JPH10314957A - 抵抗溶接用電極及びその製造方法 - Google Patents
抵抗溶接用電極及びその製造方法Info
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- JPH10314957A JPH10314957A JP9125550A JP12555097A JPH10314957A JP H10314957 A JPH10314957 A JP H10314957A JP 9125550 A JP9125550 A JP 9125550A JP 12555097 A JP12555097 A JP 12555097A JP H10314957 A JPH10314957 A JP H10314957A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電極材料全体として用いることができる強度
を備えた寿命の長い抵抗溶接用電極とその製造方法とを
提供すること。 【解決手段】 重量比で5〜95%Wと残部が実質的に
MoとのW−Mo合金材料によって構成された抵抗溶接
用電極1,2において,前記W−Mo合金材料は,L
a,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,En,Gd,T
b,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Yの希土類元素の
うちの少くとも一種を重量比で0.05〜10.0%ド
ープされている。この抵抗溶接用電極1,2は,亜鉛め
っき鋼板のスポット溶接に用いられる。
を備えた寿命の長い抵抗溶接用電極とその製造方法とを
提供すること。 【解決手段】 重量比で5〜95%Wと残部が実質的に
MoとのW−Mo合金材料によって構成された抵抗溶接
用電極1,2において,前記W−Mo合金材料は,L
a,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,En,Gd,T
b,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Yの希土類元素の
うちの少くとも一種を重量比で0.05〜10.0%ド
ープされている。この抵抗溶接用電極1,2は,亜鉛め
っき鋼板のスポット溶接に用いられる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,W−Mo合金材料
及びその製造方法に関し,詳しくは,亜鉛(Zn)めっ
き鋼板のスポット溶接に用いる抵抗溶接電極及びその製
造方法に関する。
及びその製造方法に関し,詳しくは,亜鉛(Zn)めっ
き鋼板のスポット溶接に用いる抵抗溶接電極及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,自動車の耐久性を高めるために,
車体鋼板への防錆鋼板の使用量が最も多い。自動車の組
み立ては,生産性の最も高いスポット抵抗溶接を用い,
しかも大量生産ラインで連続的にスポット抵抗溶接を実
施することで行われている。そのため,抵抗溶接用電極
は,先端部が高温に加熱され続け,この加熱による変形
を防ぐことが重要とされる。また,亜鉛(Zn)は溶融
すると,非常に腐蝕性の金属のため,使用された電極の
材質を充分考えないと,その寿命はすぐ来てしまう。ち
なみに,溶けたZnの湯の中に(温度約700℃),鉄
(径20mm)を1時間入れておくだけで腐蝕溶融し
て,あとかたもなくなって溶け込んでしまう程Znは腐
蝕性の大きな金属である。
車体鋼板への防錆鋼板の使用量が最も多い。自動車の組
み立ては,生産性の最も高いスポット抵抗溶接を用い,
しかも大量生産ラインで連続的にスポット抵抗溶接を実
施することで行われている。そのため,抵抗溶接用電極
は,先端部が高温に加熱され続け,この加熱による変形
を防ぐことが重要とされる。また,亜鉛(Zn)は溶融
すると,非常に腐蝕性の金属のため,使用された電極の
材質を充分考えないと,その寿命はすぐ来てしまう。ち
なみに,溶けたZnの湯の中に(温度約700℃),鉄
(径20mm)を1時間入れておくだけで腐蝕溶融し
て,あとかたもなくなって溶け込んでしまう程Znは腐
蝕性の大きな金属である。
【0003】このような問題を解決する為に,数多くの
特許が提案されているが,まだ完全なものではなかっ
た。スポット抵抗溶接用電極の例として下記のような沢
山の発明が提案されている。
特許が提案されているが,まだ完全なものではなかっ
た。スポット抵抗溶接用電極の例として下記のような沢
山の発明が提案されている。
