JPH08168896A - 流体供給用の精密溶接方法および溶接治具 - Google Patents

流体供給用の精密溶接方法および溶接治具

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JPH08168896A
JPH08168896A JP33432594A JP33432594A JPH08168896A JP H08168896 A JPH08168896 A JP H08168896A JP 33432594 A JP33432594 A JP 33432594A JP 33432594 A JP33432594 A JP 33432594A JP H08168896 A JPH08168896 A JP H08168896A
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welding
welded
tube
frames
jig
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Tadahiro Omi
忠弘 大見
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で溶接時のB.S.G.の内圧低
下を防止する流体供給用の精密溶接方法および溶接治具
を得る。 【構成】 ボルト11,12の固定された一方のフレー
ム1と他方のフレーム2とに、チューブ21,22の被
溶接のそれぞれの端部21a,22aをチューブ固定用
ビス7,8で仮固定する。溶接治具10に対する左右の
被溶接のチューブ21,22は、溶接治具10の略中央
部でチューブ端部21a,22aの断面円が同心で、チ
ューブ21,22が一直線上となるよう調整される。こ
の状態において、ナット5,6を締め付けフレーム間に
張力を与え、チューブの左右の端面21a,22a同士
間に所定の押圧力を加える。この押圧力により、溶接時
の隙間の発生とB.S.G.のガス抜けが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体供給用の精密溶接
方法および溶接治具に係わる。更に詳述すると、流体供
給用のガス供給システムにおいて、ガス供給チューブの
溶接を高精度で行う流体供給用の精密溶接方法および溶
接治具に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体デバイスの高集積化、高性能化、
高速化が近年益々進み、それに対応できる製造装置が求
められている。半導体デバイスの高緻密化は、その製造
装置に付随する流体供給システムへのより高清浄度の雰
囲気、更に、流体供給用の精密溶接方法および溶接治具
の要求へと波及している。
【0003】半導体デバイスの製造プロセスにおいて
は、実にさまざまな特殊材料ガス、あるいはそれを希釈
するバルクガス(N2,Ar等)が用いられる。配管を施
工する上で不可欠となる溶接においても、高清浄度を達
成するために配管の切断法から溶接方法に至るまで、さ
まざまな研究開発を行ってきた。倒えば、配管の切断時
においては、上流からN2ガスなどの不活性ガスを常時
パージしながら、外部からのパーティクル及び切断時に
発生する切りこの、配管内部ヘの混入を防いでいる。
【0004】図7は、従来のウェルダーヘッド(以降、
単にWヘッドとも言う)にチューブ71,72をセット
し、溶接する状態を示した断面図である。図7におい
て、被溶接のチューブ71,72をクランプ73.74
が固定し、チューブ突き合わせ部75にウェルダー電極
(以降、単にW電極とも言う)76を擁するWヘッドが
設定され、更に突き合わせ部75にカバー78が設けら
れている。この構成において、バックシールディングガ
ス(以降、単にB.S.G.とも言う)は左側から右側
へ通過される。
【0005】図8は、チューブ71および72の溶接部
75を拡大図示したチューブの断面図である。図8にお
いて、記号dwはビード部の内径、記号d0は母材の内
径をそれぞれ表している。上記の溶接時において、B.
