JPH08288161A - カッター装置及びその爪の製造方法 - Google Patents

カッター装置及びその爪の製造方法

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JPH08288161A
JPH08288161A JP7093790A JP9379095A JPH08288161A JP H08288161 A JPH08288161 A JP H08288161A JP 7093790 A JP7093790 A JP 7093790A JP 9379095 A JP9379095 A JP 9379095A JP H08288161 A JPH08288161 A JP H08288161A
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JP
Japan
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claw
blade
cutting
cutting edge
cutter
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JP7093790A
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English (en)
Inventor
Shinji Iwahashi
真司 岩橋
Takayuki Kasai
隆之 葛西
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リング体の線材接合部分両側の端材を同時に
切断することができ、しかも、切断部を潰すことなく一
定の切断面で線材接合部分両端をぎりぎりに切断するこ
とができるカッター装置及びその爪の製造方法を提供す
る。 【構成】 左用カッター部2の刃先42a,52aと隣
設する右用カッター部3の刃先72a,82aとが、リ
ング状の線材100に対応した円弧状に形成されてお
り、アクチュエータ6,9で下爪5,8を回動させるこ
とで、両端材103,104を同時に線材接合部分10
1の両端ぎりぎりで切断することができる。好ましく
は、刃先42a(72a)と刃先52a(82a)とが
連続した円弧状の刃先を有する板状の爪用ワークを形成
し、この刃先の円弧中点における法線に沿って爪用ワー
クを切断,分離することにより、上爪4(7)及び下爪
5(8)を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リング体の端材を切断
するカッター装置及びその爪の製造方法に関する。詳し
くは、ショートリングの線材接合部分の端材を2つの爪
切り状のカッター部で同時に切断可能なカッター装置及
びその爪の製造方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】ロータリートランスは、ビデオテープレ
コーダーやディジタルオーディオテープレコーダー等に
適用される回転磁気ヘッド装置の回転磁気へッドと記録
/再生増幅機との間で、信号を受け渡す手段として広く
用いられている。このようなロータリートランスにおい
ては、コイル間にショートリングを設けて、ノイズの発
生等の防止を図っている。
【0003】このショートリングの作製は、線材を金型
に1重だけ巻き付けた後、金型に巻付けられた線材の線
材接合部分を溶接器で溶接し、溶接された線材接合部分
の両側の端材を切断することにより、行われる。
【0004】従来、線材接合部分の端材の切断は、図1
0に示すようにして行っていた。すなわち、実線で示す
挟みのごとき切断器120を用いて、金型110に巻き
付けられた線材100の線材接合部分101の左端材1
03を、そのせん断力によって切断する。次に、二点鎖
線で示すように、この切断器120を線材接合部分10
1の右側に移動させて、右端材104を切断していた。
このようにして、図11に示すような所定径のショート
リング100を作製した後、金型110から押し出し
て、ロータリートランスのコア(図示省略)に挿入して
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したショ
ートリング作製技術では、切断器120のせん断力で、
線材接合部分101の両端材103,104を切断する
ので、切断部102が潰れたり、切断面の形状が一定し
ないという問題があった。また、この技術では、金型1