【0004】例えば,特公昭59−41838号公報
(以下,従来技術1と呼ぶ)には,W,Mo,又はW合
金,Mo合金からなる焼結体を保持リングに嵌着した電
極チップを備えたスポット溶接用電極が開示されてい
る。
(以下,従来技術1と呼ぶ)には,W,Mo,又はW合
金,Mo合金からなる焼結体を保持リングに嵌着した電
極チップを備えたスポット溶接用電極が開示されてい
る。
【0005】また,特開昭60−187481号公報
(以下,従来技術2と呼ぶ)には,Cuベース電極チッ
プ表面に金属酸化物(Ti,Zr,Cr,Co,Ni)
をつけて,チップの寿命を延長するスポット溶接方法が
開示されている。
(以下,従来技術2と呼ぶ)には,Cuベース電極チッ
プ表面に金属酸化物(Ti,Zr,Cr,Co,Ni)
をつけて,チップの寿命を延長するスポット溶接方法が
開示されている。
【0006】また,特開昭60−227997号公報
(以下,従来技術3と呼ぶ)においては,Cu電極の先
端にMo層又は中間層を設けた溶接用電極材料が開示さ
れている。
(以下,従来技術3と呼ぶ)においては,Cu電極の先
端にMo層又は中間層を設けた溶接用電極材料が開示さ
れている。
【0007】また,特開昭60−227998号公報
(以下,従来技術4と呼ぶ)には,Cu電極表面に酸化
物のMo,Wを分散させた溶接用電極材料が開示されて
いる。
(以下,従来技術4と呼ぶ)には,Cu電極表面に酸化
物のMo,Wを分散させた溶接用電極材料が開示されて
いる。
【0008】また,特開平5−305456号公報(以
下,従来技術5と呼ぶ)には,Cu合金電極にW,Mo
又はW−Mo合金からなるチップを一部うめ込み,Ni
めっき層をつけたスポット溶接電極が開示されている。
下,従来技術5と呼ぶ)には,Cu合金電極にW,Mo
又はW−Mo合金からなるチップを一部うめ込み,Ni
めっき層をつけたスポット溶接電極が開示されている。
【0009】また,特開平7−90431号公報(以
下,従来技術6と呼ぶ)には,CuベースCr合金から
なるAl及びAl合金用のスポット電極が開示されてい
る。
下,従来技術6と呼ぶ)には,CuベースCr合金から
なるAl及びAl合金用のスポット電極が開示されてい
る。
【0010】また,特開昭63−30185号公報(以
下,従来技術7と呼ぶ)には,Cu−Cr合金に,P,
B,Wを含むCo基又はCr基合金で被覆した溶接用抵
抗電極が開示されている。
下,従来技術7と呼ぶ)には,Cu−Cr合金に,P,
B,Wを含むCo基又はCr基合金で被覆した溶接用抵
抗電極が開示されている。
【0011】さらに,特開昭63−105939号公報
(以下,従来技術8と呼ぶ)には,W−Cu合金のシン
ター品等からなる点溶接電極材が開示されている。
(以下,従来技術8と呼ぶ)には,W−Cu合金のシン
ター品等からなる点溶接電極材が開示されている。
【0012】しかしながら,いずれの従来技術において
も,電極材料としてW及びMoを100%使用した合金
の発明はいまだ提案されていない。
も,電極材料としてW及びMoを100%使用した合金
の発明はいまだ提案されていない。
【0013】以上の従来技術をまとめてみると公知の発
明では,従来技術6及び8に示されるように,Cuをベ
ースとした合金の発明,従来技術2,3,4,及び7に
示されるようなCu合金電極に金属又はその酸化物をコ
ーティングやめっき等で付着させたもの,及び従来技術
1及び5に示されるように,Cu合金電極に純W,又は
純Moのチップを部分的にうめ込み,Cuに通電性を持
たせ,純W,Moに耐蝕性をもたせたものしかないのが
現状である。
明では,従来技術6及び8に示されるように,Cuをベ
ースとした合金の発明,従来技術2,3,4,及び7に
示されるようなCu合金電極に金属又はその酸化物をコ
ーティングやめっき等で付着させたもの,及び従来技術
1及び5に示されるように,Cu合金電極に純W,又は
純Moのチップを部分的にうめ込み,Cuに通電性を持
たせ,純W,Moに耐蝕性をもたせたものしかないのが
現状である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来技
術において,Cuベースとする合金を溶接抵抗電極に用
いているが,Znに対してはCu合金であれ,すぐ腐蝕
により短寿命になってしまう。まして,耐蝕性金属のめ
っきは,ポーラスになっているのですぐカケ落ちたり,
耐磨耗性,耐衝撃性に欠ける。さらに,電極表面に酸化
物等を付着する方式では,密着強度が弱くすぐ短寿命に
なってしまう。
術において,Cuベースとする合金を溶接抵抗電極に用
いているが,Znに対してはCu合金であれ,すぐ腐蝕