S.G.を常に所定の内圧(約100mmAq)にコン
トロールして、ビード部と母材とのレベル差を「0」に
する工夫が施されている。ここにおいて、ビード部と母
材のレベル差が「0」とは、ビード部の内径d0と母材
部の内径dwとが同一、つまりd0=dw、を意味す
る。
【0006】従来の具体的な流体供給用の精密溶接方法
および溶接治具では、被溶接材をウェルダーヘッドにセ
ット完了後、アーク放電開始時において瞬間的に溶接時
のB.S.G.の内圧が低下する現象が現れる。この原
因は、放電開始時において、被溶接材のアーク照射部分
が溶解・凝固の一連の過程を踏む中で、アーク照射部分
と対向する側で隙間が生じ、B.S.G.の内圧が降下
するためと考えられる。
【0007】この現象を防ぐ一手法として、突き合わせ
力を補う必要がある。それと同時に、突き合わせる端面
の形状にも精密さが要求される。つまり、従来の端面処
理は、まずマニュアルによるパイプカッターを用いて所
定の長さに切断し、その後切断された端面を専用の端面
処理機(例えばトリツール社製)を用いて、バイトによ
りその端面を切断する過程が踏まれる。
【0008】また、溶接放電初期の内圧降下を防止する
ため、上記の従来例とは構成の異なる2電極タングステ
ンイナートガス溶接機等が開発されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の溶接方法では、下記の各種の問題点を伴う。つまり
ヘッドの上に溶接材を突き合わせ、B.S.G.の内圧
が所定の圧力を示すようにセットしているにすぎない。
従って、突き合わせ時の荷重はほとんど「0」に近い状
態である。そのためアーク放電による溶解・凝固過程に
よりアーク放射部分が収縮を起こし、その結果それと反
対側の部分で隙間が生じる。このクランプタイプはチュ
ーブの軸方向に対する垂直方向の締め付け能力は優れて
いるが、軸と平行方向に対する固定力は不十分である。
【0010】従来の具体的な流体供給用の精密溶接方法
および溶接治具では、被溶接材をウェルダーヘッドにセ
ット完了後、アーク放電開始時において瞬間的に溶接時
のB.S.G.の内圧が低下する現象が現れる。この原
因は、放電開始時において、被溶接材のアーク照射部分
が溶解・凝固の一連の過程を踏む中で、アーク照射部分
と対向する側で隙間が生じB.S.G.の内圧が降下す
るためと考えられる。
【0011】この作業時においても上流からN2ガスな
どの不活性ガスを常時パージしながら、外部からのパー
ティクル及び切削時に発生する切りこの配管内部ヘの混
入を完全に防いでいる。ところが、ここで得られた端面
形状は真直度に欠けその上、周方向に対して切削痕が顕
著に現れてくる。従って、それらの端面を有するチュー
ブをお互いに突き合わせた際、軸の芯にギャップが現れ
溶接時所定の圧力が得られない。さらには、アーク放電
開始時におけるB.S.G.の内圧降下も当然発生して
くる。
【0012】図9〜図11は、チューブに所定のサンプ
ルを用いた場合の、内圧変化特性を経過時間と伴に表し
ている。3種類の異なる端面処理を施した1/4インチ
のSUS316L−EPチューブを溶接サンプルに用い
た。サンプル記号,,と加工の形態を以下に掲げ
る。 :トリツール手動端面処理機で作成したもの。
【0013】:旋盤て処理したもの。 :EMD(自動放電加工機)で作成したもの。 図9は、溶接サンプルを用いて従来の溶接方法で行っ
た場合であり、溶接開始と同時にB.S.G.の内圧は
低下し約85mmAqまで降下した。同様に図10はサ
ンプルを用いて行った場合の内圧変化であり、サンプ
ルと同様約85mmAqまで内圧は降下している。さ
らに図11はサンプルを用いた場合であり、同様の傾
向を示している。よって、何れのサンプルにおいても内
圧低下の現象が発生する。
【0014】これらの現象を起さない均一なビード幅を
得るために、電流および時間配分等の溶接パラメータを
細かくコントロールする必要が生じる。条件出しに多く
の時間が要ると伴に、これらの調整は溶接の熟練者に頼
らざるを得ない。また、上記の2電極タングステンイナ
ートガス溶接機では、高周波発生装置が2系統独立に必
要であり、イニシャルコストが高くなる。
【0015】本発明は、簡単な構成で溶接時のB.S.