10に巻き付けられた線材100の線材接合部分101
の端材103を切断器120で切断した後、この切断器
120を線材接合部分101の右側に移動させて、端材
104を切断しなければならない。すなわち、線材接合
部分101の両端材103,104を同時に切断するこ
とができないので、切断作業が煩雑となり、この切断作
業に長時間を要してしまうという問題もある。さらに、
線材接合部分101の両端をぎりぎりに切断することが
困難であるので、図11に示すように、線材接合部分1
01の両側に長めの端材が残って、コア挿入時に支障を
きたすおそれがある。
【0006】本発明は上述した課題を解決するためにな
されたもので、リング体の線材接合部分両側の端材を同
時に切断することができ、しかも、切断部を潰すことな
く一定の切断面で線材接合部分両端をぎりぎりに切断す
ることができるカッター装置及びその爪の製造方法を提
供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の発明に係るカッター装置は、切断
すべきリング体の曲率とほぼ同曲率で円弧状に湾曲した
刃先が先端に設けられた第1の固定爪及びこの第1の固
定爪の刃先と同形状の刃先が第1の固定爪の刃先と対向
した状態で先端に設けられた第1の回動爪を有し、上記
刃先同士が一致するように上記第1の回動爪を回動可能
な第1のカッター部と、上記第1のカッター部に隣設さ
れ、上記第1の固定爪の刃先と対称形状の刃先が先端に
設けられた第2の固定爪及びこの第2の固定爪の刃先と
同形状の刃先が第2の固定爪の刃先と対向した状態で先
端に設けられた第2の回動爪を有し、上記刃先同士が一
致するように上記第2の回動爪を回動可能な第2のカッ
ター部とを具備する構成とした。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のカッター装置において、上記第1及び第2の回動爪を
回動させる駆動部を具備する構成とした。
【0009】また、請求項3に記載の発明に係るカッタ
ー装置の爪の製造方法は、先端の中心で対称な円弧状の
刃先を先端部に有する爪用ワークを形成する爪用ワーク
形成工程と、上記爪用ワークを、上記刃先の円弧中点に
おける法線に沿って切断,分離する分離工程とを具備す
る構成とした。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
のカッター装置の爪の製造方法において、上記分離加工
における爪用ワークの切断,分離を放電加工で行う構成
とした。
【0011】
【作用】請求項1の発明によれば、隣り合う第1及び第
2のカッター部の先端をリング体の線材接合部分に当接
し、この線材接合部分の一方側から延出した端材を第1
の固定爪の刃先と第1の回動爪の刃先と間に入れると共
に、他方側から延出した端材を第2の固定爪の刃先と第
2の回動爪の刃先と間に入れることができる。この状態
で、第1及び第2のカッター部の第1及び第2の回動爪
を回動させると、第1及び第2の回動爪の刃先が第1及
び第2の固定爪の刃先と一致するように移動して、線材
接合部分から延出した両端材が同時に切断される。この
とき、第1及び第2のカッター部の刃先が、切断すべき
リング体の曲率とほぼ同曲率で円弧状に湾曲しているの
で、端材が線材接合部分の両端ぎりぎりのところで切断
される。
【0012】請求項2の発明によれば、駆動部によっ
て、第1及び第2の回動爪を回動させることができる。
【0013】請求項3の発明によれば、先端の中心で対
称な円弧状の刃先を先端部に有する爪用ワークが、爪用
ワーク形成工程において形成され、分離工程において、
爪用ワークが、刃先の円弧中点における法線に沿って切
断,分離される。
【0014】請求項4の発明によれば、分離加工におい
て、放電加工により、爪用ワークが切断,分離される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。 (第1実施例)図1は、本発明の第1実施例に係るカッ
ター装置を示す斜視図であり、図2は、一部を破断して
示す側面図であり、図3は、本実施例のカッター装置を
適用した切断機構を示す概略斜視図である。
【0016】図3において、符号1がカッター装置であ
り、このカッター装置1は、本図に示す切断機構の前部
(図の右側部)のほぼ中央部に組み付けられて適用され
る。この切断機構は、リング状の線材100(リング
体)の端材103,104を挟持するための一対の線材
クランプ10,11をカッター装置1の両外側に有して