により短寿命になってしまう。まして,耐蝕性金属のめ
っきは,ポーラスになっているのですぐカケ落ちたり,
耐磨耗性,耐衝撃性に欠ける。さらに,電極表面に酸化
物等を付着する方式では,密着強度が弱くすぐ短寿命に
なってしまう。
【0015】一方,特公平3−9177号公報には,抵
抗溶接用電極に用いたものではないが,亜鉛を含む溶湯
に対して耐食性を有するW−Mo合金材料が開示されて
いる。
抗溶接用電極に用いたものではないが,亜鉛を含む溶湯
に対して耐食性を有するW−Mo合金材料が開示されて
いる。
【0016】しかし,上記従来技術1〜8のおいても,
電極材料として,電極全体を純W,純Mo又はこれらの
合金で形成したものは見当たらない。
電極材料として,電極全体を純W,純Mo又はこれらの
合金で形成したものは見当たらない。
【0017】例えば,上記従来技術1において,W,M
o又はW合金,Mo合金については,開示されているも
のの,Mo及びWの両方を含むものについては開示され
てはいない。また,上記従来技術5においては,Cu合
金からなる電極本体に埋め込まれるW−Mo合金チップ
は開示されているが,電極材料全体を示すものではな
い。
o又はW合金,Mo合金については,開示されているも
のの,Mo及びWの両方を含むものについては開示され
てはいない。また,上記従来技術5においては,Cu合
金からなる電極本体に埋め込まれるW−Mo合金チップ
は開示されているが,電極材料全体を示すものではな
い。
【0018】即ち,従来技術において,電極の一部分に
埋め込むW,Mo,又はW−Mo合金チップしか製造さ
れていない理由として,W,Mo,又はW−Mo合金は
脆く割れやすいという欠点があり,Cu合金等の電極本
体に埋め込むような小さなチップしか形成できないから
であると推測される。
埋め込むW,Mo,又はW−Mo合金チップしか製造さ
れていない理由として,W,Mo,又はW−Mo合金は
脆く割れやすいという欠点があり,Cu合金等の電極本
体に埋め込むような小さなチップしか形成できないから
であると推測される。
【0019】そこで,本発明の技術的課題は,電極材料
全体として用いることができる強度を備えた寿命の長い
抵抗溶接用電極とその製造方法とを提供することにあ
る。
全体として用いることができる強度を備えた寿命の長い
抵抗溶接用電極とその製造方法とを提供することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者は,W−Mo合
金に,希土類元素をドープして得られた電極材料によっ
て電極を作成し,スポット抵抗溶接の寿命テストを行っ
た所,高寿命であることを見出した。特に焼結後のイン
ゴット中(熱間加工された最終製品の組成も変化なくイ
ンゴットと同じ量であった)の希土類の合量で0.05
%〜10.0%有し,しかも5〜95%がWで残部がM
oである合金が高寿命であることを見出した。そして,
希土類元素は,で単独でも複合でもその合量の重量%で
溶接用電極としての寿命が良くなる事を見出し,本発明
を為すに至ったものである。
金に,希土類元素をドープして得られた電極材料によっ
て電極を作成し,スポット抵抗溶接の寿命テストを行っ
た所,高寿命であることを見出した。特に焼結後のイン
ゴット中(熱間加工された最終製品の組成も変化なくイ
ンゴットと同じ量であった)の希土類の合量で0.05
%〜10.0%有し,しかも5〜95%がWで残部がM
oである合金が高寿命であることを見出した。そして,
希土類元素は,で単独でも複合でもその合量の重量%で
溶接用電極としての寿命が良くなる事を見出し,本発明
を為すに至ったものである。
【0021】即ち,本発明によれば,重量比で5〜95
%Wと残部が実質的にMoとのW−Mo合金材料によっ
て構成された抵抗溶接用電極において,前記W−Mo合
金材料は,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,E
n,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Yの
希土類元素のうちの少くとも一種を重量比で0.05〜
10.0%ドープされており,前記抵抗溶接用電極は,
亜鉛めっき鋼板のスポット溶接に用いられることを特徴
とする抵抗溶接用電極が得られる。
%Wと残部が実質的にMoとのW−Mo合金材料によっ
て構成された抵抗溶接用電極において,前記W−Mo合
金材料は,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,E
n,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Yの