G.の内圧低下を防止する流体供給用の精密溶接方法お
よび溶接治具を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明の流体供給用の精密溶接方法は、被溶接材の
端部を相互に突き合わせこの突き合わせ部に溶接線を形
成させる突き合わせ工程と、溶接線に対して垂直方向に
所定の大きさの荷重を加える押圧荷重印加工程とを有
し、荷重を加えた状態において、溶接線部の溶接を実行
することを特徴としている。
【0017】また、上記の押圧荷重印加工程は、溶接線
の左右において被溶接材を所定のフレームによりクラン
プするクランプ工程と、左右のフレームに相互に引き合
う方向の力を加える引き合わせ力印加工程とを有して構
成するとよい。さらに、溶接線に対し平行で且つ該溶接
線の端部に対して所定の間隔を置いて移動可能にウェル
ダー電極が設置され、このウェルダー電極を用いて溶接
線部の溶接を行うとよい。
【0018】本発明の流体供給用の溶接治具は、被溶接
のチューブをクランプ可能に形成された2個のフレーム
と、この2個のフレームがチューブをクランプした状態
で、チューブと同軸方向へ2個のフレームが相互に引き
合う吸引力を印加させる張力印加手段とを有し、2個の
フレームによってクランプされた被溶接材のチューブの
2個の端部で構成される溶接線に対し垂直に、張力印加
手段により所定の張力を印加可能に構成されたことを特
徴としている。
【0019】
【作用】したがって、本発明の流体供給用の精密溶接方
法および溶接治具によれば、被溶接材の端部を相互に突
き合わせ、この突き合わせ部に溶接線を形成させる。さ
らに、この溶接線に対して垂直方向に所定の大きさの荷
重を加え、荷重を加えた状態において溶接を実行する。
よって、溶接線および被溶接チューブに対して側面から
溶接を実行した場合、アーク照射部分と対向する側での
隙間の発生が防止される。隙間の発生防止は、B.S.
G.のガス抜けを生じさせない。
【0020】
【実施例】次に添付図面を参照して本発明による流体供
給用の精密溶接方法および溶接治具の実施例を詳細に説
明する。図1〜図6を参照すると本発明の流体供給用の
精密溶接方法および溶接治具の実施例が示されている。 <溶接治具の構造について>図1は本実施例で用いる溶
接治具に溶接サンプルを取付けた状態の平面図および側
面図である。本治具10は、2本のフレーム1,2、2
本のボルト3,4、2個の締め付け用ナット5,6、2
個のチューブ固定用ビス7,8および2個の固定ナット
11,12で構成されている。
【0021】2本のフレーム1,2は、被溶接の2本の
チューブ21,22をそれぞれ固定する金具である。本
フレーム1,2は左右の2本で対をなし、それぞれのフ
レームの長尺方向の側面の中央部に1個、左右両短部に
各1/計2個の貫通孔が設けられている。中央部の貫通
孔は、被溶接チューブ21,22の短部を本貫通孔に挿
入し、固定用ビス7,8の締め付けにより固定させるた
めに設けられる。左右両短部の貫通孔は、それぞれのフ
レーム1,2を相互に固定し、フレーム1,2に固定さ
れた被溶接のチューブ21,22を保持するために設け
られる。
【0022】2本のボルト3,4は、左右それぞれのフ
レーム1,2を固定させるものである。また、2個の締
め付け用ナット5,6は、フレーム1,2に固定された
チューブ21,22の、被溶接の端部21a,22a間
に押圧力を加えるために設けられる。2個のチューブ固
定用ビス7,8は、フレーム1,2の中央部の貫通孔へ
挿入されたチューブ21,22をフレーム1,2に固定
するものであり、実施例ではセットスクリューを用いて
いる。2個の固定ナット11,12はフレーム1へボル
ト3,4を固定させるために用いる。但しフレーム1と
ボルト3,4間を溶接等で固定してもよく、この場合に
は固定ナット11,12は不要である。
【0023】上記の溶接治具10の被溶接チューブ2
1,22への取付け形態例を以下に説明する。ボルト1
1,12の固定された一方のフレーム1と他方のフレー
ム2とに、チューブ21,22の被溶接のそれぞれの端
