欠陥aや二重肌欠陥b等の表面欠陥が発生しやすくなる。投入電力(P)の下限値P=2400×Dは、これ以上、投入電力(P)を低下させると、溶解原料3を溶解しつつ、溶湯プール5を保持することが不可能となる電力値であり、これ以下の投入電力(P)では操業を行うことが困難となる。
尚、図7に示す高電力操業で製造した鋳塊6と、図8に示す低電力操業で製造した鋳塊6を比較した場合、図7に示す低電力操業で製造した鋳塊6の方が、内部のガス穴欠陥や微小な割れが少なくなる傾向が認められ、鋳塊6の健全性はより向上すると考えられる。
典型的なTiAl基合金の一例であるTi−30Al−2Cr−2V−6Nb合金(質量%)で成る鋳塊を、コールドクルーシブル誘導溶解装置を用いることで製造した。使用したコールドクルーシブル誘導溶解装置等の基本仕様は以下に示す通りである。
コールドクルーシブル誘導溶解装置は、周波数:3000Hz、出力:500kW(Max)の高周波電源を有しており、製合盤を介して、水冷ケーブルにより高周波コイルと接続されている。高周波コイルは水冷銅製るつぼの外周を7周に亘り取り巻いており、その長さは256mmである。水冷銅製るつぼは、円筒状に組まれた24本の銅製セグメントと、引き抜き機構に取り付けられたるつぼ底より構成されている。銅製セグメント、るつぼ底等の内部には冷却水が流されており、その冷却水の流量は400L/minである。また、コールドクルーシブル誘導溶解装置が収容された真空チャンバーの内容量は10mである。
表1に示す試験に使用する試験体(鋳塊)は、内径が200mmの水冷銅製るつぼを用い、溶湯プール量が常時15kgとなるようにして製造した。また、表2に示す試験に使用する試験体(鋳塊)は、内径が250mmの水冷銅製るつぼを用い、溶湯プール量が常時25kgとなるようにして製造した。
試験体の製造は、るつぼ底の上面に、溶解開始時のスタート材となる工業用純チタン材で成る底盤を取り付け、所定のスタート位置に配置した状態で、水冷銅製るつぼの内部に、Ti−30Al−2Cr−2V−6Nb合金(質量%)で成る初期の溶解原料を装入して開始した。追加供給用の溶解原料も同様にTi−30Al−2Cr−2V−6Nb合金(質量%)で成るが、その追加供給用の溶解原料は、複数本の棒状溶解原料を円柱状に束ねたものである。内径が200mmの水冷銅製るつぼを用いた表1の場合は、その総直径は140mm、長さは1000mmであり、内径が250mmの水冷銅製るつぼを用いた表2の場合は、その総直径は180mm、長さは1000mmである。この追加供給用の溶解原料は、真空チャンバーの上部に設けられた吊り下げ機構に吊り下げた状態で、その下端部から水冷銅製るつぼの内部に順次供給される。
まず、底盤を溶解開始時の所定の高さ位置に配置し、水冷銅製るつぼの内部に塊状の溶解原料を供給した。その後、真空チャンバーの内部の空気を拡散ポンプで6.7×10−2Paになるまで真空排気した後、高純度Arを27KPaまで充填して不活性ガス雰囲気とした。次に、高周波電源の出力を入れて、100kW(10分間)→200kW(10分間)→260kW(10分間)で保持して、塊状の溶解原料と底盤の上部を溶解し、初期の溶湯プールを形成させた。
その後、棒状の溶解原料を下方に押し下げて、その下端部を前記溶湯プール内に浸漬して溶解すると同時に、その溶解量に見合った分だけ鋳塊を下方に引き抜くことで、常時、溶湯プールの量を一定とする。鋳塊を下方に引き抜く際の投入電力は、内径が200mmの水冷銅製るつぼを用いた表1の場合には100〜300kW、内径が250mmの水冷銅製るつぼを用いた表2の場合には200〜430kWとし、その引き抜き速度を2mm/分として、連続的に鋳塊の引き抜きを行うことで試験体を製造した。製造された鋳塊は、内径が200mmの水冷銅製るつぼを用いた表1の場合は、直径が195mm、長さが550mmの円柱状であり、内径が250mmの水冷銅製るつぼを用いた表2の場合は、直径が245mm、長さが550mmの円柱状である。
試験では、以上の方法で製造した試験体(鋳塊)の表面に形成された表面欠陥について評価を行った。試験結果を表1及び表2に示す。表1は、内径が200mmの水冷銅製るつぼを用いて所定の試験体(鋳塊)を作製した実施例と比較例、表2は、250mmの水冷銅製るつぼを用いて所定の試験体(鋳塊)を作製した実施例と比較例である。内径が200mmの水冷銅製るつぼを用いた表1の場合、請求項1記載の5600×D<P<8000×Dという数式に該当する投入電力(P)の範囲は、224〜320kW、請求項2記載の2400×D<P<4000×Dという数式に該当する投入電力(P)の範囲は、96〜160kWである。また、内径が250mmの水冷銅製るつぼを用いた表1の場合、請求項1記載の5600×D<P<8000×Dという数式に該当する投入電力(P)の範囲は、350〜500kW、請求項2記載の2400×D<P<4000×Dという数式に該当する投入電力(P)の範囲は、150〜250kWである。