希土類元素のうちの少くとも一種を重量比で0.05〜
10.0%ドープされており,前記抵抗溶接用電極は,
亜鉛めっき鋼板のスポット溶接に用いられることを特徴
とする抵抗溶接用電極が得られる。
【0022】また,本発明によれば,前記抵抗溶接用電
極において,前記希土類元素は,単体,酸化物,窒化
物,炭化物,硼化物のうちの一種又はそれらの混合物の
形態で添加されることを特徴とする抵抗溶接用電極が得
られる。
極において,前記希土類元素は,単体,酸化物,窒化
物,炭化物,硼化物のうちの一種又はそれらの混合物の
形態で添加されることを特徴とする抵抗溶接用電極が得
られる。
【0023】さらに,本発明によれば,W及びMoから
なる酸化物粉末に,ドープ剤として希土類元素の単体,
酸化物,窒化物,炭化物,硼化物のうちの一種又は,そ
れらの混合物の形態で添加し,還元雰囲気中で熱処理
し,得られた粉末を成形し,焼結し,加工することを特
徴とする抵抗溶接用電極の製造方法が得られる。
なる酸化物粉末に,ドープ剤として希土類元素の単体,
酸化物,窒化物,炭化物,硼化物のうちの一種又は,そ
れらの混合物の形態で添加し,還元雰囲気中で熱処理
し,得られた粉末を成形し,焼結し,加工することを特
徴とする抵抗溶接用電極の製造方法が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
て図面を参照して説明する。
【0025】図1は本発明の実施の形態による抵抗溶接
用電極の形状を示す正面図である。図1に示すように,
抵抗溶接用電極1又は2は,先端部がドーム形状を備え
た円柱状を備えている。外径16mm,先端部は直径6
mmでこの部分には,40Rの丸みを帯び,その先端部
の外側は,8Rの丸みを帯びた形状を備えている。
用電極の形状を示す正面図である。図1に示すように,
抵抗溶接用電極1又は2は,先端部がドーム形状を備え
た円柱状を備えている。外径16mm,先端部は直径6
mmでこの部分には,40Rの丸みを帯び,その先端部
の外側は,8Rの丸みを帯びた形状を備えている。
【0026】この抵抗溶接用電極1又は2の製造方法に
ついて更に具体的に説明する。
ついて更に具体的に説明する。
【0027】重量比でW%/Mo%が0/100〜10
0/0になるようにMo,Wの中間酸化物粉末を用意し
た。MoはMoO2 でWはWO2.72又はWO2.90の酸化
物を使用し,一般的な粉末冶金法による擂潰器により,
所定量の希土類を溶液に溶かし,ドープ釜にて撹拌混合
乾燥を行った後,水素還元して,3〜5μmの粒度のド
ープでタングステン・モリブデン合金メタル粉末を作成
した。その後金型プレスにより,棒状成型を行い,約1
400℃で仮焼結を行い,H2 雰囲気中で,ベルジャー
を用い直接通電を行い,棒状インゴットを作成した純W
の融点は3420℃,純Moは2620℃である為,W
/Moの重量比により,その融点が異なる為,焼結温度
は溶断電流の90〜95%にて水素雰囲気中のベルジャ
ー内で直接通電焼結法にて行いインゴットを作製した。
ちなみに,インゴット断面手法は□25であった。その
後,転打加工を行い,その後,丸棒表面の黒皮酸化物除
去の為,センタレス研磨して外削し,外径16m/m丸
棒に仕上げた。
0/0になるようにMo,Wの中間酸化物粉末を用意し
た。MoはMoO2 でWはWO2.72又はWO2.90の酸化
物を使用し,一般的な粉末冶金法による擂潰器により,
所定量の希土類を溶液に溶かし,ドープ釜にて撹拌混合
乾燥を行った後,水素還元して,3〜5μmの粒度のド
ープでタングステン・モリブデン合金メタル粉末を作成
した。その後金型プレスにより,棒状成型を行い,約1
400℃で仮焼結を行い,H2 雰囲気中で,ベルジャー
を用い直接通電を行い,棒状インゴットを作成した純W
の融点は3420℃,純Moは2620℃である為,W
/Moの重量比により,その融点が異なる為,焼結温度
は溶断電流の90〜95%にて水素雰囲気中のベルジャ
ー内で直接通電焼結法にて行いインゴットを作製した。
ちなみに,インゴット断面手法は□25であった。その
後,転打加工を行い,その後,丸棒表面の黒皮酸化物除
去の為,センタレス研磨して外削し,外径16m/m丸
棒に仕上げた。
【0028】その後,図1のようなR形状した電極に機
械加工して仕上げ,スポット抵抗溶接用電極寿命試験に
供した。スポット溶接条件は下記表1の通りである。
械加工して仕上げ,スポット抵抗溶接用電極寿命試験に
供した。スポット溶接条件は下記表1の通りである。
【0029】
【表1】
【0030】溶融Znめっき鋼板をスポット溶接するに