部21a,22aをチューブ固定用ビス7,8で仮固定
する。溶接治具10に対する左右の被溶接のチューブ2
1,22は、溶接治具10の略中央部でチューブ端部2
1a,22aの断面円が同心で、チューブ21,22が
一直線上となるよう調整する。この状態において、ナッ
ト5,6を締め付けフレーム間に張力を与え、チューブ
の左右の端面21a,22a同士間に所定の押圧力を加
える。
【0024】<被溶接チューブの端部間に押圧力を与え
る理由>「従来の技術」の欄において述べた通り、具体
的な流体供給用の精密溶接方法および溶接治具では、被
溶接材をウェルダーヘッドにセット完了後、アーク放電
開始時において瞬間的に溶接時のB.S.G.の内圧が
低下する現象が現れる。この発生原因は、放電開始時に
おいて、被溶接材のアーク照射部分が溶解・凝固の一連
の過程を踏む中で、アーク照射部分と対向する側で隙間
が生じB.S.G.の内圧が降下するためと考えられ
る。このためアーク放電による溶解・凝固過程によりア
ーク放射部分が収縮を起こし、その結果それと反対側の
部分で隙間が生じるためと考えられる。
【0025】図2の(A)、(B),(C)は、上記の
内圧低下の発生メカニズムを説明するための、被溶接チ
ューブ部の概念図である。図2(A)は、溶接治具部の
側面図であり、チューブ21,22、フレーム31,3
2、ウェルダー電極(以降、単にW電極とも言う)35
のそれぞれの間の関係を示している。図2(B)は、図
2(A)の従来の溶接時の状態であり、チューブに外部
から加わる応力を表している。つまり、フレームの押圧
力31a,31b,32a,32bによりチューブ2
1,22が保持され、この状態において被溶接チューブ
21,22の端面21a,22a相互間には、押圧力が
無い状態を表している。
【0026】図2(C)は、図2(B)の状態にいおて
アーク放電を行った場合の現象を誇張して表している。
つまり、アーク放電による溶解・凝固過程においてアー
ク放射部分に収縮を起こし、その結果、W電極35と対
向する側に隙間が生じる。この隙間からB.S.G.の
抜け(37,…,37)が発生する。このガス抜けが溶
接初期にガス圧の圧力ドロップを生じさせる。
【0027】<溶接時のシステム構成例>図3は、実施
例の溶接治具を用いた溶接時のシステム構成例を、概念
的に示したブロック図である。図3のシステムは、3部
に大別され得る。つまり、溶接部41、バックシールデ
ィング・ガスライン部42、補助シールディング・ガスラ
イン部43である。
【0028】溶接部41は、被溶接チューブ部21,2
2に上記の溶接治具と、W電極を擁したウェルダーヘッ
ド(以降、単にWヘッドとも言う)50と、溶接を制御
するためのウェルディングマシーン(以降、単にWマシ
ーンとも言う)51と、ガス圧力計であるマノメータ5
3とにより構成される。バックシールディング・ガスラ
イン部42は、被溶接のチューブを擁するガス供給部で
ある。また、補助シールディング・ガスライン部43
は、W電極周辺雰囲気をバックシールディング・ガスラ
イン部42のガスと同質ガスで覆うためのものである。
このために、Wヘッド50は、W電極と該当チューブ部
位を所定の機密性をもって覆う構造とされている。Wヘ
ッド50の機密室内と本補助シールディング・ガスライ
ン部43とはガスパイプで連結され、所定のガス圧に保
持される。バックシールディング・ガスライン部42お
よび補助シールディング・ガスライン部43の構成は、
従来からの一般的な構成でよく、その詳細説明は省略す
る。
【0029】上記のシステム構成において、被溶接部の
チューブの溶接が実行される。但し、上記のWヘッド5
0の機密室構造および補助シールディング・ガスライン
部43は必要に応じて設けられる。これらの部を設ける
か否かの選択は、バックシールディング・ガスライン部
42のガス圧変動、つまりマノメータ53によって計測
されるガス圧力の変動に求められる精度および信頼性等
により決定される。
【0030】<溶接実験実行手順例>3種類の異なる端
面処理を施した1/4インチのSUS316L−EPチ