いる。そして、これらの線材クランプ10,11の後方
には、線材クランプ10,11を駆動するための平行チ
ャック12,13が設けられている。さらに、切断機構
の後部(図の左側部)の両側には、線材クランプ10及
び平行チャック12と、線材クランプ11及び平行チャ
ック13とを各々移動させるためのアクチュエータ1
4,15が設けられている。そして、この後部中央部分
には、カッター装置1及び線材クランプ10,11全体
を移動させるためのアクチュエータ16が設けられてい
る。
【0017】このような切断機構に組み付けられたカッ
ター装置1は、図1に示すように、隣り合う対称形の左
用カッター部2(第1のカッター部)と右用カッター部
3(第2のカッター部)とで構成されている。これらの
左用カッター部2と右用カッター部3とは、取付板20
に固定されており、取付板20は、上記切断機構の前部
の台座21の上面に固定されている(図2及び図3参
照)。
【0018】左用カッター部2は、図1及び図2に示す
ように、上爪4(第1の固定爪)と、下爪5(第1の回
動爪)と、下爪5を回動させるアクチュエータ6(駆動
部)とを有している。
【0019】上爪4は、幅広の固定部40と、この固定
部40から突出した幅狭の突出部41と、この突出部4
1の先端に形成され、刃先42aを下方に向けた刃部4
2とでなっており、この刃部42を前方に突出させた状
態で、固定部40が、孔40c,40dに挿通されたボ
ルト43,44によって取付板20上に固定されてい
る。
【0020】下爪5は、固定部40と同幅で短めの取付
部50と、突出部41と同形の回動部51と、刃先52
aを上方に向けて刃部42と対向する刃部52とを有し
ている。この下爪5は、図2に示すように、上爪4の下
にピン45によって連結され、軸46を中心に回動する
ようになっている。具体的には、固定部40下面の切り
溝40aと取付部50の切り溝50aとが対向し、これ
らの切り溝40a,50aの間に、軸46が嵌め込まれ
ている。また、固定部40の孔40bと取付部50の孔
50bとが連通し、これらの孔40b,50bに、下端
幅広のピン45が挿通されている。そして、固定部40
から突出したピン45の上部にスプリング47が装着さ
れ、その上からワッシャ48が嵌め込まれ、上のねじ溝
にナット49,49が螺入されている。これにより、下
爪5の取付部50がスプリング47によって上方に引っ
張られ、このスプリング47の引っ張り力に抗して、回
動部51を上方に押すと、刃部52が軸46を中心に上
方に回動するようになっている。なお、図2において、
符号54は、回動部51のねじ孔51aに螺入された調
整ねじであり、この調整ねじ54の上端54aの突出長
を調整することで、刃先42aと刃先52aとの間隙を
調整することができるようになっている。
【0021】また、図1に示すように、上爪4の刃部4
2と下爪5の刃部52は、刃先42a,52aを含む曲
面状の先端面42b,52bを各々有している。これら
の先端面42b,52bの形状は上下方向に対称であ
り、下爪5の回転時に、刃先42a,52a同士が完全
に一致するようになっている。すなわち、刃先42a,
52aの曲率が、二点鎖線で示すリング状の線材100
の曲率とほぼ同等しくなっており、刃先42a,52a
がリング状の線材100の周方向に円弧状に湾曲してい
る。
【0022】アクチュエータ6は、下爪5を回動するた
めの機器である。このアクチュエータ6は、図2に示す
ように、上爪4の後方に配置された状態で、取付板20
に固定されており、取付板20下側に取り付けられたレ
バー60をプッシャ62で押すようになっている。具体
的には、支軸61が、取付板20の下側に突出した取付
片20aに固着されており、この支軸61に、L字状の
レバー60が回動自在に取り付けられている。そして、
このレバー60の作用部60bに、アクチュエータ6の
下側から取付板20の孔20bを介して突出するプッシ
ャ62の先端が当接している。これにより、アクチュエ
ータ6が駆動すると、プッシャ62が下がって、レバー
60の作用部60bを押し下げる。すると、レバー60
が支軸61を中心に回動して、その上向き部60aで下
爪5の回動部51を上方に押すこととなる。この結果、
下爪5の刃部52が上爪4の刃部42に向かって回動
し、その刃先52aが刃先42aに当接する。
【0023】一方、図1において、右用カッター部3
も、左用カッター部2とほぼ同様の構造になっており、
上爪7(第2の固定爪)と、下爪8(第2の回動爪)
と、下爪8を上下動させるアクチュエータ9(駆動部)