あたり,図1に示すドーム型(先端径6mm)の抵抗溶
接用電極1,2電極を使用して,図2に示すように,連
続打点性を調査した。めっき鋼板3,4は,板厚0.8
mmの両面めっき鋼板であり,付着量は溶融めっき鋼板
で100g/m2 であった。また,溶接条件は,上記表
1に示した通りで,連続スポット抵抗溶接を行い,連続
打点性はナゲット部5を中央まで切断して測定した。ナ
ゲット部5のナゲット径が3.6mmになるまでの打点
で評価した。くり返し四回の平均値で連続打点性の調査
結果を下記表2に示す。
あたり,図1に示すドーム型(先端径6mm)の抵抗溶
接用電極1,2電極を使用して,図2に示すように,連
続打点性を調査した。めっき鋼板3,4は,板厚0.8
mmの両面めっき鋼板であり,付着量は溶融めっき鋼板
で100g/m2 であった。また,溶接条件は,上記表
1に示した通りで,連続スポット抵抗溶接を行い,連続
打点性はナゲット部5を中央まで切断して測定した。ナ
ゲット部5のナゲット径が3.6mmになるまでの打点
で評価した。くり返し四回の平均値で連続打点性の調査
結果を下記表2に示す。
【0031】なおW/Moの重量%は0/100,5/
95,10/90………95/5,100/0表2の通
りの5〜10%きざみで各々重量%を変えた種類の材料
を作り,その各々に希土類元素を合量重量%で0,0.
04,0.05,0.10,0.50,1.0,2.
0,3.0,4.0,5.0,6.0,7.0,8.
0,9.0,10.0%のインゴットを用意した。な
お,その値は径16mmの材料も同じ値であった。
95,10/90………95/5,100/0表2の通
りの5〜10%きざみで各々重量%を変えた種類の材料
を作り,その各々に希土類元素を合量重量%で0,0.
04,0.05,0.10,0.50,1.0,2.
0,3.0,4.0,5.0,6.0,7.0,8.
0,9.0,10.0%のインゴットを用意した。な
お,その値は径16mmの材料も同じ値であった。
【0032】W−Mo合金にドープされる各希土類元素
は実験した結果,下記表2のLa…Yの元素で,いずれ
の場合でも同じ効果が示されたため,その元素の合量で
評価出来る事が分ったので,データはその合量値で表現
してある。
は実験した結果,下記表2のLa…Yの元素で,いずれ
の場合でも同じ効果が示されたため,その元素の合量で
評価出来る事が分ったので,データはその合量値で表現
してある。
【0033】
【表2】 以上の材料を用いて焼接寿命テストを行った。その結果
を下記表3に示した。
を下記表3に示した。
【0034】
【表3】
【0035】上記表3の結果で,横軸はW−Mo合金の
W重量%を示している。例えばW5%という事は残り9
5%がMoという事になるのでWの0%は,Moの10
0%に相当し,Wの100%は,Moが0%に対応する
ような重量比を示している。希土類元素の合量はその合
金中に含まれる重量%を示している。スポット溶接回数
として,4000回以上のショット回数を打てた電極を
本発明品とした。又,10000回を越える場合は,時
間がかかりすぎるので,10000回以上(記号として
>10000とした)。上記表3から分かるように印
(*)は本発明以外の参考として区別した。
W重量%を示している。例えばW5%という事は残り9
5%がMoという事になるのでWの0%は,Moの10
0%に相当し,Wの100%は,Moが0%に対応する
ような重量比を示している。希土類元素の合量はその合
金中に含まれる重量%を示している。スポット溶接回数
として,4000回以上のショット回数を打てた電極を
本発明品とした。又,10000回を越える場合は,時
間がかかりすぎるので,10000回以上(記号として
>10000とした)。上記表3から分かるように印
(*)は本発明以外の参考として区別した。
【0036】表3から分かるように,寿命の長かったも
のは,Wが5以上で95重量%で残部がMoの組成より
成るW−Mo合金に於て,ドープされた希土類元素は,
合量でその残量が0.05〜10.0%(重量比)を有
する合金材料を使った電極が寿命が長かった。なお1
0.0%を越えるものは熱間転打,鍛造,圧延等で棒が
割れてしまい製品にならなかった。
のは,Wが5以上で95重量%で残部がMoの組成より
成るW−Mo合金に於て,ドープされた希土類元素は,
合量でその残量が0.05〜10.0%(重量比)を有
する合金材料を使った電極が寿命が長かった。なお1
0.0%を越えるものは熱間転打,鍛造,圧延等で棒が
割れてしまい製品にならなかった。
【0037】又,今回のテストは丸棒の加工品を使った
が圧延した板材より切り出した角電極でも,又,鍛造し