ューブを溶接サンプルに用いた。サンプル記号,,
と加工の形態を以下に掲げる。 :トリツール手動端面処理機で作成したもの。
【0031】:旋盤て処理したもの。 :EMD(自動放電加工機)で作成したもの。 また、溶接条件はいずれもcm/秒の速度で1周溶接を
行い、ビード幅は1mmにコントロールして行った。用
いたシステム構成は図3の通りである。B.S.G.は
水素とアルゴンの混合ガスH2/Arを用い、内圧は溶接
サンプル末端に取り付けたオリフィス61で、チューブ
セッテング後100mmAqにコントロールした。また
その時の流量は6リットル/分である。溶接スタートか
ら終了迄のB.S.G.の内圧は、マノメータ53とし
て圧力センサーを介して常時レコーダに記録した。
【0032】用いた溶接治具は図1に示したものと基本
的に同一である。突き合わせる両側のチューブをフレー
ム1、2にチューブ固定用ビスで予めしっかりと固定す
る。次に、フレーム2の両サイドのナットをフレーム1
側に締め付けていく。この時両サイドのナット5,6は
同じ締め付け力で締め付けを行った。所定のトルクて両
サイド共均等に締め付けた後、Wヘッド50をセット
し、上流側からB.S.G.を流す(図3参照)。予め
上流側のチューブにB.S.G.を流しながらWヘッド
上でこれらの作業を行っても何等問題は生じなかった。
この結果を図4〜図6に示す。
【0033】上記実施例の溶接治具10を取り付けて行
った場合のB.S.G.の内圧変化の取得データに付い
て説明する。図4はサンプルを用いた場合の内圧変化
である。このデータにおいて、従来例で見られたような
溶接スタート時の内圧低下は一切生じていない。図5は
サンプル、図6はサンプルを用いて行った場合であ
る。これらにおいても全く同様に、アーク放電開始時に
おいて一切圧力の低下は見られない。これらのデータか
ら分かるように、被溶接チューブの軸方向に締め付け力
を加えることにより、溶接スタート時のB.S.G.内
圧低下は完全に克服される。
【0034】本実施例では、突さ合わせる溶接材の溶接
線に対して垂直方向に荷重を与えることにより、溶接時
のB.S.G.の内圧が低下しない溶接が可能である。
これは、例えば、既設のウェルダーヘッドに被溶接材を
セットした後、両側の被溶接材に治具を取付、軸方向に
対してお互いに荷重を加える構造を持たせることにより
実現できる。それによりアーク放電による溶解・凝固過
程によりアーク照射部分が局所的に収縮を起こし、その
結果それと対向する側の部分て隙間が生じる現象を防ぐ
ことが可能である。つまり、アーク照射部分の局所収縮
に伴う引っ張り荷重以上の荷重を突き合わせ部に持たせ
ることによりこの問題は解決される。
【0035】B.S.G.の内圧降下フリーが実現でき
ることにより溶接パラメータの簡略化が可能となり、外
部からの攪乱が無くなる。つまり、常に同一の条件下で
溶接施工が可能となる。被溶接部端面の形状にも大きく
依存するが、いかなる端面形状においてもこの手法を用
いれば、溶接スタート直前の圧力以下には絶対といって
良い程、実験では内圧低下は見られなかった。しかも真
直度および平滑度に優れた表面は溶接前に設定した内圧
(初期設定圧力)以下には、一切溶接時において低下し
なかった。つまり、B.S.G.の大気成分からH2
Ar混合ガスへの置換速度が大幅に短縮きれたことにな
る。その上、溶接放電初期の口開き現象が無くなること
により、ウェルダーヘッド内部で発生するパーティクル
が配管内部に混入することによる汚染の心配もまったく
無くなる。
【0036】ワイヤカット放電加工機により端面形状を
精密にかつ精度よくコントロールすることができれば、
高価な2電極タングステンイナートガス溶接機は不要で
ある。尚、上述の実施例は本発明の好適な実施の一例で
はあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を
逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例え
ば、被溶接のチューブの固定に固定用ビスを用いたがこ