表面欠陥の評価は、試験体(鋳塊)の表面を皮削りした切削面においてカラーチェックを実施し、鋳塊直径の2倍の長さの範囲の表面に存在する表面欠陥の個数をもとに行った。その面積が100mm以上(20mm×5mm相当以上)300mm未満の表面欠陥を大欠陥、300mm以上(30mm×10mm相当以上)の表面欠陥を巨大欠陥とした。
巨大欠陥が発生した場合は、熱間加工が困難となり鋳塊として使用できるものではない、大欠陥程度の欠陥であれば、その表面欠陥を補修することにより熱間加工することは可能とはなるが、その大欠陥の発生個数が3個以上になると補修を要する領域が広くなり過ぎて、実質的に使用することは不可能となる。そのため、巨大欠陥が1個でも発生するか、大欠陥が3個以上発生した試験体(鋳塊)は不合格品(×)、大欠陥が2個発生した試験体(鋳塊)は合格品(○)、大欠陥が1個以下の試験体(鋳塊)は合格で良品(◎)とした。
内径が200mmの水冷銅製るつぼを用いた表1では、投入電力(P)が、請求項1記載の条件に該当する224〜320kWにある実施例A1、実施例A2は○で合格品、投入電力(P)が、請求項2記載の条件に該当する96〜160kWにある実施例A3、実施例A4は◎で良品であったのに対し、投入電力(P)が、請求項1記載の条件にも請求項2記載の条件にも該当しなかった比較例A1、比較例A2は×で不合格品であった。
また、内径が250mmの水冷銅製るつぼを用いた表1では、投入電力(P)が、請求項1記載の条件に該当する350〜500kWにある実施例B1、実施例B2は○で合格品、投入電力(P)が、請求項2記載の条件に該当する150〜250kWにある実施例B3は○で合格品、実施例B4は◎で良品であったのに対し、投入電力(P)が、請求項1記載の条件にも請求項2記載の条件にも該当しなかった比較例B1、比較例B2は×で不合格品であった。
以上説明したように、溶解原料を溶解する際に投入する電力(P)を、請求項1や請求項2記載のように適正な範囲とすることで、表面欠陥の発生が少ない健全な鋳塊を製造することができる。尚、請求項1記載の方法で製造した鋳塊と、請求項2記載の方法で製造した鋳塊を比較したところ、請求項2記載の方法で製造したほうがより健全な鋳塊を製造することができるといえる。
本発明の製造方法で、鋳塊を製造する方法の概要を示す縦断面図である。 コールドクルーシブル誘導溶解装置を示す縦断面斜視図である。 大きな欠陥のある鋳塊の外観を示すもので、左は表面写真、右は縦断面写真である。 健全な鋳塊の外観を示すもので、左は表面写真、右は縦断面写真である。 投入電力を適正な範囲とせずに鋳塊を製造する状態を示す縦断面図である。 くびれ状欠陥や二重肌欠陥が生成された状態を示す縦断面図である。 投入電力を請求項1記載の条件として鋳塊を製造する状態を示す縦断面図である。 投入電力を請求項2記載の条件として鋳塊を製造する状態を示す縦断面図である。
符号の説明
1…るつぼ底
2…水冷銅製るつぼ
3…溶解原料
4…高周波コイル
5…溶湯プール
6…鋳塊
7…銅製セグメント
8…高周波電源
9…引き抜き機構
10…底盤
11…吊り下げ機構
12…凝固層
a…くびれ状欠陥
b…二重肌欠陥
A…コールドクルーシブル誘導溶解装置
B…真空チャンバー

Claims (2)

  1. 円形のるつぼ底が上下方向に移動自在に形成された円筒形の水冷銅製るつぼの内部に供給した溶解原料を、その水冷銅製るつぼの周囲を取り巻く高周波コイルによる誘導加熱で溶解して溶湯プールとし、
    前記るつぼ底を下方に移動させることにより、そのるつぼ底上の前記溶湯プールを前記高周波コイルによる誘導加熱領域外に引き抜いて凝固させ、TiAl基合金で成る鋳塊を製造するTiAl基合金の鋳塊製造方法であって、
    製造される鋳塊の直径を200mm以上、1000mm以下、直径に対する高さ寸法を1.5倍以上とし、
    前記溶解原料を溶解して溶湯プールとする際に投入する電力(P)を、以下の式を満たす範囲内として鋳塊を製造することを特徴とするTiAl基合金の鋳塊製造方法。
    5600×D<P<8000×D
    上式で、Pは溶解原料を溶解する際に投入する電力(単位:kW)
    Dは水冷銅製るつぼの内径(単位:m)
  2. 円形のるつぼ底が上下方向に移動自在に形成された円筒形の水冷銅製るつぼの内部に供給した溶解原料を、その水冷銅製るつぼの周囲を取り巻く高周波コイルによる誘導加熱で溶解して溶湯プールとし、
    前記るつぼ底を下方に移動させることにより、そのるつぼ底上の前記溶湯プールを前記高周波コイルによる誘導加熱領域外に引き抜いて凝固させ、TiAl基合金で成る鋳塊を製造するTiAl基合金の鋳塊製造方法であって、
    製造される鋳塊の直径を200mm以上、1000mm以下、直径に対する高さ寸法を1.5倍以上とし、
    前記溶解原料を溶解して溶湯プールとする際に投入する電力(P)を、以下の式を満たす範囲内として鋳塊を製造することを特徴とするTiAl基合金の鋳塊製造方法
    2400×D<P<4000×D
    上式で、Pは溶解原料を溶解する際に投入する電力(単位:kW)
    Dは水冷銅製るつぼの内径(単位:m)
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