とを有しているが、上爪7及び下爪8が左用カッター部
2の上爪4及び下爪5と対称形状に形成されている点が
異なる。すなわち、上爪7は、幅広の固定部70と、幅
狭の突出部71と、刃先72aを有する刃部72とでな
っており、ボルト73,74にて取付板20上に固定さ
れている。また、下爪8は、下爪5の取付部50及び回
動部51に対応した取付部及び回動部(図示省略)と、
刃先82aを有する刃部82とを有している。そして、
図示しないが、この下爪8の取付部と上爪7の固定部7
0との間に、軸が嵌め込まれ、下爪8の取付部と固定部
70とに、下端幅広のピン75が挿通され、ピン75の
上部に、スプリング77、ワッシャ78、ナット79,
79が取り付けられている。これにより、スプリング7
7の引っ張り力に抗して、下爪8の回動部を上方に押す
と、刃部82が上方に回動するようになっている。ま
た、この下爪8にも、左用カッター部2の下爪5の調整
ねじ54と同様の調整ねじが取り付けられている(図示
省略)。
【0024】上述したように、上爪7及び下爪8が左用
カッター部2の上爪4及び下爪5と対称形状に形成され
ていることから、刃部72,82の先端面72b,82
bも、先端面42b,52bと対称形をなしている。し
たがって、リング状の線材100の曲率とほぼ等しい曲
率の刃先72a,82aと刃先42a,52aとが、線
材100で周方向に並んだ状態となっている。なお、図
1において、符号42c(72c),52c(82c)
は、刃先42a(72a),52a(82a)の内側に
設けられた溝である。
【0025】アクチュエータ9も、左用カッター部2の
アクチュエータ6と同構造であり、アクチュエータ9の
プッシャ(図示省略)でレバー90を回動させること
で、下爪8の刃部82を上爪7の刃部72側に回動させ
ることができるようになっている。
【0026】次に、本実施例の切断動作について説明す
る。図4は、本実施例のカッター装置が適用された切断
機構による切断動作を示す部分平面図であり、図4の
(a)は、線材クランプによる端材の挟持状態を示し、
図4の(b)は、カッター装置による端材の切断状態を
示す。まず、図3に示した切断機構を、図4の(a)に
示すように、線材100が巻き付けられた金型110の
前に持ってくる。そして、この状態で、アクチュエータ
14,15(図3参照)を駆動させて、端材103,1
04の位置まで線材クランプ10,11を移動させた
後、平行チャック12,13を駆動させて、線材クラン
プ10,11で端材103,104を挟持する。
【0027】しかる後、図4の(b)に示すように、ア
クチュエータ14,15を逆駆動させて、線材クランプ
10,11を戻す。すると、端材103,104が線材
クランプ10,11によって引っ張られ、線材接合部分
101の両端から折れ曲がった状態になる。この状態
で、アクチュエータ16を駆動させて、刃部42,52
が金型110に巻き付けられている線材100の左側に
当接すると共に刃部72,82が線材100の右側に当
接するまでカッター装置1を移動させる。すると、折れ
曲がった左端材103が左用カッター部2の刃先42a
と刃先52aとの間を通り、右端材104が右用カッタ
ー部3の刃先72aと刃先82aとの間を通った状態に
なる。すなわち、左用カッター部2の刃先42aと刃先
52aとが、線材接合部分101の左端ぎりぎりのとこ
ろで端材103を挟んだ状態になり、右用カッター部3
の刃先72aと刃先82aとが、線材接合部分101の
右端ぎりぎりのところで端材104を挟んだ状態にな
る。
【0028】この状態で、図2に示すように、アクチュ
エータ6(9)を駆動する。すると、アクチュエータ6
(9)のプッシャ62が下がって、レバー60の作用部
60bを押し下げ、レバー60が支軸61を中心に回動
して、カッター部2(3)の下爪5(8)を上方に押
し、下爪5(8)の刃部52(82)が上爪4(7)の
刃部42(72)に向かう。これにより、図4の(b)
に示すように、左端材103が、左用カッター部2の刃
先42a,52aによって、線材接合部分101の左端
ぎりぎりのところで切断されると共に、右端材104
が、右用カッター部3の刃先72a,82aによって線
材接合部分101の右端ぎりぎりのところで切断される
こととなる。この結果、リング状の線材100のみが金
型110に残り、所望のショートリングが作製される。
【0029】このように、本実施例によれば、線材接合
部分101の両端の端材103,104を同時に切断す