た材料でも同じ結果を示した。
が圧延した板材より切り出した角電極でも,又,鍛造し
た材料でも同じ結果を示した。
【0038】以上により,W−Mo合金に希土類元素を
残量させる事により大幅なスポット溶接用電極の寿命を
向上することが出来た。
残量させる事により大幅なスポット溶接用電極の寿命を
向上することが出来た。
【0039】下記表4,表5,表6として各希土類元素
を個々にドープ量(%)を分けた実験結果を示してあ
る。尚,表4(A)は95%W/5%Moに於て,表3
のLa…Yb,Yの15元素を各々分けてドープした電
極材料を使ったものでのスポット寿命テスト回数結果を
示してある。また,表5(B)は50%W/50%Mo
であり,表6(C)は5%W/95%Moの結果であ
る。なお表2のデータと表4,表5,表6のデータで同
一の材料の結果を示してあるものが1種類づつ表示して
ある。これは長い○印にて示しておいた。
を個々にドープ量(%)を分けた実験結果を示してあ
る。尚,表4(A)は95%W/5%Moに於て,表3
のLa…Yb,Yの15元素を各々分けてドープした電
極材料を使ったものでのスポット寿命テスト回数結果を
示してある。また,表5(B)は50%W/50%Mo
であり,表6(C)は5%W/95%Moの結果であ
る。なお表2のデータと表4,表5,表6のデータで同
一の材料の結果を示してあるものが1種類づつ表示して
ある。これは長い○印にて示しておいた。
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】上記表4,表5,及び表6から分かるよう
に,希土類元素を単独にて使用しても複合で使用しても
その合量でスポット溶接寿命は決まり,ほぼ同一結果に
なる事が分かる。
に,希土類元素を単独にて使用しても複合で使用しても
その合量でスポット溶接寿命は決まり,ほぼ同一結果に
なる事が分かる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
電極材料全体として用いることができる強度を備えると
ともに,寿命の長い抵抗溶接用電極とその製造方法とを
提供することができる。
電極材料全体として用いることができる強度を備えると
ともに,寿命の長い抵抗溶接用電極とその製造方法とを
提供することができる。
【図1】本発明の実施の形態によるW−Mo合金材料か
らなるの抵抗溶接用電極の形状を示す正面図である。
らなるの抵抗溶接用電極の形状を示す正面図である。
【図2】図1の抵抗溶接用電極を用い,Znめっき鋼板
を溶接した時の状態を説明するための断面図である。
を溶接した時の状態を説明するための断面図である。
1,2 抵抗溶接用電極 3,4 Znめっき鋼板 5 ナゲット部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 27/04 101 C22C 27/04 102 102 B22F 5/00 J
Claims (3)
- 【請求項1】 重量比で5〜95%Wと残部が実質的に
MoとのW−Mo合金材料によって構成された抵抗溶接
用電極において,前記W−Mo合金材料は,La,C
e,Pr,Nd,Pm,Sm,En,Gd,Tb,D
y,Ho,Er,Tm,Yb,Yの希土類元素のうちの
少くとも一種を重量比で0.05〜10.0%ドープさ
れており,前記抵抗溶接用電極は,亜鉛めっき鋼板のス
ポット溶接に用いられることを特徴とする抵抗溶接用電
極。 - 【請求項2】 請求項1記載の抵抗溶接用電極におい
て,前記希土類元素は,単体,酸化物,窒化物,炭化
物,硼化物のうちの一種又はそれらの混合物の形態で添
加されることを特徴とする抵抗溶接用電極。 - 【請求項3】 W及びMoからなる酸化物粉末に,ドー
プ剤として希土類元素の単体,酸化物,窒化物,炭化
物,硼化物のうちの一種又は,それらの混合物の形態で
添加し,還元雰囲気中で熱処理し,得られた粉末を成形
し,焼結し,加工することを特徴とする抵抗溶接用電極
の製造方法。
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CN110229986A (zh) * | 2019-04-29 | 2019-09-13 | 廊坊开发区阳雨钨业股份有限公司 | 一种用于电极的稀土钨钼合金及其制备方法 |
-
1997
- 1997-05-15 JP JP12555097A patent/JP3328799B2/ja not_active Expired - Fee Related
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