れに限定されない。
【0037】
【発明の効果】以上の説明より明かなように、本発明の
流体供給用の精密溶接方法および溶接治具は、被溶接材
の端部を相互に突き合わせこの突き合わせ部に溶接線を
形成させ、溶接線に対して垂直方向に所定の大きさの荷
重を加え、荷重を加えた状態において溶接を実行する。
よって、溶接線および被溶接チューブに対して側面から
溶接を実行した場合、垂直方向の荷重によってアーク照
射部分と対向する側での隙間の発生と、この隙間の発生
によるB.S.G.のガス抜けが防止される。ガス抜け
が生じないため、内圧降下が生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の流体供給用の溶接治具の実施例を示
す、(A)が平面図、(B)が側面図である。
【図2】溶接実行時の被溶接材に加わる力の関係とガス
抜け発生のメカニズムを説明する為の概念図である。
(A)が固定された被溶接材とウェルディング電極との
位置関係、(B)が(A)における力関係、(C)が溶
接時の状態を示している。
【図3】実施例の溶接治具を用いた溶接時のシステム構
成例を概念的に示したブロック図である。
【図4】実施例の溶接時のガス圧の変化を示した特性例
1の図である。
【図5】実施例の溶接時のガス圧の変化を示した特性例
2の図である。
【図6】実施例の溶接時のガス圧の変化を示した特性例
3の図である。
【図7】従来の溶接治具を用いた溶接手順例を説明する
ための断面図である。
【図8】溶接部の状態を拡大して示した断面図である。
【図9】従来の溶接時のガス圧の変化を示した特性例1
の図である。
【図10】従来の溶接時のガス圧の変化を示した特性例
2の図である。
【図11】従来の溶接時のガス圧の変化を示した特性例
3の図である。
【符号の説明】 1、2 フレーム 3、4 ボルト 5、6 ナット 7、8 チューブ固定用ビス 10 溶接治具 11、12 固定ナット 21、22 被溶接チューブ 21a、22a 被溶接の端部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被溶接材の端部を相互に突き合わせ該突
    き合わせ部に溶接線を形成させる突き合わせ工程と、 前記溶接線に対して垂直方向に所定の大きさの荷重を加
    える押圧荷重印加工程とを有し、 前記荷重を加えた状態において、前記溶接線部の溶接を
    実行することを特徴とする流体供給用の精密溶接方法。
  2. 【請求項2】 前記押圧荷重印加工程は、前記溶接線の
    左右において前記被溶接材を所定のフレームによりクラ
    ンプするクランプ工程と、前記左右のフレームに相互に
    引き合う方向の力を加える吸引力印加工程とを有して構
    成されることを特徴とする請求項1記載の流体供給用の
    精密溶接方法。
  3. 【請求項3】 前記溶接線に対し平行で且つ該溶接線の
    端部に対して所定の間隔を置いて移動可能にウェルダー
    電極が設置され、該ウェルダー電極を用いて前記溶接線
    部の溶接を行うことを特徴とする請求項1記載の流体供
    給用の精密溶接方法。
  4. 【請求項4】 被溶接のチューブをクランプ可能に形成
    された2個のフレームと、 前記2個のフレームが前記チューブをクランプした状態
    で、該チューブと同軸方向へ前記2個のフレームが相互
    に引き合う吸引力を印加させる吸引力印加手段とを有
    し、 前記2個のフレームによってクランプされた被溶接材の
    前記チューブの2個の端部で構成される溶接線に対し垂
    直に、前記吸引力印加手段により所定の吸引力を印加可
    能に構成されたことを特徴とする流体供給用の溶接治
    具。
JP33432594A 1994-12-16 1994-12-16 流体供給用の精密溶接方法および溶接治具 Pending JPH08168896A (ja)

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