ることができるので、切断作業が容易となり、端材10
3,104の切断作業を短時間で行うことができる。ま
た、線材接合部分101の両端ぎりぎりのところで切断
することができるので、線材接合部分101の両端に端
材103,104がほとんど残らず、ショートリングを
コアに正確に挿入することができる。
【0030】上述したように端材103,104を切断
すると、左用カッター部2の刃先42a,52a同士が
完全に一致すると共に、右用カッター部3の刃先72
a,82a同士が完全に一致する。すなわち、本実施例
のカッター装置1は、せん断力で切断するのではなく、
鋭利な刃先42a,52a(72a,82a)で端材1
03(104)を上下から挟んで切り落とす。このた
め、線材接合部分101の切断部が潰れることはなく、
しかも、切断面が一定の平面形状になる。
【0031】(第2実施例)最後に、本発明の第2実施
例について説明する。本実施例は、上記第1実施例に適
用される上爪4(7)と下爪5(8)との製造方法であ
る。上爪4(7)と下爪5(8)との製造方法として
は、上爪4(7)用の板体と下爪5(8)用の板体とを
別々に用意し、これらの板体を別々に切削して、上爪4
(7)と下爪5(8)とを製造する方法が考えられる。
しかし、上述したように、上爪4(7)と下爪5(8)
には、先端面42b(72b)と先端面52b(82
b)とが線材100の曲率とほぼ同一曲率で湾曲し、刃
先42a(72a),52a(82a)同士が完全に一
致することが要求される。しかしながら、別々に用意し
た板体を別々に切削して、上爪4(7)と下爪5(8)
とを製造する上記の方法では、誤差が発生しやすく、刃
先42a(72a),52a(82a)同士が完全に一
致するように製造することは困難である。したがって、
この方法で製造した上爪4(7)と下爪5(8)とを適
用すると、切断作業時に、刃先42a(72a),52
a(82a)同士がずれて一致せず、切断不良が生じる
ばかりでなく、刃先42a(72a),52a(82
a)を損傷し、上爪4(7)と下爪5(8)の寿命を著
しく短くするおそれがある。そこで、上爪4(7)と下
爪5(8)の製造には、本実施例の製造方法を適用す
る。
【0032】本実施例の製造方法は、爪用ワーク形成工
程と分離工程とでなる。図5は、爪用ワーク形成工程を
示す概略図であり、図5の(a)は円板形成状態を示
し、図5の(b)は刃部及び切り溝切削状態を示し、図
5の(c)は、爪用ワーク形成状態を示す。
【0033】爪用ワーク形成工程においては、まず、図
5の(a)に示すように、二点鎖線で示す矩形状の板体
の周囲と中央部とを旋盤によって削り、ドーナッツ状の
円板70を形成する。このとき、中心孔71の曲率が、
金型110に巻き付けられたリング状の線材100の曲
率とほぼ等しくなるように切削すると共に、中心孔71
の内面を斜行状に削って、図1の先端面42b,52
b,72b,82bに成る内面70aを形成しておく。
【0034】しかる後、図5の(b)に示すように、フ
ライス盤によって、中心孔71の外側に、溝42c,5
2c,72c,82cに成る円周溝72を削設すると共
に、円板70の四隅を切り落として、十字板70を形成
する。そして、4つの突出部70a〜70dに、図1の
切り溝40a,50aに対応した直状溝73〜76を削
設する。
【0035】しかる後、破線で示すように、各種の孔を
穿設すると共に、上爪4(7)と下爪5(8)とが隣り
合って一体となっている形に突出部70a〜70dを切
削する。具体的には、突出部70aにおいては、長状の
上爪部分及び短状の下爪部分が中心線Hの上及び下側に
各々位置するような形状に切削し、突出部70cにおい
ては、長状の上爪部分及び短状の下爪部分が中心線Hの
下及び上側に各々位置するような形状に切削する。そし
て、突出部70bにおいては、長状の上爪部分及び短状
の下爪部分が中心線Vの右及び左側に各々位置するよう
な形状に切削し、突出部70dにおいては、長状の上爪
部分及び短状の下爪部分が中心線Vの左及び右側に各々
位置するような形状に切削する。
【0036】これにより、図5の(c)に示すように、
左用カッター部2に適用する爪用ワーク80,80と、
右用カッター部3に適用する爪用ワーク81,81とが
同時に形成される。かかる爪用ワーク形成工程終了後、
分離工程に移行する。
【0037】図6は分離工程における爪用ワークの平面
図であり、図7は分離工程における爪用ワークの斜視図
であり、図8は分離工程を示す概略図である。図6及び
図7に示すように、左用カッター部2の爪用ワーク80
を分離する場合には、図8に示すように、ワイヤーカッ
ト放電加工によって行う。図8において、符号85は、
X−Yテーブルであり、載置固定された容器86を図8
の左右方向及び裏表方向に移動させることができるよう
になっている。容器86内には冷却用の液87が入って
おり、この液87に浸った状態で、爪用ワーク80が容
器86に固定されている。すなわち、爪用ワーク80
は、図示しない器具により、容器86と一体に移動する
ように取り付けられる。一方、符号88は、銅等の素材
で形成したワイヤーであり、爪用ワーク80に対して垂
直に張られている。
【0038】分離加工の際には、まず、X−Yテーブル
85を駆動させて、爪用ワーク80を、図6及び図7に
示すように、ワイヤー88の近傍に位置させる。すなわ
ち、図6において、上爪4と下爪5との境界にある中心
線L上に、ワイヤー88が位置するように、爪用ワーク
80を位置決めする。しかる後、図8に示すように、ワ
イヤー88を陰極にし、爪用ワーク80を正極にして、
放電させながら、X−Yテーブル85を駆動し、爪用ワ
ーク80を中心線Lに沿って矢印方向に移動させてい
く。これにより、爪用ワーク80が、ワイヤー88によ
って、上爪4と下爪5とに切断,分離される。
【0039】すなわち、図6に示すように、上記爪用ワ
ーク形成工程において形成された爪用ワーク80の先端
部には、連続した刃先42aと刃先52aとで構成され
る円弧状の刃先部分80aがあり、この刃先部分80a
の中心を通る中心線L(刃先部分80aの中点における
法線)の両側には、上爪4の部分と下爪5の部分とがあ
る。したがって、分離工程において、中心線Lに沿って
爪用ワーク80を切断すると、完全に同形の刃先42
a,52aを有した上,下爪4,5が製造されることと
なる。したがって、この方法で製造した上爪4と下爪5
とを上記第1実施例のカッター装置1の左用カッター部
2に適用すれば、端材103の切断時に、刃先42a,
52a同士が完全に一致するので、切断部を潰すことな
く一定の切断面で線材接合部分101の左端をぎりぎり
に切断することができる。なお、図4の(c)に示した
爪用ワーク81を上記と同様に切断,分離することで、
完全に同形の刃先72a,82aを有した右用カッター
部3の上,下爪7,8を製造することができる。
【0040】このように、本実施例に係るカッター装置
の爪の製造方法によれば、完全に同形の刃先42a(7
2a),52a(82a)を有した上,下爪4(7),
5(8)を、同一工程で同時に製造することができるの
で、この方法で製造した上爪4(7)と下爪5(8)と
を左用カッター部2(右用カッター部3)に適用するこ
とで、端材の高精度な切断と刃先42a(72a),5
2a(82a)の長寿命化とを図ることができる。
【0041】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形
や変更が可能である。例えば、上記第1実施例では、カ
ッター装置1を切断機構に組み付けたが、カッター装置
1を単独で使用することができることは勿論である。ま
た、上記第2実施例における爪用ワーク形成工程では、
左用カッター部2の爪用ワーク80と右用カッター部3
の爪用ワーク81とを2つづつ一度に形成したが、これ
に限らず、左用カッター部2の爪用ワーク80又は右用
カッター部3の爪用ワーク81を4つ一度に形成するよ
うにしても良い。さらに、上記第2実施例における分離
工程では、図8に示すワイヤーカット放電加工を用いた
が、これに限るものではない。例えば、図9に示すよう
に、陰極の電極体89を正極の爪用ワーク80の上方近
傍に位置させて、放電しながら、爪用ワーク80を中心
線Lに沿って移動させることにより、爪用ワーク80を
切断,分離しても良い。また、爪用ワークの分離方法
は、図8及び図9に示す放電加工に限定されるものでは
なく、レーザ等で爪用ワークを分離するようにしても良
い。
【0042】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、請求項1の
発明によれば、第1のカッター部と第2のカッター部と
で、リング体の線材接合部分から延出した両端材を同時
に切断することができるので、リング体の切断作業が容
易となり、切断作業時間の短縮化を図ることができると
いう効果がある。また、せん断力で切断するのではな
く、第1及び第2の回動爪の刃先が第1及び第2の固定
爪の刃先と一致するように移動して、線材接合部分から
延出した端材を切断するので、線材接合部分の切断部の
潰れを防止することができると共に、切断面を一定にす
ることができるという効果がある。さらに、端材を線材
接合部分の両端ぎりぎりのところで切断することができ
るので、余分な端材が残存しない所望のリング体を作製
することができるという効果がある。
【0043】請求項2の発明によれば、駆動部によっ
て、第1及び第2の回動爪を回動させることができるの
で、自動的に端材を切断することができ、この結果、切
断作業のさらなる省力化を図ることができるという効果
がある。
【0044】請求項3の発明によれば、先端の中心で対
称な円弧状の刃先を有する爪用ワークを、その刃先の円
弧中点における法線に沿って切断,分離するので、刃先
が同形で曲率が完全に一致した2つの爪部材を同一工程
で同時に製造することができるという効果がある。した
がって、この爪部材を請求項1のカッター装置等に適用
すれば、端材の高精度な切断と刃先の長寿命化とを図る
ことができる。
【0045】請求項4の発明によれば、放電加工によっ
て、爪用ワークの切断,分離を行うので、爪用ワークを
高精度で切断することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るカッター装置を示す
斜視図である。
【図2】図1に係るカッター装置を一部破断して示す側
面図である。
【図3】図1のカッター装置を適用した切断機構を示す
概略斜視図である。
【図4】本実施例のカッター装置が適用された切断機構
による切断動作を示す部分平面図であり、図4の(a)
は、線材クランプによる端材の挟持状態を示し、図4の
(b)は、カッター装置による端材の切断状態を示す。
【図5】本発明の第2実施例に係るカッター装置の爪の
製造方法に適用される爪用ワーク形成工程を示す概略図
であり、図5の(a)は円板形成状態を示し、図5の
(b)は刃部及び切り溝切削状態を示し、図5の(c)
は、爪用ワーク形成状態を示す。
【図6】第2実施例の分離工程における爪用ワークの平
面図である。
【図7】分離工程における爪用ワークの斜視図である。
【図8】分離工程を示す概略図である。
【図9】他の分離工程を示す概略図である。
【図10】従来の切断技術を示す斜視図である。
【図11】図10の技術で作製されたショートリングを
示す斜視図である。
【符号の説明】
1 カッター装置 2 左用カッター部 3 右用カッター部 4,7 上爪 5,8 下爪 42a,52a,72a,82a 刃先 80,81 爪用ワーク ワイヤー 88 100 線材 101 線材接合部分 103,104 端材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切断すべきリング体の曲率とほぼ同曲率
    で円弧状に湾曲した刃先が先端に設けられた第1の固定
    爪及びこの第1の固定爪の刃先と同形状の刃先が第1の
    固定爪の刃先と対向した状態で先端に設けられた第1の
    回動爪を有し、上記刃先同士が一致するように上記第1
    の回動爪を回動可能な第1のカッター部と、 上記第1のカッター部に隣設され、上記第1の固定爪の
    刃先と対称形状の刃先が先端に設けられた第2の固定爪
    及びこの第2の固定爪の刃先と同形状の刃先が第2の固
    定爪の刃先と対向した状態で先端に設けられた第2の回
    動爪を有し、上記刃先同士が一致するように上記第2の
    回動爪を回動可能な第2のカッター部と、 を具備することを特徴とするカッター装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のカッター装置におい
    て、 上記第1及び第2の回動爪を回動させる駆動部を具備す
    ることを特徴とするカッター装置。
  3. 【請求項3】 先端の中心で対称な円弧状の刃先を先端
    部に有する爪用ワークを形成する爪用ワーク形成工程
    と、 上記爪用ワークを、上記刃先の円弧中点における法線に
    沿って切断,分離する分離工程と、 を具備することを特徴とするカッター装置の爪の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のカッター装置の爪の製
    造方法において、 上記分離加工における爪用ワークの切断,分離を放電加
    工で行うことを特徴とするカッター装置の爪の製造方
    法。
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